JPH08207737A - 車輪ブレ−キ圧制御装置 - Google Patents

車輪ブレ−キ圧制御装置

Info

Publication number
JPH08207737A
JPH08207737A JP7130196A JP13019695A JPH08207737A JP H08207737 A JPH08207737 A JP H08207737A JP 7130196 A JP7130196 A JP 7130196A JP 13019695 A JP13019695 A JP 13019695A JP H08207737 A JPH08207737 A JP H08207737A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
wheel
control
brake
wheel brake
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7130196A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2822311B2 (ja
Inventor
Kenji Toutsu
津 憲 司 十
Norio Yamazaki
崎 憲 雄 山
Jun Mihara
原 純 三
Takayuki Ito
藤 孝 之 伊
Yoshiharu Nishizawa
沢 義 治 西
Seiichi Kojima
島 誠 一 小
Hiroshi Kuromitsu
満 廣 黒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP7130196A priority Critical patent/JP2822311B2/ja
Priority to DE69529725T priority patent/DE69529725T2/de
Priority to EP95118532A priority patent/EP0714821B1/en
Priority to US08/562,809 priority patent/US5711585A/en
Publication of JPH08207737A publication Critical patent/JPH08207737A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2822311B2 publication Critical patent/JP2822311B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペダルブレ−キとは別のポンプの不必要な駆
動を低減。車輪ブレ−キ増圧立上りは速くする。又、B
−STR制御への移行をスム−ズにする。 【構成】 バキュ−ムブ−スタを使用したペダル操作対
応の第1圧力とモ−タ駆動ポンプによる第2圧力の一方
を車輪ブレ−キに供給する手段(63,64,31,33,35,37);
ならびに、車体ドリフト量及び車体スピン量に基づいて
車両旋回が過不足領域にあると車輪ブレ−キに第2圧力
を供給する手段(11,13,19a〜19m);を備える装置におい
て、過不足領域より広い参照領域に車両旋回があるかを
判定する手段(11;図28の901〜903);参照領域にあると
ポンプを駆動する手段(11,13,19a,24);参照領域にある
と車輪ブレ−キの増圧が必要となる可能性が高い車輪ブ
レ−キと摩擦係数μ対応の目標スリップ率を決定する手
段(11);および、該車輪ブレ−キのスリップ率サ−ボ制
御を行う手段(11);を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪ブレ−キに与える
ブレ−キ液圧を制御する装置に関し、特に、これに限定
する意図ではないが、転舵,加減速,路面の傾斜,凹凸
等車両の運転状態あるいは走行状態に応じて、それらが
あっても走行安定性および操舵性を確保するための前後
左右車輪ブレ−キの制動力配分を算出しその配分に従っ
て各車輪ブレ−キ圧を個別に増,減する制動力配分制
御、に好適な車輪ブレ−キ圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車輪ブレ−キには通常、ドライバが操作
するブレ−キペダルの押込み圧に対応するブレ−キ圧
(第1圧力)が、ブレ−キマスタシリンダから与えられ
る。複数個の車輪の回転速度から車体の移動速度(基準
速度)を推定演算し、基準速度と車輪の回転速度から車
輪のスリップ率あるいは路面の摩擦係数μを算出もしく
は推定し、車体が移動しているにもかかわらず車輪回転
が完全停止(車輪ロック)するのを回避するように車輪
ブレ−キ圧を減圧し、その後制動距離が可及的に短くな
るように増圧し、更に必要に応じて減,増圧を繰返すア
ンチスキッド制御(ABS制御)のために、車輪ブレ−
キ圧を減,増圧するための増減圧弁ならびに増減圧弁に
第1圧力よりも高い圧力(第2圧力)を第1圧力ライン
に与える、流体ポンプおよびそれを駆動する電気モ−タ
でなる圧力源が備えられ、ABS制御を実行する電子制
御装置が、車輪ブレ−キ圧の変更(自動介入)が必要と
判定すると、前記圧力源より第2圧力を増減圧弁に与
え、そして増減圧弁を使用して車輪ブレ−キを低圧(ド
レイン圧)と第2圧力に選択的に切換える。低圧供給に
より車輪ブレ−キ圧は低下し第2圧力供給により車輪ブ
レ−キ圧が上昇する。この種のABS制御の1つが、特
開平2−38175号公報に提示されている。
【0003】最近は、車両制動時の車輪のスリップ率お
よび制動距離に視点を置いて車輪ブレ−キ圧を制御する
ばかりでなく、車両の運転状態および走行状態ならびに
車両上の荷重分布に応じた、制動中の車両の方向安定性
を確保するための前後左右車輪ブレ−キの制動力配分を
電子制御装置で算出し、この配分を満すように、増減圧
弁を使用して車輪ブレ−キ圧を調整する制動力配分制御
が提案されている。本発明者等は、例えば、特開平5−
85327号公報,特開平5−85340号公報および
特開平5−85336号公報において提示した。
【0004】また、特表平3−500868号公報(特
許出願公表番号)には、車両の横すべり角を検出し、横
すべりがあるときには前輪ブレ−キを増圧して前輪を高
スリップ(例えば車輪ロック)とする提案が開示されて
いる。また、特開平5−221300号公報には、横す
べり角速度Dβを、 Dβ=Gy/Vso−γ Gy:横加速度, Vso:推定車体速度 γ :ヨ−レ−ト で算出して、横すべり角速度Dβの絶対値が所定値以上
であると、角速度Dβの極性に応じて、正のとき後左車
輪ブレ−キ圧を増圧し、負のときには後右車輪ブレ−キ
圧を増圧して、過大なヨ−イングを抑制するブレ−キ圧
制御が開示されている。また、横すべり角速度Dβを積
分して横すべり角βを算出し、横すべり角βをパラメ−
タとして過大なヨ−イングを制御するとの提案もある。
これらの従来例は、意図しない旋回又は過旋回を抑制し
ようとするものである。
【0005】一方、特開平3−42360号公報には、
転舵中の車体の旋回不足(アンダ−ステア)を補うため
に、操舵量に対応するタイヤグリップ限界車速を算出
し、車体速度がこの限界車速を越えると車輪ブレ−キを
増圧する提案がある。具体的には、操舵量と車体速度の
組合せが、予め定められたスリップ域にあるかを判定
