JP3926939B2 - 合成樹脂製の成形歯車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂製の成形歯車に関し、より詳細には、同心円状に複数配されたそれぞれのリムの外周側に歯部が一体成形されている二段の合成樹脂製の成形歯車において、内側に位置する歯車を形成する合成樹脂の収縮差を調整して成形精度を向上させることができる合成樹脂製の成形歯車に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の成形歯車の従来例を図6(a) ,(b) 、図7を用いて説明する。
図6はこの種の成形歯車の一従来例を示し、(a) は平面図、(b) は、(a) に示す歯車のE−E断面図である。
本従来例では、異なる径を有するリム11,12が、ボス13の外側に同心円状に配置されており、リム11,12の外周面には複数の歯部14,15がそれぞれ形成されている。ウェブ16は、その外径部でリム11の内周面に一体化されると共に、内径部でボス13に一体化されている。また、ウェブ17は、その外径部で、リム12の内周面に一体化されると共に、内径部でリム11の一端部(図6(b) からみて下端部)11aに一体化されている。
なお、リム11の内部はウェブ16によって図6(b) からみて上下に分けられており、上方および下方の内部には、それぞれ補強用のリブ18,19が放射状に形成されている。
【0003】
図7はこの種の成形歯車の他の従来例を示す断面図である。
本従来例では、異なる径を有するリム11,12が、ボス13の外側に同心円状に配置されており、リム11,12の外周面には複数の歯部14,15がそれぞれ形成されている。ウェブ20は、その外径部でリム12の内周面に一体化されると共に、内径部でボス13に一体化され、さらに、リム11の一端部(図7において下端部)11aとも一体化されている。
なお、リム11の内部には、補強用のリブ21が図6(a) に示すリブ18と同様に放射状に形成されている。
【0004】
そして、これらの歯車を製造する場合には、合成樹脂などの溶融材料を、例えば、ウェブ17、ウェブ20の上面に同心円上に所定の個数設けられたゲート(図6、図7においては二点鎖線で一つだけ示す)から歯車の形状に一致するキャビティーを形成した金型(図示省略)内に注入する。注入された溶融材料は、当初、ゲート位置を中心に放射状に流れるが、やがてリム11,12と歯部14,15を形成するためのキャビティー内を充填する。その後、溶融材料を冷却固化し、離型することによって、図6(a) ,(b) 、図7に示すような合成樹脂製の成形歯車が得られる。
【0005】
このような射出成形加工においては、溶融材料の冷却固化時に多かれ少なかれ収縮作用が働き、所定の歯車形状の形成に影響を及ぼすことが知られている。そして、その収縮度は、一般には、肉厚が厚く溶融材料の充填量が多いほど、肉厚が薄く溶融材料の充填量が少ない場所よりも固化が遅れて大きくなる。また、同じ肉厚の場合には金型との接触面積が少ない箇所ほど熱が逃げにくく固化が遅れてしまいやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図6、図7に示す従来例の歯車は、いづれもリム11に対して上方から肉抜きが行われるように形成されている。しかし、リム11の上端部11bは、その上面側と、内側にあるリブ間と、歯部の外側との三方に位置する金型の駒に接するため、下端部11aに比べて熱が奪われ易く、冷却作用が早く働いて、相対的に収縮作用があまり働かないうちに固化してしまい易い。そのため、リム11の上端部11bの直径は、成形時の収縮作用の差によって、それより下方の部分の直径に対して大きくなり、リム11は、外周面が図6(b) 、図7にそれぞれ二点鎖線で示すように傾いたテーパ状に形成されてしまう傾向があった。このようにして生じる径差は、特に歯部14がはすばの場合には、その歯車精度を著しく悪化させる原因となってしまう。そのため、上記のような従来例の製作にあたっては、その加工に大変苦労していた。
【0007】
