JPH08216251A - 化粧板の製造方法 - Google Patents

化粧板の製造方法

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JPH08216251A
JPH08216251A JP7046595A JP4659595A JPH08216251A JP H08216251 A JPH08216251 A JP H08216251A JP 7046595 A JP7046595 A JP 7046595A JP 4659595 A JP4659595 A JP 4659595A JP H08216251 A JPH08216251 A JP H08216251A
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Masao Nakazawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少ない工数で安価に化粧板を製造でき、か
つ、色むらの少ない化粧板を製造することができる化粧
板の製造方法を提供する。 【構成】 基材1に絵柄2aが印刷された化粧紙2を貼
合し、この基材1の化粧紙2の印刷面上に粘度が1〜1
0ポイズ程度の流動性の不飽和ポリエステル樹脂を流し
てエンボス型により導管溝3aを有する樹脂層3を形成
し、次いで、樹脂層3の導管溝3a形成面を#600〜
#400程度のサンディングペーパーを用いて軽く研磨
して表面を平滑化する。この後、樹脂層3の導管溝3a
形成面の全面にワイピング用の着色目止め剤Pをロール
コーター、刷毛塗り、スプレー塗装等の手段で塗布し、
この着色目止め剤Pを流動性を有する乾燥前にスキージ
Sにより掻き取り、導管溝3a内に着色目止め剤Pを充
填してワイピング塗料層4を、また、導管溝3a以外の
凸面にワイピング塗料層4と連続する有色透明薄膜5を
着色目止め剤Pにより形成し、次に、トップコート層6
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、化粧板の製造方法、
特に、木目化粧板等の製造に適した製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の化粧板の製造方法としては、例え
ば、特開平2−172573号公報や実公平5−441
35号公報に記載されたものが知られる。前者の特開平
2−172573号公報には、基材の銘木単板の導管溝
内に白色系金属光沢顔料を擦り込んだ後、白色系金属光
沢顔料を含有する塗料を塗布するカラーリングを行って
表面に残存する顔料をカバーし、さらに、上塗り塗料を
塗布する製造方法が記載される。
【0003】また、後者の実公平5−44135号公報
には、基材に模様状凹部が形成された不飽和ポリエステ
ル樹脂層を積層し、この不飽和ポリエステル樹脂層の凹
部を着色インキでワイピングにより着色し、次いで、不
飽和ポリエステル樹脂層表面を研磨して凹部以外にはみ
出したインキを除去した後、上塗り塗料層を積層する方
法が記載される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
特開平2−172573号公報に記載される製造方法に
あっては、カラーリングの工程が不可欠で工数の増大が
避けられず、製造コストが増大するという問題がある。
また、後者の実開平5−44135号公報に記載される
製造方法にあっては、ポリエステル樹脂層表面を着色す
る場合はワイピングの後にスプレー、ロールコーター、
フローコーター等による塗装を行わなければならず、塗
装に際して、凹部周辺の塗料が凹部内の着色インキ上へ
落ち込み凹部周辺の色が薄くなり「はじき」様に見える
色むら現象を生じるという問題がある。この発明は、上
記従来の問題に鑑みてなされたもので、少ない工数で安
価に化粧板を製造でき、かつ、色むらの少ない化粧板を
製造することができる化粧板の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にかかる化粧板の製造方法は、基材上に樹
脂層を形成し、該樹脂層にエンボス加工を施して樹脂層
表面に凹凸模様を形成し、次いで、該樹脂層表面の凹凸
模様の凸部を研磨して平滑化した後、該樹脂層表面に着
色目止め剤を塗布し、該着色目止め剤が乾燥する前にス
キージにより着色目止め剤を掻き取り、前記凹凸模様の
