JPH08208995A - 半導電性シリコーンエラストマー組成物及びその製造方法 - Google Patents

半導電性シリコーンエラストマー組成物及びその製造方法

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JPH08208995A
JPH08208995A JP27838495A JP27838495A JPH08208995A JP H08208995 A JPH08208995 A JP H08208995A JP 27838495 A JP27838495 A JP 27838495A JP 27838495 A JP27838495 A JP 27838495A JP H08208995 A JPH08208995 A JP H08208995A
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 1分子中に珪素原子と結合した脂肪族不
飽和炭化水素基を2個以上含有するオルガノポリシロキ
サンと、1分子中に珪素原子と結合する水素原子を2個
以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
と、導電性物質とを含む半導電性シリコーンエラストマ
ー組成物において、上記導電性物質が、導電性カーボン
1〜10重量%と体積固有抵抗値が101〜108Ω・c
mの導電性カーボン以外の導電性フィラー90〜99重
量%とからなると共に、上記導電性物質を組成物全体の
20〜60重量%配合してなり、105〜1010Ω・c
mの範囲で体積抵抗率分布が1〜10である半導電性シ
リコーンエラストマーを与えることを特徴とする半導電
性シリコーンエラストマー組成物。 【効果】 本発明によれば、導電性物質がシリコーンエ
ラストマー中に良好に均一に分散し、体積抵抗率のばら
つきが小さい半導電性シリコーンエラストマーを与える
半導電性シリコーンエラストマー組成物を得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒドロシリル化反
応によって硬化する加熱硬化型の半導電性シリコーンエ
ラストマー組成物及びその製造方法に関し、詳しくは体
積抵抗率が105〜1010Ω・cmの領域で安定した半
導電性を有し、かつ体積抵抗率のばらつきが少ない半導
電性シリコーンエラストマーを与える半導電性シリコー
ンエラストマー組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シリコ
ーンゴムは耐熱性、耐寒性、耐候性、電気絶縁性にも優
れていることから、電気絶縁性ゴムとして多くの分野に
利用されている。このシリコーンゴムに導電性を付与す
る場合、導電性付与剤として、カーボンブラック,グラ
ファイト粉末,カーボンファイバー等のπ電子移動型導
電性物質、銀,ニッケル,銅,亜鉛,鉄,金,珪素等の
金属粉末もしくは金属フレーク等の自由電子移動型導電
性物質、上記金属等の酸化物に代表される化合物などを
用いることができ、これらを添加したシリコーンエラス
トマー組成物は導電性シリコーンエラストマー組成物と
して広い分野で使用されている。
【0003】しかしながら、半導電の領域である体積抵
抗率が105〜1010Ω・cmを有し、かつこの値のば
らつきが小さい半導電性シリコーンエラストマーは今ま
でにほとんど得られていない。上記体積抵抗率を有する
半導電性シリコーンエラストマーは、例えば導電性のカ
ーボンブラックの添加量を調整することによって得るこ
とができるが、ロットにより体積抵抗率が異なったり、
シリコーンエラストマー組成物を成型する際に体積抵抗
率が変動するという問題がある。
【0004】また、特開昭63−156858号公報に
はシリコーンゴム組成物にカーボンブラックを含有する
架橋済みのシリコーンゴム粉砕品を配合する方法が提案
されているが、この導電性シリコーンゴムは粒径が0.
