JP2000110919A - 合成樹脂製の成形歯車 - Google Patents

合成樹脂製の成形歯車

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JP2000110919A
JP2000110919A JP10281525A JP28152598A JP2000110919A JP 2000110919 A JP2000110919 A JP 2000110919A JP 10281525 A JP10281525 A JP 10281525A JP 28152598 A JP28152598 A JP 28152598A JP 2000110919 A JP2000110919 A JP 2000110919A
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rim
thickness
boss
rib
synthetic resin
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JP10281525A
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Koji Noguchi
幸二 野口
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Enplas Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H55/00Elements with teeth or friction surfaces for conveying motion; Worms, pulleys or sheaves for gearing mechanisms
    • F16H55/02Toothed members; Worms
    • F16H55/06Use of materials; Use of treatments of toothed members or worms to affect their intrinsic material properties
    • F16H2055/065Moulded gears, e.g. inserts therefor

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  • Gears, Cams (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】リブを備えた構成にした場合において、歯車の
成形精度を向上させることができる合成樹脂製の成形歯
車を提供する。 【解決手段】外周面で複数の歯部と一体化しているリム
12と、リム12の内側に同心円状に配置されたボス1
3と、リム12とボス13との間に放射状に配置され、
両端がリム12とボス13とに接続された複数のリブ1
5とが、金型内に溶融した合成樹脂を注入することによ
って一体成形されている合成樹脂製の成形歯車におい
て、リブ15は、リム12と接続する端部15aの肉厚
aが、リム12の肉厚bに比べて薄く形成されていると
共に、リム12と接続する端部から離れた位置15bの
肉厚cが、少なくとも一部分で、リム12と接続する端
部15aの肉厚aに比べて厚く形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外周側に歯部を有
するリムの内周側に補強用のリブを備えた合成樹脂製の
成形歯車に関し、より詳細には、歯車の成形精度を向上
させることができる合成樹脂製の成形歯車に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、外周に歯部を備えた合成樹脂製
の成形歯車は、歯幅が所定の大きさ以上のものになる
と、合成樹脂の収縮作用が大きく働いて、成形される歯
車の歪みが大きくなってしまうため、歯車としての精度
を確保するために、肉抜きが必要となる。しかし、歯車
の内側を単純な形状に肉抜きしたのでは成形された歯車
の剛性が低下し、噛み合い動作時における歯車の変形量