し、スリップ域にあると車輪ブレ−キ圧を増圧する。こ
れらの制御は、ハイドロブ−スタを使用した例である
が、これより安価なシステムでバキュ−ムブ−スタを使
用する場合もある。
【0006】上述の、過旋回又は旋回不足を抑制又は補
償するための車輪ブレ−キの増圧は、ドライバ(運転
者)によりブレ−キペダルが踏込まれていないときにも
行なうので、バキュームブースタを使用した場合もフッ
トペダルブレ−キ装置に加えて、ブレ−キ液ポンプ装置
が備えられていることにより、ポンプ圧を発生させるこ
とができる。フットペダルブレ−キ装置の吐出圧ライン
(第1圧力)およびポンプ圧(第2圧力)と各車輪ブレ
−キの間には、ブレ−キマスタシリンダカット弁とリザ
−バ吸込弁が介挿され、これらが第1圧力と第2圧力の
一方を選択的に供給するが、車輪ブレ−キの個別増圧用
の電磁開閉弁が電磁切換弁と車輪ブレ−キの間に介挿さ
れ、かつ、車輪ブレ−キの個別減圧用の電磁開閉弁が車
輪ブレ−キに接続されており、車輪ブレ−キは、ブレ−
キペダルが踏込まれていないときにも、個別に増圧又は
減圧を行なうことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ブレ−キペダルを踏込
んでいないときの、過旋回又は旋回不足を抑制又は補償
するための車輪ブレ−キの増圧のために、ブレ−キ液ポ
ンプ装置は、車上エンジンの始動直後に常時駆動してお
く必要がある。これは、上述の増圧が必要となる必然性
はないので、結果的に不必要なエンジン動力の消費をも
たらすことになる。これを避けるため、立上り特性が速
いブレ−キ液ポンプ装置を使用する提案もあるが、増圧
が必要となってからの始動では、増圧の遅れが避けられ
ない。
【0008】本発明は、フットペダルブレ−キ装置とは
別に備えられるブレ−キ液ポンプ装置の不必要な駆動を
可及的に低減し、しかも上述の増圧の立上り遅れは回避
することを目的とする。又、B−STR制御への移動を
スム−ズにする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ブレ−キ倍力
装置にバキュ−ムブ−スタを使用しドライバの操作によ
り操作力対応の第1圧力を発生する第1ブレ−キ圧源
(3,2,5);モ−タ駆動されるポンプによる第2圧力を発
生する第2ブレ−キ圧源(21);第1圧力と第2圧力の一
方を選択的に車輪ブレ−キに供給するブレ−キ圧操作手
段(63,64,65,66,31,33,35,37);ならびに、車体ドリフ
ト量及び車体スピン量を推定し、その推定値に基づいて
車両旋回が過不足領域(図9,10)にあるかを判定し過不足
領域にあると車輪ブレ−キ圧を増圧する車輪ブレ−キを
決定する情報処理手段(11);および、該決定された車輪
ブレ−キに、前記ブレ−キ圧操作手段を介して第2圧力
を供給する出力手段(11,13,19a〜19o);を備える車輪ブ
レ−キ圧制御装置において、前記過不足領域より広い参
照領域(図21)に車両旋回があるかを判定する判定処理手
段(11;図21の901〜903);参照領域にあると第2圧力を
発生するために第2ブレ−キ圧源を駆動する圧力源駆動
手段(11,13,19a,24);参照領域にあると車輪ブレ−キの
増圧が必要となる可能性が高い車輪ブレ−キを決定する
(図21)情報処理手段(11);および、決定した車輪ブレ−
キと第2ブレーキ圧源とを連通し且つその車輪ブレーキ
のスリップ率サ−ボ制御(図22,図23の734C,図24,図25の
746F)を行うブレ−キ圧制御手段(11);を備えることを
第1の特徴とし、走行路面の摩擦係数(μ)を推定する
(図7の202)摩擦係数演算手段(11);前記過不足領域より
広い参照領域(図21)に車両旋回があるかを判定する判定
処理手段(11;図21の901〜903);参照領域にあると第2
圧力を発生するために第2ブレ−キ圧源を駆動する圧力
源駆動手段(11,13,19a,24);参照領域にあると車輪ブレ
−キの増圧が必要となる可能性が高い車輪ブレ−キを決
定し、前記摩擦係数(μ)に予め定められているスリップ
率(図22の909Aのf(μ))をスタンバイ目標スリップ率(S
oPBSTRi)に定める情報処理手段(11);および、決定した
車輪ブレ−キと第2ブレーキ圧源とを連通し且つその車
輪ブレーキの車輪スリップ率をスタンバイ目標スリップ
率とするために増圧する(図22,図23の734C,図24,図25の
746A〜746D,746G)ブレ−キ圧制御手段(11);を備えるこ
とを第2の特徴とする。
【0010】本発明の好ましい実施例では、車輪ブレ−
キのスリップ率偏差(Esoi)が設定値(Ks)以上かつ上記第
2の特徴による増圧の時間(Ti)が設定値(Tpi)以下の間
は第2の特徴による先行増圧を行ない(図25の746A〜746
D,746G)、スリップ率偏差(Esoi)が設定値(Ks)未満のと
きならびに増圧の時間(Ti)が設定値(Tpi)を越えた後
は、上記第1の特徴によるスリップ率サ−ボ制御(図22,
図23の734C,図24,図25の746F)を行なう。また、第2の
特徴にて参照するスタンバイ目標スリップ率(SoPBSTRi)
は、推定した摩擦係数(μ)に実質上比例しかつ、路面摩
擦係数が最高値のときの車輪スリップ率(Somax)の1/
Kpb、Kpb=5〜20、を最高値(最高値の路面摩擦係
数に対して定める値)とするものとする。
【0011】なお、カッコ内には、理解を容易にするた
めに、図面に示す実施例の対応要素又は対応事項に付し
た記号を、参考までに示した。
【0012】
【作用および効果】本発明の第1の特徴によれば、情報
処理手段(11)が、車両旋回が過不足領域にあると判定し
て車輪ブレ−キ圧の増圧を決定する前に、車両旋回が過
不足領域より広い参照領域に入るので、判定処理手段が
これを認識し、圧力源駆動手段(11,13,19a,24)が第2ブ
レ−キ圧源(21)を駆動し、増圧が必要となる可能性が高
い車輪ブレ−キと第2ブレーキ圧源とを連通し且つその
車輪ブレーキのスリップ率サ−ボ制御を行う。すなわ
ち、増圧が必要となる前の、増圧が必要となる可能性が
高い時点に、第2ブレ−キ圧源(21)が駆動され増圧が必
要となる可能性が高い車輪ブレ−キと第2ブレ−キ圧源
とを連通しておく。これにより、情報処理手段(11)が車
輪ブレ−キ圧の増圧を決定したときには、第2ブレ−キ
圧源(21)はすでに圧力を発生しており、増圧の立上り遅
れを生じない。増圧が必要となる可能性が低い時点から
第2ブレ−キ圧源(21)が駆動されることがないので、ブ
レ−キ液ポンプ装置の不必要な駆動がなくなる。
【0013】本発明の第2の特徴によれば、路面摩擦係
数の推定値に対応して、それが高いときには高い車輪ス
リップ率を目標値として、増圧が必要となる可能性が高
い車輪ブレ−キのスリップ率を該目標値とするように増
圧(先行増圧)が行なわれるので、情報処理手段(11)が、
車両旋回が過不足領域(図9,10)にあると判定し過不足領
域にあると車輪ブレ−キ圧を増圧するとき、すでに路面
摩擦係数推定値に対応する増圧が開始されており、車両
旋回が過不足領域(図9,10)にあると判定したときの車輪
ブレ−キ圧の目標値への昇圧がよりすみやかになり、制
動力配分制御の応答性が向上する。増圧が必要となる可
能性が低い時点から第2ブレ−キ圧源(21)が駆動される
ことがないので、ブレ−キ液ポンプ装置の不必要な駆動
がなくなる。
