JPH08215550A - 複合膜及びその製造方法 - Google Patents
複合膜及びその製造方法Info
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- JPH08215550A JPH08215550A JP2656895A JP2656895A JPH08215550A JP H08215550 A JPH08215550 A JP H08215550A JP 2656895 A JP2656895 A JP 2656895A JP 2656895 A JP2656895 A JP 2656895A JP H08215550 A JPH08215550 A JP H08215550A
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- membrane
- film
- polyimide
- separation
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- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐熱性、耐溶剤性、機械的強度に優れ、さら
に、透過性能と分離性能に優れており、気体や液体の分
離膜として利用できる複合膜及びその製造方法を提供す
る。 【構成】 ポリイミド多孔質膜とこの多孔質膜の表面に
形成された薄膜層とからなる複合膜であって、複合膜の
膜厚が10〜100μm、水素ガス透過度が5×10-4
ml/cm2 ・sec・cmHg以上、窒素ガスの透過
度に対する水素ガスの透過度の比が10以上であること
を特徴とする複合膜。ポリイミド前駆体と単独ではこの
前駆体の貧溶媒である溶媒のうちから選ばれる混合溶媒
とからなる製膜溶液から、ポリイミド前駆体の多孔質膜
を形成し、この多孔質膜を構成しているポリイミド前駆
体を閉環してポリイミド多孔質膜を得た後、このポリイ
ミド多孔質膜の表面に薄膜層を形成する。
に、透過性能と分離性能に優れており、気体や液体の分
離膜として利用できる複合膜及びその製造方法を提供す
る。 【構成】 ポリイミド多孔質膜とこの多孔質膜の表面に
形成された薄膜層とからなる複合膜であって、複合膜の
膜厚が10〜100μm、水素ガス透過度が5×10-4
ml/cm2 ・sec・cmHg以上、窒素ガスの透過
度に対する水素ガスの透過度の比が10以上であること
を特徴とする複合膜。ポリイミド前駆体と単独ではこの
前駆体の貧溶媒である溶媒のうちから選ばれる混合溶媒
とからなる製膜溶液から、ポリイミド前駆体の多孔質膜
を形成し、この多孔質膜を構成しているポリイミド前駆
体を閉環してポリイミド多孔質膜を得た後、このポリイ
ミド多孔質膜の表面に薄膜層を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合膜及びその製造方
法に関するものであり、さらに詳しくは耐熱性、耐溶剤
性、機械的強度に優れ、さらに、透過性能と分離性能に
優れており、気体や液体の分離膜として利用できる複合
膜及びその製造方法に関するものである。
法に関するものであり、さらに詳しくは耐熱性、耐溶剤
性、機械的強度に優れ、さらに、透過性能と分離性能に
優れており、気体や液体の分離膜として利用できる複合
膜及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機高分子膜を用いた気体や液体の分離
技術は省エネルギー技術として、近年特に注目されてお
り、例えば海水の淡水化に用いられる逆浸透膜や食品加
工に有用な限外濾過膜などの他に、空気中の酸素を富化
させる酸素富化膜などの気体分離膜、さらには水−有機
物水溶液の分離に有用とされる浸透気化膜など、広範囲
にわたって利用されている。これらの膜を構成する高分
子素材としては、酢酸セルロース系、ポリオレフィン
系、ポリアクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、
ポリスルホン系、ポリイミド系などの樹脂が知られてい
る。その中でもポリスルホン系樹脂よりなる多孔質膜
は、孔径や孔容積を制御しやすいこと、機械的強度にも
優れ、かなりの耐熱性も有していること、さらには耐塩
素性や耐アルカリ性もあることから、限外ろ過膜や水素
ガス分離膜の支持層、逆浸透膜の支持層などに広く利用
されている。しかし、ポリスルホン系樹脂は、耐有機溶
性に乏しく、耐熱性も十分とはいえないので、水−有機
物の分離を目的とする浸透気化膜や、100℃以上の高
温下でのガス分離膜として利用するには限界があった。
技術は省エネルギー技術として、近年特に注目されてお
り、例えば海水の淡水化に用いられる逆浸透膜や食品加
工に有用な限外濾過膜などの他に、空気中の酸素を富化
させる酸素富化膜などの気体分離膜、さらには水−有機
物水溶液の分離に有用とされる浸透気化膜など、広範囲
にわたって利用されている。これらの膜を構成する高分
子素材としては、酢酸セルロース系、ポリオレフィン
系、ポリアクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、
ポリスルホン系、ポリイミド系などの樹脂が知られてい
る。その中でもポリスルホン系樹脂よりなる多孔質膜
は、孔径や孔容積を制御しやすいこと、機械的強度にも
優れ、かなりの耐熱性も有していること、さらには耐塩
素性や耐アルカリ性もあることから、限外ろ過膜や水素