が多くなり、歯車としての性能が落ちてしまう。そこ
で、従来、肉抜きを必要とするような合成樹脂製の成形
歯車においては、その剛性を確保するために、外周側に
歯部を有するリムとボスとの間に複数の補強用のリブを
放射状に配置してその両端をリムとボスとに接続させた
構成のものが広く採用されている。
【0003】この種の歯車の従来例を図5に示す。円筒
形のリム12は、外周面で複数の歯部11と一体化して
いる。ボス13は、リム12に対し同心円状に配置され
ている。ウェブ14は、リム12とボス13とに接続さ
れている。また複数のリブ15が、ボス13よりリム1
2へ向けて放射状に延びていて、ボス13の外周面と、
リム12の内周面と、ウェブ14とに接続されている。
【0004】そして、この種の歯車は、合成樹脂などの
溶融材料を、例えば、リム12と、ボス13との間のウ
ェブ14の一方の側の面に同心円上に所定の個数設けら
れたゲート(図5においては二点鎖線で一つだけ示す)
から図5に示すような歯車の形状に一致するキャビティ
ーを形成した金型(図示省略)内に注入する。注入され
た溶融材料は、当初、ゲート位置を中心に放射状に流れ
るが、やがて全体としてはウェブ14の外径方向および
内径方向へ向かって流れる。そして、外径方向へ流れた
溶融材料は、歯部11とリム12のキャビティー内を充
填し、内径方向へ流れた溶融材料は、ボス13のキャビ
ティー内を充填する。その後、溶融材料を冷却固化し、
離型することによって、図5に示すような合成樹脂製の
成形歯車が得られる。
【0005】このような射出成形加工においては、冒頭
で歯車の歯幅の大きさに関し少し触れたように、溶融材
料の冷却固化時に多かれ少なかれ収縮作用が働き、所定
の歯車形状の形成に影響を及ぼすことが知られている。
そして、その収縮度は、一般には、肉厚が厚く溶融材料
の充填量が多いほど、肉厚が薄く溶融材料の充填量が少
ない場所よりも固化が遅れて大きくなる。そのため、図
6(a) に示すように、リブ15の肉厚aをリム13の肉
厚bとほぼ同じかまたはそれ以上の厚さに形成した場合
には、リブ15とリム13との交点部における溶融材料
の充填量が多くなり、収縮の度合いは図6(a) において
白抜きの矢印で示したようになり、リブ15とリム13
との接続領域の固化が、その周囲の領域に比べて大きく
遅れてしまう。その結果、リム13のリブ15との接続
領域の外側が図中に一点鎖線で示すように、大きく内側
へ収縮し、リム13の外周側に備えられた歯が図6(b)
に一点鎖線で示すように大きく歪んでしまい、歯の1ピ
ッチ当たりの噛み合い誤差が局部的に非常に大きくなっ
てしまう。そこで、従来のこの種の合成樹脂製の成形歯
車においては、図6(c) に示すように、リブ15の肉厚
1 をリム13の肉厚bに比べて極力薄く形成し、その
交点部における肉厚が極力小さくなるようにして、その
接続領域における固化の遅れを防ぎ、リム13の外周側
に備えられた歯に与える歪みを小さく抑えて、歯の1ピ
ッチ当たりの噛み合い誤差を低減させることができるよ
うにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の合成樹脂製の成形歯車のようにリブ15をその肉
厚a1 が極力薄くなるように形成すると、リブ15とリ
ム13との交点部における溶融材料の充填量を少なくす
ることができる一方、リブ15全体とリム13全体との
肉厚が大きく異なることになる。そのため、リブ15と
リム13のそれぞれの収縮率が図6(c) において白抜き
の矢印で示したように大きく異なり、溶融材料は、先に
リブ15の部分で固化され、リム13の部分での固化が
遅れてしまう。そして、リム13におけるリブ15との
交点部近傍の限られた領域における収縮率が小さくなる
一方、それ以外の領域の収縮率が相対的に大きくなり、
リム13は、合成樹脂の固化時に図6(d) に一点鎖線で
示すように、大きなうねりを生じて形成され、外径全体
の径差がリブとの交点部近傍とそれ以外の領域とで大き
くなり、結果的に歯車全体の噛み合い誤差が大きくなっ
てしまっていた。
【0007】そこで本発明は、リブを備えた歯車の成形
精度を向上させることができる合成樹脂製の成形歯車の
