JPH08209820A - 壁パネルの接続構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 壁パネル同士の接続が壁パネルの表側から可
能であり、取付面に段差があって、壁パネル同士の接続
ができない部分で容易に接続できる壁パネルの接続構造
を提供する。 【構成】 壁パネル１の側端縁の裏側に嵌合凹部６を設
けると共に、壁パネル２の側端縁の裏側に嵌合凸部１０
を設け、更に、嵌合凹凸部の下端寄りに係止片１２と係
止口１４とを設けて、段差を有する壁パネル取付面の、
高い方の取付面に嵌合凸部１０を有する壁パネル２、低
い方の取付面に嵌合凹部６を有する壁パネル１をそれぞ
れ設置し、嵌合凹凸部を嵌合すると同時に係止口１４に
係止部１３を係止し、壁パネル同士の接続ができない部
分２７の壁パネルが離反する方向の移動を規制し、接続
部で隙間が生じることが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複数枚の壁パネルの、
相隣接する側端縁に形成した嵌合凹凸部を順次嵌合・接
続して壁体を組み立てる壁パネルの接続構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、建物の外装壁や内装壁、設備ユニ
ットの壁等の施工に際して、工場生産された複数枚の壁
パネルを施工現場に搬入して壁体に組み立てる場合があ
る。例えば、図６に示す浴室ユニットの場合、洗い場ａ
と浴槽設置部ｂとからなり、その周縁部に壁パネルｃ１
〜ｃ４が取付けられる。この周縁部には立ち上がり壁ｄ
が形成され、その上端は鉤形に屈曲されて水切り縁が形
成されている。そして、各壁パネルｃはこの水切り縁の
フラットな面を取付面として立設される。

【０００３】この各壁パネルｃの相隣接する側端縁同士
を順次接続して壁体を形成するには、例えば、各壁パネ
ルの相隣接する側端縁を裏側に屈折してフランジを形成
し、フランジ同士をビス止めすれば、頑丈に接続するこ
とができ、側方へ移動することはない。また、実公平４
−４０３２４号公報には、壁パネルの相隣接する側端縁
の一つに裏打ち枠等からなる嵌合凸部Ｂを設けると共
に、他の一つに弾性係合片等からなる嵌合凹部Ｄを設
け、壁パネルを表裏方向に押圧してこの嵌合凹部Ｄに嵌
合凸部Ｂを弾性的に係合させて接続する方法が記載され
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、フランジ同
士をビス止めする場合、壁パネル裏側での作業が多くな
り、浴室ユニットの場合等、裏側に間仕切り壁があって
作業スペースが狭いときには、接続施工ができないこと
が多い。また、実公平４−４０３２４号公報記載の技術
の場合、嵌合すれば壁パネルの側方への移動は規制され
るが、嵌合接続時に、裏側の支えがないので嵌合操作そ
のものが容易でない。

【０００５】簡単な嵌合構造での接続施工では、側方へ
の壁パネルの移動を規制することが難しく、シーリング
材で接合部を水封しても外れることが多かった。特に、
壁パネル下部では、壁パネル同士が離反する方向に移動
して隙間を生じ易く、更には、図６に示すように、壁パ
ネル取付面に段違いがあると、壁パネル同士の接合手段
は殆どないのが現状である。水封は壁パネルの下部の方
が、上部よりも重要であるところから、上記隙間の発生
は接続施工の品質上のネックとなっていた。

【０００６】本発明は、上記従来技術の欠点を解消し、
壁パネル同士の接続が壁パネルの表側から可能であり、
壁パネルの下部における壁パネル同士の離反による隙間
発生がなく、特に、取付面に段違いがある場合でも充分
に補強がなされ、目地部全体にわたって一定幅の目地幅
が得られる壁パネルの接続構造を提供することを目的と
する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の壁パネルの接続
構造は、「複数枚の壁パネルの相隣接する側端縁のう
ち、一方に外側方に開口する嵌合凹部を設けると共に、
他方の側端縁に前記嵌合凹部に嵌合可能な嵌合凸部を設
け、嵌合凹部の下端寄りに、先端を上方に屈曲して係止
部とした係止片を該嵌合凹部の奥壁から突設すると共
に、嵌合凸部の前記係止片に対応する位置に係止口を開
口し、前記嵌合凹凸部同士を嵌合すると共に係止口に係
止片を係止してなること」を特徴とするものであり、こ
のことにより上記目的が達成される。

