JPH08208479A - クラビンアルカロイド誘導体を含有する鎮痛剤 - Google Patents

クラビンアルカロイド誘導体を含有する鎮痛剤

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JPH08208479A
JPH08208479A JP10245495A JP10245495A JPH08208479A JP H08208479 A JPH08208479 A JP H08208479A JP 10245495 A JP10245495 A JP 10245495A JP 10245495 A JP10245495 A JP 10245495A JP H08208479 A JPH08208479 A JP H08208479A
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compound
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ring
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JP10245495A
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Inventor
Yasunori Funahashi
康昇 舟橋
Takayuki Doi
孝行 土居
Shigetoshi Tsuboya
重利 坪谷
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】鎮痛剤、鎮痛作用を有する化合物及びその製造
法を提供する。 【構成】一般式 【化1】 〔式中、R1及びR2は水素原子または置換基を有してい
てもよい炭化水素基を、R3は低級アルキル基をそれぞ
れ示し、環A及び環Bは置換されていてもよく、環Dは
8、9位または9、10位のいずれかで二重結合を形成
し、置換されていてもよい水酸基で置換され、さらにオ
キソ基で置換されていてもよい〕で表される化合物また
はその塩を含有してなる鎮痛剤。 【効果】本発明の化合物又はその塩を含有してなる鎮痛
剤は、非麻薬性の優れた鎮痛作用を有し、慢性リウマ
チ、神経痛、骨粗鬆症,末期癌などの患者に利用でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はサブスタンスP受容体拮
抗作用を有し、非麻薬性の鎮痛剤として有用なクラビン
アルカロイド誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】サブスタンスPはサブスタンスK(ニュ
ーロキニンA)、ニューロキニンBと共にタキキニン群
に属するペプチドで、多様な生理活性を示すことが知ら
れている〔フィジオロジカル・プレビューズ (Physiolo
gical Previews)、第1巻、1頁(1991年)〕。特
に、脊髄後根に投射する無髄知覚神経の痛覚に係わる神
経伝達物質として、また炎症のメディエイターとして重
要な働きをしていることから、サブスタンスP拮抗物質
は鎮痛抗炎症剤として用いられる。
【化6】 上式で示されるセトクラビン、アグロクラビンは麦角菌
の生産するクラビン型アルカロイドで、その生産、単離
および構造はすでに報告されている〔ホフマンら(A. H
ofmann et. al.)ヘルベチカ・ヒミカ・アクタ(Helvet
ica Chimica Acta)第40巻、1358−1373頁
(1957年)〕。この低分子のクラビン型アルカロイ
ドについては、アグロクラビンの腫瘍細胞増殖抑制活性
について報告〔アイヒら(E. Eich et. al.)、バイオ
ケミカル・ファーマコロジー(Biochemical Pharmacolo
gy)第33巻、523−526頁(1984年)〕や、
血圧低下作用、鎮静作用についての報告〔日薬理誌、
、386−393頁、417−429頁(196
2)〕があるが、サブスタンスP拮抗作用や鎮痛作用に
ついての報告はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】鎮痛剤は慢性リウマ
チ、神経痛、骨粗鬆症、末期癌などの患者にとって、第
一に必要な薬であり、耽溺性の少ない非麻薬性の薬剤が
求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる現状
に鑑み、非麻薬性の鎮痛剤について鋭意研究していたと
ころクラビンアルカロイド誘導体がサブスタンスP受容
体拮抗作用を示すこと、さらに種々の動物モデルにおい
て鎮痛作用を示すことを見い出し、本発明を完成した。
【0005】即ち本発明は、(1)一般式
【化7】 〔式中、R1及びR2は水素原子または置換基を有してい
てもよい炭化水素基を、R3は低級アルキル基をそれぞ
れ示し、環A及び環Bは置換されていてもよく、環Dは
8、9位または9、10位のいずれかで二重結合を形成
し、置換されていてもよい水酸基で置換され、さらにオ
キソ基で置換されていてもよい〕で表される化合物また
はその塩を含有してなる鎮痛剤、(2)炭化水素基が炭
素数1から10のアルキル基である上記(1)記載の鎮
痛剤、(3)置換された水酸基が炭素数1から7の炭化
水素基で置換された水酸基である上記(1)記載の鎮痛
剤、(4)置換された水酸基が低級アルキル基で置換さ
れた水酸基である上記(1)記載の鎮痛剤、(5)環D
が8、9位で二重結合を形成し、さらに10位に水酸基
を有する上記(1)記載の鎮痛剤、(6)環Dが9、1
0位で二重結合を形成し、さらに8位に置換されていて
もよい水酸基を有する上記(1)記載の鎮痛剤、(7)
環Dが9、10位で二重結合を形成し、さらに8位に炭
素数1から7の炭化水素基で置換されていてもよい水酸
基を有する上記(1)記載の鎮痛剤、(8)経口投与用
である上記(1)記載の鎮痛剤、(9)一般式
【化8】 〔式中、R4及びR5は水素原子または置換基を有してい
てもよい炭化水素基を、R6は低級アルキル基をそれぞ
れ示し、環A及び環Bは置換されていてもよく、環Dは
8、9位または9、10位のいずれかで二重結合を形成
し、置換されていてもよい水酸基で置換され、さらにオ
キソ基で置換されていてもよく、環Dが9、10位で二
重結合を形成する場合は、8位に炭素数2以上の炭化水
素オキシ基を有し、環Dが8、9位で二重結合を形成す
る場合は、10位に置換されていてもよい水酸基を有
し、R4が水素原子、R5及びR6がメチル基の時、10
位の水酸基及び5位の水素原子は同一の方向性を示す〕
で表される化合物またはその塩、(10)炭化水素基が
炭素数1から10のアルキル基である上記(9)記載の
化合物、(11)炭素数2以上の炭化水素オキシ基が炭
素数2から6のアルコキシ基である上記(9)記載の化
合物、(12)置換された水酸基が炭素数1から7の炭
化水素基で置換された水酸基である上記(9)記載の化
合物、(13)置換された水酸基が低級アルコキシ基で
ある上記(9)記載の化合物、(14)環Dが9、10
位で二重結合を形成し、さらに8位に炭素数2から6の
アルコキシ基を有する上記(9)記載の化合物、(1
5)環Dが9、10位で二重結合を形成し、さらに8位
に炭素数2から6のアルケニルオキシ基を有する上記
(9)記載の化合物、(16)環Dが9、10位で二重
結合を形成し、さらに8位に炭素数7から13のアラル
キルオキシ基を有する上記(9)記載の化合物、(1
7)(5R,10R)及び(5S,10S)−8,9−
ジデヒドロ−6,8−ジメチル−10−エルゴリノール
である上記(9)記載の化合物、(18)(5R,8
S)−9,10−ジデヒドロ−6,8−ジメチル−1−
エチル−8−エルゴリノールである上記(9)記載の化
合物、(19)(5R,8S)−9,10−ジデヒドロ
−6,8−ジメチル−1−プロピル−8−エルゴリノー
ルである上記(9)記載の化合物、(20)(5R,8
S)−9,10−ジデヒドロ−6,8−ジメチル−1−
メトキシメチル−8−エルゴリノールである上記(9)
記載の化合物、(21)(5R,8S)−1−ブチル−
9,10−ジデヒドロ−6,8−ジメチル−8−エルゴ
リノールである上記(9)記載の化合物、(22)(5
R,8S)−9,10−ジデヒドロ−6,8−ジメチル
−1−(2−ヒドロキシプロピル)−8−エルゴリノー
ルである上記(9)記載の化合物、(23)(5R,8
S)−9,10−ジデヒドロ−6−エチル−8−メチル
−8−エルゴリノールである上記(9)記載の化合物、
(24)(5R,8S)−9,10−ジデヒドロ−8−
メチル−6−プロピル−8−エルゴリノールである上記
(9)記載の化合物、(25)(5R,8S)−6−シ
クロプロピルメチル−9,10−ジデヒドロ−8−メチ
ル−8−エルゴリノールである上記(9)記載の化合
物、(26)痛みの寛かいに用いられる上記(1)記載
の鎮痛剤、(27)一般式
【化9】 〔式中、R7及びR8は水素原子または置換基を有してい
てもよい炭化水素基を、R9は低級アルキル基をそれぞ
れ示し、環A及び環Bは置換されていてもよい〕で表さ
れる化合物、またはその塩を分子内アミド化反応に付
し、ついで形成するアミド基を還元反応に付し、必要に
応じて水酸基転位反応または/及びエーテル化反応に付
すことを特徴とする一般式〔I〕で表される化合物また
はその塩の製造法、(28)一般式
【化10】 〔式中、R10は置換基を有していてもよい炭化水素基
を、R11は低級アルキル基を、Xは水素原子または炭化
水素基をそれぞれ示し、環A及び環Bは置換されていて
もよい〕で表される化合物またはその塩をN-置換反応
に付すことを特徴とする一般式〔I〕で表される化合物
またはその塩の製造法、(29)一般式
【化11】 〔式中、R12は水素原子または置換基を有していてもよ
い炭化水素基を、R13は水素原子または置換基を有して
いてもよい炭化水素基を、R14は低級アルキル基をそれ
ぞれ示し、R13およびR14がメチル基のとき、R12は置
換基を有していてもよい炭化水素基を示す〕で表される
化合物またはその塩を酸化反応に付すことを特徴とする
一般式〔I〕で表される化合物またはその塩の製造法、
(30)上記(9)記載の化合物を含有してなる医薬組
成物、及び(31)鎮痛医薬組成物である上記(30)
記載の医薬組成物、に関する。
【0006】一般式〔I〕の化合物において環Dは、
8、9位で二重結合を有し、10位に置換されていても
よい水酸基を有するか、あるいは9、10位で二重結合
を有し、8位に置換されていてもよい水酸基を有する。
一般式〔I〕中、R1、R2で表される置換基を有してい
てもよい炭化水素基としては、炭素数1から20の炭化
水素基が挙げられる。このような炭化水素基としては、
例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリ
ール基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアル
キル−アルキル基が挙げられる。
【0007】アルキル基としては好ましくは炭素数1か
ら10のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペン
チル、tert−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチル
ブチル、1,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピ
ル、ヘキシル、イソヘキシル、1−メチルペンチル、2
−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメ
チルブチル、1,2−ジメチルブチル、2,2−ジメチ
ルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,3−ジメチル
ブチル、2,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、
2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、
1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メ
チルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、ヘプ
チル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、デシ
ル、イソデシルなどが挙げられる。このうち炭素数1か
ら6のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが更に好ましく、
炭素数1から4のアルキル基、例えばメチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、tert−ブチルなどが特に好ましい。アルケニル
基としては好ましくは炭素数2から10のアルケニル
基、例えばビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロ
ペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、
1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペ
ニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−
プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペ
ンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−1−ブテニ
ル、2−メチル−1−ブテニル、3−メチル−1−ブテ
ニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブ
テニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、
2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5
−ヘキセニル、1−メチル−1−ペンテニル、2−メチ
ル−1−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、2
−エチル−1−ブテニル、2−ヘプテニル、2−オクテ
ニル、2−デセニルなどが挙げられる。このうち炭素数
2から5のアルケニル基、例えばビニル、アリル、2−
ブテニル、3−ブテニル、イソプロペニル、2−メチル
−1−プロペニル、3−メチル−2−ブテニルなどが更
に好ましく、炭素数3から5のアルケニル基、例えばア
リル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−
ブテニルなどが特に好ましい。
【0008】アルキニル基としては好ましくは炭素数2
から10のアルキニル基、例えばエチニル、1−プロピ
ニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、
3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、1−ペン
チニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチ
ニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブ
チニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシ
ニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、2−ヘプチニ
ル、2−オクチニル、2−デシニルなどが挙げられる。
このうち炭素数2から4のアルキニル基、例えばエチニ
ル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、
2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピ
ニルなどが更に好ましく、炭素数2から3のアルキニル
基、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル
などが特に好ましい。アリール基としては好ましくは炭
素数6から14のアリール基、例えばフェニル、トリ
ル、キシリル、ビフェニル、アンスラセニル、1−また
は2−ナフチル、1−、2−、4−、5−または6−ア
ズレニル等の炭素数6ないし14のアリール基等が挙げ
られる。このうち炭素数6から8のアリール基、例えば
フェニル、トリル、キシリルなどが特に好ましい。アラ
ルキル基としては好ましくは炭素数7から20のアラル
キル基、例えばベンジル、フェネチル、3−フェニルプ
ロピル、ベンズヒドリル、トリチル、トリフェニルエチ
ル、(1−ナフチル)メチル、(2−ナフチル)メチル
などが挙げられる。このうちベンジル、フェネチル、ベ
ンズヒドリルなどが特に好ましい。シクロアルキル基と
しては好ましくは炭素数3から7のシクロアルキル基、
例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられ
る。シクロアルキル−アルキル基としては好ましくは上
記したシクロアルキル基で置換された炭素数1から4の
アルキル基、例えばシクロプロピルメチル、シクロペン
チルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルブ
チルなどが挙げられる。
【0009】このような炭化水素残基は置換可能な位置
に、例えば(1)モノ−またはジ−C1-4アルキル基で
置換されていてもよいアミノ基(例、アミノ、メチルア
ミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルア
ミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ
等)、(2)炭素数1ないし6のアルカノイルアミノ基
(例、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニル
アミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、バレリ
ルアミノ、イソバレリルアミノ、ピバロイルアミノ、ヘ
キサノイルアミノ等)、(3)炭素数7ないし11のア
ロイルアミノ基(例、ベンゾイルアミノ、p-トルオイル
アミノ、1-ナフトイルアミノ、2-ナフトイルアミノ
等)、(4)炭素数2ないし7のアルコキシカルボニル
アミノ基(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカ
ルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、イソプ
ロポキシカルボニルアミノ、tert-ブトキシカルボニル
アミノ等)、(5)炭素数8ないし12のアラルキルオ
キシカルボニルアミノ基(例、ベンジルオキシカルボニ
ルアミノ、フェネチルオキシカルボニルアミノ等)、
(6)炭素数1ないし6のアルキルスルホニルアミノ基
(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミ
ノ、プロピルスルホニルアミノ等)、(7)炭素数6な
いし12のアリールスルホニルアミノ基(例、フェニル
スルホニルアミノ、トシルアミノ等)、(8)水酸基、
(9)炭素数1ないし4のアルコキシ基(例、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ
等)、(10)炭素数6ないし10のアリールオキシ基
(例、フェノキシ等)、(11)炭素数7ないし12の
アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ等)、(1
2)炭素数1ないし6のアルカノイルオキシ基(例、ホ
ルミルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、
ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、バレリルオキ
シ、イソバレリルオキシ、ピバロイルオキシ、ヘキサノ
イルオキシ等)、(13)炭素数7ないし11のアロイ
ルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ、p-トルオイルオキ
シ、1-ナフトイルオキシ、2-ナフトイルオキシ等)、
(14)メルカプト基、(15)炭素数1ないし4のア
ルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピル
チオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチ
オ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等)、(16)
炭素数6ないし10のアリールチオ基(例、フェニルチ
オ、ナフチルチオ等)、(17)炭素数1ないし4のア
ルキルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル、エチ
ルスルフィニル、プロピルスルフィニル等)、(18)
炭素数6ないし10のアリールスルフィニル基(例、フ
ェニルスルフィニル等)、(19)炭素数1ないし4の
アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチル
スルホニル、プロピルスルホニル等)、(20)炭素数
6ないし10のアリールスルホニル基(例、フェニルス
ルホニル、トシル等)、(21)カルボキシル基、(2
2)炭素数2ないし5のアルコキシカルボニル基(例、
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシ
カルボニル、ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカル
ボニル等)、(23)炭素数8ないし13のアラルキル
オキシカルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、
フェネチルオキシカルボニル等)、(24)炭素数7な
いし11のアリールオキシカルボニル基(例、フェノキ
シカルボニル等)、(25)カルバモイル基、(26)
モノ−またはジ−C1-4アルキルカルバモイル基(例、
メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカ
ルバモイル、ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイ
ル、ジエチルカルバモイル等)、(27)ニトロ基で置
換されていてもよいグアニジル基、(28)ニトロ基、
(29)ニトリル基(シアノ基)(30)ハロゲン原子
(例、ヨウ素、臭素、塩素、フッ素等)、(31)メチ
レン基、(32)(a)ハロゲン原子(例、臭素、塩
素、フッ素等)、(b)炭素数1ないし4のアルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル等)お
よび(c)ハロゲノフェノキシ等(例、o−、m−また
はp−クロロフェノキシ、o−、m−またはp−ブロモ
フェノキシ等)から選ばれる1ないし4個の置換基を有
していてもよい炭素原子以外に酸素、硫黄、窒素等から
選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む3ないし6員複
素環基またはその縮合複素環基(例、オキシラニル、2
−または3−オキセタニル、2−または3−チエニル、
2−または3−フリル、2−または3−テトラヒドロフ
リル、2−、3−または4−テトラヒドロピラニル、3
−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−
チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2
−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5
−イソオキサゾリル、2−、4−または5−イミダゾリ
ル、1,2,3−または1,2,4−トリアゾリル、1Hま
たは2H−テトラゾリル、2−、3−または4−ピリジ
ル、2−、4−または5−ピリミジル、3−または4−
ピリダジニル、キノリル、イソキノリル、インドリル
等)等から選ばれる1ないし5個の置換基を有していて
もよい。
【0010】R3で表される低級アルキル基としては好
ましくは炭素数1から6のアルキル基、例えばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペン
チル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−メチルブチ
ル、2−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1
−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1−メチ
ルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチ
ル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチ
ル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチ
ル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチ
ル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2
−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピ
ル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2
−メチルプロピルなどが挙げられる。このうち炭素数1
から6のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが更に好ま
しく、炭素数1から4のアルキル基、例えばメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
sec−ブチル、tert−ブチルなどが特に好ましい。
【0011】環A上の置換基としては、例えば前記のR
1、R2で定義した炭化水素基に加え、ハロゲン原子、置
換されていてもよいチオール基(例、アルキルチオ基、
アリールチオ基、アラルキルチオ基等)、置換されてい
てもよい水酸基(例、アルコキシ基等)、置換されてい
てもよいアミノ基(例、アルキルアミノ、アリールアミ
ノ、アラルキルアミノ等)、エステル化されていてもよ
いカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル
基(例、モノ−またはジ−C1-4アルキルカルバモイル
基等)、ニトロ基、ニトリル基、複素環基等が挙げられ
る。環B2位上の置換基としては、例えば前記のR1
2で定義した炭化水素基に加え、置換されていてもよ
い水酸基(例、アルコキシ基等)、置換されていてもよ
いアミノ基(例、アルキルアミノ、アリールアミノ、ア