提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題を達成するため
に、本発明による合成樹脂製の成形歯車は、外周面で複
数の歯部と一体化しているリムと、前記リムの内側に同
心円状に配置されたボスと、前記リムと前記ボスとの間
に放射状に配置され、両端が前記リムと前記ボスとに接
続された複数のリブとが一体成形されている合成樹脂製
の成形歯車において、前記リブは、前記リムと接続する
端部の肉厚が、前記リムの肉厚に比べて薄く形成されて
いると共に、前記リムと接続する端部から離れた箇所の
肉厚が、少なくとも一部分で、前記リムと接続する端部
の肉厚に比べて厚く形成されていることを特徴とする。
【0009】また本発明は、好ましくは、前記リブは、
前記ボスと接続する端部の肉厚が、前記ボスの肉厚に比
べて薄く形成されていると共に、前記ボスと接続する端
部から離れた箇所の肉厚が、少なくとも一部分で、前記
ボスと接続する端部の肉厚に比べて厚く形成されている
ことを特徴とする。
【0010】また本発明による樹脂成形歯車は、外周面
で複数の歯部と一体化しているリムと、前記リムの内側
に同心円状に配置されたボスと、前記リムと前記ボスと
の間に同心円状に配置された環状部と、前記リムと前記
環状部との間に放射状に配置され、両端が前記リムと前
記環状部に接続された複数のリブとが一体成形されてい
る合成樹脂製の成形歯車において、前記リブは、前記リ
ムと接続する端部の肉厚が、前記リムの肉厚に比べて薄
く形成されていると共に、前記リムと接続する端部から
離れた箇所の肉厚が、少なくとも一部分で、前記リムと
接続する端部の肉厚に比べて厚く形成されていることを
特徴とする。
【0011】また本発明は、好ましくは、前記環状部と
前記ボスとの間に放射状に配置され、両端が前記環状部
と前記ボスに接続された複数のリブとが一体成形されて
おり、前記環状部と前記ボスとの間に放射状に配置され
たリブは、前記ボスと接続する端部の肉厚が、前記ボス
の肉厚に比べて薄く形成されていると共に、前記ボスと
接続する端部から離れた箇所の肉厚が、少なくとも一部
分で、前記ボスと接続する端部の肉厚に比べて厚く形成
されていることを特徴とする。
【0012】また本発明は、好ましくは、前記リムと前
記ボスとの間に同心円状に配置された二以上の環状部
と、前記各環状部の間に放射状に配置され、両端が前記
各環状部に接続された複数のリブとが一体成形されてお
り、前記各環状部の間に放射状に配置されたリブは、前
記各環状部と接続する少なくとも一方の端部の肉厚が、
接続する環状部の肉厚に比べて薄く形成されていると共
に、それ以外の箇所の肉厚が、少なくとも一部分で、前
記環状部と接続する薄肉に形成された端部の肉厚に比べ
て厚く形成されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態を、図を用
いて説明する。図1は本発明による合成樹脂製の成形歯
車の一実施形態を示し、(a) は平面図、(b) は(a) に示
す歯車のA−A断面図である。
【0014】本実施形態の合成樹脂製の成形歯車は、外
周面で複数の歯部11と一体化している円筒形のリム1
2と、リム12と同心円状に位置するボス13と、リム
12とボス13とに接続されたウェブ14と、ボス13
よりリム12へ向けて放射状に延びていて、ボス13の
外周面とリム12の内周面およびウェブ14とに接続さ
れた複数のリブ15とを有している。これらの部材を備
えているという点においては、本実施形態の成形歯車は
従来のこの種の成形歯車と構成がほぼ同じである。本実
施形態の成形歯車が、従来の成形歯車と大きく異なるの
は、以下に示すリブの形態である。複数のリブ15は、
それぞれリム12の内周面との接続部15aの肉厚a
が、リム12の肉厚bに比べて薄く、且つ、リム12の
内周面と接続する端部15aより内側部分15bの肉厚
cが、リム12の内周面と接続する端部15aの肉厚a
に比べて厚くなるように形成されている。そして、本実
施形態においては、リブ15のリム12の内周面と接続
する端部15aの肉厚aが、それぞれのリブ15内にお
いて最小になっている。本実施形態においては、リブ1
