JPH07320849A - 正特性サーミスタ発熱体装置とその製造方法およびその正特性サーミスタ発熱体装置を用いたリキッド式電子蚊取り器 - Google Patents

正特性サーミスタ発熱体装置とその製造方法およびその正特性サーミスタ発熱体装置を用いたリキッド式電子蚊取り器

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JPH07320849A
JPH07320849A JP11105894A JP11105894A JPH07320849A JP H07320849 A JPH07320849 A JP H07320849A JP 11105894 A JP11105894 A JP 11105894A JP 11105894 A JP11105894 A JP 11105894A JP H07320849 A JPH07320849 A JP H07320849A
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JP
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temperature coefficient
positive temperature
insulating
coefficient thermistor
insulating case
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JP11105894A
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English (en)
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Eiji Nitori
英治 似鳥
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 正特性サーミスタの発熱量を金属体の貫通孔
に集中し、熱伝達にロスの少ない正特性サーミスタ発熱
体装置とその製造法および正特性サーミスタ発熱体装置
を用いたリキッド式電子蚊取り器を提供する。 【構成】 相対向する両主平面に電極22a,22bを
有する正特性サーミスタ22とその両電極面に当接して
正特性サーミスタ22を押圧挟持する電極板23,24
と絶縁性伝熱板25と金属体26の一部を絶縁ケース2
7の中に並べて配置収納し、ヒータコアとして独立させ
て絶縁カバー28で覆い封止する。この構成を樹脂を用
いずに電極板23で押圧挟持する構成とすることによ
り、正特性サーミスタ22の熱量を金属体26の貫通孔
264に集中させることができ、信頼性に優れかつ自動
生産が容易で安価な正特性サーミスタ発熱体装置を実現
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体を浸透させた棒状
の固形物を外周から加熱することにより蒸散させるのに
好適な正特性サーミスタを用いた正特性サーミスタ発熱
体装置とその製造方法および正特性サーミスタ発熱体装
置を用いたリキッド式電子蚊取り器に関する。
【0002】具体的な一例として、リキッド式電子蚊取
り器の殺虫剤を蒸散する薬剤浸透芯の加熱用ヒータに、
上記の正特性サーミスタを熱源として応用しており、こ
の正特性サーミスタは、自己温度制御による定温発熱機
能と規定温度以上に過熱しない安全機能を備えているた
め、小形高性能で取扱いが容易な安全なヒータとしてそ
のほとんどが専用的に用いられてきている。
【0003】
【従来の技術】近年、電子蚊取り器は使用の都度交換す
るマット式から、ほぼ1ヵ月間交換しなくても使えるボ
トル形のリキッド式に市場ニーズは移り変わり、使用時
間も連続的になってきたことで、ヒータの熱源に対する
安全性と信頼性はより高度なものが要求されてきてい
る。
【0004】そのため、熱源はニクロム線や印刷抵抗器
などの固定電力型の抵抗体に代わり、そのほとんどが自
己電力制御型で自己温度制御する温度依存性半導体抵抗
器の正特性サーミスタに置き代わりつつあり、市場も意
識的に安全で高信頼性の熱源として正特性サーミスタ発
熱体装置を求めるようになってきた。
【0005】また、正特性サーミスタ発熱体装置を用い
た電子蚊取り器もその普及に伴い、メーカ側の市場ニー
ズへの対応は正特性サーミスタ発熱体装置をより高品質
高性能で安全性の高いものに仕上げ、自動化などにより
大量に生産され、安価に提供されることがその使命とな
ってきている。
【0006】以下に従来の正特性サーミスタ発熱体装置
について説明する。図13において、殺虫剤ボトル1に
収容されている殺虫剤薬液2は、その中に浸漬されてい
る棒状浸透芯3の毛細管現象により吸い上げられる。棒
状浸透芯3は殺虫剤ボトル1の内側に一部突き出たガイ
ド101によりその下部を周囲から支持されている。さ
らに棒状浸透芯3はその上部を周囲から殺虫剤ボトル1
の上部の一部に形成した鍔形の蓋を兼ねるガイド102
により、棒状浸透芯3を周囲から締めつけて殺虫剤薬液
2が漏れ出ないようにされている。なお、棒状浸透芯3
は殺虫剤ボトル1から上方向の外に向かって適当寸法突
出している。そして、殺虫剤ボトル1の上部に形成した
ねじ山状の突出帯103で、リキッド式電子蚊取り器
(以下器具と呼ぶ)の内側の一部に嵌合し、殺虫剤ボト
ル1を器具内に収納し固定するものである。
【0007】前記器具の一部品であるボトル台4は殺虫
剤ボトル1の位置決めと据えつけを行っている。ボトル
台4に殺虫剤ボトル1の底部を固定支持する凹部401
は、ボトル台4から容器状に上方に外周突部402が突
き出して形成され、殺虫剤ボトル1を手で下方に無理押
しし、殺虫剤ボトル1の底部を嵌合するようにしてあ
る。外周凸部402は、上記器具の内装器具5の底部内
側の一部と嵌合する。また、ボトル台4は器具底面から
の蓋の機能も持つ。
【0008】内装器具5は正特性サーミスタ発熱体装置
の固定と、殺虫剤ボトル1の上部位置決め固定と、ボト
ル台4の嵌合固定を行って下記のようにそれぞれを一体
化する。帯状の突起501は、殺虫剤ボトル1の突出帯
103のねじ山とねじ山の谷に嵌合し、内周突起502
はボトル台4の外周凸部402の直下部の窪みに嵌合す
る。
【0009】PPS(ポリフェニレンサルファイド樹
脂)などの耐熱性を有する正特性サーミスタ発熱体装置
の容器状ケース6と、PPSなどの耐熱性を有する同装
置の蓋体7をアルミニウムや銅合金などの筒状放熱板8
で結合して鳩目固着し、これらを一体化したものを正特
性サーミスタ発熱体装置と呼ぶ。
【0010】筒状放熱板8は容器状ケース6と蓋体7の
両者を一体化すると共に正特性サーミスタの発熱を伝熱
し、筒状放熱板8内を挿通する棒状浸透芯3の上部周囲
を規定の均一な温度で加熱し、殺虫剤薬液2を蒸散する
ものである。正特性サーミスタ発熱体装置はビス9によ
り内装器具5に固定されている。
【0011】正特性サーミスタ発熱体装置のU字状の間
隙10は機種の異なる器具に機能するために設けられた
汎用性のものであり、このU字状の間隙10は、本説明
に引用した器具には機能しないもので全く無関係のもの
である(たとえば、別機種では筒状放熱板8を用いず異
形状な特殊放熱板をU字状の間隙に装着することで、正
特性サーミスタ発熱体装置のU字状の間隙10の開口側
から被加熱物を装着して行う時に機能するものであ
る)。
【0012】同器具の外装ケース11は内装器具5のカ
バーとして取り付けられ、正特性サーミスタ発熱体装置
に対し空間距離を保って外部と断熱し、かつ内部配線を
外部と絶縁して覆う位置に取り付けられている。外装ケ
ース11の頭頂部に設けた殺虫剤薬液2が蒸散する孔1
11は、一般的に棒状浸透芯3が挿通する筒状放熱板8
の筒径より幾分大きく開けてあり、殺虫剤薬液2の蒸散
ガスが器具内部に滞留しないようにしてある。そして器
具には電源プラグ12と同器具のON−OFFスイッチ
13が装着され、このスイッチ13にはランプが内蔵さ
れているものが多い。
【0013】図14において、正特性サーミスタ素体1
4の相対向する両主平面に設けた電極15a,15bを
付与した正特性サーミスタ15で、この正特性サーミス
タ15から導出して通電するステンレスなどの電極板1
6a,16bは、導出端子16c,16dを有する。ア
ルミニウムや銅合金などのU字状伝熱板17a,17b
は正特性サーミスタ15の発熱を伝熱する。上記正特性
サーミスタ15をシリコンなどの耐熱性樹脂接着剤(図
示せず)を電極板16a,16bの空隙部分に充填しな
がら電極板16a,16bで挟持し、さらにU字状伝熱
板17a,17bで挟持している。電極板16a,16
bとU字状伝熱板17a,17bの間の一部には電極板
16a,16bからはみ出た前記耐熱性樹脂接着剤が介
在している。
【0014】これら正特性サーミスタ15の両面に重層
挟持する電極15a,15b、電極板16a,16b、
U字状伝熱板17a,17bの三者は耐熱性樹脂接着剤
により一体化して同時に加熱固着しヒータのコア(以下
ヒータコアと呼ぶ)を形成する。このヒータコアを容器
状ケース6の開口形状に合わせて収納し、位置決めして
装着し、シリコンなどの樹脂によりヒータコアを埋没す
るべく密着充填し(これらの製造時は図14とは上下を
逆にした格好で行なわれる)、恒温槽で加熱硬化もしく
は室温にて放置硬化しヒータコアを容器状ケース6内に
固着する。そして、ヒータコアは樹脂で埋没する樹脂充
填部18を有する。
【0015】これらに蓋体7を被せ、容器状ケース6の
外周形状と合同設置し、筒状放熱板8を容器状ケース6
のU字状間隙10と繋がる孔に挿通しさらに蓋体7をも
挿通し、一部突出した筒状放熱板8の筒開口部を叩き広
げて鍔8a,8bを形成し、容器状ケース6と蓋体7を
鳩目固着のように機械的に強固に固着接続部19を形成
して加圧固着し一体化して正特性サーミスタ発熱体装置
を形成する。
【0016】棒状浸透芯3は筒状放熱板8の挿通孔20
に挿通し、筒状放熱板8の孔壁内径周囲の面から加熱さ
れ、殺虫剤薬液2が棒状浸透芯3の上部加熱部から蒸散
する。なお、容器状ケース6と筒状放熱板8との間には
空隙201が形成されている。
【0017】次に図14と図15を用いて、以下にその
製造法を説明する。図15は図14とは上下を逆にした
ような図になっている。まず図15に記載する詳細な部
材の構成要素を図中の上から順に説明する。以下、構成
番号は順不同とする。
【0018】蓋体7において、電極板16a,16bの
導出端子16c,16dを挿通する端子導出孔71a,
71b、容器状ケース6をガイドする突起帯72a,7
2b、筒状放熱板8を挿通し同鍔8bにて鳩目固着する
U字形底の加圧縁部73、内装器具5にビス9で固定す
るU字状の装置固定用突起74、そのビス9を挿通する
U字状の装置固定用溝75、筒状放熱板8を挿通するU
字底部の孔20aが形成されている。
【0019】U字状伝熱板17a,17bにおいて、U
字形伝熱腕171a,171b、容器状ケース6内のU
字形底の孔壁に近似し合同するU字孔172a,172
bが形成されている。電極板16a,16bにおいて、
容器状ケース6内に形成したU字溝に合同し位置決めす
るガイド端161a,161b、同容器状ケース6内の
U字形底の孔壁に近似し合同するU字底形に切り欠いた
ガイド弧162a,162b、シリコンなどの耐熱性樹
脂接着剤をはみ出させるためのY字孔163a,163
b、正特性サーミスタ素体14の電極15a,15bに
食い込んで導電接続するバーリング孔164a,164
bが形成され、Y字孔163a,163bはバーリング
孔164a,164bの複数孔を互いに個別に分離して
各々を独立弾性可変および独立懸架にする機能をも持
つ。
【0020】容器状ケース6において、正特性サーミス
タ15と電極板16a,16bとU字状伝熱板17a,
17bを積層して構成したヒータコアを設置収納する収
納部61、U字状伝熱板17a,17bのU字形伝熱腕
