JPH08213153A - 正特性サーミスタ発熱体装置およびその製造方法ならびにその正特性サーミスタ発熱体装置を備えた電子機器 - Google Patents

正特性サーミスタ発熱体装置およびその製造方法ならびにその正特性サーミスタ発熱体装置を備えた電子機器

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JPH08213153A
JPH08213153A JP1796595A JP1796595A JPH08213153A JP H08213153 A JPH08213153 A JP H08213153A JP 1796595 A JP1796595 A JP 1796595A JP 1796595 A JP1796595 A JP 1796595A JP H08213153 A JPH08213153 A JP H08213153A
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insulating
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positive temperature
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heat transfer
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JP1796595A
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Eiji Nitori
英治 似鳥
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 正特性サーミスタの発熱量を金属体の貫通孔
に集中する構成とした正特性サーミスタ発熱体装置およ
びその製造方法ならびに正特性サーミスタ発熱体装置を
備えた電子蚊取器および電子芳香器において、熱効率を
良くし、信頼性を高くし、生産効率を良くすることを目
的とする。 【構成】 電極21b,21cを有する正特性サーミス
タ21と、電極21b,21cに当接して正特性サーミ
スタ21を押圧挟持するコイルバネ22と第1および第
2の電極板23,24と絶縁性伝熱板25と金属体26
の一部を絶縁ケース27の中に並べて配置収納し、ヒー
タコアとして独立させて絶縁カバー28で覆い封止し
て、樹脂を用いずにコイルバネ22で押圧挟持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体を浸透させた棒状
の固形物を外周から加熱することにより蒸散させるのに
用いる正特性サーミスタ発熱体装置およびその製造方法
ならびにその正特性サーミスタ発熱体装置を備えた電子
機器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子蚊取器および電子芳香器は使
用の都度交換するマット式から、ほぼ1ヵ月間または2
ヵ月間交換しなくても使える定量ボトル形のリキッド式
に市場ニーズは移り変わり、使用時間も連続的になって
きたことで、加熱用ヒータの熱源に対する安全性と信頼
性はより高度なものが要求されてきている。
【0003】そのため、リキッド式の電子蚊取器および
電子芳香器の薬剤を蒸散する薬剤浸透芯の加熱用ヒータ
は、ニクロム線や印刷抵抗器等の固定電力型の抵抗体に
代って、そのほとんどが自己電力制御型で自己温度制御
する温度依存性半導体抵抗器の正特性サーミスタが用い
られつつあり、市場も意識的に安全で高信頼性の熱源と
して正特性サーミスタ発熱体装置を求めるようになって
きた。
【0004】また、正特性サーミスタ発熱体装置を用い
た電子蚊取器および電子芳香器もその普及に伴い、メー
カ側の市場ニーズへの対応は正特性サーミスタ発熱体装
置をより高品質高性能で安全性の高いものに仕上げ、自
動化等により大量に生産され、安価に提供されることが
その使命となってきている。
【0005】以下に従来の正特性サーミスタ発熱体装置
およびその製造方法ならびにその正特性サーミスタ装置
を備えた電子蚊取器および電子芳香器について説明す
る。
【0006】図10に示すように、正特性サーミスタ装
置を備えた電子蚊取器および電子芳香器(以下、器具と
いう)は、薬剤ボトル1に収容されている薬液2の中に
浸漬されている棒状浸透芯3が、薬剤ボトル1の内側に
一部突き出たガイド101によりその下部を周囲から支
持されている。また、棒状浸透芯3は、その上部を周囲
から薬剤ボトル1の上部の一部に形成した鍔形の蓋を兼
ねるガイド102により、棒状浸透芯3を周囲から締め
つけて薬液2が漏れ出ないようにされている。さらに、
棒状浸透芯3は、薬剤ボトル1から上方向の外方に向か
って適当寸法が突出していて、薬剤ボトル1の上部に形
成したねじ山状の突出帯103で、内側一部に嵌合し、
薬剤ボトル1を器具内に収納し固定している。
【0007】器具の一部品であるボトル台4は薬剤ボト
ル1の位置決めと据えつけおよび内装器具5の固定を行
い、器具底面からの蓋の機能も有している。すなわち、
ボトル台4の凹部401は、内面が薬剤ボトル1の形状
に合わせて上方に突き出した外周凸部402で形成さ
れ、外周凸部402の内面に薬剤ボトル1を手で下方に
無理押しして嵌合させ、薬剤ボトル1の底部を固定支持
している。また、器具の内装器具5の底部内側の一部と
を嵌合する構成としている。
【0008】内装器具5は正特性サーミスタ発熱体装置
の固定と、薬剤ボトル1の上部の位置決め固定と、ボト
ル台4の嵌合固定を行ってそれぞれを一体化させてい
る。すなわち、帯状の突起501は、薬剤ボトル1の突
出帯103のねじ山とねじ山の谷部に嵌合し、内周突起
502はボトル台4の外周凸部402の直下部の窪みに
嵌合する構成としている。
【0009】正特性サーミスタ発熱体装置は、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂(以下、PPSという)などの
耐熱性を有する材料製の容器状ケース6と、容器状ケー
ス6の内部に収納した正特性サーミスタ(図示せず)
と、PPSなどの耐熱性を有する材料製の蓋体7と、ア
ルミニウムや銅合金などの材料製の筒状放熱板8で結合
してはと目状に固着して一体化したものでビス9により
内装器具5に固定されている。
【0010】筒状放熱板8は、容器状ケース6と蓋体7
の両者を一体化すると共に正特性サーミスタの発熱を伝
熱し、筒状放熱板8内を挿通する棒状浸透芯3の上部周
囲を規定の均一な温度で加熱し、薬液2を蒸散する構成
としている。
【0011】正特性サーミスタ発熱体装置のU字状の間
隙10aは、機種の異なる器具に機能するために設けら
れた汎用性のものであり、本説明に引用した器具には機
能しないもので全く無関係のものであるが、たとえば、
別機種の器具では筒状放熱板8を用いず異形状な特殊放
熱板をU字状の間隙10aに装着するときに、U字状の
間隙10aの開口側から被加熱物を装着する。
【0012】器具の外装ケース11は、内装器具5のカ
バーとして取り付けられ、正特性サーミスタ発熱体装置
に対し空間距離を保って外部と断熱し、かつ内部配線を
外部と絶縁して覆う位置に取り付けられている。外装ケ
ース11の頭頂部に設けた薬液2が蒸散する孔111
は、一般的に棒状浸透芯3が挿通する筒状放熱板8の筒
径より幾分大きく開けてあり、薬液2の蒸散ガスが器具
内部に滞留しないようにしている。そして、器具の電源
プラグ12と器具のオン・オフスイッチ13が装着さ
れ、このスイッチ13にはランプが内蔵されているもの
もある。
【0013】図11および図12に示すように、正特性
サーミスタ発熱体装置は、正特性サーミスタ素体(以
下、素体という)14の相対向する両面に設けた電極1
5a,15bを付与した正特性サーミスタ15と、正特
性サーミスタ15から導出して通電するステンレス製の
導出端子16c,16dを有する電極板16a,16b
と、正特性サーミスタ15の発熱を伝熱するアルミニウ
ムや銅合金製のU字状伝熱板17a,17bとを容器状
ケース6と蓋体7の内部に収納し、筒状放熱板8を備え
た構成とされている。
【0014】正特性サーミスタ15は、シリコンなどの
耐熱性樹脂接着剤(図示せず)を電極板16a,16b
の空隙部分に充填しながら電極板16a,16bで挟持
され、さらにU字状伝熱板17a,17bで挟持された
構成である。電極板16a,16bとU字状伝熱板17
a,17bの間には電極板16a,16bからはみ出た
耐熱性樹脂接着剤が介在している。
【0015】これら正特性サーミスタ15の両面に重層
挟持する電極15a,15b、電極板16a,16b、
U字状伝熱板17a,17bの三者は耐熱性樹脂接着剤
により一体化して同時に加熱固着しヒータのコア(以下
ヒータコアという)を形成する。このヒータコアを容器
状ケース6の開口形状に合わせて収納し、位置決めして
装着し、ヒータコアを埋没するべく樹脂充填部18にシ
リコン等の樹脂を充填し、恒温槽で加熱硬化もしくは室
温にて放置硬化しヒータコアを容器状ケース6内に固着
している。
【0016】これらに蓋体7を被せ、容器状ケース6の
外周形状と合同設置し、筒状放熱板8を容器状ケース6
のU字状間隙10aと繋がる孔に挿通し、かつ、蓋体7
をも挿通し、一部突出した筒状放熱板8の筒開口部を叩
き広げて鍔8a,8bを形成し、容器状ケース6と蓋体
7をはと目状固着のように機械的に強固に固着接続部1
9を形成して加圧固着し一体化して正特性サーミスタ発
熱体装置を形成している。
【0017】棒状浸透芯3は筒状放熱板8の挿通孔20
に挿通し、筒状放熱板8の孔壁内径周囲の面から加熱さ
れ、薬液2が棒状浸透芯3の上部加熱部から蒸散する。
なお、容器状ケース6と筒状放熱板8との間には空隙2
01が形成されている。
【0018】蓋体7には、電極板16a,16bの導出
端子16c,16dを挿通する端子導出孔71a,71
bと、容器状ケース6をガイドする突起帯72a,72
bと、筒状放熱板8を挿通し同鍔8bにてはと目固着す
るU字形底の加圧縁部73と、内装器具5にビス9で固
定するU字状の装置固定用突起74と、ビス9を挿通す
るU字状の装置固定用溝75と、筒状放熱板8を挿通す
るU字底部の孔20aとU字状間隙10aと同形状の間
隙10bとが形成されている。
【0019】U字状伝熱板17a,17bには、U字形
伝熱腕171a,171b、容器状ケース6内のU字底
部の孔20bに近似した同形のU字孔172a,172
bが形成されている。
【0020】電極板16a,16bには、容器状ケース
6内に形成したU字溝に合致し位置決めするガイド端1
61a,161bと、容器状ケース6内のU字形底の孔
壁に近似し合致するU字底形に切り欠いたガイド弧16
2a,162bと、シリコンなどの耐熱性樹脂接着剤を
はみ出させるためのY字形状の孔163a,163b
と、素体14の電極15a,15bに食い込んで導電接
続するバーリング孔164a,164bとが形成され、
孔163a,163bはバーリング孔164a,164
bの複数孔を互いに個別に分離して各々を独立弾性可変
および独立懸架にする機能をも持つ構成としている。
【0021】容器状ケース6には、正特性サーミスタ1
5と電極板16a,16bとU字状伝熱板17a,17
bを積層して構成したヒータコアを設置収納する収納部
61と、U字状伝熱板17a,17bのU字形伝熱腕1
71a,171bをガイドし収納するガイド溝62と、
筒状放熱板8を挿通するU字底部の孔20bが形成され
ている。なお、図中の8cは、筒状放熱板8の筒開口
部、63は容器状ケース6の外壁である。
【0022】以上のように構成された正特性サーミスタ
発熱体装置の製造方法について説明する。
【0023】正特性サーミスタ15の電極15a,15
bの両面に印刷などの手段により耐熱性樹脂接着剤(図
示せず)を塗布し、これらを電極板16a,16bを介
してU字状伝熱板17a,17bで挟持する。電極板1
6a,16bに形成したバーリング孔164a,164
bの突出部は電極15a,15bに互いに食い込んで導
電接続し、バーリング孔164a,164bと孔163
a,163bからは塗布した耐熱性樹脂接着剤がはみ出
てU字状伝熱板17a,17bに付着する。同時に導出
端子16c,16dを同一面上に一列に位置決めし、電
極板16a,16bのガイド端161a,161bおよ
びガイド弧162a,162bとU字状伝熱板17a,
17bのU字形伝熱腕171a,171bおよびU字孔
172a,172bのそれぞれの形状を合致させて位置
決めし、挟持する方向から加圧した状態で高温恒温槽で
規定時間加熱硬化して一体化し、ヒータコアを作製す
る。また加圧時において導出端子16c,16dに通電
して正特性サーミスタ15を発熱させ、この発熱量で耐
熱性樹脂接着剤を加熱硬化することも行う。
【0024】容器状ケース6の内底部全面に予め低粘度
で流れ性の良いシリコンなどの樹脂充填剤を適量注入し
ておき、これにヒータコアを収納する。収納部61には
正特性サーミスタ15を挟持した固着部を、ガイド溝6
2にはU字状伝熱板17a,17bのU字形伝熱腕17
1a,171bをそれぞれ配置して収納設置し、さらに
樹脂充填剤を静かに注入して樹脂充填部18を埋め、容