ガス分離膜の支持層、逆浸透膜の支持層などに広く利用
されている。しかし、ポリスルホン系樹脂は、耐有機溶
性に乏しく、耐熱性も十分とはいえないので、水−有機
物の分離を目的とする浸透気化膜や、100℃以上の高
温下でのガス分離膜として利用するには限界があった。
【0003】これに対して、耐熱性があり、機械的特
性、耐有機溶剤性に優れた膜として、芳香族ポリイミド
よりなる分離膜が提案されている。例えば、特公昭58
−25690号公報には、芳香族ポリイミド前駆体であ
る芳香族ポリアミド酸の極性アミド溶液からポリイミド
分離膜を製造する方法が開示されている。ここに記載さ
れた方法で製造されたポリイミド分離膜は、ガス分離能
は優れているが、水素ガス透過度が2×10-5ml/c
m2 ・sec・cmHg程度であった。
性、耐有機溶剤性に優れた膜として、芳香族ポリイミド
よりなる分離膜が提案されている。例えば、特公昭58
−25690号公報には、芳香族ポリイミド前駆体であ
る芳香族ポリアミド酸の極性アミド溶液からポリイミド
分離膜を製造する方法が開示されている。ここに記載さ
れた方法で製造されたポリイミド分離膜は、ガス分離能
は優れているが、水素ガス透過度が2×10-5ml/c
m2 ・sec・cmHg程度であった。
【0004】また、特公昭63−21521号公報に
は、ビフェニルテトラカルボン酸と芳香族ジアミンとを
p−クロルフェノール中で重合して得られるポリイミド
前駆体もしくは可溶性ポリイミドのポリマー溶液からポ
リイミド膜を得、この膜上に薄膜層を形成させることに
より得られる複合分離膜が開示されているが、水素ガス
透過度は高々2×10-4ml/cm2 ・sec・cmH
g程度であり、所定の分離性能は得られるものの、透過
性が不足しており実用的ではなかった。 特公昭61−
53086号公報には、非プロトン系の極性アミド溶媒
中で重合したポリイミド前駆体溶液から100℃以下の
温度で形成させた膜を水あるいは低級アルコールからな
る凝固液に接触させ、これを加熱イミド化してポリイミ
ド分離膜を製造する方法が開示されている。この方法で
得られるポリイミド分離膜は、水素ガス透過度0.01
ml/cm2 ・sec・cmHgであるが、ガス分離能
が十分でなかった。
は、ビフェニルテトラカルボン酸と芳香族ジアミンとを
p−クロルフェノール中で重合して得られるポリイミド
前駆体もしくは可溶性ポリイミドのポリマー溶液からポ
リイミド膜を得、この膜上に薄膜層を形成させることに
より得られる複合分離膜が開示されているが、水素ガス
透過度は高々2×10-4ml/cm2 ・sec・cmH
g程度であり、所定の分離性能は得られるものの、透過
性が不足しており実用的ではなかった。 特公昭61−
53086号公報には、非プロトン系の極性アミド溶媒
中で重合したポリイミド前駆体溶液から100℃以下の
温度で形成させた膜を水あるいは低級アルコールからな
る凝固液に接触させ、これを加熱イミド化してポリイミ
ド分離膜を製造する方法が開示されている。この方法で
得られるポリイミド分離膜は、水素ガス透過度0.01
ml/cm2 ・sec・cmHgであるが、ガス分離能
が十分でなかった。
【0005】一方、本発明者らは、ガス透過性の大きい
ポリイミド多孔質膜として、ポリイミドの前駆体と単独
ではこの前駆体の貧溶媒である溶媒のうちから選ばれる
混合溶媒(特にポリイミド前駆体と水溶性エーテル化合
物、水溶性アルコール化合物及び水からなる混合溶媒)
とからなる製膜溶液からポリイミド多孔質膜を製造する
方法を見い出し、特許出願した。(特願平6−3782
5号)。上記方法で得られる多孔質膜は、優れたガス透
過性を有しているが、ガス分離や、逆浸透膜、限外濾過
膜、浸透気化膜などとして幅広く利用していく上では、
分離特性を更に向上させる必要があった。
ポリイミド多孔質膜として、ポリイミドの前駆体と単独
ではこの前駆体の貧溶媒である溶媒のうちから選ばれる
混合溶媒(特にポリイミド前駆体と水溶性エーテル化合
物、水溶性アルコール化合物及び水からなる混合溶媒)
とからなる製膜溶液からポリイミド多孔質膜を製造する
方法を見い出し、特許出願した。(特願平6−3782
5号)。上記方法で得られる多孔質膜は、優れたガス透
過性を有しているが、ガス分離や、逆浸透膜、限外濾過
膜、浸透気化膜などとして幅広く利用していく上では、
分離特性を更に向上させる必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑
み、本発明の課題は、耐熱性、耐溶剤性、機械的強度に
優れ、さらに、透過性能と分離性能に優れており、気体
や液体の分離膜として利用できる複合膜及びその製造方
法を提供することにある。
み、本発明の課題は、耐熱性、耐溶剤性、機械的強度に
優れ、さらに、透過性能と分離性能に優れており、気体
や液体の分離膜として利用できる複合膜及びその製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリイミド前駆体と特
定の混合溶媒とからなる製膜溶液から得られる多孔質ポ
リイミド膜の表面に薄膜層を形成させた複合膜は、透過
性能と分離性能に優れており、気体や液体の分離膜とし
て利用できることを見い出し、本発明に到達した。
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリイミド前駆体と特
定の混合溶媒とからなる製膜溶液から得られる多孔質ポ