5におけるリム12の内周面と接続する端部15aの肉
厚aはリム12の肉厚bの肉厚の80パーセント以下の
厚みに形成されている。なおリブ15におけるリム12
の内周面と接続する端部15aの肉厚aは、リム12と
の接続領域における溶融材料の収縮を少なくするために
はリム12の肉厚bに比べて極力薄くすることが望まし
い。
【0015】なお、本実施形態の成形歯車は、上述した
従来の成形歯車と同様な方法で制作される。即ち、合成
樹脂などの溶融材料を、例えば、リム12と、ボス13
との間のウェブ14の一方の面に同心円上に設けられた
ゲート(図1(a) ,(b) においては二点鎖線で一つだけ
示す)から図1に示すような歯車の形状に一致するキャ
ビティを形成した金型(図示省略)内に注入する。注入
された溶融材料は、当初、ゲート位置を中心に放射状に
流れるが、やがて全体としてはウェブ14の外径方向と
内径方向へ向かって流れる。そして、外径方向へ流れた
溶融材料は、歯部11とリム12のキャビティー内を充
填し、また内径方向へ流れた溶融材料は、ボス13のキ
ャビティー内を充填する。その後、溶融材料を冷却固化
し、離型することによって、図1に示すような合成樹脂
製の成形歯車が得られる。
【0016】このとき、本実施形態の歯車によれば、リ
ブ15のリム12の内周面との接続部15aの肉厚a
を、リム12の肉厚bに比べて薄くしたので、リム12
が、リブ15の交点部において収縮率の差の影響をほと
んど受けることがなく、歯の1ピッチ当たりの噛み合い
誤差を極力抑えることができる。このとき、図6(c) ,
(d) に示す従来の歯車のように肉厚の薄いリブ15を全
体にわたって同じ肉厚となるように形成した場合には、
リム12との収縮差が大きくなりリブ15が先に固化し
てしまうため、リム12はリブ15との接続部からその
周辺にわたって外側へ大きくうねりを生じてしまう。そ
の点、本実施形態の歯車は、図1に示すように、リブ1
5のリム12の内周面との接続部15aの肉厚aを、リ
ム12の肉厚bに比べて極力薄くすると共に、リブ15
のリム12の内周面との接続部15aより内側部分15
bの肉厚cが、少なくとも一部分で、リブ15のリム1
2の内周面との接続部15aの肉厚aよりも厚くなるよ
うにしたので、例えば、リブ15の肉厚cで示す部分の
厚みをリム12が全体的に均一に収縮するように収縮率
を調整して設計することによって、リム12全体のうね
りを極力抑えることができ、同時にリムの外径の径差を
低減させることができる。しかも、リムの外径の径差が
低減すれば、一つの歯における、リムのうねり成分の影
響がその分低減して、その分、歯の1ピッチ当たりの噛
み合い誤差が少なくなる。したがって、本実施形態の成
形歯車によれば、歯の1ピッチ当たりの噛み合い誤差と
リムの外径の径差を同時に低減させることができ、さら
に、歯の1ピッチ当たりの噛み合い誤差を、従来のリブ
全体を細く形成した歯車に比べてより一層低減させるこ
とができる。
【0017】図2は、本実施形態および従来の合成樹脂
製の成形歯車における両歯面噛み合い誤差の計測結果を
示すグラフであり、(a) は本実施形態の合成樹脂製の成
形歯車における両歯面噛み合い誤差の計測結果、(b)
は、リブの肉厚を全体に渡って薄くした従来の合成樹脂
製の成形歯車における両歯面噛み合い誤差の計測結果、
(c) は、リブの肉厚を全体に渡って厚くした従来の合成
樹脂製の成形歯車における両歯面噛み合い誤差の計測結
果である。なお、それぞれの図中において所定間隔で示
す上向きの矢印は、リムのリブとの交点部の外側に位置
する歯部が試験用歯車の歯部に噛み合わさった時点を示
す。また、図中Tは、歯車が一回転するまでの周期を示
す。
【0018】図2(b) より、リブの肉厚を全体に渡って
薄く形成した場合には、歯の1ピッチ当たりの噛み合い
誤差の最大値E21は、図2(c) に示すリブの肉厚を全体
に渡って厚く形成した場合の噛み合い誤差の最大値E31
に比べて小さくなることがわかる。しかし、リブの肉厚
を全体に渡って薄く形成した場合には、複数の歯の噛み
合い誤差にリムのうねり成分が加わり、噛み合い誤差は
リブとの交点部において最大となり、歯車全体の噛み合
い誤差の最大値E22が大きくなってしまうことがわか
