JPH0821100B2 - 硬貨判別装置 - Google Patents

硬貨判別装置

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JPH0821100B2
JPH0821100B2 JP1247669A JP24766989A JPH0821100B2 JP H0821100 B2 JPH0821100 B2 JP H0821100B2 JP 1247669 A JP1247669 A JP 1247669A JP 24766989 A JP24766989 A JP 24766989A JP H0821100 B2 JPH0821100 B2 JP H0821100B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は硬貨の外径寸法に基づいてその金種を判別す
る硬貨判別装置に関するものである。
【従来の技術】
従来、硬貨入金機や自動販売機などに用いられる判別
装置として、光学的に測定された硬貨の外径データに基
づく判別を行う方式のものが知られている。 例えば、特開昭58−144703号公報記載の『円形物体の
判別方法』にあっては、判別対象物としての穴明き硬貨
の存在を考慮して、判別対象物の中心部を避けた位置の
それぞれにラインセンサを設けて、両側の周縁部をそれ
ぞれ検出し、この検出データから外径を測定する方式が
採用されている。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方式は、孔の存在範囲における光
線の通過の有無を無視して外径を測定しようとするもの
であるから、両側の周縁部を測定するための一対のライ
ンセンサが、あたかも一つのラインセンサであるかのよ
うに所定の相対関係に設定されていることが必要である
が、このような相対関係を実現することは困難であっ
た。 すなわち、硬貨判別装置を構成する硬貨通路への取り
付け精度などにより、前記一対のラインセンサの相対関
係が変化してしまう場合があるから、この変化による測
定データのばらつきを補正すべく、装置毎にハードウェ
ア上、あるいは、ソフトウェア上の調整作業が必要にな
るという問題があった。 さらに、硬貨判別の重要な要素の一つである孔の有無
を無視することになるから、判別の信頼性に欠けるとい
う問題もあった。 本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、調整が容易でかつ有孔硬貨の判別精度
の高い硬貨判別装置を得ることを目的とするものであ
る。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願の特許請求の範囲第1
項記載の発明は、 硬貨を直線状に案内する硬貨通路と、該硬貨通路に沿
って硬貨を移送する搬送ベルトと、前記硬貨通路中の硬
貨に対して平行な平面に沿い、かつ、その搬送方向と直
交する方向に沿って配列された多数の地点でそれぞれ前
記平面と交差する方向への光線の透過の有無を検知する
光電変換素子からなるラインセンサと、該ラインセンサ
が遮光される範囲から硬貨の金種を判定する判別手段と
から構成され、前記搬送ベルトは、前記硬貨通路の幅方
向に対して、前記硬貨通路中の有孔硬貨の孔における硬
貨通路の一方の側部側の周縁部と、前記硬貨通路中の最
小径硬貨における前記硬貨通路の一方の側部と反対側の
周縁部との間の位置に配設され、前記ラインセンサを構
成する光電変換素子群は、その配列方向に沿って、前記
硬貨通路の一方の側部の硬貨の周縁部が通過したことを
検知する第1領域と、反対側の側部の硬貨の周縁部が通
過したことを検知する第2領域と、該第1および第2領
域の間の第3領域とからなり、前記判別手段は、前記ラ
インセンサの少なくとも第2領域から供給される遮光範
囲のデータに基づいてその最大値から硬貨の外径を判定
する最大径判定部と、判定すべき各金種の硬貨の外径デ
ータの基準値を記憶する硬貨別径データ記憶部と、該硬
貨別径データ記憶部に記憶された基準値と、前記最大径