リイミド膜の表面に薄膜層を形成させた複合膜は、透過
性能と分離性能に優れており、気体や液体の分離膜とし
て利用できることを見い出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、ポリイミド多
孔質膜とこの多孔質膜の表面に形成された薄膜層とから
なる複合膜であって、複合膜の膜厚が10〜100μ
m、水素ガス透過度が5×10-4ml/cm2 ・sec
・cmHg以上、窒素ガスの透過度に対する水素ガスの
透過度の比(以下H2 /N2 分離比という)が10以上
であることを特徴とする複合膜であり、このような複合
膜は、ポリイミド前駆体と単独ではこの前駆体の貧溶媒
である溶媒のうちから選ばれる混合溶媒とからなる製膜
溶液から、ポリイミド前駆体の多孔質膜を形成し、この
多孔質膜を構成しているポリイミド前駆体を閉環してポ
リイミド多孔質膜を得た後、このポリイミド多孔質膜の
表面に薄膜層を形成することによって製造される。
孔質膜とこの多孔質膜の表面に形成された薄膜層とから
なる複合膜であって、複合膜の膜厚が10〜100μ
m、水素ガス透過度が5×10-4ml/cm2 ・sec
・cmHg以上、窒素ガスの透過度に対する水素ガスの
透過度の比(以下H2 /N2 分離比という)が10以上
であることを特徴とする複合膜であり、このような複合
膜は、ポリイミド前駆体と単独ではこの前駆体の貧溶媒
である溶媒のうちから選ばれる混合溶媒とからなる製膜
溶液から、ポリイミド前駆体の多孔質膜を形成し、この
多孔質膜を構成しているポリイミド前駆体を閉環してポ
リイミド多孔質膜を得た後、このポリイミド多孔質膜の
表面に薄膜層を形成することによって製造される。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の複合膜は、ポリイミド多孔質膜とこの多孔質膜の
表面に形成された薄膜層とからなる複合膜であって、複
合膜の膜厚は10〜100μm、好ましくは15〜90
μmである。複合膜の膜厚が、10μmより小さいと、
膜強度が劣る傾向があり、膜厚が100μmを超える
と、ガス透過度が小さくなる傾向がある。また、水素ガ
ス透過度は5×10-4ml/cm2 ・sec・cmHg
以上、好ましくは1.0×10-3ml/cm2 ・sec
・cmHg以上である。水素ガス透過度が5×10-4m
l/cm2 ・sec・cmHgより小さいと透過性能が
劣る傾向がある。さらにH2 /N2 分離比は10以上、
好ましくは15以上である。H2 /N2 分離比が10未
満では分離性能が劣る傾向がある。
発明の複合膜は、ポリイミド多孔質膜とこの多孔質膜の
表面に形成された薄膜層とからなる複合膜であって、複
合膜の膜厚は10〜100μm、好ましくは15〜90
μmである。複合膜の膜厚が、10μmより小さいと、
膜強度が劣る傾向があり、膜厚が100μmを超える
と、ガス透過度が小さくなる傾向がある。また、水素ガ
ス透過度は5×10-4ml/cm2 ・sec・cmHg
以上、好ましくは1.0×10-3ml/cm2 ・sec
・cmHg以上である。水素ガス透過度が5×10-4m
l/cm2 ・sec・cmHgより小さいと透過性能が
劣る傾向がある。さらにH2 /N2 分離比は10以上、
好ましくは15以上である。H2 /N2 分離比が10未
満では分離性能が劣る傾向がある。
【0010】上記複合膜は、ポリイミド前駆体と単独で
はこの前駆体の貧溶媒である溶媒のうちから選ばれる混
合溶媒とからなる製膜溶液から、ポリイミド前駆体の多
孔質膜を形成し、この多孔質膜を構成しているポリイミ
ド前駆体を閉環してポリイミド多孔質膜を得た後、この
ポリイミド多孔質膜の表面に薄膜層を形成することによ
って製造される。
はこの前駆体の貧溶媒である溶媒のうちから選ばれる混
合溶媒とからなる製膜溶液から、ポリイミド前駆体の多
孔質膜を形成し、この多孔質膜を構成しているポリイミ
ド前駆体を閉環してポリイミド多孔質膜を得た後、この
ポリイミド多孔質膜の表面に薄膜層を形成することによ
って製造される。
【0011】本発明において、ポリイミド前駆体とは、
ポリアミド酸又はポリアミド酸が部分的にイミド化した
ものをいい、加熱又は化学作用により閉環してポリイミ
ドとなり、ポリマー鎖の繰り返し単位の60モル%以
上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モ
ル%以上がポリイミド構造となる有機ポリマーをいい、
閉環して非熱可塑性ポリイミドとなるものであればいか
なるものでもよい。閉環させる方法としては、加熱によ
る方法、無水酢酸やピリジンのような閉環剤を用いる方
法など、従来知られている方法が適用できる。
ポリアミド酸又はポリアミド酸が部分的にイミド化した
ものをいい、加熱又は化学作用により閉環してポリイミ
ドとなり、ポリマー鎖の繰り返し単位の60モル%以
上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モ
ル%以上がポリイミド構造となる有機ポリマーをいい、
閉環して非熱可塑性ポリイミドとなるものであればいか
なるものでもよい。閉環させる方法としては、加熱によ
る方法、無水酢酸やピリジンのような閉環剤を用いる方
法など、従来知られている方法が適用できる。
【0012】好ましいポリイミド前駆体としては全芳香
族系のポリイミド前駆体が挙げられ、特に一般式(1)