そこで本発明は、上記のような二段の合成樹脂製の歯車における内側に位置する歯車の歯幅にわたる外径の径差を極力小さくして歯車の精度を向上させることができる合成樹脂製の成形歯車の提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明による合成樹脂製の成形歯車は、異なる径を有していてそれぞれ外周面に複数の歯部が形成されている二つのリムがボスを中心とする同心円状に配置される合成樹脂製の成形歯車において、前記二つのリムのうち内側のリムの一端部および該リムの外周面に形成されている複数の歯部の一端部にそれぞれ接続し、かつ、前記ボスから外側に向かって同心円状に延びる第1ウェブの外径部に該リムとの接続箇所で接続している環状部と、一端が前記環状部の外径部に接続し、かつ、他端が前記二つのリムのうち外側のリムの内径部から内側に向かって同心円状に延びる第2ウェブの内径部に接続する筒状部と、からなる円筒部が前記二つのリムの間に一体成形されており、前記環状部の肉厚および前記筒状部の肉厚は、それぞれ前記環状部に接続する前記内側のリムの肉厚より薄く形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、好ましくは、前記円筒部は、前記環状部と前記筒状部との接続箇所が前記環状部に接続する歯部の外側に位置するように形成されていることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、好ましくは、前記円筒部は、前記環状部と前記筒状部との接続箇所および/または前記筒状部と前記第2ウェブとの接続箇所が面取りされていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態を、図を用いて説明する。
図1は本発明による合成樹脂製の成形歯車の一実施形態を示し、(a) は平面図、(b) は(a) に示す成形歯車のA−A断面図である。
本実施形態の成形歯車は、異なる径を有するリム11,12が、ボス13の外側に同心円状に配置されており、リム11,12の外周面には複数の歯部14,15がそれぞれ形成されている。また、ウェブ16は、ボス13とリム11との間に、ウェブ17は、リム11とリム12との間にそれぞれ同心円状に配置されている。ウェブ16は、内径部がボス13に外径部がリム11の一端部(図1(b) において下端部)11aに接続して一体化されている。また、ウェブ17は、外径部がリム12に接続して一体化されている。
リム11の内部には補強用のリブ21が形成されている。なお、リブ21は要求されるリム11の強度によっては、形成されていなくてもよい。
【0014】
ここで、本実施形態の成形歯車では、リム11の下端部11aと歯部14の一端部(図1(b)において下端部)14aとに接続すると共に、ウェブ17の内径部に接続する円筒部22が、歯車本体10を構成する部材として一体成形されている。
円筒部22は、環状部23と筒状部24とで構成されている。環状部23は、リム11の下端部11aと歯部14の下端部14aとに接続し、筒状部24は、一端部(図1(b)において上端部)24aが環状部23の外径部に接続し、他端部(図1(b)において下端部)24bがウェブ17の内径部に接続している。
また、環状部23および筒状部24は、それぞれ、肉厚T1,T2がリム11の肉厚T3 より薄くなるように形成されている。
また、本実施形態では、環状部23と接続するリム11の下端部11aおよび歯部14の下端部14aは、リム12の上端部12aより上方に位置しており、歯部14の歯幅W1は、実際の使用に必要な歯幅に抑えられている。
なお、本実施形態の成形歯車では、ウェブ17の一方の面にゲートが同心円上に複数個配置(図1(a),(b)においては二点鎖線で一つだけ示す)されている。
【0015】
また、本実施形態の成形歯車は、上述した従来の成形歯車と同様の方法で製造される。すなわち、合成樹脂などの溶融材料を、例えば、ウェブ17の一方の面に同心円上に設けられた複数のゲートから歯車の形状に一致するキャビティを形成した金型(図示省略)内に注入する。注入された溶融材料は、当初、ゲート位置を中心に放射状に流れるが、やがて、リム12、歯部15、円筒部22、リム11、歯部14、ウェブ16、ボス13など歯車本体10を構成する各部のキャビティー内を充填する。その後、溶融材料を冷却固化し、離型することによって、図1(a) ,(b) に示すような合成樹脂製の成形歯車が得られるように設計されている。
【0016】