171a,171bをガイドし収納するガイド溝62、
筒状放熱板8を挿通するU字底部の孔20bが形成され
ている。筒状放熱板8において、筒開口部8cが形成さ
れている。
【0021】以上の詳細な構成において、正特性サーミ
スタ15の電極15a,15bの両面に印刷などの手段
により耐熱性樹脂接着剤(図示せず)を塗布し、これら
を電極板16a,16bを介してU字状伝熱板17a,
17bで挟持する。電極板16a,16bに形成したバ
ーリング孔164a,164bの突出部は上記電極15
a,15bに互いに食い込んで導電接続し、バーリング
孔164a,164bとY字孔163a,163bから
は塗布した耐熱性樹脂接着剤がはみ出てU字状伝熱板1
7a,17bに付着する。同時に導出端子16c,16
dを水平一列に位置決めし、電極板16a,16bのガ
イド端161a,161bおよびガイド弧162a,1
62bとU字状伝熱板17a,17bのU字形伝熱腕1
71a,171bおよびU字孔172a,172bのそ
れぞれの形状を合わして詳細位置決めし、挟持する方向
から加圧しながら高温恒温槽で規定時間加熱硬化して一
体化し、ヒータコアを作製していた。また加圧時におい
て導出端子16c,16dに通電して正特性サーミスタ
15を発熱させ、この発熱量で耐熱性樹脂接着剤を加熱
硬化することも行っていた。
【0022】容器状ケース6の内底部全面に予め低粘度
で流れ性の良いシリコンなどの樹脂充填剤を適量注入し
ておき、これにヒータコアを収納していた。収納部61
には正特性サーミスタ15を挟持した固着部を、ガイド
溝62にはU字状伝熱板17a,17bのU字形伝熱腕
171a,171bをそれぞれ配置して収納設置し、さ
らに前記同樹脂充填剤を静かに注入して樹脂充填部18
を埋め、容器状ケース6の開口面から充填樹脂が溢れ出
ないようにし、ヒータコアが見えなくなるまで注入充填
し、これを真空脱泡機内に放置または室温に適当時間放
置して、樹脂内に残留した気泡を除去し、蓋体7を被せ
る。
【0023】蓋体7の端子導出孔71a,71bからは
導出端子16c,16dを挿通し、蓋体7の突起帯72
a,72bには容器状ケース6の外壁をガイドして装着
し、蓋体7のU字底部の孔20aと容器状ケース6のU
字底部の孔20bは互いに合わして装着する。U字底部
の孔20a,20bに筒状放熱板8を挿通して筒開口部
8cを突出させ、蓋体7のU字形底の加圧縁部73に筒
開口部8cを機械的に叩き広げて鍔8a,8bを形成
し、さらに加圧して鳩目固着する。これを高温恒温槽に
規定時間放置して加熱硬化または室温に規定時間放置し
て自然硬化し、ヒータコアと容器状ケース6と蓋体7と
筒状放熱板8とを強固に熱的にまた機械的に密着固着す
る。
【0024】さらに、組み込んだ正特性サーミスタ発熱
体装置を温度検査機に装着し、導出端子16c,16d
から電圧を印加して正特性サーミスタを発熱させ、筒状
放熱板8を温度上昇させて規定時間放置して表面温度を
安定させ、筒状放熱板8の挿通孔20に温度センサを当
接して温度検査を行い、製品の完成を確かめるという製
造方法であった。
【0025】以上のように構成された従来の正特性サー
ミスタ発熱体装置について、以下その動作について説明
する。まず、リキッド式電子蚊取り器の電源プラグ12
をコンセントに差し込んでスイッチ13をONすると、
電圧は電極板16a,16bの導出端子16c,16d
に印加され、電極15a,15bを介して正特性サーミ
スタ15に通電され、ジュール熱により自己発熱して電
極板16a,16bを介してU字状伝熱板17a,17
bに伝熱する。さらに樹脂充填部18に充填したシリコ
ンなどの埋没樹脂に伝熱し容器状ケース6の孔壁を介し
て筒状放熱板8に伝熱し、棒状浸透芯3を加熱して棒状
浸透芯3は温度上昇する。正特性サーミスタ15は自己
発熱を続け筒状放熱板8はこれに応じて放熱し棒状浸透
芯3をさらに加熱する。
【0026】時間が経過すると共に、正特性サーミスタ
15は自己発熱と共に自らの抵抗値が上昇することによ
り電力を減少していき、正特性サーミスタ15の自己発
熱量と筒状放熱板8の放熱も一定になって、正特性サー
ミスタ発熱体装置の表面温度は安定する。
【0027】これらの発熱状態において、正特性サーミ
スタ15に印加される電圧が変動した場合(100/1
10V商用電源の電圧変動は最大±10%以内、または
220/240V商用電源では最大±20%以内と考え
て良い)、たとえば規定の電圧より低くなったとする
と、正特性サーミスタ15への印加電圧が小さくなるた
め、正特性サーミスタ15は自己発熱が小さくなる方へ
働くが、同時に自らの抵抗値が下がるため電流を増加さ
せ、電力は元のまま一定で発熱量は変わらず、筒状放熱
板8の表面温度は一定で変わらない。逆に、電圧が高く
なると、印加電圧が大きくなり、正特性サーミスタ15
は自己発熱が大きくなる方へ働き、抵抗値が上昇して電
流を低減させ、前記同様電力は元のままを維持し一定で
発熱量は変わらず、筒状放熱板8の表面温度は変わらな
い。
【0028】また、周囲温度に変動が生じた場合、たと
えば周囲温度が低くなった場合、正特性サーミスタ15
は冷やされ、自らの抵抗値が下がり電流が増加し電力が
幾分増加するため、正特性サーミスタ15の発熱量が増
加し、正特性サーミスタ15は筒状放熱板8が周囲温度
の低下により冷やされた分を補い加熱し、周囲温度の低
下よりも小さい低下量で安定するため、筒状放熱板8の
表面温度は若干低下する程度で安定する。逆に、周囲温
度が上昇すると、正特性サーミスタ15が外温で加熱さ
れることになるため、自らの抵抗値を上昇して電流を減
少させ電力が幾分減少することから、正特性サーミスタ
15の発熱量が低下し、正特性サーミスタ15は筒状放
熱板8が周囲温度の上昇により加熱された分よりも少な
いことから、周囲温度の上昇量よりも小さい上昇量で安
定するため、筒状放熱板8の表面温度は若干上昇する程
度で安定する。このように、電圧の変動、周囲温度の変
動に対し、正特性サーミスタ15はそれぞれの条件に応
じて自らの抵抗値を変え、電力制御して自己発熱するた
め固定抵抗型のヒータで構成された発熱体装置に比べ、
安定して加熱を行うことができる。
【0029】また、電圧の上昇、周囲温度の上昇によ
り、正特性サーミスタ15は自らの抵抗値を敏感に対数
的に著しく上昇して自己発熱を抑えることから、異常時
には電力量が極小になり過熱することがない。そのた
め、固定抵抗型のヒータで構成された発熱体装置よりも
安全性が高く、かつ巻線固定抵抗型ヒータのように通常
使用での経時的な熱酸化による断線などの不具合が起こ
ることもなく、信頼性の高いヒータとして用いられる。
この安定性に優れ、安全性、信頼性の高い正特性サーミ
スタ発熱体装置の加熱をリキッド式電子蚊取り器に用い
ることで、加熱温度で蒸散がデリケートに変化する殺虫
剤薬液2を棒状浸透芯3から安定して加熱蒸散させるこ
とができるというものであった。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、以下の問題点を有していた。
【0031】まず、性能上の問題点として正特性サーミ
スタ15は容器状ケース6内にシリコンなどの樹脂で埋
没し密着充填しているため、正特性サーミスタ15の自
己発熱量はこの充填剤に伝熱し、容器状ケース6と蓋体
7をも加熱することから、筒状放熱板8に伝熱する熱量
よりも容器状ケース6と蓋体7に伝熱する量の方が大き
く、正特性サーミスタ発熱体装置周囲の内装器具5や外
装ケース11や外気の不要部を加熱することになり、棒
状浸透芯3の加熱に対しロスが大きいという問題を有し
ていた。
【0032】また、筒状放熱板8は容器状ケース6と蓋
体7とが合同する孔部に挿通して鳩目固着して結合され
ているため、筒状放熱板8に特に伝熱で寄与する容器状
ケース6のU字底部の孔20aの孔壁との間に空隙20
1ができやすく、この空隙201が断熱となり伝熱に妨
げとなっていた。したがって、電圧の変動に対し正特性
サーミスタ15が敏感に応答して自己温度制御しても、
空隙201によって断熱されているため、筒状放熱板8
の表面温度の応答性が遅いものであった。また周囲温度
の変動により、筒状放熱板8の表面温度が低下または上
昇した場合、同様にこの空隙201が断熱して正特性サ
ーミスタ15の自己温度制御の応答が遅く、筒状放熱板
8にフィードバックされる熱量制御の速度も遅いという
問題も有していた。
【0033】また、製造する上で容器状ケース6に注入
する樹脂の量が多いと、筒状放熱板8を取り付けて鳩目
固着する場合、蓋体7が鳩目固着の機械的加圧力により
希に樹脂を押すため、充填した樹脂が容器状ケース6の
開口部から溢れ出て、固着接続部19の合わせ目から空
隙201に流れ出し、この空隙201をも充填してしま
う場合もあった。空隙201が樹脂で充填されると、容
器状ケース6と筒状放熱板8との断熱が無くなるため熱
伝達が大変良くなり、筒状放熱板8の表面温度が異常に
高くなることから、空隙201に樹脂が存在するかしな
いかのばらつきにより熱伝達が大きく異なり、この表面
温度の設定が困難を極めるという問題を有していた。
【0034】また、信頼性上の問題点として、容器状ケ
ース6に注入して充填するシリコンなどの樹脂は、微視
的にポーラスであるため、溶剤や石油系の化合液がかか
ると吸収膨潤し、樹脂の高分子結合を破壊して樹脂の性
能を損なうことが一般的に知られている。リキッド式電
子蚊取り器に用いる殺虫剤薬液2は、この石油系化合液
をベースにして殺虫効果のある薬品を成分調整し混合し
て造られていることから、前記シリコンなどの樹脂に与
える影響は同様であった。正特性サーミスタ発熱体装置
に殺虫剤薬液2がかかった場合、殺虫剤薬液2は固着接
続部19の合わせ目から浸透し、容器状ケース6内に充
填しているシリコンなどの樹脂を膨潤させる。この膨潤
する膨脹力は大きく、その力は正特性サーミスタ15に
固着している電極板16a,16bとU字状伝熱板17
a,17bを引き剥がす方向に働くため、正特性サーミ
スタ15の導通接続をオープンにし断線状態にしたり、
さらには容器状ケース6や蓋体7に亀裂を生じさせるこ
ともあるという問題を有していた。特に充填する樹脂が
少ないと、蓋体7と容器状ケース6の間に空間ができ、
ヒータコアが容器状ケース6内に露出するため、浸透し
た殺虫剤薬液2がこの空間に溜り、充填した樹脂が加速
的に膨潤して、正特性サーミスタ15を比較的短時間で
オープンにしてしまうものであった。
【0035】また、製造上の問題点として、正特性サー
ミスタ15、電極板16a,16b、U字状伝熱板17
a,17bを耐熱性樹脂で接着して固着したり、またこ
れらを一体化してヒータコアを形成し容器状ケース6内
に収納し機械的にかつ熱的に密着固着するために、それ
ぞれに耐熱性の樹脂接着剤、埋没充填する樹脂充填剤を
用いていたことで、製造工程の各固着工程において以下
のような種々の問題点を有していた。
【0036】たとえば接着工程においては各構成部材を
位置決めして重層し、固着するために加圧した時、各部
材間に介在する樹脂により滑りを生じて重層ずれを起こ
したり、また樹脂硬化後、樹脂のはみ出しやずれにより
外形寸法に異常を生じて、容器状ケース6内に収納する
において時折不具合なことがあった。また樹脂充填工程
においては、充填樹脂を容器状ケース6に注入した時、
溢れ出たり、また容器状ケース6に蓋体7を被せて装着
し容器状ケース6と蓋体7のU字底部の孔20a,20
bに筒状放熱板8を挿通して鳩目固着する時、その加圧
力が同時に充填樹脂をも加圧することで容器状ケース6
の外壁63や固着接続部19の合わせ目から内部の充填
樹脂が外部に漏れ、外観を汚し、また組み立て設備や治
具なども汚してメンテナンスを困難にしたり、時に蓋体
7の端子導出孔71a,71bの隙間から漏れ出て導出
端子16c,16dに付着し接続不良を起こす要因にな
ったりするなどの不具合も生ずることがあった。
【0037】また、容器状ケース6のU字底部の孔20
bの孔壁と筒状放熱板8との間の空隙201に漏れて空