で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリアミド酸の
ホモポリマー又はコポリマーが好ましい。
族系のポリイミド前駆体が挙げられ、特に一般式(1)
で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリアミド酸の
ホモポリマー又はコポリマーが好ましい。
【0013】
【化1】
【0014】ここで、Rは少なくとも1つの炭素6員環
を含む4価の芳香族残基を示し、4価のうちの2価ずつ
は炭素6員環内の隣接する炭素原子に結合している。R
の具体例としては次のようなものが挙げられる。
を含む4価の芳香族残基を示し、4価のうちの2価ずつ
は炭素6員環内の隣接する炭素原子に結合している。R
の具体例としては次のようなものが挙げられる。
【0015】
【化2】
【0016】特に、Rとしては次のものが好ましい。
【0017】
【化3】
【0018】また、R’は1〜4個の炭素6員環を持つ
2価の芳香族残基を示す。R’の具体例としては次のよ
うなものが挙げられる。
2価の芳香族残基を示す。R’の具体例としては次のよ
うなものが挙げられる。
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】また、特にR’としては、次のようなもが
好ましい。
好ましい。
【0022】
【化6】
【0023】本発明におけるポリイミド前駆体は、固有
粘度が〔η〕が0.3以上のものが好ましい。より好ま
しくは0.7以上、特に1.0以上が好ましい。上限に
ついては特に制限はないが6ぐらいが好ましい。固有粘
度〔η〕が0.3未満では充分な強度の多孔質膜が得ら
れない傾向にある。〔η〕は、重合体の分子量と直接関
係する値であり、N,N−ジメチルアセトアミド溶媒に
おけるポリイミド前駆体の濃度を0.5重量%とし、3
0℃で重合体の溶液が標準粘度計の一定容積の毛細管を
流れる時間と溶媒のみが流れる時間を測定することによ
り、次式を使用して計算される。ただし、Cはポリイミ
ド前駆体の濃度である。
粘度が〔η〕が0.3以上のものが好ましい。より好ま
しくは0.7以上、特に1.0以上が好ましい。上限に
ついては特に制限はないが6ぐらいが好ましい。固有粘
度〔η〕が0.3未満では充分な強度の多孔質膜が得ら
れない傾向にある。〔η〕は、重合体の分子量と直接関
係する値であり、N,N−ジメチルアセトアミド溶媒に
おけるポリイミド前駆体の濃度を0.5重量%とし、3
0℃で重合体の溶液が標準粘度計の一定容積の毛細管を
流れる時間と溶媒のみが流れる時間を測定することによ
り、次式を使用して計算される。ただし、Cはポリイミ
ド前駆体の濃度である。
【0024】
【数1】
【0025】本発明においてポリイミドとしては、ポリ
マー主鎖の繰り返し単位の少なくとも70モル%以上が
イミド構造となっている有機ポリマーをいい、ポリマー
主鎖の繰り返し単位の100モル%がイミド構造となっ
ているものが好ましい。本発明において、製膜溶液に用
いられる溶媒は、単独ではポリイミド前駆体の貧溶媒で
あり、貧溶媒のうちから選ばれる2種以上、好ましくは
3〜5種の混合溶媒からなるものである。
マー主鎖の繰り返し単位の少なくとも70モル%以上が
イミド構造となっている有機ポリマーをいい、ポリマー
主鎖の繰り返し単位の100モル%がイミド構造となっ
ているものが好ましい。本発明において、製膜溶液に用
いられる溶媒は、単独ではポリイミド前駆体の貧溶媒で
あり、貧溶媒のうちから選ばれる2種以上、好ましくは
3〜5種の混合溶媒からなるものである。
【0026】ここでいう貧溶媒とは、25℃におけるポ
リイミド前駆体に対する溶解性が1g/100ml以下
の溶媒のことであり、これら貧溶媒の組合せとしては、
水溶性エーテル系化合物と水溶性アルコール系と水との
組合せが好適に用いられる。水溶性エーテル系化合物と
しては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジオ
キサン、トリオキサン、1,2−ジメトキエタン、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジエチルエーテル等が挙げられ、その中でもTHF
が好ましい。
リイミド前駆体に対する溶解性が1g/100ml以下
の溶媒のことであり、これら貧溶媒の組合せとしては、
水溶性エーテル系化合物と水溶性アルコール系と水との
組合せが好適に用いられる。水溶性エーテル系化合物と
しては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジオ
キサン、トリオキサン、1,2−ジメトキエタン、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジエチルエーテル等が挙げられ、その中でもTHF
が好ましい。
【0027】また、水溶性アルコール系化合物として
は、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,
3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、
2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、
2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパン
ジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等が挙げら
れ、その中でもメタノールが好ましい。
は、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,
3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、
2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、
2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパン
ジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等が挙げら
れ、その中でもメタノールが好ましい。
【0028】製膜溶液は、例えば、水溶性エーテル系化
合物と水溶性アルコール系化合物との混合溶媒中で、テ
トラカルボン酸二無水物とジアミンとを重合してポリイ
ミド前駆体溶液を調整し、これに水を加えることにより
製造することができる。
合物と水溶性アルコール系化合物との混合溶媒中で、テ
トラカルボン酸二無水物とジアミンとを重合してポリイ
ミド前駆体溶液を調整し、これに水を加えることにより
製造することができる。
【0029】製膜溶液中のポリイミド前駆体の濃度は、
0.1〜60重量%が好ましく、より好ましくは、1〜
25重量%である。また、水溶性エーテル系化合物と水
溶性アルコール系化合物との混合溶媒の濃度としては、
5〜99.8重量%が好ましく、より好ましくは、45
〜95重量%であり、水溶性エーテル系化合物と水溶性
アルコール系化合物との混合比率は90:10〜56:
44、より好ましくは、85:15〜60:40(重量
比)である。さらに水の濃度としては、0.1〜35重
量%がより好ましく、より好ましくは、4〜30重量%
である。
0.1〜60重量%が好ましく、より好ましくは、1〜
25重量%である。また、水溶性エーテル系化合物と水
溶性アルコール系化合物との混合溶媒の濃度としては、
5〜99.8重量%が好ましく、より好ましくは、45
〜95重量%であり、水溶性エーテル系化合物と水溶性
アルコール系化合物との混合比率は90:10〜56:
44、より好ましくは、85:15〜60:40(重量
比)である。さらに水の濃度としては、0.1〜35重
量%がより好ましく、より好ましくは、4〜30重量%
である。
【0030】上記製膜溶液から公知の方法によってポリ
イミド前駆体の多孔質膜を製造する。例えば、製膜溶液
を、ガラス、金属等の平滑面を有する基材の表面上に塗
布または流延し、基材上にポリイミド前駆体の膜を形成
させ、10〜50℃で0.2〜4時間乾燥した後、基材
から剥離し、ポリイミド前駆体の多孔質膜を得、これを
150〜300℃で0.5〜5時間加熱して(あるいは
ポリイミド前駆体の膜を無水酢酸及びピリジンからなる
閉環剤中に10〜40℃で1〜20時間浸漬して)、イ
ミド化してポリイミド多孔質膜を得る。
イミド前駆体の多孔質膜を製造する。例えば、製膜溶液
を、ガラス、金属等の平滑面を有する基材の表面上に塗
布または流延し、基材上にポリイミド前駆体の膜を形成
させ、10〜50℃で0.2〜4時間乾燥した後、基材
から剥離し、ポリイミド前駆体の多孔質膜を得、これを
150〜300℃で0.5〜5時間加熱して(あるいは
ポリイミド前駆体の膜を無水酢酸及びピリジンからなる
閉環剤中に10〜40℃で1〜20時間浸漬して)、イ
ミド化してポリイミド多孔質膜を得る。
【0031】また、ポリイミド前駆体の膜が形成されて
いる基材を、150〜300℃で0.5〜5時間加熱し
て(あるいはポリイミド前駆体の膜が形成されている基
材を無水酢酸及びピリジンからなる閉環剤中に10〜4
0℃で1〜20時間浸漬して)、イミド化させた後、基
材から剥離し、ポリイミド多孔質膜を得ることもでき
る。上記のようにすることによって、膜厚が10〜10
0μm以外のものも得られるが、本発明においては、十
分に使用に耐える機械的強度を示すものとして10〜1
00μmのものを用いる。
いる基材を、150〜300℃で0.5〜5時間加熱し
て(あるいはポリイミド前駆体の膜が形成されている基
材を無水酢酸及びピリジンからなる閉環剤中に10〜4
0℃で1〜20時間浸漬して)、イミド化させた後、基
材から剥離し、ポリイミド多孔質膜を得ることもでき
る。上記のようにすることによって、膜厚が10〜10
0μm以外のものも得られるが、本発明においては、十
分に使用に耐える機械的強度を示すものとして10〜1
00μmのものを用いる。
【0032】本発明においては、上記ポリイミド多孔質
膜を支持体とし、この支持体の表面にさらに薄膜を形成
させて分離特性を高める。薄膜層の厚さは0.01〜1
0μmが好ましく、さらには0.02〜1μmが好まし
い。
膜を支持体とし、この支持体の表面にさらに薄膜を形成
させて分離特性を高める。薄膜層の厚さは0.01〜1
0μmが好ましく、さらには0.02〜1μmが好まし
い。
【0033】薄膜の素材としては、耐溶剤性に優れ、1
00℃以上の高温での使用に耐え得るものが望まれ、そ
の具体例としては、シロキサン,アミドイミド,エステ
ル,ウレア,エーテルなどの基で結合した構造のポリマ
ーや側鎖にイソブチル基を有するポリマーを挙げること
ができる。例えば、ポリシロキサン特に架橋構造をもつ
ポリシロキサン,ポリウレア特にシロキサン構造含有の