【０００８】

【作用】本発明の壁パネルの接続構造は、複数枚の壁パ
ネルの相隣接する側端縁のうち、一方に外側方に開口す
る嵌合凹部を設けると共に、他方の側端縁に前記嵌合凹
部に嵌合可能な嵌合凸部を設けたから、該嵌合凹凸部を
利用しての接続施工であり、接続が容易であって且つ壁
パネルの表側からの接続施工が可能である。

【０００９】また、嵌合凹部の下端寄りに、先端を上方
に屈曲して係止部とした係止片を該嵌合凹部の奥壁から
突設すると共に、嵌合凸部の前記係止片に対応する位置
に係止口を開口したから、壁パネルの該嵌合凸部を嵌合
凹部に嵌合させながら、係止口内に係止片を係止するこ
とができ、該係止構造により、嵌合凹凸部の離反する方
向に対する移動が規制され、壁パネルの下部における壁
パネル同士の離反する方向への移動による隙間発生がな
く、特に、取付面に段差がある場合であっても、段差の
垂直端面に対向する壁パネルの側端縁の、該垂直端面か
らの離反方向に対する補強ができ、目地部全体にわたっ
て一定幅の目地幅が得られる。

【００１０】

【実施例】以下本発明の壁パネルの接続構造の一実施例
について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施
例は、浴室ユニットの側周壁を形成する壁パネルの接続
に本発明を採用した例を示すものであって、図１は本発
明の一実施例における、接続前の壁パネル双方の要部の
構造を示す一部切欠斜視図であり、図２は同上におい
て、接続の手順を示す概念図であり、図３は接続が完了
した状態を示す一部切欠斜視図であり、図４は同上の平
面図である。

【００１１】図１乃至図４において、１は高さ寸法の長
い壁パネル、２は高さ寸法の短い壁パネルであって、塩
化ビニル樹脂により防錆被覆が施された鋼板を素材とし
て形成されている。３及び４は相隣接する側端縁であっ
て、側端縁３の先は、裏側に屈曲されて対向面５が形成
され、更にその先はコの字型に屈曲されて、壁パネル２
の側端縁４の裏側に向けて開口する嵌合凹部６が形成さ
れている。

【００１２】壁パネル２の方の側端縁４は、同じく裏側
に屈曲されて対向面５に対応する対向面７が形成され、
更に、その先は真っ直ぐに延設されると共に、１８０°
折り返されて二重片部８が形成され、中程から屈曲され
て単片部９が形成され、これらの二重片部８と単片部９
とでＬ字状の嵌合凸部１０が形成されている。

【００１３】１１は嵌合凹部６の下端寄りにビス１２に
より嵌合凹部６の奥壁に取り付けられた係止片であっ
て、先端は上方に屈曲して係止部１３が形成されてい
る。１４は、壁パネル２の二重片部８の、係止部１３に
対応する位置に貫設された係止口であり、後述するよう
に、係止部１３の裏面が、この係止口１４の上縁裏側に
係止される。この係止口は、二重片部８の端縁からの切
り込み溝であってもよい。

【００１４】１５は浴槽設置部の周縁部であって、上端
は鉤形に屈曲されて、図３に示すように水切り縁１６が
形成され、その平坦面は、高い方の壁パネル取付面１７
となされている。また、１８は洗い場の周縁部であっ
て、上端は同じく鉤形に屈曲されて水切り縁１９が形成
され、その平坦面は、低い方の壁パネル取付面２０とな
されている。尚、２１、２２はそれぞれ壁パネル１、２
の裏面に取り付けられた石膏ボードからなる裏打ち材で
ある。

【００１５】次に、壁パネル１、２の接続手順について
説明する。先ず、予め図１に示すように、嵌合凹部６の
下端寄りの奥壁に、ビス１２で係止片１１の取付片を固
定する。次いで、図２（イ）に示すように、洗い場の周
縁部１８の取付面２０上に、高さ寸法の長い壁パネル１
を載置する。次いで、図２（ロ）に示すように、高さ寸
法の短い壁パネル２を、浴槽設置部の周縁部１５の取付
面１７からやや浮かして、係止口１４に係止部１３が挿
入できる高さに保持する。