器状ケース6の開口面から充填樹脂が溢れ出ないように
して、ヒータコアが見えなくなるまで注入充填し、これ
を真空脱泡機内に放置または室温に適当時間放置して、
樹脂内に残留した気泡を除去した後、蓋体7を被せる。
【0025】蓋体7の端子導出孔71a,71bから導
出端子16c,16dを挿通し、蓋体7の突起帯72
a,72bには容器状ケース6の外壁をガイドして装着
し、蓋体7のU字底部の孔20aと容器状ケース6のU
字底部の孔20bは互いに合致して装着する。U字底部
の孔20a,20bに筒状放熱板8を挿通して筒開口部
8cを突出させ、蓋体7の加圧縁部73に筒開口部8c
を機械的に叩き広げて鍔8a,8bを形成し、さらに加
圧してはと目状に固着する。これを高温恒温槽に規定時
間放置して加熱硬化または室温に規定時間放置して自然
硬化し、ヒータコアと容器状ケース6と蓋体7と筒状放
熱板8とを強固に熱的にまた機械的に密着固着する。
【0026】組み込んだ正特性サーミスタ発熱体装置を
温度検査機に装着し、導出端子16c,16dから電圧
を印加して正特性サーミスタを発熱させ、筒状放熱板8
を温度上昇させて規定時間放置して表面温度を安定さ
せ、筒状放熱板8の挿通孔20に温度センサを当接して
温度検査を行い、製品を完成させる。
【0027】以上のように構成された正特性サーミスタ
発熱体装置を備えた電子蚊取器および電子芳香器につい
て、以下その動作について説明する。まず、器具の電源
プラグ12をコンセントに差し込んでスイッチ13をオ
ンすると、電圧は電極板16a,16bの導出端子16
c,16dに印加され、電極15a,15bを介して正
特性サーミスタ15に通電され、ジュール熱により自己
発熱して電極板16a,16bを介してU字状伝熱板1
7a,17bに伝熱する。さらに樹脂充填部18に充填
したシリコンなどの埋没樹脂に伝熱し容器状ケース6の
孔壁を介して筒状放熱板8に伝熱し、筒状放熱板8内を
挿通している棒状浸透芯3が温度上昇する。正特性サー
ミスタ15は自己発熱を続け筒状放熱板8はこれに応じ
て放熱し棒状浸透芯3をさらに加熱する。
【0028】時間が経過すると共に、正特性サーミスタ
15は自己発熱と共に自らの抵抗値が上昇することによ
り電力を減少していき、正特性サーミスタ15の自己発
熱量と筒状放熱板8の放熱量とがバランスして筒状放熱
板8の孔壁温度が一定になり、正特性サーミスタ発熱体
装置の表面温度は安定する。
【0029】これらの発熱状態において、正特性サーミ
スタ15に印加される電圧が変動した場合(100/1
10V商用電源の電圧変動は最大±10%以内、または
220/240V商用電源では最大±20%以内と考え
て良い)、たとえば規定の電圧より低くなったときは、
正特性サーミスタ15への印加電圧が小さくなるため、
正特性サーミスタ15は自己発熱が小さくなる方へ働く
が、同時に自らの抵抗値が下がるので電流を増加させ、
電力は元のまま一定で発熱量は代わらず、筒状放熱板8
の表面温度は一定で変わらない。逆に、規定の電圧が高
くなったときは、正特性サーミスタ15への印加電圧が
大きくなり、正特性サーミスタ15は自己発熱が大きく
なる方へ働くが同時に自らの抵抗値が上昇するので電流
を低減させ、電力は元のまま一定で発熱量は変わらず、
筒状放熱板8の表面温度は一定で変わらない。
【0030】また、周囲温度に変動が生じた場合、たと
えば周囲温度が低下したときは、正特性サーミスタ15
が外温で冷やされ、自らの抵抗値が低下して電流を増加
させ電力が幾分増加することから、正特性サーミスタ1
5の発熱量が増加し、正特性サーミスタ15は筒状放熱
板8が周囲温度の低下により冷やされた分を補い加熱
し、周囲温度の低下量よりも小さい低下量で安定するの
で、筒状放熱板8の表面温度は若干低下する程度で安定
する。逆に、周囲温度が上昇したときは、正特性サーミ
スタ15が外温で加熱され自らの抵抗値が上昇して電流
を減少させ電力が幾分減少することから、正特性サーミ
スタ15の発熱量が低下し、正特性サーミスタ15は筒
状放熱板8が周囲温度の上昇により加熱された分よりも
少ないことから、周囲温度の上昇量よりも小さい上昇量
で安定するので、筒状放熱板8の表面温度は若干上昇す
る程度で安定する。
【0031】このように、電圧の変動、周囲温度の変動
に対し、正特性サーミスタ15はそれぞれの条件に応じ
て自らの抵抗値を変え、電力制御して自己発熱するの
で、固定抵抗型のヒータで構成された発熱体装置に比
べ、安定して加熱を行うことができる。
【0032】また、電圧の上昇、周囲温度の上昇によ
り、正特性サーミスタ15は自らの抵抗値を敏感に対数
的に著しく上昇して自己発熱を抑えることから、異常時
には電力量が極小になり過熱することがない。そのた
め、固定抵抗型のヒータで構成された発熱体装置よりも
安全性が高く、かつ巻線固定抵抗型ヒータのように通常
使用での経時的な熱酸化による断線等の不具合が起こる
こともなく、信頼性の高いヒータとして用いられる。こ
の安定性に優れ、安全性、信頼性の高い正特性サーミス
タ発熱体装置を器具に用いることで、加熱温度で蒸散が
デリケートに変化する薬液2を棒状浸透芯3から安定し
て加熱蒸散させることができるというものであった。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、下記の問題点を有していた。
【0034】まず、性能上の問題点として、正特性サー
ミスタ15は容器状ケース6内にシリコンなどの樹脂で
埋没し密着充填しているため、正特性サーミスタ15の
自己発熱量はこの充填剤に伝熱し、容器状ケース6と蓋
体7をも加熱することから、目的とする筒状放熱板8に
伝熱する熱量よりも容器状ケース6と蓋体に伝熱する量
の方が大きく、正特性サーミスタ発熱体装置周囲の内装
器具5や外装ケース11や外気の不要部を加熱すること
になり、筒状放熱板8の挿通孔20へ伝熱を集中させる
ことができず、棒状浸透芯3の加熱に対しロスが大きく
熱効率が悪いという問題点を有していた。
【0035】また、筒状放熱板8は容器状ケース6と蓋
体7とが合致する孔部に挿通してはと目固着して結合さ
れているため、筒状放熱板8に特に伝熱で寄与する容器
状ケース6のU字底部の孔20aの孔壁との間に空隙2
01ができやすく、この空隙201が断熱となり伝熱に
妨げとなっていた。したがって、電圧の変動に対し正特
性サーミスタ15が敏感に応答して自己温度制御して
も、空隙201によって断熱されているので、筒状放熱
板8の表面温度の応答性が遅いという問題点、また、周
囲温度の変動により、筒状放熱板8の表面温度が低下ま
たは上昇したとき、空隙201が断熱して正特性サーミ
スタ15の自己温度制御の応答が遅く、筒状放熱板8に
フィードバックされる熱量制御の速度も遅いという問題
点も有していた。
【0036】また、製造する上で容器状ケース6に注入
する樹脂の量が多いと、筒状放熱板8を取り付けてはと
目固着するとき、蓋体7がはと目固着の機械的加圧力に
より希に樹脂を押すため、充填した樹脂が容器状ケース
6の開口部から溢れ出て、固着接続部19の合わせ目か
ら空隙201に流れ出し、この空隙201をも充填して
しまうこともあった。空隙201が樹脂で充填される
と、容器状ケース6と筒状放熱板8との断熱が無くなる
ため熱伝達が大変良くなり、筒状放熱板8の表面温度が
異常に高くなることから、空隙201に樹脂が存在する
かしないかのばらつきにより熱伝達が大きく異なり、表
面温度の設定が困難を極めるという問題点を有してい
た。
【0037】つぎに、信頼性上の問題点として、容器状
ケース6に注入して充填するシリコンなどの樹脂は、微
視的にポーラスであるため、溶剤や石油系の化合液がか
かると吸収膨潤し、樹脂の高分子結合を破壊して樹脂の
性能を損なうことが一般的に知られている。器具に用い
る薬液2は、石油系の化合液をベースにして殺虫効果ま
たは芳香効果のある薬品を成分調整し混合して作られて
いるので、正特性サーミスタ発熱体装置に薬液2がかか
ったときに、薬液2は固着接続部19の合わせ目から浸
透し、容器状ケース6内に充填しているシリコン等の樹
脂を膨潤させる。この膨潤する膨脹力は大きく、その力
は正特性サーミスタ15に固着している電極板16a,
16bとU字状伝熱板17a,17bを引き剥がす方向
に働くので、正特性サーミスタ15の導通接続をオープ
ンにし断線状態にしたり、さらには容器状ケース6や蓋
体7に亀裂を生じさせることもあり、信頼性が低いとい
う問題点を有していた。特に充填する樹脂が少ないと、
蓋体7と容器状ケース6の間に空間ができ、ヒータコア
が容器状ケース6内に露出するので、浸透した薬液2が
この空間に溜り、充填した樹脂が加速的に膨潤して、正
特性サーミスタ15を比較的短時間でオープンにしてし
まうという問題点を有していた。
【0038】さらに、製造上の問題点として、正特性サ
ーミスタ15、電極板16a,16b、U字状伝熱板1
7a,17bを耐熱性樹脂で接着して固着したり、また
これらを一体化してヒータコアを形成し、容器状ケース
6内に収納し機械的にかつ加熱的に密着固着するため
に、それぞれに耐熱性の樹脂接着剤、埋没充填する樹脂
充填剤を用いていたことで、製造工程の各固着工程にお
いて種々の問題点を生じていた。たとえば接着工程にお
いては、各構成部材を位置決めして重層し、固着するた
めに加圧したときに、各部材間に介在する樹脂により滑
りを生じて重層ずれを起こしたり、また樹脂硬化後、樹
脂のはみ出しやずれにより外形寸法に異常を生じて、容
器状ケース6内に収納するときに不具合を生じることが
あった。また樹脂充填工程においては、充填樹脂を容器
状ケース6に注入したときに溢れ出たり、また容器状ケ
ース6に蓋体7を被せて装着し容器状ケース6と蓋体7
のU字底部の孔20a,20bに筒状放熱板8を挿通し
てはと目状に固着するときに、その加圧力が同時に充填
樹脂をも加圧することで容器状ケース6の外壁63や固
着接続部19の合わせ目から内部の充填樹脂が外部に漏
れ、外観を汚し、また組み立て設備や治具なども汚して
メンテナンスを困難にしたり、蓋体7の端子導出孔71
a,71bの隙間から漏れ出て導出端子16c,16d
に付着し接続不良を起こす要因になったりする等の不具
合も生ずることがあった。また、容器状ケース6のU字
底部の孔20bの孔壁と筒状放熱板8との間の空隙20
1に漏れて空隙201が無くなると熱伝達が良くなり、
筒状放熱板8の表面温度が著しく上昇するため、温度検
査において不良となることがあった。
【0039】これらの不具合はいずれも製造上で不良品
となり歩留まりを低下させるという問題点、また、それ
ぞれの樹脂硬化において、恒温槽や室温に規定時間放置
する必要があるので、工程の流れが一時的に中断してし
まい。また製品の移動時間や放置時の待ち時間等があ
り、完成品となるまでに多くの時間ロスが生じるという
問題点、また、硬化するための場所や設備も必要であ
り、総じて生産効率が悪いという問題点を有していた。
【0040】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、熱効率が良くて、電圧の変動や周囲温度の変動に対
する応答性が早く、表面温度の設定が容易にでき、信頼
性が高く、生産効率の良好な正特性サーミスタ発熱体装
置およびその製造方法ならびにその正特性サーミスタ発
熱体装置を備えた機器を提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の正特性サーミスタ発熱体装置は、相対向する
2つの電極面を有する正特性サーミスタを、その両電極
面にそれぞれ当接して押圧挟持する構成としたコイルバ
ネと第1および第2の電極板と、第2の電極板に当接し
て正特性サーミスタの発熱を伝熱する絶縁性伝熱板と、
絶縁性伝熱板の接合面に結合する接合面および筒状の貫
通孔を有する金属体と、正特性サーミスタと第1および
第2の電極板と絶縁性伝熱板と金属体の一部を収納する
構成とした絶縁ケースと、第1および第2の電極板の端
子部を挿通する端子孔および装着固定用の固定孔を有し
絶縁ケースの上面開口部を覆って固着一体化する構成と
した絶縁カバーとを備えた構成としたものである。
【0042】また、その製造方法は、絶縁ケースの側壁
開口部に設けた凸部に金属体のガイド凹部を嵌入し、ガ
イド凹部と連続する金属体の凸部を側壁開口部の凸部の
内壁に互いに当接して配置して絶縁ケース内に上面開口
の収納部を形成し、絶縁ケースの内壁のガイド凸部の外
側の凹部に絶縁性伝熱板の端部を嵌入して金属体の接合
面に当接し、第2の電極板を絶縁性伝熱板に当接して配
置し、同様に第1の電極板を金属体と対向する絶縁ケー
スの側壁に当接すると共に絶縁ケースの内壁のガイド凸
部の内側の凹部にその一部を嵌入して位置決めして配置
し、第1および第2の電極板の間にある絶縁ケースの底
面の一部から突出したバネ台座の金属体側に位置する面
をガイドにして正特性サーミスタを嵌め込み、バネ台座
にコイルバネを装着して第1の電極板と正特性サーミス
タの間に圧入して張力を生じさせ、第1の電極板と正特
性サーミスタの電極とを電気接続すると共に、第2の電
極板と絶縁性伝熱板と金属体の各接合面を密着させて収
納一体化し、上面開口部に絶縁カバーを装着し、絶縁ケ
ースの外周段差と絶縁カバーの外周段差を位置決めして
合致し、絶縁カバーの端子孔から端子部を突出し、絶縁