判定部から供給された外径データとを比較して硬貨の金
種を判定する金種判定部と、前記ラインセンサの第1お
よび第2領域の遮光範囲のデータから硬貨と搬送ベルト
もしくは硬貨通路との相対位置を判定する位置判定部
と、前記ラインセンサの第3領域の遮光範囲のデータか
ら硬貨が有孔であるか否かを判定する孔判定部と、前記
位置判定部によって硬貨が所定位置にあると判断された
場合に前記金種判定部および孔判定部の判定結果から金
種を判定してその判断結果に応じた信号を出力する制御
部とからなることを特徴とする。 特許請求の範囲第2項記載の発明は、 前記硬貨通路は、一方の側部の基準面に沿って硬貨を
案内し、前記搬送ベルトは、前記硬貨通路の幅方向に対
して、前記基準面に沿って移動する有孔硬貨の孔の基準
面側の周縁部と、前記基準面に当接する最小径硬貨の基
準面と反対側の周縁部との間の位置に配設され、前記ラ
インセンサを構成する光電変換素子群は、その配列方向
に沿って、前記基準面近傍の硬貨の周縁部を検知する第
1領域と、前記基準面と反対側の硬貨の周縁部を検知す
る第2領域と、該第1領域および第2領域の間と第3領
域とからなることを特徴とする。
【作用】
特許請求の範囲第1項または第2項記載の発明の構成
であると、搬送ベルトが有孔硬貨の孔の存在範囲と、最
小径の周縁部との間の区間で硬貨に接触することになる
から、第2領域のラインセンサは、必ず硬貨の周縁部を
検知して、その外径に応じて異なる、遮光された光電変
換素子のカウント数についてのデータを供給することが
でき、また、第3領域のラインセンサは、必ず硬貨の孔
を検知して、孔の有無によって異なる光電変換素子の遮
光範囲のカウント数のデータを供給することができる。
また各領域から供給されたカウント数のデータの内、少
なくとも第2領域のカウント数のデータに基づき、硬貨
の外径を判別することができるとともに、硬貨の孔が存
在する第3領域から供給されるデータに基づいて硬貨通
路中の硬貨の位置、あるいは、孔の有無を判別して、硬
貨位置が正常と判別された場合に、前記外径判定部から
得られたデータと孔の有無についてのデータとから金種
を判別して判別精度を高めることができる。
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。 まず第4図および第5図により、本発明が適用される
硬貨判別装置における硬貨の送り出し部の構成を説明す
る。 符号1は回転円板であって、この回転円板1は、硬貨
を載置させて回転することにより、接線方向へ送り出し
ている。また回転円板1の上方(第4図の紙面と直交す
る方向)に僅かに間隔をおいた位置には、送り出し規制
板2が設けられており、この送り出し規制板2と回転円
板1との間には、該判別装置により判別される硬貨の最
大の厚さ寸法(我国では500円硬貨の厚さ)より僅かに
大きく、かつ、最小の厚さ寸法(我国では1円硬貨の厚
さ)の2倍より僅かに小さな間隔が設定されて2枚以上
の硬貨が重なって送り出されるのを防止するようになっ
ている。さらに回転円板1の上方に僅かな間隔(互いに
接しない程度で、大きくとも、硬貨の最小の厚さ程度の
間隔)をおいた位置には案内板3が設けられて、回転円
板1の外周部周辺の硬貨を外側へ導くようになってい
る。 また前記案内板3の近傍には、硬貨通路4が設けられ
ており、この硬貨通路4は、回転円板1のほぼ接線方向
に向けて設けられた一対の側面ガイド5・6の間に設定
されることにより、硬貨の送り出し方向を、回転円板1
の接線方向へ規制するようになっている。これら側面ガ
イド5・6は、送り出された硬貨の外周に接触しつつこ
れらを所定方向へ案内し、これら側面ガイド5・6間の
間隔Lは、判別すべき最大径Dmaxの硬貨(我国では500
円硬貨)C1の通過を許容すべく、 L=Dmax+α (ただしαはゆるみ嵌めの寸法交差程度の微小な値で
ある) に設定されている。 また前記側面ガイド5・6間の硬貨通路4の上方に
は、硬貨通路4の上面との間に微小な間隔(搬送すべき
硬貨の最小の厚さより僅かに小さな間隔)をおいて搬送
ベルト7が走行しており、この搬送ベルト7により、前