ラルキルアミノ等)、エステル化されていてもよいカル
ボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基
(例、モノ−またはジ−C1-4アルキルカルバモイル基
等)、ニトロ基、ニトリル基、複素環基等が挙げられ
る。
【0012】上記環Aまたは環B上の置換基のうちハロ
ゲン原子としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素
などが挙げられる。このうち塩素、臭素などが特に好ま
しい。アルキルチオ基としては炭素数1から6のアルキ
ルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチ
オ、ブチルチオ、tert-ブチルチオ、ヘキシルチオなど
が挙げられる。アリールチオ基としては炭素数6から1
2のアリールチオ基、例えばフェニルチオ、トルイルチ
オ、ナフチルチオ、ビフェニルチオなどが挙げられる。
アラルキルチオ基としては炭素数7から13のアラルキ
ルチオ基、例えばベンジルチオ、フェネチルチオ、ベン
ズヒドリルチオなどが挙げられる。アルコキシ基として
は炭素数1から6のアルコキシ基、例えばメトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、sec-ブトキシ、
tert-ブトキシ、ヘキシルオキシなどが挙げられる。ア
ルキルアミノとしては、炭素数1から6のアルキル基、
例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘ
キシル基等で1または2個置換されたアミノが挙げられ
る。アリールアミノとしては、炭素数6から12のアリ
ール基、例えばフェニル基、トルイル基、ナフチル基、
ビフェニル基等で1または2個置換されたアミノが挙げ
られる。アラルキルアミノとしては、炭素数7から13
のアラルキル基、例えばベンジル基、フェネチル基、ベ
ンズヒドリル基等で1または2個置換されたアミノが挙
げられる。
【0013】エステル化されていてもよいカルボキシル
基としては、例えば(1)前記のR1、R2で定義した炭
化水素基におけるアルキル基、または(2)ニトロ基、
ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)及び
炭素数1ないし4のアルコキシ基(例、メトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、sec-ブトキシ、te
rt-ブトキシ等)から選択される1ないし3個の置換基
を有していてもよいベンジル基等でエステル化されてい
てもよいカルボキシル基が挙げられる。好ましくは、
(1)炭素数1から4のアルキル基、または(2)ニト
ロもしくはハロゲンで置換されていてもよいベンジル
(例、p-ニトロベンジル、p-ブロモベンジル)等でエス
テル化されていてもよいカルボキシル基である。モノ−
またはジ−C1-4アルキルカルバモイル基としては、上
記した炭素数1から4のアルキル基で1または2個置換
されたカルバモイル基が挙げられる。複素環基として
は、例えば2−または3−チエニル、2−または3−フ
リル、1−、2−または3−ピロリル、2−、3−また
は4−ピリジル、2−、4−または5−ピリミジニル、
2−、4−または5−オキサゾリル、2−、4−または
5−チアゾリル、3−、4−または5−ピラゾリル、2
−、4−または5−イミダゾリル、3−または5−
(1,2,4−オキサジアゾリル)、3−または5−
(1,2,4−チアジアゾリル)、1,3,4−チアジ
アゾリル、4−または5−(1,2,3−チアジアゾリ
ル)、1,2,5−チアジアゾリル、1,2,3−トリ
アゾリル、1,2,4−トリアゾリル等の酸素原子、硫
黄原子、窒素原子を1から3個有する芳香族複素環基、
モルホリニル、チオモルホリニル、オキソイミダジニ
ル、ジオキソトリアジニル、ピロリジニル、ピペリジニ
ル、ピラニル、チオピラニル、1,4−オキサジニル、
1,4−チアジニル、1,3−チアジニル、ピペラジニ
ル、ピラジニル等の酸素原子、硫黄原子、窒素原子を1
から3個有する非芳香族複素環基等が挙げられる。
【0014】環D上の置換基である置換されていてもよ
い水酸基としては、好ましくは炭化水素基で置換されて
いてもよい水酸基が挙げられる。ここでいう炭化水素基
で置換されていてもよい水酸基における炭化水素基は、
上記R1、R2で定義したものと同様なものが挙げられ
る。好ましくは前記のアルキル基、アルケニル基、アル
キニル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル
基、シクロアルキル−アルキル基が挙げられ、特に好ま
しくは炭素数1から7の炭化水素基、例えば炭素数1か
ら6のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、炭
素数2から6のアルキニル基、フェニル、ベンジルなど
が挙げられる。上記炭化水素基で置換された水酸基とし
ては、例えば炭素数1から10のアルコキシ基、炭素数
2から10のアルケニルオキシ基、炭素数2から10の
アルキニルオキシ基、炭素数6から14のアリールオキ
シ基、炭素数7から20のアラルキルオキシ基、炭素数
3から7のシクロアルキルオキシ基、炭素数3から7の
シクロアルキル−炭素数1から4のアルコキシ基が挙げ
られる。
【0015】炭素数1から10のアルコキシ基の好まし
い例としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−
ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペン
チルオキシ、ネオペンチルオキシ、tert−ペンチルオキ
シ、1−メチルブトキシ、2−メチルブトキシ、1,2
−ジメチルプロポキシ、1−エチルプロポキシ、ヘキシ
ルオキシ、イソヘキシルオキシ、1,1−ジメチルブト
キシ、2,2−ジメチルブトキシ、3,3−ジメチルブ
トキシ、2−エチルブトキシ、ヘプチルオキシ、オクチ
ルオキシ、デシルオキシなどが挙げられる。このうち炭
素数1から6のアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブト
キシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキ
シ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、tert−
ペンチルオキシ、1−メチルブトキシ、2−メチルブト
キシ、1,2−ジメチルプロポキシ、1−エチルプロポ
キシ、ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、1,1−
ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキシ、3,3
−ジメチルブトキシ、2−エチルブトキシなどが特に好
ましい
【0016】炭素数2から10のアルケニルオキシ基の
好ましい例としては、例えばビニルオキシ、アリルオキ
シ、イソプロペニルオキシ、1−プロペニルオキシ、1
−ブテニルオキシ、2−ブテニルオキシ、3−ブテニル
オキシ、1−メチル−1−プロペニルオキシ、1−メチ
ル−2−プロペニルオキシ、2−メチル−1−プロペニ
ルオキシ、2−メチル−2−プロペニルオキシ、1−ペ
ンテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ペンテニ
ルオキシ、4−ペンテニルオキシ、1−メチル−1−ブ
テニルオキシ、2−メチル−1−ブテニルオキシ、3−
メチル−1−ブテニルオキシ、1−メチル−2−ブテニ
ルオキシ、2−メチル−2−ブテニルオキシ、3−メチ
ル−2−ブテニルオキシ、1−ヘキセニルオキシ、2−
ヘキセニルオキシ、3−ヘキセニルオキシ、4−ヘキセ
ニルオキシ、5−ヘキセニルオキシ、1−メチル−1−
ペンテニルオキシ、2−メチル−1−ペンテニルオキ
シ、4−メチル−3−ペンテニルオキシ、2−エチル−
1−ブテニルオキシ、2−ヘプテニルオキシ、2−オク
テニルオキシ、2−デセニルオキシなどが挙げられる。
このうち炭素数3から6のアルケニルオキシ基、例えば
アリルオキシ、2−ブテニルオキシ、3−ブテニルオキ
シ、1−メチル−2−プロペニルオキシ、2−メチル−
2−プロペニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ペ
ンテニルオキシ、4−ペンテニルオキシ、1−メチル−
2−ブテニルオキシ、2−メチル−2−ブテニルオキ
シ、3−メチル−2−ブテニルオキシ、2−ヘキセニル
オキシ、3−ヘキセニルオキシ、4−ヘキセニルオキ
シ、5−ヘキセニルオキシ、4−メチル−3−ペンテニ
ルオキシなどが特に好ましい。
【0017】炭素数2から10のアルキニルオキシ基の
好ましい例としては、例えばエチニルオキシ、1−プロ
ピニルオキシ、2−プロピニルオキシ、1−ブチニルオ
キシ、2−ブチニルオキシ、3−ブチニルオキシ、1−
メチル−2−プロピニルオキシ、1−ペンチニルオキ
シ、2−ペンチニルオキシ、3−ペンチニルオキシ、4
−ペンチニルオキシ、1−メチル−3−ブチニルオキ
シ、2−メチル−3−ブチニルオキシ、1−ヘキシニル
オキシ、2−ヘキシニルオキシ、3−ヘキシニルオキ
シ、4−ヘキシニルオキシ、5−ヘキシニルオキシ、2
−ヘプチニルオキシ、2−オクチニルオキシ、2−デシ
ニルオキシなどがあげられ、このうち炭素数2から6の
アルキニルオキシ基、例えばエチニルオキシ、1−プロ
ピニルオキシ、2−プロピニルオキシ、1−ブチニルオ
キシ、2−ブチニルオキシ、3−ブチニルオキシ、1−
メチル−2−プロピニルオキシ、1−ペンチニルオキ
シ、2−ペンチニルオキシ、3−ペンチニルオキシ、4
−ペンチニルオキシ、1−メチル−3−ブチニルオキ
シ、2−メチル−3−ブチニルオキシ、1−ヘキシニル
オキシ、2−ヘキシニルオキシ、3−ヘキシニルオキ
シ、4−ヘキシニルオキシ、5−ヘキシニルオキシなど
が特に好ましい。
【0018】炭素数6から14のアリールオキシ基の好
ましい例としては、例えばフェニルオキシ、トリルオキ
シ、キシリルオキシ、ビフェニルオキシ、アンスラセニ
ルオキシ、1−または2−ナフチルオキシ、1−、2
−、4−、5−または6−アズレニルオキシ等があげら
れ、このうち炭素数6から8のアリールオキシ基、例え
ばフェニルオキシ、トリルオキシ、キシリルオキシなど
が特に好ましい。炭素数7から20のアラルキルオキシ
基の好ましい例としては、例えばベンジルオキシ、フェ
ネチルオキシ、3−フェニルプロピルオキシ、ジフェニ
ルメチルオキシ、トリフェニルエチルオキシ、(1−ナ
フチル)メチルオキシ、(2−ナフチル)メチルオキシ
などがあげられ、このうち炭素数7から13のアラルキ
ルオキシ基、例えばベンジルオキシ、フェネチルオキ
シ、ジフェニルメチルオキシなどが特に好ましい。
【0019】炭素数3から7のシクロアルキルオキシ基
の好ましい例としては、例えばシクロプロポキシ、シク
ロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオ
キシ、シクロヘプチルオキシなどが挙げられる。炭素数
3から7のシクロアルキル−炭素数1から4のアルキル
オキシ基の好ましい例としては、シクロプロピルメトキ
シ、シクロペンチルメトキシ、シクロヘキシルメトキ
シ、シクロヘキシルブトキシなどが挙げられる。上記一
般式〔I〕において、R1は好ましくは水素原子または炭
素数1から6のアルキル基、特に好ましくは水素原子で
ある。R2は好ましくは炭素数1から10のアルキル
基、または炭素数3から7のシクロアルキル−炭素数1
から4のアルキル基である。R3は好ましくは炭素数1
から6のアルキル基、特に好ましくは炭素数1から4の
アルキル基である。環Dは好ましくは8、9位で2重結
合を形成し、10位が水酸基であるか、又は9、10位
で2重結合を形成し、8位が炭素数1から7の炭化水素
基で置換されていてもよい水酸基である。
【0020】一般式〔I〕で表される化合物の塩として
は生理学的に許容される塩が挙げられる。このような塩
としては、酸付加塩、例えば塩酸、硫酸、リン酸、硝酸
などの無機酸との塩、および例えば酢酸、シュウ酸、コ
ハク酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸との塩などが挙
げられる。化合物〔I〕又はその塩は薬理学的に許容さ
れる担体と混合し当分野における慣用の方法により、非
麻薬性の鎮痛剤として用いられる。本発明の鎮痛剤は非
経口剤または経口剤として提供される。非経口剤として
は、例えば注射剤、点滴剤、液剤、懸濁液剤および座剤
等、経口剤としては、例えば、カプセル剤、錠剤、シロ
ップ剤、散剤および顆粒剤等が用いられる。
【0021】非経口剤、例えば注射剤を製造する際には
等張化剤(例、グルコース、ソルビトール、マンニトー
ル、塩化ナトリウムなど)、保存剤 (例、ベンジルアル
コール、クロロブタノール、パラヒドロキシ安息香酸メ
チルなど)、抗凝固剤(例、デキストラン硫酸、ヘパリ
ンなど)、溶解補助剤(例、シクロデキストリン類、ツ
イーンなど)、安定化剤(例、ポリエチレングリコー
ル、ポリ乳酸など)などを混合していてもよい。投与に
当たっては、これらを慣用の水性希釈剤中に溶解し、液
剤として用いる。水性希釈剤としてはぶどう糖水溶液、
生理食塩水、リンゲル液、栄養補給剤液などが用いられ
る。また、経口剤には添加剤、例えば賦形剤、結合剤、
崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、安定化剤などを加え
てもよい。
【0022】これらの製剤は毒性も低く、哺乳動物、例
えば人、牛、ブタなどに対して安全に用いることができ
る。これらの製剤は経口的あるいは非経口的に投与さ
れ、人に用いる場合の投与量は対象疾病の種類、程度、
患者の年齢などで変動し得るが、通常、該化合物〔I〕
又はその塩の含量として、成人一日(体重50kg)当
たり約0.5mg〜約500mg、特に約10mg〜約
200mgを1〜3回にわけて疾患の治療に用いられる
ことが好ましい。上記一般式〔I〕の範囲に含まれる一
般式〔II〕で表される化合物は文献未記載の新規化合物
である。一般式〔II〕においてR4、R5で表される炭化
水素基、R6で表される低級アルキル基としては一般式
〔I〕で定義したものと同様なものが挙げられる。環D
上の8位の置換基である炭素数2以上の炭化水素オキシ
基として、好ましくは炭素数2から20の炭化水素オキ
シ基が挙げられる、このような炭化水素オキシ基として
は、例えば炭素数2から10のアルコキシ基、炭素数2
から10のアルケニルオキシ基、炭素数2から10のア
ルキニルオキシ基、炭素数6から14のアリールオキシ
基、炭素数7から20のアラルキルオキシ基、炭素数3
から7のシクロアルキルオキシ基、炭素数3から7のシ
クロアルキル−炭素数1から4のアルキルオキシ基が挙
げられる。
【0023】炭素数2から10のアルコキシ基の好まし
い例としては、例えばエトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert
-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネ
オペンチルオキシ、tert-ペンチルオキシ、1-メチルブ
トキシ、2-メチルブトキシ、1,2-ジメチルプロポキ
シ、1-エチルプロポキシ、ヘキシルオキシ、イソヘキ
シルオキシ、1,1-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチル
ブトキシ、3,3-ジメチルブトキシ、2-エチルブトキ
シ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキシ等
が挙げられる。このうち炭素数2から7のアルコキシ
基、例えばエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブ
トキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキ
シ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチ
ルオキシ、tert-ペンチルオキシ、1-メチルブトキシ、
2-メチルブトキシ、1,2-ジメチルプロポキシ、1-エ
チルプロポキシ、ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキ
シ、1,1-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキ
シ、3,3-ジメチルブトキシ、2-エチルブトキシ、ヘ
プチルオキシ等が更に好ましく、炭素数2から4のアル
コキシ基、例えばエトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブ
トキシ等が特に好ましい。
【0024】炭素数2から10のアルケニルオキシ基の
好ましい例としては、例えばビニルオキシ、アリルオキ
シ、イソプロペニルオキシ、1-プロペニルオキシ、1-
ブテニルオキシ、2-ブテニルオキシ、3-ブテニルオキ
シ、1-メチル-1-プロペニルオキシ、1-メチル-2-プ
ロペニルオキシ、2-メチル-1-プロペニルオキシ、2-
メチル-2-プロペニルオキシ、1-ペンテニルオキシ、
2-ペンテニルオキシ、3-ペンテニルオキシ、4-ペン
テニルオキシ、1-メチル-1-ブテニルオキシ、2-メチ
ル-1-ブテニルオキシ、3-メチル-1-ブテニルオキ
シ、1-メチル-2-ブテニルオキシ、2-メチル-2-ブテ
ニルオキシ、3-メチル-2-ブテニルオキシ、1-ヘキセ
ニルオキシ、2-ヘキセニルオキシ、3-ヘキセニルオキ
シ、4-ヘキセニルオキシ、5-ヘキセニルオキシ、1-
メチル-1-ペンテニルオキシ、2-メチル-1-ペンテニ
ルオキシ、4-メチル-3-ペンテニルオキシ、2-エチル
-1-ブテニルオキシ、2−ヘプテニルオキシ、2−オク
テニルオキシ、2−デセニルオキシ等が挙げられる。こ
のうち炭素数3から7のアルケニルオキシ基、例えばア
リルオキシ、2-ブテニルオキシ、3-ブテニルオキシ、
1-メチル-2-プロペニルオキシ、2-メチル-2-プロペ
ニルオキシ、2-ペンテニルオキシ、3-ペンテニルオキ
シ、4-ペンテニルオキシ、1-メチル-2-ブテニルオキ
シ、2-メチル-2-ブテニルオキシ、3-メチル-2-ブテ
ニルオキシ、2-ヘキセニルオキシ、3-ヘキセニルオキ
シ、4-ヘキセニルオキシ、5-ヘキセニルオキシ、4-
メチル-3-ペンテニルオキシ、2−ヘプテニルオキシ等
が更に好ましく、炭素数3から5のアルケニルオキシ
基、例えばアリルオキシ、2-ブテニルオキシ、3-ブテ
ニルオキシ、3-メチル-2-ブテニルオキシ等が特に好
ましい。
【0025】炭素数2から10のアルキニルオキシ基の
好ましい例としては、例えばエチニルオキシ、1-プロ
ピニルオキシ、2-プロピニルオキシ、1-ブチニルオキ
シ、2-ブチニルオキシ、3-ブチニルオキシ、1-メチ
ル-2-プロピニルオキシ、1-ペンチニルオキシ、2-ペ
ンチニルオキシ、3-ペンチニルオキシ、4-ペンチニル
オキシ、1-メチル-3-ブチニルオキシ、2-メチル-3-
ブチニルオキシ、1-ヘキシニルオキシ、2-ヘキシニル
オキシ、3-ヘキシニルオキシ、4-ヘキシニルオキシ、
5-ヘキシニルオキシ、2−ヘプチニルオキシ、2−オ
クチニルオキシ、2−デシニルオキシ等が挙げられる。
このうち炭素数2から7のアルキニルオキシ基、例えば
エチニルオキシ、1-プロピニルオキシ、2-プロピニル
オキシ、1-ブチニルオキシ、2-ブチニルオキシ、3-
ブチニルオキシ、1-メチル-2-プロピニルオキシ、1-
ペンチニルオキシ、2-ペンチニルオキシ、3-ペンチニ
ルオキシ、4-ペンチニルオキシ、1-メチル-3-ブチニ
ルオキシ、2-メチル-3-ブチニルオキシ、1-ヘキシニ
ルオキシ、2-ヘキシニルオキシ、3-ヘキシニルオキ
シ、4-ヘキシニルオキシ、5-ヘキシニルオキシ、2−
ヘプチニルオキシ等が更に好ましく、炭素数3から4の
アルキニルオキシ基、例えば2-プロピニルオキシ、2-
ブチニルオキシ等が特に好ましい。
【0026】炭素数6から14のアリールオキシ基の好
ましい例としては、例えばフェニルオキシ、トリルオキ
シ、キシリルオキシ、ビフェニルオキシ、アンスラセニ
ルオキシ、1−または2−ナフチルオキシ、1−、2
−、4−、5−または6−アズレニルオキシ等が挙げら
れる。このうち炭素数6から8のアリールオキシ基、例
えばフェニルオキシ、トリルオキシ、キシリルオキシ等
が特に好ましい。炭素数7から20のアラルキルオキシ
基の好ましい例としては、例えばベンジルオキシ、フェ
ネチルオキシ、3−フェニルプロピルオキシ、ジフェニ
ルメチルオキシ、トリフェニルエチルオキシ、(1−ナ
フチル)メチルオキシ、(2−ナフチル)メチルオキシ
などが挙げられる。このうち炭素数7から13のアラル
キルオキシ基、例えばベンジルオキシ、フェネチルオキ
シ、ジフェニルメチルオキシ等が特に好ましい。
【0027】炭素数3から7のシクロアルキルオキシ基
の好ましい例としては、例えばシクロプロポキシ、シク
ロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオ
キシ、シクロヘプチルオキシなどが挙げられる。炭素数
3から7のシクロアルキル−炭素数1から4のアルキル
オキシ基の好ましい例としては、シクロプロピルメトキ
シ、シクロペンチルメトキシ、シクロヘキシルメトキ
シ、シクロヘキシルブトキシなどが挙げられる。
【0028】上記一般式〔II〕において、R4は好まし
くは水素原子または炭素数1から6のアルキル基、特に
好ましくは水素原子である。R5は好ましくは炭素数1
から10のアルキル基、または炭素数3から7のシクロ
アルキル−炭素数1から4のアルキル基である。R6
好ましくは炭素数1から6のアルキル基、特に好ましく
は炭素数1から4のアルキル基である。環Dは好ましく
は9、10位で二重結合を形成し、8位は炭素数2から
10の炭化水素オキシ基である。一般式〔II〕におい
て、環A及び環B上の置換基としては、一般式〔I〕で
定義したと同様なものが挙げられる。一般式〔II〕で表
される化合物の塩としては、一般式〔I〕で表される化
合物の塩と同様のものが挙げられる。上記一般式〔II
I〕において、R7、R8、R9はそれぞれ一般式〔I〕に
おけるR1、R2、R3と同意義である。一般式〔III〕に
おいて、環A及び環B上の置換基としては、一般式
〔I〕で定義したと同様なものが挙げられる。
【0029】化合物〔III〕において、R7が水素原子、
8及びR9がそれぞれメチル基である化合物を除いた化
合物(以下化合物〔IIIa〕と略す)またはその塩は、ル
グロバシンから自体公知の方法を用いて製造される。ル
グロバシンまたはその塩は、阿部らによりペニシリウム
・コンカボルグロサム(Penicillium concavorugulosu
m)により生産されることが報告されている(特公昭4
6−19588号)。例えば、化合物〔IIIa〕またはそ
の塩は、ルグロバシンまたはその塩と微生物由来の酸化
酵素とを作用させ、次いで得られたルグロバミンまたそ
の塩を酸化反応及び置換反応に付すことにより製造され
る。
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】ルグロバミンの製造に用いられる微生物と
しては、ルグロバシンまたはその塩を酸化する能力を有
する微生物であればいずれのものでもよい。好ましい微
生物の具体例としては、例えば、サッカロスリックス
属、ストレプトミセス属、アクチノミセス属またはアク
チノプラネス属に属する放線菌が挙げられる。好ましい
菌株の具体例としては、例えば、サッカロスリックス・
ムタビリス・サブエスピー・カプレオラス(Saccharoth
rix mutabilis subsp. capreolus)IFO 12847、
ストレプトミセス・バーソビエンシス(Streptomyces v
arsoviensis)IFO 13093、ストレプトミセス・
ビリディファシエンス(Streptomyces viridifaciens)
IFO 13352、アクチノミセス・ストレプトミシ
ニ(Actinomyces streptomycini)IFO 12918、
アクチノプラネス・ブラシリエンシス(Actinoplanes b
rasiliensis)IFO 13938などが挙げられる。上
記のサッカロスリックス・ムタビリス・サブエスピー・
カプレオラス(Saccharothrix mutabilis subsp. capre
olus)IFO 12847、ストレプトミセス・バーソビ
エンシス(Streptomyces varsoviensis)IFO 130
93、ストレプトミセス・ビリディファシエンス(Stre
ptomyces viridifaciens)IFO 13352、アクチ
ノミセス・ストレプトミシニ(Actinomyces streptomyc
ini)IFO 12918およびアクチノプラネス・ブラ
シリエンシス(Actinoplanesbrasiliensis)IFO 1
3938は財団法人発酵研究所(IFO)発行のリスト
・オブ・カルチャーズ(List of Cultures)第9版、1
992年、に掲載されており、これらは、発酵研究所か
ら入手できる。
【0033】これらの菌の培養に用いられる培地は、該
菌が利用し得る栄養源を含むものなら、液状でも固体状
でもよいが、大量に処理する時は液体培地を用いるのが
より適当である。培地には当該菌が同化し得る炭素源、
窒素源、無機物質、微量栄養源が適宜配合される。炭素
源としては、たとえばグルコース,ラクトース,マルト
ース,デキストリン,スターチ,グリセリン,ソルビト
ール,油脂類(例、大豆油,ラード油,チキン油な
ど),n−パラフィンなどが、窒素源としては、たとえ
ば肉エキス,酵母エキス,大豆粉,コーン・スチープ・
リカー,ペプトン,棉実油,廃糖蜜,尿素,アンモニウ
ム塩類(例、硫酸アンモニウム,塩化アンモニウムな
ど)などが用いられる。さらに、ナトリウム,カリウ
ム,カルシウム,マグネシウムなどを含む塩類、鉄,マ
ンガン,亜鉛,コバルト,ニッケルなどの金属の塩類,
リン酸,ホウ酸などの塩類や酢酸,プロピオン酸,蓚酸
などの有機酸の塩類が適宜用いられる。その他、アミノ
酸(例、グルタミン酸,アスパラギン酸,アラニン,リ
ジン,メチオニン,プロリンなど),ペプチド(例、ジ
ペプチド,トリペプチドなど),ビタミン類(例、ビタ
ミンB1,ビタミンB2,ビタミンB6,ニコチン酸,ビ
タミンB12,ビタミンC など),核酸類(例、プリ
ン,ピリミジン,その誘導体など)等を含有させてもよ
い。
【0034】培地のpHを調節する目的で無機酸(例、
塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸など),有機酸
(例、酢酸、蓚酸、クエン酸、酒石酸など),アルカリ
類(例、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナト
リウムなど)または緩衝液(例、リン酸二水素ナトリウ
ム,リン酸水素二ナトリウムなど)などを加え、あるい
は消泡の目的で、油脂類(例、大豆油,ラード油,チキ
ン油など),界面活性剤などの適量を添加しても差し支
えない。液体培養に際しては、培地のpHは中性付近が
好ましい。そのうち、特にpH約5〜約8が好ましい。