ケースと絶縁カバーを接着または溶着または圧入固着に
より、一体固着する方法としたものである。
【0043】
【作用】この構成において、シリコンなどの樹脂を全く
用いていないので、正特性サーミスタの発熱量を不要な
部分へ伝熱させることが少なくなるとともに、正特性サ
ーミスタと金属体の筒状の貫通孔との間の熱伝達径路に
空隙の断熱部がなくなるので、加熱の目的である金属体
の貫通孔にほとんどの熱を伝熱できて、加熱ロスを少な
くすることとなる。また、薬液が漏れて正特性サーミス
タ発熱体装置に浸透したときも、樹脂を用いていないの
で、樹脂の膨潤による導通のオープン不良が生じること
がなく、樹脂の膨潤によるケースの亀裂発生もなくする
こととなる。
【0044】また、この方法において、各構成部品を絶
縁ケース側壁のガイド凸部をガイドにして中に順に並べ
収納して互いの面を結合し、これを絶縁カバーを装着し
て覆い固着一体化するので、従来のような樹脂接着およ
び充填固着にともなう構成部品の重層ずれや樹脂はみ出
しなどによる不具合がなくなるとともに、樹脂硬化工程
がないことから製造工程が中断せず、組立ても簡易にな
り組立て工数を大幅に低減でき、生産効率が向上するこ
ととなる。
【0045】
【実施例】
(実施例1)以下本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0046】図1ないし図3に示すように、正特性サー
ミスタ21とコイルバネ22と第1の電極板23と第2
の電極板24と絶縁性伝熱板25と金属体26を絶縁ケ
ース27に装着し、絶縁カバー28で封止した構成であ
る。
【0047】素体21aの相対向する両面に電極21
b,21cを設けた正特性サーミスタ21は、その電極
21cに接触面22aを当接して正特性サーミスタ21
を張力により押圧するコイルバネ22と、コイルバネ2
2の接触面22bに接触する第1の電極板23と、電極
21bに接触する第2の電極板24とで挟持され、絶縁
性伝熱板25を介して金属体26に接合している。
【0048】第1の電極板23と第2の電極板24に
は、端子部231と端子部241の根元にそれぞれ形成
し屈曲ストレスまたは圧縮ストレスを緩和するスリット
232,242が形設されている。
【0049】金属体26には、接合面251に接触結合
する接合面261と、金属体26を装着したときに位置
決めするガイド凸部262a,262bやガイド凹部2
63a,263bと、棒状浸透芯3を挿通して加熱する
貫通孔264を形設している。
【0050】絶縁ケース27には、内側の壁の一部を開
口にして金属体26を装着する側壁開口部271と、正
特性サーミスタ21とコイルバネ22と第1の電極板2
3と第2の電極板24と絶縁性伝熱板25と金属体26
を装着するために設けた上面開口部272と、開口部2
71の両側壁から突き出して短く囲みを設けた金属体2
6をガイドする凸部273a,273bと、絶縁カバー
28と固着する固着面273c,273dと、金属体2
6のガイド凹部263a,263bに位置決めされるガ
イド面274a,274bと、凸部273a,273b
に連続して金属体26の両側を装着してガイドするコ字
形状の凹部275a,275bと、凹部275a,27
5bに連続して金属体26と絶縁性伝熱板25の両側と
第2の電極板24の両側を装着してガイドすると共に第
1の電極板23を位置決めするように内側の側壁に設け
たガイド凸部276a,276bと、第1の電極板23
の両側を支持して起立位置決めする内側に凹部277
a,277bを設けたバネ台座277と、絶縁カバー2
8をガイドし位置決めするテーパ部278aと、第1の
電極板23を当接しコイルバネ22をバネ支持し張力を
構成する後壁278bと、側壁開口部271の底面に設
けた金属体26の貫通孔264の孔形状に近似し貫通孔
264よりも大きい弧状欠如部を形成してその両端に突
出し金属体26のガイド凹部263a,263bを閉塞
する鍔271a,271bと、金属体26のガイド凹部
263a,263bに嵌入して前後のずれを止める嵌合
壁279a,279bを形設している。ガイド凸部27
6a,276bと凹部277a,277bは、側壁開口
部271の中心と後壁278bの中心を結ぶ中心線を軸
に対称形を有し、凸部273aは凸部273bに、ガイ
ド面274aはガイド面274bに、凹部275aは凹
部275bに、ガイド凸部276aはガイド凸部276
bに、凹部277aはガイド凹部277bに、それぞれ
対称して対向する構成としている。
【0051】絶縁ケース27の側壁開口部271の凸部
273aおよび凸部273bと金属体26のガイド凹部
263aおよびガイド凹部263bをそれぞれ合致さ
せ、凸部273aのガイド面274aおよび凸部273
bのガイド面274bをそれぞれ金属体26のガイド凹
部263aおよびガイド凹部263bに滑り込ませて嵌
め合わせ、底面に当接して位置決めする。金属体26の
ガイド凸部262aおよび凸部262bは、それぞれ絶
縁ケース27の凸部273aおよび凸部273bに引っ
掛けて固定し、前後方向にずれない構造としている。こ
の結果、絶縁ケース27から金属体26の筒状の貫通孔
264を設けた部分が突出し、絶縁ケース27と金属体
26とで正特性サーミスタ21と第1および第2の電極
板23および24とコイルバネ22と絶縁性伝熱板25
と金属体26の一部(接合面261側の部分)を収納し
た収納部を形成することができる。
【0052】また、絶縁性伝熱板25の両側端部を絶縁
ケース27の凹部275a,275bに合致させ、また
金属体26の接合面261と絶縁性伝熱板25の対向す
る接合面251の片側を合致させ滑り込ませて嵌入し、
絶縁ケース27の底面に当接して位置決めする。
【0053】第2の電極板24の両側端部を絶縁ケース
27の凹部275a,275bに合致させると共に、第
2の電極板24の平面部を絶縁性伝熱板25の対向する
接合面251の片側を合致させ滑り込ませて嵌入し、前
記同様に絶縁ケース27の底面に当接して位置決めす
る。これら金属体26と絶縁性伝熱板25と第2の電極
板24は絶縁ケース27のガイド凸部276a,276
bの外側のコ字状の凹部275a,275bによって抱
え込まれ、前後に動き回ることなく三者が一括して位置
決めされる。
【0054】また、絶縁ケース27のガイド凸部276
a,276bの凹部277a,277bに第1の電極板
23の端部である左右の一部を滑り込ませて装着し、装
着後は第1の電極板23の平面部は第2の電極板24の
平面部と対向する位置に安定する。
【0055】第1の電極板23と第2の電極板24との
間に正特性サーミスタ21を装着し電極21bを第2の
電極板24の平面部に当接し、電極21cを絶縁ケース
27の底面の一部から所定の高さで突出したバネ台座2
77の前側に位置する底面から突出した側面に支持し、
バネ台座277にコイルバネ22を装着して正特性サー
ミスタ21の電極21cを接触面22aに当接し、第1
の電極板23の平面部に接触面22bを当接して滑り込
ませ、バネ台座277上にのせ固定する。このときコイ
ルバネ22が第1の電極板23と接触面22a間に張力
を生じて両者を押圧し、密着して電気導通する。また正
特性サーミスタ21はその外周である側面の一部が絶縁
ケース27のガイド凸部276a,276bで両側から
挟持されることから横ずれすることがなく、コイルバネ
22の中央部および第2の電極板24の中央部に位置決
めされるので、熱伝達径路の中央に位置することにな
る。コイルバネ22の張力は第1の電極板23と正特性
サーミスタ21と第2の電極板24と絶縁性伝熱板25
と金属体26とを一括して押圧し、絶縁ケース27の後
壁278bと凸部273a,273bに突っ張り強固に
固着できる。正特性サーミスタ21と第2の電極板24
と絶縁性伝熱板25と金属体26の各接合面は平面であ
りそれぞれが密着する構成としている。
【0056】絶縁ケース27の上面開口部272に絶縁
カバー28を被せ、端子部231と241を端子孔28
2と283にそれぞれ挿通し、上面内側周囲の側壁であ
る固着面273c,273bとテーパ部278aと絶縁
カバー28の側壁である固着面287a,287b,2
87cをガイドして当接し装着する。絶縁カバー28は
その底部を囲むように外周に側壁を設け、絶縁ケース2
7の外側の側壁と当接して位置決めし絶縁ケース27を
囲み抱え込んで固着一体化してなる。また端子部23
1,241を端子孔282,283に挿通するにおい
て、端子孔282,283の挿通形状は絶縁カバー28
の内側である底面側が広く、またその外側である端子部
231,241が突出する外面に向かって狭く構成した
テーパ形状を有し、端子部231,241のそれぞれを
挿通しやすくしている。
【0057】絶縁ケース27の上面開口部272に被せ
て内装部品を封止して絶縁する絶縁カバー28には、金
属体26のガイド凹部263a,263bを絶縁ケース
27の鍔271a,271bと共に上下に向き合って閉
塞する鍔281a,281bと、第1の電極板23の端
子部231および第2の電極板24の端子部241を導
出する端子孔282および端子孔283と、ビス止め固
定やリベット固定等の手段により機器に装着固定する固
定部284と、固定部284に設けた固定孔285と、
絶縁ケース27の弧状欠如部と同様の弧状欠如部286
を形設している。
【0058】以下に、上記の構成の正特性サーミスタ発
熱体装置の製造方法について説明する。
【0059】はじめに、上述の各構成部品を下記の作成
法により準備する。正特性サーミスタ21は素体21a
の表裏の相対向する両面にメッキ、印刷、蒸着、溶射等
の方法により電極21b,21cを形成して作成する。
一般に電極21b,21cの材質にはニッケル、銀、
金、インジウム、ガリウム、アルミニウム、亜鉛、銅、
カーボンなどがあり、素体21aにオーミック接続でき
る電極材としてそれぞれ単一材もしくは合金材もしくは
それぞれを複合して電極形成時に重層する加工法を用い
て使用する。電極材料の形態は電解液、固体(棒または
板またはワイヤまたはシートなど)、粉体、ペーストの
状態にして電極形成を行う。
【0060】なお、素体21aの表裏の相対向する両面
は平行であり、かつ面の粗さは小さいほうが望ましく、
性能向上のために平面研磨を行い鏡面仕上げを行っても
よい。このようにすることで、正特性サーミスタ21と
接合する構成部品との面接触がしやすく、また密着する
ことになり正特性サーミスタ21の発熱を効率よく熱伝
達することができることになる。
【0061】第1の電極板23と第2の電極板24は、
正特性サーミスタ21に導電端子としてコイルバネ22
を介して接続すると共に正特性サーミスタ21が通電に
よって自己発熱し高温になることから、この三者には耐
熱性の金属材料としてステンレス、銅合金またはベリリ
ウム合金にニッケルなどのメッキを施したものや、鋼材
に耐食メッキした板材などを用い、かつコイルバネ22
はその中でも高温雰囲気中にあってもばね性を損なわな
い洗練された金属材を用いる。この場合、製品構成の性
能、信頼性、経済性、材料調達性等を考慮して総合的に
判断すると、コイルバネ22と第1の電極板23と第2
の電極板24の材料にはステンレス材を使用することが
好ましい。
【0062】特にコイルバネ22はその中でも経時的に
ばね性が耐久的に劣化しない高耐熱のステンレス材を用
いるのが好ましい。
【0063】また第1の電極板23と第2の電極板24
は、帯状のフープ金属板を用いて金型設備に順送し、打
ち抜きとプレス成型で連続加工し、第1の電極板23と
第2の電極板24を左右に振り分けて対にし、また別々
の工程でそれぞれ専用に連続加工して作成し、切断機に
送って分離するなどの自動工程を設定して作成してもよ
い。この場合、第1の電極板23と第2の電極板24の
形状は同一形状に仕上げ、絶縁ケース27に装着するに
おいて互いに反転して対照的に向き合うように設置する
ことで、金型での打ち抜き材料の形状効率が良くなり材
料ロスを最小にすることができる。
【0064】絶縁性伝熱板25は正特性サーミスタ21
の高温発熱を金属体26に伝熱すると共に両者を絶縁す
るものであり、同時に両者を面で密着して伝熱するため
強力に押圧されることから、これらの機能を満足するに
は熱伝導性に富み機械強度に優れた耐熱性の材料および
表面の平滑性が必要となり、たとえば磁器(アルミナ磁
器、ベリリア磁器、窒化アルミ磁器など)、表面を絶縁
処理した金属体(銅または銅合金、アルミニウム、鋼材
など)、樹脂材(シリコン系など)が考えられるが、総
合的な判断からアルミナ磁器を用いるのが好ましい。
【0065】また、アルミナ磁器の加工方法は個片の成
型焼成、シート成型品の焼成物をブレークして個片にす
るなどの作成方法により提供するもので、面で密着する
ための平滑性の確保は研磨などを行うのが好ましい。
【0066】金属体26は一部に貫通孔264を有し、
貫通孔264を挿通する例えば薬液2が浸透している棒
状浸透芯3を貫通孔264の内周から加熱することか
ら、正特性サーミスタ21の高温発熱をロスなく熱伝達
する必要がある。
【0067】また、押圧力が掛かると共に薬液2に曝さ
れることから耐腐食性をも考慮した材料選定を必要とす
る。そのため耐熱性、熱伝導性、機械強度、耐食性、加