記回転円板1上の硬貨が一列に整列して送り出されるよ
うになっている。また前記搬送ベルト7は、第5図に示
すように、一対のプーリ8・9間に掛け渡されて走行す
るようになっている。さらに搬送ベルト7の走行方向
は、一方の側面ガイド5(以下基準側面ガイドという)
に徐々に接近するように、硬貨通路4に対して僅かに傾
斜させて設けられており、この傾斜により、硬貨を常時
基準側面ガイド5へ接触させつつ搬送することができる
ようになっている。また基準側面ガイド5の基端部に
は、回動自在なローラ10が設けられており、このローラ
10は、回転円板1の回転方向に沿って移動する硬貨に当
接することにより、該硬貨を基準側面ガイド5に沿って
硬貨通路4内へ案内するようになっている。 また前記硬貨通路4の上方には、硬貨通路4を含む平
面と交差する方向へ光線を照射する複数の光源11が設け
られ、さらに、前記硬貨通路4を介してこれらの光源11
と対向する位置には前記光源11からの光線の透過の有無
を検知する受光素子としてのCCDラインセンサ12が設け
られている。このCCDラインセンサ12は、多数の光電変
換素子を微小な相互間隔において一次元状に並べてなる
もので、前記硬貨通路4を幅方向に順次走査して、各光
電変換素子毎に光線の有無を検知する機能を持ってい
る。なおCCDラインセンサ12の走査の周期は、硬貨がCCD
ラインセンサ12上を通過するに要する時間よりも充分に
短く設定されて、1回の走査の開始と終了との間のタイ
ムラグに起因する誤差が発生しないようになっている。 次いで、搬送ベルト7自身の幅寸法、および、硬貨通
路4に対する相対的な位置関係を第6図によって説明す
る。 まず、搬送ベルト7が走行する範囲ではCCDラインセ
ンサ12が常時遮光状態となって硬貨の通過を検知するこ
とができない。 したがって、 搬送ベルト7の一方の側部(図中鎖線Aで示す)と一
方の側面ガイド6との距離L1は、最小径硬貨(例えば1
円)C1の外径寸法をDminとすれば、 L1=L−Dmin+ε1 (ただし、ε1は確実に最小径硬貨を検知するための安
全を確保すべく設定される最小値であって、少なくと
も、CCDラインセンサ12を構成する光電変換素子間のピ
ッチpより大きな値に設定されている)なる式によって
与えられ、 搬送ベルト7の他方の側部(図中鎖線Bで示す)と他
方の側面ガイド5との距離L2は、穴明き硬貨C3またはC4
の外周から穴の縁までの距離dに対して、 L2=d+ε2 (ただし、ε2は搬送ベルト7のぶれ、蛇行などによっ
て硬貨との接触部分がずれた場合にもできるだけ硬貨の
穴を検知することができるように設定された値であっ
て、少なくともε2>pを満足する値である)なる式に
よって与えられる。 なお、現在国内で流通している穴明き硬貨である5円
硬貨(C3)および50円硬貨(C4)にあっては、これらの
外径をそれぞれD3、D4、内径(穴径)をd3、d4とすれ
ば、 D3−d3=D4−d4 の関係が成立するから、国内で流通している硬貨のみを
考慮すれば、前記dとして一つの値を用いれば足りるこ
とになる。 したがって、上記L1およびL2と通路の幅Lより、搬送
ベルト7が存在できる範囲、言い換えれば搬送ベルト7
が取り得る幅寸法に、そのぶれの範囲を見込んだ範囲の
幅Wは、 W=L−(L1+L2) =Dmin−(d+ε1+ε2) なる式によって与えられることになる。 さらに、CCDラインセンサ12の検出領域は、硬貨の一
方および他方の側縁部を検知する第1領域および第2領
域と、穴の有無を検知する第3領域との3つの領域
((各領域の境界を鎖線X、Yで示す)に区分されてお
り、各領域の幅寸法a1〜a3は、それぞれ次の式によって
与えられる。 a1=L2−ε3 a2=L1−ε4 a3=L−(a1+a2) (なお、ε3およびε4は、穴あるいは周縁部を確実に検
出すべく設定される微小な値であって、少なくとも、ε
3,ε4>pを満足する値である) なおまた、この実施例のように硬貨通路の一方の側部
が基準面とされて、硬貨がこの基準面に沿って移動する
ことが保証されている場合には、上記ε1〜ε4の値は微