このとき、本実施形態の成形歯車によれば、リム11の肉厚T3に比べて薄い肉厚T1,T2を有する円筒部22がリム11の下端部11aと歯部14の下端部14aと接続すると共に、ウェブ16の内径部に接続するため、実際の射出成形においてキャビティー内の溶融材料は、円筒部22で、リム11よりも先に固化し、円筒部22に遅れてリム11で固化が始まる。ここで、リム11および歯部14とが一体化される箇所は、肉厚がリム11の肉厚T3よりも大きくなるのでリム11の歯部14と接していない箇所より熱が逃げにくく固化が遅れるが、当該箇所が固化するよりも先に環状部23が固化しているため、その箇所の収縮率が抑えられる。このため、リム11の円周方向の径差が小さくなる。また、円筒部22は、リム11および歯部14と接続する箇所での肉厚が肉厚T1より大きくなるので、リム11および歯部14の下端部11a,14aでの固化が遅れるが、当該箇所が固化するよりも先に筒状部24が固化しているためその箇所の収縮率が抑えられる。このため、リム11の歯幅方向の径差が大きくなる。
【0017】
したがって、本実施形態の成形歯車によれば、射出成形時において、リム11で収縮が発生したときに、リム11の下端部11aがボス13側へ引っ張られにくくなり、これにより、リム11は、両端部11a,11bの収縮率差がほとんどない状態で成形され、変形の度合いが歯幅W1 全体で平均化されて、歯車の歯幅W1 における径差が低減する。また、円周方向においてもリム11の全体にわたってほぼ径が均一に形成される。
このため、本実施形態の成形歯車によれば、内側に位置する歯車の歯すじ方向誤差が極力抑えられるなど、内側の歯車の精度を向上させることができる。
なお、リム11の上端部11bが外側に傾き易い場合には、リム11の肉厚T3 を厚くして円筒部22とリム11との相対的な肉厚を調整すれば、その傾きを抑えることができる。
このため、本実施形態の成形歯車によれば、歯車の径差を低減させるために、環状部23の肉厚T1 、筒状部24の肉厚T2 、リム11の肉厚T3 で調整することができ、調整可能な箇所が多くなるため、その分、リムの収縮方向、収縮量を微調整しやすくなり、内側の歯車の精度を格段に向上させ易くなる。
なお、筒状部24の軸方向の長さが短いと円筒部22を設けたことによる効果が十分に得られず、逆に筒状部24の軸方向の長さが長すぎると筒状部24の収縮による影響が無視できなくなって本発明の効果が損なわれてしまうこともある。本発明では全体的なバランスを考慮して各部の寸法が決定されるが、このような支障を来すことがないようにするために、筒状部24の軸方向の長さは筒状部24の内径の10〜50%の範囲内とするのが好ましい。
【0018】
また、本実施形態の成形歯車によれば、円筒部22は、リム11および歯部14の下端部11a,14aと一体化する環状部23と、環状部23の外径部に上端部24aで接続する筒状部24とで構成されており、図示より明らかなように環状部23は歯車の回転軸に対し垂直に形成され、筒状部24は歯車の回転軸に対し平行に形成されているので、歯車が回転するときにリム11および歯部14に対してかかる捩じれや揺れが抑えられて、回転が安定する。
【0019】
その他、本実施形態の成形歯車において、歯車に要求される強度に応じて、円筒部22の内部にボス13と接続するリブ(図示省略)を設ければ、歯車の歯部11を補強することができる。なお、リブを設けると、そのリブと接続する円筒部22の一部の肉厚が大きくなり、円筒部22の収縮率に多少の差が生ずる可能性があるが、補強リブの収縮率と円筒部22の収縮率とを考慮してリブを設計すれば、筒状部24の外周面は、直接的にはリム11や歯部14に接していないため、歯車の精度に悪影響を及ぼさないようにすることができる。
【0020】
図2は本発明による合成樹脂製の成形歯車の他の実施形態を示し、(a) は平面図、(b) は(a) に示す歯車のB−B断面図である。
本実施形態の歯車は、円筒部22を構成する環状部23と筒状部24との接続箇所が、円筒部22に接続する歯部14よりも外側に突出している点で、図1の実施形態の成形歯車とは異なる。
【0021】
円筒部22において環状部23と筒状部24との接続箇所は、肉厚がそれぞれの肉厚T1 ,T2 よりも大きくなり、その分、溶融材料の充填量が多くなるので収縮率が大きくなりやすく、成形時の熱も逃げにくい。このため、歯部14の下端部14aが環状部23と筒状部24との接続箇所に接続していると、その部分が、その接続箇所に接続していない部分に比べて相対的に収縮率が大きくなり、歯部14全体で歪みが生じるおそれがある。
その点、本実施形態の成形歯車によれば、歯部14は、環状部23と筒状部24との接続領域に接続することなく、環状部23に接続するようにしたので、環状部23と筒状部24との接続領域の影響を歯部14に及ぼさないようにすることができる。
したがって、本実施形態の成形歯車によれば、円筒部22に接続する歯部14の下端部14aにおける収縮率を全体的に均等化することができ、歯車の精度をより一層向上させることができる。
その他の構成、作用および効果は図1の実施形態の成形歯車とほぼ同様である。