培養温度は約20℃〜約37℃が好ましい。培養時間は
約6時間〜約96時間が好ましい。そのうち、特に約1
2時間〜約72時間が好ましい。該微生物の酸化酵素に
より、ルグロバシンのメチルアミノ基がアミノ基に変換
される。
【0035】酸化酵素は、酵素自体あるいは酵素液とし
て使用する。酵素液としては、前述の培養液をそのま
ま、あるいは培養液を遠心分離後、上清液にアセトンな
どを加えて、粉末化した粗酵素を含有する液として使用
してもよい。本発明は、培養液を使用するのが好まし
い。また、酵素液中に、例えばニコチンアミドアデニン
ジヌクレオチド(NAD+),そのリン酸エステル(N
ADP+)およびこれらの還元体(NADHおよびNA
DPH)などの補酵素、例えばD−グルコース−6−リ
ン酸デヒドロゲナーゼ,グリセロール−3−リン酸デヒ
ドロゲナーゼなどの脱水素酵素、あるいは例えば塩化マ
グネシウムなどのハロゲン化アルカリ土類金属などの無
機塩などを加えてもよい。酵素液にルグロバシンを加え
反応させる際の原料濃度は、約50μg/mlから約2mg
/mlが好ましい。そのうち約100μg/mlから約1mg
/mlがさらに好ましい。反応温度は約18℃ないし約4
2℃が好ましい。そのうち約24℃ないし約37℃がさ
らに好ましい。反応時間は約1分ないし約50時間が好
ましい。そのうち約5分ないし約30時間がさらに好ま
しい。
【0036】反応液からルグロバミンまたはその塩を採
取する方法を以下に述べる。ルグロバミンは塩基性で脂
溶性を示すため、この性質を利用する一般的手段を用い
ればよい。例えば、1)酵素反応液に濾過補助剤等を加
えて濾過あるいは遠心分離に付し、固形物を除去する。
得られた濾液または上清液をpH約5ないし約11、好
ましくはpH約6ないし約10に調整後、水と混和しな
い有機溶媒(例えば、クロロホルム,酢酸エチル,メチ
ルイソブチルケトンまたはイソブタノールなど)を加
え、ルグロバミンを抽出する。該抽出液を無機物質を含
む水(例えば、重曹水,炭酸ナトリウム水溶液など)あ
るいは水で洗浄後、有機溶媒層を濃縮すると該化合物を
含有する粗物質が得られる方法、あるいは、2)酵素反
応液あるいは、上述のように濾過を行った濾液から、担
体を用いてルグロバミンの粗物質を採取する方法などを
用いる。酵素反応液中のルグロバミンを吸着させた担体
からルグロバミンを溶出するには、適当な有機溶媒
(例、アセトン,アセトニトリルあるいはメタノールな
ど)と水または適当量の酸(例えば、塩酸,硫酸など)
を含む水との混合溶媒が用いられる。溶出画分は有機溶
媒を除去後、前述の溶媒抽出法で処理し、目的物を抽出
する。抽出液を濃縮すると粗物質が得られる。担体とし
ては慣用の無機あるいは有機の担体、例えばクロマト用
活性炭(武田薬品工業社製)、シリカゲル[例、キーゼ
ルゲル60(エー・メルク社製、ドイツ)等]、微結晶
セルロース[例、アビセル(旭化成社製)、フナセル
(フナコシ株式会社製)等]、吸着性樹脂[例、ダイヤ
イオンHP−20またはSP−207(三菱化成社
製)、アンバーライトXAD−I または II(ローム・
アンド・ハース社製、米国)等]、分子ふるい性樹脂
[例、セファッデックスLH−20(ファルマシア社
製、スウエーデン)等]などが用いられる。そのうち吸
着性樹脂が好ましい。
【0037】この粗物質をさらに精製し、純粋なルグロ
バミンまたはその塩を得るには、種々のクロマトグラフ
ィー法が有利に用いられる。例えば、カラムクロマトグ
ラフィー法を行う場合、担体としては慣用の無機あるい
は有機の担体、例えばクロマト用活性炭、シリカゲル、
微結晶セルロース、吸着性樹脂、陽イオン交換樹脂
[例、アンバーライトIR−120、IRC−50また
はCG−50(ローム・アンド・ハース社製、米国)、
ダウエックス50W(ダウ・ケミカル社製、米国)、ダ
イヤイオンSK1A(三菱化成社製)等]、イオン交換
セファデックス[例、CM−セファッデックス(ファル
マシア社製、スウエーデン)等]、分子ふるい性樹脂な
どが用いられる。これらは通常カラムクロマトグラフィ
ー法で行われる。担体からルグロバミンを溶出するには
担体の種類、性質によって組み合わせが異なるが、例え
ば適当な有機溶媒(例,n−ヘキサン、クロロホルム、
ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトン、メ
タノール、ジエチルアミン、ジプロピルアミン等)の単
独あるいはこれらの混合溶媒が用いられる。さらに、水
と混和し得る有機溶媒(例、メタノール、エタノール、
アセトン、アセトニトリル等)と水、アルカリ(例、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、アンモニア水等)含有水溶液、酸(例、塩酸、酢
酸、ギ酸、リン酸等)含有水溶液、塩類含有水溶液
(例、食塩水、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液等)などとの
適宜の割合の混合溶媒も用いられる。
【0038】粗物質をさらに精製し、純粋な目的物を得
るには分取用高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
を用いてもよい。担体としてはオクタデシルシラン(以
下、ODSと略す)系またはシリカゲル系のものが有利
に用いられる。例えばODSの場合、移動相としてはメ
タノールあるいはアセトニトリルと塩類含有水溶液の混
合溶液が有利に用いられる。目的物を含む溶出液を水と
混和しない適当な有機溶媒で抽出し、抽出液を濃縮、乾
固して純粋な化合物を得る。ルグロバミンは塩基性物質
なので、それ自体公知の方法で、酸と作用して生理学的
に許容される塩を形成することができる。酸としては、
例えば有機酸(例、エチルコハク酸,ラクトビオン酸,
シュウ酸,コハク酸,クエン酸,乳酸,酢酸,メタンス
ルホン酸等)、無機酸(例、硫酸,塩酸,リン酸等)な
どが挙げられる。
【0039】得られたルグロバミンまたはその塩は、酸
化反応、置換反応に順次付すことにより、または置換反
応に付した後、酸化反応、置換反応に順次付すことによ
り化合物〔IIIa〕に変換される。酸化反応はルグロバミ
ンまたはその塩を適当な酸化剤またはハロゲン化剤と反
応させることにより行われる。酸化反応によりルグロバ
ミンのγ-ラクトン環上のメチル基がヒドロキシメチル
基またはハロメチル基に変換される。酸化反応で用いら
れる酸化剤としては、例えばセレン誘導体(例、酸化セ
レンなど)、過酸類(例、過酢酸、過ギ酸、過安息香
酸、m−クロロ過安息香酸など)、クロム酸類(例、無
水クロム酸、クロム酸硫酸、クロム酸酢酸など)、クロ
ム酸塩類(例、クロム酸カリウム、クロム酸ナトリウ
ム、クロム酸ピリジニウム、クロロクロム酸ピリジニウ
ムなど)、重クロム酸塩類(例、重クロム酸カリウム、
重クロム酸ナトリウム、重クロム酸ピリジニウムな
ど)、過マンガン酸塩類(例、過マンガン酸カリウム、
過マンガン酸ナトリウムなど)、過ハロ酸類(例、過ヨ
ウ素酸、過臭素酸、過塩素酸など)、過ハロ酸塩類
(例、過ヨウ素酸ナトリウム、過臭素酸カリウム、過塩
素酸ナトリウムなど)、N−ハロイミド類(例、N−ブ
ロモコハク酸イミド、N−クロロコハク酸イミド、N−
ブロモマレイン酸イミド、N−クロロマレイン酸イミド
など)、N−ハロアミド類(例、N−ブロモアセトアミ
ドなど)、過酸エステル類(例、過安息香酸 tert-ブチ
ル、m-クロロ過安息香酸 tert-ブチルなど)、過酸化物
類(例、過酸化水素、tert-ブチルヒドロペルオキシド
など)等が挙げられる。
【0040】ハロゲン化剤としては、例えばハロゲン化
水素(例、塩化水素、ヨウ化水素、臭化水素など)、ハ
ロゲン化リン類(例、三塩化リン、五塩化リン、オキシ
塩化リン、三臭化リン、五臭化リンなど)、有機リン化
合物類(例、トリフェニルフォスフィン-四塩化炭素、
トリフェニルフォスフィン-臭素、トリフェニルフォス
フィン-N-ブロモコハク酸イミド、トリフェニルフォス
ファイト-ヨウ化メチルなど)、塩化チオニル、塩化オ
キザリル、ホスゲン等が挙げられる。本酸化方法におい
ては、ルグロバミン1モルに対して酸化剤またはハロゲ
ン化剤を通常約0.2〜約20モル、好ましくは約1〜
10モル、特に好ましくは約1〜3モル用いる。本反応
は通常溶媒中で行われる。該溶媒としては、本反応に悪
影響を与えない溶媒が用いられる。例えば水、アルコー
ル類(例、メタノール、エタノール、tert-ブタノール
など)、スルホキシド類(例、ジメチルスルホキシドな
ど)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジク
ロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、クロロ
ベンゼンなど)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンな
ど)、ニトリル類(例、アセトニトリルなど)、エステ
ル類(例、酢酸エチル、ギ酸エチル、酢酸 tert-ブチル
など)、アミド類(例、ホルムアミド、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミドなど)、ケトン類(例、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ンなど)、炭化水素類(例、ヘキサン、ベンゼン、トル
エンなど)、芳香族有機塩基類(例、ピリジン、2,4,6-
トリメチルピリジン、ピコリン、2,6-ルチジン、ジアザ
ビシクロウンデセンなど)等、あるいはこれらの適宜の
割合の混合物などが挙げられる。これらのうち水、アミ
ド類(例、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミドなど)、ケトン類(例、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)など
が好ましい。
【0041】反応温度は、反応が進行する限り特に限定
されないが、通常約−50℃ないし約150℃、好まし
くは約−30℃ないし約100℃、特に好ましくは約0
℃ないし約100℃である。反応時間は、反応温度、溶
媒の種類により異なるが、通常約2分から約48時間、
好ましくは約5分から約10時間である。原料の反応に
関与すべきでない官能基の保護および保護基、ならびに
その保護基の脱離などもまた自体公知のものあるいは自
体公知の手段から適宜選択しうる。
【0042】置換反応としては、ルグロバミンのアミノ
基、イミノ基の置換反応(以下、N−置換反応と略称す
る)、及びルグロバミンのγ−ラクトン環上のメチル基
が酸化反応に付されることによって生ずるヒドロキシメ
チル基、ハロメチル基等の置換反応(以下、C−置換反
応と略称する)等が挙げられる。N−置換反応は、原料
と脱離基を有する化合物等とを、塩基存在下反応させる
ことにより行われる。
【0043】脱離基を有する化合物としては、好ましく
はハロゲン化物、例えばヨウ化物(例、ヨウ化メチル、
ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化イソプロピル、
ヨウ化ブチル、ヨウ化イソブチル、ヨウ化ペンチル、ヨ
ウ化ヘキシル、ヨード酢酸、ヨードアセトアミド、ヨー
ドアセトニトリル、ヨード酢酸メチル、ヨード酢酸 ter
t-ブチル、ヨード酢酸ナトリウム、2−ヨード−1,
1,1−トリフルオロエタンなど)、臭化物(例、臭化
エチル、臭化プロピル、臭化イソプロピル、臭化ブチ
ル、臭化イソブチル、臭化 tert-ブチル、臭化ペンチ
ル、臭化ヘキシル、臭化アリル、臭化ベンジル、臭化
2,2−ジエトキシエチル、臭化テトラヒドロフルフリ
ル、臭化シクロプロピルメチル、エピブロモヒドリン、
臭化トリフェニルメチルなど)、塩化物(例、塩化メト
キシメチル、塩化メトキシエトキシメチル、塩化メチル
チオメチル、塩化テトラヒドロピラニルなど)、フッ化
物(例、2、4-ジニトロフルオロベンゼンなど)など、ス
ルホン酸エステル類、例えばp-トルエンスルホン酸エ
ステル類(例、p-トルエンスルホン酸メチル、p-トル
エンスルホン酸エチルなど)、メタンスルホン酸エステ
ル類(例、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸
ブチルなど)、ベンゼンスルホン酸エステル類(例、ベ
ンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸ブチルな
ど)、トリフルオロメタンスルホン酸エステル類(例、
トリフルオロメタンスルホン酸エチルなど)など、硫酸
エステル類(例、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸など)、
エポキシド類(酸化プロピレン、グリシドールなど)な
どが挙げられる。これらのうちヨウ化物、臭化物、塩化
物、スルホン酸エステル類などは対応するアルコール類
から上記ハロゲン化反応またはスルホン酸エステル化反
応などの方法により得られる。
【0044】塩基としては、好ましくは水素化アルカリ
金属(例、水素化ナトリウム、水素化カリウムなど)、
水素化アルカリ土類金属類(例、水素化カルシウムな
ど)、アルカリ金属類のアルコキシド類(例、ナトリウ
ムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム tert-
ブトキシドなど)、無機塩基類(例、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウムなど)、芳香族塩基類(例、ピリジン、2,4,6-トリ
メチルピリジン、ピコリン、4-ジメチルアミノピリジ
ン、2,6-ルチジン、ジアザビシクロウンデセンなど)お
よび3級アミン類(例、トリエチルアミン、ジメチルア
ニリンなどの)等の有機塩基類、アルカリ金属類(例、
ナトリウム、カリウムなど)、金属水素化物(例、水素
化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、水素
化ジイソブチルアルミニウムなど)、アルキルリチウム
類(例、メチルリチウム、ブチルリチウム類など)、ア
ルカリ金属アミド類(例、リチウムジイソプロピルアミ
ド、リチウムビストリメチルシリルアミド、ナトリウム
ビストリメチルシリルアミドなど)などが挙げられる。
そのうち、水素化アルカリ金属、アルカリ金属類のアル
コキシド類、アルカリ金属類、アルキルリチウム類、ア
ルカリ金属アミド類等がさらに好ましい。これらのうち
液体のものは溶媒として用いてもよい。
【0045】本反応においては、原料化合物1モルに対
して脱離基を有する化合物を通常約1〜約40モル、好
ましくは約1〜約10モル用いる。本N−置換反応にお
いては、原料化合物1モルに対して塩基を通常約1〜約
50モル、好ましくは約1〜10モル用いる。本反応
は、通常溶媒中で実施され、溶媒は本反応に悪影響を与
えない溶媒が用いられる。例えば上記ハロゲン化反応で
用いられるのと同様な溶媒が用いられる。反応温度は、
反応が進行する限り特に限定されないが、通常約−70
℃ないし約150℃、好ましくは約0℃ないし約80
℃、特に好ましくは約0℃ないし約60℃である。反応
時間は、反応温度、塩基および溶媒の種類等により異な
るが、通常約2分から約96時間、好ましくは約2分か
ら約48時間、特に好ましくは約10分から約24時間
である。原料の反応に関与すべきでない官能基の保護お
よび保護基、ならびにその保護基の脱離などもまた自体
公知のものあるいは自体公知の手段から適宜選択しう
る。
【0046】C−置換反応は、上記酸化反応で生成した
ヒドロキシメチル基、ハロメチル基等をアルキルアニオ
ンあるいはその等価体と反応させることにより行われ
る。本反応において、酸化反応で生成したヒドロキシメ
チル基の水酸基は、ハロゲン化反応またはスルホン酸エ
ステル化反応等に付すことにより対応する脱離基、例え
ばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
ど)、スルホン酸エステル類(例、トルエンスルホン酸
エステル、ベンゼンスルホン酸エステルなど)などに変
換し、C−置換反応に付される。
【0047】ハロゲン化反応は上記酸化反応で得られた
ヒドロキシルグロバミンを上記ハロゲン化剤と反応させ
ることにより行われる。本反応によりヒドロキシルグロ
バミンは、対応するハロルグロバミンに変換される。本
反応においては、ヒドロキシルグロバミン1モルに対し
てハロゲン化剤を通常約1から約50モル、好ましくは
約1から約10モル用いる。本反応は通常溶媒中で行わ
れる。溶媒は、本反応に悪影響を与えない溶媒が用いら
れる。例えば、上記酸化反応に用いられる溶媒などが挙
げられる。好ましくはハロゲン化炭化水素類(例、クロ
ロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロ
エタンなど)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン,ジオキサン、ジメトキシエタンな
ど)、ニトリル類(例、アセトニトリルなど)、エステ
ル類(例、酢酸エチル、酢酸 tert-ブチルなど)、アミ
ド類(例、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミドなど)、ケトン類(例、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、炭
化水素類(例、ヘキサン、トルエンなど)、芳香族有機
塩基類(例、ピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン、ジ
アザビシクロウンデセンなど)等、あるいはこれらの適
宜の割合の混合溶媒が用いられる。反応温度は、反応が
進行する限り特に限定されないが、通常約−20℃ない
し約200℃、好ましくは約0℃ないし約100℃であ
る。反応時間は、反応温度、溶媒の種類により異なる
が、通常約2分から約48時間、好ましくは約10分か
ら約6時間である。原料の反応に関与すべきでない官能
基の保護および保護基、ならびにその保護基の脱離など
もまた自体公知のものあるいは自体公知の手段から適宜
選択しうる。
【0048】スルホン酸エステル化反応は上記酸化反応
で得られたヒドロキシルグロバミンとハロゲン化スルホ
ニル(例、塩化メタンスルホニル、塩化ベンゼンスルニ
ル、塩化p-トルエンスルホニル、塩化トリフルオロメ
タンスルホニルなど)、スルホン酸無水物(例、メタン
スルホン酸無水物、ベンゼンスルホン酸無水物、p-ト
ルエンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン
酸無水物など)等とを適当な塩基存在下反応させること
により行われる。本反応によりヒドロキシルグロバミン
は、対応するスルホニルオキシルグロバミンへ転換され
る。スルホン酸エステル化反応で生成したスルホニルオ
キシ基は、自体公知の方法により適当な無機ハロゲン化
物(例、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナト
リウム、臭化カリウムなど)と反応させることによりハ
ロゲン基へ変換することが好ましい。
【0049】本反応においては、ヒドロキシルグロバミ
ン1モルに対してハロゲン化スルホニルまたはスルホン
酸無水物を通常約1から約50モル、好ましくは約1か
ら約10モル用いる。本反応は通常溶媒中で行われる。
溶媒は、本反応に悪影響を与えない溶媒が用いられる。
例えば、上記ハロゲン化反応で定義した溶媒のうち水を
除いた溶媒などが用いられる。これらは無水溶媒である
ことが特に好ましい。反応温度及び反応時間は、上記ハ
ロゲン化反応で定義したと同等である。原料の反応に関
与すべきでない官能基の保護および保護基、ならびにそ
の保護基の脱離などもまた自体公知のものあるいは自体
公知の手段から適宜選択しうる。塩基としては、無機塩
基類(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)、有機
塩基類、例えばピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン、
ピコリン、4-ジメチルアミノピリジン、2,6-ルチジン、
ジアザビシクロウンデセンなどの芳香族塩基類、トリエ
チルアミン、ジメチルアニリンなどの3級アミン類な
ど、アルカリ金属類(例、ナトリウム、カリウムな
ど)、アルキルリチウム類(例、メチルリチウム、ブチ
ルリチウム類など)、アルカリ金属アミド類(例、リチ
ウムジイソプロピルアミド、リチウムビストリメチルシ
リルアミド、ナトリウムビストリメチルシリルアミドな
ど)、液体アンモニアなどが挙げられる。これらのうち
液体のものは溶媒としても用いられる。塩基はヒドロキ
シルグロバミン1モルに対して通常約1から約50モ
ル、好ましくは約1から約10モルが用いられる。
【0050】C−置換反応において用いられるアルキル
アニオンとしては、アルキルリチウム類(例、メチルリ
チウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−
ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムなど)、アルキ
ルマグネシウムハライド類(例、メチルマグネシウムブ
ロミド、エチルマグネシウムブロミド、n−ブチルマグ
ネシウムブロミド、n−ペンチルマグネシウムブロミド
など)、アルキルアルミニウム(例、トリメチルアルミ
ニウムなど)等が用いられる。本反応においては、原料
化合物1モルに対してアルキルアニオンなどを通常約1
〜約20モル、好ましくは約1から約10モル用いる。
本反応は通常溶媒中で行われる。溶媒は本反応に悪影響
を与えない溶媒が用いられる。例えばエーテル類(例、
テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、
ジメトキシエタンなど)、アミド類(例、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、炭化水素類
(例、ヘキサン、トルエン、キシレン、ベンゼンな
ど)、芳香族有機塩基類(例、ピリジン、2,4,6-トリメ
チルピリジン、ジアザビシクロウンデセンなど)等、あ
るいはこれらの適宜の割合の混合物などが挙げられる。
中でもテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメト
キシエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミドなどが好ましい。本反応は適当な無機塩(例、ヨウ
化リチウム、臭化リチウム、塩化リチウムなど)等の存
在下に行ってもよい。無機塩は原料化合物1モルに対し
て、通常約0.1〜約50モル、好ましくは約1から約
10モル用いる。反応温度は、反応が進行する限り特に
限定されないが、通常約−100℃ないし約150℃、
好ましくは約−100℃ないし約100℃、特に好まし
くは約−70℃ないし約80℃で行われる。反応時間
は、反応温度、溶媒の種類により異なるが、通常約2分
から約48時間、好ましくは約10分から約6時間反応
させる。原料の反応に関与すべきでない官能基の保護お
よび保護基、ならびにその保護基の脱離などもまた自体
公知のものあるいは自体公知の手段から適宜選択しう
る。
【0051】本発明において化合物〔I〕、〔II〕及び
それらの塩は、一般式〔III〕で表されるルグロバシ
ン、その誘導体もしくはその塩を分子内アミド化反応に
付すことによりγ−ラクトン環をδ−ラクタム環に変換
し(工程1)、ついでアミド基の還元反応に付し(工程
2)、必要に応じて水酸基転位反応または/及びエーテ
ル化反応に付す(工程3)ことにより製造される。
【化14】 上記一般式〔Ia〕中のR15、R16、R17及び一般式〔I
b〕中のR18、R19、R20はそれぞれ一般式〔II〕中の
4、R5、R6と同意義である。
【0052】工程1 工程1は一般式〔III〕で表されるルグロバシンその誘
導体、もしくはその塩の γ−ラクトン環を δ−ラクタ
ム環に変換し化合物〔Ia〕又はその塩を製造する工程で
ある。本反応は化合物〔III〕またはその塩と塩基を接
触させることにより行われる。用いられる塩基として
は、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、カリウム tert−ブトキシドなどのアルカリ金属ア
ルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
アルカリ金属水酸化物、水素化ナトリウムなどの水素化
アルカリ金属が挙げられる。塩基は化合物〔III〕又は
その塩に対して約1から約50当量、好ましくは約3か
ら約20当量を用いる。本反応は通常は反応に悪影響を
与えない溶媒中で行われる。このような溶媒としては、
アルコール類、例えばメタノール、エタノール、sec-ブ
タノールなど、エーテル類、例えばテトラヒドロフラ
ン、エチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタンな
ど、ハロゲン化炭化水素類、例えばジクロロメタン、ク
ロロホルムなど、アミド類、例えばジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミドなど、スルホキシド類、例え
ばジメチルスルホキシドなど、ニトリル類、例えばアセ
トニトリルなど、炭化水素類、例えばヘキサン、ベンゼ
ン、トルエンなど、アミン類、例えば液体アンモニア、
メチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチ
ルアミンなど、芳香族塩基類、例えばピリジン、2,4,6-
トリメチルピリジン、ピコリン、2,6-ルチジン、ジアザ
ビシクロウンデセンなど、あるいはこれらの適宜の混合
溶媒が用いられる。中でもメタノール、エタノール、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジオキサ
ン、ジメトキシエタン、アセトニトリルなどが好まし
い。これらは無水溶媒であることが好ましい。反応温度
は約−70℃から約150℃、好ましくは約0℃から約
100℃である。反応時間は約10分から約24時間、
好ましくは約1時間から約20時間である。
【0053】工程2 工程2は一般式〔Ia〕で表される化合物〔Ia〕のアミド
基を還元反応に付し、一般式〔Ib〕で表される化合物
〔Ib〕又はその塩を製造する工程である。本還元反応
は、金属水素化物、例えば水素化リチウムアルミニウ
ム、水素化ホウ素リチウム、シアノ水素化ホウ素ナトリ
ウム、ジボランなどの還元剤で還元することにより行わ
れる。本反応は通常、反応に悪影響を与えない溶媒中で
行われ、溶媒としては、エ−テル類、例えばテトラヒド
ロフラン、エチルエ−テル、ジオキサン、ジメトキシエ
タンなど、芳香族塩基類、例えばピリジン、2,4,6
−トリメチルピリジン、ピコリンなど、炭化水素類、例
えばヘキサン、ベンゼン、トルエンなどが用いられる。
金属水素化物は化合物〔Ia〕またはその塩に対し約1か
ら約20当量、好ましくは約1から約5当量を用いる。
反応温度は約−70℃から約150℃、好ましくは約0
℃から約100℃である。反応時間は約5分から約30
時間、好ましくは約1時間から約20時間である。
【0054】
【化15】 上記一般式〔Ic〕中のR21、R22,R23はそれぞれ一般
式〔II]中のR4、R5、R6と同意義である。また、上記一