小なもので足りるが、硬貨が硬貨通路の一方の側部と他
方の側部との間で移動する可能性のある場合には、前記
ε1〜ε4を大きくする必要があり、厳密には、前記基準
面と反対側の側面と摺動しながら硬貨が移動する場合に
も上記各式の条件を満足するように、ベルトの存在範囲
などを決定することが望ましいのはもちろんである。 次いで、上記構成のCCDラインセンサ12から得られた
データから硬貨の金種を判別する判別手段の構成を第1
図ないし第3図により説明する。 まず、CCDラインセンサ12の受光パルスCPをカウント
するカウント手段の構成を第2図および第3図により説
明する。 符号30はトータルカウンタであって、このトータルカ
ウンタは、前記CCDラインセンサ12による走査にともな
って各受光素子毎に出力されるパルス(なお、以下の説
明では、便宜上、遮光時にパルスが出力されるものとす
る)の集合としての受光パルスCPを1回の走査毎にカウ
ントし、カウントデータCAをCPU31へ出力している。 また前記受光パルスCPはカウント制御手段としてのア
ンドゲート32に供給され、該アンドゲート32は、タイミ
ング信号T1の供給を条件として前記受光パルスCPをカウ
ンタ33へ供給させるようになっている。すなわち、CCD
ラインセンサ12の走査の開始から一定区間(実施例の場
合a1に相当する区間)の走査が行われている間にタイシ
ング信号T1を供給することにより、当該区間に関する受
光パルスCPがカウンタ33にカウントされて、そのカウン
ト値CBがCPU31に供給されるようになっている。 さらに前記受光パルスCPはカウント制御手段としての
アンドゲート34にも供給されており、このアンドゲート
34は、前記アンドゲート32と同様に、タイミング信号T2
の供給を条件として、前記受光パルスCPをカウンタ35へ
供給している。このカウンタ35では、当該区間(実施例
の場合a2に相当する区間)の走査によって出力された受
光パルスCPがカウントされて、そのカウント値CCがCPU3
1へ供給されるようになっている。 したがって、上記カウンタ33・35においては、第3図
に示すように、トリガ信号T1・T2が立ち上がっている区
間において受光パルスCPがカウントされることになり、
a1およびa2の両区間における受光量が、当該区域で硬貨
が存在する範囲に対応したカウント値として検知され
る。 さらに、前記各カウンタ30・33・35は、CCDラインセ
ンサ12の1回の走査毎にリセット信号Rが供給されるこ
とによって、その度に各カウント値CA・CB・CCがそれぞ
れリセットされるようになっている。 次いで、上記各カウンタから供給されるカウント値CA
〜CCによって硬貨径を判別するために前記CPU31が行う
処理の内容を、第1図に示す機能ブロック図に基づいて
説明する。 各カウンタ30・33・35にカウントされたラインセンサ
のカウント値CA〜CCは、遮光データ一時プール部40に一
時記憶され、スタートトリガ出力部41およびエンドトリ
ガ出力部42へ供給されるとともに、これらのトリガ出力
部41・42から供給されるトリガ信号によって所定範囲の
データのみを遮光データプール部44に供給するようにな
っている。 すなわち、前記カウント値CBおよびCCは、硬貨の移動
に伴って徐々に増加した後、最大値を経て徐々に減少す
る特性を持ち、また、領域a3については、穴の存在を無
視すれば定数C0(a3領域のフルカウントの値を一致す
る)となるはずであるから、硬貨径Dは、 D=CR(CB+CC+C0) (ただしCRは変換係数である) と定義されるから、穴の存在を無視すれば、 CB+CC に基づいて硬貨の外径を検知することができる。なお、
硬貨が側面ガイド5に沿って搬送されることが確実に保
証され、さらに、最大径部分が通過する際のCBの値は、
当然に一定の値(フルカウント値)となるから、上記D
を算出するにあたって、上式におけるCBに代えてC1なる
定数を用いるようにしてもよい。 そして、上記トリガ出力部41・42は、上記D、また
は、このDに対応するカウント値そのもの(上式におい