3mmと大きいため、液状のシリコーンエラストマー組
成物に添加した場合、分散性が悪く、このため体積抵抗
率のばらつきが小さいシリコーンエラストマーを得るこ
とが困難である。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
導電性物質がシリコーンエラストマー中に良好に均一に
分散し、体積抵抗率のばらつきが小さい半導電性シリコ
ーンエラストマーを与える半導電性シリコーンエラスト
マー組成物及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、1分子中に珪素原子と結合した脂肪族不飽和炭化水
素基を2個以上含有するオルガノポリシロキサンと、1
分子中に珪素原子と結合する水素原子を2個以上含有す
るオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、導電性物
質とを含む半導電性シリコーンエラストマー組成物を製
造する場合、上記導電性物質として導電性カーボン1〜
10重量%と体積固有抵抗値が101〜108Ω・cmの
導電性カーボン以外の導電性フィラー90〜99重量%
とからなるものを用い、この導電性物質を組成物全体の
20〜60重量%配合すること、またこの場合、組成物
が更に非導電性無機充填剤を含むときは、上記導電性フ
ィラーの含有量を上記導電性物質とこの無機充填剤との
合計量の50〜80重量%とすることが有効であること
を知見すると共に、特にその製造法として、1分子中に
珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基を2個以上
含有するオルガノポリシロキサンの一部又は全部と、導
電性カーボンとを100〜200℃の加熱下に混練りし
た後、室温まで冷却し、次いでこれに101〜108Ω・
cmの体積固有抵抗値を有する導電性カーボン以外の導
電性フィラーを添加し、0〜60℃において再混合する
方法を採用することにより、105〜1010Ω・cmの
範囲で体積抵抗率分布(体積抵抗率分布とはその半導電
性シリコーンエラストマーの体積抵抗率の最大値と最小
値との比を意味する)が1〜10である半導電性シリコ
ーンエラストマーを与えることを見い出し、本発明をな
すに至ったものである。
【0007】従って、本発明は、1分子中に珪素原子と
結合した脂肪族不飽和炭化水素基を2個以上含有するオ
ルガノポリシロキサンと、1分子中に珪素原子と結合す
る水素原子を2個以上含有するオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンと、導電性物質とを含む半導電性シリコ
ーンエラストマー組成物において、上記導電性物質が、
導電性カーボン1〜10重量%と体積固有抵抗値が10
1〜108Ω・cmの導電性カーボン以外の導電性フィラ
ー90〜99重量%とからなると共に、上記導電性物質
を組成物全体の20〜60重量%配合してなり、105
〜1010Ω・cmの範囲で体積抵抗率分布が1〜10で
ある半導電性シリコーンエラストマーを与えることを特
徴とする半導電性シリコーンエラストマー組成物、及
び、1分子中に珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水
素基を2個以上含有するオルガノポリシロキサンの一部
又は全部と、導電性カーボンとを100〜200℃の加
熱下に混練りした後、室温(例えば、0〜40℃)まで
冷却し、次いでこれに101〜108Ω・cmの体積固有
抵抗値を有する導電性カーボン以外の導電性フィラーを
添加し、0〜60℃において再混合することを特徴とす
る半導電性シリコーンエラストマー組成物の製造方法を
提供する。
【0008】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の半導電性シリコーンエラストマー組成物は、(A)
1分子中に珪素原子と結合する脂肪族不飽和炭化水素基
を2個以上含有するオルガノポリシロキサン、(B)1
分子中に珪素原子と結合する水素原子を2個以上含有す
るオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)導電
性カーボン、(D)導電性カーボン以外の導電性フィラ
ーで、101〜108Ω・cmの体積固有抵抗値を有する
ものを含有する。
【0009】ここで、(A)成分の分子中に珪素原子と
結合する脂肪族不飽和炭化水素基を2個以上含有するオ
ルガノポリシロキサンは、本発明のシリコーンエラスト
マー組成物の主成分となるものである。このオルガノポ
リシロキサンとしては、 R1 aSiO(4-a)/2 で示される平均組成式を有するものが使用される。この
式中、R1は置換又は非置換の炭素数1〜10の一価炭
化水素基であり、R1のうち少なくとも2個が脂肪族不
飽和炭化水素基である。この場合、不飽和炭化水素基と
しては、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基などの
アルケニル基が例示される。また、不飽和炭化水素基以
外の有機基R1としては、メチル基,エチル基,プロピ
ル基,ブチル基等のアルキル基、フェニル基,トリル基
等のアリール基、又はこれらの有機基の水素原子の一部