凹部内に着色目止め剤を充填するとともに凹部以外の表
面に着色止め剤の有色透明薄膜を形成し、次に、該有色
透明薄膜上に透明なトップコート層を形成するようにし
た。
【0006】そして、この発明にかかる化粧板の製造方
法は、前記樹脂層表面の凹凸模様の凸部の研磨は、#6
00〜#400の研磨材を用いて前記樹脂層の凹凸模様
の凸部面の研磨を行う態様(請求項2)に、また、前記
スキージをシルクスクリーン用の紗により被覆して用い
る態様(請求項3)に、さらに、厚みが1〜20mm程
度で一側縁に設けた掻き取り用のエッジを面取りしたゴ
ム製のスキージを用いる態様(請求項4)に構成するこ
とができる。
【0007】
【作用】この発明にかかる化粧板の製造方法によれば、
樹脂層表面の凹凸模様の凹部以外の面、すなわち、凸部
面を研磨して平滑化した後、樹脂層表面に着色目止め剤
を塗布して該着色目止め剤が乾燥する前にスキージによ
り着色目止め剤を掻き取って凹凸模様の凹部内に着色剤
を充填すると同時に凹部以外の表面に着色目止め剤の有
色透明薄膜を形成するため、カラーリングを行う必要も
なく、製造工数と製造コストを削減でき、また、色むら
の発生も防止できる。
【0008】そして、請求項2記載の製造方法によれ
ば、研磨を効率的に行うことができ、また、適当な表面
粗さを付与することができる。また、請求項3記載の製
造方法によれば、シルクスクリーン用の紗の目の荒さに
よる筋を生じさせて意匠効果をあげることができ、ま
た、かぶりを一層大きくすることもできる。さらに、請
求項4記載の製造方法によれば、凹部内の着色目止め剤
を適当に掻き取ることができ、適正な着色効果を得られ
る。
【0009】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。図1から図3はこの発明の一実施例に係る化粧
板の製造方法を表し、図1が完成状態の化粧板の模式断
面図、図2a,b,c,dが同方法に用いるスキージの
模式断面図、図3a,bが同方法における中間の工程の
作業を示す模式図である。
【0010】先ず、完成状態の化粧板を図1を参照して
説明すると、図中、1は基材、2は基材1の表面に接着
剤(図示せず)により貼合された化粧紙、2aは化粧紙
2上に印刷された木目等の印刷絵柄(印刷層)、3は表
面に導管溝(凹凸模様)3aが形成された樹脂層、4は
導管溝3a内に着色目止め剤を充填してなるワイピング
塗料層、5は樹脂層3表面の導管溝3a以外の表面(凸
部表面)に着色目止め剤により形成されてワイピング塗
料層4と連続する有色透明薄膜、6は透明塗料をワイピ
ング層4と有色透明薄膜5上に塗装してなるトップコー
ト層である。
【0011】基材1はラワン合板、中密度繊維板、パー
ティクルボードなどの木質系の板、また、アルミニウム
やアルミニウム合金の板、鉄板などの各種の金属板、さ
らに、石膏ボード、パルプセメント板、硅酸カルシウム
板などの無機質系の板、あるいは、これらの板にチタン
紙等の隠蔽紙を接着したものが用いられる。化粧紙2は
前述した実公平5−44135号公報等に記載される周
知のものが用いられ、この化粧紙2には基材1への貼合
前に絵柄2aがオフセット印刷やグラビア印刷等で予め
印刷される。後に詳述するように、樹脂層3は不飽和ポ
リエステル樹脂等から、ワイピング塗料層4と有色透明
薄膜5は光輝性顔料等の顔料、樹脂バインダ、体質顔料
を混合してなる着色目止め剤から、トップコート層6は
不飽和ポリエステル、ウレタン塗料、アミノアルキッド
塗料や、UV硬化性の透明塗料等から構成される。
【0012】次に、製造方法を説明する。先ず、化粧紙
2に絵柄2aを印刷し、この化粧紙2を基材1の表面に
接着剤により貼合する(貼合工程)。上述したように、
化粧紙2には絵柄2aが予め印刷されている。次に、基
材1の化粧紙2の印刷面上に粘度が1〜10ポイズ程度
の流動性の不飽和ポリエステル樹脂を流し、この不飽和
ポリエステル樹脂上にエンボス型を被せてロールやヘラ
で押して不飽和ポリエステル樹脂を気泡を追い出しつつ
化粧紙2全面に広げる(エンボス工程)。説明と図示は
割愛するが、エンボス型は絵柄2aに対応した天然木の
導管模様等を凹凸模様として形成された周知のものが用
いられる。なお、上述した流動性の不飽和ポリエステル
樹脂に代えて樹脂のフィルム(シート)を用い、熱プレ
ス等の加工を行ってフィルムに凹凸模様を形成すること
も可能である。
【0013】次いで、不飽和ポリエステル樹脂が硬化し