隙201が無くなると熱伝達が良くなり、筒状放熱板8
の表面温度が著しく上昇するため、温度検査において不
良となる場合があった。これらの不具合はいずれも製造
上不良品となり歩留まりに悪影響を与えていた。また、
前記それぞれの樹脂硬化において、恒温槽や室温に規定
時間放置する必要があったため、工程の流れが一時的に
中断してしまい、また製品の移動時間や放置時の待ち時
間などがあり、完成品となるまでに多くの時間ロスがあ
ったことと、硬化するための場所や設備も必要であり、
総じて生産効率が悪いという問題を有していた。
【0038】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、接着樹脂や充填樹脂を全く用いないことで樹脂の漏
れによる表面温度の異常を皆無にし、また樹脂の膨潤に
よるオープンの事故を皆無にして信頼性を著しく向上
し、使用目的に応じて容易に広い範囲で必要温度が設定
でき、また樹脂を用いないクリーンな構成が製造の自動
化を容易に実現することができる正特性サーミスタ発熱
体装置とその製造方法および正特性サーミスタ発熱体装
置を用いたリキッド式電子蚊取り器を提供することを目
的とするものである。
【0039】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の正特性サーミスタ発熱体装置は、正特性サー
ミスタ素体の相対向する両主平面に電極を有する正特性
サーミスタと、この正特性サーミスタの両電極面に各々
当接して押圧挟持する第1と第2の電極板からなる一対
の電極板と、正特性サーミスタの発熱を伝熱する絶縁性
伝熱板と、これらに結合する接合面を有すると共に一部
に筒状の貫通孔を有する金属体と、これらの部品を収納
するため側壁の一部と上面が開口すると共に内壁の相対
向する一部に部品を安定収納するためのガイド凸部と、
このガイド凸部の内側と外側に前記部品を収納する凹部
を有する有底状の絶縁ケースと、前記電極板の端子部を
挿通する端子孔と装着固定用の固定孔を有し前記絶縁ケ
ースの上面開口部を覆って収納した前記部品と絶縁し固
着一体化する有底状の絶縁カバーとを備えた構成とした
ものである。
【0040】また、前記正特性サーミスタ発熱体装置の
製造方法は、絶縁ケースの側壁の開口部に設けた凸部に
前記金属体のガイド凹部を嵌入し、このガイド凹部と連
続する金属体のガイド凸部を前記側壁開口部の凸部の内
壁に互いに当接して配置し、絶縁ケース内に上面開口の
収納部を形成し、また前記絶縁ケースの内壁のガイド凸
部の外側の凹部に絶縁性伝熱板の端部を嵌入して金属体
の接合面に当接し、また平面を有する第2の電極板を絶
縁性伝熱板に当接して配置し、弾性を有する第1の電極
板は前記金属体と対向する前記絶縁ケースの側壁に当接
すると共に絶縁ケースの内壁のガイド凸部の内側の凹部
にその一部を嵌入して位置決めして配置し、一対の電極
板の間に正特性サーミスタを嵌入して、第1の電極板の
弾性力により前記金属体に前記正特性サーミスタと前記
第2の電極板とを密着させて収納一体化し、上面開口部
に前記絶縁カバーを装着し前記端子部を突出して接着ま
たは溶着または圧入固着により固着一体化する製造方法
としたものである。
【0041】
【作用】この構成によって、従来、シリコンなどの樹脂
を用いて正特性サーミスタ発熱体装置を構成していたの
に対し、本発明は樹脂を全く用いずに同装置の構成を行
うことで種々の特徴が得られることから、以下にその作
用を順に説明する。
【0042】まず、特性および性能面では正特性サーミ
スタの発熱量を不要な部分へ伝熱させることが少なくな
るとともに、正特性サーミスタと金属体の筒状の貫通孔
との間の熱伝達経路に空隙のような断熱部がなくなるこ
とから、加熱の目的である金属体の貫通孔にほとんどの
熱を伝熱できることになり、加熱ロスの少ない発熱体装
置を容易に提供できることになる。また、希に殺虫剤薬
液が漏れて発熱体装置に浸透した場合、樹脂を用いてい
ないことから樹脂の膨潤による装置の導通をオープンに
するという問題がなく、また樹脂の膨潤によるケースの
亀裂発生もなくすることができることになる。
【0043】次に製造方法上では構成部品を位置決めし
固着する装置組み立ての工程において、各構成部品を絶
縁ケース側壁のガイド凸部をガイドにして中に順に並べ
て収納して互いの面を結合し、これを絶縁カバーを装着
して覆い固着一体化するだけで正特性サーミスタ発熱体
装置が得られることから、従来のような樹脂接着および
充填固着における構成部品の重層ずれや樹脂はみ出しな
どによる不具合がなくなるとともに、樹脂硬化工程がな
いことから製造工程が中断せず、組み立ても簡易になり
組み立て工数を大幅に低減でき、組み立て設備や治具の
汚れもなくなることからメンテナンスフリーが実現で
き、総じて生産効率が向上し生産の自動化が容易に実現
できることになる。
【0044】また、前記各構成部品を絶縁ケースの中に
順にならべて配置したままでも収納物が動かず固定して
いることから、これを基本形状としてヒータコアを形成
し独立させ、この基本形状であるヒータコアを不変に
し、かつここまでの生産工程を前半工程として不変にす
ることで生産上の扱いが大変容易になり、以降後半工程
として絶縁カバーまたは絶縁板と固定金具などの付加部
品を目的によって種々準備し、かつ前記ヒータコアに取
り付ける組み立て工程も種々準備することで大変フレキ
シブルで応用範囲の広い生産工程を得ることができるこ
ととなる。
【0045】このような工程を得ることで、このヒータ
コアを収納する絶縁カバーまたは固定金具の形状を種々
用途別に多目的に変え、またヒータコアを装着する機器
の受動部をヒータコアの形状に一致させることでも製品
の応用が拡大する。またヒータコアは不変であり、前半
工程も不変であることから、製品の目的が異なってもヒ
ータコアと前半工程が生産上共通となることで数量の変
動生産が頻繁な機器への応用も、後半工程を若干変更し
て対応させることで容易に実現できるものである。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例の正特性サーミスタ発
熱体装置とその製造方法および正特性サーミスタ発熱体
装置を用いたリキッド式電子蚊取り器について、図面を
参照しながら説明する。
【0047】(実施例1)図1(b)において、正特性
サーミスタ素体21の上下に相対向する両主平面に設け
た電極22a,22bを示し、以下これらを正特性サー
ミスタ22と呼ぶ。
【0048】この正特性サーミスタ22の両電極22
a,22bの両面に各々当接して正特性サーミスタ22
を押圧挟持する一対の電極板の一方の弾性を有する第1
の電極板23の端子部231、そしてこの第1の電極板
23に複数に舌片を設けたばねの機能を有する弾性片2
32、そして一対の電極板の他方の平面を有する第2の
電極板24の端子部241、第2の電極板24の端子部
241の根元に形成し屈曲ストレスを緩和するスリット
242、絶縁性伝熱板25に設けられた第2の電極板2
4に接触結合する接合面251を示す。
【0049】そして、金属体26の一方に設けられた絶
縁性伝熱板25に接触結合する接合面261、金属体2
6を装着して位置決めするガイド凸部262a,262
b、同じく金属体26を装着して位置決めするガイド凹
部263a,263b、そして金属体26の他方に設け
られた棒状浸透芯3を挿通して加熱する貫通孔264を
示す。
【0050】図1(c)において、正特性サーミスタ2
2と第1の電極板23と第2の電極板24と絶縁性伝熱
板25と金属体26を位置決めして装着する絶縁ケース
27に設けられた絶縁ケース27の内側の壁の一部を開
口にして金属体26を装着する側壁開口部271、絶縁
ケース27に正特性サーミスタ22と第1の電極板23
と第2の電極板24と絶縁性伝熱板25と金属体26を
装着するために設けた上面開口部272、絶縁ケース2
7の側壁開口部271の両側壁から突き出して短く囲み
部を設けた金属体26をガイドする凸部273a,27
3b、金属体26のガイド凹部263a,263bに位
置決めされるガイド面274a,274b、絶縁ケース
27の凸部273a,273bに連続して金属体26の
ガイド凸部262a,262bと絶縁性伝熱板25の両
側と第2の電極板24の両側を装着してガイドするガイ
ド凸部276a,276bの外側のコ字状の凹部275
a,275b、コ字状の凹部275a,275bに連続
して金属体26と絶縁性伝熱板25の両側と第2の電極
板24の両側を装着してガイドすると共に、第1の電極
板23を位置決めするように突起を設けたガイド凸部2
76a,276b、第1の電極板23の両側を支持して
起立位置決めするガイド凸部276a,276bの内側
の凹部277a,277b、第1の電極板23を当接し
弾性片232をばね支持し両端単純支持はりを構成する
絶縁ケース27の後壁278、絶縁ケース27の側壁開
口部271の底面に設けた金属体26の貫通孔264の
孔形状に近似で貫通孔264よりも半径が大きい弧状欠
如部279を示す。絶縁ケース27の内側の側壁に形成
したガイド凸部276a,276bと凹部277a,2
77bは、絶縁ケースの側壁開口部271の中心と後壁
278の中心を結ぶ中心線を軸に対称形を有し、凸部2
73aは凸部273bに、ガイド面274aはガイド面
274bに、凹部275aは凹部275bに、ガイド凸
部276aはガイド凸部276bに、凹部277aは凹
部277bに、それぞれ対称に対向する構成にしたもの
である。
【0051】図1(a)において、絶縁ケース27の上
面開口部272に被せて上記内装部品を封止して絶縁す
る絶縁カバー28、絶縁ケース27の凸部273a,2
73bの外壁面にガイドして位置決め固着するガイド部
281a,281b、絶縁カバー28の一方に設けた第
1の電極板23の端子部231を導出する端子孔28
2、同じく第2の電極板24の端子部241を導出する
端子孔283、絶縁カバー28の他方に設けた絶縁カバ
ー28の底面から連続して一部突出して機器に装着固定
する腕となる固定部284、ビス止め固定やリベット固
定などの手段により機器に装着固定する固定部284の
一部に設けた固定孔285、弧状欠如部279と同様に
絶縁カバー28に設けた弧状欠如部286を示す。
【0052】図2において、絶縁ケース27の側壁開口
部271の凸部273aと金属体26のガイド凹部26
3aを合致させ、また同凸部273bと金属体26のガ
イド凹部263bを合致させ、凸部273aのガイド面
274aおよび凸部273bのガイド面274bをそれ
ぞれ金属体26のガイド凹部263aおよびガイド凹部
263bに滑り込ませて嵌め合わせ、底面に当接して位
置決めする。金属体26のガイド凸部262aは絶縁ケ
ース27の凸部273aに引っ掛けて固定し、またガイ
ド凸部262bは凸部273bに引っ掛けて固定し、前
後方向にずれない構造となる。この結果、絶縁ケース2
7から金属体26の筒状の貫通孔264を設けた部分が
突出し、絶縁ケース27と金属体26とで正特性サーミ
スタ22と一対の電極板23,24と絶縁性伝熱板25
と金属体26の一部(接合面261側の部分)とを収納
する収納部を形成することができる。
【0053】また、絶縁性伝熱板25の両側端部を絶縁
ケース27のコ字状の凹部275a,275bに合致さ
せ、また金属体26の接合面261と絶縁性伝熱板25
の対向する接合面251の片側を合致させ滑り込ませて
嵌入し、絶縁ケース27の底面に当接して位置決めす
る。
【0054】また第2の電極板24の両側端部を絶縁ケ
ース27のコ字状の凹部275a,275bに合致させ
ると共に、第2の電極板24の平面部を絶縁性伝熱板2
5の対向する接合面251の片側を合致させ滑り込ませ
て嵌入し、上記同様に絶縁ケース27の底面に当接して
位置決めする。これら金属体26と絶縁性伝熱板25と
第2の電極板24は絶縁ケース27のガイド凸部276
a,276bの外側のコ字状の凹部275a,275b
によって抱え込まれ、前後に動き回ることなく三者が一