【0022】
図3は本発明による合成樹脂製の成形歯車のさらに他の実施形態を示す断面図である。
本実施形態の成形歯車は、円筒部22を構成する環状部23と筒状部24との接続箇所に面取りを施して、その部分の肉厚を小さくしている点で、図2に示す実施形態の成形歯車とは異なる。
そして、円筒部22は、その面取りにより環状部23と筒状部24との接続箇所とそれ以外の箇所とで肉厚がほぼ均等に形成されている。
本実施形態の成形歯車によれば、円筒部22における環状部23と筒状部24との接続箇所とそれ以外の箇所との収縮率がほぼ均等化される。
したがって、本実施形態の成形歯車によれば、成形時の歯車の精度をより一層向上させることができる。
なお、面取りの形状は、円筒部22における環状部23と筒状部24との接続箇所とそれ以外の箇所とで溶融樹脂の収縮率がほぼ等しくなるような肉厚にすることができれば、図3に示すような斜面以外に、丸みなど、どのような形状に形成してもよく、また、面取りの位置は、円筒部22の外側、内側を問わない。また、特に図示しないが、同様の面取り形状を筒状部24とウェブ17との接続箇所に施してもよい。
その他の構成、作用および効果は図2の実施形態の成形歯車とほぼ同様である。
【0023】
図4は合成樹脂製の成形歯車の参考例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示す成形歯車のC−C断面図である。
本参考例の成形歯車は、ウェブ16の代わりにウェブ25が、その外径部でリム11の上端部11b、すなわち、軸方向の一端に一体化されている点で、図1の実施形態の成形歯車と異なる。
この場合、ウェブ25の肉厚T4は、リム11の肉厚T3以上に形成されている。本参考例の成形歯車によれば、射出成形時において、ウェブ25で収縮が発生したときに、リム11の上端部11bがボス13側へ引っ張られた状態となり、リム11の両端部11a,11bの径差がなくなるように力が働く。
また、本参考例の歯車において、ウェブ25の肉厚T4を変えれば、リム11の上端側の径を調整することができる。
したがって、本参考例の成形歯車によれば、小さな径の歯車の精度を肉厚T1,T2,T3,T4の4ヶ所で調整することができ、調整可能な箇所が多い分微調整ができ歯車の精度を上げ易くすることができる。
【0024】
図5は合成樹脂製の成形歯車のさらに他の参考例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示す歯車のD−D断面図である。
本参考例の成形歯車は、それぞれ異なる径のリム11,12,26を有し、ボス13とリム11との間、リム11とリム12との間およびリム12とリム26との間にそれぞれ同心円状に配置された複数のウェブ16,17,27とを有する三段の歯車として構成されている。
リム11の下端部11aと歯部14の一端部(図5(b)において下端部)14aとに接続すると共に、ウェブ17の内径部に接続する円筒部22と、リム12の下端部12bと歯部15の一端部(図5(b)において下端部)15aとに接続すると共に、ウェブ27の内径部に接続する円筒部29が、歯車本体10を構成する部材としてそれぞれ一体成形されている。なお、リム26の外周面には歯部28が形成されている。
【0025】
円筒部29は、環状部30と筒状部31とで構成されている。環状部30は、リム12の下端部12bと歯部15の下端部15aとに接続し、筒状部31は、一端部(図5(b)において上端部)31aが環状部30の外径部に接続し、他端部(図5(b) において下端部)31bがウェブ27の内径部に接続している。
また、環状部30および筒状部31は、それぞれ、肉厚T1’,T2’がリム11の肉厚T3’以下となるように形成されている。
また、環状部30と接続するリム12の下端部12bおよび歯部15の下端部15aは、リム26の上端部26aより上方に位置しており、歯部15の歯幅W2は、実際の使用に必要な歯幅に抑えられている。
なお、本参考例の成形歯車では、ウェブ27の一方の面にゲートが同心円上に複数個配置(図5(a),(b)においては二点鎖線で一つだけ示す)されている。
【0026】
なお、本参考例のような三段の歯車の場合は、図5(b)に示すように、リム26,12,11を、径の大きさの順に、ウェブ27の一方の側(図5(b)の場合上側)に設ければ、金型で成形可能である。
【0027】
また、本参考例では、円筒部を二つ形成したが、円筒部22と円筒部29のいづれか一つだけ形成してもよい。その場合には、その円筒部に接続する歯部の成形精度が向上する。
