JPH08215763A - 波打ちのない良好な形状をもつ広幅材製造用予備成形装置 - Google Patents

波打ちのない良好な形状をもつ広幅材製造用予備成形装置

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JPH08215763A
JPH08215763A JP5506595A JP5506595A JPH08215763A JP H08215763 A JPH08215763 A JP H08215763A JP 5506595 A JP5506595 A JP 5506595A JP 5506595 A JP5506595 A JP 5506595A JP H08215763 A JPH08215763 A JP H08215763A
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preforming
rolls
roll
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line length
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Takefumi Nakako
武文 仲子
Tomokazu Nobutoki
智和 延時
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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  • Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一部に折り曲げ部をもち形状精度の良好な広
幅材を得る。 【構成】 長手方向に延びた単数又は複数の折れ線に沿
って金属帯を多段のロール成形機で幅方向に折り曲げ、
広い面積にわたって曲げ加工が施されていない平坦部を
もつ広幅材を製造する際、一端に大径部16をもつ予成
形ロール11,13と他端に大径部16をもつ予成形ロ
ール12,14とを相互に近接離間させ、広幅材の目標
形状に対応させる。予成形ロール12〜14を通過する
とき、折曲げ部に相当する金属帯20の長手方向線長が
平坦部に相当する金属帯20の長手方向線長よりも長く
する。 【効果】 長手方向線長差は、金属板20をロール成形
で折曲げる際に折曲げ部の収縮を相殺し、平坦部に波打
ち等の欠陥が発生することを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属帯又は金属板を幅
方向に折り曲げ、平坦部の面積が大きい広幅材を製造す
るロール成形機の入側に配置される予備成形装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】平坦部面積が大きく、一部に折曲げ部が
形成されている広幅材は、屋根材,壁材等の建築用資材
から蛍光灯反射板等の部品まで、広範な用途で使用され
ている。この広幅材は、プレス曲げによって所定形状に
成形する方法,多段の冷間ロール成形機を使用して連続
的に曲げ加工を行う冷間ロール成形法等によって製造さ
れている。なかでも、冷間ロール成形法は、バッチタイ
プのプレス曲げに比較して生産性が優れていることか
ら、広く採用されている。
【0003】冷間ロール成形法で広幅材を製造すると
き、曲げ加工を行っていない平坦部に波打ちが発生し易
い。たとえば、図1(a)に示すように幅方向両端に折
曲げ部1を設け、中央を平坦部2とした広幅材では、曲
げ加工が施されていない平坦部2にポケットウエーブと
称される波打ち3が発生する。波打ち3は、折曲げ部1
に比較して平坦部2の面積が大きくなるほど、発生する
傾向が強くなる。長手方向に延びた複数の折曲げ線に沿
って金属帯材を幅方向に折曲げて複数の折曲げ部を形成
した場合でも、図1(b)に示されるように、平坦部2
に波打ち3が発生する。中央に折曲げ部1を設けた広幅
材では、図1(c)に示すように、幅方向両側の平坦部
2にサイドウエーブと称される波打ち3が発生する。
【0004】波打ちの発生に関し、「塑性と加工」第2