た後にエンボス型を剥離する。ここで、化粧紙2の絵柄
2a印刷面上には凹凸模様3aを転写された樹脂層3が
形成され、この樹脂層3の凹凸模様3aが化粧紙2の印
刷絵柄2aに対して規定の位置に位置する。この後、樹
脂層3の凹凸模様3a面、すなわち、凹凸模様3aの凹
部以外の凸面をワイドベルトサンダーあるいは水研磨機
を用いて#600〜#400程度のサンディングペーパ
ーにより軽く研磨し、表面を平滑化する(サンディング
工程)。ここで、#600〜#400のサンディングペ
ーパーを用いるのは、有色透明塗膜の形成のためには凸
部表面が粗面化される必要があり、#600以下だと細
かすぎて着色目止め剤Pの付着が悪く、また、#400
以上だと粗すぎて有色透明塗膜が均一とならないからで
ある。
【0014】次に、樹脂層3の凹凸模様3a面の全面に
ワイピング用の着色目止め剤(便宜的に符号Pで示す)
をロールコーター、刷毛塗り、スプレー塗装等の手段で
塗布し、この着色目止め剤Pを流動性を有する乾燥前に
スキージSにより掻き取り、凹凸模様3aの凹部内に塗
料を充填し、また、凹凸模様3aの凸部面に塗料の薄膜
を形成、すなわち、ワイピング塗料層4と有色透明薄膜
5とを形成する(ワイピング工程)。ここで、スキージ
Sによる掻き取り作業では、通常、凹部以外の凸部にも
着色目止め剤Pが残留し、凸部表面に小突起などが存在
するとその廻りにワイピング剤が厚く残留しムラになっ
たり、汚れのように見えてしまうが、本発明の場合、凸
部表面を研磨し平滑化しているので着色目止め剤Pを均
一に残留させることができる。詳細な説明は割愛する
が、ワイピング用の着色目止め剤Pは着色顔料や光輝性
顔料を含む周知の塗料や着色剤が用いられ、有色透明薄
膜5は有色透明、すなわち、透光性を有する。
【0015】ここで、ワイピング工程に用いるスキージ
Sは、図2aに示すように厚さが1mm〜20mmの樹
脂製の板あるいは厚さが0.5mm〜2mmの金属製の
板の掻き取り部分となる一側の縁部を断面円弧状に成形
したもの、または、図2bに示すように周知のスキージ
Sの掻き取り部をシルクスクリーン用の紗Cにより覆っ
たもの、さらに、図2cに示すように厚みが1〜20m
m程度で一側縁に掻き取り用のエッジを有するゴム製の
もの、またさらに、図2dに示すように厚みが1〜20
mmのゴム製の板材からなり一側縁に設けた掻き取り用
のエッジに面取り(C面取り)を施したものが用いられ
る。
【0016】そして、図2aのスキージSは、樹脂から
構成する場合はポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエ
ステル、ポリアセタール等から、また、金属から構成す
る場合はステンレススチールや鉄から選択され、図2
c,dのスキージSはゴムから構成する場合はウレタン
ゴム、シリコンゴム、合成ゴム等から選択され、さら
に、これらのスキージSは着色目止め剤Pの粘度や凹凸
模様3aの凹部深さや精細等に応じて選択され、その厚
みや掻き取り部の曲率等も着色目止め剤Pの粘度や凹凸
模様3aの深さや精細等に応じて選択されるが、有色透
明塗膜5の膜厚を厚くした場合は、スキージSで着色目
止め剤Pを掻き取る際の押圧力を低くしたり、着色目止
め剤Pの粘度を上げればよい。
【0017】特に、図2bの紗Cにより覆われたスキー
ジSを用いることで紗Cの目の粗さによる筋模様を樹脂
層3の凹凸模様3a面に形成でき、意匠効果を高めるこ
とができ、また、着色目止め剤Pが紗の目をくぐって塗
布されるため塗膜を厚くすることもできる。さらに、図
2dのスキージSを用いることでも、エッジを有するも
のと比べて有色透明塗膜を均一とすることができる。
【0018】なお、上述したワイピング工程において
は、図3aに示すように樹脂層3の凹凸模様3a面上の
一側縁部にワイピング用の着色目止め剤Pを置き、ある
いは、図3bに示すように樹脂層3の一側にプレート1
0を設けて該プレート10上にワイピング用の着色目止
め剤Pを置き、この着色目止め剤PをスキージSにより
樹脂層3の凹凸模様3a面上の他側に向けて押しながら
移動し、ワイピング塗料層4と有色透明薄膜5とを形成
することも可能である。
【0019】次に、ワイピング塗料層4と有色透明薄膜
5が乾燥した後、これら層4,5上にトップコート層6
を形成する。このトップコート層6は、ウレタン塗料等
の透明な流動性樹脂をロールコーター、フローコーター
やスプレー等により塗装することで形成される。