般式〔Ic〕中のX1は水素原子または炭化水素基を示
し、炭化水素基としては一般式〔I〕で定義したものと
同様なものが挙げられる。
【0055】工程3 化合物〔Ib〕の水酸基の転位反応である。本反応は原料
の化合物〔Ib〕またはその塩を適当な酸と接触させるこ
とにより行われる。用いられる酸の好ましい例として
は、ハロ酢酸(例えばトリフルオロ酢酸など)、無機酸
(例えば塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸な
ど)、有機カルボン酸(例えば酢酸、クエン酸、酒石
酸、シュウ酸など)、ルイス酸(例えば亜鉛−酢酸、三
フッ化ホウ素エーテル錯体など)、有機スルホン酸(例
えばベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カ
ンファースルホン酸など)などが用いられ、中でも塩化
水素酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、p−トルエ
ンスルホン酸、カンファースルホン酸などが特に好まし
い。本反応は通常、反応に悪影響を与えない溶媒中で行
われる。このような溶媒としては、水または適当な塩類
(例えば食塩、塩化アンモニウム、リン酸二水素ナトリ
ウムなど)の水溶液、アルコール類(例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2-
プロペノール、tert−ブタノール、ヘキサノール、ベン
ジルアルコールなど)、エーテル類(例えばテトラヒド
ロフラン、エチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエ
タンなど)、ニトリル類(例えばアセトニトリルな
ど)、エステル類(例えばギ酸エチル、酢酸エチル、酢
酸 tert−ブチルなど)、ハロゲン化炭化水素類(例え
ばジクロロメタン、クロロホルムなど)、スルホキシド
類(例えばジメチルスルホキシドなど)、アミド類(例
えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドな
ど)など、あるいはこれらの適宜の混合溶媒が用いられ
る。アルコール類を含む溶媒を用いた場合、水酸基の転
位反応後、エーテル化反応がおき対応するアルコキシ体
が得られる。酸は原料化合物に対し約1から約20当
量、好ましくは約1から約5当量を用い、反応温度は約
−20℃から約150℃、好ましくは約0℃から約50
℃である。反応時間は約10分から約7日間、好ましく
は約20分間から約2日間である。化合物〔I〕、〔I
I〕及びそれらの塩は、また一般式〔IV〕で表される化
合物〔IV〕もしくはその塩を、上記と同様のN−置換反
応に付す(工程4)ことにより製造される。一般式〔I
V〕において、R10、Xで表される炭化水素基、R11
表される低級アルキル基及び環A及び環B上の置換基と
しては一般式〔I〕で定義したものと同様なものが挙げ
られる。
【0056】化合物〔IV〕において、Xが水素原子、R
10,R11 がそれぞれメチル基である化合物を除いた化
合物〔以下化合物〔IVa〕と略称する〕またはその塩
は、セトクラビンから自体公知の方法、例えば、前記化
合物〔IIIa〕またはその塩の製造法と同様の方法で製造
される。
【0057】
【化16】 工程4 一般式〔IV〕で表される化合物あるいはそれらの塩を、
塩基存在下、脱離基を有する化合物と反応させる。塩基
としては、前記N-置換反応に用いられる塩基などが挙
げられる。中でも前記水素化アルカリ金属、アルカリ金
属のアルコキシド類、アルカリ金属類、アルキルリチウ
ム類、アルカリ金属アミド類等が好ましい。これらのう
ち液体のものは溶媒としても用いてもよい。
【0058】脱離基を有する化合物としては、前記N-
置換反応に用いられる脱離基を有する化合物などが挙げ
られる。中でも、上記ヨウ化物、臭化物、塩化物、スル
ホン酸エステル類(例、p-トルエンスルホン酸エステ
ル類、メタンスルホン酸エステル類、ベンゼンスルホン
酸エステル類およびトリフルオロメタンスルホン酸エス
テル類など)、硫酸エステル類およびエポキシド類等が
好ましい。
【0059】本反応は通常溶媒中で実施され、溶媒は本
反応に悪影響を与えない溶媒が用いられる。例えば前記
N-置換反応で用いられる溶媒などが挙げられる。これ
らの中で、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、テトラヒドロフラン、エチルエ−テル、ジオキサ
ン、ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシド、tert-
ブタノール、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、ピ
リジン、液体アンモニア、メチルアミン等が好ましい。
これらの溶媒は単独または2種類以上を適宜の割合に混
合して用いられる。これらは無水溶媒であることが特に
好ましい。塩基は、化合物〔IV〕に対し約1から約50
当量、好ましくは約1から約10当量、特に好ましくは
約1から約5当量である。脱離基を有する化合物は、化
合物〔IV〕に対し約1から約40当量、好ましくは約1
から約10当量、特に好ましくは約1から約8当量であ
る。反応温度は−70℃から約150℃、好ましくは0
℃から80℃である。反応時間は約2分間から約48時
間、好ましくは約10分間から約6時間、特に好ましく
は約10分間から約4時間である。
【0060】工程4において、原料となる化合物の代表
的なものにセトクラビンがある。セトクラビンは、ホフ
マンらの方法により(前出文献)アグロクラビンから調
製される。アグロクラビンは、阿部らによりクラビセプ
ス・パプレア(Clavices purpurea)により生産される
ことが報告されている〔武田研究所報(Annual Rep. Ta
keda Res. Lab.)、第10巻、145頁、1951
年〕。アグロクラビンは、これらの菌株に限らず、遺伝
子操作を含め、自体公知の方法によりそれらから誘導さ
れるアグロクラビンの生産能を有する変異株をはじめ、
当該生産能を有する微生物を培地中で培養し、アグロク
ラビンを培地中に生成蓄積せしめ、それを採取すること
により製造できる。
【0061】化合物〔I〕、〔II〕及びそれらの塩は、
また一般式〔V〕で表される化合物〔V〕あるいはそれら
の塩を、上記と同様に酸化反応に付す(工程5)ことに
より製造される。一般式〔V〕においてR12、R13で表
される炭化水素基、R14で表される低級アルキル基とし
ては一般式〔I〕で定義したものと同様なものが挙げら
れる。化合物〔V〕において、R12が置換基を有してい
てもよい炭化水素基である化合物またはその塩は、アグ
ロクラビンから自体公知の方法、例えば前記工程4と同
様の方法により製造できる。また化合物〔V〕におい
て、R13が置換基を有していてもよい炭化水素基である
化合物またはその塩は、N-デメチルアグロクラビンか
ら自体公知の方法、例えば前記工程4と同様の方法によ
り製造できる。N-デメチルアグロクラビンは、大和谷
らにより麦角菌の生産物として報告[武田研究所報(An
nual Rep. Takeda Res. Lab.)、第21巻、88〜94
頁、1962年]されている。またN-デメチルアグロ
クラビンは、アグロクラビンから化学変換によって得ら
れることがE.アイヒ(E. Eich)らにより報告〔アルヒ
ーフ・デル・ファーマジー(ヴァインハイム)(Archiv d
er Pharmazie (Weinheim))、第319巻、214 〜 218 頁
(1985 年)〕されている。さらに化合物〔V〕におい
て、R14が炭素数2以上の低級アルキル基である化合物
またはその塩は、エリモクラビンから自体公知の方法、
例えば、前記化合物〔IIIa〕またはその塩の製造法と同
様の方法で製造される。エリモクラビン(elymoclavin
e)は阿部らにより、クラビセプス・パプレア(Clavicep
s purpurea)によって生産されることが報告〔日本農芸
化学会誌(Journal of AgriculturalChemical Society
of Japan)、第25巻、458頁、1952年〕されて
いる。
【0062】
【化17】 工程5 一般式〔V〕で表される化合物あるいはそれらの塩を、
適当な酸化剤と反応させる。酸化剤としては前記酸化剤
などが挙げられる。中でも、前記セレン誘導体、過酸
類、クロム酸類、クロム酸塩類、重クロム酸塩類、過マ
ンガン酸塩類、過ハロ酸類、過ハロ酸塩類、過酸エステ
ル類、過酸化物類等が好ましい。
【0063】本酸化方法においては、原料化合物1モル
に対して酸化剤を通常約1〜約10モル、好ましくは約
1〜約3モル用いる。本反応は通常溶媒中で行われる。
溶媒は本反応に悪影響を与えない溶媒が用いられる。例
えば前記酸化反応に用いられる溶媒などが挙げられる。
中でも、水、ギ酸、酢酸、ケトン類、アミド類、ハロゲ
ン化炭化水素類、ニトリル類、芳香族有機塩基類等が好
ましい。本反応は適当な無機酸(例、硫酸、リン酸な
ど)の存在下に行ってもよい。反応温度は、反応が進行
する限り特に限定されないが、約−20℃から約150
℃、好ましくは約0℃から約100℃である。反応時間
は、反応温度、溶媒等の種類により異なるが、約1分間
から約48時間、好ましくは約5分間から約6時間であ
る。原料の反応に関与すべきでない官能基の保護および
保護基、ならびにその保護基の脱離などもまた自体公知
のものあるいは自体公知の手段から適宜選択しうる。
【0064】化合物〔I〕またはその塩は、また一般式
【化18】 〔式中、R24及びYは水素原子または置換基を有してい
てもよい炭化水素基を、R25は低級アルキル基をそれぞ
れ示す〕で表される化合物〔VI〕またはその塩を、N−
置換反応に付す(工程6)ことにより製造される。一般
式〔VI〕においてR24及びYはそれぞれ一般式〔I〕の
1と、R25は一般式〔I〕のR3と同意義である。N−
置換反応は、原料と脱離基を有する化合物を、塩基存在
下反応させることにより行われる。
【化19】 工程6 一般式〔VI〕で表される化合物あるいはその塩を、工程
4に示した方法に従って塩基存在下、脱離基を有する化
合物と反応させる。工程6において、原料となる化合物
として代表的なものにN-デメチルセトクラビン(6-ノ
ルセトクラビン)がある。N-デメチルセトクラビンは
E.ラムシュタット(E. Ramstad)らにより麦角菌の生
産物として報告[ロイディア(Lloydia)第30巻、441
〜444 頁(1967 年)]されているほか、N-デメチルア
グロクラビンの微生物酸化によって得られることがE.
アイヒ(E. Eich)らにより報告〔プランタ・メディカ
(Planta Medica)、282 〜 283 頁(1985 年)〕され
ている。工程6において原料である一般式〔VI〕で表さ
れる化合物は、また一般式〔V〕で表される化合物(た
だし、R13が水素原子である化合物)を原料とし、工程
5と同様な方法により製造される。
【0065】上記の工程によって、目的物が遊離の状態
で得られる場合には、常法にしたがって塩に変換しても
よく、また目的物が塩として得られる場合には、常法に
従って遊離体または他の塩に変換することもできる。か
くして得られる化合物またはそれらの塩は公知の手段例
えば、転溶、濃縮、溶媒抽出、分留、結晶化、再結晶、
クロマトグラフィー等によって反応溶液から単離精製す
ることができる。本発明の化合物〔I〕は、少なくとも
5位と8位か、もしくは5位と10位に2つの不斉炭素
を持つため4種以上の異性体が存在し得るが、それらの
各異性体、およびそれらの混合物も本発明に含まれる。
またその置換基に不斉炭素を有する場合も同様に立体異
性体を生ずるが、それらの各異性体、およびそれらの混
合物も本発明に含まれる。
【0066】
【実施例】以下に参考例、実施例、実験例および製剤例
を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これによ
って本発明が限定されるものではない。特に断りのない
限り、%は容量%を、混合溶媒において混合比を示した
数値は各溶媒の容量混合比を示す。本明細書中で用いる
記号は次の意味を有する。s:シングレット、d:ダブレ
ット、dd:ダブルダブレット、ddd:ダブルダブルダブ
レット、t:トリプレット、dt:ダブルトリプレット、
q:クワルテット、dq:ダブルクワルテット、quint:ク
インテット、dquint:ダブルクインテット、m:マルチ
プレット、dm:ダブルマルチプレット、br:幅広い、
J:結合定数 (Hz)
【0067】参考例1 アグロクラビンの製造 寒天斜面培地(Difco社製、ポテトデキストロース
アガー培地)上に生育したヒポミセス・オーランティウ
ス (Hypomyces aurantius) IFO 7773 株の1白金耳を、
2リットル容坂口フラスコ内の、ブドウ糖2.0%(w/
v)、マルトース3.0%(w/v)、酵母エキス0.3%(w/
v)、生大豆粉1.5%(w/v)、コーン・スティープ・リカ
ー1.0%(w/v)、ポリペプトン0.5%(w/v)、食塩0.
3%(w/v)からなる種培地(500ml、pH7.0に補
正)に接種し、往復振盪機上で、24℃で、54時間培
養し、種培養を得た。得られた種培養液を200リット
ル容ステンレスタンク内のブドウ糖0.5%(w/v)、マン
ニトール5.0%(w/v)、コーン・スティープ・リカー
0.2%(w/v)、コハク酸1.0%(w/v)、硫酸マグネシウ
ム(7水塩)0.03%(w/v)、リン酸一カリウム0.1
%(w/v)を含む主発酵培地(120リットル、pH6.
0)に移植し、通気量120リットル/分、内圧1kg
/m2、撹拌120回転/分、温度28℃で5日間通気
撹拌培養した。次いで得られた培養液(240リット
ル)をpH3.0に補正し、ハイフロースーパーセル
(ジョンス・マンビル社製、米国)を加えて濾過した。
得られた瀘液(205リットル)をpH10.0に補正
し、酢酸エチル(70リットル)で2回抽出した。有機
層(120リットル)を0.05N塩酸(40リット
ル)で2回抽出した。抽出水層をpH4.0に補正し、
減圧下約6リットルまで濃縮した。濃縮液をダイアイオ
ンHP-20(三菱化成社製、20〜50メッシュ、1.
0リットル)のカラムクロマトグラフィ−に付し、水
(4.0リットル)で洗浄後、50%メタノール水(2.
5リットル)および50%メタノール−0.05N塩酸
水(1.0リットル)で溶出した。溶出液を減圧下約0.
6リットルまで濃縮し、pH10.0に補正後、酢酸エ
チル(250ml)で2回抽出した。酢酸エチル層を水
(150ml)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用
いて乾燥し濃縮した後、酢酸エチルから結晶化して、ア
グロクラビンの白色結晶(2.87g)を得た。 元素分析値 C16H18N2 として 計算値:C, 80.63; H, 7.61; N,
11.75 実測値:C, 80.26; H, 7.67; N,
11.86 旋光度: [α]D (27゜C) - 185゜(c 0.477, ピリジン
中)
【0068】参考例2 (5R,8S)−9,10−ジデヒドロ−6,8−ジメチ
ル−8−エルゴリノール〔化合物A((+)−セトクラ
ビン)〕の製造 参考例1で得られたアグロクラビンの粉末(1.51
g)を2N硫酸(3.5ml)を含む50%アセトン水
(60ml)に溶解し、70℃で撹拌した。これに70
℃に加熱した重クロム酸カリウム(1.87g)の水溶
液(60ml)を加え、1分後さらに2N硫酸(4.1
ml)を加え、70℃で15分間撹拌した。反応液を0
℃に冷却し、pH2.5に補正後、室温で1時間撹拌
し、ろ紙で瀘過した。瀘液をpH10.0に補正後、ク
ロロホルム一2-プロパノール(4:1、200ml)
で2回抽出した。得られた有機層を2%(w/v)炭酸水素
ナトリウム水溶液(200ml)で洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(1.13g)
を得た。これにメタノールを加え、析出物をメタノール
で洗浄して、標記化合物Aの粉末(724mg、純度9
1%)を得た。上記と同様にして得られた化合物Aの粉
末(1.07g、純度91%)をジクロロメタン−エタ
ノール混液(1:19)から結晶化し、析出した結晶を
エタノールで洗浄して標記化合物Aの淡黄色結晶(55
8mg)を得た。 元素分析値 C16H18N2O として 計算値、C, 75.56; H, 7.13; N, 11.01 実測値、C, 75.30; H, 7.19; N, 10.931 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
36 (3H, s), 2.53 (1H,d, J= 11.3 Hz), 2.57 (3H, s),
2.68 (1H, ddd, J= 14.6, 11.4, 1.8 Hz), 2.81 (1H,
dd, J= 11.3, 1.3 Hz), 3.04 (1H, br), 3.07 (1H, dd
d, J= 11.4, 5.7,1.9 Hz), 3.55 (1H, dd, J= 14.6, 5.
7 Hz), 6.41 (1H, brs), 6.92 (1H, t, J= 1.7 Hz), 7.
15~7.25 (3H, m), 7.95 (1H, brs). 旋光度: [α]D (27゜C) + 173゜(c 0.355, ピリジン
中)
【0069】参考例3 N-シアノ-N-デメチルアグロクラビンの製造 参考例1で得られたアグロクラビンの粉末(1.89
g)をジクロロメタン(60ml)に溶解し、臭化シア
ン(2.21g)を加え、25℃で2時間撹拌した。反
応液をヘキサン(60ml)および酢酸エチル(120
ml)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および
飽和食塩水(各100ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末を得た。これにイソ
プロピルエーテルを加え、析出物をイソプロピルエーテ
ルで洗浄して、N-シアノ-N-デメチルアグロクラビン
の粉末(1.51g)を得た。 元素分析値 C16H15N3・0.2 H2O として 計算値、C, 75.98; H, 6.14; N, 16.61 実測値、C, 75.95; H, 6.21; N, 16.761 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
81 (3H, d, J= 0.7 Hz),3.13 (1H, ddd, J= 13.4, 11.
6, 1.6 Hz), 3.24 (1H, ddd, J= 11.6, 8.9, 3.5Hz),
3.38 (1H, dd, J= 13.4, 3.5 Hz), 3.79 (1H, brd, J=
17.1 Hz), 3.83 (1H, brd, J= 8.9 Hz), 3.87 (1H, br
d, J= 17.1 Hz), 6.25 (1H, brs), 6.95 (1H, t, J= 1.
7 Hz), 7.02 (1H, m), 7.21 (2H, m), 8.03 (1H, brs). IR (KBr):3320, 2920, 2850, 2210, 1600, 1450, 135
0, 1230, 1210, 1090, 740 cm-1
【0070】参考例4 N-デメチルアグロクラビンの製造 参考例3で得られたN-シアノ-N-デメチルアグロクラ
ビンの粉末(0.98g)を酢酸(22ml)および水
(2.5ml)に溶解し、亜鉛粉末(4.3g)を加え、
100℃で3時間撹拌した。反応液にさらに亜鉛粉末
(4.3g)を加え、100℃で6時間撹拌した。反応
液を瀘過し、瀘液を濃縮乾固した。残渣に飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液(50ml)を加え、酢酸エチル(6
0ml)で2回抽出した。得られた有機層を飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液および飽和食塩水(各50ml)で
洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗
粉末を得た。これにエチルエーテルを加え、析出物をエ
チルエーテルで洗浄して、N-デメチルアグロクラビン
の粉末(0.64g)を得た。 元素分析値 C15H16N2・0.6 H2O として 計算値、C, 76.63; H, 7.37; N, 11.91 実測値、C, 76.36; H, 7.40; N, 11.911 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
76 (3H, brs), 2.78 (1H, ddd, J= 14.0, 11.1, 1.6 H
z), 2.99 (1H, ddd, J= 11.1, 9.1, 4.0 Hz), 3.08 (1
H, dd, J= 14.0, 4.0 Hz), 3.38 (1H, dm, J= 15.7 H
z), 3.49 (1H, dm, J=15.7 Hz), 3.55 (1H, m), 6.21
(1H, brs), 6.87 (1H, t, J= 1.6 Hz), 7.01 (1H, dq,
J= 1.2, 4.2 Hz), 7.17 (2H, d, J= 4.2 Hz), 8.01 (1
H, brs).
【0071】参考例5 N-デメチル-N-エチルアグロクラビンの製造 参考例4で得られたN-デメチルアグロクラビンの粉末
(296mg)をアセトニトリル(7.4ml)に溶解
し、トリエチルアミン(0.89ml)およびヨウ化エ
チル(0.44ml)を加え、50℃で1時間撹拌し
た。反応液を濃縮乾固し、残渣に酢酸エチル(30m
l)を加え、水および飽和食塩水(各50ml)で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末
を得た。これにエチルエーテルを加え、析出物をエチル
エーテルで洗浄して、N-デメチル-N-エチルアグロク
ラビンの粉末(206mg)を得た。 元素分析値 C17H20N2・0.3 H2O として 計算値、C, 79.21; H, 8.05; N, 10.87 実測値、C, 78.95; H, 7.91; N, 10.711 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
15 (3H, t, J= 7.1 Hz),1.79 (3H, brs), 2.77 (1H, d
q, J= 13.0, 7.1 Hz), 2.83 (1H, ddd, J= 11.6,11.6,
1.6 Hz), 2.88 (1H, m), 3.03 (1H, dq, J= 13.0, 7.1
Hz), 3.06 (1H,dm, J= 15.0 Hz), 3.26 (1H, brd, J= 1
5.0 Hz), 3.32 (1H, d, J= 11.6 Hz), 3.75 (1H, m),
6.18 (1H, brs), 6.88 (1H, t, J= 1.8 Hz), 7.01 (1H,
m), 7.16(2H, d, J= 4.5 Hz), 7.97 (1H, brs).
【0072】参考例6 エリモクラビンの製造 参考例1と同様にして得られた培養液(4150リット
ル)をpH3.0に補正し、ハイフロースーパーセル
(ジョンス・マンビル社製、米国)を加えて濾過した。
得られた瀘液(4240リットル)をpH11に補正
し、酢酸エチル(1400リットル)で抽出した。有機
層(1320リットル)を0.05N塩酸(400リッ
トル)で抽出した。抽出水層をpH4.0に補正し、減
圧下約150リットルまで濃縮した。濃縮液をダイアイ
オンHP-20(三菱化成社製、20〜50メッシュ、
20リットル)のカラムクロマトグラフィ−に付し、水
(80リットル)で溶出される画分を減圧下約4.5リ
ットルまで濃縮した。濃縮液をダイアイオンHP-20
(50〜100メッシュ、1.0リットル)のカラムク
ロマトグラフィ−に付し、水(3.0リットル)で洗浄
後、10%メタノール水(3.0リットル)で溶出し
た。溶出液をpH10.0に補正後、酢酸エチル(1.0
リットル)で2回抽出した。酢酸エチル層を水(0.5
リットル)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて
乾燥し濃縮した後、酢酸エチルを加え、析出物を除去し
た。酢酸エチル可溶部分を濃縮乾固して、粉末(4.4
g)を得た。これを4回に分けて逆相系分取HPLC
(担体:ODS、YMC-pack S-363 I-15、移動相:14
%アセトニトリル/0.05%トリフルオロ酢酸水)に
より精製し、それぞれ溶出量400〜480mlの画分
を全て集めて約200mlにまで濃縮した。濃縮液をp
H10に補正後、酢酸エチル(100ml)で3回抽出
した。得られた有機層を水(各100ml)で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固、さらに酢酸エ
チルから結晶化して、エリモクラビンの白色結晶(50
4mg)を得た。 元素分析値 C16H18N2O・0.2 H2O として 計算値、C, 74.51; H, 7.19; N, 10.86 実測値、C, 74.53; H, 7.19; N, 10.821 H NMR(δppm、重クロロホルムー重メタノール
(3:1)中、300 MHz):2.53 (3H, s), 2.63 (1H, d
dd, J= 11.5, 9.4, 3.8 Hz), 2.81 (1H, ddd, J=14.1,
11.7, 1.4 Hz), 3.03 (1H, brdt, J= 16.3, 3.0 Hz),
3.36 (1H, dd, J=14.1, 4.0 Hz), 3.45 (1H, brd, J= 1
6.3 Hz), 3.80 (1H, brd, J= 8.8 Hz), 4.08 (1H, brd,
J= 12.9 Hz), 4.13 (1H, brd, J= 12.9 Hz), 6.46 (1
H, brs), 6.92 (1H, brs), 6.97 (1H, d, J= 6.9 Hz),
7.13 (1H, dd, J= 8.1, 6.9 Hz), 7.19 (1H, d, J= 8.1
Hz).
【0073】実施例1 (5R,10S)及び(5S,10R)−8,9−ジデ
ヒドロ−6,8−ジメチル−7−オキソ−10−エルゴ
リノール(化合物1)の製造
【化20】 ルグロバシン(A、B混合物、純度80%、20g)を
メタノール(300ml)に溶解し、これに28%(w
/w)ナトリウムメトキシドーメタノール溶液(200
ml)を加えて、80分間加熱還流した。反応液を0℃
にまで冷却し、酢酸(59ml)を30分で滴下後、酢
酸エチル(500ml)を加えた。析出物をろ取し、酢
酸エチル(300ml)、水(250ml)で2回、5
0%アセトン水(200ml)およびエチルエーテル
(100ml)で洗浄して標記化合物1の粉末(4.6
2g)を得た。瀘液および酢酸エチル洗浄液(合わせて
約1.3リットル)を約300mlにまで濃縮し、トル
エン(250ml)を加えた。析出物をろ取し、酢酸エ
チル(250ml)および水(150ml)で2回、5
0%アセトン水(100ml)およびエチルエーテル
(100ml)で洗浄して、標記化合物1の粉末(4.