【0014】本発明の好ましい実施例では、前記の通
り、スタンバイ目標スリップ率(SoPBSTRi)は、推定した
摩擦係数(μ)に実質上比例しかつ、路面摩擦係数が最高
値のときの車輪スリップ率(Somax)の数分の1を上限値
としているので、仮に、実際には過不足領域(図9,10)に
あると判定されなかった場合、先行増圧はエラ−となる
が、この先行増圧は、走行路面の摩擦係数から見て格別
に大きな車輪スリップ率とならない範囲内に抑制されて
いるので、先行増圧は車両運転性能を阻害しない。
【0015】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0016】
【実施例】図1に本発明の一実施例の車輪ブレ−キ圧系
統を示し、図2には該車輪ブレ−キ圧系統の各種電磁弁
およびセンサが接続された、車輪ブレ−キ51〜54の
それぞれの圧力を制御するための電気系統の概要を示
す。
【0017】まず図1を参照すると、ブレ−キペダル3
をドライバ(運転者)が踏込むと、タンデム型のマスタ
シリンダ2が踏込圧対応の前輪ブレ−キ用流体圧と後輪
ブレ−キ用流体圧を発生する。図1に示す状態におい
て、前輪ブレ−キ用流体圧は電磁切換弁61および62
を通して前右車輪FRの車輪ブレ−キ51および前左車
輪FLの車輪ブレ−キ52に加わる。後輪ブレ−キ用流
体圧は、電磁切換弁63並びに、電磁弁35を介して後
右車輪RRの車輪ブレ−キ53に、また電磁弁37を介
して後左車輪RLの車輪ブレ−キ54に加わる。
【0018】ポンプ21は電気モ−タ24で駆動されて
各車輪ブレ−キ51,52,53,54から戻されたリ
ザ−バ70のブレ−キ液を吸引し、上流側に戻す。
【0019】電磁切換弁61は、前右車輪ブレーキ51
への前輪マスタシリンダ圧(第1圧力)とポンプ21の
吐出圧(第2圧力)の切換えを行う。すなわち、電磁切
換弁61は、その電気コイルに通電がないときには図1
に示すように、前輪マスタシリンダ圧を、前右車輪ブレ
−キ51に与えるが、電磁切換弁64,電磁開閉弁66
と同時に電気コイルに通電があると、電磁切換弁64に
より前輪マスタシリンダ圧をカットし、電磁開閉弁66
によりポンプ21とリザーバ4が連通するためポンプ2
1の駆動によりポンプ圧(第2圧力)が発生する。そし
て、その第2圧力をリリ−ブバルブ81に連通しリリ−
フ機構を持たせて、増圧用電磁弁31を通して前右車輪
ブレ−キ51に与える。電磁切換弁62は、前左車輪ブ
レ−キ52への前輪マスタシリンダ圧(第1圧力)とポ
ンプ21の吐出圧(第2圧力)の切換を行う。すなわ
ち、電磁切換弁62は、その電気コイルに通電がないと
きには図1に示すように前輪マスタシリンダ圧を、前左
車輪ブレ−キ52に与えるが、電磁切換弁64,電磁開
閉弁66と同時に電気コイルに通電があると、電磁切換
弁64により前輪マスタシリンダ圧をカットし、電磁開
閉弁66によりポンプ21とリザ−バ4が連通するため
ポンプ21の駆動によりポンプ圧(第2圧力)が発生す
る。そして、その第2圧力をリリ−フバルブ81に連通
しリリ−フ機構を持たせて、増圧用電磁弁33を通して
前左車輪ブレ−キ52に与える。電磁切換弁63は、後
輪マスタシリンダ圧(第1圧力)と第2圧力の切換えを
行う。すなわち、電磁切換弁63は、その電気コイルに
通電がないときには図1に示すように、後輪マスタシリ
ンダ圧を電磁弁35,37に与えるが、電磁切換弁6
3,電磁開閉弁65と同時に電気コイルに通電がある
と、後輪マスタシリンダ圧をカットし、ポンプ21とリ
ザ−バ4が連通するためポンプ21の駆動によりポンプ
圧(第2圧力)が発生する。そして、その第2圧力をリ
リ−フバルブ80に連通しリリ−フ機構を持たせて、電
磁弁35,37に与える。
【0020】電磁弁31,33,35および37に通電
してそれらを閉(弁閉)とし、電磁弁32,34,36
および38に通電してそれらを開(弁開)とすると、そ
れぞれ前右車輪ブレ−キ51,前左車輪ブレ−キ52,
後右車輪ブレ−キ53および後左車輪ブレ−キ54の圧
力が、電磁弁32,34,36および38を通してリザ
−バ4に抜ける。
【0021】図1に示すブレ−キ圧系統の、ブレ−キマ
スタシリンダ2の出力圧のみを車輪ブレ−キに与えるブ
レ−キ圧伝達系,アンチスキッド制御中のブレ−キ圧伝
達系,トラクション制御中のブレ−キ圧伝達系および制
動力配分制御中のブレ−キ圧伝達系、のそれぞれを構成
する要素を、各車輪ブレ−キ別で、表1および表2に示
す。なおこれらの表において、各伝達系を構成する要素
は、車輪ブレ−キを出発点にしてブレ−キ圧源に向かう
方向に摘出し表示した。また、表1および表2ならびに
図面においては、「アンチスキッド制御」を「ABS制
御」と、「トラクション制御」を「TRC制御」と表記
した。本書では「ABS」は「アンチスキッド」を意味
し、「TRC」は「トラクションコントロ−ル」を意味
する。制動力配分制御は、この実施例では大きくは全輪
ブレ−キを対象とする「B−STR制御」と後2輪のブ
レ−キを対象とする「2−BDC制御」とがあり、全輪
ブレ−キを対象とする「B−STR制御」は更に、オ−
バステアを抑制するための「B−STR−OS」制御と
アンダ−ステアを抑制するための「B−STR−US」
制御の2つに分けられている。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】「2−BDC制御」,「B−STR制御」
および「TRC制御」において、増圧が必要なときに
は、電子制御装置10(図2)により、電磁弁32,3
4,36,38は非通電(弁閉)、電磁弁31,33,
35,37も非通電(弁開)とされ、減圧が必要なとき
には、電磁弁32,34,36,38は通電(弁開)、
電磁弁31,33,35,37も非通電(弁閉)とさ
れ、ホ−ルド(現ブレ−キ圧をそのまま維持)が必要な
ときには、電磁弁32,34,36,38は非通電(弁
閉)、電磁弁31,33,35,37は通電(弁閉)と
される。
【0025】図2を参照する。電子制御装置10の主体
はマイクロコンピュ−タ11であり、このマイクロコン
ピュ−タ11の主要素はCPU14,ROM15,RA
M16およびタイマ17である。電子制御装置10に
は、更に、センサを付勢(通電)し検出信号を発生する
信号処理回路18a〜18m,検出信号の入力をマイク
ロコンピュ−タ11に与え、マイクロコンピュ−タ11
の制御信号をドライバ19a〜19oに与えるための電
気回路すなわち入,出力インタ−フェイス12,13、
モ−タドライバおよびソレノイドドライバ19a〜19
oがある。
【0026】前右,前左,後右および後左の車輪51〜
54それぞれの回転速度を車輪速度センサ41〜44の
それぞれが検知し、各車輪速度を表わす電気信号(車輪
速度信号)を信号処理回路18a〜18dが発生して入
力インタ−フェイス12に与える。ブレ−キペダル3の
踏込み中閉となるストップスイッチ45の開(ペダル3
の踏込みなし:オフ)/閉(ペダル3の踏込みあり:オ
ン)を表わす電気信号を信号処理回路18eが発生して
入力インタ−フェイス12に与える。
【0027】車体のヨ−レ−トをヨ−レ−トセンサYA
が検知し、信号処理回路18iが、ヨ−レ−ト(実ヨ−
レ−ト)γを表わす電気信号を発生して入力インタ−フ
ェイス12に与える。ステアリングホイ−ルの回転角度
を前輪舵角センサθFが検知し信号処理回路18jが、
前輪舵角θfを表わす電気信号を発生して入力インタ−