る。これは、リブの肉厚を全体に渡って薄く形成した場
合には、リムとリブとの収縮率が大きく異なり、合成樹
脂の固化後にリムのリブとの交点部とその交点部から離
れた位置とにおける径差が大きくなるなど、リム全体に
大きな径差が生じるので、リブとの交点部をピークとし
てリム全体にかけて大きなうねりを生じ、そのうねり成
分が歯自体の成形時の歪み成分に加わるためと考えられ
る。また、図2(c) に示すようにリブの肉厚を全体に渡
って厚く形成した場合には、リブとの交点部の外側に位
置する歯の1ピッチ当たりの噛み合い誤差の最大値E31
が局部的に非常に大きくなり、リム全体の噛み合い誤差
の最大値E32も大きくなってしまうことがわかる。これ
は、リブの肉厚を全体に渡って厚く形成した場合には、
リム全体に大きな径差は生じず、リム全体にかけての大
きなうねりは生じないが、リムはリブとの交点部におい
て局部的に大きく収縮するので、その外側に位置する歯
が大きく歪むためと考えられる。
【0019】これに対し、本実施形態の合成樹脂製の成
形歯車の場合には、図2(a) に示すように、歯の1ピッ
チ当たりの噛み合い誤差の最大値E11が、図2(b) に示
すようなリブの肉厚を全体に渡って薄く形成した場合に
おける歯の1ピッチ当たりの噛み合い誤差の最大値E21
よりもさらに小さくなり、しかも、図2(b) に示すよう
な大きなうねりも生じていないことがわかる。また、本
実施形態の歯車では、歯車全体の噛み合い誤差の最大値
12も図2(b) および図2(c) に示す従来の歯車におけ
る歯車全体の噛み合い誤差の最大値E22,E32に比べて
格段と小さくなっていることがわかる。これは、リブの
リムとの交点部を極力薄くしたのでリムがリブとの接続
領域において局部的に大きく収縮することがなく、しか
も、その交点部以外の部分の肉厚を厚くしたのでリブ全
体の収縮率とリムの収縮率とが同じになるように調整し
ておくことにより、リム全体に大きな径差が生じること
がなくなり、大きなうねりが生じないためと考えられ
る。また、歯の1ピッチ当たりの噛み合い誤差の最大値
11が、リブの肉厚を全体に渡って薄く形成した場合よ
りも小さくなるのは、リム全体に大きなうねりが生じな
いので、そのうねり成分が歯自体の成形時の歪み成分に
加わらないためと考えられる。
【0020】なお、本発明の合成樹脂製の成形歯車にお
けるリブの形態は、図1の実施形態のものに限定される
ものではなく、厚みを持った部分を、リム全体に径差が
生じないような収縮率に調整することができる範囲内に
おいてどのような形態および個数にしてもよい。図3
は、本発明による合成樹脂製の成形歯車のリブの変形例
を(a) ないし(f)にそれぞれ示す部分平面図である。例
えば、リブの形状を図1および図3(a) に示すようにリ
ブ15の肉厚が、リム12の内周面と接続する端部15
aから離れた部分15bを、リム12の内周面と接続す
る端部15aに対し段差をもって厚くなるように形成し
てもよいし、図3(b) に示すようにリブ15の肉厚が、
リム12の内周面と接続する端部15aを離れるにした
がって、徐々に厚くなるように形成してもよい。
【0021】また、上記構成に加えて、ボスと接続する
端部の肉厚についても、ボスの肉厚に比べて薄く形成す
ると共に、ボスと接続する端部から離れた部分の肉厚
が、前記ボスと接続する端部の肉厚に比べて厚くなるよ
うに形成してもよい。その場合、図3(c) に示すように
リブ15の肉厚が、ボス13の外周面と接続する端部1
5cから離れた部分15bにおいて、ボス13の外周面
と接続する端部15cに対し段差をもって厚く形成して
もよいし、図3(d) に示すようにリブ15の肉厚が、ボ
ス13の外周面と接続する端部15cを離れるにしたが
って、徐々に厚くなるように形成してもよい。そのよう
な形態にリブを構成すれば、歯部の精度に加えて軸穴部
分の精度を向上させることができる。
【0022】さらに、リブ15における厚みを持った部
分15bを、図3(e) に示すような丸形の形状にして、
図示省略したエジェクタ機構に備えられたエジュクタピ
ンが当たるようにしてもよい。さらにはまた、リム12
からボス13までの間隔を考慮して図3(f) に示すよう