29g)を得た。 元素分析値 C16H16N2O2 として 計算値:C, 71.62; H, 6.01; N, 10.44 実測値:C, 71.19; H, 5.89; N, 10.271 H NMR(δppm、重ジメチルスルホキシド中、300 M
Hz):1.89 (3H, d, J=1.2 Hz), 3.06 (3H, s), 3.07
(1H, dd, J= 14, 12.4 Hz), 3.30 (1H, dd, J= 14, 4.5
Hz), 3.72 (1H, dd, J= 12.4, 4.5 Hz), 5.30 (1H,
s), 7.10 (1H, t, J=7.6 Hz), 7.13 (1H, brs), 7.22
(1H, d, J= 7.1 Hz), 7.26 (1H, brs), 7.28(1H, d, J=
8.1 Hz), 10.83 (1H, brs)。
【0074】実施例2 (5R,10R)及び(5S,10S)−8,9−ジデ
ヒドロ−6,8−ジメチル−7−オキソ−10−エルゴ
リノール(化合物2)の製造
【化21】 ルグロバシン(A、B混合物、純度80%、25g)を
メタノール(450ml)に溶解し、これに28%(w
/w)ナトリウムメトキシドーメタノール溶液(44m
l)を加えて、9時間加熱還流した。反応液を0℃にま
で冷却し後、酢酸(12.8ml)を滴下した。この混
合物を約100mlまで濃縮し、濃縮液に酢酸エチル
(300ml)を加えた。析出物をろ取し、酢酸エチル
(100ml、2回)、水(80ml、2回)、50%
アセトン水(150ml)およびエチルエーテル(15
0ml)で洗浄して化合物1の粉末(8.10g)を得
た。瀘液および酢酸エチル、50%アセトン水、エチル
エーテル洗浄液を合わせて約300mlにまで濃縮し、
トルエン(300ml)を加えた。析出物をろ取し、ト
ルエン−ヘキサン混合液(3:1、300ml)および
エチルエーテル(100ml)で洗浄して粉末(化合物
1:化合物2=2 : 5 混合物、14.7g、純度50
%)を得た。瀘液およびトルエン−ヘキサン洗液を合わ
せて濃縮し、酢酸エチル(400ml)を加えて希釈
し、水(200ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、濃縮して化合物2の粗粉末(4.8g)を得
た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20
0ml、キーゼルゲル60、70〜230メッシュ、エ
ー・メルク社製、Art. No. 7734、ドイツ)に付し、ア
セトンートルエン(2:8、600ml)で洗浄後、2
5:75(400ml)で溶出される画分を集めて濃縮
した。残渣に酢酸エチルを加え、析出物をエチルエーテ
ルで洗浄し、標記化合物2の粉末(1.00g)を得
た。 元素分析値 C16H16N2O2・0.5 H2O として 計算値:C, 69.30; H, 6.18; N, 10.10 実測値:C, 68.78; H, 6.32; N, 9.591 H NMR(δ ppm、重ジメチルスルホキシド中、300
MHz):1.76 (3H, d, J=1.4 Hz), 2.62 (1H, ddd, J= 1
5.3, 10.9, 1.3 Hz), 3.02 (3H, s), 3.38 (1H,dd, J=
15.3, 5.4 Hz), 3.73 (1H, ddd, J= 10.9, 5.4, 1.5 H
z), 5.77 (1H, d, J= 1.0 Hz), 6.16 (1H, t, J= 1.2 H
z), 7.01 (1H, brs), 7.12 (1H, d, J= 4.0 Hz), 7.12
(1H, d, J= 5.0 Hz), 7.20 (1H, quint, J= 4.4 Hz), 1
0.76 (1H,brs)。
【0075】実施例3 A)(5R,10S)及び(5S,10R)−8,9−ジ
デヒドロ−6,8−ジメチル−10−エルゴリノール
(化合物3A)の製造
【化22】 実施例1で得られた化合物1の粉末(400mg)をジ
オキサン(13ml)に懸濁し、水素化リチウムアルミ
ニウム(粉末、84mg)を加え、3時間加熱還流し
た。反応液にさらに水素化リチウムアルミニウム(粉
末、28mg)を加え、2時間加熱還流した。反応液を
10℃に冷却し、0.2Mクエン酸水溶液(20ml)
を徐々に滴下して過剰の水素化リチウムアルミニウムを
分解し、溶液のpHを10に調整後、酢酸エチル(30
ml)で2回抽出した。得られた有機層を2%(w/
v)炭酸ナトリウム水溶液(30ml)で洗浄後、0.
1N塩酸(30ml)および水(30ml)で抽出し、
得られた水層を合わせてpH10に調整後酢酸エチル
(30ml)で2回抽出した。得られた有機層を飽和食
塩水(20ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後濃縮乾固して粗粉末(307mg)を得た。これにエ
チルエーテルを加え、析出物をエチルエーテルで洗浄し
て、標記化合物3Aの粉末(88mg)を得た。 元素分析値 C16H18N2O・H2O として 計算値:C, 70.56; H, 7.40; N, 10.29 実測値:C, 70.86; H, 6.96; N, 10.131 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
78 (3H, s), 2.50 (3H,s), 2.61 (1H, dd, J= 11.9, 4.
6 Hz), 2.83 (1H, brd, J= 16.5 Hz), 2.92 (1H,ddd, J
= 14.3, 11.9, 1.7 Hz), 3.09 (1H, brs), 3.17 (1H, d
d, J= 14.3, 4.6Hz), 3.26 (1H, brd, J= 16.5 Hz), 6.
48 (1H, brs), 6.94 (1H, t, J= 1.7 Hz), 7.21 (1H, d
d, J= 8.0, 6.9 Hz), 7.26 (1H, dd, J= 8.0, 1.6 Hz),
7.29 (1H, dd, J= 6.9, 0.9 Hz), 7.96 (1H, brs)。
【0076】B)(5R,10R)及び(5S,10S)
−8,9−ジデヒドロ−6,8−ジメチル−10−エルゴ
リノール(化合物3B)の製造
【化23】 実施例2で得られた化合物2の粉末(5.20g)をジ
オキサン(500ml)に溶解し、水素化リチウムアル
ミニウム(粉末、1.13g)を加え、90分間加熱還
流した。反応液を10℃に冷却し、メタノール(10m
l)を徐々に滴下して過剰の水素化リチウムアルミニウ
ムを分解し、10%(w/v)クエン酸水溶液(62m
l)および水(200ml)で希釈した。希釈液に塩酸
を加えてpH2に調整し、室温で2時間撹拌した。反応
液を約200mlにまで濃縮し、水(250ml)で希
釈し、pH3.5に調整後、酢酸エチル(500ml)
で洗浄した。得られた水層を約400mlにまで濃縮
し、ダイアイオンHPー20(20ー50メッシュ、2
00ml、三菱化成社製)のカラムクロマトグラフィー
に付し、水(1000ml)および10%メタノール水
(1000ml)で洗浄後、30%メタノール水(10
00ml)で溶出する画分を集めた。これをpH7に調
整後、約250mlまで濃縮し、次いでpH10に調整
して酢酸エチル(200ml)で2回抽出した。有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮乾固して粗粉末
(1.64g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(60ml、エー・メルク社製、Art. 773
4、ドイツ)に付し、アセトンートルエン(1:9、2
00ml)で洗浄後、15:85(300ml)で溶出
される画分を集めて濃縮した。残渣にエチルエーテルを
加え、析出物をエチルエーテルで洗浄して、標記化合物
3Bの粉末(408mg)を得た。 元素分析値 C16H18N2O・0.2H2O として 計算値:C, 74.50; H, 7.19; N, 10.86 実測値:C, 74.60; H, 7.22; N, 10.521 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
65 (3H, s), 2.59 (3H,s), 2.71 (1H, dd, J= 15.1, 1
1.0 Hz), 2.96 (1H, brd, J= 17.6 Hz), 3.01 (1H,dd,
J= 15.1, 4.9 Hz), 3.11 (1H, brd, J= 17.6 Hz), 3.20
(1H, dd, J= 11.0, 4.9 Hz), 5.66 (1H, brs), 6.86
(1H, t, J= 1.4 Hz), 7.22 (1H, dd, J= 7.9, 1.5 Hz),
7.25 (1H, dd, J= 7.9, 6.7 Hz), 7.31 (1H, dd, J=
6.7, 1.5 Hz),7.96 (1H, brs)。
【0077】実施例4 (5R,8S)及び(5S,8R)−9,10−ジデヒ
ドロ−6,8−ジメチル−8−エルゴリノール(化合物
4)の製造 実施例1で得られた化合物1の粉末(3.54g)をテ
トラヒドロフラン(200ml)に溶解して0℃にまで
冷却し、水素化リチウムアルミニウム(粉末、1.00
g)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を氷(60
0g)に徐々に注いで過剰の水素化リチウムアルミニウ
ムを分解し瀘過した。化合物4を含む析出物を0.1N
塩酸(500ml)に懸濁して室温で2時間撹拌後、瀘
過した。瀘液をpH4に調整し、4℃で18時間放置し
た。これを約250mlまで濃縮し、ダイアイオンHP
−20(20−50メッシュ、40ml、三菱化成社
製、日本)のカラムクロマトグラフィーに付し、水(2
00ml)で洗浄後、20%メタノール水(200m
l)および5mM塩酸/20%メタノール水(200m
l)で溶出する画分を集めた。これをpH7に調整後、
約50mlまで濃縮し、得られた水層をpH10.5に
調整して酢酸エチル(35ml)で2回抽出した。有機
層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮乾固して粗粉末
(410mg)を得、これにエチルエーテルを加えて析
出物を瀘過し、析出物をエチルエーテルで洗浄して標記
化合物4の粉末(335mg)を得た。 元素分析 C16H18N2O・0.2H2O として 計算値:C, 74.50; H, 7.19; N, 10.86 実測値:C, 74.64; H, 6.93; N, 10.931 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
36 (3H, s), 2.53 (1H,d, J= 11.3 Hz), 2.57 (3H, s),
2.68 (1H, ddd, J= 14.6, 11.4, 1.7 Hz), 2.81(1H, d
d, J= 11.3, 1.3 Hz), 3.06 (1H, ddd, J= 11.4, 5.7,
1.9 Hz), 3.07 (1H, brs), 3.54 (1H, dd, J= 14.6, 5.
7 Hz), 6.41 (1H, brs), 6.92 (1H, t, J= 1.7 Hz), 7.
15 - 7.25 (3H, m), 7.97 (1H, brs)。
【0078】実施例5 A)(5R,8S)及び(5S,8R)−9,10−ジ
デヒドロ−6,8−ジメチル−8−メトキシエルゴリン
(化合物5)の製造 実施例3で得られた化合物3Aの粉末(171mg)を
メタノール(4.6ml)に溶解し、カンファースルホ
ン酸(280mg)を加え、室温で13時間撹拌した。
反応液に10mM塩酸(15ml)を加えて希釈し、酢
酸エチル(15ml)で洗浄した。水層をpH9に調整
後、酢酸エチル(10ml)で2回抽出した。得られた
有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)お
よび飽和食塩水(10ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後濃縮乾固して粗粉末(162mg)を得
た。これに酢酸エチルおよびエチルエーテルを加え、析
出物をエチルエーテルで洗浄して、標記化合物5の粉末
(104mg)を得た。 元素分析値 C17H20N2O・0.3 H2O として 計算値:C, 74.58; H, 7.47; N, 10.23 実測値、C, 74.56; H, 7.46; N, 10.121 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
33 (3H, s), 2.43 (1H,d, J= 12.2 Hz), 2.53 (3H, s),
2.79 (1H, ddd, J= 14.6, 11.5, 1.5 Hz), 3.01(1H, d
d, J= 11.5, 5.6 Hz), 3.02 (1H, d, J= 12.2 Hz), 3.4
0 (3H, s), 3.54(1H, dd, J=14.6, 5.6 Hz), 6.39 (1H,
brs), 6.94 (1H, t, J= 1.7 Hz), 7.19- 7.25 (3H,
m), 7.95 (1H, brs)。
【0079】B)(5R,8S)及び(5S,8R)−
9,10−ジデヒドロ−6,8−ジメチル−8−メトキシ
エルゴリン(化合物5)の製造 実施例4で得られた化合物4の粉末(33mg)をメタ
ノール(2.0ml)に溶解し、カンファースルホン酸
(36mg)を加え、室温で17時間撹拌した。反応液
に10mM塩酸(10ml)を加えて希釈し、酢酸エチ
ル(10ml)で洗浄した。水層をpH9に調整後、酢
酸エチル(10ml)で2回抽出した。得られた有機層
を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)および飽
和食塩水(10ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥後濃縮乾固して、標記化合物5の粉末(29mg)
を得た。
【0080】実施例6 (5R,8S)及び(5S,8R)−9,10−ジデヒ
ドロ−6,8−ジメチル−8−エトキシエルゴリン(化
合物6)の製造 実施例3で得られた化合物3Aの粉末(230mg)を
エタノール(8.5ml)に溶解し、カンファースルホ
ン酸(436mg)を加え、室温で80分間撹拌した。
反応液に2%(w/v)炭酸ナトリウム水溶液(5m
l)を加えて希釈し、約5mlにまで濃縮した。残渣に
水(15ml)を加え、pH8.5に調整後、酢酸エチ
ル(15ml)で2回抽出した。得られた有機層を飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液(15ml)および飽和食塩
水(15ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、濃縮乾固して粗粉末(220mg)を得た。これに
アセトニトリルを加え、析出物をアセトニトリルで洗浄
して、標記化合物6の粉末(116mg)を得た。 元素分析値 C18H22N2O・0.3 H2O として 計算値:C, 75.12; H, 7.91; N, 9.73 実測値:C, 75.12; H, 7.35; N, 9.731 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
14 (3H, t, J= 7.0 Hz),1.33 (3H, s), 2.44 (1H, d, J
= 12.2 Hz), 2.49 (3H, s), 2.73 (1H, ddd, J=14.6, 1
1.4, 1.8 Hz), 2.99 (1H, ddd, J= 11.4, 5.6, 1.8 H
z), 3.03 (1H, dd, J= 12.2, 1.2 Hz), 3.51 (1H, dd,
J= 14.6, 5.6 Hz), 3.61 (1H, dq, J= 9.4, 7.0 Hz),
3.79 (1H, dq, J= 9.4, 7.0 Hz), 6.34 (1H, brs), 6.9
2 (1H, t, J= 1.7 Hz), 7.15 - 7.26 (3H, m), 8.02 (1
H, brs)。
【0081】実施例7 (5R,8S)及び(5S,8R)−9,10−ジデヒ
ドロ−6,8−ジメチル−8−プロポキシエルゴリン
(化合物7)の製造 実施例3で得られた化合物3Aの粉末(157mg)を
1-プロパノール(5.0ml)に溶解し、カンファース
ルホン酸(330mg)を加え、室温で65分間撹拌し
た。反応液に2%(w/v)炭酸ナトリウム水溶液(5
ml)および水(10ml)を加えて希釈し、pH8.
5に調整後、酢酸エチル(15ml)で2回抽出した。
得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15
ml)および飽和食塩水(15ml)で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(182m
g)を得た。これにアセトニトリルを加え、4℃に保
ち、析出物を得た。得られた析出物をろ取し、アセトニ
トリルで洗浄して、標記化合物7の粉末(24mg)を
得た。母液および洗浄液を濃縮乾固し、逆相系分取HP
LC〔担体:オクタデシルシラン(ODS)、YMC-pac
k、 SH-343(山村化学研究所製、日本)、移動相:40
%および42%アセトニトリル/0.01Mリン酸緩衝
液(pH6.3、600mlおよび400ml)〕に付
し、溶出容量700〜860mlの画分を集めて約20
mlにまで濃縮した。残渣をpH9に調整後、酢酸エチ
ル(15ml)で2回抽出した。得られた有機層を飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液(15ml)および飽和食塩
水(15ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、濃縮乾固して、標記化合物7の粉末(69mg)を
得た。 元素分析値 C19H24N2O として 計算値:C, 76.99; H, 8.16; N, 9.45 実測値:C, 76.51; H, 8.39; N, 9.311 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):0.
85 (3H, t, J= 7.4 Hz),1.33 (3H, s), 1.53 (2H, dqui
nt, J= 7.2, 7.4 Hz), 2.43 (1H, d, J= 12.2 Hz), 2.4
9 (3H, s), 2.74 (1H, ddd, J= 14.5, 11.4, 1.7 Hz),
2.99 (1H, ddd,J= 11.4, 5.6, 1.8 Hz), 3.02 (1H, dd,
J= 12.2, 1.2 Hz), 3.48 (1H, dt, J=9.3, 7.2 Hz),
3.51 (1H, dd, J= 14.5, 5.6 Hz), 3.67 (1H, dt, J=
9.3, 6.9Hz), 6.33 (1H, brs), 6.92 (1H, t, J= 1.7 H
z), 7.16 - 7.25 (3H, m), 7.99(1H, brs)。
【0082】実施例8 (5R,8S)及び(5S,8R)−8−アリルオキシ−
9,10−ジデヒドロ−6,8−ジメチルエルゴリン(化
合物8A)、(5R,8R)及び(5S,8S)−8−ア
リルオキシ−9,10−ジデヒドロ−6,8−ジメチルエ
ルゴリン(化合物8B)の製造 実施例3で得られた化合物3Aの粉末(170mg)を
アリルアルコール(5.0ml)に溶解し、カンファー
スルホン酸(357mg)を加え、室温で15分間撹拌
した。反応液に2%(w/v)炭酸ナトリウム水溶液
(5ml)および水(15ml)を加えて希釈し、酢酸
エチル(15ml)で2回抽出した。得られた有機層を
2%(w/v)炭酸水素ナトリウム水溶液(15ml)
および飽和食塩水(15ml)で洗浄後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(175mg)を
得た。これにアセトニトリルを加え、4℃に保った。析
出物をろ取しアセトニトリルで洗浄して、標記化合物8
Aの粉末(52mg)を得た。母液および洗浄液を濃縮
乾固し、逆相系分取HPLC〔担体:ODS、YMC-pac
k、 SH-343、移動相:42%アセトニトリル/0.01
Mリン酸緩衝液(pH6.3)〕に付し、溶出容量55
0〜700mlおよび700〜810mlの画分を各々
集めて約20mlにまで濃縮した。残渣を各々pH8.
5に調整後、酢酸エチル(15ml)で2回抽出した。
得られた有機層を2%(w/v)炭酸水素ナトリウム水
溶液(15ml)および飽和食塩水(15ml)で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して、標記
化合物8A(53mg)および化合物8B(11mg)
を得た。 化合物8A 元素分析 C19H22N2O として 計算値:C, 77.52; H, 7.53; N, 9.52 実測値:C, 76.94; H, 7.32; N, 10.091 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
36 (3H, s), 2.48 (1H,d, J= 12.3 Hz), 2.48 (3H, s),
2.74 (1H, ddd, J= 14.6, 11.4, 1.8 Hz), 2.99 (1H,
ddd, J= 11.4, 5.6, 1.7 Hz), 3.05 (1H, dd, J= 12.3,
1.2 Hz), 3.53(1H, dd, J= 14.6, 5.6 Hz), 4.13 (1H,
ddt, J= 12.9, 5.6, 1.4 Hz), 4.36 (1H, ddt, J= 12.
9, 5.6, 1.3 Hz), 5.05 (1H, dq, J= 10.3, 1.7 Hz),
5.22 (1H,dq, J= 17.2, 1.7 Hz), 5.92 (1H, ddt, J= 1
7.2, 10.3, 5.6 Hz), 6.31 (1H,brs), 6.93 (1H, t, J=
1.7 Hz), 7.16 - 7.26 (3H, m), 7.97 (1H, brs)。
【0083】化合物8B1 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
53 (3H, s), 2.55 (3H,s), 2.65 (1H, ddd, J= 14.6, 1
1.4, 1.8 Hz), 2.72 (1H, d, J= 10.8 Hz), 2.77 (1H,
dd, J= 10.8, 1.2 Hz), 3.12 (1H, ddd, J= 11.4, 5.6,
2.2 Hz), 3.50(1H, dd, J= 14.6, 5.6 Hz), 4.11 (2H,
brd, J= 5.3 Hz), 5.18 (1H, dq, J= 10.3, 1.7 Hz),
5.33 (1H, dq, J= 17.2, 1.7 Hz), 5.98 (1H, ddt, J=
17.2, 10.3, 5.3 Hz), 6.40 (1H, brs), 6.90 (1H, t,
J= 1.8 Hz), 7.19 (2H, m), 7.21(1H, dd, J= 7.4, 2.1
Hz), 7.96 (1H, brs)。
【0084】実施例9 (5R,8S)及び(5S,8R)−8−ベンジルオキ
シ−9,10−ジデヒドロ−6,8−ジメチルエルゴリ
ン(化合物9)の製造 実施例3で得られた化合物3Aの粉末(217mg)を
ベンジルアルコール(3.6ml)に溶解し、カンファ
ースルホン酸(448mg)を加え、室温で20分間撹
拌した。反応液に2%(w/v)炭酸ナトリウム水溶液(1
0ml)を加えて希釈し、酢酸エチル(15ml)で2
回抽出した。得られた有機層を水(10ml)で2回洗
浄後、0.2N塩酸(17ml)および水(10ml)
で抽出した。得られた酸性水層をpH2.5に補正後、
酢酸エチル(15ml)で洗浄し、次いでpH9.5に
補正後、酢酸エチル(15ml)で2回抽出した。得ら
れた有機層を2%(w/v)炭酸水素ナトリウム水溶液(1
5ml、2回)および飽和食塩水(15ml)で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末
(149mg)を得た。これをシリカゲル(8g)のカ
ラムクロマトグラフィーに付し、アセトン:トルエン
(5:95)の溶出画分を集めて濃縮乾固し、アセトニ
トリルを加え、析出物をアセトニトリルで洗浄して、標
記化合物9の粉末(29mg)を得た。 元素分析値 C23H24N2O・0.3 H2Oとして 計算値、C, 78.96; H, 7.09; N, 8.01 実測値、C, 78.98; H, 6.93; N, 7.651 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
39 (3H, s), 2.47 (3H,s), 2.53 (1H, d, J= 12.3 Hz),
2.76 (1H, ddd, J= 14.7, 11.3, 1.8 Hz), 3.03 (1H,
ddd, J= 11.3, 5.6, 1.8 Hz), 3.12 (1H, dd, J= 12.3,
1.2 Hz), 3.55(1H, dd, J= 14.7, 5.6 Hz), 4.65 (1H,
d, J= 12.1 Hz), 4.93 (1H, d, J= 12.1 Hz), 6.38 (1
H, brs), 6.94 (1H, t, J= 1.8 Hz), 7.16 - 7.26 (6H,
m), 7.32 (2H, m), 7.93 (1H, brs).
【0085】実施例10 (5R,8S)及び(5S,8R)−9,10−ジデヒ
ドロ−1,6,8−トリメチル−8−エルゴリノール
(化合物10)の製造 実施例4で得られた化合物4の粉末(91mg)をジメ
チルホルムアミド(以下、DMFと略称する)(3.0
ml)に溶解し、水素化ナトリウム(60%、油性、以
下同様、24mg)を加え、さらにヨウ化メチル(22
μl)を加え、室温で90分間撹拌した。反応液に水
(15ml)を加えて希釈し、pH2.5に補正後、ジ
エチルエーテル(10ml)で2回洗浄した。水層をp
H9.0に補正後、酢酸エチル(12ml)で2回抽出
した。得られた有機層を2%(w/v)炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、水および飽和食塩水(各10ml)で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末
(97mg)を得た。これにジエチルエーテルを加え、
析出物をジエチルエーテルで洗浄して、標記化合物10
の粉末(63mg)を得た。 元素分析値 C17H20N2O として 計算値:C, 76.09; H, 7.51; N, 10.44 実測値:C, 75.61; H, 7.50; N, 10.261 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
36 (3H, s), 2.53 (1H,d, J= 11.3 Hz), 2.56 (3H, s),
2.67 (1H, ddd, J= 14.6, 11.3, 1.6 Hz), 2.80 (1H,
dd, J= 11.3, 1.4 Hz), 3.03 (1H, br), 3.04 (1H, dd
d, J= 11.3, 5.8,2.0 Hz), 3.51 (1H, dd, J= 14.6, 5.