【0020】上述のようにして製造された化粧板は、有
色透明薄膜5が有色透明であり、絵柄2aが透けて見
え、また、この薄膜層5により着色効果が得られる。し
たがって、前述した実公平5−44135号公報に記載
されるもののように着色層を形成する必要がなく、ま
た、特開平2−172573号公報に記載されるものの
ようにカラーリングも行う必要がなく、製造工数を削減
でき、安価に製造することができる。そして、この化粧
板は、有色透明薄膜5が樹脂層3の凹凸模様3a面に直
接に、かつ、ワイピング層4と連続して同時に形成され
るため、仕上がり感として高級感を得られ、また、色む
らが生じることもない。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の化粧板
の製造方法によれば、基材上に凹凸模様を有する樹脂層
を形成し、この樹脂層の凹凸模様の凹部にワイピング用
の着色目止め剤を目止めする際に同時に着色目止め剤に
よる有色透明の薄膜を形成するため、着色層を別個に形
成する必要がなく工数を削減でき、また、色むらも有効
に防止でき、趣のある意匠的に優れた化粧板が得られ
る。
【0022】そして、請求項2記載の化粧板の製造方法
によれば、凹凸も用の凸部面の研磨を#600〜#40
0の研磨剤を用いて行うため、適当な表面粗さを付与で
き、着色目止め剤を均一かつ確実に付着させることがで
きる。また、請求項3記載の化粧板の製造方法によれ
ば、スキージをシルクスクリーン用の紗により被覆して
用いるため、紗の目の粗さによる筋模様を形成して意匠
硬化を高めることができ、さらに、塗膜を厚くすること
もできる。さらに、請求項4記載の化粧板の製造方法に
よれば、より均一な塗膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる化粧板の製造方法
により製造された化粧板の模式断面図である。
【図2】同製造方法に用いるスキージを模式的に表し、
a,b,c,dがそれぞれ異なる態様を示す。
【図3】同製造方法におけるワイピング工程を模式的に
表し、aが一の態様を、bが他の態様を示す。
【符号の説明】
1 基材 2 化粧紙 2a 印刷絵柄 3 樹脂層 3a 凹凸模様(導管溝) 4 ワイピング層 5 有色透明薄膜 6 トップコート層 S スキージ C 紗 P 着色目止め剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に樹脂層を形成し、該樹脂層にエ
    ンボス加工を施して樹脂層表面に凹凸模様を形成し、次
    いで、該樹脂層表面の凹凸模様の凸部を研磨して平滑化
    した後、該樹脂層表面に着色目止め剤を塗布し、該着色
    目止め剤が乾燥する前にスキージにより着色目止め剤を
    掻き取り、前記凹凸模様の凹部内に着色目止め剤を充填
    するとともに凹部以外の表面に着色止め剤の有色透明薄
    膜を形成し、次に、該有色透明薄膜上に透明なトップコ
    ート層を形成することを特徴とする化粧板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記樹脂層表面の凹凸模様の凸部面の研
    磨は、#600〜#400の研磨材を用いる請求項1記
    載の化粧板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記スキージをシルクスクリーン用の紗
    により被覆して用いるようにした請求項1乃至請求項2
    記載の化粧板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記スキージは、厚みが1〜20mmの
    ゴム製の板材からなり、一側縁に設けた掻き取り用のエ
    ッジを面取りしたものである請求項1乃至請求項2記載
    の化粧板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20010098030A (ko) * 2000-04-27 2001-11-08 박성열 악기로 성형된 폴리우레탄 표면의 도색방법
KR101336031B1 (ko) * 2010-03-23 2013-12-03 (주) 카로데코 가구용 장식패널 및 그 제작방법

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