工性などの要求を満足できる材料としては、金属では、
銀、銅または銅合金、アルミニウムなどがあり、また非
金属ではアルミナ磁器、窒化アルミなどが考えられる
が、総合的判断から金属材料のアルミニウムを用いるの
が好ましい。たとえばアルミニウムを用いることによっ
て金属体26を作成する製造方法は加工性に富むことか
ら、切削、インパクト成型、押し出し成型と切断、鋳物
成型などにより容易に作ることができる。特に押し出し
成型であれば、短時間に連続的に同形状のものを寸法誤
差なく作成でき、規定寸法で順送切断することにより迅
速に作成できるので高品質で安価な金属体26を提供で
きる。
【0068】また、接合面261は絶縁性伝熱板25の
面と密着するため研磨などにより平滑に仕上げるとより
好ましいものである。切断および研磨後はその各エッジ
にばりが生ずることがあるので、組み立て上でばりが人
体に傷を与えたり、ばりが飛散してショートの原因にな
ったり、組み立て治具や設備に支障を生じさせたり、製
品の使用時に装着する棒状浸透芯3を削って損傷するな
どの不具合を生じないように、金属体26を切断および
研磨した後は、ばり取りを行うと共に、切断、研磨およ
びばり取りにおいては水、油、異物等が付着するので、
処理後に洗浄と乾燥を十分に行う。
【0069】絶縁ケース27は、正特性サーミスタ2
1、コイルバネ22、第1の電極板23、第2の電極板
24、絶縁性伝熱板25、金属体26を上面開口部27
2から装着し後壁278bと側壁開口部271の方向に
強固に押圧して内装し、その押圧力の全ては絶縁ケース
27の後壁278bと側壁開口部271の凸部273
a,273bにかかり、また正特性サーミスタ21が発
熱する高温の熱を受けて外部と断熱する機能をも必要と
することから、断熱して頑丈に保持する材料には耐熱が
あり機械的に高強度で絶縁性を有することが要求され
る。そのため、磁器または耐熱性プラスチックなどを用
いるが、総合的に判断すると磁器を用いるのが好まし
い。
【0070】また、絶縁ケース27の内底面に多数の凹
凸部を形成し、正特性サーミスタ21、コイルバネ2
2、第1の電極板23、第2の電極板24、絶縁性伝熱
板25、金属体26を凹凸部で接触支持して、凹凸部に
介在する空気層で断熱を行い、絶縁ケース27に熱伝達
する熱量を低減して金属体26に集中的に熱伝達するよ
うに、不要部へのロス低減を行う構成とする。
【0071】また、正特性サーミスタ21の発熱を集中
的に金属体26に熱伝達する方法の一つとして、正特性
サーミスタ21と第2の電極板24と絶縁性伝熱板25
と金属体26のそれぞれの接合面の少なくとも一つ以上
の接合面に、液体または粘性体または固体の熱伝導が極
めて良好なヒートシンカ剤を塗布またはシート挿入など
の方法により介在させて、それぞれの構成部品の熱伝達
を密に結合させる構成もある。
【0072】また、絶縁ケース27は、その側壁開口部
271の両端に凸部273a,273bと、内壁に凹部
275a,275bとガイド凸部276a,276bと
凹部277a,277bを左右対称に互いに相対向する
位置に設け、構成部品を機械圧力によって各凹凸部をガ
イドにして装着することから、組み立て作業時において
その衝撃などによりそれぞれのエッジが欠損を生ずるこ
ともあるので、磁器作成においてはエッジに丸みを形成
してエッジの欠損を防止するように、予めエッジに対応
する部分に適度な丸みを作った成型金型を用いて作成す
る。また、この丸みによって、構成部品を装着するとき
に、各構成部品のコーナが当接しても引っ掛けることな
く容易に滑り込み、組み立てが容易になる。
【0073】磁器成型部材のエッジに丸みがあれば、正
特性サーミスタ発熱体装置を器具に装着するとき、器具
に対しても傷を付けたり損傷したりすることがないの
で、使いやすく、品質の劣化を防止することができる。
また金属体26を絶縁ケース27の側壁開口部271に
装着して貫通孔264を突出させたとき、絶縁ケース2
7の側壁開口部271の底面の一部が貫通孔264を塞
がないように、開口部底面の一部を貫通孔264の円周
形状に相似した形状で大きめに弧状欠如して形成する。
【0074】絶縁カバー28は、構成部品を装着した絶
縁ケース27の上面開口部272を覆い、端子孔28
2,283から端子部231,234を挿通導出し絶縁
ケース27の上面外周の側壁面に当接して閉塞するの
で、正特性サーミスタ21の高温発熱を直に伝熱して受
けることになる。そのため外部と断熱しその発熱温度に
耐え外部と絶縁する機能を合わせ持ち、器具に装着する
機械的押さえ強度に耐える頑丈な材料とする。耐熱性が
あり機械的に高強度で絶縁性を有し取扱いが容易な材料
として、液晶ポリマー樹脂成型体、PPS樹脂成型体、
フェノール樹脂成型体、シリコン樹脂成型体などの耐熱
性プラスチックや磁器などを用いるが、総合的に判断す
ると磁器または耐熱性プラスチックによる樹脂成型体を
用いるのが好ましい。特に耐熱性プラスチックはPPS
樹脂成型体を用いることで耐熱性と加工性と経済性に優
れ好ましい材料といえる。
【0075】また、絶縁カバー28の内底面に多数の凹
凸部を形成し、正特性サーミスタ21、絶縁性伝熱板2
5、金属体26がこの内底面に接触したときでも、凹凸
部で接触支持して凹凸部に介在する空気層で断熱を行
い、絶縁カバー28に各構成部品から熱伝達する熱量を
低減して金属体26に集中的に熱伝達するように、不要
部へのロス低減を行う構成とする。
【0076】また、絶縁カバー28に絶縁ケース27と
同様に内底部の外周の一部である側壁開口部271に金
属体26の貫通孔264に対向して絶縁ケース27と上
下に向き合う弧状の切り欠きを設け弧状欠如部286を
形成し、金属体26の貫通孔264を弧状欠如部286
の前側に突出させる構成とする。
【0077】また、弧状欠如部286の両側に金属体2
6のガイド凹部263a,263bを閉塞するように鍔
281a,281bを設けている。正特性サーミスタ2
1の発熱が伝熱して金属体26を加熱し所定温度に到達
して保温状態になったとき、ガイド凹部263a,26
3bの上下方向に窪んで空隙を作ることから、この空隙
によって金属体26の高温状態において上下に対流が生
じ、ガイド凹部263a,263bを下から上へ熱が流
れ不安定な放熱を生じて冷やされ、降温および昇温が比
較的短時間で早く生じてしまうことがあり、この早い応
答に正特性サーミスタ21が追従できず貫通孔264の
所定温度を経時的に常に一体温度に保温することができ
ず、正特性サーミスタ21の温度制御機能の応答性を微
妙に狂わせている原因となっていることから、鍔281
a,281bによって、金属体26のガイド凹部263
a,263bを上下から閉塞して、対流を生じさせず常
に安定な温度を維持する構成としている。
【0078】また、絶縁カバー28には、その内底部を
囲む側壁を設けて、絶縁ケース27の側壁外周と絶縁カ
バー28の側壁内周とが接して嵌入し、両者を接着剤で
接着固着または樹脂成型体を加熱して溶着、または絶縁
ケース27に絶縁カバー28を無理押しし圧入嵌合する
などして両者を固着することにより、それぞれの内周、
外周、テーパ部が固着し位置決めが確実となり、また固
着により外部と内部を断絶するシールを行い、また正特
性サーミスタ21の熱量の漏れを防いで金属体26への
伝熱を集中させ、また外部からの異物や薬液2などの侵
入を防ぐ構成とする。
【0079】また、絶縁カバー28には、その外底部に
連続する一部に突出した固定部284を設け、かつその
適度な位置に貫通する装着用の固定孔285を設けるこ
とにより、器具の装着部に、ビスやリベットや嵌合ピン
などを用いて、正特性サーミスタ発熱体装置を装着固定
する。固定部284および固定孔285は、絶縁カバー
28の片側のみまたは対向する両側または後壁278b
の外部に突出する方向などに制約なく用途に応じて種々
の方向に設けてもよく、同時に固定孔285も複数設け
てもよい。複数の固定部284と複数の固定孔285を
用いて固定するに当たっては、たとえばその一ヵ所の固
定孔をビスやリベットまたはピンなどで強固に固定し、
その他の固定部284と固定孔285は器具のガイドと
して用いてもよい。この場合、ビス、リベット、品など
は一個の使用でよいことから経済的に固定できる効果が
ある。
【0080】つぎに、上記のように準備した各構成部品
を用いた正特性サーミスタ発熱体装置の組立てについて
説明する。
【0081】まず、絶縁ケース27を所定の治具に位置
決めし、ついで絶縁ケース27の上面開口部272から
構成部品の内、金属体26のガイド凸部262aを絶縁
ケース27の凹部275aに、またガイド凸部262b
を凹部275bに、またガイド凹部263aを凸部27
3aに、またガイド凹部263bを凸部273bにそれ
ぞれ合わせ、絶縁ケース27の底面に当接させて装着す
る。
【0082】ついで、絶縁性伝熱板25の両端を凹部2
75a,275bに合わせ、また金属体26の接合面2
61と絶縁性伝熱板25の接合面251の対向側面とを
合わせて滑り込ませ、絶縁ケース27の底面に当接させ
て装着する。
【0083】ついで、第2の電極板24の両端を凹部2
75a,275bに合わせ、また第2の電極板24の平
面部を絶縁性伝熱板25の接合面251に合わせて滑り
込ませ、絶縁ケース27の底面に当接させて装着する。
【0084】ついで、第1の電極板23を上面開口部2
72の左右に位置した凹部277aと凹部277bが対
向する間隙部に入れ、端子部231側を凹部277a
に、また端子部231と連続し対向する片側に突出した
端部を凹部277bに合わせ、絶縁ケース27の底部に
当接するように凹部277a,277b内を滑り込ませ
て装着する。
【0085】絶縁性伝熱板25と第2の電極板24は凹
部275a,275b内に装着してガイド凸部276
a,276bで支持されて倒れることがなく起立し、ま
た第1の電極板23もガイド凸部276a,276bで
支持されて起立することから倒れることがないので、第
1の電極板23と第2の電極板24は規定の距離を保っ
て位置決めされる。
【0086】ついで、第1の電極板23の平面部と第2
の電極板24の平面部との間に、バネ台座277の突出
壁の前側をガイドにして、正特性サーミスタ21を当接
して押し込んで滑り込ませ、バネ台座22の突出壁の壁
面と第2の電極板24の平面部とで起立支持され装着を
安定する。
【0087】ついで、第1の電極板23の平面部と正特
性サーミスタ21の間にバネ台座22を底面にしてコイ
ルバネ22を装着し、正特性サーミスタ21をその張力
によって強固に押圧する。押圧は、絶縁ケース27の後
壁278bを第1の電極板23の支えとし、金属体26
の方向に強固に押圧される。正特性サーミスタ21と第
2の電極板24と絶縁性伝熱板25と金属体26の互い
の当接面は鏡面に近い平面を形成しているので密着性が
大変良く、正特性サーミスタ21の発熱をロスなく伝熱
する。
【0088】また、押圧による構成部品の熱伝達をより
よくするため、金属体26の接合面261と絶縁性伝熱
板25の両面の接合面251と正特性サーミスタ21の
電極21bの表面の各接触面にシリコン樹脂、シリコン
グリス、シリコンオイルまたは耐熱性ヒートシンカ剤な
どの熱結合剤を塗布または印刷または滴下または吹き付
けなどの方法により介在させて、個々の押圧構成による
接触部を隙間なく埋め込む方法もある。この場合、所定
の温度設定を行うための手段として、構成部品の接合面
のいずれか一つまたは一つ以上の介在面にこの熱結合剤
を適量調整して設ける方法を用いることもある。
【0089】また、正特性サーミスタ21の当接面以外
は空気で囲まれて断熱され、絶縁ケース27も断熱材料
製であるので、外部および絶縁ケース27に伝達する熱
放散量が少なくなり、効率よく金属体26に高温度の熱
を伝えることができる。
【0090】また、絶縁ケース27に内装された各構成
部品は、コイルバネ22の張力により強固に押圧固着さ
れているので、組立て時において少々粗雑に取扱っても
上面開口部272から外れ出るなどの、製造上の支障を
来たすことがなく取扱いが容易である。そのため組立て
の自動化または手作業による組立てにおいても容易に整
然と組み上げることができる。
【0091】なお、この状態をヒータコアとして基本形
に構成し、器具の応用形態に応じて種々様々な取り付け
用の部品を付加することにより、正特性サーミスタ発熱
体装置としての用途を広くできる効果がある。
【0092】ついで、絶縁カバー28を絶縁ケース27
に被せ、端子孔282から端子部231を、端子孔28
3から端子部241を導出し装着する。このとき絶縁ケ
ース27に内装されている構成部品の寸法は、絶縁ケー
ス27の内底部から上面開口部272の高さよりも低く
形成してあり、収納において絶縁ケース27の底面にそ
の一部が当接して装着すると共に上面開口部272から
突出することがないので、絶縁ケース27の上面開口部
272を形成する側壁外周面に当接した絶縁カバー28
の内底部にも接触することがない。
【0093】よって正特性サーミスタ21の高温発熱が
一部絶縁カバー28へ直接熱放散するロスおよび金属体
26を介して絶縁カバー28へ熱放散するロスなども小
さくでき、同様に外部不要部への熱放散を抑え効率よく
集中的に金属体26に高温度の熱を伝えることができ
る。