もしくは全部をハロゲン原子やシアノ基で置換したクロ
ロメチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基な
どが例示される。なお、aは1〜3、好ましくは1.9
〜2.1の正数である。
【0010】上記オルガノポリシロキサンの構造は直鎖
状であることが好ましいが、部分的には分岐状や環状の
骨格を有していてもよい。このオルガノポリシロキサン
の25℃における粘度は20〜20万センチストークス
(cs)、特に100〜10万csであることが好まし
い。
【0011】一方、(B)成分の分子中に珪素原子と結
合する水素原子(即ち、SiH基)を2個以上有するオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分の
オルガノポリシロキサンの架橋剤となる成分である。水
素原子以外のケイ素原子に結合する有機基としては
(A)成分における有機基R1と同様のもの、好ましく
は脂肪族不飽和結合を有さないものが挙げられ、このも
のとしては公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンを用いることができる。
【0012】この(B)成分のオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンの構造は一般に直鎖状であるが、分岐
状、環状又は三次元網状の骨格を有していてもよい。ま
た、重合度(分子中のケイ素原子の数)は3〜300で
あることが好ましい。
【0013】(B)成分の配合量は、(B)成分中の珪
素原子と結合した水素原子と(A)成分の珪素原子と結
合した脂肪族不飽和炭化水素基のモル比が10:1〜
1:10、好ましくは3:1〜1:3の範囲となる量と
することが好ましい。
【0014】更に、本発明の組成物には、通常、白金化
合物、ロジウム化合物、パラジウム化合物等のヒドロシ
リル化反応用触媒が触媒量添加される。
【0015】白金又は白金系化合物としては、公知のも
のが使用でき、具体的には白金ブラック、塩化白金酸、
塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィ
ン、アルデヒド、ビニルシロキサン、アセチレンアルコ
ール類等との錯体などが例示される。
【0016】なお、白金又は白金系化合物、ロジウム化
合物、パラジウム化合物の添加量は、触媒量で、希望す
る硬化速度に応じて適宜増減することができるが、通常
は(A)成分に対して白金量、ロジウム量あるいはパラ
ジウム量換算で0.1〜1000ppm、特に1〜50
0ppmの範囲とすることが好ましい。
【0017】而して、本発明の半導電性シリコーンエラ
ストマー組成物には、導電性物質を配合するが、本発明
においては、この導電性物質として、(C)体積抵抗率
が101Ω・cm未満の導電性カーボンと(D)導電性
カーボン以外の導電性フィラーとを組合せたものを使用
する。
【0018】この場合、(C)成分の導電性カーボンと
しては特に制限はなく、一般的に使用されているグラフ
ァイト類、アセチレンブラック、オイルファーネスブラ
ック、アントラセンブラック等のカーボンブラック類の
いずれでもよく、これらの1種を単独で又は2種以上を
併用し得るが、特にアセチレンブラック、オイルファー
ネスブラック等が好適に使用される。
【0019】一方、(D)成分の導電性カーボン以外の
導電性フィラーとしては、体積固有抵抗値が101〜1
8Ω・cmのものを使用する。このような導電性フィ
ラーとして具体的には、導電性亜鉛華、チタンブラッ
ク、黒色酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン等の金属酸化
物系、ゲルマニウム、その他マグネタイト粉末等の金属
系などが例示され、この中で特に金属酸化物系のものが
好適に使用される。これら導電性フィラーはその1種を
単独で又は2種以上を併用して配合することができる。
【0020】ここで、上記導電性物質(導電性カーボン
及び導電性フィラー)の配合量は、組成物全体の20〜
60%(重量%、以下同様)である。20%より少ない
と得られるシリコーンエラストマーが絶縁性エラストマ
ー(即ち、体積抵抗率が1010Ω・cmを超えるもの)
となり、60%より多いと導電性エラストマー(即ち、
体積抵抗率が105Ω・cmに満たないもの)となって
しまうという不利がある。
【0021】また、上記(C)成分と(D)成分との割
合は、前者1〜10%、好ましくは2〜7%、後者90
〜99%、より好ましくは93〜98%である。(D)
成分の割合が90%より少ないとシリコーンエラストマ
ーが導電性となり、99%を越えると絶縁性となり、1
5〜1010Ω・cmの半導電性が得難いため、本発明
の目的を達成し得ない。
【0022】また、本発明の組成物に後述するシリカ微
粉末などの体積抵抗率が108Ω・cmを超える非導電
性無機充填剤を添加する場合、(D)成分の配合量は上
記導電性物質とこの無機充填剤との合計量の50〜80
重量%とすることが好ましい。(D)成分の配合量が5
0重量%未満では半導電性を十分に発現させることが困
難となり、80重量%を越えるとシリコーンエラストマ
ーの補強性が低下し、それ自体の強度が低下するという
問題が発生する場合がある。