【００１６】次いで、図２（ハ）に示すように、壁パネ
ル２をそのまま平行移動して係止部１３が係止口１４を
僅かに貫通する位置まで接近させる。このときに、対向
面５、７が当接してもよい。この壁パネル２の平行移動
時に、嵌合凹部６に嵌合凸部１０が嵌合する。この嵌合
状態は、図４にも示すように二重片部８の先端と単片部
９の外面とが嵌合凹部６の内面に押圧状態で嵌入され
る。

【００１７】次いで、図２（ニ）に示すように、壁パネ
ル２を取付面１７上に下ろすと、壁パネル１と２とは、
嵌合凹凸部６、１０が嵌合された状態で、係止部１３が
係止口１４の上縁裏面に当接乃至押圧されて係止され、
図３、図４に示す状態となって、壁パネル１、２の接続
が完了する。この係止部１３と係止口１４との係止構造
により、壁パネル１、２の下部同士の、嵌合凹凸部６、
１０が離反する方向の移動が規制され、特に、接続がで
きない部分２７の、段差間の垂直端面からの離反方向に
対する補強ができる。

【００１８】尚、浴室ユニットの場合、周縁部に壁パネ
ルを立設するには、このように、壁パネルの接続施工に
よる壁体の組立ての他に、壁パネルの水切り縁への固定
施工がなされる。この固定施工は、例えば、図５に示す
ように，水切り縁の立ち上がり壁２３に予め雌螺子孔２
４を設け、壁パネルの下部に有底円筒状の膨出部２５を
設け、該膨出部２５の底部に貫設したボルト孔にボルト
２６を挿入、雌螺子孔２４に螺着することにより固定す
る。つまり、浴室内部から固定することができる。

【００１９】前記実施例のように、側周壁を形成する場
合に、最後に立設する壁パネルは、通常ドア枠が隣接
し、本発明の接続構造は用いない。

【００２０】

【発明の効果】本発明の壁パネルの接続構造は、壁パネ
ル側端縁に設けた嵌合凹凸部を利用すると共に、その嵌
合方向が、壁パネルの面と平行な方向とされているか
ら、接続施工の容易性に優れ、壁パネルの表側からの施
工が可能であって、浴室ユニットの側周壁等の組立てに
便利である。

【００２１】また、嵌合凹凸部の下端寄りに、係止口と
係止片とによる係止構造が組み込まれており、該係止構
造により、簡単な嵌合構造でも、壁パネル下部に隙間が
開くのを防止でき、裏側でのビス止め等を行う必要が無
くなる。特に段差部の垂直端面に対向する壁パネルの側
端縁の、該垂直端面からの離反方向に対する補強もでき
て有効である。従って、全体の目地幅が一定となり、強
度的にも優れた壁パネルの接続構造である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における、接続前の壁パネル
双方の要部の構造を示す一部切欠斜視図である。

【図２】同上において、接続の手順を示す概念図であ
る。

【図３】同上において、接続が完了した状態を示す一部
切欠斜視図である。

【図４】同上の平面図である。

【図５】同上において、壁パネルとその取付面との取付
手段を示す断面図である。

【図６】浴室ユニットの一般的な壁パネルの配置状態を
示す説明図である。

【符号の説明】

１、２ 壁パネル ３、４ 側端縁 ６ 嵌合凹部 10 嵌合凸部 11 係止片 13 係止部 14 係止口 17、20 壁パネルの取付面 27 壁パネル同士の接続ができない部分

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数枚の壁パネルの相隣接する側端縁の
   うち、一方に外側方に開口する嵌合凹部を設けると共
   に、他方の側端縁に前記嵌合凹部に嵌合可能な嵌合凸部
   を設け、嵌合凹部の下端寄りに、先端を上方に屈曲して
   係止部とした係止片を該嵌合凹部の奥壁から突設すると
   共に、嵌合凸部の前記係止片に対応する位置に係止口を
   開口し、前記嵌合凹凸部同士を嵌合すると共に係止口に
   係止片を係止してなることを特徴とする壁パネルの接続
   構造。