【0094】絶縁カバー28を絶縁ケース27に装着し
固着する方法は、絶縁カバー28の弧状欠如部286の
両側に連続して設けた内底部を囲む側壁を絶縁ケース2
7の側壁外周と絶縁カバー28の側壁内周とが接して嵌
入した後、両者を接着剤で接着固着または樹脂成型体を
加熱して溶着または樹脂成型体を超音波振動で溶着また
は絶縁ケース27に絶縁カバー28を無理押しして圧入
嵌合などにより、両者を固着し、正特性サーミスタ発熱
体装置を完成させる。
【0095】以上のように構成された正特性サーミスタ
発熱体装置を備えた電子蚊取器および電子芳香器につい
て説明する。
【0096】図10で説明した従来の電子蚊取器または
電子芳香器の内装器具5に固定された蓋体7に、本実施
例の正特性サーミスタ発熱体装置をその絶縁カバー28
の固定部284で固定し、薬液2が浸透した棒状浸透芯
3を金属体26の貫通孔264に挿通し、棒状浸透芯3
の一部が、正特性サーミスタ21の発熱により伝熱加温
された金属体26により加熱されて、薬液2の蒸散を行
う構成である。
【0097】次にその動作について説明する。まず、器
具の電源プラグ12をコンセントに差し込んでスイッチ
13をオンすると、電圧は第1の電極板23の端子部2
31と第2の電極板24の端子部241に印加し、第1
の電極板23とコイルバネ22と第2の電極板24を介
して正特性サーミスタ21に通電し、ジュール熱により
正特性サーミスタ21は自己発熱して第2の電極板24
と絶縁性伝熱板25とを介して金属体26に熱伝達す
る。なお、このときにコイルバネ22と第1の電極板2
3と絶縁ケース27にも熱伝達が行われるが、正特性サ
ーミスタ21と接触するコイルバネ22の接合面22a
がワイヤ状であることから接触面積が小さく、しかもコ
イルバネ22と絶縁ケース27の間は空気が介在して正
特性サーミスタ21とは断熱され、その伝達量は小さく
不要外部への放熱は小さくて、正特性サーミスタ21と
面接触している第2の電極板24と絶縁性伝熱板25と
金属体26にそのほとんどが集中的に伝達される。
【0098】金属体26の接合面261で正特性サーミ
スタ21の発熱量を受熱し、金属体26のガイド凹部2
63a,263bが対向する部分で貫通孔264に熱伝
達し、貫通孔264の筒壁内周から放熱し貫通孔264
に挿通された棒状浸透芯3を加熱し、加熱時間の経過と
ともに棒状浸透芯3の温度が上昇し、浸透している薬液
2の蒸散する温度に達して、薬液2を蒸散させながら金
属体26の温度は上昇を続ける。
【0099】このようにして、正特性サーミスタ21の
自己発熱は増加し、熱伝達によって貫通孔264の内壁
の表面温度を上昇させ、棒状浸透芯3を加熱し続ける。
時間が経過すると、正特性サーミスタ21は自己発熱と
共に自らの抵抗値を上昇させて電力が減少し、正特性サ
ーミスタ21の自己発熱量と貫通孔264の内壁からの
放熱量がバランスして正特性サーミスタ21の自己発熱
が抑制され電力の減少が停止して安定し、貫通孔264
の内壁の表面温度は、一定に安定し定量的に薬液2を蒸
散する。
【0100】また印加電圧の変動や周囲温度の変動が生
じたとき、正特性サーミスタ21の特異な性質である自
己温度制御機能による自らの電力制御により、常に安定
した表面温度を維持して貫通孔264の内壁から一定温
度の加熱量を得ることができる。
【0101】以上のように正特性サーミスタ21の発熱
量を貫通孔264の内壁に熱伝達する熱伝達経路や、正
特性サーミスタ発熱体装置の周囲条件の変動による貫通
孔264の内壁からの放熱量の変化を正特性サーミスタ
21にフィードバックして正特性サーミスタ21の発熱
量を制御させ、貫通孔264の内壁に熱伝達して温度制
御する熱伝達経路のメカニズムは、全て正特性サーミス
タ21、第2の電極板24、絶縁性伝熱板25、金属体
26の接合面261と貫通孔264の内壁までの熱伝達
経路で構成され、それ以外への熱伝達は全て不要な部分
への熱伝達となることからロスになるが、その量は充填
する樹脂がないことで不要部への熱伝達量は小さく、ま
た絶縁ケース27に内在する空間での断熱効果により、
いずれの条件においても熱伝達経路を正特性サーミスタ
21と貫通孔264の内壁の間に集中させることができ
る。
【0102】また、本実施例の正特性サーミスタ発熱体
装置では、正特性サーミスタ21の特性または厚みまた
は形状または第2の電極板24と接触する面積などを目
的に応じて種々設定することで、貫通孔264の内壁の
放熱温度を種々に可変して使用目的に応じ設定調整する
ことも可能であり、また正特性サーミスタ21以外に
も、金属体26の貫通孔264の孔壁の厚みまたは高さ
または絶縁性伝熱板25との接合面積または貫通孔26
4と接合面261との距離などの設定、または絶縁性伝
熱板25の厚みまたは大きさまたは接合面251の面積
の設定、または第2の電極板24の厚みまたは平面部の
接合面積の設定、または第2の電極板24平面部と適当
な位置に複数の突起やリブや凹凸などを形成して故意に
接合面に空隙を設けるなどの構成とすることにより、正
特性サーミスタ21の発熱量を金属体26の貫通孔26
4に伝熱する熱伝達経路の調整を行って熱流制御でき、
熱伝達量を目的に応じて種々容易に調整して所定温度の
設定を行うことができる。
【0103】また、正特性サーミスタ発熱体装置を器具
に取り付けるとき、端子部231,241を器具内の配
線部材に接続する作業において、端子部231,241
に力が係り操作上で屈曲ストレスを生じさせる。そのた
め端子部231,241が揺さぶられて正特性サーミス
タ21に連続する接合面を動かし、特に正特性サーミス
タ21と第2の電極板24と絶縁性伝熱板25の各接合
面の結合状態も乱して熱伝達を損なう可能性も生じるの
で、予め第2の電極板24の端子部241の根元にスリ
ット242を形成して機械的ストレス(特に屈曲ストレ
ス)を緩和する構成としている。また、第1の電極板2
3はコイルバネ22がストレスを緩和するため、第2の
電極板24よりもストレスの影響は小さいが、第1の電
極板23の端子部231の根元にもスリット232を形
成し、スリット232,242により端子部231,2
41の根元が曲がりやすくなることから、各接合部にス
トレスが伝達せず結合状態を乱すことがないので、正特
性サーミスタ21の高温発熱を安定して熱伝達できる効
果を有する。
【0104】また、端子部231,241の根元に各々
設けられたスリット232,242の空隙は、正特性サ
ーミスタ21の発熱を第1の電極板23と第2の電極板
24を介して端子部231,241へ伝熱して外部に放
熱することを妨げるという断熱効果を生み出すことか
ら、不要部への熱放散を小さくし正特性サーミスタ発熱
体装置の発熱温度を安定化し易くする。また、スリット
232,242によって端子部231,241に熱伝達
する熱流路を狭くすることにもなっており、端子部23
1,241の先端に接続する器具の配線部品材への伝熱
も小さくでき、耐熱的に容易な端子接続を行うことがで
きるなどの多くの利点を有する。
【0105】以上のように本実施例によれば、正特性サ
ーミスタ20と金属体26との結合を樹脂を用いずに行
うことで、正特性サーミスタ21の自己発熱量は樹脂を
介して周囲の不要部分へ熱伝達することがなく、そのほ
とんどの発熱量をコイルバネ22で圧接する各構成部品
を介して、金属体26の筒状の貫通孔264に集中し熱
伝達することができて、ロスを少なくでき、また、薬液
2が漏れて正特性サーミスタ発熱体装置に浸透したとき
でも、薬液2での樹脂の膨潤による各構成部品の接続オ
ープンという問題も発生しないので、信頼性を高めるこ
とができる。
【0106】さらに、樹脂の漏れによる汚れや、樹脂量
のばらつきやポットライフ、樹脂硬化を行う高温恒温槽
(別名工業用乾燥機)などの製造条件の厳密な管理が不
要となるので、全ての製造工程をクリーンでかつ容易な
方法で連続自動生産できる製造設備をも設置でき、製造
の自動化によりコスト低減できる。
【0107】また、各構成部品を絶縁ケース27の中に
順にならべて配置したままでも収納物が動かず固定して
いることから、これを基本形状としてヒータコアを形成
し独立させ、この基本形状であるヒータコアを不変に
し、かつ、ヒータコアを製造する生産工程を前半工程と
して不変にすることで、生産上の扱いが大変容易にな
り、以降の後半工程として絶縁カバー28などの付加す
る構成部品を目的に応じて種々準備し、かつヒータコア
に取り付ける組立て工程も種々準備することで、フレキ
シブルで応用範囲の広い生産工程を得ることができる。
【0108】このような工程を得ることで、ヒータコア
を収納する絶縁カバー28の形状を種々用途別に多目的
に変え、またヒータコアを装着する機器の受動部をヒー
タコアの形状に一致させることでも製品の応用が拡大す
る。また、ヒータコアは不変であり、前半工程も不変で
あることから、製品の目的が異なってもヒータコアと前
半工程が生産上共通となることで数量の変動生産が頻繁
な機器への応用も、後半工程を若干変更して対応させる
ことで容易に実現できる。したがって、工程切り替えに
大変フレキシブル性を持つため、効率的かつ合理的な製
造方法を実現できる。
【0109】(実施例2)以下本発明の第2の実施例に
ついて説明する。本実施例において、前述の実施例1に
ついて説明した構成部分と同じ部分については同一番号
を付し、その説明を省略する。
【0110】図4ないし図6に示すように、本実施例は
前述実施例1の構成に、実施例1のコイルバネ22と第
1の電極板23と第2の電極板24とを簡易化し、それ
に伴って、絶縁ケース27と絶縁カバー28の形状を変
更した構成としたものである。すなわち、実施例1にお
いて、コイルバネ22と第1の電極板23の導電機構が
分離されていたものをコイルバネ22に第1の電極板2
3の機能を兼用させ一体化したワイヤ端子311を有す
る円錐型コイルバネ31とし、また第2の電極板24を
導電端子導出部であるワイヤ端子321を有する導電ワ
イヤ32と接触平面部である導電シート33とに分離し
て、両者を別々に独立して組み合わせたものである。し
かし用途目的に応じては、第2の電極板24の端子部2
41の形状または断面積をほぼ同一に加工成形すること
で2つの部品に分離し組合せによって置き換える部品の
構成を行わなくてもよい。この場合、第2の電極板24
だけはその端子部241の形状のみ最適形状に成型して
変更し、他はそのまま用いるようにすれば構成部品の省
力化に有効である。
【0111】円錐型コイルバネ31のワイヤ部31a,
31b,31cは、実施例1のまたコイルバネ22の接
触面22bと第1の電極板23の平面部に対応し、円錐
型コイルバネ31の接触部312は、実施例1のコイル
バネ22の接触面22aに対応した構成である。
【0112】導電ワイヤ32のワイヤ端子321は、実
施例1の第2の電極板24の端子部241に対応した構
成である。また、実施例1の第2の電極板24の平面部
に対応する部分は極めて軟質な導電シート33で構成し
て導電ワイヤ32に重層し、導電ワイヤ32と導電シー
ト33を面方向から押圧一体化してなり、導電ワイヤ3
2のワイヤ部32a,32b,32cで構成される外形
周囲に導電シート33の外周が位置し、その外周は装着
の位置決めを行うもので、導電シート32の平面部の表
裏はそれぞれ正特性サーミスタ21の電極21bと絶縁
性伝熱板25の接合面251の間に介して密に当接する
構成である。
【0113】正特性サーミスタ21と円錐型コイルバネ
31と導電ワイヤ32と導電シート33と絶縁性伝熱板
25と金属体26とを位置決めして装着する絶縁ケース
29の内側には、その一部を開口にして金属体26を装
着する側壁開口部(番号は付与しないが、実施例1の側
壁開口部271に相当)と、絶縁ケース29に正特性サ
ーミスタ21と円錐型コイルバネ31と導電ワイヤ32
と導電シート33と絶縁性伝熱板25と金属体26を装
着するために設けた上面開口部(番号は付与しないが、
実施例1の上面開口部272に相当)と、絶縁ケース2
9の側壁開口部の両側壁から突き出して短く囲みを設け
た金属体26をガイドする凸部(番号は付与しないが、
実施例1の凸部273a,273bに相当)と、金属体
26のガイド凹部に位置決めされるガイド面(番号は付
与しないが、実施例1のガイド面274a,274bに
相当)とが形設されている。また、絶縁ケース29の凸
部に連続して金属体26のガイド凸部262a,262
bと絶縁性伝熱板25の両側と導電ワイヤ32と導電シ
ート33の両側を装着してガイドするガイド凸部292
a,292bと、その外側のコ字状の凹部295a,2
95bと、それに連続して金属体26と絶縁性伝熱板2
5の両側と導電ワイヤ32と導電シート33の両側を装
着してガイドすると共に、円錐型コイルバネ31の大口
径側の周囲に絶縁ケース29の底部と両側壁に沿って装
着するワイヤ部31a,31b,31cを装着して起立
支持させ位置決めするガイド凸部293a,293b
と、その内側の凹部294a,294bと、円錐型コイ
ルバネ31の大口径側のワイヤ部31a,31b,31
cを当接して押圧力を構成する絶縁ケース29の後壁2
96とを形設している。
【0114】なお、ガイド凸部293a,293bと凹
部294a,294bは、絶縁ケース29の側壁開口部
の中心と後壁296の中心を結ぶ中心線を軸に対称形を