括して位置決めされるものである。
【0055】次に、絶縁ケース27のガイド凸部276
a,276bの内側の凹部277a,277bに第1の
電極板23の端部である端子部根元の一部および複数の
弾性片232の両外側に位置する弾性片232と連結す
る端部を滑り込ませて装着する。このとき、この弾性片
232は絶縁ケース27のガイド凸部276a,276
bが対向する間隙部に可動的に装着され、第2の電極板
24の平面部と対向する位置に安定する。
【0056】弾性片232と第2の電極板24との間に
正特性サーミスタ22を圧入し電極22a,22bをそ
れぞれの電極板23と24に密着して電気導通する構造
となる。また正特性サーミスタ22の外周である側面の
一部が絶縁ケース27のガイド凸部276a,276b
で両側から挟持されることから横ずれすることがなく、
弾性片232の中央部および第2の電極板24の中央部
に位置決めされるため、熱伝達経路の中央に位置するこ
とになる。また第1の電極板23の弾性片232は、正
特性サーミスタ22と第2の電極板24と絶縁性伝熱板
25と金属体26を一括して押圧し、絶縁ケース27の
後壁278とガイド凸部273a,273bに突っ張り
強固に固着するものである。正特性サーミスタ22と第
2の電極板24と絶縁性伝熱板25と金属体26の各接
合面は平面でありそれぞれが密着する構造となるもので
ある。上記構成までのものを基本構造品としてヒータコ
アと称する。
【0057】図3において、上記ヒータコアの絶縁ケー
ス27の上面開口部272に絶縁カバー28を被せ端子
部231を端子孔282に挿通し、また端子部241を
端子孔283に挿通して絶縁ケース27の上面開口部2
72の上面周囲の側壁に絶縁カバー28の底部を当接し
装着する。絶縁カバー28はその底部を囲むように外周
に側壁を設け、絶縁ケース27の外側の側壁と当接して
位置決めし絶縁ケース27を囲んで抱え込んで固着一体
化してなる。上記説明の器具に装着するにおいては、絶
縁カバー28を下にして端子部231,241を下面か
ら導出し、ヒータコアが絶縁カバー28の上に乗るスタ
イルで使用するものである。
【0058】以下に、図1と、図2と、図3および図4
を用いて同装置の詳細な構成の説明を加えながら、製造
方法について説明する。
【0059】まず、上記構成部品を以下の作成法により
準備する。正特性サーミスタ素体21の上下または表裏
の相対向する両主平面にメッキ、印刷、蒸着、溶射など
の方法により電極22a,22bを形成し正特性サーミ
スタ22を作成する。一般に電極22a,22bの材質
にはニッケル、銀、金、インジウム、ガリウム、アルミ
ニウム、亜鉛、銅、カーボンなどがあり、正特性サーミ
スタ素体21とオーミック接続できる電極材としてそれ
ぞれ単一材もしくは合金材もしくはそれぞれを複合して
電極形成時に重層する加工法を用いて説明する。その電
極材料形態は電解液、固体(棒または板またはワイヤな
ど)、粉体、ペーストの状態にして電極形成を行うもの
である。
【0060】なお、正特性サーミスタ素体21の上下ま
たは表裏の相対向する両主平面は平行であり、かつ面の
粗さは小さいほうが望ましく、さらなる性能向上のため
平面研磨を行い鏡面仕上げを行ってもよい。このように
することで、正特性サーミスタ22と接合する構成部品
との面接触がしやすく、また密着することになり正特性
サーミスタ22の発熱を効率よく熱伝達することができ
ることになるものである。
【0061】第1の電極板23と第2の電極板24は正
特性サーミスタ22に導電端子として接続すると共に正
特性サーミスタ22が通電によって自己発熱し高温にな
ることから、両者には耐熱性の金属材料としてステンレ
ス、銅合金またはベリリウム合金にニッケルなどのメッ
キを施したものや、鋼材に耐食メッキした板材などを用
い、かつ第1の電極板23はその中でも高温雰囲気にあ
ってばね性を損なわない洗練された金属材を用いること
になる。この場合、製品構成の性能、信頼性、経済性、
材料調達性などを考慮して総合的に判断すると、両電極
板材料にはステンレス材を使用することが好ましいと思
われる。
【0062】また第1の電極板23と第2の電極板24
は、帯状のフープ金属板を用いて金型設備に順送し、打
ち抜きとプレス成型で連続加工し、第1の電極板23と
第2の電極板24を左右に振り分けて対にし、また別々
の工程でそれぞれ専用に連続加工して作成し、切断機に
送って分離するなどの自動工程を設定して作成してもよ
い。特に第1の電極板23の弾性片232の作成は複数
の弾性個片に分割してそれぞれが独立し、正特性サーミ
スタ22を複数の弾性片232でそれぞれ独立して個々
に均等な荷重で押圧する必要があることから、弾性状に
打ち抜きしプレス成型を行うに当たっては、それぞれの
弾性個片がぶれることなく一列に整列していなければな
らないため、加工に当たっては同時に打ち抜きを行い、
同時にプレス成型をしなければならないことになる。そ
のため順送加工を行うことによって同時に高精度な加工
を行うことができるものである。
【0063】絶縁性伝熱板25は正特性サーミスタ22
の高温発熱を金属体26に伝熱すると共に両者を絶縁す
るものであり、同時に両者を面で密着して伝熱するため
強力に押圧されることから、これらの機能を満足するに
は熱伝導性に富み機械強度に優れた耐熱性の材料および
表面の平滑性が必要となり、たとえば磁器(アルミナ磁
器、ベリリア磁器、窒化アルミ磁器など)、表面を絶縁
処理した金属体(銅または銅合金、アルミニウム、鋼材
など)、樹脂材(シリコン系など)が考えられるが上記
同様に総合的に判断するとアルミナ磁器の方が好まし
い。
【0064】またアルミナ磁器の加工方法は個片の成型
焼成、シート成型品の焼成物をブレークして個片にする
などの作成方法により提供するもので、面で密着するた
めの平滑性の確保は研磨などを行うのが好ましい。
【0065】金属体26は一部に貫通孔264を有し、
貫通孔264を挿通するたとえば殺虫剤が浸透している
棒状浸透芯3を貫通孔264の内周から加熱することか
ら、正特性サーミスタ22の高温発熱をロスなく熱伝達
する必要がある。
【0066】また押圧力が掛かると共に殺虫剤などに曝
されることから環境からの腐食をも考慮した材料選定を
必要とする。そのため耐熱性、熱伝導性、機械強度、耐
食性、加工性などの要求を満足できる材料としては、金
属では銀、銅または銅合金、アルミニウムなどがあり、
また非金属ではアルミナ磁器、窒化アルミなどが考えら
れるが、上記電極板選定と同様に総合的判断から金属材
料のアルミニウムを用いるのが好ましい。たとえばアル
ミニウムを用いることによって、金属体26を作成する
製造方法は加工性に富むことから、切削、インパクト成
型、押し出し成型と切断、鋳物成型などにより容易に作
ることができる。特に押し出し成型であれば、短時間に
連続的に同形状のものを寸法誤差なく作成でき、規定寸
法で順送切断することにより迅速に作成できることから
高品質で安価な金属体26を提供できるものである。
【0067】また、接合面261は絶縁性伝熱板25の
面と密着するため研磨などにより平滑に仕上げるとより
好ましいものである。切断および研磨後はその各エッジ
にばりが生ずることがあるため、組み立て上でばりが人
体に傷を与えたり、ばりが飛散してショートの原因にな
ったり、組み立て治具や設備に支障を生じさせたり、製
品の使用時に装着する棒状浸透芯3を削って損傷するな
どの不具合を生ずるため、金属体26を切断および研磨
した後はばり取りを行うと共に、切断、研磨およびばり
取りおいては水、油、異物などの付着があるため、作業
後は洗浄と乾燥を行って提供するものである。
【0068】絶縁ケース27は正特性サーミスタ22、
第1の電極板23、第2の電極板24、絶縁性伝熱板2
5、金属体26を上面開口部272から装着し後壁27
8と側壁開口部271の方向に強固に押圧して内装し、
その押圧力の全ては絶縁ケース27の後壁278と側壁
開口部271の凸部273a,273bにかかり、また
正特性サーミスタ22が発熱する高温の熱を受けて外部
と断熱する機能をも必要とすることから、断熱して頑丈
に保持する材料には耐熱があり機械的に高強度で絶縁性
を有することが要求される。そのため、磁器、耐熱性プ
ラスチックなどを用いるが、上記同様に総合的に判断す
ると磁器材の方が好ましい。
【0069】また、絶縁ケース27の内底面に多数の凹
凸を形成し、正特性サーミスタ22、絶縁性伝熱板2
5、金属体26をこの凹凸で接触支持して凹凸に介在す
る空気層で断熱を行い、絶縁ケース27に上記各構成部
品から熱伝達する熱量を低減して金属体26に熱伝達す
るように、不要部へのロス低減を行う構成とする方が好
ましい。
【0070】また、絶縁ケース27はその側壁開口部2
71の両端に凸部273a,273bと、内壁に凹部2
75a,275bとガイド凸部276a,276bと凹
部277a,277bを左右対称に互いに相対向する位
置に設け、上記構成部品を機械圧力によって上記各凹凸
部をガイドに装着することから、組み立て作業時におい
てその衝撃などによりそれぞれのエッジが欠損を生じた
りすることもあるため、磁器作成においてエッジに丸み
を形成して上記欠損を防止するように、予め成型金型の
上記エッジに対応する部分に適度な丸みを作り作成する
ものである。またこの丸みが上記構成部品を装着すると
き各部品のコーナが当接しても引っ掛かることなく容易
に滑り込み、組み立てが容易になる効果がある。
【0071】上記の磁器成型部材は正特性サーミスタ発
熱体装置として器具に装着するにおいても、エッジに丸
みがあれば、器具に対しても傷を付けたり損傷したりす
ることがないため、使いやすい装置とすることができる
ものである。また金属体26を側壁開口部271に装着
して貫通孔264を突出した場合、絶縁ケース27の側
壁開口部271の底面の一部が貫通孔264を塞がない
ように、開口部底面の一部を貫通孔264の円周形状に
相似して大きめに弧状欠如して形成するものである。
【0072】絶縁カバー28は上記構成部品を強固に押
圧内装した絶縁ケース27の上面開口部272を覆い端
子孔282,283から端子部231,241を挿通導
出し絶縁ケース27の上面外周の側壁面に当接して閉塞
するため、正特性サーミスタ22の高温発熱を直に伝熱
して受けることになる。そのため外部と断熱しその発熱
温度に耐え外部と絶縁する機能を合わせ持ち、器具に装
着する機械的押さえ強度に耐える頑丈な材料が必要とな
る。
【0073】耐熱性があり機械的に高強度で絶縁性を有
し取扱いが容易な材料として、液晶ポリマー樹脂成型
体、PPS樹脂成型体、フェノール樹脂成型体、シリコ
ン樹脂成型体などの耐熱性プラスチックや磁器などを用
いるが、上記同様に総合的に判断すると耐熱性プラスチ
ックによる樹脂成型体の方が好ましい。特にPPS樹脂
成型体は耐熱性と加工性と経済性に優れ好ましい材料と
いえる。
【0074】また、絶縁カバー28の内底面に多数の凹
凸を形成し、正特性サーミスタ22、絶縁性伝熱板2
5、金属体26がこの内底面に接触したときでも、この
凹凸で接触支持して凹凸に介在する空気層で断熱を行
い、絶縁カバー28に上記各構成部品から熱伝達する熱
量を低減して金属体26に熱伝達するように、不要部へ
のロス低減を行う構成とする方が好ましい。
【0075】また内底部の外周の一部に上記絶縁ケース
27と同様に側壁開口部271に金属体26を介して対
向する位置に弧状の切り欠きを設け弧状欠如部286を
形成し金属体26の貫通孔264を突出するものであ
る。
【0076】また弧状欠如部286の両側に内底部を囲
む側壁を設け絶縁ケース27の側壁外周と絶縁カバー2
8の側壁内周とが接して嵌まり、両者を接着剤で接着固
着または樹脂成型体を加熱して溶着または絶縁ケース2
7に絶縁カバー28を無理押しして圧入嵌合するなどし
て両者を固着する構成とするものである。
【0077】器具に装着するにおいては、絶縁カバー2
8の外底部に連続する一部に突出した固定部284を設