フェイス12に与える。後輪の舵角は後輪舵角センサθ
Rが検知し信号処理回路18kが、後輪舵角θrを表わ
す電気信号を発生して入力インタ−フェイス12に与え
る。車体の前後加速度gxを加速度センサ(GXセン
サ)が検知し信号処理回路18lが、前後加速度を表わ
す電気信号を発生して入力インタ−フェイス12に与え
る。車体の横加速度gyを加速度センサ(GYセンサ)
が検知し信号処理回路18mが、横加速度を表わす電気
信号を発生して入力インタ−フェイス12に与える。
【0028】図3および図4に、図2に示すマイクロコ
ンピュ−タ11の処理機能の概要を示す。図3は処理機
能をハ−ドウェア形式にブロック区分して示し、図4は
同様なブロック区分をフロ−チャ−ト形式で示す。図5
に、処理の繰返し全体のフロ−チャ−トを示す。
【0029】図5を参照すると、車両上のエンジンが起
動され、車両上電気系統の電源が投入され該系統の電圧
が安定した後に電子制御装置10に動作電圧が印加され
る(図3のステップ1;以下、カッコ内ではステップと
いう語を省略して、ステップNo.数字のみを記す)。
動作電圧が加わるとマイクロコンピュ−タ11は、内部
レジスタ,入出力ポ−トおよび内部タイマを初期状態に
設定し、入,出力インタ−フェイス12,13を、待機
時の入力読取接続および出力信号レベルに設定する
(2)。そして、実質上所定周期で、処理周期を定める
ためのタイマΔtをスタ−トして(3)、「センサ読取
り」(4)から「出力制御」(800)までの処理すな
わち車輪ブレ−キ圧制御を、実質上Δt周期で繰返し実
行する。
【0030】実質上Δt周期で繰返す、「センサ読取
り」(4)から「出力制御」(800)までの処理すな
わち車輪ブレ−キ圧制御の中の、「センサ読取り」
(4)では、まず、入力インタ−フェイス12に接続さ
れた入力手段(センサ,スイッチ等)のすべての情報を
読込む。そして、ABS制御,2−BDC制御(後2輪
のブレ−キを対象とした制動力配分制御),TRC制御
およびB−STR制御(4輪を対象とした制動力配分制
御)に使用するデ−タを「車輪速演算&車輪加速度演
算」(100)および「車両状態量推定」(200)で
整え、そして整えたデ−タに基づいて、「制御モ−ド開
始・終了処理」(300)で、上述の各種制御の開始,
継続,終了の要否を判定し、そして、判定に応じて「A
BS制御」(400),「2−BDC制御」(50
0),「TRC制御」(600)および/又は「B−S
TR制御」(700)を実行してこれら各制御のため
の、車輪ブレ−キ圧操作出力(電磁弁の開,閉およびタ
イミング)を生成し、そして、「出力制御」(800)
で、上述の各種制御の優先順に基づいて車輪ブレ−キ圧
操作出力を調整して、出力ポ−ト13に設定する。すな
わち電磁弁を操作する。
【0031】「車輪速演算&車輪加速度演算」(10
0)以下の各処理の内容を以下に説明するが、本実施例
での参照情報のうちの主たるものをリストすると、次の
通りである: 情報 情報源 実ヨ−レ−トγ ヨ−レ−トセンサYAによる検出値 車輪速度Vwi,i=FR,FL,RR,RL:車輪速度センサ41〜44の検出値より算出 (車輪速度VwFR 車輪速度センサ41の検出値より算出 車輪速度VwFL 車輪速度センサ42の検出値より算出 車輪速度VwRR 車輪速度センサ43の検出値より算出 車輪速度VwRL 車輪速度センサ44の検出値より算出) 前後加速度gx 前後加速度センサGXによる検出値 横加速度gy 横加速度センサGYによる検出値 前輪舵角θf 舵角センサθFによる検出値 後輪舵角θr 舵角センサθRによる検出値 車輪制動有/無 ストップスイッチ45のオン/オフ 車輪加速度DVwi,i=FR,FL,RR,RL:車輪速度センサ41〜44の検出値より算出 (車輪加速度DVwFR 車輪速度センサ41の検出値より算出 車輪加速度DVwFL 車輪速度センサ42の検出値より算出 車輪加速度DVwRR 車輪速度センサ43の検出値より算出 車輪加速度DVwRL 車輪速度センサ44の検出値より算出) 推定車速Vso VwiおよびDVwiに基づいて算出 車両の加速度DVso VwiおよびDVwiに基づいて算出 車輪スリップ率Si,i=FR,FL,RR,RL:VwiおよびDVwiに基づいて算出 (車輪スリップ率SFR VwFRとVsoFRに基づいて算出 車輪スリップ率SFL VwFLとVsoFLに基づいて算出 車輪スリップ率SRR VwRRとVsoRRに基づいて算出 車輪スリップ率SRL VwRLとVsoRLに基づいて算出) 走行路面の摩擦係数μ DVsoおよびgyに基づいて算出 車体横すべり角β γ,gyc,Vsoに基づいて算出 車体横すべり角速度Dβ γ,gyc,Vsoに基づいて算出。
【0032】(1)「車輪速演算&車輪加速度演算」
(100):図6 この内容を図6に示す。この処理ではまず、カウンタP
i(カウントレジスタPFR,PFL,PRR,PRLの4個、以
下、iはFR,FL,RR,RL各車輪ブレ−キあてのもの4個を
意味するが、2−BDC制御及びTRC制御は後2輪を
制御対象とするので、2−BDC制御,TRC制御にお
いてはiはRR,RL各車輪ブレーキあてのものを示
す。)のデ−タをレジスタPiに書込んで、カウンタP
iをクリアする。なお、カウンタPiは、車輪速度セン
サ41〜44のそれぞれが発生する、前右,前左,後右
および後左の車輪51〜54それぞれの回転速度(周速
度)に周波数が比例する電気パルスに応答して割込処理
により電気パルスの到来数をカウントするものであり、
例えば、センサ41が1パルスを発生するとマイクロコ
ンピュ−タ11は、割込処理によりカウンタPi,i=
FRの内容を1インクレメントするので、レジスタP
i,i=FRの内容は、Δtの間のセンサ41が発生し
たパルス数(車輪速度に比例した値)を表わす。そし
て、車輪のタイヤ径対応の補正係数Ksiを算出(決
定)する。そして、LSB(Least Significant Bit)設
定用補正係数(定数)を用いて各車輪速度Vwiを算出す
る(102)。算出式を、図6のステップ102のブロ
ック中に示す。
【0033】次に、今回算出した各車輪速度Vwi(n)と
前回(Δt前に)算出した各車輪速度Vwi(n-1)から各
車輪の加速度DVwiを算出する(103)。そしてフィ
ルタリング処理により、算出した加速度DVwiおよび車
輪速度Vwiの、時系列平滑化した値DVwiおよびVwiを
算出し、これを検出した加速度DVwiおよび車輪速度V
wiとし、レジスタDVwiおよびVwiに書込む(104,
105)。
【0034】次に、各車輪部の車体速度(各輪部推定車
体速)Vsoiを算出する(106)。ここでは、車輪速
度の今回値Vwi(n),前回算出した車輪部車体速度Vsoi
(n)より、所定の減速度でのΔtの間の減速量αdn・Δ
tを減算した値Vsoi(n)−αdn・Δt、および、前回算
出した車輪部車体速度Vsoi(n)に、所定の増速度でのΔ
tの間の増速量αup・Δtを加算した値Vsoi(n)+αup
・Δt、の3者の中間値Vsoiを算出し、これを各車輪
部車体速度VsoiとしてレジスタVsoiに書込む。次に、
各車輪部車体速度Vsoi(4輪それぞれ計4個)の最大
値を示すものを車両全体の車体速(通称の車体速)Vso
としてレジスタVsoに書込む(107)。
【0035】次に、車両が旋回している場合の、車両の
進行方向に対する車輪の向きの偏差分に対応する、各輪