有し、凹部295aは凹部295bに、ガイド凸部29
3aは凸部293bに、凹部294aは凹部294b
に、それぞれ対称的に対向する構成としている。また、
絶縁ケース29の上面開口部の周囲には、外周から段差
を形成してコ字状に一部突出した外周が低く内側が高い
固着部291a,291bと、それらと連続する固着部
299と、テーパ部297と、固着部298を形設して
いる。
【0115】絶縁カバー30には、絶縁ケース29の固
着部291a,291bに絶縁カバー30を装着して固
着する側壁302に連続して形成したガイド部301
a,301bと、同様に側壁302に連続し絶縁ケース
29の固着部298に固着する固着部303と、円錐型
コイルバネ31のワイヤ端子311を導出する端子孔3
04と、導電ワイヤ32のワイヤ端子321を導出する
端子孔305とを形設している。
【0116】以下に、上記の構成の正特性サーミスタ発
熱体装置の製造方法について説明する。
【0117】はじめに、構成部品のうち円錐型コイルバ
ネ31と導電ワイヤ32と導電シート33を下記の方法
により準備する(その他の構成部品の準備は、実施例1
で説明したので省略する)。
【0118】円錐型コイルバネ31は、実施例1のコイ
ルバネ22と同様に正特性サーミスタ21の電極21c
に接触して導電接続する給電端子となり、また正特性サ
ーミスタ21を金属体26に押圧して自己発熱した正特
性サーミスタ21の熱量を熱伝達させるものであるの
で、その材質は高温に耐える耐熱性金属材料としてステ
ンレス、銅合金またはベリリウム合金にニッケルメッキ
などのメッキを施したものや、鋼材に耐食メッキしたワ
イヤ材などの高温雰囲気中にあってばね性を損なわない
洗練された金属材料を用いる。このとき、製品構成の性
能、信頼性、経済性、材料調達性を考慮して総合的に判
断すると、ばね性と腐食性に耐久性のある高温用ステン
レス材を使用することが好ましい。
【0119】円錐型コイルバネ31の大口径側は、絶縁
ケース29の凹部294a,294bおよび底面と絶縁
カバー30の底面に沿うようにほぼ直角な屈曲部と直線
部に構成して金型または治具などにより成型してワイヤ
部31a,31b,31cを構成し、絶縁ケース29の
後壁296のコーナ付近に当接する形状に仕上げる。こ
のとき、絶縁ケース29の後壁296に接触するワイヤ
部31a,31b,31cの当接面と正特性サーミスタ
21の電極21cに当接する円錐型コイルバネ31の小
口径側に形成した接触部312の接触面は、ワイヤ面を
成形または研磨などにより平面部を形成することで装着
の安定性がよくなり、特に正特性サーミスタ21の電極
21cに接触する面は、接触面積が増大すると共に安定
接触するため電気接続に高い信頼性が得られる。
【0120】導電ワイヤ32は、正特性サーミスタ21
の電極21bに接触して導電接続する給電端子となり、
円錐型コイルバネ31と一対の端子を形成し、かつ正特
性サーミスタ21と絶縁性伝熱板25との間に介在して
正特性サーミスタ21の発熱量を金属体26に伝熱する
ことになるので、その材質は熱伝導に優れた円錐型コイ
ルバネ31と同じまたは異質の金属材を用いるものであ
るが、ばね性を必要としないため腐食性に耐久性のある
ものを用いるのが好ましい。
【0121】導電ワイヤ32は、正特性サーミスタ21
の電極21bに接触して導電接続する給電端子とし、正
特性サーミスタ21の電極21bの面を当接して受ける
ことから、正特性サーミスタ21の中心と導電ワイヤ3
2の中心は合致するとともに、上下左右に導電ワイヤの
支えが均等にバランスして安定した装着がなされるよう
に、導電ワイヤ32の一本一本は、正特性サーミスタ2
1の電極面21bの中心に対し対称形をなして本数均等
に適度な間隔で複数回蛇行屈曲して形成されてなる。
【0122】導電シート33は、導電ワイヤ32の線径
と同寸法の厚みか若干厚いものを選定し、その材質は熱
伝導と耐熱性と導電性に富み極めて軟質のシートまたは
板またはフィルム材などで、たとえばシリコン樹脂に導
電金属材(たとえば銀、銅、アルミニウム、カーボンな
ど)をフィラとして充填したシートあるいは導電性ヒー
トシンカ材などを用いる。
【0123】導電ワイヤ32と導電シート33は、絶縁
ケース29内に装着する前に単独で重層し導電ワイヤ3
3の外周と導電ワイヤ32のワイヤ部32a,32b,
32cのそれぞれの外形を揃え、ずれないように上下位
置決めしてプレスし一体化して導電ワイヤ32の空隙に
導電シート33を充填し一つの複合部品を構成し、その
後絶縁ケース29に装着してもよく、この場合は、装着
作業の手間が省ける。
【0124】つぎに、上記のように準備した構成部品と
実施例1で説明した構成部品を用いた正特性サーミスタ
発熱体装置の組立てについて説明する。
【0125】まず、絶縁ケース29を所定の治具に位置
決めし、ついで、絶縁ケース27の上面開口部から構成
部品の内、金属体26と絶縁性伝熱板25と導電ワイヤ
32と導電シート33を絶縁ケース29の凹部295
a,295bをガイドにして滑り込ませ装着する。詳細
は金属体26のガイド凸部262aを絶縁ケース29の
凹部295aに、またガイド凸部262bを凹部295
bに合わせて絶縁ケース29の底面に当接し、絶縁性伝
熱板25はその両端を凹部295a,295bに合わ
せ、また金属体26の接合面261と絶縁性伝熱板25
の接合面251の対向側面を合わせて絶縁ケース29の
底面に当接し、また導電ワイヤ32はワイヤ部32a,
32bを凹部295a,295bに合わせ、また絶縁性
伝熱板25の接合面251に対向させ絶縁ケース29の
底面にワイヤ部32cを当接し、また導電シート33を
導電ワイヤ32に対向させ、その外周を絶縁ケース29
の凹部295a,295bに位置決めして滑り込ませ絶
縁ケース27の底面に当接して装着する。
【0126】ついで、絶縁ケース29の凹部294aに
円錐型コイルバネ31のワイヤ部31aを配し、凹部2
94bにワイヤ部31bを配して絶縁ケース29の底面
にワイヤ部31cを当接して装着する。このとき円錐型
コイルバネ31は、絶縁ケース29の後壁296に当接
すると共にガイド凸部293a,293bで支持されて
倒れることがなく起立し、また絶縁性伝熱板25と導電
ワイヤ32と導電シート33もガイド凸部292a,2
92bで支持されて凹部295a,295b内に挟持さ
れて起立し倒れることがないので、各構成部品の装着が
安定し組立てが容易となる。
【0127】ついで、円錐型コイルバネ31の小口径側
の接触部312の接触面を絶縁ケース29の後壁296
に向かって若干押し広げ、導電シート33との間に正特
性サーミスタ21を滑り込ませ、円錐型コイルバネ31
の押し広げを開放して正特性サーミスタ21の電極21
cを強固に押圧する。押圧方向は絶縁ケース29の後壁
296を円錐型コイルバネ31の支えとし金属体26の
方向に強固に押圧するものである。正特性サーミスタ2
1の押圧により、極めて軟質な導電シート33は導電ワ
イヤ32の一本一本で切られながら漬れ、その1本1本
で仕切られた適度な空隙を充填し、導電ワイヤ32と絶
縁性伝熱板25と正特性サーミスタ21の電極21bの
間を密に埋めつくし導電接続と伝熱的接続が十分になさ
れ、そのため密着性が大変良く、正特性サーミスタ21
の発熱をロスなく金属体26に伝熱できる。
【0128】さらに、正特性サーミスタ21にワイヤ端
子311,321を介して通電し発熱させたとき、正特
性サーミスタ21は高温に発熱し、その発熱量によって
導電シート33が軟化または溶融して充填度合いを増
し、あるいは熱硬化などの状態変化により両者の結合を
密にして接着力を増加させ、さらに正特性サーミスタ2
1と絶縁性伝熱板25の伝熱的結合を良化する。以上の
方法は、最適な導電シート33の材料を選択することで
可能であり、高性能化を図るには好ましい手段である。
【0129】導電ワイヤ32と導電シート33の組合せ
は、正特性サーミスタ21と絶縁性伝熱板25との結合
を完全に行うことを目的にしている。前述の実施例1の
応用である第2の電極板24の端子部241の形状を本
実施例の導電ワイヤ32のワイヤ端子321の形状に同
一化して成形することにより、構成部品の省力化を図る
ことはできるが、正特性サーミスタ21と絶縁性伝熱板
25との密着性は両者の間に接触での空隙が若干生じる
ので、熱伝達をほとんどロスなく行うということができ
難い性能上の欠点を含んでいる。ただし、熱伝達のロス
を考慮できる器具への応用については、省力化による経
済性効果が大きく、かなり有効な手段である。
【0130】以上の構成をヒータコアとして独立させ、
次工程の絶縁カバー30の形状を目的に応じて種々選択
し、このヒータコアの上面開口部を閉塞するようにワイ
ヤ端子311,312を端子孔304,305に挿通し
導出して被せ、絶縁ケース29の各固着部および絶縁カ
バー30の各固着部を接着または溶着または圧入固着に
より一体固着し、正特性サーミスタ発熱体装置を完成さ
せる。
【0131】以上のように本実施例によれば、前述実施
例1と同等の効果に加えて、導出したワイヤ端子31
1,321の先端に一回以上のクリンプ成形を施し適度
な屈曲を構成することで、本実施例の正特性サーミスタ
発熱体装置を各種の器具への装着において、プリント基
板に自立固定して半田付けを行ったり、挿抜式端子接続
(たとえばファストン型端子接続、リセプタクル接続、
クリック式スリーブ圧着接続など)などが行えることか
ら応用範囲を広げられる。
【0132】また、本実施例の正特性サーミスタ発熱体
装置を備えた電子蚊取器または電子芳香器は、前述実施
例1の同様な構成で、同等の効果が得られるが、その説
明は省略する。
【0133】(実施例3)以下本発明の第3の実施例に
ついて説明する。本実施例において、前述実施例2につ
いて説明した構成部と同じ部分については同一番号を付
し、その説明を省略する。
【0134】図7ないし図9に示すように、本実施例は
前述実施例2の構成に実施例2の絶縁ケース29をその
外形部と内形部の2つ、すなわち簡素化した絶縁性剛体
枠34と絶縁ケース35に分離し、絶縁性剛体枠34に
各構成部品を装着一体化したヒータコアを絶縁ケース3
5に装着する構成としたものである。
【0135】絶縁性剛体枠34をアルミナ磁器、ステア
タイト磁器、マグネシア磁器などの絶縁性を有する剛体
とすることにより、円錐型コイルバネ31の張力、また
は押圧力、または正特性サーミスタ21の高温度の発熱
を受けてもクリープなどの変形を生じないようにでき
る。
【0136】正特性サーミスタ21と円錐型コイルバネ
31と導電ワイヤ32と導電シート33と絶縁性伝熱板
25と金属体26を位置決めして装着する絶縁性剛体枠
34は、コ字状の側壁341,342で囲いを形成し、
上下の面に貫通した開口部を有するとともに側壁34
1,342の囲いの一部である前面方向(金属体26の
貫通孔264の方向を前面とし、金属体26の接合面2
61に対向する絶縁性剛体枠34の側壁(後記の後壁3
46)の方向を後面とする)を開口した前面開口部を設
け、この前面開口部に対向して後壁346を設けてい
る。
【0137】また、絶縁性剛体枠34には、前面開口部
の両側壁から突き出して短く囲みを設けた金属体26を
ガイドする凸部343a,343bと、金属体26のガ
イド凹部263a,263bの内面と当接して位置決め
されるガイド面344a,344bと、絶縁カバー30
の底部に連続した側壁302の内面をガイドして合致す
るテーパ部345とが形設されている。
【0138】絶縁ケース35には、底部351と、底部
351に連続して囲いとなる側壁面352が設けられ、
側壁352には、左右に対向する一対の平面壁と、平面
壁に連続した後壁面353と、後壁面353に対向して
設けられた開口部の両側に金属体26のガイド凹部に嵌
合する凸部354a,354bが形設されている。
【0139】絶縁ケース35と絶縁カバー30には円錐
型コイルバネ31の押圧力がかからないことから機械強
度を確保する必要がないので、特に固着性と耐熱性に考
慮した優れたプラスチック成型体を用いることが好まし
く、前述実施例1に記載の樹脂成型体材料を用い、その
中でもPPS樹脂を用いるのが好ましい。
【0140】以下に上記の構成の正特性サーミスタ発熱
体装置の製造方法について説明する。
【0141】まず、絶縁ケース35を所定の治具に位置
決めし、絶縁ケース35の前面開口部と絶縁性剛体枠3
4の前面開口部を、また絶縁性剛体枠34の側壁341
と絶縁ケース35の側壁352を、また絶縁性剛体枠3
4の後壁342と絶縁ケース35の後壁面353を合わ
せ、絶縁ケース35の底部351に絶縁性剛体枠34の
下部の枠面を当接するように押し込み装着する。
【0142】ついで、絶縁性剛体枠34の内面に金属体
26と絶縁性伝熱板25と導電ワイヤ32と導電シート
33を絶縁性剛体枠34の凹部(番号は付与しないが、
実施例2の凹部295a,295bに相当)をガイドに
して滑り込ませ、前述実施例2と同様の方法で絶縁ケー
ス35の底面に当接して装着する。装着において金属体
26のガイド凹部263a,263bには絶縁ケース3
5の前面開口部の両側に形成した凸部354a,354
bが絶縁性剛体枠34の凸部343a,343bと共に
嵌入する。