に図3(e) に示すような形状の厚みを持った部分15b
を複数個形成してもよい。
【0023】また、本発明による合成樹脂製の成形歯車
は、リムとボスとの間にこれらと同心円状の環状リブを
1個以上設けた構成の歯車においても適用可能である。
図4は本発明による合成樹脂製の成形歯車の他の実施形
態を示し、(a) は平面図、(b) は(a) に示す歯車のB−
B断面図である。リム12とボス13との間に同心円状
に環状リブ12’が配置されている。複数のリブ15
が、リム12と環状リブ12’との間に放射状に配置さ
れ、その両端がリム12と環状リブ12’に接続されて
いる。また複数のリブ15’が、環状リブ12’とボス
13との間に放射状に配置され、その両端が環状リブ1
2’とボス13に接続されている。そして、リブ15
は、リム12の内周面と接続する端部15aの肉厚a
が、リム12の肉厚bに比べて薄く形成されていると共
に、リム12の内周面と接続する端部15aから離れた
部分15bの肉厚cが、少なくとも一部分で、リム12
の内周面と接続する端部15aの肉厚aに比べて厚く形
成されている。なお、歯部11,ウェブ14などの構成
は図1の実施形態とほぼ同じである。本実施形態の成形
歯車によれば、図1の実施形態における成形歯車と同様
に歯部11の精度を向上させることができる。また、本
実施形態では、ボス13の外周面と接続するリブ15’
の端部15’aの肉厚a’を、ボス13の肉厚b’に比
べて薄く形成すると共に、ボス13の外周面と接続する
リブ15’の端部15’aから離れた部分15’bの肉
厚c’が、ボス13の外周面と接続する端部15’aの
肉厚a’に比べて厚くなるように形成されているので、
軸穴部分の精度も向上させることができる。なお、本実
施形態においても、リブ15,15’の形態を図3(a)
ないし図3(f) のように形成してもよい。
【0024】さらに、図4の環状リブ12’のような環
状リブがリム12とボス13との間に同心円状に複数個
設けられていると共に、各環状リブの間に複数のリブが
放射状に配置され、放射状に配置された各リブの両端が
各環状リブに接続された構成の成形歯車(図示省略)の
場合には、上記実施形態の構成に加えて、各環状リブの
間に放射状に配置された複数のリブの形態を、図1、図
3(a) ないし図3(f)および図4に示すリブ15,1
5’のように形成すれば、歯部や軸穴部分の精度を一層
向上させることができる。
【0025】その他、本発明による合成樹脂製の成形歯
車のリムの外周面に形成される歯の種類は特に限定され
ず、例えば、平歯、はす歯であってもよい。また、本発
明による合成樹脂製の成形歯車は、複数個同軸に組み合
わされた構成の歯車にも適用可能である。
【0026】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、リブ形状を変更するだけで、歯の1ピッチ当たりの
噛み合い誤差を悪化させることなく、ギア外径の径差、
全噛み合い誤差を小さくすることができる。また、全噛
み合い誤差を改善することにより、うねり成分によりそ
の分大きくなっていた1ピッチ当たりの噛み合い誤差も
改善される。 したがって、本発明によれば、リブの形
状を簡単な形状に変更するだけで歯車の精度を格段に向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による合成樹脂製の成形歯車の一実施形
態を示し、(a) は平面図、(b)は(a) に示す歯車のA−
A断面図である。
【図2】図1の実施形態および従来の合成樹脂製の成形
歯車における両歯面噛み合い誤差の計測結果を示すグラ
フであり、(a) は本実施形態の合成樹脂製の成形歯車に
おける両歯面噛み合い誤差の計測結果、(b) は、リブの
肉厚を全体に渡って薄くした従来の合成樹脂製の成形歯
車における両歯面噛み合い誤差の計測結果、(c)は、リ
ブの肉厚を全体に渡って厚くした従来の合成樹脂製の成
形歯車における両歯面噛み合い誤差の計測結果である。
【図3】本発明による合成樹脂製の成形歯車のリブの変
形例を(a) ないし(f) にそれぞれ示す部分平面図であ
る。
【図4】本発明による合成樹脂製の成形歯車の他の実施