3巻第258号(1982−7)第664〜671頁で
は、多段ロールで金属帯又は金属板を曲げ加工する過程
で、折曲げ部が長手方向に収縮することに原因があると
報告されている。長手方向に関する折曲げ部の収縮は、
曲げ加工を行っていない平坦部に圧縮応力を発生させ
る。折曲げ部の収縮量増加に伴って平坦部の圧縮応力が
大きくなり、結果としてポケットウエーブ,サイドウエ
ーブ等の波打ちが平坦部に発生する。波打ちに発生によ
り、広幅材の外観が著しく損なわれる。特に、表面に反
射像が映し出される化粧板等の用途として使用する場
合、平坦部に発生した僅かな波打ちであっても、極めて
目に付き易い歪みが反射像に生じ、広幅材の商品価値を
大きく低下させる。
【0005】波打ち発生を防止するため、従来から種々
の方法が検討されている。たとえば、特開昭56−36
328号公報では、ロール成形機に送り込まれる直前の
金属帯を板幅より小さいロールで圧下することが提案さ
れている。また、降伏点及び降伏伸びの大きな材料を素
材として使用することにより、波打ちを抑制することが
「塑性と加工」第20巻第225号(1979−10)
第933〜939頁に紹介されている。特願昭54−1
41644号は、普通鋼及び降伏伸びが生じないステン
レス鋼等の材料をロール成形する際、成形中に折曲げ部
又は折曲げ部近傍を圧延して長手方向に伸び歪みを与え
ることを提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ロール成形直前に幅狭
の圧下ロールで金属帯板を圧下するとき、内在している
歪みが解放されるものの、成形中に金属帯板に加わる歪
みに対しては幅狭の圧下ロールは有効でない。すなわ
ち、ロール成形されている金属帯又は金属板には、板幅
方向に関して異なる大きさの歪みが付与され、結果とし
て成形後の金属帯又は金属板にポケットウエーブ,サイ
ドウエーブ等の形状不良を発生させる。降伏点及び降伏
伸びの大きな素材を使用することにより波打ちを抑制す
る方法では、従来から使用されているロール成形設備を
そのまま使用できる利点がある。しかし、成形可能な素
材は、普通鋼等の降伏伸びを生じる材料に限られる。降
伏伸びが大きな材料であっても、成形条件や降伏点,降
伏伸び以外の材料特性値の若干の相違によってはポケッ
トウエーブ等の波打ちが生じる場合があり、波打ちを完
全に防止するまでに至っていない。
【0007】成形中に圧延によって伸び歪みを折曲げ部
又は折曲げ部近傍に付与する方法は、特殊な成形ロール
を必要にすると共に、剛性強度が大きな成形スタンドが
要求される。すなわち、従来から使用されているロール
成形設備をそのまま使用することができず、改造するに
しても設備負担が大きくなる。また、圧延量を制御する
ためにロール圧下量の高精度制御が必要とされ、一般の
ロール成形に比較して操業条件の管理レベルが格段に厳
しくなる。しかも、表面処理鋼板,ステンレス鋼帯,チ
タン又はチタンの表面処理材等のように表面性状が重視
される材料では、圧延によって表面品質が損なわれる危
険もある。
【0008】本発明者等は、成形ロールによる折曲げ時
に金属帯又は金属板が折曲げ部で長手方向に収縮し、平
坦部との間に長手方向線長差が生じることによりポケッ
トウエーブ,サイドウエーブ等の波打ち3が発生するこ
とに着目した。そして、板幅方向に関する長手方向線長
差を金属帯又は金属板に予め付けることを、特願平5−
332361号で提案した。長手方向線長差は、ロール
成形時に長手方向の収縮を相殺し、平坦部に発生しがち
な波打ちを効果的に抑制する。また、長手方向線長差を
付ける手段として、ロール成形機の入側に予成形ロール
を多段に配置した予備成形装置を開発し、別途出願し
た。本発明は、予成形ロールを多段配置した予備成形装
置の汎用性を上げるため、2群に分けた予成形ロールを
相互に近接・離間させることにより、製品である広幅材
の目標形状に応じた幅方向部位に所定の長手方向線長差
を付けることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の広幅材製造用予
備成形装置は、その目的を達成するため、長手方向に延