【0143】ついで、絶縁性剛体枠34の後壁346と
底面に、円錐型コイルバネ31のワイヤ部31a,31
b,31cを当接して装着する。円錐型コイルバネ31
は、絶縁性剛体枠34の後壁346とその両側の凸部
(番号は付与しないが、実施例2の凸部293a,29
3bに相当)で支持されて倒れることがなく起立し、ま
た絶縁性伝熱板25と導電ワイヤ32と導電シート33
もガイド凸部(実施例2の凸部292a,292bに相
当)で支持されて、ガイド凹部(番号は付与しないが、
実施例2のガイド凹部295a,295bに相当)内に
挟持され起立し倒れることがないので、各構成部品の装
着が安定し組立てを容易にできる。
【0144】このとき、絶縁性剛体枠34の上部は、絶
縁ケース35の上面開口部から突出し段差を有する。
【0145】なお、上述の組立て方法とは順序を逆にし
た下記の製造方法とすることもある。まず、絶縁性剛体
枠34を所定の治具に位置決めして、側壁341,34
2の下側の底部を治具に当接し貫通孔である下側を閉塞
する。ついで、絶縁性剛体枠34の側壁341,342
に形設した凹部、凸部をガイドにして金属体26と絶縁
性伝熱板25と導電ワイヤ32と導電シート33と円錐
型コイルバネ31と正特性サーミスタ21を絶縁性剛体
枠34の内側に滑り込ませ装着する。円錐型コイルバネ
31の押圧力により、絶縁性剛体枠34に装着した構成
部品のすべては、絶縁性剛体枠34の後壁346と前面
開口部の両側の凸部343a,343bに嵌入し固着し
た金属体26との間に圧接固着し、容易に外れない構造
を有する。これを治具から外して一つの構成体とし正特
性サーミスタ発熱体装置の基本形であるヒータコアと
し、ついで、絶縁ケース35を治具に位置決めし、絶縁
ケース35の前面開口部とヒータコアを構成した絶縁性
剛体枠34の前面開口部を合わせ、また絶縁性剛体枠3
4の側壁341と絶縁ケース35の側壁352を合わ
せ、また絶縁性剛体枠34の後壁342を絶縁ケース3
5の後壁面353を合わせて絶縁ケース35の底部35
1に絶縁性剛体枠34の側壁352の枠面を当接するよ
うに押し込み装着する。
【0146】ついで、絶縁ケース35の上面開口部に絶
縁カバー30を被せ、内装した構成部品を封止する。絶
縁ケース35の側壁352と絶縁性剛体枠34の側壁3
41,342が段差を形成してコ字状に一部突出し、そ
の形態は外側が低く内側が高いことから、絶縁カバー3
0を装着するときに、突出部のテーパ部345が絶縁カ
バー30の側壁内周をガイドして滑り込み装着を容易に
する。また、ヒータコアは絶縁ケース35と絶縁カバー
30と絶縁性剛体枠34の三者の内、少なくとも絶縁ケ
ース35と絶縁カバー30はそれぞれ固着部(番号は付
与しないが、実施例2の固着部298に相当)を接着ま
たは溶着または圧入固着により一体固着し、また必要に
応じて絶縁性剛体枠34の側壁341,342または突
出部またはテーパ部345を固着して、正特性サーミス
タ発熱体装置を完成させる。
【0147】以上のように本実施例によれば、前述実施
例2と同等の効果に加えて、絶縁性剛体枠34がシンプ
ルな構造となり小型のヒータコアを形成できることか
ら、絶縁ケース35のみを用途目的に応じて種々の形状
に設計し装着することで、ヒータコアを共通化した汎用
的な標準生産工程で製造できる。また、ヒータコアが共
通することで絶縁ケース35のみ、または絶縁カバー3
0のみ、または両者のみ設計して、多分野のユーザニー
ズに適合する応用範囲の広い正特性サーミスタ発熱体装
置を構成することができる。
【0148】なお、本実施例の正特性サーミスタ発熱体
装置を備えた電子蚊取器または電子芳香器についても、
前述実施例1と同様な効果が得られる。
【0149】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように本発明
は、相対向する2つの電極面を有する正特性サーミスタ
を、その両電極面にそれぞれ当接して押圧挟持する構成
としたコイルバネと第1および第2の電極板と、第2の
電極板に当接して正特性サーミスタの発熱を伝熱する絶
縁性伝熱板と、絶縁性伝熱板の接合面に結合する接合面
および筒状の貫通孔を有する金属体と、正特性サーミス
タと第1および第2の電極板と絶縁性伝熱板と金属体の
一部を収納する構成とした絶縁ケースと、第1および第
2の電極板の端子部を挿通する端子孔および装着固定用
の固定孔を有し絶縁ケースの上面開口部を覆って固着一
体化する構成とした絶縁カバーとを備えた構成、また、
絶縁ケースの側壁開口部に設けた凸部に金属体のガイド
凹部を嵌入し、ガイド凹部と連続する金属体の凸部を側
壁開口部の凸部の内壁に互いに当接して配置して絶縁ケ
ース内に上面開口の収納部を形成し、絶縁ケースの内壁
のガイド凸部の外側の凹部に絶縁性伝熱板の端部を嵌入
して金属体の接合面に当接し、第2の電極板を絶縁性伝
熱板に当接して配置し、同様に第1の電極板を金属体と
対向する絶縁ケースの側壁に当接すると共に絶縁ケース
の内壁のガイド凸部の内側の凹部にその一部を嵌入して
位置決めして配置し、第1および第2の電極板の間にあ
る絶縁ケースの底面の一部から突出したバネ台座の金属
体側に位置する面をガイドにして正特性サーミスタを嵌
め込み、バネ台座にコイルバネを装着して第1の電極板
と正特性サーミスタの間に圧入して張力を生じさせ、第
1の電極板と正特性サーミスタの電極とを電気接続する
と共に、第2の電極板と絶縁性伝熱板と金属体の各接合
面を密着させて収納一体化し、上面開口部に絶縁カバー
を装着し、絶縁ケースの外周段差と絶縁カバーの外周段
差を位置決めして合致し、絶縁カバーの端子孔から端子
部を突出し、絶縁ケースと絶縁カバーを接着または溶着
または圧入固着により、一体固着する方法により、熱効
率が良くて、電圧の変動や周囲温度の変動に対する応答
性が早く、表面温度の設定が容易にでき、信頼性が高
く、生産効率の良好な優れた正特性サーミスタ発熱体装
置およびその製造方法ならびにその正特性サーミスタ発
熱体装置を備えた電子蚊取器および電子芳香器を実現で
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例1の正特性サーミスタ
発熱体装置の斜視図 (b)は(a)の縦断面図
【図2】同正特性サーミスタ発熱体装置の横断面図
【図3】同正特性サーミスタ発熱体装置の分解斜視図
【図4】(a)は本発明の実施例2の正特性サーミスタ
発熱体装置の斜視図 (b)は(a)の縦断面図
【図5】同正特性サーミスタ発熱体装置の横断面図
【図6】同正特性サーミスタ発熱体装置の分解斜視図
【図7】(a)は本発明の実施例3の正特性サーミスタ
発熱体装置の斜視図 (b)は(a)の縦断面図
【図8】同正特性サーミスタ発熱体装置の横断面図
【図9】同正特性サーミスタ発熱体装置の分解斜視図
【図10】従来の正特性サーミスタ発熱体装置を備えた
電子蚊取器または電子芳香器の概略構成を示す縦断面図
【図11】同正特性サーミスタ発熱体装置の縦断面図
【図12】同正特性サーミスタ発熱体装置の分解斜視図
【符号の説明】
21 正特性サーミスタ 22 コイルバネ 23 第1の電極板 24 第2の電極板 25 絶縁性伝熱板 26 金属体 27 絶縁ケース 28 絶縁カバー

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対向する2つの電極面を有する正特性
    サーミスタと、前記正特性サーミスタの前記電極面の一
    方に当接するコイルバネと、前記コイルバネに当接する
    第1の電極板と、前記電極面の他方に当接する第2の電
    極板と、前記第2の電極板に当接して前記正特性サーミ
    スタの発熱を伝熱する絶縁性伝熱板と、前記絶縁性伝熱
    板の接合面に結合する接合面および筒状の貫通孔を有す
    る金属体と、前記正特性サーミスタと前記第1および第
    2の電極板と前記絶縁性伝熱板と前記金属体の一部を収
    納する構成とした側壁開口部と上面開口部を有する有底
    状の絶縁ケースと、前記第1および第2の電極板の端子
    部を挿通する端子孔および装着固定用の固定孔を有し前
    記絶縁ケースの上面開口部を覆って固着一体化する構成
    とした絶縁カバーを備えた正特性サーミスタ発熱体装
    置。
  2. 【請求項2】 絶縁ケースは、その内壁の一部に形設し
    た収納する部品を安定収納するガイド凸部と、前記ガイ
    ド凸部の内側と外側に形設した前記各構成部品を収納す
    る凹部と、コイルバネを正特性サーミスタの中心に安定
    して装着すると共に前記正特性サーミスタをガイドする
    底部から一部突出したバネ台座とを有する請求項1記載
    の正特性サーミスタ発熱体装置。
  3. 【請求項3】 絶縁ケースは、その側壁開口部に形設し
    た金属体のガイド凹部が嵌入して前記側壁の開口部を閉
    塞し収納部を形成して、収納する構成部品が個々にガイ
    ドされて自立収納する構成とした左右対称のガイド部を
    有する請求項1または2に記載の正特性サーミスタ発熱
    体装置。
  4. 【請求項4】 外周が高くかつ内周が低い側壁に連続し
    た段差とテーパを一部に有する絶縁ケースと、外周が低
    くかつ内周が高い側壁に連続した段差とテーパを一部に
    有する絶縁カバーを備え、前記絶縁ケースと前記絶縁カ
    バーのそれぞれの段差に形成した内周、外周、テーパが
    互いに嵌入し面接触する構成とした請求項1ないし3の
    いずれか一つに記載の正特性サーミスタ発熱体装置。
  5. 【請求項5】 第1および第2の電極板は、同一形状を
    有すると共に前後に正対称または反転対称の位置に配設
    され、前記第1の電極板と前記第2の電極板の間に正特
    性サーミスタとコイルバネを介して押圧結合して絶縁ケ
    ースに内装された構成である請求項1ないし4のいずれ
    か一つに記載の正特性サーミスタ発熱体装置。
  6. 【請求項6】 第1および第2の電極板は、平面を有
    し、前記平面から突出した端子部の根元に形設した外部
    からの応力を吸収するスリット部を有する請求項1ない
    し5のいずれか一つに記載の正特性サーミスタ発熱体装
    置。
  7. 【請求項7】 絶縁カバーの端子孔は、内側が広く、か
    つ第1および第2の電極板の端子部が突出する外側が狭
    い形状を有する請求項1ないし6のいずれか一つに記載
    の正特性サーミスタ発熱体装置。
  8. 【請求項8】 正特性サーミスタと第2の電極板と絶縁
    性伝熱板と金属体との相互の各接合面は、熱伝導性の液
    体または粘性体または固体を介して押圧される構成とし
    た請求項1ないし7のいずれか一つに記載の正特性サー
    ミスタ発熱体装置。
  9. 【請求項9】 相対向する2つの電極面を有する正特性
    サーミスタと、前記正特性サーミスタの前記電極面の一
    方に当接する円錐型コイルバネと、前記電極面の他方に
    当接する導電ワイヤおよび導電シートと、前記導電ワイ
    ヤおよび導電シートに当接して前記正特性サーミスタの
    発熱を伝熱する絶縁性伝熱板と、前記絶縁性伝熱板の接
    合面に結合する接合面および筒状の貫通孔を有する金属
    体と、前記正特性サーミスタと円錐型コイルバネと前記
    導電ワイヤと前記導電シートと前記絶縁性伝熱板と前記
    金属体の一部を収納する構成とした側壁開口部と上面開
    口部を有する有底状の絶縁ケースと、前記円錐型コイル
    バネのワイヤ端子と前記導電ワイヤのワイヤ端子を挿通
    する端子孔および装着固定用の固定孔を有し前記絶縁ケ
    ースの上面開口部を覆って固着一体化する構成とした絶
    縁カバーを備えた正特性サーミスタ発熱体装置。
  10. 【請求項10】 円錐型コイルバネは、円錐状に複数巻
    回した巻線の大口径側を絶縁ケースの内周形状に沿うよ
    うに成型して前記絶縁ケースの側壁に装着固定する形状
    とし、かつその端部を延長して形成したワイヤ端子と
    し、前記巻線の小口径側を正特性サーミスタの中心部を
    押圧しながら直接通電する形状とした構成である請求項
    9記載の正特性サーミスタ発熱体装置。
  11. 【請求項11】 導電ワイヤは、一部を適度な間隔で正
    特性サーミスタの電極面の中心から左右対称で本数均等
    に複数回蛇行した屈曲部を有し、かつ、一方の端部を延
    長して形成したワイヤ端子とし、前記屈曲部に軟質の導
    電シートを重層して介し、円錐型コイルバネの押圧力で
    正特性サーミスタを介して押圧される圧力により前記屈
    曲部の空隙を密に充填して平面電極部を形成した構成で
    ある請求項9または10に記載の正特性サーミスタ発熱
    体装置。
  12. 【請求項12】 絶縁ケースは、側壁に囲まれて一部開
    口した有底状を形成し、底部から連続するその側壁は外
    周が低くかつ内周が高くて外周と内周の段差はテーパを
    有し、絶縁カバーは、側壁に囲まれて一部開口した有底
    状を形成し、その側壁は外周が高くかつ内周が低くて外
    周と内周の段差はテーパを有し、前記絶縁ケースに前記