部車体速Vsoiの、車輪部車体の車両進行方向の速度に
対する各輪部車体速Vsoiの偏差Δiを、横加速度gy
(ヨ−レ−トγでもよい)に対応して算出して、その分
各車輪部車体速度Vsoiを補正して、補正した値NVsoi
=Vsoi−Δiを正規化車輪部車体速度としてレジスタ
NVsoiに書込む(108)。次に、今回算出した正規
化車輪部車体速度NVsoi(n)と前回(Δt前に)算出した
正規化車輪部車体速度NVsoi(n-1)より、正規化車輪部
車体加速度DNVsoiを算出し(4輪それぞれ計4個)
その最大値を示すものを車両全体の車体加速度(通称の
車体加速度)DVsoとしてレジスタDVsoに書込む(1
09)。
【0036】(2)「車両状態量推定」(200):図
7 この内容を図7に示す。この処理ではまず、センサーが
検出した横加速度gyより車両の横方向の傾きを補正し
た真の横加速度gycを算出し、これをレジスタgyc
に書込む(201)。次に路面の摩擦係数μを推定演算
してレジスタμに書込む(202)。演算式はステップ
202のブロック内に示す。次に、横すべり角速度Dβ
および横すべり角βを次のように算出して、算出したD
β,βをレジスタDβ,βに書込む(203〜20
4)。
【0037】Dβ=(gyc/Vso)−γ ・・・(1) β=∫Dβ ・・・(3) (3)「制御モ−ド開始・終了処理」(300):図8 この内容を図8に示す。この処理ではまず、「ABS開
始/終了判別」300Aで、4輪FR,FL,RR,R
L各車輪ブレ−キ51〜54のそれぞれにつき、車輪ブ
レ−キ時の車輪ロックを防止するためのブレ−キ圧制御
すなわちABS制御を開始していない(ABSFi=
0;ABSF=0)ときには、それを開始する必要があ
るか(開始条件が成立しているか)をチェックし、1輪
ブレ−キでもABS制御要を判定するとレジスタABS
Fに1を書込む。各車輪ブレーキ51〜54のそれぞれ
につきABS制御を開始している(ABSFi=1)と
きには、それを終了する必要があるか(終了条件が成立
しているか)をチェックし、各輪ブレーキのABS制御
不要と判定するとレジスタABSFiに0を書込み、全
輪ブレ−キのABS制御不要を判定するとレジスタAB
SFに0を書込む(レジスタABSFのクリアと同
義)。
【0038】次に、「2−BDC開始/終了判別」30
0Bで、2輪RR,RL各車輪ブレ−キ53,54を対
象とする制動力配分制御すなわち2−BDC制御を開始
していない(BDCFi=0;BDCF=0)ときには
各車輪ブレーキ53,54のそれぞれにつき、それを開
始する必要があるか(開始条件が成立しているか)をチ
ェックし、2−BDC制御要を判定するとレジスタBD
CFi及びBDCFに1を書込む。各輪ブレーキ53,
54のそれぞれにつき、2−BDC制御を開始している
(BDCFi=1)ときには、それを終了する必要があ
るか(終了条件が成立しているか)をチェックし、各輪
ブレーキの2−BDC制御不要と判定するとレジスタB
DCFiに0を書込み、2輪ブレーキとも2−BDC制
御不要を判定するとレジスタBDCFに0を書込む(レ
ジスタBDCFのクリアと同義)。
【0039】次に、「TRC開始/終了判別」300C
で、2輪RR,RL各車輪ブレ−キ53〜54のそれぞ
れにつき、加速スリップを低減するための車輪ブレ−キ
圧制御すなわちTRC制御を開始していない(TRCF
i=0)ときには、それを開始する必要があるか(開始
条件が成立しているか)をチェックし、各輪ブレーキに
つきTRC制御要を判定するとレジスタTRCFiに1
を書込み、1輪ブレ−キでもTRC制御要を判定すると
レジスタTRCFに1を書込む。TRC制御を開始して
いる(TRCFi=1;TRCF=1)ときには、それ
を終了する必要があるか(終了条件が成立しているか)
をチェックし、各輪ブレーキにつきTRC制御不要と判
定するとレジスタTRCFiに0を書込み、全輪ブレ−
キにつきTRC制御不要を判定するとレジスタTRCF
に0を書込む(レジスタTRCFのクリアと同義)。
【0040】次に、「B−STR−OS開始/終了判
別」300Dを実行する。この内容を図9に示す。ここ
ではまず、オ−バステアを抑制するための4車輪ブレ−
キの制動力配分制御すなわちB−STR−OS制御を開
始している(STRoF=1)か否(STRoF=0)
をチェックして(301)、開始していないと、オ−バ
ステア方向である(Dβ・γ<0:横すべり角速度Dβ
とヨ−レ−トγが逆方向&gyc・γ>0:横加速度g
ycとヨ−レ−トγが同方向)かをチエックする(30
2,303)。オ−バステア方向と判定すると、すなわ
ちDβ・γ<0&gyc・γ>0であると、車体速度Vs
oと横すべり角速度Dβの組合せが、開始域1(図9の
ステップ304のブロック中に示す)にあるかをチェッ
クする。すなわち、車体速度Vsoが高く(Vso≧V1
2)、横すべり角速度Dβが大きい(Dβの絶対値≧
α1〜α2)か(オ−バステアを増大する傾向にあるか)
をチェックする(304)。そうであるとB−STR−
OS制御要と判定し、レジスタSTRoFに1を書込む
(306)。オ−バステア増大傾向と判定しないときに
は、すでに過度のオ−バステアになっているかをチェッ
クする(305)。すなわち、車体速度Vsoが高く(V
so≧V3〜V4)、横すべり角βが大きい(βの絶対値≧
α3〜α4)開始域2(図9のステップ305中に示す)
にあるかをチェックして、そうであるとB−STR−O
S制御要と判定し、レジスタSTRoFに1を書込む
(306)。
【0041】すでにB−STR−OS制御を開始してい
る(STRoF=1)ときには、車体速度Vsoと横すべ
り角速度Dβの組合せが、終了域1(図9のステップ3
07のブロック中に示す)にあるかをチェックする。す
なわち、車体速度Vsoが低い(Vso<V5)か、横すべ
り角速度Dβが小さい(Dβの絶対値<α5)かをチェ
ックする(307)。そうであると更に、車体速度Vso
が低い(Vso<V6〜V7)か、横すべり角βが小さい
(βの絶対値<α6〜α7)終了域2(図9のステップ3
08中に示す)にあるかをチェックして(308)、そ
うであるとB−STR−OS制御不要と判定し、レジス
タSTRoFに0を書込む(309)。
【0042】次に、「B−STR−US開始/終了判
別」300Eを実行する。この内容を図10に示す。こ
こではまず、現在の前輪ステアリング角度θfおよび車
体速度Vsoで現われる横加速度gyeを、次のように算
出(推定)する(311): gye=Vso2・θf/〔(1+Kh・Vso2)・N・L〕 ・・・(7) N:オーバオールステアリング比 L:ホイ−ルベ−ス Kh:スタビリティファクタ 次に、前輪ステアリング角速度Dθf=θf(n)−θf
(n-1)を算出する(312)。θf(n)は今回読込んだ前
輪ステアリング角度θf、θf(n-1)は前回(Δt前
に)読込んだ前輪ステアリング角度θfである。次に、
ステアリング角速度Dθfに対応する遅れ時間Tdoと、
車体速度Vsoに対応する遅れ係数k1をメモリより読出
して(313,314)、遅れ時間td=Tdo×k1を算
出(推定)する(315)。そして、この遅れ時間t
d,演算(サンプリング)周期Δt,今回ステップ31
1で算出した横加速度gye(n)および前回(Δt前に)
算出した横加速度gye(n-1)に基づいて、現在の確から