8 Hz), 3.76 (3H, s), 6.40 (1H, brt, J= 2 Hz), 6.76
(1H, d, J= 1.5 Hz), 7.15 (1H, dd, J= 9.2, 3.5 H
z), 7.16 (1H, t, J= 9.3 Hz), 7.19 (1H, dd, J= 9.4,
5.1 Hz)。
【0086】実施例11 (5R,8S)及び(5S,8R)−9,10−ジデヒ
ドロ−8−メトキシ−1,6,8−トリメチルエルゴリ
ン(化合物11)の製造 実施例10において、析出物を得た後の母液および洗浄
液を濃縮乾固し、シリカゲル(5g、Art.7734)のカラ
ムクロマトグラフィーに付し、アセトン:トルエン(1
5:85)の溶出画分を集めて濃縮乾固し、標記化合物
11の粉末(18mg)を得た。1 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
32 (3H, s), 2.42 (1H,d, J= 12.0 Hz), 2.51 (3H, s),
2.77 (1H, ddd, J= 14.4, 11.5, 1.2 Hz), 2.98 (1H,
ddd, J= 11.0, 5.6, 1.5 Hz), 3.01 (1H, dd, J= 12.1,
1.0 Hz), 3.39(3H, s), 3.50 (1H, dd, J= 14.4, 5.6
Hz), 3.76 (3H, s), 6.38 (1H, brs), 6.76 (1H, d, J=
1.4 Hz), 7.17 (1H, dd, J= 6.9, 2.3 Hz), 7.19 (1H,
s), 7.20 (1H, d, J= 7.2 Hz)。 質量分析(EIMS):M+= 282
【0087】実施例12 (5R,8S)及び(5S,8R)−9,10−ジデヒ
ドロ−6,8−ジメチル−1−エチル−8−エルゴリノ
ール(化合物12)の製造 実施例4で得られた化合物4の粉末(99mg)をDM
F(3.0ml)に溶解し、水素化ナトリウム(29m
g)を加え、さらにヨウ化エチル(31μl)を加え、
室温で70分間撹拌した。反応液に0.15N塩酸(1
2ml)を加えて希釈し、pH2.1に補正後、ジエチ
ルエーテル(10ml)で2回洗浄した。水層をpH
9.0に補正後、酢酸エチル(12ml)で2回抽出し
た。得られた有機層を2%(w/v)炭酸水素ナトリウム水
溶液、水および飽和食塩水(各10ml)で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(10
8mg)を得た。これにジエチルエーテルを加え、析出
物をジエチルエーテルで洗浄して、標記化合物12の粉
末(55mg)を得た。 元素分析値 C18H22N2O として 計算値:C, 76.56; H, 7.85; N, 9.92 実測値、C, 76.27; H, 7.69; N, 9.871 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
36 (3H, s), 1.44 (3H,t, J= 7.3 Hz), 2.52 (1H, d, J
= 11.3 Hz), 2.56 (3H, s), 2.67 (1H, ddd, J=14.5, 1
1.3, 1.7 Hz), 2.80 (1H, dd, J= 11.3, 1.4 Hz), 3.03
(1H, br), 3.06 (1H, ddd, J= 11.3, 5.7, 2.0 Hz),
3.52 (1H, dd, J= 14.5, 5.7 Hz), 4.13(2H, q, J= 7.3
Hz), 6.40 (1H, brt, J= 2 Hz), 6.82 (1H, d, J= 1.5
Hz), 7.15 (1H, dd, J= 5.7, 2.9 Hz), 7.17 (1H, s),
7.17 (1H, dd, J= 5.9, 3.1 Hz)。
【0088】実施例13 (5R,8S)及び(5S,8R)−1−アリル−9,
10−ジデヒドロ−6,8−ジメチル−8−エルゴリノ
ール(化合物13)の製造 実施例4で得られた化合物4の粉末(94mg)をDM
F(3.0ml)に溶解し、水素化ナトリウム(28m
g)を加え、さらに臭化アリル(33μl)を加え、室
温で100分間撹拌した。反応液に0.05N塩酸(1
4ml)を加えて希釈し、pH2.0に補正後、ジエチ
ルエーテル(10ml)で2回洗浄した。水層をpH
8.5に補正後、酢酸エチル(12ml)で2回抽出し
た。得られた有機層を2%(w/v)炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、水および飽和食塩水(各10ml)で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末
(112mg)を得た。これにジエチルエーテル−ヘキ
サンを加え、析出物をヘキサンで洗浄して、標記化合物
13の粉末(24mg)を得た。 元素分析値 C19H22N2O として 計算値:C, 77.52; H, 7.53; N, 9.52 実測値:C, 77.13; H, 7.53; N, 9.481 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
36 (3H, s), 2.53 (1H,d, J= 11.3 Hz), 2.56 (3H, s),
2.68 (1H, ddd, J= 14.6, 11.3, 1.7 Hz), 2.80 (1H,
dd, J= 11.3, 1.4 Hz), 3.03 (1H, br), 3.06 (1H, dd
d, J= 11.3, 5.7,1.9 Hz), 3.52 (1H, dd, J= 14.6, 5.
7 Hz), 4.68 (2H, dt, J= 5.5, 1.6 Hz),5.11 (1H, dq,
J= 17.1, 1.3 Hz), 5.19 (1H, dq, J= 10.2, 1.3 Hz),
5.98 (1H, ddt, J= 17.1, 10.2, 5.5 Hz), 6.40 (1H,
brt, J= 1.4 Hz), 6.80 (1H, d,J= 1.5 Hz), 7.16 (3H,
m)。
【0089】実施例14 (5R,8S)及び(5S,8R)−9,10−ジデヒ
ドロ−6,8−ジメチル−1−ヘキシル−8−エルゴリ
ノール(化合物14)の製造 実施例4で得られた化合物4の粉末(118mg)をD
MF(3.0ml)に溶解し、水素化ナトリウム(37
mg)を加え、さらにヨウ化ヘキシル(75μl)を加
え、室温で50分間撹拌した。反応液に0.1N塩酸
(10ml)を加えて希釈し、pH2.0に補正後、ジ
エチルエーテル(10ml)で2回洗浄した。水層をp
H9.5に補正後、酢酸エチル(12ml)で2回抽出
した。得られた有機層を水および飽和食塩水(各10m
l)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固
して粗粉末(112mg)を得た。これにヘキサンを加
え、析出物をヘキサンで洗浄して、標記化合物14の粉
末(104mg)を得た。 元素分析値 C22H30N2O として 計算値:C, 78.06; H, 8.93; N, 8.28 実測値:C, 77.97; H, 9.09; N, 8.261 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):0.
87 (3H, t, J= 6.9 Hz),1.30 (4H, brs), 1.32 (2H,
m), 1.36 (3H, s), 1.80 (2H, quint, J= 7.1 Hz), 2.5
2 (1H, d, J= 11.3 Hz), 2.56 (3H, s), 2.67 (1H, dd
d, J= 14.6, 11.3,1.6 Hz), 2.80 (1H, dd, J= 11.3,
1.4 Hz), 3.03 (1H, br), 3.06 (1H, ddd, J= 11.3, 5.
8, 1.9 Hz), 3.52 (1H, dd, J= 14.6, 5.8 Hz), 4.05
(2H, t, J= 7.2 Hz), 6.40 (1H, brt, J= 1.5 Hz), 6.8
0 (1H, d, J= 1.5 Hz), 7.15 (3H, m)。
【0090】実施例15 (5R,8S)及び(5S,8R)−9,10−ジデヒ
ドロ−6,8−ジメチル−1−イソプロピル−8−エル
ゴリノール(化合物15)の製造 実施例4で得られた化合物4の粉末(115mg)をD
MF(3.0ml)に溶解し、水素化ナトリウム(36
mg)を加え、さらにヨウ化イソプロピル(47μl)
を加え、室温で50分間撹拌した。反応液に0.1N塩
酸(10ml)を加えて希釈し、ジエチルエーテル(1
0ml)で2回洗浄した。水層をpH9.5に補正後、
酢酸エチル(12ml)で2回抽出した。得られた有機
層を水および飽和食塩水(各10ml)で洗浄後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(125
mg)を得た。これをシリカゲル(5g)のカラムクロ
マトグラフィーに付し、アセトン:トルエン(15:8
5)の溶出画分を集めて濃縮乾固し、標記化合物15の
粉末(42mg)を得た。 元素分析値 C19H24N2O として 計算値:C, 76.99; H, 8.16; N, 9.45 実測値:C, 76.69; H, 8.20; N, 9.451 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
36 (3H, s), 1.51 (3H,d, J= 6.7 Hz), 1.52 (3H, d, J
= 6.7 Hz), 2.53 (1H, d, J= 11.4 Hz), 2.57 (3H, s),
2.68 (1H, ddd, J= 14.6, 11.3, 1.5 Hz), 2.81 (1H,
dd, J= 11.4, 1.2 Hz), 3.03 (1H, br), 3.07 (1H, dd
d, J= 11.3, 5.7, 1.8 Hz), 3.53 (1H, dd, J= 14.6,
5.7 Hz), 4.61 (1H, quint, J= 6.7 Hz), 6.40 (1H, br
s), 6.93 (1H, d, J= 1.3 Hz), 7.15 (1H, dd, J= 6.1,
2.8 Hz), 7.18 (1H, dd, J= 7.1, 6.1 Hz), 7.20 (1H,
dd, J= 7.1, 2.8 Hz)。
【0091】実施例16 (5R,8S)−1−ベンジル−9,10−ジデヒドロ
−6,8−ジメチル−8−エルゴリノール(化合物1
6)の製造 参考例2で得られた化合物Aの粉末(113mg)をD
MF(2.5ml)に溶解し、水素化ナトリウム(30
mg)を加え、さらに臭化ベンジル(50μl)を加
え、室温で40分間撹拌した。反応液に0.08N塩酸
(10ml)を加えて希釈し、ジエチルエーテル(10
ml)で2回洗浄した。水層をpH10に補正後、酢酸
エチル(12ml)で2回抽出した。得られた有機層を
水および飽和食塩水(各10ml)で洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(153m
g)を得た。これにジエチルエーテル−ヘキサンを加
え、析出物をヘキサンで洗浄して、標記化合物16の粉
末(105mg)を得た。 元素分析値:C23H24N2O として 計算値:C, 80.20; H, 7.02; N, 8.13 実測値:C, 79.79; H, 7.10; N, 8.151 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
37 (3H, s), 2.54 (1H,d, J= 11.4 Hz), 2.57 (3H, s),
2.69 (1H, ddd, J= 14.5, 11.3, 1.6 Hz), 2.81 (1H,
dd, J= 11.4, 1.3 Hz), 3.06 (1H, br), 3.08 (1H, dd
d, J= 11.2, 5.7,1.8 Hz), 3.53 (1H, dd, J= 14.6, 5.
7 Hz), 5.27 (2H, s), 6.40 (1H, brs),6.83 (1H, d, J
= 1.4 Hz), 7.09 - 7.18 (6H, m), 7.25 - 7.31 (2H,
m)。
【0092】実施例17 (5R,8S)−9,10−ジデヒドロ−6,8−ジメ
チル−1−エチル−8−エルゴリノール(化合物17)
の製造 参考例2で得られた化合物Aの粉末(293mg)をD
MF(6.5ml)に溶解し、水素化ナトリウム(81
mg)を加え、さらにヨウ化エチル(87μl)を加
え、室温で40分間撹拌した。反応液に0.15N塩酸
(10ml)を加えて希釈し、ジエチルエーテル(12
ml)で2回洗浄した。水層をpH9.5に補正後、酢
酸エチル(15ml)で2回抽出した。得られた有機層
を水および飽和食塩水(各15ml)で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(318m
g)を得た。これにジエチルエーテルを加え、析出物を
ジエチルエーテルで洗浄して、標記化合物17の粉末
(166mg)を得た。 元素分析値 C18H22N2O として 計算値、C, 76.56; H, 7.85; N, 9.92 実測値、C, 76.52; H, 7.70; N, 10.01
【0093】実施例18 (5R,8S)−1−カルバモイルメチル−9,10−
ジデヒドロ−6,8−ジメチル−8−エルゴリノール
(化合物18)の製造 参考例2で得られた化合物Aの粉末(125mg)をD
MF(2.5ml)に溶解し、水素化ナトリウム(36
mg)を加え、さらにヨードアセトアミド(96mg)
を加え、室温で80分間撹拌した。反応液に0.1N塩
酸(10ml)を加えて希釈し、ジエチルエーテル(1
0ml)で2回洗浄した。水層をpH9.5に補正後、
酢酸エチル/2−プロパノール(4:1、8ml)で4
回抽出した。得られた有機層を5%(w/v)および飽
和食塩水(各15ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、濃縮乾固して粗粉末を得た。これをシリカゲ
ル(5g)のカラムクロマトグラフィーに付し、アセト
ン:トルエン(50:50)〜メタノール:アセトン:
トルエン(5:50:45)の溶出画分を集めて濃縮乾
固した。これにジエチルエーテルを加え、析出物をジエ
チルエーテルで洗浄して、標記化合物18の粉末(74
mg)を得た。 元素分析値 C18H21N3O2・0.2 H2O として 計算値:C, 68.64; H, 6.85; N, 13.34 実測値:C, 68.65; H, 6.69; N, 13.261 H NMR(δppm、重クロロホルムー重メタノール
(10:1)中、300 MHz):1.33 (3H, s), 2.52 (1H,
d, J= 11.6 Hz), 2.55 (3H, s), 2.65 (1H, ddd, J= 1
4.8, 11.3, 1.7 Hz), 2.83 (1H, dd, J= 11.6, 1.3 H
z), 3.03 (1H, ddd, J=11.3, 5.8, 2.0 Hz), 3.51 (1H,
dd, J= 14.8, 5.8 Hz), 4.71 (2H, s), 6.40(1H, br
s), 6.78 (1H, d, J= 1.5 Hz), 7.12 (1H, dd, J= 6.6,
2.1 Hz), 7.21(2H, m)。
【0094】実施例19 (5R,8S)−1−カルボキシメチル−9,10−ジ
デヒドロ−6,8−ジメチル−8−エルゴリノール(化
合物19)の製造 参考例2で得られた化合物Aの粉末(102mg)をD
MF(2.5ml)に溶解し、水素化ナトリウム(29
mg)を加え、さらにヨード酢酸ナトリウム(89m
g)を加え、室温で60分間撹拌した。反応液に0.1
N塩酸(10ml)を加えて希釈し、ジエチルエーテル
(10ml)で2回洗浄した。水層をpH10に補正
後、酢酸エチル(10ml)で2回洗浄した。得られた
水層をpH7.0に補正後、ダイアイオンHP−20
(三菱化成社製、20〜50メッシュ、5ml)のカラ
ムクロマトグラフィーに付し、20%メタノール水の溶
出画分を集めて濃縮乾固した。これに酢酸エチルを加
え、析出物を酢酸エチルで洗浄して、標記化合物19の
粉末(20mg)を得た。 元素分析値 C18H20N2O3・2.3 H2O として 計算値:C, 61.11; H, 7.01; N, 7.92 実測値:C, 61.03; H, 6.50; N, 7.861 H NMR(δppm、重メタノール中、300 MHz):1.33
(3H, s), 2.60 (1H, d,J= 12.0 Hz), 2.60 (3H, s),
2.72 (1H, ddd, J= 14.5, 11.4, 1.4 Hz), 2.97(1H, d
d, J= 12.0, 1.0 Hz), 3.13 (1H, ddd, J= 11.4, 5.8,
1.8 Hz), 3.52 (1H, dd, J= 14.5, 5.8 Hz), 4.61 (2H,
s), 6.36 (1H, brs), 6.88 (1H, d, J= 1.1 Hz), 7.08
- 7.16 (3H, m)。
【0095】実施例20 (5R,8S)−9,10−ジデヒドロ−6,8−ジメ
チル−1−プロピル−8−エルゴリノール(化合物2
0)の製造 参考例2で得られた化合物Aの粉末(285mg)をD
MF(5.0ml)に溶解し、水素化ナトリウム(82
mg)を加え、さらにヨウ化プロピル(113μl)を
加え、室温で45分間撹拌した。反応液に0.2N塩酸
(10ml)を加えて希釈し、ジエチルエーテル(10
ml)で2回洗浄した。水層をpH9.0に補正後、酢
酸エチル(12ml)で2回抽出した。得られた有機層
を水および飽和食塩水(各10ml)で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(338m
g)を得た。これをシリカゲル(5g)のカラムクロマ
トグラフィーに付し、アセトン:トルエン(20:8
0)の溶出画分を集めて濃縮乾固した。これを酢酸エチ
ル−ヘキサン(1:19、20ml)を加えて溶解し、
不溶物を除去した。溶液部分を濃縮乾固し、ヘキサンを
加え、析出物をヘキサンで洗浄して、標記化合物20の
粉末(147mg)を得た。 元素分析値 C19H24N2O として 計算値:C, 76.99; H, 8.16; N,
9.45 実測値:C, 76.66; H, 8.12; N,
9.36 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):
0.92 (3H, t, J= 7.4 Hz),1.36 (3H, s), 1.85 (2H, t
q, J= 7.0, 7.4 Hz), 2.53 (1H, d, J= 11.3 Hz),2.57
(3H, s), 2.68 (1H, ddd, J= 14.6, 11.3, 1.6 Hz), 2.
81 (1H, dd, J= 11.3, 1.2 Hz), 3.03 (1H, br), 3.06
(1H, ddd, J= 11.3, 5.8, 1.9 Hz), 3.52 (1H, dd, J=
14.6, 5.8 Hz), 4.03 (2H, t, J= 7.0 Hz), 6.40 (1H,
brt, J= 1 Hz), 6.81 (1H, d, J= 1.4 Hz), 7.16 (3H,
m)。
【0096】実施例21 (5R,8S)−9,10−ジデヒドロ−6,8−ジメ
チル−1−メトキシメチル−8−エルゴリノール(化合
物21)の製造 参考例2で得られた化合物Aの粉末(105mg)をD
MF(2.5ml)に溶解し、水素化ナトリウム(29
mg)を加え、さらに塩化メトキシメチル(34μl)
を加え、室温で30分間撹拌した。反応液に0.1N塩
酸(10ml)を加えて希釈し、pH2.4に補正後、
ジエチルエーテル(10ml)で2回洗浄した。水層を
pH10に補正後、酢酸エチル(12ml)で2回抽出
した。得られた有機層を水および飽和食塩水(各10m
l)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固
して粗粉末(121mg)を得た。これにジエチルエー
テルを加え、析出物をジエチルエーテルで洗浄して、標
記化合物21の粉末(59mg)を得た。 元素分析値 C18H22N2O2 として 計算値:C, 72.46; H, 7.43; N, 9.39 実測値:C, 72.20; H, 7.36; N, 9.331 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
36 (3H, s), 2.53 (1H,d, J= 11.3 Hz), 2.57 (3H, s),
2.67 (1H, ddd, J= 14.7, 11.4, 1.7 Hz), 2.81 (1H,
dd, J= 11.3, 1.2 Hz), 3.03 (1H, br), 3.06 (1H, dd
d, J= 11.4, 5.7,1.9 Hz), 3.24 (3H, s), 3.52 (1H, d
d, J= 14.7, 5.7 Hz), 5.41 (2H, s), 6.41 (1H, brs),
6.89 (1H, d, J= 1.5 Hz), 7.21 (2H, m), 7.29 (1H,
dd, J= 6.2, 2.9 Hz)。
【0097】実施例22 (5R,8S)−9,10−ジデヒドロ−6,8−ジメ
チル−1−(2−メトキシエトキシ)メチル−8−エル
ゴリノール(化合物22A)及び(5R,8S)−9,
10−ジデヒドロ−6,8−ジメチル−1−(2−メト
キシエトキシ)メチル−8−エルゴリノールマレイン酸
塩(化合物22B)の製造 参考例2で得られた化合物Aの粉末(119mg)をD
MF(2.0ml)に溶解し、水素化ナトリウム(34
mg)を加え、さらに塩化メトキシエトキシメチル(5
3μl)を加え、室温で20分間撹拌した。反応液に
0.1N塩酸(10ml)を加えて希釈し、ジエチルエ
ーテル(10ml)で2回洗浄した。水層をpH9.5
に補正後、酢酸エチル(12ml)で2回抽出した。得
られた有機層を水および飽和食塩水(各10ml)で洗
浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉
末(155mg)を得た。これをシリカゲル(5g)の
カラムクロマトグラフィーに付し、アセトン:トルエン
(20:80〜30:70)の溶出画分を集めて濃縮乾
固した。これを逆相系分取HPLC〔担体:ODS、YM
C-pack、 D-ODS-5、移動相:20%アセトニトリル/
0.05%トリフルオロ酢酸〕により精製し、目的画分
を集めて約20mlにまで濃縮した。残渣をpH10に
補正後、酢酸エチル(10ml)で2回抽出した。得ら
れた有機層を水および飽和食塩水(各10ml)で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して、標記
化合物22Aの粉末(87mg)を得た。これをメタノ
ール(5ml)に溶解後、マレイン酸(29mg)を加
えて溶解し、濃縮乾固して、標記化合物22Bの粉末
(119mg)を得た。 化合物22A1 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
36 (3H, s), 2.53 (1H,d, J= 11.4 Hz), 2.57 (3H, s),
2.66 (1H, ddd, J= 14.7, 11.4, 1.8 Hz), 2.81 (1H,
dd, J= 11.4, 1.3 Hz), 3.03 (1H, br), 3.04 (1H, dd
d, J= 11.4, 5.7,1.9 Hz), 3.35 (3H, s), 3.48 (4H,
m), 3.52 (1H, dd, J= 14.7, 5.7 Hz), 5.52 (2H, s),
6.41 (1H, brs), 6.91 (1H, d, J= 1.5 Hz), 7.21 (2H,
m), 7.29(1H, dd, J= 6.1, 2.9 Hz)。 化合物22B 元素分析値 C20H26N2O3・C4H4O4・H2O と
して 計算値:C, 60.49; H, 6.77; N, 5.88 実測値:C, 60.64; H, 6.64; N, 6.20
【0098】実施例23 (5R,8S)−1−ブチル−9,10−ジデヒドロ−
6,8−ジメチル−8−エルゴリノール(化合物23)
の製造 参考例2で得られた化合物Aの粉末(104mg)をD
MF(1.5ml)に溶解し、水素化ナトリウム(30
mg)を加え、さらにヨウ化ブチル(42μl)を加
え、室温で50分間撹拌した。反応液に0.09N塩酸
(10ml)を加えて希釈し、ジエチルエーテル(10
ml)で2回洗浄した。水層をpH9.5に補正後、酢
酸エチル(10ml)で2回抽出した。得られた有機層
を水および飽和食塩水(各10ml)で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(108m
g)を得た。これをシリカゲル(5g)のカラムクロマ
トグラフィーに付し、アセトン:トルエン(15:85
〜20:80)の溶出画分を集めて濃縮乾固した。これ
にヘキサンを加え、氷冷下析出物をヘキサンで洗浄し
て、標記化合物23の粉末(34mg)を得た。 元素分析値 C20H26N2O として 計算値:C, 77.38; H, 8.44; N, 9.02 実測値:C, 77.14; H, 8.31; N, 9.001 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):0.
93 (3H, t, J= 7.4 Hz),1.32 (2H, q, J= 7.4 Hz), 1.3
6 (3H, s), 1.79 (2H, quint, J= 7.3 Hz), 2.53 (1H,
d, J= 11.4 Hz), 2.56 (3H, s), 2.67 (1H, ddd, J= 1
4.6, 11.2, 1.6 Hz), 2.81 (1H, dd, J= 11.4, 1.4 H
z), 3.03 (1H, br), 3.06 (1H, ddd, J= 11.2, 5.8, 2.
0 Hz), 3.52 (1H, dd, J= 14.6, 5.8 Hz), 4.06 (2H,
t, J= 7.0 Hz), 6.40 (1H, brt, J= 1 Hz), 6.80 (1H,
d, J= 1.5 Hz), 7.16 (3H, m)。
【0099】実施例24 (5R,8S)−9,10−ジデヒドロ−6,8−ジメ
チル−1−(1−フルオロ−2−ヨードエテニル)−8
−エルゴリノール(化合物24)の製造 参考例2で得られた化合物Aの粉末(133mg)をD
MF(2.0ml)に溶解し、水素化ナトリウム(38
mg)を加え、さらに2−ヨード−1,1,1−トリフ
ルオロエタン(52μl)を加え、室温で90分間撹拌
した。反応液に0.15N塩酸(10ml)を加えて希
釈し、ジエチルエーテル(10ml)で2回洗浄した。
水層をpH10に補正後、酢酸エチル(10ml)で2
回抽出した。得られた有機層を水および飽和食塩水(各
10ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃
縮乾固して粗粉末(196mg)を得た。これをシリカ
ゲル(5g)のカラムクロマトグラフィーに付し、アセ
トン:トルエン(15:85)の溶出画分を集めて濃縮
乾固した。これにヘキサンを加え、析出物をヘキサンで
洗浄して、標記化合物24の粉末(63mg、E、Z混
合物)を得た。 元素分析: C18H18N2OFI として 計算値, C, 50.96; H, 4.28; N, 6.60; F, 4.48; I, 2
9.91 実測値, C, 50.88; H, 4.28; N, 6.35; F, 4.46; I, 2
9.581 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz、主生
成物=E体):1.36 (3H, s), 2.53 (1H, d, J= 11.4 H
z), 2.57 (3H, s), 2.66 (1H, ddt, J= 15.0, 11.5, 2.