【0023】本発明のシリコーンエラストマー組成物に
は、更に必要により上記のようにシリカ微粉末、炭酸カ
ルシウム等の非導電性無機充填剤を上記(A)成分のオ
ルガノポリシロキサン100部(重量部、以下同様)当
り0〜200部、より好ましくは5〜100部、更に好
ましくは10〜80部配合することができる。
【0024】また、窒素含有化合物やアセチレン化合
物、リン化合物、ニトリル化合物、カルボキシレート、
錫化合物、水銀化合物、硫黄化合物等のヒドロシリル化
反応制御剤、酸化鉄、酸化セリウムのような耐熱剤、接
着性付与剤、チクソ性付与剤等を配合することは任意と
される。
【0025】本発明の半導電性シリコーンエラストマー
組成物を製造するには、まず、(A)成分のオルガノポ
リシロキサンの一部又は全部と(C)成分の導電性カー
ボンとを混合し、100〜200℃に加熱し、混練りす
る。この場合、混練り時間は1〜5時間とすることがで
きる。混練り終了後、室温(通常0〜40℃、特に5〜
30℃)まで冷却し、次いで(D)成分を添加し、更に
0〜50℃で1〜5時間混練りすることによってベース
コンパウンドを得ることができる。このようにして得ら
れたベースコンパウンドに(A)成分の残部と(B)成
分のオルガノハイドロジェンシロキサン、更にヒドロシ
リル化反応触媒を添加し、半導電性シリコーンエラスト
マー組成物を得ることができる。
【0026】即ち、上記(C),(D)成分の配合量に
おいては、(C)成分の導電性カーボンと(D)成分の
導電性フィラーとを同時に(A)成分の一部又は全部に
添加して100〜200℃に加熱処理を行うと、得られ
るシリコーンエラストマーが絶縁領域の体積抵抗率、即
ち1010Ω・cmを超える体積抵抗率を有する材料とな
り、一方加熱処理を全く行わないと、得られるシリコー
ンエラストマーは導電領域の体積抵抗率、即ち105Ω
・cmより小さい体積抵抗率を有する材料となってしま
う。また、これらの方法では、体積抵抗率の分布を広く
安定させることは困難である。これに対し、上記
(C),(D)成分のいずれか一方を(A)成分の一部
又は全部と混練り、熱処理することにより、105〜1
10Ω・cmの半導電性を有するシリコーンエラストマ
ーが得られ、この場合、(C)成分の導電性カーボンを
(A)成分の一部又は全部と加熱処理することにより、
体積抵抗率のばらつきがより少なく、安定させることが
でき、体積抵抗率分布を1〜10、特に2〜5の範囲と
することができるので、上述した方法を採用することが
推奨される。
【0027】ここで、本発明において、体積抵抗率分布
とはシリコーンエラストマー硬化物の体積抵抗率の測定
値の最小値に対する最大値の比率を意味するものであ
り、この測定値は、同一の硬化物の異なる個所において
少なくとも10ヶ所以上測定するか、あるいは、同一の
組成、硬化条件で硬化させた少なくとも10個以上の硬
化物についてそれぞれ測定することが望ましい。
【0028】なお、(A)成分の一部を(C)成分と混
練する場合、(A)成分の10〜90%を使用すること
が好ましい。また、非導電性無機充填剤を配合する場
合、(C)成分と共に配合しても(D)成分と共に配合
してもよい。
【0029】この半導電性シリコーンエラストマー組成
物を硬化させる場合は、60〜200℃で1〜20分加
熱し、プレス成形等の一次加硫後、必要に応じて150
〜250℃で2〜7時間二次加硫する方法を採用し得
る。
【0030】得られたシリコーンエラストマーは、10
5〜1010Ω・cmの半導電性を有し、しかもこの範囲
で体積抵抗率分布が非常に小さく、1〜10で、安定し
ている。このため、本発明の半導電性シリコーンエラス
トマー組成物は、PPC、プリンター、ファクシミリ等
の紙巻つき防止の給紙ローラ、転写ローラ、現像ロー
ラ、定着ローラ等の用途に好適に用いられる。
【0031】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0032】なお、下記の例において、体積抵抗率は、
日本ゴム協会標準規格SRIS 2301−1969に
準じ、下記方法で測定した。また、ゴム硬度(JIS
A硬度計を使用)、引張強度、伸び、圧縮永久歪はJI
S K−6301に記載の方法に準じて行った。体積抵抗率の測定方法 図1に示したように、長さ150mm、幅20mm、厚
さ0.5〜1.0mmの試験片1を上部電極2及び下部
電極3で挟む。上部電極2は、長さ30mm、幅15m
m、厚さ5mmの一対の電流端子2a,2aをポリエチ
レンなどの絶縁物4に取り付け、その上に重り5を置い
て上記電流端子2a,2aに5kgの重量が加わるよう
にする。一方、下部電極3は、長さ30mm、幅15m
m、厚さ5mmの一対の電流端子3a,3aと長さ30
mm、幅5mmの一対のナイフ状の電圧端子3b,3b
とからなり、これら電流端子3a,3aは上記上部電極
2の電流端子2a,2aと互いに対向するように配置す
る。また、上記試験片1上には絶縁板6を介して0.5
kgの重り7が載置され、下部電極3は絶縁板8上にセ
ットされる。この状態で上部電極2と下部電極3を接続
し、体積抵抗率を測定する。
【0033】[実施例1]カーボンブラック(ケッチェ
ンブラックEC−600JD、ライオンアクゾ(株))
1.2g、(CH2=CH)(CH3)SiO2/2単位を