しい横加速度gyeaを、 gyea=〔Δt/(Δt+td)〕・gye(n)+〔td/(Δt+td)〕・gye(n-1) ・・・( 8) で算出(推定)する(316)。そして、ステアリング
角度θfおよび車体速度Vsoより推定される横加速度g
yeaに対する実横加速度gycの比gyc/gyeaが所定値k
2より小さく、実横加速度gycが所定値k3を越える
(実横加速度gycはあるが、ステアリングによって生ず
るはずの横加速度gyeaに対して実横加速度gycが低
い:アンダ−ステア)かをチェックする(317)。そ
うであるとレジスタSTRuFに1を書込み、そうでな
いとレジスタSTRuFに0を書込む(318,31
9)。
【0043】再度図8を参照する。上述のように「B−
STR−US開始/終了判別」300Eを実行すると、
コンピュ−タ11は次に「制御優先処理」300Fを実
行する。上述のように、ABS制御,2−BDC制御,
TRC制御,B−STR−OS制御およびB−STR−
US制御の開始/終了判別をして、それぞれが要のとき
にはレジスタABSF,BDCF,TRCF,STRo
FおよびSTRuFに1が書込まれている。ただし、例
えばレジスタSTRoF,STRuFの内容が1であっ
ても、4輪ブレ−キのすべてについてB−STR制御
(減圧,ホ−ルド,増圧)が行なわれるとは限らず、B
−STR制御を行なう車輪ブレ−キは、「B−STR制
御」700で定まる。
【0044】この実施例では、優先順を「ABS制御」
400,「2−BDC制御」500および「TRC制
御」600の順に定めており、「制御優先処理」300
Fでは、「ABS制御」400の実行中(ABSF=
1)は「2−BDC制御」500および「TRC制御」
600は禁止する(レジスタBDCF,TRCFをクリ
アしてその内容を0にする)。「2−BDC制御」50
0の実行中(BDCF=1)には、「TRC制御」60
0は禁止する(レジスタTRCFをクリアする)。「B
−STR制御」700は他の制御によらず実行される。
【0045】「ABS制御」400,「B−STR制
御」700,「2−BDC制御」500および「TRC
制御」600のいずれも、センサYA,θF,θR,G
X,GYの検出値,「車輪速演算&車輪加速度演算」1
00での算出値および「車両状態量推定」200での算
出値に基づいて、制御輪(ブレ−キ圧を制御する車輪ブ
レ−キ)を決定し、制御輪それぞれの、目標スリップ率
Soiおよび実スリップ率(推定値)を算出し、これらに
基づいてスリップ率偏差Esoiを演算し、一方、基準加
速度に対する車輪加速度の偏差(車輪加速度偏差)ED
iを算出して、スリップ率偏差Esoiおよび車輪加速度
偏差EDiの組合せが、予め定めている急減圧領域,
パルス減圧領域,ホ−ルド領域,パルス増圧領域
および急増圧領域のいずれにあるかを判別して、制御
輪のブレ−キ圧制御モ−ド(急減圧,パルス減圧,ホ−
ルド,パルス増圧,急増圧)を決定する。加えて、この
ようなブレ−キ圧制御における増,減圧の遅れを補償す
るための増減圧補償処理,ブレ−キ圧制御開始時のブレ
−キ圧変動を滑らかにするための初期特定モ−ド演算、
および、ブレ−キ圧制御終了時のブレ−キ圧変動を滑ら
かにするための終了特定モ−ド演算を実行する。これら
の処理ロジックの大要は「ABS制御」400,「B−
STR制御」700,「2−BDC制御」500および
「TRC制御」600で共通であるが、機能が異なるの
で、それぞれの制御において、制御輪の選択,スリップ
率偏差Esoiおよび車輪加速度偏差EDiの組合せに対
応付けられたブレ−キ圧制御モ−ド、ならびに、演算定
数等は異なる。処理ロジックの大要は同様であるので、
以下においては、「B−STR制御」700の内容を詳
細に説明する。
【0046】(4)「B−STR制御」(700):図
11 この内容を図11に示す。この処理では、「B−STR
−OS制御」700A,「B−STR−US制御」70
0Bおよび「スリップ率サ−ボ演算」700Cをこの順
に実行する。
【0047】(4A) 「B−STR−OS制御」70
0A:図12〜図19 まず図12を参照する。まずヨ−レ−トγを参照して車
両の旋回方向を判別し、旋回方向レジスタに、旋回方向
デ−タを書込む(701〜704)。この実施例では、
ヨ−レ−トγの極性の+(正)は左旋回、−(負)は右
旋回である。次にABS制御中(ABSF=1)である
かをチェックする。
【0048】ABS制御中であると、横すべり角βの大
きさ(絶対値)と旋回方向(旋回方向レジスタのデ−
タ)に対応して、ブレ−キ圧を制御する車輪(車輪ブレ
−キ)を、図12のステップ708のブロック中に示す
ように決定する。例えば、旋回方向が左旋回の場合、横
すべり角βの絶対値が90°未満のときには車輪RLを
ブレ−キ圧制御対象輪と決定(車輪ブレ−キ54を圧力
制御対象に決定)し、βの絶対値が90°以上270°
未満のときには車輪FRをブレ−キ圧制御対象輪と決定
(車輪ブレ−キ51を圧力制御対象に決定)し、βの絶
対値が270°以上360°未満のときには車輪RLを
ブレ−キ圧制御対象輪と決定(車輪ブレ−キ54を圧力
制御対象に決定)する。
【0049】ABS制御中でない(ABSF=0であ
る)と、横すべり角βの大きさ(絶対値)と旋回方向
(旋回方向レジスタのデ−タ)に対応して、ブレ−キ圧
を制御する車輪(車輪ブレ−キ)を、図12のステップ
707のブロック中に示すように決定する。例えば、旋
回方向が左旋回の場合、横すべり角βの絶対値が90°
未満のときには車輪FRをブレ−キ圧制御対象輪と決定
(車輪ブレ−キ51を圧力制御対象に決定)し、βの絶
対値が90°以上270°未満のときには車輪RLをブ
レ−キ圧制御対象輪と決定(車輪ブレ−キ54を圧力制
御対象に決定)し、βの絶対値が270°以上360°
未満のときには車輪FRをブレ−キ圧制御対象輪と決定
(車輪ブレ−キ51を圧力制御対象に決定)する。
【0050】図12のステップ707に示すように、0
°≦|β|<90°および270°≦|β|<360°
(車体がその実移動方向に対して前向き)のとき、前車
輪ブレ−キFR,FLを制御対象輪(その車輪ブレ−キ
圧を増圧)に指定し、90°≦|β|<270°(車体
がその実移動方向に対して横向き又は後向き)のとき
は、後車輪ブレ−キRL,RRを制御対象輪(その車輪
ブレ−キ圧を増圧)に指定する。0°≦|β|<90°
および270°≦|β|<360°のときは、従来例
(特表平3−500868号公報)と同様に車両のスピ
ンモ−メントが抑制され、車両の異常旋回又はスピンの
抑制に効果がある。90°≦|β|<270°のとき従
来例では異常旋回又はスピンが助長されてしまうが、本
実施例では後車輪ブレ−キ(車体の実移動方向に関して
前側の車輪ブレ−キ)が増圧されるので、やはりスピン
モ−メントが抑制され、車両の異常旋回又はスピンの抑
制に効果がある。
【0051】上述の制御輪選択(707)に対して、ド
ライバによる制動時のABS制御は、操舵性を確保する
ことを1つの目的としている。ABS制御中は、B−S
TR−OS制御として或る車輪ブレーキ圧を加圧して
も、その車輪ではそれ以上の制動力は得られず、かえっ
て逆効果となる。そこで、ABS制御時のB−STR−
OS制御では、加圧する車輪ブレーキに代って、その車
輪の対角位置にある1輪のブレーキを減圧する。
【0052】例えば、ABS制御を指定していない(A
