JPH0821291B2 - 遮断器の操作機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は遮断器の引外し操作にキープソレノイドを使
用する遮断器の操作機構に関する。

（従来の技術） 一般にトリップコイルとしてキープソレノイドを使用
する遮断器の操作機構は、キープソレノイドのアーマチ
ュア部に押し板を設け、この押し板でトリップレバーを
動作させ、トリップレバーによりトリップシャフトを回
転させて遮断器をトリップさせる構成となっている。そ
して、トリップ後の遮断器を再投入する場合は、アーマ
チュア部の先端に取付けた押し板を手で押し、アーマチ
ュア部を押し戻してキープソレノイドをリセットしてい
た。

上記の如くキープソレノイドのアーマチュア部を手で
押し戻してキープソレノイドをリセットする方法は、操
作員が系統の過電流によりトリップしたことを確認して
事故復旧するまで安易に再投入できないという利点があ
るが、開閉操作機構部のリセッットを手動操作ハンドル
にて行う手動操作形遮断器の場合には、開閉操作機構部
のリセットとキープソレノイドのリセットを行う必要が
あった。

（発明が解決しようとする問題点） 以上のように従来の手動操作形遮断器においては、開
閉操作機構部のリセットとキープソレノイドのリセット
を行わなければならず、操作が極めて煩雑となり、誤操
作の虞れがあった。

本発明は上述した問題点を解決するためになされたも
ので、その目的とするところは、開閉操作機構部のリセ
ット操作によりキープソレノイドのリセットを自動的に
行うことができる遮断器の操作機構を提供することにあ
る。

［発明の構成］ （発明が解決しようとする問題点） かかる目的を達成するために本発明は、リセット時に
手動操作形遮断器の開閉操作機構部から力を受けて回動
する駆動レバーと、この駆動レバーの回動動作によりキ
ープソレノイドのアーマチュア部を押し戻す方向に回転
する緩衝レバーと、この緩衝レバーを前記アーマチュア
部を押し戻す方向と反対方向に付勢する第１のねじりバ
ネと、前記アーマチュア部の先端に取付けた押し板に当
接する如く回転可能に設けられ前記緩衝レバーによりア
ーマチュア部を押し戻す方向と反対方向に付勢されたリ
セットレバーと、このリセットレバーを前記アーマチュ
ア部を押し戻す方向に付勢する第２のねじりバネとを具
備したことを特徴とするものである。

（作 用） 本発明においては、リセット時に駆動レバーが手動操
作形遮断器の開閉操作機構部から力を受けると、緩衝レ
バーがキープソレノイドのアーマチュア部を押し戻す方
向に回転し、この緩衝レバーの回転によりリセットレバ
ーがアーマチュア部の先端に取付けた押し板に当接して
キープソレノイドをリセットする。

（実 施 例） 以下、第１図〜第４図を参照して本発明の一実施例に
ついて説明する。

第１図は本発明による遮断器のキープソレノイド部を
示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図を示したもので
ある。同図において１はキープソレノイドで、このキー
プソレノイド１のアーマチュア部２には押し板３が取付
けられている。また、４は後述する手動操作形遮断器の
開閉操作機構部から力を受けてピン５を支点として回動
する駆動レバーである。この駆動レバー４の上端にはピ
ン６が設けられ、このピン６を介して上記開閉操作機構
部から力を受けるようになっている。また、駆動レバー
４はバネ７により図中反時計方向に付勢されており、リ
セット時に上記開閉操作機構部から力を受けると時計方
向に回動して駆動レバー４の下端が緩衝レバー８に当接
するようになっている。

上記緩衝レバー８はピン９を中心に回転可能に設けら
れ、ねじりバネ10により矢印Ａ方向に付勢されている。
この緩衝レバー８の端部にはＬ字形の折曲部11が設けら
れており、折曲部11にはピン９を中心に回転可能に設け
られたリセットレバー12が係合している。このリセット
レバー12はアーマチュア部２の先端に取付けた押し板３
と当接する位置に設けられ、ねじりバネ13により矢印Ａ
方向と反対方向すなわちアーマチュア部２を押し戻す方
向に付勢されている。なお、14は本体フレームである。

第２図〜第４図は第１図に示したキープソレノイド部
を手動操作形遮断器の開閉操作形機構部に組込んだ図を
示し、第２図は投入状態、第３図はトリップ状態、第４
図はリセット状態をそれぞれ示したものである。第２図
〜第４図において15はトリップレバー、16はトリップシ
ャフト、17はキャッチ、18はトリップキャッチ、19は操
作バネ、20はピン、21は第１リンク、22は第２リンク、
23は第３リンク、24は角形シャフト、25はレバー、26は
主接点、27は手動操作ハンドル、28は主シャフト、29は
バネフック、30はピンである。