ポリウレア,ポリウレタン特にシロキサン構造含有のポ
リウレタン,ポリアミド特にシロキサン構造含有のポリ
アミド,ポリイミド特にシロキサン構造含有のポリイミ
ド,あるいはポリフェニレンエーテル類などを挙げるこ
とができる。より具体的には、常温架橋型のポリシロキ
サン、末端又は側鎖にアルキルアミノ基含有シロキサン
と芳香族ジイソシアナートから形成されるポリウレア,
前記アミンと芳香族及び/又は脂肪族ジクロリドから形
成されるポリアミド,ポリ(4−メチルペンテン−1)
あるいはポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)
などを挙げることができる。
00℃以上の高温での使用に耐え得るものが望まれ、そ
の具体例としては、シロキサン,アミドイミド,エステ
ル,ウレア,エーテルなどの基で結合した構造のポリマ
ーや側鎖にイソブチル基を有するポリマーを挙げること
ができる。例えば、ポリシロキサン特に架橋構造をもつ
ポリシロキサン,ポリウレア特にシロキサン構造含有の
ポリウレア,ポリウレタン特にシロキサン構造含有のポ
リウレタン,ポリアミド特にシロキサン構造含有のポリ
アミド,ポリイミド特にシロキサン構造含有のポリイミ
ド,あるいはポリフェニレンエーテル類などを挙げるこ
とができる。より具体的には、常温架橋型のポリシロキ
サン、末端又は側鎖にアルキルアミノ基含有シロキサン
と芳香族ジイソシアナートから形成されるポリウレア,
前記アミンと芳香族及び/又は脂肪族ジクロリドから形
成されるポリアミド,ポリ(4−メチルペンテン−1)
あるいはポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)
などを挙げることができる。
【0034】薄膜層の形成方法としては、薄膜をあらか
じめ形成しておいて前記ポリイミド多孔質膜上に積層す
る方法、薄膜となるポリマーの溶液をポリイミド多孔質
膜上に塗布する方法、ポリイミド多孔質膜上でポリマー
を界面重合して重合反応と薄膜形成を同時に行う方法、
あるいはプラズマ重合により薄膜を形成する方法など公
知の方法が適用できる。
じめ形成しておいて前記ポリイミド多孔質膜上に積層す
る方法、薄膜となるポリマーの溶液をポリイミド多孔質
膜上に塗布する方法、ポリイミド多孔質膜上でポリマー
を界面重合して重合反応と薄膜形成を同時に行う方法、
あるいはプラズマ重合により薄膜を形成する方法など公
知の方法が適用できる。
【0035】かくして得られる複合膜は、ガス分離膜あ
るいは液体分離膜として好適に利用でき、例えば混合気
体の分離、特に酸素と窒素の分離、水素と窒素の分離、
あるいは水素と一酸化炭素の分離などに適したものであ
る。また、複合膜を構成している素材は耐熱性、機械的
強度及び耐溶剤性に優れたものであるので、当然複合膜
はこれらの性質に優れたものであり、100℃以上の高
温でも安定して分離操作を行うことができる。
るいは液体分離膜として好適に利用でき、例えば混合気
体の分離、特に酸素と窒素の分離、水素と窒素の分離、
あるいは水素と一酸化炭素の分離などに適したものであ
る。また、複合膜を構成している素材は耐熱性、機械的
強度及び耐溶剤性に優れたものであるので、当然複合膜
はこれらの性質に優れたものであり、100℃以上の高
温でも安定して分離操作を行うことができる。
【0036】なお本発明において、ガス透過度は、面積
12.5cm2 のステンレス製のセルにポリイミド多孔
膜又は複合膜を設置し、窒素ガス又は水素ガスを0.2
〜1kg/cm2 に加圧して常温で供給し、ポリイミド
多孔膜又は複合膜を透過するガス容量を流量計で測定
し、次式に従って算出する。また、H2 /N2 分離比
は、窒素ガス透過度に対する水素ガス透過度の比とす
る。
12.5cm2 のステンレス製のセルにポリイミド多孔
膜又は複合膜を設置し、窒素ガス又は水素ガスを0.2
〜1kg/cm2 に加圧して常温で供給し、ポリイミド
多孔膜又は複合膜を透過するガス容量を流量計で測定
し、次式に従って算出する。また、H2 /N2 分離比
は、窒素ガス透過度に対する水素ガス透過度の比とす
る。
【0037】
【数2】
【0038】
【実施例】以下、実施例にて本発明を具体的に説明す
る。 参考例1 THF119.2gとメタノール31.8gとからなる
混合溶媒に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル8.
00gを溶解し、13℃に保った。これにピロメリット
酸二無水物8.80gを一度に加え、20℃で18時間
撹拌を続けたところ、均一な黄色の溶液が得られた。こ
のときのポリアミド酸の固有粘度は1.42であった。
この溶液100gに29.8gの水を加えて、均一な製
膜溶液を調製した。得られた製膜溶液をオートマティッ
ク膜アプリケーター(安田精機社製)を用いて、ガラス
基板上に40mm/sの速度で500μmの厚さに均一
に流延した。その後、25℃で20分間乾燥した後、ガ
ラス面より剥離し、80℃で2時間、続いて300℃で
3時間加熱し、イミド化した。このようにして、膜厚約
41μmのポリイミド多孔質膜を得た。この膜の水素ガ
ス透過度は7.0ml/cm2 ・sec・cmHg,H
2 /N2 分離比は、2.2であった。
る。 参考例1 THF119.2gとメタノール31.8gとからなる
混合溶媒に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル8.
