JPH08212939A - Crtおよびその解像度改善装置 - Google Patents

Crtおよびその解像度改善装置

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JPH08212939A
JPH08212939A JP7020329A JP2032995A JPH08212939A JP H08212939 A JPH08212939 A JP H08212939A JP 7020329 A JP7020329 A JP 7020329A JP 2032995 A JP2032995 A JP 2032995A JP H08212939 A JPH08212939 A JP H08212939A
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crt
magnetic field
pole
deflection yoke
lens
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JP7020329A
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Shuhei Nakada
修平 中田
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 CRTのスクリーン全面にわたってスポット
形状を良好にし、高解像度を得る。 【構成】 インラインビーム型CRTにおいて、偏向ヨ
ーク2のネック部に4極電磁石と、ビーム軸まわりに4
5°回転したスキュー4極電磁石とを配置し、電子銃1
部分に個々のビームの各々に4極電界を印加する電界レ
ンズを配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はCRT(Cathod
e Ray Tube、ブラウン管)、の画質、特に解
像度の改良に関するものであり、主としてカラーCRT
の画質の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のカラーCRTは画質を改善するに
様々な手段を用いているが、画質特に解像度の改善の要
求が増すにつれて従来の技術では解決できない問題点が
新たに生じている。以下に従来技術とその問題点を例を
あげて説明する。
【0003】従来技術1.図15は実開平2−1296
51号公報に記載されたCRTのビームスポット形状の
改善方法を示している。原理は1個の4極電磁石とスク
リーン上のビーム位置によって4極電磁石の電流値およ
び磁性を制御する電源を備え、スクリーンコーナ部での
ビームスポット形状を円形にしようとするものである。
【0004】この従来例の問題点は、ビームスポット形
状を改善できるスクリーン上での位置が、上下/左右方
向またはコーナー方向(45°方向)のどちらか一方の
みに限られ、ビームスポット形状をスクリーン全面にわ
たって改善することができないことである。
【0005】従来技術2.図16は特開昭62−245
42号公報に記載されたインライン型カラーCRTの偏
向収差の解決方法を示している。原理は図16(a)に
示す様に補正用ヨーク1として互に45°方向の異なる
2種類の四極磁界を発生する2組の巻線をもった8極の
ヨークを用い、一方の巻線には水平走査周期のパラボラ
波を垂直走査周期で変調した信号を与え、他方の巻線に
は水平走査周期の鋸歯状波を垂直走査周期で変調した信
号を与えてスクリーン各点での偏向収差を低減するもの
である。
【0006】この方法は図16(b)のコンバーゼンス
電極42、ダイナミックコンバーゼンスヨーク43およ
び補正用ヨーク1の作用によりスクリーン全面での偏向
収差を低減しようとするものである。図16(c)は補
正用ヨーク1が発生する磁界を示したものである。図1
6(d)および(e)は収差補正前後のスクリーン上の
スポット形状を示している。
【0007】この従来例の問題点は、補正用ヨーク1に
ビームスポットの形状補正のみを行わせてコンバーゼン
ス機能に影響を与えない様にするため、補正用ヨーク1
をRGBビームの交差する主レンズG4の近傍に配置す
る必要があり、このため収差を発生する偏向ヨークに接
近することできず、収差補正が良好に行えないことであ
る。そのため収差補正後においても図16(e)に示す
様にスクリーン周辺部でのスポット径を小さくできな
い。また、主レンズの前方にコンバーゼンス電極43を
配置しなければならず、電子銃の全長が長くなるという
問題点もある。
【0008】従来技術3.図17は従来のカラーCRT
の構造例を示す図である。出典は三菱電機技報第68巻
168頁(1994年)である。図17(a)はカラー
CRT全体の構造を示す図であり、図17(b)はマス
クの構造を示す図である。図においてAはシャドウマス
クを取付けるためのフレームであり、CRT全体の強度
を与える目的で、20mm程度の厚みを持つ低熱膨脹率
の鋼材で作られている。
【0009】低熱膨脹率の鋼材は一般に透磁率が高いの
で、フレームの鋼材は外部からの磁界によって着磁され
やすく、着磁したフレームの作る磁界によってスクリー
ン近傍で電子ビームの軌道が乱されるという問題があっ
た。電子ビームの軌道が乱されると、画像の歪や色ず
れ、解像度の低下等の問題を生じる。
【0010】着磁したフレームは消磁を行えば障害がな
くなるが、従来のCRTのフレームを厚みの大きい鋼材
で作られているため、消磁に用いる高周波磁界が鋼材内
部に浸透しにくく、消磁が困難であった。これは表皮効
果とう現象によるものであり、消磁用高周波磁界の周波
数を低くすれば避けられるが、そうすると電磁石電源が
大がかりなものになるという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来技術ではス
クリーン上のスポット形状を水平/垂直または45°方
向のいずれか一方についてしか良好に補正することがで
きないという問題点があった。第2の従来技術では収差
補正手段である補正用ヨークを、収差を発生する偏向ヨ
ークから離れた位置に設置する必要があるため、収差の
補正が十分に行われず、また電子銃の全長が長くなると
いう問題点があった。第3の従来技術ではシャドーマス
クのフレームが厚板でできているため、通常の消磁手段
である高周波磁界が浸透せず、消磁が困難であるという
問題点があった。この発明の目的は、従来技術の前記の
問題点を解消し、スクリーン全面にわたってスポット形
状を改善し、高解像度を達成することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成にお
いては、インラインビーム型CRTにおいて、偏向ヨー
クのネック部に4極電磁石と、ビーム軸まわりに45°
回転させた4極電磁石とを備え、電子銃部分に個々のビ
ームの各々に4極電界を印加する電界レンズを備えた。
【0013】本発明の第2の構成においては、インライ
ンビーム型CRTにおいて、偏向ヨークのネック部に4
極電磁石と、ビーム軸まわりに45°回転させた4極電
磁石とを備え、電子銃部分の外側ビームを内側に偏向さ
せる電界レンズを備えた。
【0014】本発明の第3の構成においては、単ビーム
型CRTにおいて、偏向ヨークの水平および垂直磁界の
6極成分をトリプレット配置とし、偏向ヨークのネック
部にスキュー4極磁石を備えた。
【0015】本発明の第4の構成においては、偏向ヨー
クの6極磁界のトリプレット配置を、偏向コイルの巻線
分布によって構成した。
【0016】本発明の第5の構成においては、偏向コイ
ルの6極磁界のトリプレット配置を、6極磁界成分を有
する偏向ヨークおよび偏向ヨークの前後に配置した6極
磁界の符号を反転する磁性体によって構成した。
【0017】本発明の第6の構成においては、セルフコ
ンバーゼンスヨークを備えたインラインビーム型CRT
において、偏向ヨークのネック部に補正量を過剰にした
コマ収差補正用6極磁石と、前記6極磁石の近傍に前記
6極磁石との相対距離を調節可能にした磁性体リングと
を備えた。
【0018】本発明の第7の構成においては、インライ
ン型ビームの各々のビームに対して設けられ、直交して
対向するくちばし状電極を備えた4極電界レンズにおい
て、くちばし状電極の幅がビーム軸に沿って先端に向っ
て変化する形状をもつ4極電界レンズを備えた。
【0019】本発明の第8の構成においては、同軸に配
置され、軸に垂直な断面が対向する複数の円筒電極から
成るビーム収束レンズにおいて、前記対向する断面の周
方向の形状を波形にしてかみ合わせたビーム収束レンズ
を備えた。
【0020】本発明の第9の構成においては、円筒電極
の内側に、該円筒電極より短かく、軸方向にスリットを
有する円筒電極を同軸に配置したビーム収束レンズを備
えた。
【0021】本発明の第10の構成においては、シャド
ーマスクおよびそれを取付けるフレームを備えたCRT
において、前記フレームを、スクリーンに平行な方向に
積層した鋼板の薄板で構成した。
【0022】本発明の第11の構成においては、CRT
を搬送するコンベアと、該コンベアの両側に対をなして
対向する磁石対をコンベアに沿って複数対配列し、前記
複数の磁石対の磁界の方向を一対毎に反転し、前記各磁
石対の強度を前記コンベアの上流から下流に向って弱く
した。
【0023】本発明の第12の構成においては、対向す
る電磁石対と、CRTを載せて前記電磁石対の間で回転
させる回転テーブルと、回転テーブルを、回転させる回
転機構と、前記電磁石対に電流を供給し、その電流値を
時間的に変化させる直流電源とを備えた。
【0024】本発明の第13の構成においては、対向す
る磁石対と、CRTを乗せて前記磁石対の間で回転させ
る回転テーブルと、前記CRTと磁石対との相対距離を
変化させる駆動機構とを備えた。
【0025】本発明の第14の構成においては、本発明
の第11、12、または13の構成によるCRTの解像
度改善装置により減衰交番磁界を与えて、CRTのフレ
ームを消磁した。
【0026】
【作用】本発明の第1および第2の構成においては、偏
向ヨークの6極磁界を不要としたので、これによる強い
収差が発生せず、また収差の補正手段を収差の発生部に
近接して配置できるため、収差補正が有効に作用しスク
リーン全面にわたって良好なスポット形状が得られ、高
解像度が得られる。
【0027】本発明の第3から第5の構成においては、
従来複数個必要であった4極磁石またはスキュー4極磁
石が1個のスキュー4極磁石ですみ、スクリーン全面に
わたって良好なスポット形状が得られ、高解像度が得ら
れる。
【0028】本発明の第6の構成においては、コマ収差
補正の過不足の調整が容易にでき、スクリーン全面にわ
たって良好なスポット形状が得られ、高解像度が得られ
る。
【0029】本発明の第7の構成においては、良好な非
点収差の補正が可能であり、ビーム位置の変動に対して
も収差補正が安定であるため、スクリーン全面にわたっ
て良好なスポット形状が得られ、高解像度が得られる。
【0030】本発明の第8および第9の構成において
は、ビーム収束レンズの球面収差が減少し、スクリーン
全面にわたって良好なスポット形状が得られ、高解像度
が得られる。
【0031】本発明の第10の構成によれば、従来の消
磁用高周波磁界でのシャドーマスクのフレームの消磁が
容易となり、スクリーン全面にわたって良好なスポット
形状が得られ、高解像度が得られる。
【0032】本発明の第11から第13の構成において
は、従来の厚板を用いたシャドーマスクのフレームの消
磁が容易となり、スクリーン全面にわたって良好なスポ
ット形状が得られ、高解像度が得られる。
【0033】本発明の第14の構成においては、従来の
厚板を用いたシャドーマスクのフレームの消磁が容易と
なり、スクリーン全面にわたって良好なスポット形状が
得られ、高解像度が得られる。
【0034】
【実施例】
実施例1.本実施例は、従来のインライン型CRTにお
いて偏向収差の原因となっていた偏向ヨークの6極磁界
を除去し、高精度なビームスポット形状補正を実現する
ものである。従来のインライン型CRTにおいてはRG
Bの3本のビームのコンバーゼンスを行うために偏向ヨ
ーク部で6極磁界成分を発生する様にしていたが、この
6極磁界はビームスポットに強い非点収差を発生してい
た。この収差を補正する手段としては電子銃部分に配置
した4極電界レンズ等を用いていたが、収差量が非常に
大きく高精度な補正が困難であった。また、収差の発生
部位である偏向ヨークの強い高周波磁界が収差補正用の
4極電界レンズや主レンズと干渉するため、偏向ヨーク
と近接して配置することができないことも収差の補正を
困難にしていた。
【0035】以下に図を用いて本実施例について説明す
る。図1は本実施例の構成と作用を説明する図である。
図1(a)は本実施例のカラーCRTの基本構成を示す
図であり、1はインライン型電子銃、2は偏向ヨーク、
3はスクリーンを含む真空チューブ、4は補正用ヨーク
である。
【0036】図1(b)は補正用ヨークとそれが発生す
る磁界を示している。補正用ヨークは、ビームに水平ま
たは垂直方向の作用を与える4極磁界と、それを45°
回転させた4極磁界(以下スキュー4極磁界と呼ぶ)を
発生する2組の4極磁石を組合せたものであり、合計8
極から成る。このヨークは、4極磁石およびスキュー4
極磁石に対応する2組のコイルをもっている。4極磁界
およびスキュー4極磁界の形状を同図右側に示す。な
お、4極磁石とスキュー4極磁石は別個に設けてもよ
い。図1(c)は、電子銃1の内部に配置された4極電
界レンズ1−1の構造例を示す。
【0037】次に本実施例の動作について説明する。本
実施例の偏向ヨーク2は従来の偏向ヨークと異なり、ビ
ームコンバーゼンスのための6極磁界を発生しない均一
磁界としている。ビームコンバーゼンスは、補正用ヨー
ク4の4極磁界によって行なう。ビームコンバーゼンス
の結果、ビームスポットには非点収差が発生するが、こ
の収差量は、従来の偏向ヨークの6極磁界によるコンバ
ーゼンスの場合に比べて小さいものである。
【0038】前記のビームスポットの非点収差の補正
は、スクリーン上の斜方向については補正用ヨーク1の
スキュー4極磁界によって行ない、水平/垂直方向につ
いては電子銃の4極電界レンズ1−1によって行なう。
この実施例においては、収差の補正手段を収差の発生部
位に近接して配置できるため、収差の補正を容易に高い
精度で行うことができる。
【0039】以上の補正を行った結果、インライン型ビ
ームには外側の2つのビームと中心のビームとの間にコ
ンバーゼンス誤差(コマ収差)が残ることがあるが、こ
の誤差に対しては偏向ヨークのネック部に6極磁界を発
生する巻線配置や磁性体の配置によって解決すればよ
い。この対策に必要な6極磁界成分の強度は、従来のコ
ンバーゼンスを目的とした6極磁界に比べて小さいもの
であり、これが発生する収差は無視できる程度のもので
ある。
【0040】補正用ヨーク4および4極電界レンズ1−
1による前記のビームスポット補正は、夫々の補正手段
に与える制御電圧(または電流)によって行われるが、
これらの制御電圧は、スクリーン上のビームスポット位
置に対応して要求される値に制御される。これに用いら
れる制御電源は、従来技術で用いられているパラボラ状
または鋸歯状の電圧波形を発生する制御電源と同様なも
のである。また、電子銃のビーム収束レンズに与える電
圧をスポット位置に対応して変化させることも、高精度
CRTでは通常行われている。
【0041】電子銃内の4極電界レンズ1−1は、図1
(c)に示す様にRGBの夫々のビームに対して設けら
れているため、これによる水平/垂直方向の非点収差の
補正は、補正用ヨーク4によるコンバーゼンスや斜め方
向の非点収差の補正に影響を与えない。補正用ヨークの
スキュー4極磁界による斜め方向の非点収差の補正も、
他のビーム補正機能と干渉しない。非点収差の補正自体
が斜め方向のコンバーゼンス作用を含んでいるが、これ
は非点収差補正機能の一部であって、他の補正と干渉す
るものではない。従ってコンバーゼンスと非点収差補正
は互に独立に行うことができる。この独立性は、各補正
機能のスクリーン上のビームスポット位置に対応した電
圧制御を容易にする。
【0042】本実施例では、従来の偏向ヨークの6極磁
界による強い非点収差が避けられるので高精度な収差補
正が可能となり、コンバーゼンスを受け持つ補正用ヨー
クと非点収差の補正手段を近接して配置できるために収
差補正が容易となる。従って、スクリーン全面にわたっ
て良好なスポット形状が得られ、高い解像度が得られ
る。また、各収差補正手段の作用の独立性が高いため、
収差補正の実施が容易である。
【0043】実施例2.本実施例は、実施例1と同様に
偏向ヨークの6極磁界を不要にする技術の他の例であ
る。図2は、本実施例の構成と作用を説明する図であ
る。図2(a)において1〜4は実施例1と同様であ
る。図2(b)は、電子銃1の内部に設けられたビーム
コンバーゼンス用電界レンズ1−2のビーム共通面での
断面図である。電界レンズ1−2は2つの電極1−2−
1、1−2−2から成る。夫々の電極は、RGBの3本
のビームの貫通孔を有する2枚の板状電極から成り、一
方の板状電極には中心ビームを挟む2枚の歯状電極を備
え、他方の板状電極には、外側ビームを挟む2枚の歯状
電極を備えている。これらの歯状電極はすべてビーム共
通面に垂直である。
【0044】次に本実施例の動作について説明する。本
実施例においては、ビームコンバーゼンスは電子銃内に
設けられた電界レンズ1−2によって行われる。電界レ
ンズ1−2の2つの電極1−2−1と1−2−2に電位
差を与えれば、外側ビームのみに内側への偏向作用を与
え、コンバーゼンスが行われる。従って、偏向ヨーク2
では6極磁界を発生する必要はなく、均一磁界としてい
る。
【0045】補正用ヨーク4の4極磁界は水平/垂直方
向の非点収差を補正し、スキュー4極磁界は斜め方向の
非点収差を補正する。コンバーゼンス機能は電界レンズ
1−2が大部分を分担するので、補正用ヨーク4は非点
収差の補正のみを行えばよい。
【0046】本実施例においても、偏向ヨークを均一磁
界としているので、従来の偏向ヨークの6極磁界に起因
する非点収差が避けられ、高精度なスポット補正が行な
える。また、コンバーゼンス用電界レンズ1−2と補正
用ヨーク4とを近接して配置できるため、収差の補正が
良好に行える。従ってスクリーン全面にわたって良好な
スポット形状が得られ、高い解像度が得られる。また、
本実施例においてもコンバーゼンス機能とスポット補正
機能との干渉が少なく、スポット補正が容易に行なえ
る。
【0047】実施例3.本実施例は単ビームCRTにお
いて、偏向ヨークの6極磁界成分の極性を水平、垂直と
もにビーム軸に沿って交互に反転させた偏向ヨークと、
1個のスキュー4極電磁石を用いてスクリーン全面にわ
たるスポット形状補正を行うものである。従来の技術に
おいては4極電磁石を複数必要としていた。
【0048】図3は本実施例の構成と作用を説明する図
である図3(a)において1〜3は実施例1と同様であ
り、2−1は垂直偏向コイル、2−2は水平偏向コイル
を示す。5は45°方向の収束/発散作用をもつスキュ
ー4極電磁石であり、コア形状と発生磁界を図3(b)
に示す。図3(c)は偏向ヨークの6極磁界成分のビー
ム軸に沿った分布を示している。
【0049】単ビームCRTにおいてはビームコンバー
ゼンスの必要がないので偏向ヨークの磁界分布の設計に
は自由度があり、巻線分布の設計によって図3(c)の
様な6極磁界分布とすることが可能である。6極磁界と
偏向磁界との合成磁界は、ピンクッション型またはバレ
ル型の磁界となるので、図3(c)の様な6極磁界分布
と偏向磁界との合成磁界は、例えばビーム軸に沿ってピ
ンクッション型、バレル型、ピンクッション型の様な順
序の磁界領域を発生する。ピンクッション型磁界はビー
ムに発散作用を与え、バレル型磁界は収束作用を与え
る。
【0050】磁界分布をビーム軸に沿って例えば発散、
収束、発散としてビームを3つの領域を通過させ、電磁
収束レンズ(主レンズ)の収束力を併用することによっ
て、一般にスクリーン上の水平、垂直両方向の非点収差
とコマ収差を補正することができる。これによりスクリ
ーン上で非点収差の残る方向を斜め方向のみに限定する
ことができ、この残存収差は1個のスキュー4極電磁石
で補正することができる。本実施例は以上の様な収差補
正を行っているので、スキュー4極電磁石を1個だけ用
いて、スクリーン全面にわたるスポット形状を良好に補
正することができる。
【0051】一般にスクリーン全面にわたってスポット
形状を補正するためには、結像条件および倍率を水平お
よび垂直の2方向について満足させる必要があり、ビー
ム収束条件に関する設計上の自由度を4個必要とする。
前記の様に、磁界配置を交互に例えば発散、収束、発散
の様に配置したものは一般にトリプレット配置と呼ば
れ、ビーム収束条件の設計上の自由度を3個持ってい
る。これに主レンズの自由度を加えると4個の自由度を
持つことになり、前記の設計上の必要自由度4を満たす
ことができる。
【0052】実施例4.実施例3においてはピンクッシ
ョン、バレル、ピンクッションの磁界分布を偏向ヨーク
の巻線分布によって実現したが、本実施例は、磁界分布
の形成を磁性体の併用して行ない、巻線分布の設計を簡
略化したものである。
【0053】図4は本実施例の構成と作用を説明する図
である。図4(a)において2は偏向ヨークであり、そ
の巻線は全体がピンクッション型またはバレル型の磁界
となる様に設計されている。6は磁性体である。図4
(b)は磁性体6の形状例とその作用を示す図である。
磁性体6の形状例6−1は均一磁界をピンクッション型
に変える作用をし、形状例6−2は均一磁界をバレル型
に変える作用をする。
【0054】ここで偏向ヨークの磁界全体を例えばバレ
ル型としておき、偏向ヨークの入口と出口に形状例6−
1の磁性体を配置すれば、磁性体付近の領域の磁界をピ
ンクッション型に変更することができるので、実施例3
と同様にビーム軸に沿ってピンクッション型、バレル
型、ピンクッション型の磁界配列を得ることができる。
ここでの磁性体6−1の作用は、偏向ヨークの6極磁界
成分の符号を反転しているものである。この実施例は偏
向ヨークの巻線分布を単純化できることおよび磁性体の
配置調整により、磁界分布の調整ができるという利点が
ある。
【0055】実施例5.本実施例は偏向ヨークに6極磁
界を有するセルフコンバーゼンスヨークの収差補正に関
するものであり、特にコマ収差の補正を容易にするもの
である。
【0056】図5は本実施例の構成と作用を説明する図
である。図5(a)はCRTの基本構成を示しており2
はセルフコンバーゼンスヨーク、7はコマ収差補正用ヨ
ーク、8は磁性体リングである。
【0057】従来のセルフコンバーゼンスヨークは、ビ
ームコンバーゼンスを行うために偏向磁界に6極成分を
含ませている。この6極磁界はビームに非点収差と3本
のビーム相互間でのコマ収差を発生していた。このコマ
収差の補正は偏向ヨークのネック部に6極磁界を発生す
るコマ収差補正用ヨークを別途に設けて行っていたが、
偏向ヨークのコイル巻線の固体差が原因で6極磁界の強
さに固体差があり、補正が困難であった。
【0058】本実施例ではコマ収差補正用ヨーク7の6
極磁界強度をコマ収差の補正に必要な強度に対して過剰
にしておき、磁性体リング8によって磁束をバイパスし
減弱させるものである。コマ収差の補正は磁性体リング
8の位置をコマ収差補正用ヨーク7の近傍で調整するこ
とによって行なう。図5(b)はコマ収差補正用ヨーク
7の6極磁界成分(例えばBy)の強度が磁性体リング
8の位置によって変化する状態を示している。本実施例
においては過剰な磁界強度をもつコマ収差補正用ヨーク
とその磁界を減弱させて調整する磁性体リングを用いて
いるので、偏向ヨークの6極磁界に固体差があっても、
良好なコマ収差の補正が容易に行える。
【0059】実施例6.本実施例は、インライン型ビー
ムの偏向によって生じる非点収差を補正する電界レンズ
に関するものである。
【0060】図6は本実施例の構成と作用を説明する図
である。図6(a)は電界レンズの側面図、(b)は平
面図、(c)は電界レンズの一部の電極の形状を示す図
である。本電界レンズは、図6(c)の形状の電極2枚
をビームをはさんでくちばし状に配置し、更にこのくち
ばし状の配置を90°回転させたものを対向して配置
し、図6(a)、(b)の様に構成する。9−1、9−
2は対向するくちばし状電極であり、9−1〜9−3は
夫々電子ビームが貫通する円孔を有する。これらの電極
は、図6(b)に示す様に3本の電子ビームの夫々に対
して9−1〜9−3の様に配置されている。
【0061】ここで対向する電極9−1と9−2の間の
電位差を与えると四極電界が発生する。本電界レンズは
電極形状が図6(c)の様にビーム進行方向(z)に沿
って幅を変化させているので、4極電界成分以外の高次
電界成分が少ないという特徴を有している。そのためこ
の電界レンズはビームの非点収差補正のみを行ない、他
の収差を発生することがないという利点を有している。
【0062】本電極の形状により、高次電界成分を含ま
ない4極電界が発生できる理由は以下の通りである。本
電界レンズの4極電界成分(例えば∂Ex/∂X)の分
布は図6(d)の様にビーム進行方向Zに沿って下に凸
の形状から上に凸の形状に変化しており、この事は4極
成分以外の高次電界成分(例えば8極成分である∂E3
x/∂X3 )の極性がビーム進行方向に沿って図4
(e)に示す様に反転していることを意味する。
【0063】従って、高次電界成分のビーム軸に沿った
積分値は相殺されて小さくなる。この事はまた、進行す
る電子ビームの受ける4極電界成分の総量が、ビームの
横方向の変化に対して少ないことをも意味する。この結
果、電子ビームは中心軸からはなれた位置を通っても中
心軸ビームと等しく、且つ高次成分を含まない4極電界
を受けることになる。従って電子ビームは非点収差の補
正のみを受け、他の収差を発生することがない。従来の
この種の電子レンズでは、電極の巾をビーム進行方向に
一定としていたので、上述の様なすぐれた作用は得られ
ない。
【0064】本実施例では対向するくちばし状の電極を
水平/垂直方向とし、水平/垂直方向の非点収差を補正
する場合について説明したが、対向するくちばし状の電
極をともに45°回転させて、45°方向の非点収差を
補正することもできる。更に、水平/垂直方向の電界レ
ンズと45°方向の電界レンズを共に設け、スクリーン
上のビーム位置に応じて夫々の電界レンズに与える電圧
を制御すれば、スクリーン全面にわたってすべての方向
の非点収差を補正することができる。
【0065】実施例7.本実施例は、対向する円筒電極
を用いたビーム収束レンズの球面収差を改善したもので
ある。図7,8および9は本実施例のビーム収束レンズ
の構成と作用を説明する図である。図7(a)は従来の
対向円筒電極によるビーム収束レンズの構造例を示し、
(b)は本実施例のビーム収束レンズの構造図、(c)
は本実施例のビーム収束レンズの軸方向の展開図であ
る。
【0066】図7(a)に示す従来のビーム収束レンズ
は、対向する2つの円筒電極に電位差を与えてビーム収
束作用を持たせるものであるが、この時ビームの内周部
と外周部での収束力の違いによる球面収差が発生する。
従来のビーム収束レンズでは図7(a)の様に単純な形
状であるため、球面収差を補正するための設計上の自由
度が少なく、球面収差の補正が困難であった。
【0067】本実施例のビーム収束レンズは、図7
(b)に示すように、対向する円筒電極の対向断面の形
状を、円周方向に沿って波形にかみ合わせたものであ
る。波形の周期は、円周に沿って2周期のものを示した
が、更に多周期としてもよい。ビーム収束レンズの形式
としては2つの電極を用いるバイポテンシャル型のもの
にも、3つの電極を用いるユニポテンシャル型のものに
も用いることができる。
【0068】図8は、本発明の電極構造をユニポテンシ
ャル型のビーム収束レンズに用いた実施例を説明する図
である。本ビーム収束レンズは図8(a)に示すように
外側電極12−1,12−3および中間電極12−2か
ら成る。ビーム収束作用は、外側電極の電位V1 と中間
電極の電位V2 とに電位差を与えることによって発生さ
せる。
【0069】ここで波形のかみ合わせ部の形状を、レン
ズを軸に直角方向に切断した時に、全円周の長さを中間
電極12−2が占有する割合fとして、例えば次式で定
義する。中間電極の長さを2lとして、 fV2 +(1−f)V1 =V2 +(V1 −V2 )(|Z|/l)n …(1) 中間電極の占有する割合lfは、図8(b)に示すよう
に中間電極の中央で1となり、端部でゼロとなる。nは
中間電極端部での電位勾配を支配し、nが大きくなるに
つれて電位勾配は急峻になる。nを変化させた時の軸上
電位分布を図9(a)に示す。
【0070】この様な電極構造においてnの値と球面収
差係数Csとの関係を計算によって調べると図9(b)
の様になり、n=2から3程度の時に球面収差係数が著
しく小さくなるとがわかった。また、式(1)の凾数形
は一例として挙げたものであり、この他に鋸歯状波形等
の凾数形において、中間電極端部での電位勾配を調節し
たものでも、類似の効果が得られる。
【0071】実施例8.本実施例は、円筒型のビーム収
束レンズの球面収差を改善する他の例である。本実施例
では実施例7のかみ合わせ部を有する円筒電極に替え
て、円筒電極の内部に軸方向のスリットをもった短かい
円筒状の内部電極を設けたものでる。
【0072】図10は本実施例のビーム収束レンズの構
成と作用を説明する図である。図10(a)はビーム収
束レンズの構造図であり、13−1は円筒電極、13−
2は円筒電極内部に同軸に配置され、軸方向にスリット
をもった円管状の内部電極である。図10(b)はビー
ム収束レンズ内の軸上電位分布を示している。
【0073】図10(b)は外側の円筒電極の電位をV
1 、内部電極の電位V2 と(V1 >V2 )した時のビー
ム収束レンズ内の軸上電位分布を示している。内部電極
両端では、内部電極が全周にわたって存在するため、軸
上電位はV2 に近くなるが、内部電極中央部ではスリッ
トがあるため、軸上電位はV1 とV2 の中間の値とな
る。軸上電位の分布はスリットの形状に依存し、図10
(b)には長方形と紡錘形の例を示している。
【0074】本実施例では内部電極のスリットの形状に
よって軸上電位分布の形状を変えることができるので、
実施例7と同様な手法で球面収差係数の小さくなるスリ
ット形状を実現することができる。また、この実施例で
は内部電極の切欠きの形状をスリットとしたが、大きさ
の異なる孔を組合わせて配列したもの等でも類似の作用
を持たせることができる。
【0075】実施例9.本実施例はCRTのシャドーマ
スクを取付けるフレームの消磁を容易にし、フレームの
着磁による画質の劣化を防止しものである。図11は、
本実施例の構成を示す図である。図において14はシャ
ドーマスクを取付けるフレームを示し、積層した薄板の
鋼板から成る。15は積層した鋼板の接合部を示す。
【0076】本実施例のフレームは従来の20mm程度
の厚板から成るフレームと異なり、積層した薄板の鋼板
から成るので、消磁用高周波磁界が浸透し、容易に消磁
が行える。高周波磁界が浸透できる鋼板の厚さは表皮効
果による表皮厚みδで決まり、次式で表わされる。 δ=(1/2πfσμ)0.5 (1) ここでfは周波数、σは導電率、μは透磁率である。鋼
板の厚さを式(1)のδより小さくすることにより高周
波磁界による消磁が可能となる。従来の厚板からなるフ
レームでは浸透可能な高周波磁界の周波数fが低くな
り、磁界を発生するための高周波電源に困難を生じる。
【0077】一般に消磁用の高周波電源はコンデンサと
消磁用コイルによる共振回路から成り、その共振周波数
fおよび減衰時間τは次式で表わされる。 f=1/2π(LC)0.5 (2) τ=L/R (3) 周波数fを低くするためにはLまたはCを大きくする必
要があり電源が大型化するという困難を生じる。また、
周波数fを低くすれば減衰時間τを長くする必要が生
じ、これには消磁コイルの抵抗値を低くしなければなら
ないという困難を生じる。フレームを薄板鋼板で構成す
ると、高周波磁界の周波数を高くできるので、これらの
困難を解消することができる。浸透可能な周波数fの概
略値は、式(1)より求めると、従来の1cmオーダの板
厚では1Hzのオーダとなり、0.1〜1mmの薄板で
はkHzのオーダとなる。
【0078】一方、フレームにはCRT全体の機械的強
度を保つための強度が必要であるが、必要な強度の方向
はCRTのスクリーンの面に平行な方向であるため、薄
板鋼板をスクリーンに平行に積層して接合すれば厚板と
同等の強度が得られる。接合の方法は、スポット溶接や
接着によればよい。シャドーマスクのフレームを本実施
例の様に構成することによって、フレームの着磁を従来
の消磁用高周波磁界によって消磁することができる。従
って着磁したフレームの磁界によるビームスポットの劣
化が解消でき、高解像度で歪みのない画像が得られる。
【0079】実施例10.本実施例は、従来の厚板を用
いたシャドーマスクのフレームの着磁を消磁し、フレー
ムの着磁によるビームスポットの劣化を解消してCRT
の解像度を改善するための装置である。
【0080】図12は本実施例の構成と作用を説明する
図である。図12(a)において3は内部にシャドーマ
スクのフレームを有するCRTチューブ、16はCRT
チューブを図中で左から右へ搬送するコンベア、17は
直流電磁石であり、CRTのコンベア16の上下に同一
方向の磁界を発生する一対の電磁石17−1および17
−2からなる。電磁石17はコンベア16に沿って繰返
して設置され、一対毎に磁界の方向が反転している。矢
印は交互に反転する磁界の方向を示している。また電磁
石17の磁界の強度はコンベア16の上流から下流に向
って次第に弱くなっている。電磁石17の配置方向はコ
ンベアをはさんで上下でも左右でもよい。また電磁石の
強度をコンベアの下流側に向って次第に弱くするかわり
に、電磁石対17−1および17−2の間隔をコンベア
の下流側に向って次第に広くしてもよい。
【0081】次に動作について説明する。CRTチュー
ブ3はコンベア16によって搬送される途中で、繰返し
て設置された電磁石17から方向の交番する磁界を受け
る。交番磁界の強度はコンベアの上流から下流に向って
弱くなるので、CRTチューブの受ける磁界は図12
(b)の様に減衰する交番磁界となる。
【0082】一般に減衰する交番磁界により着磁したも
のを消磁させることができるが、本実施例の特徴は従来
の消磁用高周波磁界と異なり、磁界の交番周波数を任意
に低くできることである。交番周波数は、コンベアの速
度と電磁石17の間隔で調整できる。従来のシャドーマ
スクのフレームは厚板からできているため、消磁用磁界
を浸透させるためには非常に低い交番周波数を要求さ
れ、従来の消磁用高周波磁界では消磁が困難であった
が、本実施例では任意の低い交番周波数が得られるの
で、容易に消磁が行える。この結果、着磁したフレーム
の磁界によるビームスポットの劣化が解消でき、スクリ
ーン全面にわたって高解像度で歪のない画像が得られ
る。
【0083】図12(c)は、図12(a)の直流電磁
石17の替りに永久磁石18を用いたものを示す。永久
磁石18は極性の対向する一対の永久磁石18−1およ
び18−2からなる。永久磁石18はコンベア16に沿
って繰返して設置され、一対毎に磁界の方向が反転して
いる。また磁石の強度はコンベア16の上流から下流に
向って次第に弱くなっている。従ってCRTチューブ3
がコンベア6に搬送される途中で受ける磁界は、図12
(a)の場合と同様に図12(b)に示す様な減衰交番
磁界となる。従って図12(c)の実施例においても図
12(a)の実施例と同様な作用効果を有する。
【0084】実施例11.本実施例は、実施例10と同
様にシャドーマスクのフレームを消磁するために、フレ
ームに低周波の交番磁界を与える他の方法とその装置で
ある。図13(a)において17は直流電磁石、19は
CRTチューブを載せる回転テーブル、20は回転テー
ブル19を回転させるモータ等の駆動機構、21は直流
電磁石17の電源であり、出力電流を予め設定したパタ
ーンで変化させられるものである。
【0085】直流電磁石17は同一方向(矢印)の磁界
を発生する一対の電磁石17−1および17−2から成
り、CRTチューブは、回転テーブル19に載せられ
て、一対の電磁石17−1と17−2の間で回転させら
れる。従ってCRTチューブは方向の交番する磁界を受
ける。ここで電磁石電源21の出力電流を図13(b)
の様に時間とともに減少するパターンで変化させれば、
CRTチューブは減衰する交番磁界を受ける。磁界の交
番周波数はモータ20の回転速度によるので、任意に低
い周波数とすることができ、実施例10と同様に厚板か
ら成るフレームを消磁することができる。
【0086】図14は、図13の実施例において電磁石
電源21の出力電流を変化させる替りに、電磁石とCR
Tチューブとの距離を変化させたものを示す。図14
(a)は電磁石17を架台22により上下に動かす場合
を示す。消磁過程の初期においては、電磁石17−1お
よび17−2は回転テーブル19上で回転するCRTチ
ューブを狭む位置にあり、時間とともに上方に引上げら
れてCRTチューブから離される。これにより、CRT
チューブは時間とともに減衰する交番磁界を受けること
になり、図13の実施例と同様にフレームが消磁され
る。なお、この実施例では磁石の強度を変化させる必要
はないので、電磁石17に替えて永久磁石を用いてもよ
い。
【0087】図14(b)は図14(a)において電磁
石17を上下させる替りにCRTのターンテーブル19
とモータ20を架台23により上下させるものであり、
図14(a)の実施例と同様な作用効果を有する。
【0088】
【発明の効果】本発明の第1および第2の構成において
は、偏向ヨークの6極磁界を不要としたので、これによ
る強い収差が発生せず、また収差の補正手段を収差の発
生部に近接して配置できるため、収差補正が有効に作用
し、スクリーン全面にわたって良好なスポット形状が得
られ、高解像度が得られる効果がある。
【0089】本発明の第3から第5の構成においては、
従来複数個必要であった4極磁石またはスキュー4極磁
石が1個のスキュー4極磁石ですみ、スクリーン全面に
わたって良好なスポット形状が得られ、高解像度が得ら
れる効果がある。
【0090】本発明の第6の構成においては、コマ収差
補正の過不足の調整が容易にでき、スクリーン全面にわ
たって良好なスポット形状が得られ、高解像度が得られ
る効果がある。
【0091】本発明の第7の構成においては、良好な非
点収差の補正が可能であり、ビーム位置の変動に対して
も収差補正が安定であるため、スクリーン全面にわたっ
て良好なスポット形状が得られ、高解像度が得られる効
果がある。
【0092】本発明の第8および第9の構成において
は、ビーム収束レンズの球面収差が減少し、スクリーン
全面にわたって良好なスポット形状が得られ、高解像度
が得られる効果がある。
【0093】本発明の第10の構成によれば、従来の消
磁用高周波電磁界でのシャドーマスクのフレームの消磁
が容易となり、スクリーン全面にわたって良好なスポッ
ト形状が得られ、高解像度が得られる効果がある。
【0094】本発明の第11から第13の構成において
は、従来の厚板を用いたシャドーマスクのフレームの消
磁が容易となり、スクリーン全面にわたって良好なスポ
ット形状が得られ、高解像度が得られる効果がある。
【0095】本発明の第14の構成においては、従来の
厚板を用いたシャドーマスクのフレームの消磁が容易と
なり、スクリーン全面にわたって良好なスポット形状が
得られ、高解像度が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の構成と作用を示す図である。
【図2】 実施例2の構成と作用を示す図である。
【図3】 実施例3の構成と作用を示す図である。
【図4】 実施例4の構成と作用を示す図である。
【図5】 実施例5の構成と作用を示す図である。
【図6】 実施例6の構成と作用を示す図である。