BSF=0)ときには、ステップ707により、B−S
TR−OS制御の対象輪を、0°≦|β|<90°およ
び270°≦|β|<360°のとき前車輪FR/FL
(の車輪ブレ−キ)に決定し、90°≦|β|<270
°のとき後車輪RL/RRに決定する。ABS制御指定
がある(ABSF=1)ときには、0°≦|β|<90
°および270°≦|β|<360°のとき後車輪RL
/RRをブレ−キ圧制御対象輪とし、90°≦|β|<
270°のとき前車輪ブレ−キFR/FLを制御対象輪
とする。これによりABS制御およびB−STR−OS
制御が調和する。
【0053】なお、図12に示す「制御輪選択」705
では、1車輪ブレ−キのみを制御対象ブレ−キに決定す
るが、「制御輪選択」705を図13に示す「制御輪選
択」705Aに置換して、2車輪ブレ−キを制御対象ブ
レ−キに決定するようにしてもよい。また、「制御輪選
択」705を図14に示す「制御輪選択」705Bに置
換して、ABS制御中には1車輪ブレ−キを制御対象ブ
レ−キに決定し、ABS制御をしないときには2車輪ブ
レ−キを制御対象ブレ−キに決定するようにしてもよ
い。更には、「制御輪選択」705を図15に示す「制
御輪選択」705Cに置換して、ABS制御中には2車
輪ブレ−キを制御対象ブレ−キに決定し、ABS制御を
しないときには1車輪ブレ−キを制御対象ブレ−キに決
定するようにしてもよい。
【0054】次に図16を参照する。ブレ−キ圧を制御
する輪を決定すると、路面摩擦係数μ(レジスタμのデ
−タ)に対応するゲインKをメモリより読出してレジス
タにセ−ブし(706)、次に、横すべり角速度Dβの
絶対値と横すべり角βの絶対値の組合せが、図16のス
テップ707のブロック中に示す領域A0〜A7のいず
れにあるかを決定する(707)。すなわち横すべり角
速度Dβの絶対値と横すべり角βの絶対値の組合せが属
する領域Aj、j=0〜7、を決定する。次に、図17
を参照すると、領域Ajに割当てられている各輪のスリ
ップ率補正量ΔSi(%)をメモリより読出す(70
8)。「B−STR制御」700および「2−BDC制
御」500でのスリップ率偏差目標値ΔS(%)は、図
17のステップ708のブロック中に示すように、領域
Ajに対してスリップ率補正量ΔSi(%)はjであ
る。なお、図17のステップ708のブロック中には、
「ABC制御」400および「TRC制御」600での
領域Ajに対して割当てられているスリップ率補正量Δ
Si(%)をも示す。
【0055】次にコンピュ−タ11は、ステップ706
(図16)で得たμ対応ゲインKを、領域Aj対応のス
リップ率補正量ΔSi(%)に乗算して、各車輪ブレ−
キのスリップ率補正量ΔSio=K・ΔSiを算出する
(709)。
【0056】次に図18を参照するとコンピュ−タ11
は、「B−STR−OS制御」が要(STRoF=1)
かをチェックして(710)、要であると、旋回方向レ
ジスタのデ−タを参照して、それが左旋回を示すと、ス
テップ712のブロック中に示す、横すべり角βの絶対
値対応の目標舵角δrの中の、レジスタβの値の絶対値
に対応するものをメモリより読出してレジスタδrに書
込む(712)。旋回方向レジスタのデ−タが右旋回を
示すと、ステップ713のブロック中に示す、横すべり
角βの絶対値対応の目標舵角δrの中の、レジスタβの
値の絶対値に対応するものをメモリより読出してレジス
タδrに書込む(713)。
【0057】レジスタSTRoFのデ−タとレジスタδ
rのデ−タ、ならびにヨ−レ−トγ,前輪舵角θfおよ
び車速Vsoは、その後の「出力制御」800(図5)
で、4WSコントロ−ラ70(図2)に転送される。後
述するように、4WSコントロ−ラ70は、与えられた
操舵量δr(方向と量)を実現するように、後輪RR,
RLを操舵する。
【0058】上述の操舵量δrの決定(図18の710
〜713)において、横すべり角βの絶対値┃β┃に対
応して、0°からのβの増大に伴って操舵量δrを大き
くし┃β┃が90°に近づくに伴って操舵量δrを小さ
くし、90°で車両前後軸Xに対する操舵方向(δrの
極性)を反転し、90°からの┃β┃の増大に伴って操
舵量δrを大きくし┃β┃が360°に近づくに伴って
操舵量δrを小さくする。 このように、0°からの横
すべり角┃β┃の増大に伴って操舵量を大きくするの
で、車体の、意図しない方向の変化量が大きくなるにつ
れてこれを抑制する方向の操舵量δrが大きくなる。┃
β┃が実移動方向に対して車体の向きが反転する90°
に近づくに伴って操舵量δrを小さくし、90°で車両
前後軸Xに対する操舵方向を反転するので、車体の向き
がその実移動方向に対して逆向きに切換わるとき該逆向
きを助長する操舵はなく、しかも逆向きに切換わったと
き操舵方向(δrの極性)もスピンを抑止する方向に切
換わるので、車両の異常旋回又はスピンの抑制効果がき
わめて高い。
【0059】4WSコントロ−ラ70の構成を図19に
示す。4WSコントロ−ラ70は、簡単に言えば、前輪
舵角θfに車速Vso対応の係数(ゲイン)を乗算して主
操舵対応の舵角を算出し、かつ外乱(横風)時や車輌タ
−ン時の車輌進行方向のふらつきを抑止するためヨ−レ
−トγ,前輪舵角速度および車速に対応して舵角補正分
を算出し、これら算出した舵角および舵角補正分より目
標舵角AGLAを定める。詳しくは、前輪舵角値θf
に、変換部21AS,21BSに通して低角度値は0に
過大角度は飽和値に、不感帯処理およびリミット処理を
施して検出舵角値を制御演算用の舵角値に変換し、しか
も掛算部23Sによって制御演算用の舵角値(変換値)
に車速対応ゲインを乗算して実舵角対応の補助操舵舵角
(所要値)を算出する。一方、ヨ−レ−トγは、まず変
換部51Sおよび55S〜59Sで前輪舵角速度に対応
する不感帯幅2Wyoおよび変換係数Icで演算用ヨ−
レ−トAYsに変換し、車速Vsoに対応するゲインG
yを変換部52Sで算出し、乗算部53で該演算用ヨ−
レ−トAYsに該ゲインGyを乗算して舵角補正分を算
出する。そして、加算部54Sにて、補助(後輪)操舵
舵角(所要値)に検出ヨ−レ−トγ対応の舵角補正分を
加えて目標舵角AGLAとして、フィ−ドバック制御部
60Sに出力する。
【0060】フィ−ドバック制御部60Sは、基本的に
はPD(比例・微分)制御系を構成しており、目標舵角
AGLAと、検出された実舵角RAGLとの偏差ΔAG
Lに応じた制御量を出力するように構成してある。微分
制御系61Sの出力DAGLAと比例制御系52Sの出
力PAGLAとが加算部35で加算され、制御量HPI
Dとして出力されるが、コンピュ−タ11から転送され
たレジスタSTRoFのデ−タが1(B−STR−OS
制御 要)のときには、目標舵角AGLAはコンピュ−
タ11から転送されたδrに変更される。
【0061】比例制御系62Sにおいては、入力値ΔA
GLは変換部31BSを通ってETH3に変換され、掛
算部36Sで比例ゲインGa17と掛算され、その結果
が出力PAGLAになる。この例では、ゲインGa17
は定数である。
【0062】微分制御系61Sにおいては、入力値ΔA
GLは変換部31ASを通ってETH2に変換され、減
算部33Sにおいて、入力値ETH2(最新の値)と遅
延部32Sを通った入力値ETH2(所定時間前の値)
との差分が計算され、それによってETH2の変化速
度、即ち微分値SETH2が得られる。掛算部34Sで
は、微分値SETH2と微分ゲインYTDIFGAIN