    絶縁カバーを被覆したときに、両者の段差が互いに合致
    して嵌入し位置決めされる構成とした請求項9ないし1
    1のいずれか一つに記載の正特性サーミスタ発熱体装
    置。
  13. 【請求項13】 金属体の凹部は、絶縁ケースの底面か
    ら同一面で側壁開口部の一部に延長して突出した鍔と、
    絶縁カバーの底面から同一面で側壁開口部の一部に延長
    して突出した鍔とで上下を挟持し閉塞された構成である
    請求項9ないし12のいずれか一つに記載の正特性サー
    ミスタ発熱体装置。
  14. 【請求項14】 相対向する2つの電極面を有する正特
    性サーミスタと、前記正特性サーミスタの前記電極面の
    一方に当接して押圧挟持する円錐型コイルバネと、前記
    電極面の他方に当接する導電ワイヤおよび導電シート
    と、前記導電ワイヤおよび前記導電シートに当接して、
    前記正特性サーミスタの発熱を伝熱する絶縁性伝熱板
    と、前記絶縁性伝熱板の接合面に結合する接合面および
    筒状の貫通孔を有する金属体と、前記正特性サーミスタ
    と前記円錐型コイルバネと前記導電ワイヤと前記導電シ
    ートと前記絶縁性伝熱板と前記金属体の一部を収納する
    構成とした側壁の一部と上下面に貫通する開口部を有す
    る絶縁性剛体枠と、前記絶縁性剛体枠と前記金属体を一
    体化して収納する構成とした側壁開口部と上面開口部を
    有する有底状の絶縁ケースと、前記円錐型コイルバネの
    ワイヤ端子と前記導電ワイヤのワイヤ端子を挿通する端
    子孔および装着固定用の固定孔を有し前記絶縁ケースの
    上面開口部を覆って固着一体化する構成とした絶縁カバ
    ーを備えた正特性サーミスタ発熱体装置。
  15. 【請求項15】 絶縁性剛体枠は、形状がコ字形状で平
    面の外壁と、内壁に形設した収納する部品の位置決めを
    安定的に行う左右対称の凸部および凹部と、上下面の開
    口部の上面外側の一部に絶縁ケースの上面開口部から突
    出して位置したテーパ部を有し、前記開口部の下面が前
    記絶縁ケースの底部に当接し、前記側壁と前記絶縁ケー
    スの内壁が当接して位置決め固定する構成とした請求項
    14記載の正特性サーミスタ発熱体装置。
  16. 【請求項16】 金属体の凹部は、絶縁性剛体枠の側壁
    の開口部の一部と絶縁ケースの側壁開口部の一部と絶縁
    カバーの側壁開口部の一部とが共に合致して嵌入する構
    成とした請求項14または15に記載の正特性サーミス
    タ発熱体装置。
  17. 【請求項17】 円錐型コイルバネのワイヤ端子と導電
    ワイヤのワイヤ端子の先端部はプリント基板の端子孔に
    自立固定する形状とした請求項9ないし16のいずれか
    一つに記載の正特性サーミスタ発熱体装置。
  18. 【請求項18】 正特性サーミスタと導電シートと絶縁
    性伝熱板と金属体との相互の接合面に熱伝導性の液体ま
    たは粘性体または固体を介して押圧する構成とした請求
    項9ないし17のいずれか一つに記載の正特性サーミス
    タ発熱体装置。
  19. 【請求項19】 導電ワイヤおよび導電シートで構成し
    た第2の電極板と、前記導電ワイヤのワイヤ端子を挿通
    する端子孔を有する絶縁カバーを備えた請求項9に記載
    の正特性サーミスタ発熱体装置。
  20. 【請求項20】 絶縁ケースの側壁開口部に設けた凸部
    に金属体のガイド凹部を嵌入し、前記ガイド凹部と連続
    する金属体の凸部を前記側壁開口部の凸部の内壁に互い
    に当接して配置し、前記絶縁ケース内に上面開口の収納
    部を形成し、前記絶縁ケースの内壁のガイド凸部の外側
    の凹部に絶縁性伝熱板の端部を嵌入して前記金属体の接
    合面に当接し、第2の電極板を前記絶縁性伝熱板に当接
    して配置し、第1の電極板を前記金属体と対向する前記
    絶縁ケースの側壁に当接すると共に前記絶縁ケースの内
    壁のガイド凸部の内側の凹部にその一部を嵌入して位置
    決めして配置し、前記第1および第2の電極板の間にあ
    る前記絶縁ケースの底面の一部から突出したバネ台座の
    前記金属体側に位置する面をガイドにして正特性サーミ
    スタを嵌め込み、前記バネ台座にコイルバネを装着して
    前記第1の電極板と前記正特性サーミスタの間に圧入し
    て張力を生じさせ、前記第1の電極板と前記正特性サー
    ミスタの電極とを電気接続すると共に前記第2の電極板
    と前記絶縁性伝熱板と前記金属体の各接合面を密着させ
    て収納一体化し、前記絶縁ケースの上面開口部に絶縁カ
    バーを装着し、前記絶縁ケースの外周段差と前記絶縁カ
    バーの外周段差を位置決めして合致し、前記絶縁カバー
    の端子孔から第1および第2の電極板の端子部を突出
    し、前記絶縁ケースと前記絶縁カバーの外周段差部を接
    着または溶着または圧入固着により一体固着する正特性
    サーミスタ発熱体装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 絶縁ケースの側壁開口部に設けた凸部
    に金属体のガイド凹部を嵌入し、前記ガイド凹部と連続
    する金属体の凸部を前記側壁開口部の凸部の内壁に互い
    に当接して配置し、前記絶縁ケース内に上面開口の収納
    部を形成し、前記絶縁ケースの内壁のガイド凸部の外側
    の凹部に絶縁性伝熱板の端部を嵌入して前記金属体の接
    合面に当接し、導電ワイヤと導電シートを重層して前記
    絶縁性伝熱板に当接して配置し、円錐型コイルバネの大
    口径側を前記金属体と対向する絶縁ケースの側壁に当接
    すると共に前記絶縁ケースの内壁のガイド凸部の内側の
    凹部にその一部を嵌入して位置決めし、前記導電ワイヤ
    と円錐型コイルバネの間に正特性サーミスタを嵌め込
    み、前記正特性サーミスタの中心と前記円錐型コイルバ
    ネの中心を合致して前記正特性サーミスタを位置決め
    し、前記円錐型コイルバネの押圧力で前記正特性サーミ
    スタを介して前記導電ワイヤの空間に前記導電シートを
    密に充填し、前記正特性サーミスタの電極面の全面を前
    記導電ワイヤに密に電気接続すると共に、前記導電ワイ
    ヤおよび前記導電シートと前記絶縁性伝熱板と前記金属
    体との各接合面を密着させて収納一体化し、前記絶縁ケ
    ースの上面開口部に絶縁カバーを装着し、前記絶縁ケー
    スの外周段差と前記絶縁カバーの外周段差を位置決めし
    て合致し、前記絶縁カバーの端子孔から前記円錐型コイ
    ルバネおよび前記導電ワイヤのワイヤ端子を突出し、前
    記絶縁ケースと前記絶縁カバーの外周段差部を接着また
    は溶着または圧入固着により一体固着する正特性サーミ
    スタ発熱体装置の製造方法。
  22. 【請求項22】 絶縁性剛体枠の側壁開口部に設けた凸
    部に金属体のガイド凹部を嵌入し、前記ガイド凹部と連
    続する前記金属体の凸部を前記側壁開口部の凸部の内壁
    に互いに当接して配置し、前記絶縁性剛体枠内に上下面
    開口の収納部を形成し、前記絶縁性剛体枠の内壁のガイ
    ド凸部の外側の凹部に絶縁性伝熱板の端部を嵌入して前
    記金属体の接合面に当接し、導電ワイヤと導電シートを
    重層して前記絶縁性伝熱板に当接して配置し、円錐型コ
    イルバネの大口径側を前記金属体と対向する前記絶縁性
    剛体枠の側壁に当接すると共に前記絶縁性剛体枠の内壁
    のガイド凸部の内側の凹部にその一部を嵌入し位置決め
    して配置し、前記導電ワイヤと前記円錐型コイルバネの
    間に正特性サーミスタを嵌め込み、前記正特性サーミス
    タの中心と前記円錐型コイルバネの中心を合致して前記
    正特性サーミスタを圧入し、前記円錐型コイルバネの押
    圧力が前記正特性サーミスタを介して前記導電ワイヤの
    空間に導電シートを密に充填し、前記正特性サーミスタ
    の電極面の全面を密に電気接続すると共に、前記導電ワ
    イヤおよび前記導電シートと前記絶縁性伝熱板と前記金
    属体の各接合面を密着させて収納一体化し、前記円錐型
    コイルバネおよび前記導電ワイヤのワイヤ端子を導出し
    ない下面側から前記絶縁ケースを装着し、前記絶縁ケー
    スの内周と前記絶縁性剛体枠の側壁外周を位置決めして
    合致し、前記絶縁ケースの底面に前記絶縁性剛体枠の下
    面を当接し、前記絶縁カバーの端子孔から前記ワイヤ端
    子を突出し、前記絶縁ケースの上面開口部の側壁面と前
    記絶縁カバーの外周側壁面または前記絶縁性剛体枠のテ
    ーパ部と上面開口部の周辺面を含んだ少なくとも2つ以
    上の部品と前記絶縁カバーを接着または溶着または圧入
    固着により一体固着する正特性サーミスタ発熱体装置の
    製造方法。
  23. 【請求項23】 正特性サーミスタと第2の電極板の接
    触面または前記第2の電極板と絶縁性伝熱板の接触面ま
    たは前記絶縁性伝熱板と金属体の接触面、あるいは前記
    正特性サーミスタと導電シートの接触面または前記導電
    シートと前記絶縁性伝熱板の接触面または前記絶縁性伝
    熱板と前記金属体の接触面の内の少なくとも一つ以上の
    接触面に熱伝導性の液体または粘性体または固体の介在
    物を配設して押圧結合する請求項22に記載の正特性サ
    ーミスタ発熱体装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 導電シートは、正特性サーミスタの電
    極面と導電ワイヤと絶縁性伝熱板に接触し、円錐型コイ
    ルバネで押圧されたまま前記導電ワイヤおよび前記円錐
    型コイルバネのワイヤ端子に電圧を印加して前記正特性
    サーミスタの発熱した熱量により前記導電シートを軟化
    または溶融することにより、前記導電ワイヤの空隙を密
    に充填し、前記正特性サーミスタと前記絶縁性伝熱板を
    密着接合し固着する請求項21ないし23のいずれかに
    記載の正特性サーミスタ発熱体装置の製造方法。
  25. 【請求項25】 導電シートは、正特性サーミスタの電
    極面と導電ワイヤと絶縁性伝熱板に接触し、円錐型コイ
    ルバネで押圧されたままの状態で恒温槽に放置し、前記
    恒温槽の熱量により前記導電シートを軟化または溶融す
    ることにより、前記導電ワイヤの空隙を密に充填し、前
    記正特性サーミスタと前記絶縁性伝熱板を密着接合し固
    着するか、あるいは前記導電ワイヤと前記導電シートを
    予め複合部品として一体化してから絶縁ケースまたは絶
    縁性剛体枠に組み込み装着する請求項22に記載の正特
    性サーミスタ発熱体装置の製造方法。
  26. 【請求項26】 金属体の貫通孔の孔壁の厚みの設定も
    しくは高さの設定もしくは接合面の面積の設定または前
    記貫通孔と前記接合面との距離の設定、あるいは絶縁性
    伝熱板の厚みの設定もしくは大きさの設定もしくは接合
    面積の設定、あるいは正特性サーミスタの厚みの設定も
    しくは接合面積の設定、あるいは第2の電極板の厚みの
    設定もしくは接合面積の設定または第2の電極板の接合
    面に複数の突起を設けて正特性サーミスタと絶縁性伝熱
    板の間の接合面に定量的空隙を介在させて伝熱を制御す
    る設定、あるいは各部品の接合面に介在する熱伝導性物
    質の量の設定、あるいはコイルバネまたは円錐型コイル
    バネの圧力の設定のうち、少なくとも1つ以上の設定を
    用いることにより目的とする発熱温度を設定する請求項
    20ないし25のいずれかに記載の正特性サーミスタ発
    熱体装置の製造方法。
  27. 【請求項27】 内装器具に固定した請求項1ないし1
    9のいずれかに記載の正特性サーミスタ発熱体装置と、
    前記正特性サーミスタ発熱体装置の殺虫剤または芳香剤
    の薬液を浸透させた棒状浸透芯を備え、前記正特性サー
    ミスタ発熱体装置の正特性サーミスタが発熱した熱量で
    前記金属体の孔壁を所定の温度に加熱して、前記孔壁で
    囲まれた前記棒状浸透芯の一部を加熱して薬液を蒸散す
    る構成とした電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100540382B1 (ko) * 2003-02-14 2006-01-11 주식회사 옥시 레킷벤키저 개량형 전기 발향기
CN102595662A (zh) * 2011-09-16 2012-07-18 海尔集团公司 一种预防ptc电加热组件漏电起痕的方法
JP2015069847A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 京セラ株式会社 ヒータ

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