00gを溶解し、13℃に保った。これにピロメリット
酸二無水物8.80gを一度に加え、20℃で18時間
撹拌を続けたところ、均一な黄色の溶液が得られた。こ
のときのポリアミド酸の固有粘度は1.42であった。
この溶液100gに29.8gの水を加えて、均一な製
膜溶液を調製した。得られた製膜溶液をオートマティッ
ク膜アプリケーター(安田精機社製)を用いて、ガラス
基板上に40mm/sの速度で500μmの厚さに均一
に流延した。その後、25℃で20分間乾燥した後、ガ
ラス面より剥離し、80℃で2時間、続いて300℃で
3時間加熱し、イミド化した。このようにして、膜厚約
41μmのポリイミド多孔質膜を得た。この膜の水素ガ
ス透過度は7.0ml/cm2 ・sec・cmHg,H
2 /N2 分離比は、2.2であった。
【0039】参考例2 THF119.5gとメタノール29.9gからなる混
合溶媒に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル8.3
3gを溶解し、20℃に保った。これにピロメリット酸
二無水物9.25gを一度に加え、20℃で20時間撹
拌を続けたところ、均一な黄色の溶液が得られた。この
ときのポリアミド酸の固有粘度は1.50であった。こ
の溶液100gに29.5gの水を加えて均一な製膜溶
液を調製した。得られた製膜溶液をオートマティック膜
アプリケーター(安田精機社製)を用いて、ガラス基板
上に40mm/sの速度で500μmの厚さに均一に流
延した。その後、30℃で30分間乾燥した後、ガラス
面より剥離し、80℃で2時間、続いて300℃で3時
間加熱し、イミド化した。このようにして膜厚約50μ
mのポリイミド多孔質膜を得た。この膜の水素ガス透過
度は0.82ml/cm2 ・sec・cmHg,H2 /
N2 分離比は2.3であった。
合溶媒に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル8.3
3gを溶解し、20℃に保った。これにピロメリット酸
二無水物9.25gを一度に加え、20℃で20時間撹
拌を続けたところ、均一な黄色の溶液が得られた。この
ときのポリアミド酸の固有粘度は1.50であった。こ
の溶液100gに29.5gの水を加えて均一な製膜溶
液を調製した。得られた製膜溶液をオートマティック膜
アプリケーター(安田精機社製)を用いて、ガラス基板
上に40mm/sの速度で500μmの厚さに均一に流
延した。その後、30℃で30分間乾燥した後、ガラス
面より剥離し、80℃で2時間、続いて300℃で3時
間加熱し、イミド化した。このようにして膜厚約50μ
mのポリイミド多孔質膜を得た。この膜の水素ガス透過
度は0.82ml/cm2 ・sec・cmHg,H2 /
N2 分離比は2.3であった。
【0040】参考例3 参考例1と同様にポリアミド酸を重合した後、この溶液
100gに水28.0gを加え均一な製膜溶液を調製し
た。この溶液を参考例1と同様に製膜し、イミド化し
て、膜厚約41μmのポリイミド多孔質膜を得た。この
膜の水素ガス透過度は0.10ml/cm2 ・sec・
cmHg,H2 /N2 分離比は2.3であった。参考例
1〜3の膜の膜厚、水素ガス透過度、H2 /N2 分離比
を表1に示す。
100gに水28.0gを加え均一な製膜溶液を調製し
た。この溶液を参考例1と同様に製膜し、イミド化し
て、膜厚約41μmのポリイミド多孔質膜を得た。この
膜の水素ガス透過度は0.10ml/cm2 ・sec・
cmHg,H2 /N2 分離比は2.3であった。参考例
1〜3の膜の膜厚、水素ガス透過度、H2 /N2 分離比
を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】実施例1 参考例1で得られたポリイミド多孔質膜上に、2重量%
のシリコン樹脂(ダウコーニング社製,シルガード18
4,常温架橋タイプ)のイソペンタン溶液を塗布し、3
0℃で2時間風乾して膜厚約41μmの複合膜を得た。
この複合膜は、水素ガス透過度5.0×10-3ml/c
m2 ・sec・cmHg,H2 /N2 分離比25であっ
た。
のシリコン樹脂(ダウコーニング社製,シルガード18
4,常温架橋タイプ)のイソペンタン溶液を塗布し、3
0℃で2時間風乾して膜厚約41μmの複合膜を得た。
この複合膜は、水素ガス透過度5.0×10-3ml/c
m2 ・sec・cmHg,H2 /N2 分離比25であっ
た。
【0043】実施例2 参考例2で得られたポリイミド多孔質膜上に、1重量%
のビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサ
ンのエタノール水溶液(エタノール/水=8/2)を塗
布し、室温下で20分間風乾した。続いて4,4−ジフ
ェニルメタンジイソシアナートのヘキサン溶液を塗布
し、室温下で10分間風乾した後、100℃で20分間
熱処理して膜厚約50μmの複合膜を得た。この複合膜
は、水素ガス透過度1.5×10-3ml/cm2 ・se
c・cmHg,H2 /N2 分離比20であった。
のビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサ
ンのエタノール水溶液(エタノール/水=8/2)を塗
布し、室温下で20分間風乾した。続いて4,4−ジフ
ェニルメタンジイソシアナートのヘキサン溶液を塗布
し、室温下で10分間風乾した後、100℃で20分間
熱処理して膜厚約50μmの複合膜を得た。この複合膜
は、水素ガス透過度1.5×10-3ml/cm2 ・se
c・cmHg,H2 /N2 分離比20であった。
【0044】実施例3 参考例1で得られたポリイミド多孔質膜上に、1重量%
のポリ(4−メチルペンテン−1)のシクロヘキセン溶
液を塗布し、30℃で1時間風乾して膜厚約41μmの
複合膜を得た。この複合膜は、水素ガス透過度1.0×
10-3ml/cm2 ・sec・cmHg,H2 /N2 分
離比25であった。
のポリ(4−メチルペンテン−1)のシクロヘキセン溶
液を塗布し、30℃で1時間風乾して膜厚約41μmの
複合膜を得た。この複合膜は、水素ガス透過度1.0×
10-3ml/cm2 ・sec・cmHg,H2 /N2 分
離比25であった。
【0045】実施例4 参考例3で得られたポリイミド多孔質膜を使用すること
を除いては、実施例1と同様にして膜厚約41μmの複
合膜を得た。この複合膜は、水素ガス透過度4.0×1
0-3ml/cm2 ・sec・cmHg,H2 /N2 分離
比30であった。
を除いては、実施例1と同様にして膜厚約41μmの複
合膜を得た。この複合膜は、水素ガス透過度4.0×1
0-3ml/cm2 ・sec・cmHg,H2 /N2 分離
比30であった。
【0046】実施例5 参考例1で得られたポリイミド多孔質膜上に、1重量%