0 Hz), 2.82 (1H, dd, J= 11.4, 1.4 Hz), 3.04 (1H, b
r), 3.07 (1H, ddd, J= 11.5, 5.7, 1.9 Hz), 3.53 (1
H, dd, J= 15.0, 5.7 Hz), 5.97 (1H, d, J= 7.2 Hz),
6.42 (1H, brs), 7.06 (1H, d, J= 1.8 Hz), 7.24~7.30
(3H, m).
【0100】実施例 25 (5R,8S)−1−tert−ブトキシカルボニルメ
チル−9,10−ジデヒドロ−6,8−ジメチル−8−
エルゴリノール(化合物25)の製造 参考例2で得られた化合物Aの粉末(113mg)をD
MF(2.0ml)に溶解し、水素化ナトリウム(40
mg)を加え、さらにヨード酢酸 tert-ブチルエステル
(118μl)を加え、室温で30分間撹拌した。反応
液に0.1N塩酸(10ml)を加えて希釈し、ジエチ
ルエーテル(10ml)で2回洗浄した。水層をpH
9.0に補正後、酢酸エチル(10ml)で2回抽出し
た。得られた有機層を水および飽和食塩水(各10m
l)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固
して粗粉末(158mg)を得た。これをシリカゲル
(5g)のカラムクロマトグラフィーに付し、アセト
ン:トルエン(15:85〜25:75)の溶出画分を
集め、濃縮乾固して、標記化合物25の粉末(100m
g)を得た。 元素分析値 C22H28N2O3 として 計算値:C, 71.71; H, 7.66; N, 7.60 実測値:C, 71.19; H, 7.56; N, 7.101 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
36 (3H, s), 1.45 (9H,s), 2.52 (1H, d, J= 11.3 Hz),
2.56 (3H, s), 2.68 (1H, ddd, J= 14.6, 11.3, 1.7 H
z), 2.80 (1H, dd, J= 11.3, 1.3 Hz), 3.04 (1H, br),
3.07 (1H, ddd,J= 11.3, 5.7, 1.9 Hz), 3.52 (1H, d
d, J= 14.6, 5.7 Hz), 4.69 (2H, s), 6.40 (1H, brt,
J= 1.4 Hz), 6.80 (1H, d, J= 1.5 Hz), 7.09 (1H, dd,
J= 6.9,1.8 Hz), 7.18 (2H, m)。
【0101】実施例26 (5R,8S)−9,10−ジデヒドロ−6,8−ジメ
チル−1−ペンチル−8−エルゴリノール(化合物2
6)の製造 参考例2で得られた化合物Aの粉末(101mg)をD
MF(2.0ml)に溶解し、水素化ナトリウム(29
mg)を加え、さらにヨウ化ペンチル(42μl)を加
え、室温で40分間撹拌した。反応液に0.1N塩酸
(10ml)を加えて希釈し、ジエチルエーテル(10
ml)で2回洗浄した。水層をpH9.5に補正後、酢
酸エチル(10ml)で2回抽出した。得られた有機層
を水および飽和食塩水(各10ml)で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(125m
g)を得た。これにヘキサンを加えて不溶物を除去し、
可溶部を濃縮乾固した。これにヘキサンを加え、氷冷下
析出物をヘキサンで洗浄して、標記化合物26の粉末
(74mg)を得た。 元素分析値:C21H28N2O として 計算値、C, 77.74; H, 8.70; N, 8.63 実測値、C, 77.50; H, 8.68; N, 8.741 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):0.
88 (3H, t, J= 7.0 Hz),1.26~1.34 (4H, m), 1.36 (3H,
s), 1.82 (2H, quint, J= 7.3 Hz), 2.53 (1H,d, J= 1
1.3 Hz), 2.57 (3H, s), 2.68 (1H, ddd, J= 14.6, 11.
3, 1.6 Hz), 2.80 (1H, dd, J= 11.3, 1.4 Hz), 3.01
(1H, brs), 3.06 (1H, ddd, J= 11.3, 5.7, 1.9 Hz),
3.52 (1H, dd, J= 14.6, 5.7 Hz), 4.06 (2H, t, J= 7.
1 Hz), 6.40 (1H, brt, J= 1 Hz), 6.80 (1H, d, J= 1.
5 Hz), 7.16 (3H, m).
【0102】実施例27 (5R,8S)−9,10−ジデヒドロ−6,8−ジメ
チル−1−(2−ヒドロキシプロピル)−8−エルゴリ
ノール(化合物27)の製造 参考例2で得られた化合物Aの粉末(140mg)をD
MF(1.5ml)に溶解し、水素化ナトリウム(57
mg)を加え、さらに酸化プロピレン(40μl)を加
え、室温で2.5時間撹拌した。反応液に0.1N塩酸
(10ml)を加えて希釈し、ジエチルエーテル(10
ml)で2回洗浄した。水層をpH9.5に補正後、酢
酸エチル(12ml)で2回抽出した。得られた有機層
を水および飽和食塩水(各10ml)で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(149m
g)を得た。これを逆相系分取HPLC〔坦体:OD
S、YMC−pack、D−ODS−5、移動相:23
%アセトニトリル/0.01Mリン酸緩衝液、pH6.
3〕により精製し、溶出量720〜830mlの画分を
集めて約20mlびまで濃縮した。残渣をpH10に補
正後、酢酸エチル(10ml)で2回抽出した。得られ
た有機層を水及び飽和食塩水(各10ml)で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して、標記化合
物27の粉末(52mg、2種異性体混合物)を得た。 元素分析値:C19H24N2O2・0.5H2O として 計算値、C, 71.00; H, 7.84; N, 8.71 実測値、C, 70.91; H, 7.47; N, 8.701 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
23/1.24 (3H, d, J= 6.2Hz), 1.34/1.34 (3H, s), 2.27
(1H, br), 2.48 (1H, d, J= 11.4 Hz), 2.52 (3H, s),
2.61 (1H, ddd, J= 14.6, 11.3, 1.6 Hz), 2.78 (1H,
dd, J= 11.4, 1.3 Hz), 3.00 (1H, br), 3.01 (1H, dd
d, J= 11.3, 5.7, 1.9 Hz), 3.46 (1H, dd, J= 14.6,
5.7 Hz), 3.95/3.97 (1H, dd, J= 14.3, 7.7 Hz), 4.07
/4.08 (1H,dd, J= 14.3, 3.5 Hz), 4.15 (1H, m), 6.36
/6.37 (1H, brs), 6.82 (1H, brs),7.13~7.19 (3H, m).
【0103】実施例28 (5R,8S)−1−カルボキシメチル−9,10−ジ
デヒドロ−6,8−ジメチル−8−エルゴリノール(化
合物19)の製造 実施例25で得られた化合物25の粉末(118mg)
を1.0N塩酸(12ml)に溶解し、室温で48時間
撹拌した。反応液をpH8.5に補正し、酢酸エチル
(20ml)で2回洗浄した後、約15mlまで濃縮し
た。濃縮液を脱塩装置(マイクロアシライザーG1、旭
化成社製、日本)により脱塩し、ダイアイオンHP-2
0(50〜100メッシュ、10ml)のカラムクロマ
トグラフィ−に付した。水(50ml)で洗浄後、20
〜40%メタノール水で溶出される画分を濃縮乾固して
粗粉末(45mg)を得た。これに酢酸エチルおよびメ
タノールを加え、析出物を酢酸エチルで洗浄して標記化
合物19の粉末(19mg)を得た。
【0104】実施例29 (5R,8S)−ジデヒドロ−8−メチル−8−エルゴ
リノール〔化合物29(N−デメチルセトクラビン)〕
の製造 参考例4と同様にして得られたN-デメチルアグロクラ
ビンの粉末(5.08g)を2N硫酸(22.6ml)を
含む50%アセトン水(200ml)に溶解し、70℃
で撹拌した。これに70℃に加熱した重クロム酸カリウ
ム(6.70g)の水溶液(200ml)を加え、1分
後さらに2N硫酸(13.6ml)を加え、70℃で1
5分間撹拌した。反応液を0℃に冷却し、pH2.5に
補正後、室温で1時間撹拌し、ろ紙で瀘過した。瀘液を
pH6.0に補正後炭酸水素ナトリウム(12g)を加
えて溶解し、クロロホルム一2-プロパノール(3:
1、400ml)で2回抽出した。得られた有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(4.
4g)を得た。これに酢酸エチルおよびジエチルエーテ
ルを加え、析出物を酢酸エチルージエチルエーテルで洗
浄して析出粉末(2.36g)を得た。酢酸エチルージ
エチルエーテル可溶部および洗液を濃縮乾固し、標記化
合物29の粗粉末(1.46g、純度50%)を得た。
析出粉末をシリカゲル(50g)のカラムクロマトグラ
フィーに付し、0.5%ジエチルアミンを含むメタノー
ル:アセトン:ヘキサン(5:30:70)で溶出され
る画分を集めて濃縮乾固した。これにアセトンー酢酸エ
チルを加え、析出物を酢酸エチルで洗浄して、標記化合
物29の粉末(399mg)を得た。 元素分析値 C15H16N2O・0.4 H2O として 計算値、C, 72.79; H, 6.84; N, 11.32 実測値、C, 72.65; H, 6.67; N, 11.921 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
38 (3H, s), 2.20 (1H, br), 2.78 (1H, ddd, J= 14.7,
11.6, 1.7 Hz), 2.91 (1H, d, J= 12.1 Hz),3.08 (1H,
dd, J= 12.1, 1.4 Hz), 3.22 (1H, dd, J= 14.7, 6.0
Hz), 3.78 (1H, ddd, J= 11.6, 6.0, 2.0 Hz), 6.41 (1
H, brs), 6.91 (1H, t, J= 1.7 Hz), 7.15~7.25 (3H,
m), 7.98 (1H, brs).
【0105】実施例30 (5R,8S)−9,10−ジデヒドロ−6−エチル−
8−メチル−8−エルゴリノール(化合物30)の製造 A)参考例5で得られたN-デメチル-N-エチルアグロ
クラビンの粉末(152mg)を2N硫酸(0.30m
l)を含む50%アセトン水(6.0ml)に溶解し、
70℃で撹拌した。これに70℃に加熱した重クロム酸
カリウム(177mg)の水溶液(6.0ml)を加
え、1分後さらに2N硫酸(0.39ml)を加え、7
0℃で15分間撹拌した。反応液を0℃に冷却し、pH
2.5に補正後、室温で1時間撹拌し、濾紙で濾過し
た。瀘液をpH9.0に補正後、クロロホルム一2-プロ
パノール(3:1、20ml)で2回抽出した。得られ
た有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して
粗粉末を得た。これにジエチルエーテルを加え、濾紙で
濾過して析出物を除去した。ジエチルエーテル可溶部分
を濃縮乾固しジイソプロピルエーテルを加え、析出物を
除去した。可溶部分を濃縮乾固しジエチルエーテルを加
え、析出物をジイソプロピルエーテルで洗浄して、標記
化合物30の粉末(40mg)を得た。 元素分析値 C17H20N2O・0.8 H2O として 計算値、C, 72.21; H, 7.70; N, 9.91 実測値、C, 72.15; H, 7.12; N, 9.911 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
12 (3H, t, J= 7.2 Hz),1.39 (3H, s), 2.58 (1H, d, J
= 11.2 Hz), 2.68 (1H, ddd, J= 14.4, 11.1, 1.7 Hz),
2.86 (1H, dq, J= 13.7, 7.1 Hz), 2.88 (1H, dd, J=
11.2, 1.4 Hz),3.05 (1H, dq, J= 13.7, 7.3 Hz), 3.20
(1H, br), 3.42 (1H, ddd, J= 11.1, 5.6, 1.9 Hz),
3.54 (1H, dd, J= 14.4, 5.6 Hz), 6.41 (1H, brt, J=
1.7 Hz),6.91 (1H, t, J= 1.8 Hz), 7.16~7.24 (3H,
m), 8.04 (1H, brs). B)実施例29と同様にして得られた化合物29の粗粉
末(424mg、純度60%)をアセトニトリル(8.
5ml)に溶解し、トリエチルアミン(0.73ml)
およびヨウ化エチル(0.35ml)を加え、50℃で
3時間撹拌した。反応液を濃縮乾固し、残渣に酢酸エチ
ル(30ml)を加え、水および飽和食塩水(各20m
l)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固
して粗粉末(440mg)を得た。これをシリカゲル
(10g)のカラムクロマトグラフィーに付し、0.5
%ジエチルアミンを含むアセトン:ヘキサン(20:8
0)で溶出される画分を集めて濃縮乾固した。これにジ
エチルエーテルー酢酸エチルを加え、析出物をジエチル
エーテルで洗浄して、標記化合物30の粉末(198m
g)を得た。
【0106】実施例31 (5R,8S)−9,10−ジデヒドロ−8−メチル−
6−プロピル−8−エルゴリノール(化合物31)の製
造 実施例29で得られた化合物29の粗粉末(306m
g、純度50%)をアセトニトリル(7.6ml)に溶
解し、トリエチルアミン(0.44ml)およびヨウ化
プロピル(0.25ml)を加え、50℃で4.5時間撹
拌した。この際、反応開始より1.5および3時間後に
トリエチルアミン(0.44ml)およびヨウ化プロピ
ル(0.25ml)をそれぞれ加えた。反応液を濃縮乾
固し、残渣に酢酸エチル(30ml)を加え、水および
飽和食塩水(各20ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(290mg)を得
た。これをシリカゲル(10g)のカラムクロマトグラ
フィーに付し、0.5%ジエチルアミンを含むアセト
ン:ヘキサン(20:80)で溶出される画分を集めて
濃縮乾固した。これにジエチルエーテルー酢酸エチルー
ジイソプロピルエーテルを加え、析出物をジイソプロピ
ルエーテルで洗浄して、標記化合物31の粉末(150
mg)を得た。 元素分析値 C18H22N2O として 計算値、C, 76.56; H, 7.85; N, 9.92 実測値、C, 76.15; H, 7.87; N, 9.721 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):0.
97 (3H, t, J= 7.4 Hz), 1.36 (3H, s), 1.58 (2H, m),
2.54 (1H, d, J= 11.2 Hz), 2.62 (1H, m), 2.66 (1H,
ddd, J= 14.6, 11.2, 1.4 Hz), 2.89 (1H, m), 2.89
(1H, dd, J= 11.2, 1.4 Hz), 3.05 (1H, br), 3.36 (1
H, ddd, J= 11.2, 5.5, 1.7 Hz), 3.54 (1H, dd, J= 1
4.6, 5.5 Hz), 6.39 (1H, brs), 6.91 (1H, t, J= 1.7
Hz), 7.14~7.23 (3H, m), 7.91 (1H, brs).
【0107】実施例32 (5R,8S)−6−シアノ−9,10−ジデヒドロ−
8−メチル−8−エルゴリノール(化合物32)の製造 参考例2で得られた化合物Aの粉末(159mg)をジ
クロロメタン(5.3ml)およびDMF(0.5ml)
に溶解し、臭化シアン(188mg)を加え、25℃で
22時間撹拌した。反応液をヘキサン(6ml)および
酢酸エチル(10ml)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液および飽和食塩水(各10ml)で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(1
30mg)を得た。これをシリカゲル薄層クロマトグラ
フィー(シリカゲル60F254プレート、200 × 200 ×
2 mm、エー・メルク社製、Art. 5717、ドイツ)に付
し、メタノール:アセトン:クロロホルム(1:1:1
0)で展開した。Rf値0.48〜0.59のシリカゲル
を剥離し、メタノール:アセトン:クロロホルム(2:
1:10)で溶出して濃縮乾固した。これにジエチルエ
ーテルおよびジクロロメタンを加え、析出物をろ取し、
ジエチルエーテルで洗浄して、標記化合物32の粉末
(24mg)を得た。 元素分析値 C16H15N3O・0.2 H2O として 計算値、C, 71.46; H, 5.77; N, 15.63 実測値、C, 71.46; H, 5.82; N, 15.431 H NMR(δppm、重クロロホルムー重メタノール
(9:1)中、300 MHz):1.44 (3H, s), 3.08 (1H, dd
d, J= 14.3, 11.8, 1.7 Hz), 3.34 (1H, d, J= 12.6H
z), 3.50 (1H, dd, J= 12.6, 1.0 Hz), 3.61 (1H, dd,
J= 14.3, 5.9 Hz), 4.16 (1H, ddd, J= 11.8, 5.9, 2.0
Hz), 6.38 (1H, brs), 7.00 (1H, t, J= 1.4Hz), 7.18
(2H, m), 7.28 (1H, dd, J= 6.5, 2.3 Hz).
【0108】実施例33 (5R,8S)−6−ブチル−9,10−ジデヒドロ−
8−メチル−8−エルゴリノール(化合物33)の製造 実施例29と同様にして得られた化合物29の粗粉末
(283mg、純度44%)をアセトニトリル(7.5
ml)に溶解し、トリエチルアミン(0.39ml)お
よびヨウ化ブチル(0.26ml)を加え、50℃で1.
5時間撹拌した。さらにトリエチルアミン(0.39m
l)およびヨウ化ブチル(0.26ml)を加え、70
℃で2.5時間撹拌した。反応液を濃縮乾固し、残渣に
酢酸エチル(30ml)を加え、水および飽和食塩水
(各20ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、濃縮乾固して粗粉末(230mg)を得た。これを
シリカゲル(10g)のカラムクロマトグラフィーに付
し、0.5%ジエチルアミンを含むアセトン:ヘキサン
(15:85)で溶出される画分を集めて濃縮乾固し
た。これにジエチルエーテルージイソプロピルエーテル
ーヘキサンを加え、析出物をジイソプロピルエーテルー
ヘキサンで洗浄して、標記化合物33の粉末(52m
g)を得た。 元素分析値 C19H24N2O として 計算値、C, 76.99; H, 8.16; N, 9.45 実測値、C, 76.55; H, 8.15; N, 9.331 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):0.
97 (3H, t, J= 7.2 Hz),1.37 (3H, s), 1.39 (2H, m),
1.55 (2H, m), 2.53 (1H, d, J= 11.2 Hz), 2.62 (1H,
ddd, J= 13.2, 7.6, 5.6 Hz), 2.66 (1H, ddd, J= 14.
6, 11.3, 1.6 Hz), 2.89 (1H, dd, J= 11.2, 1.1 Hz),
2.96 (1H, ddd, J= 13.2, 8.6, 7.2 Hz),3.06 (1H, b
r), 3.36 (1H, ddd, J= 11.3, 5.5, 1.8 Hz), 3.54 (1
H, dd, J= 14.6, 5.5 Hz), 6.39 (1H, brs), 6.91 (1H,
t, J= 1.7 Hz), 7.16 (2H, m), 7.21(1H, m), 7.91 (1
H, brs).
【0109】実施例34 (5R,8S)−6−アリル−9,10−ジデヒドロ−
8−メチル−8−エルゴリノール(化合物34)の製造 実施例29と同様にして得られた化合物29の粗粉末
(243mg、純度44%)をアセトニトリル(5.0
ml)に溶解し、トリエチルアミン(0.29ml)お
よび臭化アリル(0.15ml)を加え、25℃で12
時間撹拌した。反応液を濃縮乾固し、残渣に酢酸エチル
(20ml)および2%(w/v)炭酸水素ナトリウム水溶
液(15ml)を加えて混和した。有機層を水および飽
和食塩水(各20ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(240mg)を得た。
これをシリカゲル(10g)のカラムクロマトグラフィ
ーに付し、0.5%ジエチルアミンを含むアセトン:ヘ
キサン(15:85)で溶出される画分を集めて濃縮乾
固した。これにジエチルエーテルを加え、析出物をジイ
ソプロピルエーテルで洗浄して、標記化合物34の粉末
(74mg)を得た。 元素分析値 C18H20N2O として 計算値、C, 77.11; H, 7.19; N, 9.99 実測値、C, 76.90; H, 7.18; N, 9.791 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
36 (3H, s), 2.54 (1H,d, J= 11.3 Hz), 2.69 (1H, dd
d, J= 14.5, 11.2, 1.8 Hz), 2.94 (1H, dd, J=11.3,
1.4 Hz), 2.98 (1H, br), 3.28 (1H, dd, J= 14.5, 8.1
Hz), 3.40 (1H,ddd, J= 11.2, 5.6, 1.9 Hz), 3.57 (1
H, dd, J= 14.5, 5.6 Hz), 3.68 (1H, ddd, J= 14.5,
5.0, 1.6 Hz), 5.22 (1H, brd, J= 10.1 Hz), 5.28 (1
H, dq, J= 17.2, 1.1 Hz), 5.96 (1H, dddd, J= 17.1,
10.1, 8.1, 5.0 Hz), 6.40 (1H, brs), 6.91 (1H, t, J
= 1.8 Hz), 7.16 (2H, m), 7.21 (1H, m), 7.90 (1H, b
rs).
【0110】実施例35 (5R,8S)−9,10−ジデヒドロ−6−イソプロ
ピル−8−メチル−8−エルゴリノール(化合物35)
の製造 実施例29で得られた化合物29の粗粉末(235m
g、純度50%)をアセトニトリル(4.7ml)に溶
解し、トリエチルアミン(0.34ml)およびヨウ化
イソプロピル(0.20ml)を加え、25℃で12時
間撹拌した。さらに炭酸カリウム(135mg)、DM
F(1.0ml)およびヨウ化イソプロピル(0.20m
l)を加え、70℃で10時間、さらに60℃で12時
間撹拌した。反応液を濃縮乾固し、残渣に酢酸エチル
(20ml)および2%(w/v)炭酸水素ナトリウム水溶
液(15ml)を加えて混和した。有機層を水および飽
和食塩水(各20ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(232mg)を得た。
これをシリカゲル(10g)のカラムクロマトグラフィ
ーに付し、0.5%ジエチルアミンを含むアセトン:ヘ
キサン(15:85)で溶出される画分を集めて濃縮乾
固した。これにジエチルエーテルを加え、析出物をジイ
ソプロピルエーテルで洗浄して、標記化合物35の粉末
(94mg)を得た。 元素分析値 C18H22N2O として 計算値、C, 76.56; H, 7.85; N, 9.92 実測値、C, 76.06; H, 7.98; N, 9.701 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):0.
95 (3H, d, J= 6.5 Hz),1.23 (3H, d, J= 6.7 Hz), 1.3
7 (3H, s), 2.38 (1H, d, J= 11.2 Hz), 2.62 (1H, dd
d, J= 15.7, 12.6, 1.7 Hz), 2.84 (1H, dd, J= 11.2,
1.2 Hz), 3.15 (1H, br), 3.57 (2H, m), 3.61 (1H, qu
int, J= 6.6 Hz), 6.40 (1H, brs), 6.91(1H, t, J= 1.
7 Hz), 7.16 (2H, m), 7.21 (1H, m), 7.92 (1H, brs).
【0111】実施例36 (5R,8S)−6−シクロプロピルメチル−9,10
−ジデヒドロ−8−メチル−8−エルゴリノール(化合
物36)の製造 実施例29で得られた化合物29の粗粉末(224m
g、純度50%)をアセトニトリル(3.5ml)およ
びDMF(1.0ml)に溶解し、トリエチルアミン
(0.34ml)、炭酸カリウム(129mg)および
ブロモメチルシクロプロパン(0.19ml)を加え、
60℃で12時間撹拌した。反応液を濃縮乾固し、残渣
に酢酸エチル(20ml)および2%(w/v)炭酸水素ナ
トリウム水溶液(15ml)を加えて混和した。有機層
を水および飽和食塩水(各20ml)で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(248m
g)を得た。これをシリカゲル(10g)のカラムクロ
マトグラフィーに付し、0.5%ジエチルアミンを含む
アセトン:ヘキサン(15:85)で溶出される画分を
集めて濃縮乾固した。これにジイソプロピルエーテルを
加え、析出物をジイソプロピルエーテルで洗浄して、標
記化合物36の粉末(123mg)を得た。 元素分析値 C19H22N2O として 計算値、C, 77.52; H, 7.53; N, 9.52 実測値、C, 77.22; H, 7.44; N, 9.411 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):0.