けその適度な位置に貫通する装着用の固定孔285を設
けることにより、器具の装着部にビスやリベットや嵌合
ピンなどにより装着固定するものである。この固定部2
84および固定孔285は絶縁カバー28の片側のみま
たは対向する両側または後壁278の外部に突出する方
向の三方向に設けてもよく、同時に固定孔285も応じ
て複数設けてもよい。複数の固定部284と複数の固定
孔285を用いて固定するに当たっては、一ヵ所の固定
孔をビスやリベットまたはピンなどで強固に固定し、他
の二ヵ所の固定部284と固定孔285は器具のガイド
に用いてもよい。この場合、ビス、リベット、ピンなど
は一個の使用でよいことから経済的に固定を行うことが
できる効果がある。
【0078】これらの構成部品を用いて正特性サーミス
タ発熱体装置を組み立てる内容を、以下に順を追って説
明する。
【0079】まず絶縁ケース27を治具に位置決めし、
次に上面開口部272から上記個々の部品の内、金属体
26のガイド凸部262aを絶縁ケース27の凹部27
5aに、またガイド凸部262bを凹部275bに、ま
たガイド凹部263aを凸部273aに、またガイド凹
部263bは凸部273bに合わせ絶縁ケース27の底
面に当接して装着する。
【0080】次に絶縁性伝熱板25の両端を上記凹部2
75a,275bに合わせ、また金属体26の接合面2
61と絶縁性伝熱板25の接合面251の対向側面を合
わせて滑り込ませ絶縁ケース27の底面に当接して装着
する。次に第2の電極板24の両端を凹部275a,2
75bに合わせ、また同平面部を絶縁性伝熱板25の接
合面251に合わせて滑り込ませ絶縁ケース27の底面
に当接して装着する。
【0081】次に第1の電極板23の弾性片232を上
面開口部272から凹部277aと凹部277bが対向
する間隙部に入れ、端子部231の根元を凹部277b
に、また端子部231から連続し対向する片側に突出す
る端部を凹部277aに合わせ突出する弾性片232の
個々の端部を絶縁ケース27の底部に当接し各凹部27
7a,277b内を滑り込ませて装着する。
【0082】上記絶縁性伝熱板25と第1の電極板24
は凹部275a,275b内に装着してガイド凸部27
6a,276bで支持されて倒れることがなく起立し、
また第1の電極板23もガイド凸部276a,276b
で支持されて起立することから倒れることがないため、
第1の電極板23と第2の電極板24は規定の距離を保
って位置決めされるものである。
【0083】次に第1の電極板23の弾性片232と第
2の電極板24の平面部との間に正特性サーミスタ22
の電極22a,22bをそれぞれ当接し押し込んで滑り
込ませ、第1の電極板23の弾性片232の弾性により
正特性サーミスタ22を強固に押圧する。押圧方向は絶
縁ケース27の後壁278を第1の電極板23の支えと
し金属体26の方向に強固に押圧するものである。正特
性サーミスタ22と第2の電極板24と絶縁性伝熱板2
5と金属体26の互いの当接面は鏡面に近い平面を形成
していることから、その密着性が大変良く、正特性サー
ミスタ22の発熱をロスなく伝熱するものである。
【0084】また、さらに上記押圧による構成の熱伝達
をよくするため、金属体26の接合面261と絶縁性伝
熱板25の両接合面251と正特性サーミスタ22の電
極面の各接触面にシリコン樹脂または同グリス、同オイ
ルなどの熱結合剤を介在し、個々の押圧構成による接触
部を隙間なく埋め込むことも好ましい方法である。
【0085】また正特性サーミスタ22の当接面以外は
空気で囲まれて断熱され、絶縁ケース27も断熱材料で
形成してなることから、外部のおよび絶縁ケース27に
伝達する熱放散量が少なくなるため、効率よく金属体に
高温度の熱を伝えることができるものである。
【0086】また、絶縁ケース27に内装された個々の
構成部材は第1の電極板23の弾性片232で強固に押
圧固着されていることから、組み立て上において少々粗
雑に取扱っても上面開口部272から外れ出ることがな
いため、製造上支障を来すことがなく取扱いが容易であ
る。そのため組み立ての自動化または手作業による組み
立てにおいても容易に整然と組み上げることができるも
のである。
【0087】また、この状態をヒータコアとして基本形
に構成し、機器の応用形態に応じて種々様々な取り付け
用の部品を付加することにより用途を広く確保できる効
果がある。
【0088】また上記絶縁ケース27に内装する各構成
部品の寸法は絶縁ケース27の内底部から上面開口部2
72の高さよりも低く形成してあるため収納物は突出す
ることがなく組み立て寸法が安定する効果がある。
【0089】次に上記付加部品の一種である絶縁カバー
28を絶縁ケース27に収納した構成部品を覆うように
被せ、端子孔283から端子部231を、端子孔282
から端子部282を導出し装着する。このとき上記内装
部品は絶縁ケース27の底面にその一部が当接して装着
し、上面開口部272から突出することがないため、絶
縁ケース27の上面開口部272を形成する側壁外周面
に当接した絶縁カバー28の内底部にも接触することが
ないものである。
【0090】よって正特性サーミスタ22の高温発熱が
一部絶縁カバー28へ熱放散するロスおよび金属体26
への伝熱経路における絶縁カバー28への熱放散するロ
スなども小さく行うことができることになり、上記同様
に外部の不要部への熱放散を抑え効率よく金属体26に
高温度の熱を伝えることができるものである。
【0091】絶縁カバー28を絶縁ケース27に装着し
固着する方法は、絶縁カバー28の弧状欠如部286の
両側に連続して設けた内底部を囲む側壁を上記絶縁ケー
ス27の側壁外周と絶縁カバー28の側壁内周とが接し
て嵌まり、両者を接着剤で接着固着または樹脂成型体を
加熱して溶着、または絶縁ケース27に絶縁カバー28
を無理押しして圧入嵌合するなどして両者を固着し正特
性サーミスタ発熱体装置を完成させる製造方法を行うも
のである。
【0092】以上のように構成された本発明の正特性サ
ーミスタ発熱体装置をリキッド式電子蚊取り器に装着し
た時の構成と動作原理について、図4と図13を用い
て、以下に説明する。
【0093】先ず構成について説明する。内装器具5に
固定された蓋体7(絶縁カバー28または固定金具3
5)と、殺虫剤薬液2が浸透した棒状浸透芯3が挿通さ
れた金属体26の貫通孔264とを備え、殺虫剤薬液2
が浸透した棒状浸透芯3の一部が正特性サーミスタ22
の発熱により伝熱加温された金属体26により殺虫剤薬
液の蒸散を行うものである。
【0094】次に動作について説明する。まず、リキッ
ド式電子蚊取り器の電源プラグ12をコンセントに差し
込んでスイッチ13をONすると、電圧は第1の電極板
23の端子部231と第2の電極板24の端子部241
に印加し、第1の電極板23と第2の電極板24を介し
て正特性サーミスタ22に通電し、ジュール熱により正
特性サーミスタ22は自己発熱して第2の電極板24と
絶縁性伝熱板25とを介し金属体26に熱伝達する。な
お、この際に第1の電極板23と絶縁ケース27にも上
記同様熱伝達が行われるが、正特性サーミスタ22と接
触する第1の電極板23の弾性片232の接触面積が小
さく、しかも弾性片232と絶縁ケース27の間は空気
が介在して正特性サーミスタ22とは断熱されるため、
その伝達量は小さく不要外部への放熱は小さく、正特性
サーミスタ22と面接触している第2の電極板24と絶
縁性伝熱板25と金属体26にそのほとんどが伝達する
ことになる。
【0095】金属体26の接合面261で正特性サーミ
スタ22の発熱量を受熱し金属体26のガイド凹部26
3a,263bが対向する断面積で貫通孔264に熱伝
達し貫通孔264の筒壁内周から放熱し貫通孔264を
挿通する棒状浸透芯3を加熱し、加熱時間が経過するに
従い棒状浸透芯3の温度が上昇し浸透している殺虫剤薬
液2を蒸散する温度に達し、殺虫剤薬液2を蒸散させな
がら金属体26の温度は上昇を続ける。
【0096】このようにして、正特性サーミスタ22の
自己発熱は増加し熱伝達によって貫通孔264の内壁の
表面温度を上昇させ、棒状浸透芯3を加熱し続ける。時
間が経過すると、正特性サーミスタ22は自己発熱と共
に自らの抵抗値を上昇させて電力が減少し、正特性サー
ミスタ22の自己発熱量と貫通孔264の内壁からの放
熱量がバランスして正特性サーミスタ22の自己発熱が
抑制され電力の減少が停止して安定し、筒壁272の表
面温度は一定に安定し定量的に殺虫剤薬液2を蒸散す
る。
【0097】また印加電圧の変動や周囲温度の変動が生
じた場合、正特性サーミスタ22の特異な性質である自
己温度制御機能による自らの電力制御により、常に安定
した表面温度を維持して貫通孔264の内壁から一定温
度加熱量を得ることができるものである。
【0098】以上のように正特性サーミスタ22の発熱
量を貫通孔264の内壁に熱伝達する熱伝達経路や、正
特性サーミスタ発熱体装置の周囲条件の変動による貫通
孔264の内壁からの放熱量の変化を正特性サーミスタ
22にフィードバックして正特性サーミスタ22の発熱
量を制御させ、貫通孔264の内壁に熱伝達して温度制
御する熱伝達経路のメカニズムは、全て正特性サーミス
タ22、第2の電極板24、絶縁性伝熱板25、金属体
26の接合面261と貫通孔264の内壁までの熱伝達
経路で構成されるものである。それ以外への熱伝達は全
て不要な部分への熱伝達となることからロスになるが、
その量は充填する樹脂がないことで熱伝達量は小さく、
また絶縁ケース27に内在する空間での断熱効果によ
り、いずれの条件においても熱伝達経路を正特性サーミ
スタ22と貫通孔264の内壁の間に集中させることが
できるものである。
【0099】なお、従来の正特性サーミスタ発熱体装置
であれば、図14で示すように正特性サーミスタ15の
全周辺は樹脂で充填されているため、正特性サーミスタ
15の発熱量は樹脂充填部18を介して全周辺に放熱す
るため、容器状ケース6と蓋体7からも放熱し、目的で
ある筒状放熱板8に熱伝達するまでに正特性サーミスタ
15の発熱量のほとんどが発熱体装置周辺に放熱してロ
スしてしまうことから、筒状放熱板8の挿通孔20へ放
熱を集中させることができず、熱伝達ロスの大きい発熱
体装置となっていたものである。
【0100】また、本発明の正特性サーミスタ発熱体装
置では、正特性サーミスタ22の特性を目的に応じて種
々選択することで、貫通孔264の内壁の放熱温度を種
々可変して使用目的に応じ設定調整することも可能であ
り、また正特性サーミスタ22以外にも、金属体26の
板厚や形状を適宜選択して用いることで、正特性サーミ
スタ22の発熱量を熱伝達経路の距離の調整や断面積に
よる面積当たりの熱流制御を行い、熱伝達量を種々設定
調整して容易に行うことができる効果を有する正特性サ
ーミスタ発熱体装置を提供できるものである。
【0101】また、本発明の正特性サーミスタ発熱体装
置を器具に取り付ける場合、端子部231,241を器
具内の配線部材に接続する作業において、端子部23
1,241に力が掛かり操作上で屈曲ストレスを生じさ
せる。そのため端子部231,241が揺さぶられて正
特性サーミスタ22に連続する接合面を動かし、特に正
特性サーミスタ22と第2の電極板24と絶縁性伝熱板
25の各接合面の結合状態も乱して熱伝達を損なう可能
性も生じるため、予め第2の電極板24の端子部241
の根元にスリット242を形成して機械的ストレス(特
に屈曲ストレス)を緩和するように構成するものであ
る。スリット242によれ上記端子部241の根元が曲
がりやすくなることから、上記各接合部にストレスが伝
達せず結合状態を乱すことがないため、正特性サーミス
タ22の高温発熱を安定して熱伝達できる効果を有する
ことになるものである。第1の電極板23の場合は弾性
片232が上記ストレスを緩和するため、上記のような
支障は生じないものである。
【0102】(実施例2)図1に示した実施例1の構成
を参照しながら図5ないし図8に示す実施例2を説明す
る。説明において実施例1の基本構成と同様の機能を有