【図7】 実施例7の構成を示す図である。
【図8】 実施例7の構成と作用を示す図である。
【図9】 実施例7の作用を示す図である。
【図10】 実施例8の構成と作用を示す図である。
【図11】 実施例9の構成を示す図である。
【図12】 実施例10の構成と作用を示す図である。
【図13】 実施例11の構成と作用を示す図である。
【図14】 実施例11の他の構成と作用を示す図であ
る。
【図15】 第1の従来例の構成と作用を示す図であ
る。
【図16】 第2の従来例の構成と作用を示す図であ
る。
【図17】 第3の従来例の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 電子銃 2 偏向ヨーク 3 真空チューブ 4 補正用ヨーク 5 補正用ヨーク 6 磁性体 7 6極磁石 8 磁性体リング 9 4極電界レンズ 10 ビーム収束レ
ンズ 11 ビーム収束レンズ 12 ビーム収束レ
ンズ 13 ビーム収束レンズ 14 フレーム 15 接合部 16 コンベア 17 電磁石対 18 永久磁石対 19 回転テーブル 20 モータ 21 直流電源 22 架台 23 架台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 9/29 B

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インラインビーム型CRTにおいて、偏
    向ヨークのネック部に4極電磁石と、ビーム軸まわりに
    45°回転させた4極電磁石とを備え、電子銃部分に個
    々のビームの各々に4極電界を印加する電界レンズを備
    えたことを特徴とするCRT。
  2. 【請求項2】 インラインビーム型CRTにおいて、偏
    向ヨークのネック部に4極電磁石と、ビーム軸まわりに
    45°回転させた4極電磁石とを備え、電子銃部分に外
    側ビームを内側に偏向させる電界レンズを備えたことを
    特徴とするCRT。
  3. 【請求項3】 単ビーム型CRTにおいて、偏向ヨーク
    の水平および垂直磁界の6極成分をトリプレット配置と
    し、偏向ヨークのネック部にスキュー4極磁石を備えた
    ことを特徴とするCRT。
  4. 【請求項4】 偏向ヨークの6極磁界のトリプレット配
    置を、偏向コイルの巻線分布によって構成したことを特
    徴とする請求項3記載のCRT。
  5. 【請求項5】 偏向コイルの6極磁界のトリプレット配
    置を6極磁界成分を有する偏向ヨークおよび偏向ヨーク
    の前後に配置した6極磁界の符号を反転する磁性体によ
    って構成したことを特徴とする請求項3記載のCRT。
  6. 【請求項6】 セルフコンバーゼンスヨークを備えたイ
    ンラインビーム型CRTにおいて、偏向ヨークのネック
    部に補正量を過剰にしたコマ収差補正用6極磁石と、前
    記6極磁石の近傍に前記6極磁石との相対距離を調節可
    能にした磁性体リングとを備えたことを特徴とするCR
    T。
  7. 【請求項7】 インライン型ビームの各々のビームに対
    して設けられ、直交して対向するくちばし状電極を備え
    た4極電界レンズにおいて、くちばし状電極の幅がビー
    ム軸に沿って変化する形状をもつことを特徴とする4極
    電界レンズを備えたCRT。
  8. 【請求項8】 同軸に配置され、軸に垂直な断面が対向
    する複数の円筒電極から成るビーム収束レンズにおい
    て、前記対向する断面の周方向の形状を波形にしてかみ
    合わせたことを特徴とするビーム収束レンズを備えたC
    RT。
  9. 【請求項9】 円筒電極の内側に、該円筒電極より短
    く、軸方向にスリットを有する円筒電極を同軸に配置し
    たことを特徴とするビーム収束レンズを備えたCRT。
  10. 【請求項10】 シャドーマスクおよびそれを取付ける
    フレームを備えたCRTにおいて、前記フレームを、ス
    クリーンに平行な方向に積層した鋼板の薄板で構成した
    ことを特徴とするCRT。
  11. 【請求項11】 CRTを搬送するコンベアと、該コン
    ベアの両側に対をなして対向する磁石対をコンベアに沿
    って複数対配列し、前記複数の磁石対の磁界の方向を一
    対毎に反転し、前記各磁石対の強度を前記コンベアの上
    流から下流に向って弱くし、前記コンベアに載せたCR
    Tを前記複数の磁石対の作る交番磁界中を通過させるこ
    とによりCRTのフレームに減衰交番磁界を印加するこ
    とを特徴とするCRTの解像度改善装置。
  12. 【請求項12】 対向する電磁石対と、CRTを載せて
    前記電磁石対の間で回転させる回転テーブルと、回転テ
    ーブルを回転させる回転機構と、前記電磁石対に電流を
    供給し、その電流値を時間的に変化させる直流電源とを
    備え、前記回転するCRTのフレームに減衰交番磁界を
    印加することを特徴とするCRTの解像度改善装置。
  13. 【請求項13】 対向する磁石対と、CRTを載せて前
    記磁石対の間で回転させる回転テーブルと、前記CRT
    と磁石対との相対距離を変化させる駆動機構とを備え、
    前記回転するCRTのフレームに減衰交番磁界を印加す
    ることを特徴とするCRTの解像度改善装置。
  14. 【請求項14】 請求項11、12または13のCRT
    の解像度改善装置により減衰交番磁界を与えて、CRT
    のフレームを消磁したことを特徴とするCRT。
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