びた単数又は複数の折れ線に沿って金属帯又は金属板を
幅方向に折り曲げ、広い面積にわたって曲げ加工が施さ
れていない平坦部をもつ広幅材を製造するロール成形機
の入側に配置された予備成形装置であって、金属帯又は
金属板を挟んでパスラインに沿って交互に配置され、軸
方向の中央部に比較して一端部が大径となっている単数
又は複数の第1予成形ロール及び他端部が大径となって
いる単数又は複数の第2予成形ロールと、第1予成形ロ
ールを軸方向に移動させる第1駆動機構と、第2予成形
ロールを軸方向に移動させる第2駆動機構とを備えてお
り、第1及び第2の予成形ロールの大径部の水平方向距
離が広幅材の目標形状に応じて調整される。
【0010】第1及び第2の予成形ロールを、それぞれ
第1及び第2の駆動機構により一体として軸方向に移動
させることができる。第1及び第2の予成形ロールは、
金属帯又は金属板を挟んでパスラインの上側及び/又は
下側に配置される。全ての予成形ロールとして、軸方向
端部が大径になっているロールをロール成形機の入側に
配置してもよい。或いは、このような予成形ロールに対
向して、単数又は複数のフラットロールを配置すること
もできる。パスラインの上側及び下側に配置されたロー
ルは、相互に近接・離間することができ、これによって
押込み量が調整される。金属帯又は金属板に付ける長手
方向線長差は、ロール成形時に折曲げ部の長手方向収縮
を相殺する値に設定する。
【0011】
【作用】広幅材となる素材は、折曲げ部に相当する長手
方向線長が平坦部に相当する長手方向線長よりも長くな
っている。この素材を冷間ロール成形すると、折曲げ部
近傍に発生する長手方向の圧縮歪みは、長手方向線長差
の素材幅方向分布によって相殺される。そのため、曲げ
加工が施されない平坦部では、作用する圧縮応力が座屈
限界以下に抑制され、波打ちの発生が防止される。素材
に付ける長手方向線長差は、素材の板厚,硬さ,折曲げ
部及び平坦部のサイズによって変わるものであり、一概
に定めることができない。しかし、本発明者等の実験に
よるとき、次式で規定される値に長手方向線長差率Δε
を維持するとき、波打ちの発生が防止されることが確認
された。広幅材の波打ちを防止するために必要な長手方
向線長差率Δεは、急峻度をλとするとき、Δε=2.
47・λ2 で表される。急峻度λは、図2(c)で示す
ように個々の波打ちの高さをhi とし、長さをli とす
るとき、(Σhi /Σli )で定義される。また、急峻
度λは、次式で表される。
【0012】
【数1】
【0013】ただし、F:曲げ部の長さ(mm) n:曲げ部の曲げ角数(90度で1と数え、曲げ角1つ
につき90度でないものは、角度の大きさに応じて0〜
2として数える) W:平坦部の幅(mm) t:板厚(mm) N:ロール成形の成形段数 Y0:適用する成形条件で良好な形状を得るために必要な
降伏伸び(%) Y:素材金属板の降伏伸び(%)、ただしY0 −Y<0
のときはY0−Y=0で計算する。 H:素材金属板の硬さ(HV) a:断面の形状及び成形段数に応じた係数であり、通常
0.5〜2×Nの範囲にある。 b:素材金属板の材質に応じた係数であり、普通鋼では
約3〜10,フェライト系ステンレス鋼では約5〜1
5,オーステナイト系ステンレス鋼では約7〜20の範
囲にある。
【0014】成形の程度が厳しいほど、材料特性が劣る
ほど、また平坦部が座屈し易いほど、ポケットウエーブ
等の形状不良が大きくなる。断面形状の因子ではF・n
・tが大きいほど成形が難しく、W/tが大きいほど平
坦部が座屈し易い。成形条件に関する因子では、成形段
数が少ないほど、すなわち1/Nが大きいほど、成形が
厳しくなる。材料面では、Y,Hが小さいほど、形状不
良が発生し易くなる。このようなことから、形状不良の
発生し易いほど、前掲した関係式に従って長手方向線長
差率Δεを大きくとる。F・n・tは、ロール成形加工
の厳しさに関する指標であり、「塑性と加工」第24巻
第270号(1983−3)第707〜714頁に形状
因子として紹介されている。形状因子と成形の厳しさ
は、断面形状の種類によっては必ずしも一致しない。ま