し、また形状が同様である部分については実施例1の構
成番号を引用しまたは番号を省略して以下に製造方法を
まじえ説明を行うものである。
【0103】図5において、概略の基本構成は実施例1
と同様であるが、実施例1の絶縁ケース27と絶縁カバ
ー28の形状および一部機構が異なるものであり、これ
は実施例1に示す絶縁カバー28を絶縁ケース27に覆
い内装部品を簡易に封止する方法としたものである。
【0104】たとえば実施例1に記載する絶縁ケース2
7の上面開口部272の側壁面に絶縁カバー28の底部
が当接して固着することにおいて、まず接着剤を用いる
場合、構成部材である接着剤が必要であることと固着条
件によっては加熱硬化して固着する設備、条件設定、管
理などが必要となる。また接着剤を使用することにおい
ては、塗布時のはみ出しや不要部への付着、取扱いの不
具合などが生じ、製造上組み立てにおいて種々の支障が
生じることになると共に、完成品の接着強度を耐久的に
維持する品質保証として接着剤の劣化による剥離や器具
装着時の剥離などの不具合発生も考えられる。
【0105】また、絶縁ケース27に溶着して固着する
ことにおいては、絶縁ケース27の材質と絶縁カバー2
8の材質との相性により溶着時の加熱状態または溶融状
態または両者の噛みつき状態などが安定せず、固着が不
十分となりやすく、製造上の品質が不安定となることも
ある。
【0106】また、絶縁ケース27に絶縁カバー28の
圧入固着を行うことにおいては、絶縁カバー28の固着
部となるたとえば内底部周辺の側壁が圧入力により割れ
を生ずることにもなり、圧入条件の設定および圧入固着
の強度の品質管理などの困難さ、完成品を器具に取り付
けて耐久的に使用する場合、正特性サーミスタ22の高
温発熱によるクリープ現象から圧入部の固着強度が劣化
することに対する保証などに困難さが伴うものである。
【0107】特に実施例1では、絶縁ケース27の材質
に磁器材を用い、また絶縁ケース28の材質にはPPS
樹脂やシリコン樹脂などを用いることで、両者の異質な
材質の組合せから、厳しい条件設定と高精度な製造方法
から耐久品質を保証して実使用において問題なく提供す
ることも可能であるが、その実現に対して製造管理や製
造品質および完成品の耐久強度の品質などに保証の困難
さが伴うものである。
【0108】よって本実施例2では上記不具合が生じな
い形状と構成を設定し製造しやすい製品の実現を以下の
通りに行うものである。
【0109】すなわち、図5(c)において、実施例1
の絶縁ケース27の外周の側壁に沿って複数の貫通部を
有する筒壁を設けた絶縁ケース29、実施例1同様に側
壁開口部271の両側に設けた一方の筒壁291、貫通
部のボス孔292、そのもう一方側の筒壁293、貫通
部のボス孔294、実施例1同様に後壁278の中央部
に位置して外部に突出した筒壁295、貫通部のボス溝
296を示す。
【0110】そして、図5(a)において、絶縁ケース
29を実施例1同様に覆う絶縁カバー30、筒壁291
を囲む筒壁ガイド壁301、同筒壁293を囲む筒壁ガ
イド壁302、同筒壁295を囲む筒壁ガイド壁30
3、絶縁ケース29のボス溝296に挿通されるボスピ
ン304、ボスピン304の先端に丸みを持たせたボス
ピン頭部305、端子部231を導出する端子孔30
6、同じく端子部241を導出する端子孔307を示
す。端子孔306,307の位置は絶縁ケース29の側
壁近傍から導出し絶縁カバー30の固定部に対向する最
遠部に形成する。
【0111】図5(b)に示す正特性サーミスタ22な
いし金属体26の構成は、実施例1の図1(b)に示す
構成と同様である。
【0112】これは器具に本発明の正特性サーミスタ発
熱体装置を装着するとき、固定部(実施例1であれば2
84)を器具装着部にチャッキングして固定し、さらに
固定孔(同285)にビスやリベットなどを挿通して押
さえ込み固着すると、その固定部周辺のスペースが密に
なって端子部231,241に配線接続しにくくなると
共に、絶縁確保が困難になるなどの支障を来すようにな
る。したがって、端子部231,241に器具配線部材
であるたとえばリセプタクルやリード線や接続端子など
を接続する場合、器具装着の固定部よりも遠く広い位置
に配置設定することで、容易に安全に接続を行うことが
できるものである。
【0113】また、絶縁カバー30のボスピン304と
同様のものが、同一底面に連続して上記それぞれの筒壁
ガイド壁301と筒壁ガイド壁302に囲まれる位置に
一つずつ突出して形成配置してあり、それぞれのボス孔
292とボス孔294に合致して挿通する構成にしてあ
る。図5(a)の絶縁カバー30ではこのボスピンは陰
になっている部分に位置するため図示されていない。
【0114】なお、各筒壁291,293,295およ
びボス孔292,294とボス溝296は上記の位置に
限定されたものではなく、必要に応じて形成位置や形成
数は任意の位置に複数設定できるものである。
【0115】ヒータコアを形成するまでの基本的な製造
方法は実施例1と同様であり、特に絶縁カバー30を取
り付ける構成に特徴を置き、その製造方法を説明する。
【0116】図8において、まず、絶縁ケース29に絶
縁カバー30を被せて覆う場合、端子孔306に端子部
231を挿通し、端子孔307に端子部241を挿通し
て被せ、また図示しない筒壁ガイド壁301に位置する
ボスピンをボス孔292に合致して挿通し、また筒壁ガ
イド壁302に位置するボスピンをボス孔294に合致
して挿通し、またボスピン304をボス溝296に合致
して挿通し、絶縁カバー30の筒壁ガイド壁301で筒
壁291を囲み、また筒壁ガイド壁302で筒壁293
を囲み、また筒壁ガイド壁303で筒壁295を囲んで
取り付け、絶縁カバー30の底部を絶縁ケース29の上
面開口部(実施例1であれば272に相当)の外周側壁
に当接して密着させ装着する。このとき各ボスピン30
4ほか複数のボスピンは絶縁ケース29の外底面の外周
位置に配置する各ボス孔292,294とボス溝296
から上記複数の各ボスピン頭部305ほか(図示せず)
を突出するものである。
【0117】次に、突出したたとえばボスピン頭部30
5にリベット打ちする治具を当接し、たとえばその治具
は超音波ホーンで形成し、超音波ホーンから当接部に振
動周波数を伝達して振動摩擦を与え、発生する摩擦熱で
ボスピン頭部305を適度に溶融して潰し、ボス溝29
6とボスピン304の隙間を埋めて塞ぐと共にボス溝2
96の内径よりも広くはみ出させて完全に閉塞し、溶融
して適度な厚みで広がった部分を治具で押さえたまま冷
却する。治具を除去することでボスピン304のボスピ
ン頭部305がリベット形状に固まって絶縁ケース29
と絶縁カバー30を固着する。そして、その固まって形
成したボスピン304のリベット部308と、筒壁ガイ
ド壁302に位置するボスピンのリベット部309を形
成する。これらリベット部はボスピンの数だけ全て溶融
固着してリベット形状を形成し、絶縁カバー30の内底
部外周を絶縁ケース29の上面開口部の側壁外周に密着
し固着するものである。
【0118】また、絶縁ケース29の上面開口部(実施
例1の上面開口部272に相当)外周の側壁は絶縁カバ
ー30の筒壁ガイド壁301,302,303に連続し
た側壁で囲まれることから上記上面開口部をシールする
ことができ、外気の異常な影響を絶縁ケース29の中に
及ぼすことがない効果がある。
【0119】このような製造方法によれば、各ボスピン
のボスピン頭部に超音波ホーンを当接して溶融冷却する
ことで短時間で確実に固着できることから、連続的に短
時間で複数の固着作業を行うことができ、製造の自動化
が容易となり固着品質も確保できるものである。完成品
を器具に装着することにおいても、ボスピンのリベット
部が絶縁ケース29に引っ掛かってリベット止めされて
強固に固着していることから、粗雑な取扱いでも支障を
来すことがない。また、絶縁ケース29は高温耐久に優
れたたとえば磁器材で作成してあるため、ボスピンが挿
通する高さは耐久的に寸法変化することがなく、また絶
縁カバー30の内底部に連続するリベット部308,3
09は上記溶融冷却により硬化固着形成した後、その固
着状態はリベット部に応力がかからず安定し続け、正特
性サーミスタ22の高温発熱によって絶縁ケース29が
熱せられても、たとえば磁器材で形成した絶縁ケース2
9は線膨張係数が著しく小さいため、絶縁ケース30に
対してクリープにおける応力破壊は生じないものであ
る。
【0120】以上の構成と製造法により、製造しやすく
取扱いが容易な正特性サーミスタ発熱体装置を提供でき
ることとなるものである。
【0121】(実施例3)以下説明するに当たり、図1
に示した実施例1の構成を参照しながら、図9ないし1
2に示す実施例3を説明する。説明において実施例1の
基本構成と同様の機能を有し、また形状が同様である部
分については実施例1の構成番号を引用し以下にその製
造方法をまじえ説明を行うものである。
【0122】図9において、ヒータコアの概略基本構成
は実施例1と同様であるが、構成部品のうち実施例1の
第1の電極板23と第2の電極板24と絶縁ケース27
は、その形状および一部機構を異ならせたものであり、
さらに絶縁ケース27を覆う絶縁カバー28を別部品に
置き換えて構成したものである。
【0123】すなわち、図9(b)において、一方に弾
性片312を有する第1の電極板31を示し、その端子
部311をその中央部から導出し、第2の電極板32の
端子部321をその中央部から端子部311と同方向に
導出し、スリット323を端子部321の根元に形成し
ている。
【0124】図9(c)において実施例1の絶縁ケース
27に相当する絶縁ケース33を示し、そのガイド溝3
31aおよび331bを示す。第1の電極板31の端子
部311を導出する端子孔332、第2の電極板32の
端子部321を導出する端子孔333は、ガイド溝33
1a,331bが対向する間の位置に一部貫通して絶縁
ケース33の内底部の左右からのほぼ中央部に二つ形成
してある(図12に詳細を示す)。使用材質としては、
実施例1同様に磁器材を用いるのが好ましい。
【0125】図9(a)において、絶縁ケース33の上
面開口部(実施例1の上面開口部272に相当)を覆う
絶縁板34を示し、絶縁ケース33のガイド溝331a
に合致するガイド部341a、同じくガイド溝331b
に合致するガイド部341bを示す。
【0126】絶縁板34は上面開口部を覆って内装構成
部品を閉塞する蓋の機能を有すると共に外部と絶縁し断
熱するものであることから耐熱性、絶縁性、機械強度に
すぐれ、熱伝導しにくい材質を必要とする。その材質は
磁器材、耐熱性プラスチック材、表面を絶縁処理したス
テンレス、マイカなどが適当であり、特にその加工性と
経済性を考慮すると耐熱プラスチック材かマイカを使用
するのが好ましい。
【0127】そして、絶縁ケース33に絶縁板34を介
して絶縁ケース33の上面開口部を閉塞し一体化する固
定金具35を示し、固定金具35の平面部の中面を一部
切り出して突出し左右に対称で底面にほぼ直角に起立し
て設けたかしめ操作を行う固定爪351a,351b、
金具35の平面部を切り出し中抜きした開口部352、
固定金具の固定爪351a,351bを巻回してかしめ
を行ったとき固定金具35が屈曲せず絶縁板34と絶縁
ケース33に面圧接して閉塞固着するため剛体を形成し
て機械的曲げ強度を高めるリブ353a,353b、器
具に装着固定するための固定部354a,354b、器
具にビス止めやリベット固定やピン固定を行うための固
定孔355a,355bを示す。固定金具35の材料に
は、耐熱性、機械的強度、耐食性、加工性、経済性など
が要求されることから金属材料を用い、その材質はニッ
ケル、ステンレス、鉄などに耐食処理したメッキ鋼板な
どの金属板から選択し、経済性と加工性を優先して総合
判断すると、ステンレスまたは耐食メッキ鋼板を用いる
のが好ましい。
【0128】以上の構成によりその組み立てを行う本実