【0028】
なお、上記各実施形態及び各参考例の歯車の成形加工時において、前記円筒部の外側に配置された前記ウェブから金型のキャビティー内に溶融材料を注入して制作されるようにするのが好ましい。
例えば、図4の参考例の成形歯車の場合、仮に、ゲートをウェブ25の上面に設けると、溶融材料が金型のキャビティー内に充填されたとき、ウェブ25での溶融材料の圧力が他の部分に比べて著しく高くなり、ウェブ25での収縮量が小さくなり、リム11の上端部11bの直径が、それより下側に比べて大きくなってしまうからである。
【0029】
その他、本発明による合成樹脂製の成形歯車のリムの外周面に形成される歯の種類は特に限定されず、例えば、平歯、はす歯であってもよい。
さらに、本発明による合成樹脂製の成形歯車に用いる円筒部は、リムに歯部を有していない、例えば合成樹脂製のプーリーやギアなしのパイプなどの径差改善手段として応用可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、二段の歯車における内側の歯車の歯部の歯幅方向、および回転方向の径差を極力小さくして、歯車の成形精度を格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による合成樹脂製の成形歯車の一実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示す成形歯車のA−A断面図である。
【図2】 本発明による合成樹脂製の成形歯車の他の実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示す歯車のB−B断面図である。
【図3】 本発明による合成樹脂製の成形歯車のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図4】 合成樹脂製の成形歯車の参考例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示す歯車のC−C断面図である。
【図5】 合成樹脂製の成形歯車のさらに他の参考例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示す歯車のD−D断面図である。
【図6】 合成樹脂製の成形歯車の一従来例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示す歯車のE−E断面図である。
【図7】 合成樹脂製の成形歯車の他の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
11,12,26 リム
11a,12b リムの下端部
11b,12a,26a リムの上端部
13 ボス
14,15,28 歯部
14a,15a 歯部の下端部
16,17,20,25,27 ウェブ
18,19,21 リブ
22,29 円筒部
23,30 環状部
24,31 筒状部
24a,31a 筒状部の上端部
24b,31b 筒状部の下端部
Claims (3)
- 異なる径を有していてそれぞれ外周面に複数の歯部が形成されている二つのリムがボスを中心とする同心円状に配置される合成樹脂製の成形歯車において、
前記二つのリムのうち内側のリムの一端部および該リムの外周面に形成されている複数の歯部の一端部にそれぞれ接続し、かつ、前記ボスから外側に向かって同心円状に延びる第1ウェブの外径部に該リムとの接続箇所で接続している環状部と、一端が前記環状部の外径部に接続し、かつ、他端が前記二つのリムのうち外側のリムの内径部から内側に向かって同心円状に延びる第2ウェブの内径部に接続する筒状部と、からなる円筒部が前記二つのリムの間に一体成形されており、
前記環状部の肉厚および前記筒状部の肉厚は、それぞれ前記環状部に接続する前記内側のリムの肉厚より薄く形成されていることを特徴とする合成樹脂製の成形歯車。 - 前記円筒部は、前記環状部と前記筒状部との接続箇所が前記環状部に接続する歯部の外側に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製の成形歯車。
- 前記円筒部は、前記環状部と前記筒状部との接続箇所および/または前記筒状部と前記第2ウェブとの接続箇所が面取りされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の合成樹脂製の成形歯車。
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