てCRを乗じない場合の値)に基づいて、 D>Dmin となった時点でスタートトリガを、 さらに最大径を経た後、 D<Dmin となった時点でエンドトリガを、 それぞれ出力する。 なお前記Dminは、判別すべき最小径の硬貨(国内では
1円)の外径(≒20.5mm)よりも充分に小さな値、例え
ば18.0mm程度の値に設定されている。 以上のようにして得られた遮光データSDは、遮光デー
タプール部43に記憶され、さらに、最大径判定部44に供
給される。最大径判定部44は、前記トリガ出力部41・42
で行われている外径の演算と同様の処理によって1回の
走査データ毎に硬貨の外径を算出し、その最大値を判別
して、最大径を示す信号Dmaxを金種判定部45へ供給する
とともに、最大径が判別された旨を示す信号MSを遮光デ
ータプール部43へ供給する。なお、硬貨の周縁部が搬送
ベルト7によって覆われている場合には、第2領域のカ
ウント値CCが一定の値となるから、このカウント値CC
基づいて、搬送ベルト7の異常の有無を判別し、異常な
場合には金種判別を無効にすべく金種判定部45へエラー
信号を出力させるようにしてもよい。 また前記金種判定部45は、最大径判定部44からの最大
径信号Dmaxが供給されると、硬貨別径データ記憶部46へ
径データの供給を求めるべく信号を出力して、硬貨別径
データKDの供給を受け、前記最大径信号Dmaxのいずれか
と一致するか否かによって、対応するいずれか一つの金
種を示すか、あるいは、いずれにも該当しないことを示
す判別データHDを制御部47へ出力し、さらに、前記判別
データHDとして、有孔硬貨を示すものが出力されている
場合には、有孔判別データYDを通過位置判定部48へ供給
するようになっている。 一方、有孔判別データYDの供給を受けた通過位置判定
部48は、最大径判定部44へデータ要求信号YSを供給し、
さらに、最大径判定部44を経由して、遮光データプール
部43から、最大径に相当する各カウント値CA,CB,CC
読み出し、これらのデータから、搬送ベルト7のぶれな
どに起因する硬貨の通過位置のずれを検出して、孔判別
許可信号GSを孔判定部49へ出力する。 すなわち、基準となる側面ガイド5の側の周縁部の位
置が側面ガイド5から離れる如く硬貨が移動しているこ
とを、カウント値CAがフルカウントであるか否かによっ
て判別するとともに、フルカウント値との差によって硬
貨位置のずれ量を検出することができる。 そして、ずれ量が所定値以下の場合には、孔判別許可
信号GSを孔判定部49へ供給し、また、ずれ量が所定値以
上の場合、例えば、硬貨が搬送ベルト7によって押えら
れている範囲がずれて、孔が必要以上に覆われてしまっ
た場合、あるいは、搬送ベルト7と硬貨との相対関係が
同じのまま、硬貨通路の幅方向へのずれが生じて、本来
孔が存在し得ない第1領域a1あるいは第2領域a2へ孔が
かかる可能性のある場合には、孔判別不能信号NGSを制
御部47へ出力する。 さらに、孔判別許可信号GSが供給された孔判定部49
は、データ要求信号YSを最大径判定部44を介して遮光デ
ータプール部43へ供給して、これから最大径判別時にお
ける各カウントーデータCA,CB,CCの供給を受け、これ
らのカウントデータに基づいて、 CA−(CB+CC) なる演算により、第3領域についてのカウント値C0
算出する。 このカウント値C0は、硬貨径が最大のときに最小とな
り(なぜならば硬貨径最大の位置で孔の径が最大となっ
て遮光範囲が小さくなる)、また、硬貨と搬送ベルト7
との相対位置(孔のいかなる範囲が搬送ベルト7に覆わ
れているか)が一定であるかぎり、金種(50円か5円)
に依存して所定の最大値を取ることになる。さらに、こ
のカウント値C0を当該領域のフルカウント値から減じ、
その結果が、何らかの値であるか、それともゼロである
かを判別することにより、いずれかの有孔硬貨である
か、あるいは、無孔硬貨であるかを判別して、その孔判
別データYMDを制御部47に供給する。 さらに制御部47は、前記判別データHDに基づいて金種
を判別し、いずれの金種にも該当しない場合には判別不