施例は絶縁ケース33の内底部のほぼ中央部に位置する
端子孔332から第1の電極板31の端子部311を導
出し、また端子孔333から第2の電極板32の端子部
321を導出するもので、それぞれの構成部品は実施例
1のように絶縁ケース33の内壁の一部に形成した相対
向する側壁の凸部273a,273bと凹部275a,
275bに各々位置決めされて安定し固定するものであ
る。
【0129】これらを実施例1と同様に絶縁ケース33
に正特性サーミスタ22と第1の電極板31と第2の電
極板32と絶縁性伝熱板25と金属体26の一部を装着
し、弾性片312で押圧固着して一体化し基本形状を形
成してヒータコアとするものである。組み立ての手順は
実施例1に準拠して行うもので、絶縁ケース33に内装
する構成部品のすべては上記各ガイド凸部、凸部および
凹部で位置決めされ、また弾性片312により金属体2
6に強固に押圧固着されることから、内装する構成部品
は外部からの振動などでずれることがない。したがって
製造工程で搬送パレットに装着して規定の位置にガイド
設置することで容易に次工程に移動することができるた
め、少々粗雑に取り扱っても内装収納物は工程移動中の
外部振動などで飛び出すことがなく、整然と組み上げる
ことができるものである。
【0130】次に、これら基本形状のヒータコアを機器
もしくは器具に容易に取りつけられるようにするため、
絶縁ケース33の上面開口部に絶縁板34を介して固定
金具35を装着する。
【0131】装着方法は固定爪351aとガイド部34
1aとガイド溝331aを合わせ、また固定爪351b
とガイド部341bとガイド溝331bを合わせて滑り
込ませ、絶縁板34の平面部に当接し絶縁ケース33の
外底部の両側端面周辺に固定爪351a,351bを巻
回しかしめ固着して一体化するものである。
【0132】リブ353aとリブ353bは開口部35
2の両側の最長辺の面部に形成し、また外部方向に凸状
に形成しその裏側は凹となるようにし、絶縁板34の面
に接触したときはその裏の凹により空間を形成するよう
に構成するものである。この空間は正特性サーミスタ2
2の高温発熱を絶縁板34を介して固定金具35に伝熱
するのを断熱する効果があり、固定金具35を高温化す
るのを防止する効果を有するものである。
【0133】また、絶縁ケース33はその外部側壁面の
相対向する一部に予め固定金具35の固定爪351a,
351bが嵌まるようにガイド溝331a,331bが
形成してあり、その形状は両者固定爪351a,351
bの形状および板厚を十分収納するように凹状にし、固
定爪351a,351bを嵌め合わせた後はずれないよ
うに両サイドから起立させるガイド壁を形成している。
さらにこのガイド溝331a,331bの形状は上記絶
縁板34のガイド部341a,341bの形状にも一致
するように形成している。
【0134】また固定爪351a,351bは絶縁ケー
ス33の外底部コーナのガイド溝331a,331bか
ら適当量の寸法で突出し、突出した部分を絶縁ケース3
3の外底部中央に向かってプレス機などで加圧屈曲しか
しめ固着するものである。このときかしめ固着した固定
爪351a,351bの最先端部は上記第1の電極板3
1の端子部311と第2の電極板32の端子部321と
は絶縁を保って十分距離を置く寸法で形成するものであ
る。
【0135】また、かしめ固着においては屈曲角度は直
角または鋭角にかしめて屈曲するほうが好ましい。特に
鋭角に屈曲する場合は図示してはいないが、案内溝を形
成して行うもので、その形状と状態は絶縁ケース33の
ガイド溝331a,331bに連続して絶縁ケース33
の外底部コーナを中央に向かって回り込むように案内溝
をコーナに対し鋭角に掘り込んで形成し、固定爪351
a,351bを鋭角に屈曲する方が好ましく、確実に屈
曲を行うことができ、かしめ強度も向上し絶縁ケース3
3と固定金具35を密着できることとなるものである。
【0136】また、絶縁ケース27,29,33の内底
面の表面状態および固定金具35の形状を以下のように
断熱構造に形成することで、金属体26に熱伝達する効
率をロスなく飛躍的に向上できる効果が生じるものであ
る。
【0137】以下にその詳細を説明する。正特性サーミ
スタ22の発熱量は金属体26の貫通孔264の内壁に
のみ熱伝達して貫通孔264から放熱することを狙いと
することから、金属体26まで熱伝達経路以外の媒体に
熱伝達するのを最小に抑えなければならない。そのため
に、絶縁ケース33と正特性サーミスタ22、絶縁性伝
熱板25、金属体26の接触部、また正特性サーミスタ
22と絶縁板34の接触は最小面積で行う必要があり、
施策として絶縁ケース33の内底部と絶縁板34の表面
に断熱用の凹凸リブ(図示せず)またはざらつきのある
凹凸表面(図示せず)を形成して空気層を介在させ空気
断熱によって外部に熱伝達してロスすることを防止する
のが好ましい。
【0138】また、ヒータコアを固定金具35に位置決
め固着して完成した正特性サーミスタ発熱体装置を機器
または器具に設置装着する場合、固定部354a,35
4bの一部に形成した固定孔355a,355bを器具
の装着部に熱伝達しないように固定を行う必要があるこ
とから、その構成は固定金具35と絶縁ケース33に介
在する絶縁板34との接触を少なくすると共に、固定金
具35に伝達した熱を空気に放熱してやり、固定部35
4a,354bに伝わる熱量を小さくし、または放冷す
るために上記リブ353a,353bの裏面の空間や開
口部352を形成して熱伝達を抑え、固定部354a,
354bおよび固定孔355a,355bの周辺の温度
を下げ低く保持して行うものである。
【0139】以上のような構成と製造方法を行うことに
より、製造しやすく取扱いが容易な正特性サーミスタ発
熱体装置を提供できることとなるものである。
【0140】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように本発明
の正特性サーミスタ発熱体装置は、正特性サーミスタと
金属体との熱結合を樹脂を用いずに行うことで、正特性
サーミスタの自己発熱量は樹脂を介して周囲の不要部分
へ熱伝達することがなく、そのほとんどの発熱量を弾性
体電極板で圧接する各構成部材を介して、金属体の筒状
の貫通孔に集中し熱伝達することができることから、熱
伝達にロスの少ない発熱体装置を容易に実現できるもの
である。
【0141】また、前記同様に樹脂を用いないことで殺
虫剤薬液が漏れて正特性サーミスタ発熱体装置に浸透し
た場合でも、殺虫剤薬液での樹脂の膨潤による各構成部
材の接続オープンという問題発生もないことから、信頼
性に優れた発熱体装置を実現できるものである。さらに
その発熱体装置の製造においては、樹脂の漏れによる汚
れや、樹脂量のばらつきやポットライフ、樹脂硬化を行
う高温恒温槽(別名工業用乾燥機)などの製造条件の厳
密な管理が不要となるため、全ての製造工程をクリーン
でかつ容易な方法で連続自動生産できる製造設備をも設
置できることになるものである。またこれら製造の自動
化により安価な正特性サーミスタ発熱体装置を提供でき
るものである。
【0142】さらに、正特性サーミスタ発熱体装置の主
要発熱部を個片として独立したヒータコアに形成するこ
とで、このヒータコアを基本形状にして目的に応じた種
々の形状の絶縁カバーまたは固定金具で固着すると、そ
の応用範囲を容易に拡大できるものである。このこと
は、正特性サーミスタ発熱体装置を製造することにおい
て、ヒータコア製造までの工程は主要工程としてすべて
前半工程に共通化が図れ、以降の工程を後半工程として
設定し、たとえば装着ケースに装着組み立てする工程以
降のみ変更適用することで、任意かつ臨機応変に使用目
的に応じた工程を短時間に容易に設定切り替えができる
こととなるものである。つまりは、工程切り替えに大変
フレキシブル性を持つため、効率的かつ合理的な製造方
法を提供実現できることとなるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施例1の正特性サーミスタ発
熱体装置の絶縁カバーの斜視図 (b)同正特性サーミスタと電極体と絶縁性伝熱板と金
属体の斜視図 (c)同絶縁ケースの斜視図
【図2】同絶縁ケース内に正特性サーミスタと電極体と
絶縁性伝熱板と金属体の一部とを収納した状態を示す斜
視図
【図3】同図2の上部を絶縁カバーで被覆した状態を示
す斜視図
【図4】同図3の縦断面図
【図5】(a)本発明の実施例2の正特性サーミスタ発
熱体装置の絶縁カバーの斜視図 (b)同正特性サーミスタと電極体と絶縁性伝熱板と金
属体の斜視図 (c)同絶縁ケースの斜視図
【図6】同絶縁ケース内に正特性サーミスタと電極体と
絶縁性伝熱板と金属体の一部とを収納した状態を示す斜
視図
【図7】同図6の上部を絶縁カバーで被覆した状態を示
す斜視図
【図8】同図7の縦断面図
【図9】(a)本発明の実施例3の正特性サーミスタ発
熱体装置の絶縁板と固定金具の斜視図 (b)同正特性サーミスタと電極体と絶縁性伝熱板と金
属体の斜視図 (c)同絶縁ケースの斜視図
【図10】同絶縁ケース内に正特性サーミスタと電極体
と絶縁性伝熱板と金属体の一部とを収納した状態を示す
斜視図
【図11】同図10の上部を絶縁板と固定金具で被覆し
た状態を示す斜視図
【図12】同図11の縦断面図
【図13】従来および本発明の正特性サーミスタ発熱体
装置を取り付けたリキッド式電子蚊取り器の構成の概略
を示す縦断面図
【図14】従来の正特性サーミスタ発熱体装置の構成を
示す縦断面図
【図15】同分解斜視図
【符号の説明】
2 殺虫剤薬液 3 棒状浸透芯 5 内装器具 7 蓋体(絶縁カバーまたは固定金具) 21 正特性サーミスタ素体 22 正特性サーミスタ 22a,22b 電極 23 第1の電極板 231 端子部 24 第2の電極板 241 端子部 25 絶縁性伝熱板 251 接合面 26 金属体 261 接合面 264 貫通孔 27 絶縁ケース 271 側壁開口部 272 上面開口部 28 絶縁カバー 282 端子孔 283 端子孔 285 固定孔 29 絶縁ケース 291 筒壁 292 貫通部(ボス孔) 293 筒壁 294 ボス孔 295 筒壁 296 ボス溝 30 絶縁カバー 304 ボスピン 31 第1の電極板 311 端子部 32 第2の電極板 321 端子部 33 絶縁ケース 332 端子孔 333 端子孔 34 絶縁板 35 固定金具 351a 固定爪 351b 固定爪 354a 固定部 354b 固定部 355a 固定孔 355b 固定孔

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正特性サーミスタ素体の両主平面に相対
    向する電極を有する正特性サーミスタと、この正特性サ
    ーミスタの両電極面に各々当接して押圧挟持する第1と
    第2の電極板からなる一対の電極板と、第2の電極板に
    当接して前記正特性サーミスタの発熱を伝熱する絶縁性
    伝熱板と、一方にこの絶縁性伝熱板の接合面に結合する
    接合面を有すると共に他方に筒状の貫通孔を有する金属
    体と、前記正特性サーミスタと一対の電極板と絶縁性伝
    熱板と金属体の一部などの部品を収納するため側壁の一
    部と上面に開口部を有する有底状の絶縁ケースと、一方
    に前記一対の電極板の端子部を挿通する端子孔と他方に
    装着固定用の固定孔を有し前記絶縁ケースの上面開口部
    を覆って収納した前記部品と絶縁し固着一体化する有底
    状の絶縁カバーとを備えた正特性サーミスタ発熱体装
    置。
  2. 【請求項2】 絶縁ケースの内壁の一部に設けた部品を
    安定収納するためのガイド用のガイド凸部と、このガイ
    ド凸部の内側と外側に前記部品を収納する凹部とを備え
    た請求項1記載の正特性サーミスタ発熱体装置。
  3. 【請求項3】 絶縁ケースの側壁の開口部に金属体のガ
    イド凹部が嵌入して前記側壁の開口部を閉塞し、絶縁ケ
