JP3763449B2 - プラスチック成形品 - Google Patents
プラスチック成形品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3763449B2 JP3763449B2 JP2000170448A JP2000170448A JP3763449B2 JP 3763449 B2 JP3763449 B2 JP 3763449B2 JP 2000170448 A JP2000170448 A JP 2000170448A JP 2000170448 A JP2000170448 A JP 2000170448A JP 3763449 B2 JP3763449 B2 JP 3763449B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molded product
- plastic molded
- boss
- deformed
- gate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック成形品、特に寸法精度の高いプラスチック成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、金属代替品として汎用されているエンジニアリングプラスチックにより射出成形されるプラスチック歯車、プーリー等のプラスチック成形品は、外周面や内周面の真円度に厳しい精度が要求されている。このようなプラスチック成形品を射出成形する場合には、通常複数のゲートを成形品の同心円上の位置に略等間隔に配置するようにし、溶融樹脂材料をキヤビテイ内に注入して成形が行われている。そして、この複数のゲートは、各ゲートから径方向内側へ充填する樹脂量と径方向外側へ充填する樹脂量が等しくなる位置に設けられている。
【0003】
ところで、内周に形成される中空のボス部が全周に亘って均一な円筒形でなく、円周方向の一部に異形部が形成される場合には、この異形部への樹脂充填を担当するゲートからの樹脂充填容積と他の複数のゲートからの樹脂充填容積とに差異を生じてしまう。その結果、異形部の形状により前者が小さいときは、異形部を担当するゲートから注入される溶融樹脂は他のゲートに比べて成形品の外周部に到達する時間が早くなり、前者が大きいときは逆に到達時間が遅くなる。
【0004】
従って、このような成形品の略同心円上に位置するゲートから注入される溶融樹脂の成形品外周部への到達時間のずれが、材料の均一な成形収縮を妨げ精度不良の要因となり、外周部における寸法精度を悪くする問題を生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、ボス部の一部に異形部が形成されたプラスチック成形品を高い寸法精度で射出成形することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、ディスク部の内周部に異形部を有するボス部が形成されるとともに外周部にリム部が形成され、ディスク部面に同心円上に略等間隔に設けられた複数のゲートから射出成形されるプラスチック成形品を、前記ボス部の異形部に対応するゲートの位置のみを前記同心円上の位置から径方向に沿って変位させて形成するものである。
【0007】
また、前記ボス部の異形部が回り止め用の非円筒部である場合には、前記非円筒部に対応するゲートの位置を内周寄りに変位させてプラスチック成形品を形成し(請求項2)、ボス部の異形部が軸孔に連通したキー溝に対応する突条部である場合には、前記突条部に対応するゲートの位置を外周寄りに変位させてプラスチック成形品を形成するものである(請求項3)。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のプラスチック成形品の実施形態としては外歯歯車や円盤状成形品が挙げられるが、以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0009】
【実施例】
本発明によるプラスチック成形品を外歯歯車に応用した一実施例について、その平面形状を示す図1およびそのX−X矢視断面構造を示す図2を参照して説明する。
【0010】
本実施例におけるプラスチック歯車11は、図示しない回転軸がその軸孔Lに一体的に嵌着される円筒状のボス部12と、このボス部12の外周からその半径方向に延びる円形のディスク部13と、このディスク部13の外周から半径方向に拡がる円環状のリム部14とからなり、リム部14の外周には所定ピッチの歯部15が形成されている。さらに、ボス部12の周方向の一部には異形部として回り止め用の非円筒部(軸孔の一面取り部)12aが形成されている。
【0011】
上記プラスチック歯車11は、成形時に図1において符号21a〜21fで示す6点ゲートから図示しない成形金型のキヤビテイ内に射出され、各ゲートを中心にして放射状に広がる溶融樹脂により形成されている。この6点ゲート方式にて射出成形した歯車11において、1ゲート当りが充填を担当する中心角60度の各扇状領域をA,B,C,D,E,Fで示している。各ゲート21の位置は、ボス部12の円筒部に対応する領域A,B,C,DおよびEを担当するゲート21a〜21eがディスク部13面に仮想される同心円R線上に略等間隔に設けられるが、ボス部の非円筒部12aに対応する領域Fを担当するゲート21fは上記同心円R線よりも径方向に沿って内側に変位させて、ゲート21fからの外周部への樹脂到達時間が遅れるように設けられている。
【0012】
つまり、前記A〜Fの各領域における成形品の容積を計算したところ、A〜E領域における成形容積が1に対しFのそれが0.97の容積仕率であり、この計算結果に基づいてゲート21fの変位位置は調整され、領域Fにおける外周部への樹脂到達時間が他の領域A〜Eにおけるそれとほぼ等しくなるように設定されている。なお、Fの容積比率がより小である場合には、ゲート21fはより内径方向に変位させることになる。
【0013】
上記構成のプラスチック歯車11においては、各ゲート21から流動する樹脂のリム部14外周の歯部15に達する時間差が均一化され、樹脂冷却の熱履歴に差が生じないので歯面の精度が高いものである。
【0014】
図3および図4は本発明の第2実施例を示したもので、図3はプラスチック歯車11’の平面形状を示す図、図4は図3のY−Y矢視断面図である.同図において、上記第1実施例と同様の構成要素には同一の符号が付されている。
【0015】
この第2実施例のプラスチック歯車11’においては、ボス部12の異形部としてその一側面に軸孔Lに連通したキー溝に対応する突条部12b,12bが円周方向に対向して一体形成されている。本実施例における各ゲート21の位置は、ボス部12の円筒部に対応する領域A,B,DおよびEを担当するゲート21a,21b,21d,21eがディスク部13面に振想される同心円R線上に略等間隔に設けられるが、ボス部の突条部12b,12bに対応する領域C,Fを担当するゲート21c,21fは上記同心円R線よりも径方向に沿って外側に変位させて、ゲート21c,21fからの外周部への樹脂到達時間が早くなるように設けられている。
【0016】