た、成形段数に関しては、成形段数が同じでもロール設
計の良否による影響が大きいため、係数aによって補正
する。更に、材料の種類によっても基本的な変形特性が
大きく異なるため、降伏伸びY及び硬さHだけでは精度
が悪いことから、修正係数bで補正する。
【0015】具体的には、折曲げ部になる部分の線長を
1 ,平坦部になる部分の線長をL2 とするとき、線長
差率Δε[=(L1 −L2 )/L2 ]が2.5×10-4
〜7.5×10-3の範囲にある長手方向線長差率を成形
前の金属帯又は金属板に付けることが好ましい。この線
長差により成形時の収縮が相殺され、ポケットウエーブ
等の波打ちが目視観察されない形状特性の良好な広幅材
が得られる。線長差率Δεが2.5×10-4を下回る
と、波打ち抑制効果が小さく、若干の波打ちが発生する
場合がある。逆に7.5×10-3を超える線長差率Δε
では、折曲げ部近傍の長手方向線長が平坦部に比べて大
きくなりすぎ、通板過程或いは成形過程等で素材に折曲
り等のトラブルが発生する虞れがある。なお、通常の冷
延鋼板における長手方向線長差率は、おおよそ1×10
-4以下[急峻度λに換算して0.64%:図2(c)参
照]で、本発明に従った線長差率Δεの下限値2.5×
10-4よりも相当小さい。
【0016】折曲げ部になる部分及び平坦部になる部分
をそれぞれ異なる長手方向線長にするためには、通板過
程或いは予成形ロールを素材が通過する際、素材幅方向
に関する走行距離を変える。この点、本発明者等が先に
提案した特願平5−332361号では、走行距離が各
部で異なるように設計したロールを使用し、張力付与状
態で金属帯又は金属板を予備成形している。また、別途
出願した予備成形装置では、無駆動の予成形ロールを上
下に多段配置し、上ロールと下ロールとの間に金属帯又
は金属板を通板させることによって、幅方向に関して異
なる長手方向線長差を金属帯又は金属板に付けている。
この方式によると、ロールを無駆動で使用することがで
きるため、たとえば既存のロール成形機に付設するだけ
で形状特性の良好な広幅材が製造される設備となる。ま
た、無駆動のロールを使用するとき、ロール成形機との
同期をとる必要がないので、操作性も向上する。
【0017】本発明は、一端が大径になった予成形ロー
ルと他端が大径になった予成形ロールとを交互に配置
し、通板させる金属帯び又は金属板の幅方向に関してそ
れぞれの予成形ロールを移動可能にしている。予成形ロ
ールの移動量を調整することにより、製造しようとする
広幅材の折り曲げ部に相当する部位に応じて大径部が位
置決めされる。したがって、単一の成形ラインで種々の
形状をもった広幅材が製造される。予備成形される金属
帯又は金属板は、両側から均等に加圧されることから、
所定のパスラインに沿って走行する。
【0018】
【実施例】本実施例の予備成形装置10は、図3に示す
ように一端が大径になった予成形ロール11,13及び
他端が大径になった予成形ロール12,14を上ロール
群としてロール成形機の入側に交互に配置したの予備成
形装置を使用した。予成形ロール11〜14には、直胴
部15の径が40mmで、大径部16が幅25mm及び
径50mmで、大径部16から直胴部15に掛けて幅5
0mmの傾斜部17を設けた同一形状のロールを使用し
た。傾斜部17は、図示した円錐状斜面の外に、所定の
曲率で湾曲した曲面で形成することもできる。また、成
形される金属帯又は金属板20を挟んで、フラットな下
ロール18を予成形ロール11〜14に対向配置させ
た。
【0019】予成形ロール11,13は、一側に設けた
駆動機構19Rで金属帯又は金属板20の幅方向に平行
な矢印方向に移動される。他方の予成形ロール12,1
4も、他側に設けた駆動機構19Lで矢印方向に移動可
能となっている。これら駆動機構19R,19Lによっ
て予成形ロール11,13の傾斜部17と予成形ロール
12,14の傾斜部17との間のロール軸方向距離が変
えられる。図3(a)では、予成形ロール11,13及
び12,14をそれぞれ一群として移動する方式を採用
しているが、予成形ロール11〜14を個別に駆動させ
ることも可能である。
【0020】たとえば、図1(a)に示した幅方向両端