のポリジメチルシロキサン−ポリカーボネートブロック
共重合体(共重合比1:1)の1,2,3−トリクロロ
プロパン溶液を塗布し、30℃で1時間風乾して膜厚約
41μmの複合膜を得た。この複合膜は、水素ガス透過
度1.2×10-3ml/cm2 ・sec・cmHg,H
2 /N2 分離比25であった。
のポリジメチルシロキサン−ポリカーボネートブロック
共重合体(共重合比1:1)の1,2,3−トリクロロ
プロパン溶液を塗布し、30℃で1時間風乾して膜厚約
41μmの複合膜を得た。この複合膜は、水素ガス透過
度1.2×10-3ml/cm2 ・sec・cmHg,H
2 /N2 分離比25であった。
【0047】実施例6 参考例2で得られたポリイミド多孔質膜上に、1重量%
のポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)のクロ
ロホルム溶液を塗布し、30℃で2時間風乾して膜厚約
50μmの複合膜を得た。この複合膜は、水素ガス透過
度7.0×10-4ml/cm2 ・sec・cmHg,H
2 /N2 分離比30であった。実施例1〜6の膜の膜
厚、水素ガス透過度、H2 /N2 分離比を表2に示す。
のポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)のクロ
ロホルム溶液を塗布し、30℃で2時間風乾して膜厚約
50μmの複合膜を得た。この複合膜は、水素ガス透過
度7.0×10-4ml/cm2 ・sec・cmHg,H
2 /N2 分離比30であった。実施例1〜6の膜の膜
厚、水素ガス透過度、H2 /N2 分離比を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】以上のように構成されているので、本発
明の複合膜は、耐熱性、耐溶剤性及び機械的強度に優れ
ており、透過性能が極めて大きいにもかかわらず、分離
性能が高いので、気体や液体の分離膜として有用であ
る。また、このような複合膜が本発明によれば容易に製
造することができる。
明の複合膜は、耐熱性、耐溶剤性及び機械的強度に優れ
ており、透過性能が極めて大きいにもかかわらず、分離
性能が高いので、気体や液体の分離膜として有用であ
る。また、このような複合膜が本発明によれば容易に製
造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越後 良彰 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリイミド多孔質膜とこの多孔質膜の表
面に形成された薄膜層とからなる複合膜であって、複合
膜の膜厚が10〜100μm、水素ガス透過度が5×1
0-4ml/cm2 ・sec・cmHg以上、窒素ガスの
透過度に対する水素ガスの透過度の比が10以上である
ことを特徴とする複合膜。 - 【請求項2】 ポリイミド前駆体と単独ではこの前駆体
の貧溶媒である溶媒のうちから選ばれる混合溶媒とから
なる製膜溶液から、ポリイミド前駆体の多孔質膜を形成
し、この多孔質膜を構成しているポリイミド前駆体を閉
環してポリイミド多孔質膜を得た後、このポリイミド多
孔質膜の表面に薄膜層を形成することを特徴とする請求
項1記載の複合膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2656895A JPH08215550A (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | 複合膜及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2656895A JPH08215550A (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | 複合膜及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08215550A true JPH08215550A (ja) | 1996-08-27 |
Family
ID=12197155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2656895A Pending JPH08215550A (ja) | 1995-02-15 | 1995-02-15 | 複合膜及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08215550A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012521872A (ja) * | 2009-03-27 | 2012-09-20 | ユーオーピー エルエルシー | 熱処理およびuv架橋により芳香族ポリイミド膜から調製された高分子膜 |
JP2012521873A (ja) * | 2009-03-27 | 2012-09-20 | ユーオーピー エルエルシー | 芳香族ポリイミド膜から誘導された高分子膜 |
JP2017186506A (ja) * | 2015-10-16 | 2017-10-12 | ユニチカ株式会社 | 多孔質ポリイミドフィルム形成用ポリイミド溶液、多孔質ポリイミドフィルムの製造方法および多孔質ポリイミドフィルム |
CN114405276A (zh) * | 2021-12-27 | 2022-04-29 | 浙江易膜新材料科技有限公司 | 一种耐高热分离膜材料的制备方法 |
-
1995
- 1995-02-15 JP JP2656895A patent/JPH08215550A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012521872A (ja) * | 2009-03-27 | 2012-09-20 | ユーオーピー エルエルシー | 熱処理およびuv架橋により芳香族ポリイミド膜から調製された高分子膜 |
JP2012521873A (ja) * | 2009-03-27 | 2012-09-20 | ユーオーピー エルエルシー | 芳香族ポリイミド膜から誘導された高分子膜 |
JP2017186506A (ja) * | 2015-10-16 | 2017-10-12 | ユニチカ株式会社 | 多孔質ポリイミドフィルム形成用ポリイミド溶液、多孔質ポリイミドフィルムの製造方法および多孔質ポリイミドフィルム |
CN114405276A (zh) * | 2021-12-27 | 2022-04-29 | 浙江易膜新材料科技有限公司 | 一种耐高热分离膜材料的制备方法 |
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