形態を示し、(a) は平面図、(b) は(a) に示す歯車のB
−B断面図である。
【図5】補強用のリブを有する合成樹脂製の成形歯車の
従来例を示す平面図である。
【図6】補強用のリブを有する合成樹脂製の成形歯車の
従来例における樹脂の収縮状態を示し、(a) および(b)
は、リブの肉厚を全体に渡って厚く形成した場合におけ
る樹脂の収縮状態を示す説明図、(c) および(d) はリブ
の肉厚を全体に渡って薄く形成した場合における樹脂の
収縮状態を示す説明図である。
【符号の説明】
11 歯部 12 リム 12’ 環状リブ 13 ボス 14 ウェブ 15,15’ リブ 15a リム12の内周面と接続する端部 15b リム12の内周面と接続する端部から離
れた部分 15c,15’a ボス13の外周面と接続する端部 15’b ボス13の外周面と接続する端部から離
れた部分

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面で複数の歯部と一体化しているリム
    と、前記リムの内側に同心円状に配置されたボスと、前
    記リムと前記ボスとの間に放射状に配置され、両端が前
    記リムと前記ボスとに接続された複数のリブとが一体成
    形されている合成樹脂製の成形歯車において、 前記リブは、前記リムと接続する端部の肉厚が、前記リ
    ムの肉厚に比べて薄く形成されていると共に、前記リム
    と接続する端部から離れた箇所の肉厚が、少なくとも一
    部分で、前記リムと接続する端部の肉厚に比べて厚く形
    成されていることを特徴とする合成樹脂製の成形歯車。
  2. 【請求項2】前記リブは、前記ボスと接続する端部の肉
    厚が、前記ボスの肉厚に比べて薄く形成されていると共
    に、前記ボスと接続する端部から離れた箇所の肉厚が、
    少なくとも一部分で、前記ボスと接続する端部の肉厚に
    比べて厚く形成されていることを特徴とする請求項1に
    記載の合成樹脂製の成形歯車。
  3. 【請求項3】外周面で複数の歯部と一体化しているリム
    と、前記リムの内側に同心円状に配置されたボスと、前
    記リムと前記ボスとの間に同心円状に配置された環状部
    と、前記リムと前記環状部との間に放射状に配置され、
    両端が前記リムと前記環状部に接続された複数のリブと
    が一体成形されている合成樹脂製の成形歯車において、 前記リブは、前記リムと接続する端部の肉厚が、前記リ
    ムの肉厚に比べて薄く形成されていると共に、前記リム
    と接続する端部から離れた箇所の肉厚が、少なくとも一
    部分で、前記リムと接続する端部の肉厚に比べて厚く形
    成されていることを特徴とする合成樹脂製の成形歯車。
  4. 【請求項4】前記環状部と前記ボスとの間に放射状に配
    置され、両端が前記環状部と前記ボスに接続された複数
    のリブとが一体成形されており、 前記環状部と前記ボスとの間に放射状に配置されたリブ
    は、前記ボスと接続する端部の肉厚が、前記ボスの肉厚
    に比べて薄く形成されていると共に、前記ボスと接続す
    る端部から離れた箇所の肉厚が、少なくとも一部分で、
    前記ボスと接続する端部の肉厚に比べて厚く形成されて
    いることを特徴とする請求項3に記載の合成樹脂製の成
    形歯車。
  5. 【請求項5】前記リムと前記ボスとの間に同心円状に配
    置された二以上の環状部と、前記各環状部の間に放射状
    に配置され、両端が前記各環状部に接続された複数のリ
    ブとが一体成形されており、 前記各環状部の間に放射状に配置されたリブは、前記各
    環状部と接続する少なくとも一方の端部の肉厚が、接続
    する環状部の肉厚に比べて薄く形成されていると共に、
    それ以外の箇所の肉厚が、少なくとも一部分で、前記環
    状部と接続する薄肉に形成された端部の肉厚に比べて厚
    く形成されていることを特徴とする請求項3または4に
    記載の合成樹脂製の成形歯車。
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