に折曲げ部1がある広幅材を得る場合、幅方向中央部に
比較して折曲げ部1に相当する幅方向両端部の長手方向
線長が大きな素材が必要とされる。そこで、平坦部2の
幅に応じた位置に傾斜部16が設定されるように、予成
形ロール11,13及び12,14を金属板20の幅方
向に移動させる。これにより、予成形ロール12〜14
と下ロール18との間を通過する金属板20の通板距離
は、ロール中央部付近で最も短く、ロール端部近傍にな
るに従って大きくなる。また、予成形ロール12〜14
及び下ロール18を相対的に接近・離間させる、すなわ
ち押込み量hの調整により、幅方向に関するパスライン
の距離差も変更できる。
【0021】金属帯又は金属板20は、図3(b)で右
側から送り込まれ、予備成形装置10を通過する過程
で、幅方向に関して距離が異なる走行ラインを通る。押
込み量が最も大きい大径部16では、金属帯又は金属板
20の走行距離が長くなる。他方、押込み量が小さい直
胴部15では、金属帯又は金属板20が最も短い走行距
離をとる。その結果、金属帯又は金属板20は、幅方向
両端部が部分的に伸ばされ、図3(c)に示すようにエ
ッジウエーブ21が両端部に発生し、両端部と中央部と
の間に長手方向線長差が付けられる。このようにして必
要な線長差が付けられた金属帯又は金属板20をロール
成形によって幅方向に折り曲げるとき、図1に示す波打
ち3のない平坦部2が得られる。
【0022】予備成形装置10は、冷間ロール成形機か
ら独立させてもよい。この場合、予備成形装置で、予め
成形する広幅材の形状に応じて幅方向に長手方向線長差
率の分布を持った広幅材用素材コイルを製造する。この
コイルを冷間ロール成形機で成形することによって、形
状の優れた広幅材を成形する。なお、図3の例では、予
成形ロール11〜14を上ロールとして使用している。
しかし、本発明はこれに拘束されるものではなく、下ロ
ールを予成形ロールで、或いは上下のロールを予成形ロ
ールで置き換えても良い。大径部16は、図3に示した
ロール軸方向端部に代え、軸方向中間部の適宜の箇所に
付けてもよい。この場合、同じプロフィールをもつ予成
形ロールを交互に反転した状態で並列配置させる。ま
た、複数の大径部16を周面に設けたロールも使用可能
である。
【0023】比較例:板厚0.4mm,板幅222mm
及び長さ2000mmのSUS304ステンレス鋼板を
塗装した後、そのままの状態で、10段冷間ロール成形
機を使用して両端部が折り曲げられた広幅材に曲げ成形
した。図4は、ロール成形機の各段における素材のプロ
フィールを示す。得られた広幅材は、図2(a)に示す
ように両端に折曲げ部1があり、中央が平坦部2となっ
ていた。広幅材の各部寸法等を、図2(b)に示す。こ
の広幅材は、SUS304ステンレス鋼板を予備成形す
ることなくそのまま折曲げ成形したため、折曲げ部1の
長手方向収縮に起因したものと推察される波打ち3が平
坦部2に発生した。この広幅材における線長差Δεは
1.04×10-4であり、各波打ち3の長さli の合計
Σli に対する高さhi の合計Σhi の比で表される急
峻度λは0.65%であった。
【0024】本発明例:図3に示した予備成形装置10
を使用して同じSUS304ステンレス鋼板を予備成形
し、曲げ成形される前の段階で折曲げ部1及び平坦部2
に相当する部分の長手方向線長に差をつけた。予成形ロ
ール11,13の大径部16と予成形ロール12,14
の大径部16との間のロール軸方向距離は、駆動機構1
9R,19Lによって122mmに設定された。下ロー
ル18の表面に共通する面から上ロール11〜14の大
径部16が押し込まれている距離、すなわち押込み量h
(図3b参照)を調整することにより、広幅材の折曲げ
部1に相当する部位に最大でλ=2.5%の予歪みを与
えた。
【0025】予歪みを付与したSUS304ステンレス
鋼板は、広幅材の折曲げ部に相当する箇所が最大で線長
差Δε=1.54×10-3だけ長くなっていた。このS
US304ステンレス鋼板を、比較例と同じロール成形
機を使用し、図2(a)に示す形状をもつ広幅材に折り
曲げた。得られた広幅材の平坦部を観察したところ、平