含有し、両末端がトリメチルシリル基で封鎖された線状
ジメチルポリシロキサン(粘度10,000cs、ビニ
ル基当量0.0094mol/100g)60g、結晶
性シリカ30gを150℃で2時間混練した。その後2
5℃まで冷却し、導電性亜鉛華(体積固有抵抗率60Ω
・cm(570kg/cm2の圧力下))60gを添加
し、混合した後、25℃において3本ロールで均一に分
散させてベースコンパウンドAを得た。
【0034】このベースコンパウンドAに表1に示す物
質を表1に示す量で配合し、120℃、100kg/c
2 で10分間プレス加硫した後、200℃で4時間2
次加硫し、シリコーンエラストマーシートを合計10枚
製造し、これらシートの体積抵抗率を測定した。結果を
表1に併記する。
【0035】[実施例2]実施例1において導電性亜鉛
華の代わりにチタンブラック(体積固有抵抗率90Ω・
cm(570kg/cm2の圧力下))を用いた以外は
実施例1と同様にして、ベースコンパウンドB、シリコ
ーンエラストマーシートを10枚製造し、体積抵抗率を
測定した。結果を表1に併記する。
【0036】[比較例1]カーボンブラック2.5g、
実施例1で使用したものと同じビニル基含有ジメチルポ
リシロキサン60g、結晶性シリカ90gを150℃で
2時間混練りした後、25℃において3本ロールで均一
に分散させ、ベースコンパウンドCを製造した。
【0037】このベースコンパウンドCに表1に示す物
質を配合し、実施例1と同様の条件で加硫してシリコー
ンエラストマーシートを10枚製造し、実施例1と同様
にして体積抵抗率を測定した。結果を表1に併記する。
【0038】[比較例2]実施例1におけるベースコン
パウンドAの原料をすべて混合し、実施例1と同様に1
50℃の加熱下で2時間混練りしてベースコンパウンド
Dを製造し、実施例1と同様にしてシートを10枚製造
し、体積抵抗率を測定した。結果を表1に併記する。
【0039】[比較例3]実施例1におけるベースコン
パウンドAの原料をすべて加熱せずに25℃で混練し、
ベースコンパウンドEを製造し、実施例1と同様にして
シートを10枚製造し、体積抵抗率を測定した。結果を
表1に併記する。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、導電性物質がシリコー
ンエラストマー中に良好に均一に分散し、体積抵抗率の
ばらつきが小さい半導電性シリコーンエラストマーを与
える半導電性シリコーンエラストマー組成物を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】体積抵抗率の測定方法を説明する概略図であ
る。
【符号の説明】
1 試験片 2 上部電極 3 下部電極
フロントページの続き (72)発明者 斉藤 一 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中に珪素原子と結合した脂肪族不
    飽和炭化水素基を2個以上含有するオルガノポリシロキ
    サンと、1分子中に珪素原子と結合する水素原子を2個
    以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    と、導電性物質とを含む半導電性シリコーンエラストマ
    ー組成物において、上記導電性物質が、導電性カーボン
    1〜10重量%と体積固有抵抗値が101〜108Ω・c
    mの導電性カーボン以外の導電性フィラー90〜99重
    量%とからなると共に、上記導電性物質を組成物全体の
    20〜60重量%配合してなり、105〜1010Ω・c
    mの範囲で体積抵抗率分布が1〜10である半導電性シ
    リコーンエラストマーを与えることを特徴とする半導電
    性シリコーンエラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 組成物が更に非導電性無機充填剤を含
    み、かつ上記導電性フィラーの含有量が上記導電性物質
    とこの無機充填剤との合計量の50〜80重量%である
    請求項1記載の半導電性シリコーンエラストマー組成
    物。
  3. 【請求項3】 導電性カーボン以外の導電性フィラー
    が、導電性亜鉛華、チタンブラック、黒色酸化鉄、酸化
    錫、酸化アンチモン、ゲルマニウム、マグネタイトから
    選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2記載の
    半導電性シリコーンエラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 1分子中に珪素原子と結合する脂肪族不
    飽和炭化水素基を2個以上含有するオルガノポリシロキ
    サンの一部又は全部と、導電性カーボンとを100〜2
    00℃の加熱下に混練りした後、室温まで冷却し、次い
    でこれに101〜108Ω・cmの体積固有抵抗値を有す
    る導電性カーボン以外の導電性フィラーを添加し、0〜
    60℃において再混合することを特徴とする半導電性シ
    リコーンエラストマー組成物の製造方法。
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