19 (2H, m), 0.53 (1H,dd, J= 9.7, 8.2 Hz), 0.57 (1
H, dd, J= 9.7, 8.2 Hz), 0.98 (1H, m), 1.37 (3H,
s), 2.66 (1H, ddd, J= 13.6, 10.2, 1.6 Hz), 2.67 (1
H, d, J= 11.3 Hz),2.69 (1H, dd, J= 13.7, 6.3 Hz),
2.83 (1H, dd, J= 13.7, 6.4 Hz), 3.09 (1H, dd, J= 1
1.3, 1.4 Hz), 3.12 (1H, br), 3.50 (1H, ddd, J= 10.
2, 5.6, 1.8Hz), 3.56 (1H, dd, J= 13.6, 5.6 Hz), 6.
41 (1H, brs), 6.91 (1H, t, J= 1.9 Hz), 7.16 (2H,
m), 7.21 (1H, m), 7.91 (1H, brs).
【0112】実施例37 (5R,8S)−9,10−ジデヒドロ−6−(2,2
−ジエトキシエチル)−8−メチル−8−エルゴリノー
ル(化合物37の製造) 実施例29で得られた化合物29の粗粉末(214m
g、純度50%)をアセトニトリル(3.3ml)およ
びDMF(1.0ml)に溶解し、トリエチルアミン
(0.31ml)、炭酸カリウム(124mg)および
臭化2,2−ジエトキシエチル(0.28ml)を加
え、60℃で43時間、さらに80℃で22時間撹拌し
た。反応液を濃縮乾固し、残渣に酢酸エチル(20m
l)を加え、水および飽和食塩水(各15ml)で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末
(230mg)を得た。これをシリカゲル(10g)の
カラムクロマトグラフィーに付し、0.5%ジエチルア
ミンを含むアセトン:ヘキサン(15:85)で溶出さ
れる画分を集めて濃縮乾固した。これにジイソプロピル
エーテル−ヘキサンを加え、析出物をヘキサンで洗浄し
て、標記化合物37の粉末(72mg)を得た。 元素分析 C21H28N2O3 として 計算値、C, 70.76; H, 7.92; N, 7.86 実測値、C, 70.57; H, 7.69; N, 7.721 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
23 (3H, t, J= 7.1 Hz),1.25 (3H, t, J= 7.0 Hz), 1.3
6 (3H, s), 2.68 (1H, ddd, J= 14.2, 11.2, 1.6 Hz),
2.74 (1H, d, J= 11.3 Hz), 2.83 (1H, dd, J= 14.2,
5.1 Hz), 2.99 (1H, dd, J= 11.3, 1.2 Hz), 3.05 (1H,
br), 3.11 (1H, dd, J= 14.2, 5.5 Hz),3.47 (1H, dd
d, J= 11.2, 5.4, 1.7 Hz), 3.59 (1H, dd, J= 14.2,
5.4 Hz), 3.59 (1H, dq, J= 9.3, 7.1 Hz), 3.63 (1H,
dq, J= 9.3, 7.0 Hz), 3.74 (1H, dq, J= 9.3, 7.0 H
z), 3.76 (1H, dq, J= 9.3, 7.1 Hz), 4.71 (1H, t, J=
5.2 Hz), 6.38 (1H, brs), 6.91 (1H, t, J= 1.8 Hz),
7.16 (2H, m), 7.21 (1H, m),7.92 (1H, brs).
【0113】実施例38 (5R,8S)−9,10−ジデヒドロ−8−メチル−
6−テトラヒドロフルフリル−8−エルゴリノール(化
合物38の製造) 実施例29で得られた化合物29の粗粉末(220m
g、純度50%)をアセトニトリル(3.4ml)およ
びDMF(1.0ml)に溶解し、トリエチルアミン
(0.32ml)、炭酸カリウム(127mg)および
臭化テトラヒドロフルフリル(0.21ml)を加え、
60℃で23時間、さらに80℃で94時間撹拌した。
反応液を濃縮乾固し、残渣に酢酸エチル(20ml)を
加え、水および飽和食塩水(各15ml)で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(24
8mg)を得た。これをシリカゲル(10g)のカラム
クロマトグラフィーに付し、0.5%ジエチルアミンを
含むアセトン:ヘキサン(20:80)で溶出される画
分を集めて濃縮乾固した。これにジイソプロピルエーテ
ル−ヘキサンを加え、析出物をヘキサンで洗浄して、標
記化合物38の粉末(70mg、2種異性体混合物)を
得た。 元素分析 C20H24N2O2 として 計算値、C, 74.05; H, 7.46; N, 8.63 実測値、C, 73.74; H, 7.38; N, 8.381 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):1.
36/1.36 (3H, s), 1.65(1H, m), 1.91 (2H, m), 2.06
(1H, m), 2.63/2.73 (1H, d, J= 11.4 Hz), 2.66/2.70
(1H, m), 2.74 (1/2H, dd, J= 14.1, 4.3 Hz), 2.77 (1
/2H, dd, J= 13.3, 3.9 Hz), 2.99 (1/2H, dd, J= 13.
3, 6.1 Hz), 2.99/3.03 (1H, dd, J= 11.4,1.2 Hz), 3.
00 (1H, br), 3.05 (1/2H, dd, J= 14.1, 7.1 Hz), 3.4
4 (1H, m),3.50 (1/2H, dd, J= 14.1, 5.6 Hz), 3.58
(1/2H, dd, J= 14.3, 5.5 Hz), 3.77 (1H, m), 3.91 (1
H, m), 4.13 (1H, m), 6.38 (1H, brs), 6.90/6.90 (1
H, t,J= 1.8 Hz), 7.16 (2H, m), 7.20 (1H, m), 7.92
(1H, brs).
【0114】実施例39 (5R,8S)−9,10−ジデヒドロ−6−イソブチ
ル−8−メチル−8−エルゴリノール(化合物39の製
造) 実施例29で得られた化合物29の粉末(107mg)
をアセトニトリル(2.5ml)およびDMF(1.0m
l)に溶解し、炭酸カリウム(247mg)および臭化
イソブチル(0.10ml)を加え、80℃で48時間
撹拌した。さらに反応液に臭化イソブチル(0.05m
l)を加え、70℃で24時間撹拌した。反応液を濃縮
乾固し、残渣に酢酸エチル(20ml)を加え、水およ
び飽和食塩水(各15ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、濃縮乾固して粗粉末(150mg)を得
た。これをシリカゲル(10g)のカラムクロマトグラ
フィーに付し、0.5%ジエチルアミンを含むアセト
ン:ヘキサン(15:85)で溶出される画分を集めて
濃縮乾固した。これにジイソプロピルエーテル−ヘキサ
ンを加え、析出物をヘキサンで洗浄して、標記化合物3
9の粉末(50mg)を得た。 元素分析 C19H24N2O・0.3 H2O として 計算値、C, 76.12; H, 8.27; N, 9.34 実測値、C, 76.18; H, 8.19; N, 9.201 H NMR(δppm、重クロロホルム中、300 MHz):0.
96 (3H, d, J= 6.6 Hz),1.03 (3H, d, J= 6.5 Hz), 1.3
6 (3H, s), 1.92 (1H, m), 2.24 (1H, dd, J= 12.8, 4.
6 Hz), 2.45 (1H, d, J= 11.2 Hz), 2.65 (1H, ddd, J=
14.7, 11.3, 1.8 Hz), 2.67 (1H, dd, J= 12.8, 9.7 H
z), 2.91 (1H, dd, J= 11.2, 1.2 Hz), 2.97 (1H, br
s), 3.26 (1H, ddd, J= 11.3, 5.4, 1.7 Hz), 3.52 (1
H, dd, J= 14.7, 5.4 Hz), 6.39 (1H, brs), 6.90 (1H,
t, J= 1.7 Hz), 7.16 (2H, m), 7.21(1H, m), 7.89 (1
H, brs).
【0115】上記実施例4から39で得られた化合物を
表1に示す。
【表1】
【化24】 化合物番号 実施例番号 X 2 Y 2 Z 2 4* 4 H メチル H 5* 5 H メチル メチル 6* 6 H メチル エチル 7* 7 H メチル n-フ゜ロヒ゜ル 8A* 8 H メチル アリル 9* 9 H メチル ヘ゛ンシ゛ル 10* 10 メチル メチル H 11* 11 メチル メチル メチル 12* 12 エチル メチル H 13* 13 アリル メチル H 14* 14 n-ヘキシル メチル H 15* 15 イソフ゜ロヒ゜ル メチル H 16 16 ヘ゛ンシ゛ル メチル H 17 17 エチル メチル H 18 18 CH2CONH2 メチル H 19 19 CH2CO2H メチル H 20 20 n-フ゜ロヒ゜ル メチル H 21 21 CH2OCH3 メチル H 22A 22 CH2OCH2CH2OCH3 メチル H 23 23 n-フ゛チル メチル H 24 24 CF=CHI メチル H 25 25 CH2CO2But メチル H 26 26 n-ヘ゜ンチル メチル H 27 27 2-ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ル メチル H 29 29 H H H 30 30 H エチル H 31 31 H n-フ゜ロヒ゜ル H 32 32 H CN H 33 33 H n-フ゛チル H 34 34 H アリル H 35 35 H イソフ゜ロヒ゜ル H 36 36 H シクロフ゜ロヒ゜ルメチル H 37 37 H 2,2-シ゛エトキシエチル H 38 38 H テトラヒト゛ロフルフリル H 39 39 H イソフ゛チル H *;ラセミ体を示す
【0116】マウスサブスタンスP脊髄クモ膜下腔内投
与法(SP-i.t. 法)、マウスホルマリン法、ラット熱板
法、マウス酢酸ライシング法を用い参考例及び実施例で
製造した化合物の鎮痛効果を測定した。マウスサブスタ
ンスP脊髄クモ膜下腔内投与法(SP-i.t. 法)、マウス
ホルマリン法、マウス酢酸ライシング法における鎮痛効
果は50%抑制用量(ID50)で表した。ID50の算出
は対照群の平均反応回数(時間)に対する抑制率を各個
体について求め、その用量反応曲線の一次回帰直線より
ID50とその95%信頼限界を求めた。ID50値が低い
ほど鎮痛効果が高いことを意味する。ラット熱板法にお
ける鎮痛効果は最小有効用量(Minimum Effective Dos
e; MED)で表した。MEDの有意差検定には Dunnett's te
st を用いた。MED が低いほど鎮痛効果が高いことを意
味する。
【0117】実験例1 マウスサブスタンスP脊髄クモ
膜下腔内投与法(SP-i.t. 法)による鎮痛作用試験 〔測定法〕生後5週令、雄性Slc:ICRマウス(1
群6〜10匹)を使用した。薬物の脊髄クモ膜下腔内投
与は Hyden, Wilcox らによる、ヨーロピアン・ジャー
ナル・オブ・ファーマコロジー(European Journal of
Pharmacology)、第67巻、313頁(1980年)に
記載の方法に準じて行った。サブスタンスPの2N塩酸
0.25%を含む生理食塩水溶液(2.0 mg/liter)の
5μlを脊髄クモ膜下腔内投与し、認められる行動(下
腹部を左右交互に噛むもしくは嘗める)の回数をサブス
タンスP投与後1分間計測し、これを疼痛反応の指標と
した。化合物3A、4をサブスタンスPとの混合溶液と
して同時に脊髄クモ膜下腔内投与した〔T.Doi ら、ヨー
ロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Euro
pean Journal of Pharmacology)、第137巻、227
頁(1987年)〕。 〔結果〕化合物3A、4のマウスサブスタンスP脊髄ク
モ膜下腔内投与法(SP-i.t. 法)によるID50(μg/mo
use)値を表2に示す。
【表2】
【0118】実験例2 マウスホルマリン法による鎮痛
作用試験 〔測定法〕生後5週令、雄性Slc:ICRマウス(1
群10匹)を使用した。化合物3A、4、17、A及び
モルヒネ(対照化合物)を経口投与し、30分後に0.
5%ホルマリン水溶液10μlをマウス片側後肢足蹠に
皮下投与した。この直後より5分間にわたり、注射した
足を噛むもしくは嘗める行動が認められる時間を計測
し、これを疼痛反応の指標とした。 〔結果〕化合物3A、4、17、A及びモルヒネのマウ
スホルマリン法によるID50(mg/kg)値を表3に示
す。
【表3】
【0119】実験例3 ラット熱板法による鎮痛作用試
験 〔測定法〕生後5週令、雄性Jcl:Wistarラッ
ト(1群6匹)を使用した。化合物4、A及びモルヒネ
(対照化合物)を皮下投与または経口投与し、その30
分後にラットを直径15cm、高さ20cmのガラス製
円筒内の50℃に保った銅板上に置き、認められる後肢
を嘗めるもしくは飛び上がる反応の反応潜時を計測し
た。ただし、反応潜時が60秒以上の場合は60秒とし
た(cut off time; 60秒)。 〔結果〕化合物4、A及びモルヒネ(対照化合物)のラ
ット熱板法によるMED(mg/kg)値を表4に示す。
【表4】
【0120】実験例4 マウス酢酸ライシング法による
鎮痛作用試験 測定法 生後4週令、雄性Slc:ICRマウス(1群10匹)
を使用した。化合物4、17及びAを経口投与し、投与
30分後に0.6%酢酸水溶液0.1ml/10g体重
を腹腔内投与した。これより20分間にわたり酢酸刺激
により、マウスが背中を弓なりにして伸びをする動作
〔ライシング(writhing)〕の回数を計測し、これを疼
痛反応の指標とした〔E. Siegmundら、プロシーディン
グ・オブ・ザ・ソサエティ・フォア・エクスペリメンタ
ル・バイオロジー・アンド・メディシン(Proceedings
of the Society for Experimental Biology and Medici
ne)、第95巻、729頁〕。 〔結果〕化合物4、17及びAのマウス酢酸ライシング
法によるID50(mg/kg)値を表5に示す。
【表5】
【0121】実験例5 毒性試験 化合物4はマウスを用いた急性毒性試験において、腹腔
内及び経口投与で200mg/kgで死亡例を認めなか
った。本発明の化合物は優れた鎮痛効果を有し、毒性も
低く、慢性リウマチ、神経痛、骨粗鬆症、末期癌などの
患者にとって鎮痛剤として有用である。
【0122】製剤例1 実施例4で得られた化合物4を用いて、下記に示す処方
の全成分を混和し、ゼラチンカプセルに充填し、カプセ
ル1個当たり、30mgの化合物4を含有するカプセル
剤を製造した。 化合物4 30mg 乳糖 100mg コーンスターチ 40mgステアリン酸マグネシウム 10mg 合計 180mg
【0123】製剤例2 実施例4で得られた化合物4、乳糖、コーンスターチ
(下記に示す量の半分)及びヒドロキシプロピルセルロ
ースを混合し、これに水を加えて練合・造粒した。次い
で真空乾燥後、これとステアリン酸マグネシウム及びコ
ーンスターチ(下記に示す量の半分)の混合物とを混合
した。得られた混合物を圧縮成型し、下記に示す処方の
錠剤を製造した。 化合物4 60 mg 乳糖 68.4mg コーンスターチ 65 mg ヒドロキシプロピルセルロース 6 mgステアリン酸マグネシウム 0.6mg 合 計 200.0mg
【0124】製剤例3 実施例4で得られた化合物4を30%(w/v)ポリエチ
レングリコール400を含む生理食塩水に溶解して化合
物2の0.05%溶液を調製し、滅菌瀘過して、バイア
ルに30mlずつ分注した。バイアル1個当たり、15
mgの化合物4を含有する静注剤を製造した。 製剤例4 実施例4で得られた化合物4の濃度がミグリオール81
2〔MIGLYOL812、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリ
ド、ヒルス社(HULS AKTIENGESELLSCHAFT)、ドイツ〕
に対して10mg/ml(1% w/v)となるように溶解
させ、均一な溶液を調製した。この溶液20mlを窒素
置換したバイアルに封入して、化合物4を含有する製剤
を得た。
【0125】製剤例5 参考例2で得られた化合物Aを用いて、下記に示す処方
の全成分を混和し、ゼラチンカプセルに充填し、カプセ
ル1個当たり、30mgの化合物Aを含有するカプセル
剤を製造した。 化合物A 30mg 乳糖 110mg コーンスターチ 30mgステアリン酸マグネシウム 10mg 合計 180mg 製剤例6 参考例2で得られた化合物A、乳糖、コーンスターチ
(下記に示す量の半分)及びヒドロキシプロピルセルロ
ースを混合し、これに水を加えて練合・造粒した。次い
で真空乾燥後、これとステアリン酸マグネシウム及びコ
ーンスターチ(下記に示す量の半分)の混合物とを混合
した。得られた混合物を圧縮成型し、下記に示す処方の
錠剤を製造した。 化合物A 60 mg 乳糖 68.4mg コーンスターチ 65 mg ヒドロキシプロピルセルロース 6 mgステアリン酸マグネシウム 0.6mg 合 計 200.0mg
【0126】製剤例7 参考例2で得られた化合物Aを30%(w/v)ポリエチ
レングリコール400を含む生理食塩水に溶解して化合
物Aの0.05%溶液を調製し、滅菌瀘過して、バイア
ルに30mlずつ分注した。バイアル1個当たり、15
mgの化合物Aを含有する静注剤を製造した。 製剤例8 参考例2で得られた化合物Aの濃度がミグリオール81
2〔MIGLYOL812、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリ
ド、ヒルス社(HULS AKTIENGESELLSCHAFT)、ドイツ〕
に対して10mg/ml(1% w/v)となるように溶解
させ、均一な溶液を調製した。この溶液20mlを窒素
置換したバイアルに封入して、化合物Aを含有する製剤
を得た。
【0127】
【発明の効果】本発明の化合物(I)またはその塩は、
優れた鎮痛効果を有し、慢性リウマチ、神経痛、骨粗鬆
症、末期癌などの患者にとって鎮痛剤として安全に利用
できる。

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 〔式中、R1及びR2は水素原子または置換基を有してい
    てもよい炭化水素基を、R3は低級アルキル基をそれぞ
    れ示し、環A及び環Bは置換されていてもよく、環Dは
    8、9位または9、10位のいずれかで二重結合を形成
    し、置換されていてもよい水酸基で置換され、さらにオ
    キソ基で置換されていてもよい〕で表される化合物また
    はその塩を含有してなる鎮痛剤。
  2. 【請求項2】炭化水素基が炭素数1から10のアルキル
    基である請求項1記載の鎮痛剤。
  3. 【請求項3】置換された水酸基が炭素数1から7の炭化
    水素基で置換された水酸基である請求項1記載の鎮痛
    剤。
  4. 【請求項4】置換された水酸基が低級アルキル基で置換
    された水酸基である請求項1記載の鎮痛剤。
  5. 【請求項5】環Dが8、9位で二重結合を形成し、さら
    に10位に水酸基を有する請求項1記載の鎮痛剤。
  6. 【請求項6】環Dが9、10位で二重結合を形成し、さ
    らに8位に置換されていてもよい水酸基を有する請求項
    1記載の鎮痛剤。
  7. 【請求項7】環Dが9、10位で二重結合を形成し、さ
    らに8位に炭素数1から7の炭化水素基で置換されてい
    てもよい水酸基を有する請求項1記載の鎮痛剤。
  8. 【請求項8】経口投与用である請求項1記載の鎮痛剤。
  9. 【請求項9】一般式 【化2】 〔式中、R4及びR5は水素原子または置換基を有してい
    てもよい炭化水素基を、R6は低級アルキル基をそれぞ
    れ示し、環A及び環Bは置換されていてもよく、環Dは
    8、9位または9、10位のいずれかで二重結合を形成
    し、置換されていてもよい水酸基で置換され、さらにオ
    キソ基で置換されていてもよく、環Dが9、10位で二
    重結合を形成する場合は、8位に炭素数2以上の炭化水
    素オキシ基を有し、環Dが8、9位で二重結合を形成す
    る場合は、10位に置換されていてもよい水酸基を有
    し、R4が水素原子、R5及びR6がメチル基の時、10
    位の水酸基及び5位の水素原子は同一の方向性を示す〕
    で表される化合物またはその塩。
  10. 【請求項10】炭化水素基が炭素数1から10のアルキ
    ル基である請求項9記載の化合物。
  11. 【請求項11】炭素数2以上の炭化水素オキシ基が炭素
    数2から6のアルコキシ基である請求項9記載の化合
    物。
  12. 【請求項12】置換された水酸基が炭素数1から7の炭
    化水素基で置換された水酸基である請求項9記載の化合
    物。
  13. 【請求項13】置換された水酸基が低級アルコキシ基で
    ある請求項9記載の化合物。
  14. 【請求項14】環Dが9、10位で二重結合を形成し、
    さらに8位に炭素数2から6のアルコキシ基を有する請
    求項9記載の化合物。
  15. 【請求項15】環Dが9、10位で二重結合を形成し、
    さらに8位に炭素数2から6のアルケニルオキシ基を有
    する請求項9記載の化合物。
  16. 【請求項16】環Dが9、10位で二重結合を形成し、
    さらに8位に炭素数7から13のアラルキルオキシ基を
    有する請求項9記載の化合物。
  17. 【請求項17】(5R,10R)及び(5S,10S)
    −8,9−ジデヒドロ−6,8−ジメチル−10−エル
    ゴリノールである請求項9記載の化合物。
  18. 【請求項18】(5R,8S)−9,10−ジデヒドロ
    −6,8−ジメチル−1−エチル−8−エルゴリノール
    である請求項9記載の化合物。
  19. 【請求項19】(5R,8S)−9,10−ジデヒドロ
    −6,8−ジメチル−1−プロピル−8−エルゴリノー
    ルである請求項9記載の化合物。
  20. 【請求項20】(5R,8S)−9,10−ジデヒドロ
    −6,8−ジメチル−1−メトキシメチル−8−エルゴ
    リノールである請求項9記載の化合物。
  21. 【請求項21】(5R,8S)−1−ブチル−9,10
    −ジデヒドロ−6,8−ジメチル−8−エルゴリノール
    である請求項9記載の化合物。
  22. 【請求項22】(5R,8S)−9,10−ジデヒドロ
    −6,8−ジメチル−1−(2−ヒドロキシプロピル)
    −8−エルゴリノールである請求項9記載の化合物。
  23. 【請求項23】(5R,8S)−9,10−ジデヒドロ
    −6−エチル−8−メチル−8−エルゴリノールである
    請求項9記載の化合物。
  24. 【請求項24】(5R,8S)−9,10−ジデヒドロ
    −8−メチル−6−プロピル−8−エルゴリノールであ
    る請求項9記載の化合物。
  25. 【請求項25】(5R,8S)−6−シクロプロピルメ
    チル−9,10−ジデヒドロ−8−メチル−8−エルゴ
    リノールである請求項9記載の化合物。
  26. 【請求項26】痛みの寛かいに用いられる請求項1記載
    の鎮痛剤。
  27. 【請求項27】一般式 【化3】 〔式中、R7及びR8は水素原子または置換基を有してい
    てもよい炭化水素基を、R9は低級アルキル基をそれぞ
    れ示し、環A及び環Bは置換されていてもよい〕で表さ
    れる化合物、またはその塩を分子内アミド化反応に付
    し、ついで形成するアミド基を還元反応に付し、必要に
    応じて水酸基転位反応または/及びエーテル化反応に付
    すことを特徴とする一般式〔I〕で表される化合物また
    はその塩の製造法。
  28. 【請求項28】一般式 【化4】 〔式中、R10は置換基を有していてもよい炭化水素基
    を、R11は低級アルキル基を、Xは水素原子または炭化
    水素基をそれぞれ示し、環A及び環Bは置換されていて
    もよい〕で表される化合物またはその塩をN-置換反応
    に付すことを特徴とする一般式〔I〕で表される化合物
    またはその塩の製造法。
  29. 【請求項29】一般式 【化5】 〔式中、R12は水素原子または置換基を有していてもよ
    い炭化水素基を、R13は水素原子または置換基を有して
    いてもよい炭化水素基を、R14は低級アルキル基をそれ
    ぞれ示し、R13およびR14がメチル基のとき、R12は置
    換基を有していてもよい炭化水素基を示す〕で表される
    化合物またはその塩を酸化反応に付すことを特徴とする
    一般式〔I〕で表される化合物またはその塩の製造法。
  30. 【請求項30】請求項9記載の化合物を含有してなる医
    薬組成物。
  31. 【請求項31】鎮痛医薬組成物である請求項30記載の
    医薬組成物。
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