坦部2に波打ち3が何ら検出されなかった。平坦部2の
幅が150mmの広幅材を製造するため、予成形ロール
11,13の大径部16と予成形ロール12,14の大
径部16との間のロール軸方向距離を152mmに変え
た。そして、板幅252mmのSUS304ステンレス
鋼板を押込み量h=5mmで予備成形した。次いで、図
2(a)に示す広幅材にロール成形したところ、この場
合も平坦部2に波打ち3が発生することはなかった。
【0026】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の予備成
形装置は、予成形ロールを軸方向に移動可能としている
ことにより、製造しようとする広幅材の折曲げ部に相当
する部位に長手方向線長差が付けられる。長手方向線長
差は、ロール成形時における折曲げ部又は折曲げ部近傍
の長手方向収縮を相殺し、平坦部に作用する圧縮応力を
座屈限界以下に維持する。その結果、得られた広幅材
は、平坦部の形状特性に優れ、特に表面状態が重視され
る製品として使用される。また、従来のロール成形機に
対しても容易に付設でき、且つ平坦部の幅が異なる広幅
材が同一の設備で製造できることから、汎用性のある装
置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 長手方向の折れ線に沿って金属板の両端部を
折り曲げた広幅材(a),複数箇所で折り曲げた広幅材
(b)及び中央に折曲げ部を設けた広幅材(c)
【図2】 本発明の実施例1で得られた広幅材(a),
そのサイズ(b)及びポケットウエーブの発生状況
(c)
【図3】 本発明に従った予備成形装置の平面図
(a),側断面図(b)及び予備成形装置を通過した金
属帯(c)
【図4】 10段の冷間ロール成形機で金属帯を折り曲
げたとき、各段における金属板のプロフィール
【符号の説明】
1:折曲げ部 2:平坦部 3:波打ち 10:
予備成形装置 11〜14:予成形ロール 15:
直胴部 16:大径部 17:傾斜部 18:下
ロール 19R,19L:駆動機構 20:金属帯
又は金属板 21:エッジウエーブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に延びた単数又は複数の折れ線
    に沿って金属帯又は金属板を幅方向に折り曲げ、広い面
    積にわたって曲げ加工が施されていない平坦部をもつ広
    幅材を製造するロール成形機の入側に配置された予備成
    形装置であって、金属帯又は金属板を挟んでパスライン
    に沿って交互に配置され、軸方向の中央部に比較して一
    端部が大径となっている単数又は複数の第1予成形ロー
    ル及び他端部が大径となっている単数又は複数の第2予
    成形ロールと、第1予成形ロールを軸方向に移動させる
    第1駆動機構と、第2予成形ロールを軸方向に移動させ
    る第2駆動機構とを備え、第1及び第2の予成形ロール
    の大径部の水平方向距離が広幅材の目標形状に応じて調
    整される広幅材製造用予備成形装置。
  2. 【請求項2】 第1及び第2の予成形ロールはそれぞれ
    第1及び第2の駆動機構により一体として軸方向に移動
    する請求項1記載の広幅材製造用予備成形装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の第1及び第2の予
    成形ロールが金属帯又は金属板を挟んでパスラインの上
    側及び/又は下側に配置されている広幅材製造用予備成
    形装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の第1及び第2の予
    成形ロールに対向して単数又は複数のフラットロールが
    配置されている広幅材製造用予備成形装置。
JP5506595A 1995-02-20 1995-02-20 波打ちのない良好な形状をもつ広幅材製造用予備成形装置 Withdrawn JPH08215763A (ja)

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