能と判断して、アラームを動作させ、あるいは、当該硬
貨をリジェクトするための命令となるエラー信号を出力
する。また、前記孔判別不能信号NGSが入力されていな
いことを条件として、前記判別結果に対して、孔判別デ
ータYMDを有意なデータとして用いて、これらのデータ
による判別結果と一致するか否かを判別し、両者が一致
する場合には当該金種の硬貨として認識して、当該金種
を示す判別結果信号を出力し、そうでない場合には、判
別不能として認識してエラー信号を出力する。 一方、孔判別不能信号NGSが入力されている場合に
は、判別データHDのみによって金種を判別するか、ある
いは、判別の信頼性を担保すべく、エラー信号、あるい
は、再度の判別処理を要求するためのアラームなどを動
作させる命令となる信号を出力する。 「変形実施例」 前記実施例ではスタートトリガおよびエンドトリガの
出力タイミングを判断するため、これらの出力部に硬貨
の外径を判別させるようにしたが、これに代えて、CCD
ラインセンサ近傍への硬貨の接近あるいは離間を磁気セ
ンサなどにより検知し、この検知結果に基づいてスター
トトリガあるいはエンドトリガのタイミングを制御する
ようにしてもよい。 本発明の機構は、実施例のような硬貨判別装置のみな
らず、硬貨の金種判別機能を持った他の装置にも適用す
ることができるのはもちろんである。 上記実施例では、孔の存在を判別するための第3領域
に関する遮光データを、全体の遮光データから第1およ
び第2領域の遮光データを減算することによって算出す
るようにしたが、必要な領域に関するデータを得るべ
く、各領域のデータをいかように利用してもよいのはも
ちろんである。 上記実施例では、ラインセンサの全体のカウント値
と、両周縁部のカウント値とから中央部分のカウント値
を算出するようにしたが、かかるカウント範囲と異なる
カウント範囲を設定してもよい。 上記実施例では金種判定部45が無孔硬貨であると判別
した場合には第2領域のデータに基づいて判別を行わな
いよう構成したが、無孔硬貨と判別された場合に、例え
ば各遮光データに基づいて CA=CB+CC+C0 が成立するか否かの認識を行ない、一致しない場合を判
別不能としてエラー信号を出力させるようにしてもよ
い。 上記実施例では基準面に硬貨の周縁部を摺動させつつ
その移送方向を規制するようにしたが、例えば、ベルト
の直進性が良好な場合には、直線状に走行するベルトの
摩擦力によって硬貨の搬送方向を規制し、これにより、
基準面に沿って(これと非接触状態で)搬送するように
してもよい。また上記実施例では一方の基準面に硬貨を
沿わせるべく、移送ベルトを基準面側に向けてやや斜行
させるようにしたが、移送ベルトを基準面と平行に走行
させるようにしてもよい。 上記実施例では、移送手段としてのベルトを備えた硬
貨通路について説明したが、他の移送手段、例えば重力
を利用して、傾斜面に沿って硬貨を移動させるような方
式の硬貨通路を用いた場合にも本発明の技術を応用し得
るのはもちろんである。
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、硬貨
通路に設けられる搬送ベルトにより、判別対象硬貨の最
小径のものの周縁部と、有孔のものにおける孔の周縁部
との間を押えることができ、したがって、硬貨の外径に
依存して変化する遮光データと、孔もしくは孔の一部が
検知されることによって変化する遮光データとを得るこ
とができる。したがって、これらの遮光データに基づい
て硬貨の金種を判別することができ、また上記搬送ベル
トにより搬送される有孔硬貨における当該領域の遮光デ
ータを監視することにより、搬送ベルトに対する硬貨の
ずれを検知して、上記判別の信頼性を高めることができ
る。また前記ラインセンサは、一体に構成された多数の
光電変換素子からなるものであるから、格別な困難を伴
うことなく、硬貨判別装置等の硬貨通路に取り付けるこ
とができ、また、搬送ベルトについても、そのぶれなど
によるエラーの発生を防止すべく上記配慮がなされてい
るから、格別に高い工作精度を必要とせずに正確な判別