    ースの内部に部品の収納部を形成する凸部を備えた請求
    項1または2記載の正特性サーミスタ発熱体装置。
  4. 【請求項4】 第1の電極板は複数のスリットを有して
    個々に独立した複数の弾性片を備え、この各弾性片の両
    端が絶縁ケースの側壁に当接して両端単純支持はりを構
    成し、前記各弾性片が正特性サーミスタの電極面を複数
    箇所で押圧することにより金属体の接合面に前記正特性
    サーミスタと一対の電極板と絶縁性伝熱板のそれぞれの
    各面を一括して同時に押圧固着した請求項1〜3のいず
    れかに記載の正特性サーミスタ発熱体装置。
  5. 【請求項5】 第2の電極板は平面を有し、またその平
    面の一端から端子部が突出すると共にその突出する前記
    端子部の一部に前記端子部がその部分で屈曲するスリッ
    トを備えた請求項1〜4のいずれかに記載の正特性サー
    ミスタ発熱体装置。
  6. 【請求項6】 絶縁ケースはその外周の側壁に沿った貫
    通部を有する複数の筒壁を有し、また絶縁カバーはその
    外周の一部に前記絶縁ケースの筒壁の貫通部に挿通する
    複数のボスピンと前記絶縁ケースの側壁と筒壁を囲んで
    シールと位置決めを行う側壁を設けた有底状の形状を備
    えた請求項1〜5のいずれかに記載の正特性サーミスタ
    発熱体装置。
  7. 【請求項7】 電極板の端子部は一端の角部から突出す
    ると共に絶縁ケースの側壁近傍に位置してなり、また絶
    縁カバーの一部に設けた端子部を挿通する端子孔を絶縁
    カバー側壁近傍で固定孔に対向する遠い位置に備えた請
    求項1〜6のいずれかに記載の正特性サーミスタ発熱体
    装置。
  8. 【請求項8】 正特性サーミスタ素体の両主平面に相対
    向する電極を有する正特性サーミスタと、この正特性サ
    ーミスタの両電極面に各々当接して押圧挟持する第1と
    第2の電極板からなる一対の電極板と、前記第2の電極
    板に当接して前記正特性サーミスタの発熱を伝熱する絶
    縁性伝熱板と、一方にこの絶縁性伝熱板の接合面に結合
    する接合面を有すると共に他方に筒状の貫通孔を有する
    金属体と、底部のほぼ中央部に端子部が挿通する端子孔
    を有し前記一対の電極板と正特性サーミスタと絶縁性伝
    熱板と金属体の一部を収納するため側壁の一部と上面に
    開口部を有する絶縁ケースと、この絶縁ケースの上面開
    口部を覆う絶縁板と、この絶縁板を介して前記絶縁ケー
    スを閉塞する固定部と固定孔と複数の固定爪を有する固
    定金具とを備え、絶縁ケース外底部の端部の一部に前記
    固定金具の固定爪の先端部を屈曲し巻回固着した正特性
    サーミスタ発熱体装置。
  9. 【請求項9】 絶縁ケース外周の一部に設けたガイド溝
    と、また絶縁板の一部に切り欠きのガイド部とを備え、
    このガイド溝とガイド部に固定金具の固定爪を嵌め込ん
    で位置決めした請求項8記載の正特性サーミスタ発熱体
    装置。
  10. 【請求項10】 絶縁ケースの内底部と絶縁カバーの内
    底部および絶縁伝熱板の両対向面に多数の凹凸を設けて
    粗面を形成した請求項1〜9のいずれかに記載の正特性
    サーミスタ発熱体装置。
  11. 【請求項11】 電極板の端子部をその中央部から突出
    すると共に絶縁ケースの底の中央部に位置させ、また固
    定爪の両屈曲先端から遠い位置に位置させた請求項8〜
    10のいずれかに記載の正特性サーミスタ発熱体装置。
  12. 【請求項12】 固定金具の一部にリブを設けた請求項
    8〜11のいずれかに記載の正特性サーミスタ発熱体装
    置。
  13. 【請求項13】 絶縁ケースの側壁の開口部に設けた凸
    部に金属体のガイド凹部を嵌入し、このガイド凹部と連
    続する金属体のガイド凸部を前記側壁開口部の凸部の内
    壁に互いに当接して配置し、前記絶縁ケース内に上面開
    口の収納部を形成し、また前記絶縁ケースの内壁のガイ
    ド凸部の外側の凹部に絶縁性伝熱板の端部を嵌入して金
    属体の接合面に当接し、また平面を有する第2の電極板
    を前記絶縁性伝熱板に当接して配置し、第1の電極板の
    弾性を有する電極板を前記金属体と対向する前記絶縁ケ
    ースの側壁に当接すると共に前記絶縁ケースの内壁のガ
    イド凸部の内側の凹部にその一部を嵌入して位置決めし
    て配置し、前記一対の電極板の間に正特性サーミスタを
    嵌め込み、第1の電極板の弾性力により前記金属体に前
    記正特性サーミスタと第2の電極板と絶縁性伝熱板とを
    密着させて収納一体化し、上面開口部に絶縁カバーを装
    着して端子部を突出し、接着または溶着または圧入固着
    により一体化する正特性サーミスタ発熱体装置の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 その側壁の開口部両端の位置と開口部
    に対向する側壁中央の位置とに貫通部を有する筒壁を備
    えた絶縁ケースの収納部内に正特性サーミスタと第1と
    第2の電極板からなる一対の電極板と絶縁性伝熱板と金
    属体の一部とを収納し、その外周に前記筒壁の貫通部に
    対応し挿通する複数のボスピンと前記絶縁ケースの側壁
    と筒壁を囲む囲い壁を有する絶縁カバーの前記複数のボ
    スピンを前記絶縁ケースの筒壁の貫通部に挿通し、また
    前記一対の電極板の端子部を絶縁ケースの端子孔から突
    出させて装着し、前記複数のボスピンを絶縁ケースの外
    底から突出させ、突出した複数のボスピンの先頭部を熱
    溶融または圧力で押し潰し前記筒壁の貫通部径よりも大
    きく広げリベット状にして固着し、前記絶縁カバーの囲
    い壁と内底の一部が前記絶縁ケースの側壁と筒壁と外底
    の一部に密着してシールと位置決めを行って一体化する
    請求項13記載の正特性サーミスタ発熱体装置の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 正特性サーミスタと第2の電極板の接
    触面、または第2の電極板と絶縁性伝熱板の接触面、ま
    たは絶縁性伝熱板と金属体の接触面の内の少なくとも一
    つ以上の接触面に熱伝導性の介在物を配設して押圧結合
    する請求項13または14記載の正特性サーミスタ発熱
    体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 金属体を切削、インパクト成型、押し
    出し成型と切断または鋳物成型で作成する請求項13ま
    たは14記載の正特性サーミスタ発熱体装置の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 電極板を、帯状の金属板を順送し打ち
    抜きとプレス成型で連続加工し、第1の電極板と第2の
    電極板を対または別にして作成し、前記第1の電極板と
    第2の電極板を切断機に送り分離し、かつそれぞれの一
    部を摘んで絶縁ケースの内壁のガイド凹部に位置決めし
    装着して組み立てる請求項13記載の正特性サーミスタ
    発熱体装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 金属体の貫通孔壁の厚みの設定または
    高さの設定または接合面と貫通孔との距離の設定の中
    で、少なくとも1つ以上の前記設定方法を用いることに
    より目的とする発熱温度の設定を行う請求項13または
    14記載の正特性サーミスタ発熱体装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 絶縁ケースの側壁の開口部に設けた凸
    部に金属体のガイド凹部を嵌入し、このガイド凹部と連
    続する金属体のガイド凸部を前記側壁開口部の凸部の内
    壁に互いに当接して配置し、前記絶縁ケース内に上面開
    口の収納部を形成し、また前記絶縁ケースの内壁のガイ
    ド凸部の外側の凹部に絶縁性伝熱板の端部を嵌入して金
    属体の接合面に当接し、また平面を有する第2の電極板
    を前記絶縁性伝熱板に当接して配置し、第1の電極板の
    弾性を有する電極板を前記金属体と対向する前記絶縁ケ
    ースの側壁に当接すると共に絶縁ケースの内壁のガイド
    凸部の内側の凹部にその一部を嵌入して位置決めして配
    置し、前記一対の電極板の間に正特性サーミスタを嵌め
    込み、電極板の弾性力により前記金属体に前記正特性サ
    ーミスタと第2の電極板と絶縁性伝熱板とを密着させて
    前記収納部内に一体化し、また一対の電極板の端子部は
    絶縁ケースの中央部の端子孔から突出させて装着し、ま
    た絶縁ケース外周側面の対向する一部に設けたガイド溝
    と絶縁板の対向する側面の一部に設けた切り欠きのガイ
    ド部を合わせて位置決めすると共に絶縁ケースの上面開
    口部を覆い、またこの絶縁板を介して一部にリブを設け
    て剛体とした前記固定金具の固定爪を前記ガイド溝なら
    びにガイド部に内接させて装着し、また固定爪先端は絶
    縁ケース外底から突出し、この突出部を屈曲して前記絶
    縁ケース外底に巻回し前記収納物を閉塞し固着一体化す
    る正特性サーミスタ発熱体装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 正特性サーミスタと第2の電極板の接
    触面、または第2の電極板と絶縁性伝熱板の接触面、ま
    たは絶縁性伝熱板と金属体の接触面の内の少なくとも一
    つ以上の接触面に熱伝導性の介在物を配設して押圧結合
    する請求項19記載の正特性サーミスタ発熱体装置の製
    造方法。
  21. 【請求項21】 金属体を切削、インパクト成型、押し
    出し成型と切断または鋳物成型で作成する請求項19記
    載の正特性サーミスタ発熱体装置の製造方法。
  22. 【請求項22】 電極板を、帯状の金属板を順送し打ち
    抜きとプレス成型で連続加工し、第1の電極板と第2の
    電極板を対または別にして作成し、前記第1の電極板と
    第2の電極板を切断機に送り分離し、かつそれぞれの一
    部を摘んで絶縁ケースの内壁のガイド凹部に位置決めし
    装着して組み立てる請求項19記載の正特性サーミスタ
    発熱体装置の製造方法。
  23. 【請求項23】 金属体の貫通孔壁の厚みの設定または
    高さの設定または接合面と貫通孔との距離の設定の中
    で、少なくとも1つ以上の前記設定方法を用いることに
    より目的とする発熱温度の設定を行う請求項19記載の
    正特性サーミスタ発熱体装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 リキッド式電子蚊取り器の内装器具に
    固定された絶縁カバーまたは固定金具と、殺虫剤薬液が
    浸透した棒状浸透芯が挿通された金属体の貫通孔とを備
    え、前記殺虫剤薬液が浸透した前記棒状浸透芯の一部
    が、請求項1〜12のいずれか一つの正特性サーミスタ
    発熱体装置の正特性サーミスタの発熱により伝熱加温さ
    れた前記金属体により加熱され、前記殺虫剤薬液の蒸散
    を行うリキッド式電子蚊取り器。
JP11105894A 1994-05-25 1994-05-25 正特性サーミスタ発熱体装置とその製造方法およびその正特性サーミスタ発熱体装置を用いたリキッド式電子蚊取り器 Pending JPH07320849A (ja)

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