第２図の状態において、トリップ信号がキープソレノ
イド１に入力されるとキープソレノイド１のアーマチュ
ア部２が第３図の如く動作し、アーマチュア部２の先端
に取付けた押し板３でトリップレバー15を回転させる。
これによりトリップシャフト16が回転してキャッチ17と
トリップキャップ18との係合が外れ、トリップキャッチ
18が操作バネ19のバネ力によりピン20を支点として図中
反時計方向へ回動することで遮断器がトリップされる。
つまり、トリップキャッチ18の回動動作により第１リン
ク21,第２リンク22,第３リンク23を介して角形シャフト
24が図中反時計方向に回転し、レバー25を同方向へ転倒
させて主接点26を開極させる。なお、このとき駆動レバ
ー４は何ら力を受けていない。また、トリップ状態では
主シャフト28の回転と共に手動操作ハンドル27が投入位
置からトリップ位置へ移動するため、遮断器がトリップ
したことを容易に判断できる。

トリップ後に遮断器の再投入する場合は、手動操作ハ
ンドル27にて主シャフト28を第４図の如くトリップ位置
からリセット位置へ回転させる。そうすると、主シャフ
ト28の回転動作に応じてバネフック29がピン30を支点と
して図中時計方向に回動し、駆動レバー４の上端に設け
たピン６を押して駆動レバー４をピン５を支点として図
中時計方向に回動させる。このとき駆動レバー４の下端
が緩衝レバー８に当接し、緩衝レバー８をピン９を中心
に第１図の矢印Ａ方向と反対方向に回転させる。この緩
衝レバー８が回転するとリセットレバー12はねじりバネ
13により矢印Ａ方向と反対方向に付勢されているため、
緩衝レバー８と共にピン９を中心にキープソレノイド１
のアーマチュア部２を押し戻す方向に回転する。これに
よりリセットレバー12が押し板３に当接し、押し板３を
介してアーマチュア部２を押し戻してキープソレノイド
１をリセットする。

また、主シャフト28をトリップ位置からリセット位置
へ回転させると、トリップキャッチ18が操作バネ19のバ
ネ力によりピン20を支点として図中時計方向へ回動す
る。キープソレノイド１がリセットした時点ではトリッ
プキャッチ18はキャッチ17に係合していないが、主シャ
フト28をリセット位置からさらに図中反時計方向へ回転
させるとトリップキャッチ18の爪部18aがキャッチ17に
係合すると共に、角形シャフト24が図中時計方向に回転
して主接点26を閉極させる。なお、このとき駆動レバー
４はバネフック29の回動力を受けるが、キープソレノイ
ド１は既にリセットしているため、リセットレバー12は
それ以上回転せず、緩衝レバー８のみが回転する。従っ
て、キープソレノイド１のアーマチュア部２にはねじり
バネ13のバネ力のみがリセットレバー12を介して加えら
れ、キープソレノイド１のリセットを確実なものにする
と共に、開閉操作機構部とキープソレノイド部とのリセ
ットストロークの差を緩衝レバー８にて吸収できる。な
お、開閉操作機構部のリセット後は手動操作ハンドル27
を操作して主シャフト28をリセット位置から投入位置へ
回転させる。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明によれば、リセット時に手
動操作形遮断器の開閉操作機構部から力を受けて回動す
る駆動レバー４と、この駆動レバー４の回動動作により
キープソレノイド１のアーマチュア部２を押し戻す方向
に回転する緩衝レバー８と、この緩衝レバー８を前記ア
ーマチュア部２を押し戻す方向と反対方向に付勢する第
１のねじりバネ10と、前記アーマチュア部２の先端に取
付けた押し板３に当接する如く回転可能に設けられ前記
緩衝レバー８によりアーマチュア部２を押し戻す方向と
反対方向に付勢されたリセットレバー12と、このリセッ
トレバー12をアーマチュア部２を押し戻す方向に付勢す
る第２のねじりバネ13とを設けたので、開閉操作機構部
のリセット操作によりキープソレノイドのリセットを自
動的に行うことができ、遮断器の操作性を向上させるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による遮断器のキープソレノイド部を示
し、同図（ａ）は平面図、同図（ｂ）は正面図、第２図
〜第４図は第１図のキープソレノイド部を手動操作形遮
断器の開閉操作機構部に組込んだ図を示し、第２図は投
入状態を示す図、第３図はトリップ状態を示す図、第４
図はリセット状態を示す図である。 １……キープソレノイド、２……アーキチュア部、３…
…押し板、４……駆動レバー、８……緩衝レバー、10…
…第１のねじりバネ、12……リセットレバー、13……第
２のねじりバネ、15……トリップレバー、16……トリッ
プシャフト、17……キャッチ、18……トリップキャッ
チ、26……主接点、27……手動操作ハンドール、28……
主シャフト、29……バネフック。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】遮断器の引外し操作にキープソレノイドを
   使用する手動操作形遮断器において、リセット時に前記
   遮断器の開閉操作機構部から力を受けて回動する駆動レ
   バーと、この駆動レバーの回動動作によりキープソレノ
   イドのアーマチュア部を押し戻す方向に回転する緩衝レ
   バーと、この緩衝レバーを前記アーマチュア部を押し戻
   す方向と反対方向に付勢する第１のねじりバネと、前記
   アーマチュア部の先端に取付けた押し板に当接する如く
   回転可能に設けられ前記緩衝レバーによりアーマチュア
   部を押し戻す方向と反対方向に付勢されたリセットレバ
   ーと、このリセットレバーを前記アーマチュア部を押し
   戻す方向に付勢する第２のねじりバネとを具備したこと
   を特徴とする遮断器の操作機構。