を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図は判別装
置のブロック図、第2図はラインセンサパルスをカウン
トする部分の回路図、第3図はラインセンサパルスおよ
びトリガ信号の波形図、第4図は判別装置の平面図、第
5図は判別装置の断面図、第6図は硬貨通路、搬送ベル
ト、ラインセンサと各金種の硬貨の相対寸法を示す平面
図である。 1……回転円板、4……硬貨通路、5……側面ガイド、
6……側面ガイド、7……搬送ベルト、12……CCDライ
ンセンサ、30・33・35……カウンタ、32・34……アンド
ゲート、40……遮光データ一時プール部、41・42……ト
リガ出力部、43……遮光データプール部、44……最大径
判定部、45……金種判定部、46……硬貨別径データ記憶
部、47……制御部、48……通過位置判定部(位置判定
部)、49……孔判定部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬貨を直線状に案内する硬貨通路と、該硬
    貨通路に沿って硬貨を移送する搬送ベルトと、前記硬貨
    通路中の硬貨に対して平行な平面に沿い、かつ、その搬
    送方向と直交する方向に沿って配列された多数の地点で
    それぞれ前記平面と交差する方向への光線の透過の有無
    を検知する光電変換素子からなるラインセンサと、該ラ
    インセンサが遮光される範囲から硬貨の金種を判定する
    判別手段とから構成され、 前記搬送ベルトは、前記硬貨通路の幅方向に対して、前
    記硬貨通路中の有孔硬貨の孔における硬貨通路の一方の
    側部側の周縁部と、前記硬貨通路中の最小径硬貨におけ
    る前記硬貨通路の一方の側部と反対側の周縁部との間の
    位置に配設され、 前記ラインセンサを構成する光電変換素子群は、その配
    列方向に沿って、前記硬貨通路の一方の側部の硬貨の周
    縁部が通過したことを検知する第1領域と、反対側の側
    部の硬貨の周縁部が通過したことを検知する第2領域
    と、該第1および第2領域の間の第3領域とからなり、 前記判別手段は、 前記ラインセンサの少なくとも第2領域から供給される
    遮光範囲のデータに基づいてその最大値から硬貨の外径
    を判定する最大径判定部と、 判定すべき各金種の硬貨の外径データの基準値を記憶す
    る硬貨別径データ記憶部と、 該硬貨別径データ記憶部に記憶された基準値と、前記最
    大径判定部から供給された外径データとを比較して硬貨
    の金種を判定する金種判定部と、 前記ラインセンサの第1および第2領域の遮光範囲のデ
    ータから硬貨と搬送ベルトもしくは硬貨通路との相対位
    置を判定する位置判定部と、 前記ラインセンサの第3領域の遮光範囲のデータから硬
    貨が有孔であるか否かを判定する孔判定部と、 前記位置判定部によって硬貨が所定位置にあると判断さ
    れた場合に前記金種判定部および孔判定部の判定結果か
    ら金種を判定してその判断結果に応じた信号を出力する
    制御部と、 からなることを特徴とする硬貨判別装置。
  2. 【請求項2】前記硬貨通路は、一方の側部の基準面に沿
    って硬貨を案内し、 前記搬送ベルトは、前記硬貨通路の幅方向に対して、前
    記基準面に沿って移動する有孔硬貨の孔の基準面側の周
    縁部と、前記基準面に当接する最小径硬貨の基準面と反
    対側の周縁部との間の位置に配設され、 前記ラインセンサを構成する光電変換素子群は、その配
    列方向に沿って、前記基準面近傍の硬貨の周縁部を検知
    する第1領域と、前記基準面と反対側の硬貨の周縁部を
    検知する第2領域と、該第1領域および第2領域の間と
    第3領域と、 からなることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    硬貨判別装置。
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