つまり、前記A〜Fの各領域における成形品の容積を計算したところ、C,F領域における成形容積が他の領域よりも大きいため、ゲート21c,21fの変位位置は調整され、領域C,Fにおける外周部への樹脂到達時間が他の領域Eにおけるそれとほぼ等しくなるように設定されている。
【0017】
以上、図示実施例につき説明したが、本発明は上記実施例の態様のみに限定されるものでなく、プラスチック成形品として歯車のほか、円周カム、プーリー、ウォーム等であってもよく、また、歯車も平歯車形態に限られず傘歯車、はすば歯車等の形態であってもよい。さらに、ボス部の異形部の形状やゲート数などは必要に応じて適宜に選定することができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、ボス部が一様な円筒状でないプラスチック成形品であっても、溶融樹脂を外周部に同時に到達させることができ、外周部の寸法精度や真円度を良好に維持でき、高精度のプラスチック成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプラスチック成形品を外歯歯車に応用した一実施例の外観を示す平面図である。
【図2】図1中のX−X矢視断面図である。
【図3】他の実施例における歯車の外観を示す平面図である。
【図4】図3中のY−Y矢視断面図である。
【符号の説明】
11,11’ プラスチック歯車
12 ボス部
12a,12b 異形部
13 ディスク部
14 リブ部
15 歯部
21a〜21f ゲート
Claims (3)
- ディスク部の内周部に異形部を有するボス部が形成されるとともに外周部にリム部が形成され、ディスク部面に同心円上に略等間隔に設けられた複数のゲートから射出成形される成形品であって、前記ボス部の異形部に対応するゲートの位置のみを前記同心円上の位置から径方向に沿って変位させて形成することを特徴とするプラスチック成形品。
- ボス部の異形部が回り止め用の非円筒部であり、前記非円筒部に対応するゲートの位置を内周寄りに変位させて形成する請求項1に記載のプラスチック成形品。
- ボス部の異形部が軸孔に連通したキー溝に対応する突条部であり、前記突条部に対応するゲートの位置を外周寄りに変位させて形成する請求項1に記載のプラスチック成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000170448A JP3763449B2 (ja) | 2000-06-02 | 2000-06-02 | プラスチック成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000170448A JP3763449B2 (ja) | 2000-06-02 | 2000-06-02 | プラスチック成形品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001341167A JP2001341167A (ja) | 2001-12-11 |
JP3763449B2 true JP3763449B2 (ja) | 2006-04-05 |
Family
ID=18673168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000170448A Expired - Fee Related JP3763449B2 (ja) | 2000-06-02 | 2000-06-02 | プラスチック成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3763449B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4860650B2 (ja) * | 2008-03-04 | 2012-01-25 | タイガースポリマー株式会社 | 合成樹脂成形品 |
-
2000
- 2000-06-02 JP JP2000170448A patent/JP3763449B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001341167A (ja) | 2001-12-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR20150088189A (ko) | 다부재 기어 | |
MX2009000242A (es) | Rueda helicoidal. | |
CN104093622A (zh) | Mdps涡轮及制造方法 | |
JP3910022B2 (ja) | 環状樹脂成形品 | |
JP2004338140A (ja) | 射出成形樹脂ギヤ、射出成形樹脂ギヤの製造方法、射出成形樹脂回転体及び射出成形樹脂回転体の製造方法 | |
CN111619653A (zh) | 汽车转向机用蜗轮及其制造方法 | |
JP3763449B2 (ja) | プラスチック成形品 | |
JP2003035355A (ja) | 樹脂製多段歯車及び樹脂製歯車 | |
JP2002295643A (ja) | 駆動力伝達車 | |
JP2009040013A (ja) | 回転伝達手段及び回転伝達手段の射出成形金型 | |
JP2019195937A5 (ja) | ||
JP2010125822A (ja) | 環状樹脂成形品 | |
JPH0738754Y2 (ja) | 樹脂成形ギヤ | |
JPH0244701B2 (ja) | ||
JP3282712B2 (ja) | 成形歯車 | |
JP2011178027A (ja) | 樹脂成形品の製造方法 | |
JP2000110919A (ja) | 合成樹脂製の成形歯車 | |
JP2005022368A (ja) | 合成樹脂製歯車 | |
JP3596131B2 (ja) | 射出成形歯車 | |
JP2000000852A (ja) | プラスチック成形品 | |
JP2000346176A (ja) | プラスチック成形品 | |
JP3395492B2 (ja) | 射出成形歯車 | |
JP3017557B2 (ja) | 無機材質歯車 | |
JPH08132542A (ja) | 歯 車 | |
JP3563466B2 (ja) | 樹脂成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040806 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051228 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060112 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060112 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120127 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150127 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |