JPH08214650A - 田植機の植付部昇降制御装置 - Google Patents

田植機の植付部昇降制御装置

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JPH08214650A
JPH08214650A JP7053561A JP5356195A JPH08214650A JP H08214650 A JPH08214650 A JP H08214650A JP 7053561 A JP7053561 A JP 7053561A JP 5356195 A JP5356195 A JP 5356195A JP H08214650 A JPH08214650 A JP H08214650A
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博 長井
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石田  伊佐男
Toshio Tamai
玉井  利男
Takahide Shiozaki
塩崎  孝秀
Takeyuki Ouchi
建之 大内
Hisashi Kamiya
神谷  寿
Takashi Suzuki
隆 鈴木
Takuya Okada
岡田  卓也
Mitsutaka Izumi
満孝 和泉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポジション制御を導入した田植機の植付部昇
降操作性を向上させる。 【構成】 機体に対して植付部が昇降可能に支持された
田植機の植付部昇降制御装置において、操作位置に応じ
た高さに植付部を昇降させるポジションモードと植付部
を表土面に対して一定高さに維持する作業時操作モード
に切り替える第一操作具60と、作業時操作モードの時
に植付部を非作業位置ヘ上昇させる第二操作具61と、
キースイッチをOFFからONにした時は前記第一操作
具60がどの位置に操作されていても植付部を昇降させ
ないセフティ機能、及び作業時操作モードの時に前記第
二操作具61を操作すると前記セフティ機能を解除する
解除機能を有する制御装置MCとを具備する構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機体に対して植付部が
昇降可能に支持された田植機の植付部昇降制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、従来の乗用田植機は、植付部
を昇降作動させるレバーの操作位置が、植付部を表土面
から一定高さに維持する「植付位置」、植付部を上昇さ
せる「上げ位置」、植付部を下降させる「下げ位置」、
植付部を一定位置に固定する「固定位置」の4位置から
なっていた。よって、非作業時に植付部を任意位置に昇
降させようとする場合、レバーを「上げ位置」もしくは
「下げ位置」に操作して植付部を昇降作動させ、タイミ
ングを見計らってレバーを「固定位置」に操作して植付
部の昇降作動を停止させていた。しかしながら、これで
は植付部を正確に所望の高さに停止させることが難しい
ので、非作業範囲内での植付部の昇降に関し、レバーの
操作位置に対応して植付部の位置が決まるポジション制
御の導入が試みられている。
【0003】田植機と構造的に類似するトラクタでは、
ポジション制御による作業機の昇降制御が実際に行われ
ている。このようなポジション制御を行うトラクタに
は、セフティ機構が装備されている。このセフティ機構
とは、キースイッチを切って停止している間にポジショ
ンレバーが動かされた場合、次回キースイッチをONに
した途端に作業機がポジションレバーで指示されている
位置まで昇降する危険を回避するためのもので、キース
イッチをOFFからONにした時点では、ポジションレ
バーの操作位置と実際の作業機位置に違いがあっても作
業機を昇降させないように機能する。その後、ポジショ
ンレバーを1ストローク動かすと、セフティ機構の機能
が解除され、ポジション制御が働くようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、トラクタの
場合は作業機の上げ下げをポジション制御で制御するだ
けであるが、田植機の場合は植付部の上げ下げを制御す
る以外に、作業時には植付部を表土面に対して一定高さ
に維持するよう自動制御する表土追従制御も行う。よっ
て、ポジション制御を導入した田植機は、レバーをポジ
ション領域に操作すると作業機上げ下げ用のポジション
制御になり、レバーを作業時操作位置に操作すると植付
作業時用の表土追従制御になるように、共通のレバーで
両制御を切り替える構成とするのが使い勝手が良く好ま
しい。
【0005】上記構成とした田植機は、圃場内での植付
作業時はレバーを作業時操作位置にしての表土追従制御
状態となる。しかしながら、圃場端部で機体を旋回させ
る際には植付部を作業位置から非作業位置へ上昇、並び
に非作業位置から作業位置へ下降させる動作を伴う。こ
の圃場内での植付部の上げ下げ上記レバーのみで行うよ
うにすると、植付部の上げの場合はレバーを作業時操作
位置からポジション領域の最上部まで操作し、植付部の
下げの場合はレバーをポジション領域の最上部から作業
時操作位置まで操作しなければならないので、レバー操
作量が大きくて操作性が悪く、しかもそのレバー操作中
はハンドル操作を片手で行わねばならないので操縦性が
悪くなるという問題点がある。なお、これは従来のポジ
ション制御を行わない田植機についても云える問題点で
ある。
【0006】更に、前記セフティ機構を装備した田植機
には次のような問題点もある。すなわち、例えば圃場内
で植付作業を中断した場合、作業再開時にキースイッチ
をONにしてもセフティ機能が働いて表土追従制御が効
かないので、レバーを一旦ポジション領域まで動かして
セフティ機構を解除せねばならず、この操作が面倒なの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記事情に鑑
み、ポジション制御を導入した場合の植付部昇降操作性
を向上させることを課題とするもので、それを達成する
ために次のように構成した。すなわち、本発明にかかる
田植機の植付部昇降制御装置は、機体に対して植付部が
昇降可能に支持された田植機の植付部昇降制御装置にお
いて、操作位置に応じた高さに植付部を昇降させるポジ
ションモードと植付部を表土面に対して一定高さに維持
する作業時操作モードに切り替える第一操作具と、作業
時操作モードの時に植付部を非作業位置ヘ上昇させる第
二操作具と、キースイッチをOFFからONにした時は
前記第一操作具がどの位置に操作されていても植付部を
昇降させないセフティ機能、及び作業時操作モードの時
に前記第二操作具を操作すると前記セフティ機能を解除
する解除機能を有する制御装置とを具備することを特徴
としている。
【0008】
【作用】作業時操作モードにして圃場内で作業中に、第
二操作具を用いて植付部を非作業位置ヘ上昇させること
ができるので、機体旋回時等における植付部上げ操作が
容易である。第二操作具を指先だけで操作できるように
すれば更に操作性が向上する。また、キースイッチをO
FFからONにした時は前記第一操作具がポジションモ
ードのどの位置に操作されていても植付部を昇降させな
いセフティ機能を有するので、始動時に植付部が不意に
下降することを防止できる。作業時操作モードの時に第
二操作具を操作することにより、このセフティ機能が容
易に解除できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例として、乗用田植機
の植付部昇降制御装置について説明する。
【0010】この乗用田植機1は、走行車体2の後側に
昇降リンク装置3を介して植付部4を昇降可能に装着し
た構成となっている。また、走行車体2の後部で植付部
4の前側に各植付条の近傍に施肥する施肥装置5の肥料
タンク5a及び肥料繰出部5b…等が配設されている。
【0011】走行車体1は四輪駆動車両であり、駆動輪
である左右一対の前輪6,6及び後輪7,7を備えてい
る。機体の前部に配したミッションケース8の左右側面
部に前輪アクスルケース9,9が固着して設けられ、さ
らに該前輪アクスルケースの外端部に前輪ファイナルケ
ース10,10が固着して設けられ、その前輪ファイナ
ルケースの下部から外向きに突出する前輪車軸6a,6
aに前輪6,6が取り付けている。ミッションケース8
内の動力が前輪アクスルケース9,9と前輪ファイナル
ケース10,10内の伝動機構により伝達されて、前輪
6,6が駆動回転するようになっている。
【0012】また、ミッションケース8の背面部には左
右一対のメインフレーム11,11の前端部が固着さ
れ、さらにメインフレーム11,11の後端部には横フ
レーム12が固着されている。そして、横フレーム12
の左右中央部に軸心が前後水平に向いた後輪ローリング
軸13aが固定状態で嵌合させてあり、該後輪ローリン
グ軸の突出部に後輪フレーム13がローリング自在に支
持されている。この後輪フレーム13の左右端部に後輪
ギヤケース14,14が一体に設けられ、その後輪ギヤ
ケースの外側部から外向きに突出する後輪車軸7a,7
aに後輪7,7が取り付けられている。ミッションケー
ス8内の動力が後輪伝動軸14a,14aによって左右
の後輪ギヤケース14,14へ伝動され、後輪7,7が
駆動回転するようになっている。
【0013】エンジン20はメインフレーム11,11
の上に搭載されている。エンジン20の回転動力は、エ
ンジン出力軸20aから油圧式前後進無段変速装置(H
ST)21の入力軸21aへ第一ベルト伝動装置22で
伝動され、さらに、前後進無段変速装置21によって変
速後の回転動力が、HST第一出力軸21bからミッシ
ョン入力軸8aへ第二ベルト伝動装置23で伝動される
とともに、HST第二出力軸21cから油圧ポンプ2
4,24′の駆動軸24aへ第三ベルト伝動装置25で
伝動される。また、エンジン20の回転動力は、第四ベ
ルト伝動装置26によりオルタネータ27へも伝動され
る。
【0014】ミッションケース8に入力された回転動力
は、主変速装置によって変速した後、走行系動力と植付
部駆動系動力とに分けられ、走行系動力により前輪車軸
6a,6a及び後輪車軸7a,7aを駆動するととも
に、植付部駆動系動力により植付部4及び施肥装置5を
駆動する。植付部駆動系には、植付部への伝動を入り切
りする植付クラッチ29が設けられている。
【0015】操縦座席30はエンジン20の上側を覆う
エンジンカバー31の上に設置されている。そして、操
縦座席30の前方のフロントカバー32の上方に操縦ハ
ンドル33が設けられている。また、フロントカバー3
2及び操縦座席30の周辺部に、操作パネル、各種操作
レバー、各種操作ペダル等が設けられている。エンジン
カバー31及びフロントカバー32の下部の周りは水平
状のフロアステップ37となり、その上を操縦者が歩行
等をすることができるようになっている。さらに、機体
の側部には、フロアステップ37に昇降するための昇降
ステップ38,38が設けられている。
【0016】昇降リンク装置3は平行リンク構成であっ
て、1本の上リンク40及び左右一対の下リンク41,
41を備えている。これらリンク40,41,41は、
その基部側がメインフレーム11,11の後端部に立設
したリンクベースフレーム42に回動自在に取り付けら
れ、その先端側に縦リンク43が連結されている。縦リ
ンク43には植付部4をローリング自在に連結するため
のローリング軸43aが設けられている。メインフレー
ム11,11に固着した支持部材(図示せず)と上リン
ク40に一体形成したスイングアーム44の先端部との
間に昇降作動用油圧シリンダ45が介装されており、該
シリンダを油圧で伸縮させることにより、上リンク40
が上下に回動し、縦リンク43に装着した植付部4がほ
ぼ一定姿勢のまま昇降する。なお、油圧シリンダ45は
後記電磁制御弁57によって制御される。
【0017】植付部4は6条植えの構成となっていて、
フレームを兼ねる伝動ケース50に、6条分の苗を載せ
ておく苗載台51と、該苗載台上の苗を圃場面に植え付
ける6組の植付装置52,…等が組み付けられている。
植付部4の下部には、左右中央にセンターフロート54
が、その左右両側に一対のサイドフロート55,55が
それぞれ前端部側が上下動可能な状態で設けられてい
る。各フロートが泥面に接地した状態では、機体重量の
一部がこの接地部で受けられる。各フロートを接地させ
た状態で機体を進行させると、フロートが泥面を整地し
つつ滑走する。
【0018】施肥装置5は、肥料を入れておく肥料タン
ク5aと該肥料タンク内の肥料を一定量づつ順次下方に
繰り出す肥料繰出部5b…とを走行車体1の後部に設
け、該肥料繰出部から繰り出される肥料を、フレキシブ
ルな施肥ホース5c,…を介して、フロート54,5
5,55に取り付けた施肥体5d…に導くようになって
いる。施肥体5d…の前側には、植付条の側部近傍に施
肥用の溝を形成する作溝具5e…が設けられている。
【0019】この田植機の油圧回路は図4のように構成
されている。すなわち、2つの油圧ポンプ24,24′
が設けられていて、一方の油圧ポンプ24から送り出さ
れる圧油は植付部昇降用の電磁制御弁57に供給され、
他方の油圧ポンプ24′から送り出される圧油はパワス
テ用トルクジェネレータ58に供給されるとともに、油
圧式前後進無段変速装置21に供給される。
【0020】水田内での作業時には、各フロート54,
55,55が接地する位置まで植付部4を下げ、植付ク
ラッチ29を「入り」にする。また、路上走行時や水田
内で機体を旋回させる時には、植付部4を適当高さまで
上げ、植付クラッチ29を「切り」にする。これらの植
付部4の上げ下げ操作及び植付クラッチ29の入り切り
は、第一操作具であるモード切替レバー60と第二操作
具である植付部上下・植付クラッチ切替レバー61を併
用して操作する。
【0021】モード切替レバー60は、操縦座席30の
右側部に設けられていて、図8に示すレバーガイド62
に沿って操作するようになっている。「ポジションモー
ド」は非作業時に植付部を昇降させるためのモードで、
この操作範囲内ではモード切替レバー60の操作位置に
応じて植付部4の位置が決まるポジション制御になると
ともに、植付クラッチが「切り」になる。「作業時操作
モード」は水田内での植付作業時のモードで、植付部を
表土面に対して一定高さに維持する表土追従制御になる
とともに、植付クラッチが「入り」になる。また、「作
業時操作モード」では、植付部上下・植付クラッチ切替
レバー61のレバー操作で、植付部の上げ下げ及び植付
クラッチの入り切りを切り替えることができる。「異常
時操作モード」は植付クラッチ切替用の電装関係に異常
が生じた時のモードで、植付部の昇降に関しては「作業
時操作モード」と同じで、植付クラッチはメカ的に「入
り」になる。
【0022】レバーガイド62の「作業時操作モード」
位置には凹部62aが形成され、該位置に操作されたモ
ード切替レバー60はスプリングに付勢されてその凹部
62aに係合する。よって、「作業時操作モード」位置
でモード切替レバー60が安定するようになっている。
【0023】また、レバーガイド62を図9に示すよう
にクランク状にしてもよい。スプリングによってモード
切替レバー60を「異常時操作モード」操作部側に付勢
し、「作業時操作モード」位置と「異常時操作モード」
位置の間にモード切替レバー60の移動に抵抗を与える
障害物62bを設けてあり、モード切替レバー60を
「作業時操作モード」位置に正確かつ安定状態で操作す
ることができるとともに、異常時以外にほとんど操作す
ることのない「異常時操作モード」位置にモード切替レ
バー60を誤操作することを防止している。
【0024】植付部上下・植付クラッチ切替レバー61
は、図10、図11に示すようにハンドル33の近傍に
設けられていて、指操作により中立位置Nから上下に回
動させられ、指を離すと中立位置Nに自動復帰するよう
になっている。上側の植付部上下切替位置Aに操作する
と、植付部上下切替スイッチSW−UDが切り替わり、
植付部が上げ状態の場合は植付部が下降し、植付部が下
げ状態の場合は植付部が上昇する。また、下側の植付ク
ラッチ切替位置Bに操作すると、植付クラッチ切替スイ
ッチSW−PCが切り替わり、植付クラッチが「切り」
状態の場合は植付クラッチが「入り」になり、植付クラ
ッチが「入り」状態の場合は植付クラッチが「切り」に
なる。
【0025】次いで、植付部昇降制御装置について具体
的に説明する。図12はその構成を示す図である。な
お、植付部昇降制御を司る制御装置(マイコン)MC
は、該植付部昇降制御の他に、植付部のローリング制御
も行い、図12には両制御系が一括して表示されてい
る。
【0026】モード切替レバー60の支軸64にはレバ
ー位置決めカム65が取り付けられており、該カムのカ
ム面65aにローラ支持アーム66に支持されたカムロ
ーラ67が接当している。モード切替レバー60が「ポ
ジションモード」及び「作業時操作モード」にある時
は、カムローラ67がカム面65aの円周状部分に接当
するため、モード切替レバー60の操作が円滑に行われ
るが、モード切替レバー60が「異常時操作モード」に
ある時は、カムローラ67がカム面65aの凹部に嵌り
込み、安定状態で位置決めされる。モード切替レバー6
0の操作位置は、ポテンショメータPM1で検出する。
なお、図中の68はカムローラ67をレバー位置決めカ
ム65側に押し付けるようローラ支持アーム66を付勢
するスプリングである。
【0027】また、支軸64には植付クラッチカム70
が取り付けられており、該カムのカム面70aにローラ
支持アーム71に支持されたカムローラ72が接当する
ようになっている。モード切替レバー60を「ポジショ
ンモード」及び「作業時操作モード」に操作すると、ロ
ーラ支持アーム71がスプリング73に引かれて植付ク
ラッチピン29aを押し込み、植付クラッチ「切り」に
なる。モード切替レバー60を「異常時操作モード」に
操作すると、植付クラッチカム70がカムローラ72を
押し下げることによりローラ支持アーム71が回動して
植付クラッチピン29aを引き出し、植付クラッチ「入
り」になる。
【0028】「作業時操作モード」における植付クラッ
チ入り切り操作は電動モータMPCで行う。電動モータM
PCによってワイヤ74が引き伸ばしするようになってい
て、ワイヤ74を引き作動させると、モード切替レバー
60を「異常時操作モード」に操作した時と同様にロー
ラ支持アーム71が回動し、植付クラッチ「入り」にな
る。植付クラッチ29の入り切り状態は、ローラ支持ア
ーム71によりON/OFF切替される植付クラッチ入
り切りスイッチSW−Cで検出する。
【0029】また、植付部昇降制御用の検出機器とし
て、上リンク40の角度を検出するリンクセンサ75、
表土面の凹凸を検出する接地体であるセンターフロート
54の迎え角を検出する迎え角センサ76、植付部4が
昇降可能範囲の上限にあるとONになる植付部上げ検出
スイッチSW−Uが設けられている。
【0030】植付部昇降制御は図13の手順で行う。す
なわち、モード切替レバー60の操作位置をポテンショ
メータPM1で読み取り、「ポジションモード」である
場合は、セフティ状態でない時に限りポジション制御を
行い、「作業時操作モード」もしくは「異常時操作モー
ド」である場合は、セフティ状態でなく、かつ植付部上
下・植付クラッチ切替レバー61の植付部上下切替スイ
ッチSW−UDがONでない時に限り表土追従制御を行
う。「作業時操作モード」もしくは「異常時操作モー
ド」で、植付部上下切替スイッチSW−UDがONであ
る場合は、表土追従制御に優先して、植付部が上げ状態
の場合は植付部が下降して表土追従制御状態となり、植
付部が下げ状態の場合は植付部上げ検出スイッチSW−
UがONになる最大リフト位置まで植付部が上昇する。
【0031】ここで、セフティ状態とは、キースイッチ
SW−KがOFFからONに切り替わった時は植付部の
昇降を規制する状態を云う。このセフティ状態は、「ポ
ジションモード」である場合はモード切替レバー60を
ポジションモード領域の最上位まで操作すると解除さ
れ、「作業時操作モード」もしくは「異常時操作モー
ド」である場合は植付部上下・植付クラッチ切替レバー
61で植付部上下切替スイッチSW−UDをONにする
と解除される。
【0032】ポジション制御については、モード切替レ
バー60のポテンショメータPM1の値(目標値)と、
リンクセンサ75のポテンショメータPM2の値(実測
値)の差分を算出し、その差分が不感帯内に収まるよう
に電磁制御弁57に出力指令を出して植付部4を昇降さ
せる。
【0033】表土追従制御については、迎え角設定器
(図示せず)で設定される迎え角の目標値と、迎え角セ
ンサ76のポテンショメータPM3の値(実測値)の差
分を算出し、その差分が不感帯内に収まるように電磁制
御弁57に出力指令を出して植付部4を昇降させる。
【0034】植付部昇降制御装置は以上の構成で、実際
の運転に際してはモード切替レバー60と植付部上下・
植付クラッチ切替レバー61を以下の要領で操作する。
【0035】主に、田植え作業をせずに水田外において
移動する時は、モード切替レバー60を「ポジションモ
ード」の領域に移動させて、植付部4の上下高さを適当
な位置に上下調節する。モード切替レバー61の操作位
置に対応して植付部4が上下に位置変更する。
【0036】通常の田植え作業を行う時は、モード切替
レバー60で「作業時操作モード」に切り替え、表土追
従制御による自動昇降制御を行う。旋回時には、植付部
上下・植付クラッチ切替レバー61で植付部4を最大リ
フト位置まで上昇させる(植付部上下切替スイッチSW
−UDをON)とともに、植付クラッチ29を「切り」
にする(植付クラッチ切替スイッチSW−PCをO
N)。そして、旋回終了後、植付部上下・植付クラッチ
切替レバー61で植付部4を作業位置まで下降させる
(植付部上下切替スイッチSW−UDをON)ととも
に、植付クラッチ29を「入り」にする(植付クラッチ
切替スイッチSW−PCをON)。よって、水田内に入
ってから作業を終えて水田から出るまで、特別な場合を
除いて「作業時操作モード」であり、モード切替レバー
60を操作する必要がない。旋回時の植付部上げ下げは
指操作式の植付部上下・植付クラッチ切替レバー61で
行うので、操作が極めて容易である。
【0037】水田内で「ポジションモード」にする特別
な場合として、次のような場合がある。「ポジションモ
ード」で植付部4を接地状態に調節し、その位置に植付
部4を固定したまま走行させると、表土を均平しながら
植付けを行うことができる。また、圃場の端まで植付け
を行いながら水田から脱出する場合、「ポジションモー
ド」で機体の前後傾斜に合わせて植付部4を徐々に走行
車体2に対して上昇させればよい。
【0038】植付クラッチ入り切り操作用電動モータM
PCの故障等で植付部上下・植付クラッチ切替レバー61
による植付クラッチ29の入り切り作動が不能となった
場合、モード切替レバー60を「異常時操作モード」に
すると植付クラッチ29がメカ的に「入り」状態にな
り、「作業時操作モード」にすると植付クラッチ29が
「切り」状態になる。水田内で使用する田植機は泥水等
を被ることにより電装部品の故障が起こりやすい状況に
あるが、「異常時操作モード」を設けておくことによ
り、そのような故障が起きても田植え作業を続行するこ
とができる。
【0039】田植機を始動する時、キースイッチSW−
KをONにするとセフティ機能が働き、モード切替レバ
ー60の操作位置と実際の植付部位置とが違っていて
も、植付部4が昇降作動せず安全である。モード切替レ
バー60をポジションモード領域の最上位まで操作する
とセフティ機能が解除され、ポジション制御状態とな
る。
【0040】また、水田内に田植機を停車させて作業を
中断した場合等は、「作業時操作モード」になっている
ので、キースイッチSW−KをONした後、植付部上下
・植付クラッチ切替レバー61で植付部上下切替スイッ
チSW−UDをONにするだけでセフティ機能が解除さ
れる。
【0041】さらに、制御装置MCを介さず手動で電磁
制御弁57を駆動する植付部上下手動スイッチSW−U
DMも設けられている。このため、制御装置MCが何ら
かの原因で動作しなくなっても、手動操作により植付部
4を昇降させることができる。
【0042】なお、本実施例では、植付部上下切替スイ
ッチSW−UDと植付クラッチ切替スイッチSW−PC
のON/OFFを共通の植付部上下・植付クラッチ切替
レバー61で操作するようにしているが、両スイッチを
それぞれ別のレバーで操作するようにしてもよく、また
レバーではなくボタンスイッチとしてもよい。
【0043】次に、ローリング制御系について説明す
る。
【0044】植付部4はローリング軸43a回りにロー
リング自在に支持され、左右中心に設けたローリングア
ーム80と苗載台フレーム51a,51aをスプリング
81,81で結び、植付部4が弾力的に左右中立位置に
保持している。ローリングアーム80にはギヤ80aが
形成されており、そのギヤにローリングモータMR で回
転させるピニオン82が噛合している。よって、ローリ
ングモータMR でピニオン82を回転させると、ローリ
ングアーム80が回動し、植付部4の左右傾斜が調節さ
れる。ローリングアーム80の角度はポテンショメータ
PM4で検出し、植付部4の左右傾斜は水平センサ83
で検出する(図14)。
【0045】一方、操作パネルには、植付部の目標左右
傾斜を設定する傾き調整ダイヤル85と、植付部の左右
傾斜調節を手動操作で行う手動スイッチ86が設けられ
ている(図15)。
【0046】常時は、傾き調整ダイヤル85で設定され
る左右傾斜(通常は水平)となるようローリング自動制
御する。その制御方法は、水平センサ83と傾き調整ダ
イヤル85からの入力信号に基づき、ローリングモータ
R に出力する。
【0047】畦際等で植付部4を走行車体2に対して左
右に傾斜させた状態で植付けを行う場合は、手動スイッ
チ86を操作して植付部4を任意の左右傾斜にする。手
動スイッチ操作した場合は、前記ローリング自動制御が
切れ、その任意の左右傾斜で固定される。その後、植付
部上下・植付クラッチ切替レバー61を植付部上げ操作
もしくはモード切替レバー60をポジションモード領域
の最上部まで操作して植付部4が最大リフト状態となる
と、ローリング自動制御が復帰する。
【0048】また、ローリング制御用センサ(水平セン
サ83)に断線等の異常が発生した時は手動操作状態を
保持するようになっているので、上記センサ異常により
ローリング自動制御が不能になっても、手動によるロー
リング調整によって作業を続行することができる。
【0049】なお、植付部の左右傾斜の検出機構として
は、図16に示すように、左右のサイドフロート55,
55の上下動をポテンショメータPM5−L,PM5−
Rによって検出し、両者の検出結果を比較することによ
り植付部の左右傾斜を算出する構成としてもよい。
【0050】次に、HST制御系について説明する。
【0051】前後進無段変速装置(HST)21はフロ
ントカバー32の右側部に設けた走行レバー90で操作
する。図18に示すようにレバーガイド91はクランク
状で、中立位置Nを挟んで前側が前進操作域F、後側が
後進操作域Bとなっている。走行レバー90の操作位置
とHSTの斜板角度がポテンショメータPM6,PM7
でそれぞれ検出され、その検出結果に応じて電動シリン
ダ92でHSTの斜板角度を変えるようになっている。
【0052】ところで、レバーガイド91の溝幅はレバ
ー径よりも若干の余裕が持たせてあるので、走行レバー
90を前進操作域Fから中立位置Nに操作した時と後進
操作域Bから中立位置Nに操作した時とでは、走行レバ
ー90の操作位置にずれdが生じる。したがって、その
操作位置に対して忠実に電動シリンダ92に出力する
と、前進操作域Fから中立位置Nに操作した場合は微速
ではあるが後進になり、また後進操作域Bから中立位置
Nに操作した場合は微速ではあるが前進になる。そこ
で、これを防止するために、出荷段階で中立位置Nを不
揮発性メモリE2 PROMに記憶させ、前記ずれの範囲
内では出力しないように制御している。
【0053】また、前後進無段変速装置21を手動で前
進及び後進に操作できるHST手動操作スイッチ93が
設けられているので、制御装置MCが何らかの原因で動
作しなくなっても、手動操作により機体の走行が可能で
ある。
【0054】このような電子制御の田植機には制御装置
MCと通信可能なマイコンチェッカ95が設けられてお
り、このマイコンチェッカ95を用いて制御装置MCか
ら正常な出力信号が出力されているか否かをチェックす
る。HST制御系をチェックする場合、田植機のチェッ
クスイッチ96がONである時のみ出力チェックが可能
であるとともに、出力チェック終了時に走行レバー90
がどの位置にあっても走行レバー90を強制的に中立位
置Nに戻すように制御されている(図20)。これによ
り、停止時に走行レバー90が前進操作域F或は後進操
作域Bに操作されていて、エンジン始動と同時に機体が
発進することを防止できる。
【0055】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明にかかる田
植機の植付部昇降制御装置は、第一操作具と第二操作具
を併用して植付部の昇降操作を行わせる構成とすること
により、機体旋回時等における植付部上げ下げ操作やセ
フティ機能の解除操作を容易に行え、操作性の高いもの
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用田植機の側面図である。
【図2】乗用田植機の平面図である。
【図3】走行車体の伝動部の構成を示す平面図である。
【図4】油圧回路図である。
【図5】モード切替レバーのレバー機構の正面図であ
る。
【図6】図5のS1−S1面である。
【図7】図5のS2−S2面である。
【図8】モード切替レバーのレバーガイドの第一例を示
す図である。
【図9】モード切替レバーのレバーガイドの第二例を示
す図である。
【図10】植付部上下・植付クラッチ切替レバー取付部
の正面図である。
【図11】植付部上下・植付クラッチ切替レバーの構造
を示す図である。
【図12】植付部昇降制御装置のブロック図である。
【図13】植付部昇降制御のフローチャートである。
【図14】ローリング制御系の第一例の構成を示す図で
ある。
【図15】ローリング制御用操作パネルを示す図であ
る。
【図16】ローリング制御系の第二例の構成を示す図で
ある。
【図17】ローリング制御のフローチャートである。
【図18】走行レバーのレバーガイドを示す図である。
【図19】HSTチェックのブロック図である。
【図20】HSTチェックのフローチャートである。
【符号の説明】
MC 制御装置 1 乗用田植機 2 走行車体 3 昇降リンク装置 4 植付部 45 油圧シリンダ 57 電磁制御弁 60 モード切替レバー(第一操作具) 61 植付部上下・植付クラッチ切替レバー(第二操作
具)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩崎 孝秀 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 大内 建之 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 神谷 寿 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 鈴木 隆 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 岡田 卓也 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 和泉 満孝 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体に対して植付部が昇降可能に支持さ
    れた田植機の植付部昇降制御装置において、操作位置に
    応じた高さに植付部を昇降させるポジションモードと植
    付部を表土面に対して一定高さに維持する作業時操作モ
    ードに切り替える第一操作具と、作業時操作モードの時
    に植付部を非作業位置ヘ上昇させる第二操作具と、キー
    スイッチをOFFからONにした時は前記第一操作具が
    どの位置に操作されていても植付部を昇降させないセフ
    ティ機能、及び作業時操作モードの時に前記第二操作具
    を操作すると前記セフティ機能を解除する解除機能を有
    する制御装置とを具備することを特徴とする田植機の植
    付部昇降制御装置。
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