とを掛けた値が、微分制御系61Sの出力DAGLAと
して得られる。
【0063】微分ゲインYTDIFGAINは、この例
では、STRoF=0のときには目標舵角AGLAの微
分値(変化速度)に基づいて決定される変数であり、S
TRoF=1のときには、δrの微分値(変化速度)に
基づいて決定される変数である。即ち、減算部38Sに
おいて、入力値AGLA(最新の値)又はδr(最新の
値)と遅延部37を通った入力値AGLA(Δt前の
値)又はδr(Δt前の値)との差分が計算され、それ
によってAGLA又はδrの変化速度、即ち微分値SA
GLAが得られ、微分値SAGLAを変換部39に通し
た結果が、微分ゲインYTDIFGAINになる。な
お、変換部31AS,31BS及び39Sの各ブロック
内に示すグラフは、各々の変換特性を示しており、横軸
が入力値、縦軸が出力値を示している。
【0064】加算器35Sから出力される制御量HPI
Dは、変換部43Sを通ってHPID2になり、更に変
換部44Sを通ってデュ−ティ値DUTYになる。変換
部43Sはリミッタとして機能する。また変換部44S
は、偏差舵角値からデュ−ティ値への変換機能を有す
る。デュ−ティ値DUTYは、パルス幅変調(PWM)
部45Sに入力される。パルス幅変調部45Sは、入力
値に対応するデュ−ティのパルス信号を生成し、ドライ
バDV1に印加する。後輪操舵電気モ−タM1が回転す
ると、その回転量に応じたパルスが磁極センサRSから
出力される。舵角変換部46Sでは、磁極センサRSが
出力する三相のパルスの位相から回転方向を識別し、そ
の方向に応じて加算方向又は減算方向にパルス数を計数
し、後輪舵角を計算する。舵角変換部46Sは実舵角R
AGLを出力する。減算部47Sは、目標舵角AGLA
と実舵角RAGLとの差分、即ち舵角偏差ΔAGLを制
御部30Sに入力する。
【0065】後輪操舵電気モ−タM1は、後輪RRおよ
びRLを操舵する機構(図示せず)を駆動する。コンピ
ュ−タ11から転送されたレジスタSTRoFのデ−タ
が1(B−STR−OS制御 要)のときには、4WS
コントロ−ラ70が上述のように、目標舵角AGLAを
コンピュ−タ11から転送されたδrに変更し、この舵
角をもたらすようにモ−タM1を付勢するので、オ−バ
ステアを抑制するためδrが大きく変化するとき、後輪
操舵量が大きくなり、4WSコントロ−ラ70による、
車両進行方向の安定性を確保するための後輪操舵が強く
作用しオ−バステアが強く抑制される。
【0066】なお、「B−STR−OS制御」700A
で算出された各輪スリップ率補正量ΔSioは、後述の
「スリップ率サ−ボ演算」700Cで、車輪ブレ−キ圧
制御(増圧,ホ−ルド,減圧)の入力パラメ−タとして
利用され、車輪ブレ−キ圧制御に反映される。
【0067】(4B) 「B−STR−US制御」70
0B:図20 コンピュ−タ11は、規範車速度Vsouを次のように算
出する(717): Vsou=√〔(1+Kh・Vso2)・N・L・gyc/θf〕 ・・・(9)。
【0068】次に、車体速度Vsoに対する規範車速度V
souの偏差ΔV=Vsou−Vsoを算出し、かつ、各輪スリ
ップ率補正量ΔSiuを算出する(718)。すなわち、
各輪に割当てている定数KiとΔVとμ対応ゲインK
(706,図16)の積に−(マイナス)を乗じた値と
0の内、大きいものを、各輪スリップ率補正量ΔSiuと
する。
【0069】(4C) 「油圧スタンバイ制御」700
C:図21 図11の「油圧スタンバイ制御」700Cの内容を図2
1に示す。ここではまず、近い内に上述の「B−STR
−OS開始/終了判別」300D(図9)で、開始要
(増圧要)と判定される可能性があるかをチェックする
(901,902)。すなわち、図9のステップ304
に示す開始域1を、車体速度Vsoおよび横すべり角速度
Dβを低値側にシフトした形の開始域3(図21のステ
ップ901)に、VsoとDβの組合せが入っているかを
チェックして、入っているとその後「増圧」とする可能
性が高いと判定する(901)。開始域3に入っていな
いときには、図9のステップ305に示す開始域2を、
車体速度Vsoおよび横すべり角βを低値側にシフトした
形の開始域4(図21のステップ902)に、Vsoとβ
の組合せが入っているかをチェックして、入っていると
その後「増圧」とする可能性が高いと判定する(90
2)。開始域4にも入っていないときには、近い内に上
述の「B−STR−US開始/終了判別」300E(図
10)で、開始要(増圧要)と判定される可能性がある
かをチェックする(903A)。「B−STR−US開
始/終了判別」300Eでは、ステップ317で、gy
c/gyea<k2かつ横加速度gyc>k3が、開始
要と決定する条件となっているので、ステップ903A
(図21)では、gyc/gyea≦Pk2,Pk2>
k2かつ横加速度gyc≧Pk3、Pk3<k3、であ
るかをチェックして、gyc/gyea≦Pk2かつg
yc≧Pk3であると、その後「増圧」とする可能性が
高いと判定する(903A)。
【0070】「増圧」の可能性が高いと判定されると、
増圧の可能性が高いと判定された車輪ブレ−キに関し
て、ABS制御中か、トラクション制御中かをチェック
して(903B,903C)、いずれかであると、制動
力配分制御のための先行増圧は必要がないので、レジス
タPBSTRiに0(先行増圧不要)を書込む(903
D)が、そうでないときには、後述(図22の909
E)のようにレジスタPBSTRiに1(先行増圧要)
を書込む(909D)。先行増圧要のときには、モ−タ
24(ポンプ21)を駆動し(904)、「増圧」の可
能性が高いと判定される車輪ブレ−キとポンプ圧(第2
ブレ−キ圧)とを連通とする(906〜908,910
〜912)。
【0071】そして、路面摩擦係数の推定演算値μに対
応するスタンバイスリップ目標率f(μ)を算出して、増
圧の可能性が高いと判定された車輪ブレ−キに割り当て
られているレジスタSoPBSTRiに書込む(図22
の909A,909B)。スタンバイスリップ目標率f
(μ)は、路面摩擦係数μの最高値(これを図22のブロ
ック909A中には1.0と表記)に対応付けられてい
る車輪スリップ率SomaxのKpb分の1の値Somax/Kpb
を上限値とし、摩擦係数推定演算値μが1.0以上のと
き上限値Somax/Kpbで、演算値μが0.01以下では
零、演算値μが0.01から1.0の間では、演算値μ
に比例する値とし、Kpbは5〜20の範囲のもので、こ
の実施例ではKpb=6と設定している。又、このスタン
バイスリップ目標値f(μ)の算出には路面摩擦係数μの
みでなく、横滑り角β等を考慮してもよい。スタンバイ
スリップ目標率f(μ)が1%未満では先行増圧の必要が
ない(増圧効果がでず、増圧の必要もない)ので、レジ
スタPBSTRiをクリアする。すなわちそのデ−タを
0(先行増圧不要)とする(909H)。1%以上であ
ると、すでに先行増圧要と決定しているかをチェックし
て(909D)、そうでないとここで始めて先行増圧要
と決定したことになるので、レジスタPBSTRiに1
(先行増圧要)を書込み(909E)、レジスタIPU
EFiに0(先行増圧未終了)を書込み(909F)、
先行増圧継続時間を計測するために計時を開始する(9
09G)。
【0072】詳細は後述するが、この後、先行増圧を定
めた車輪ブレ−キのスリップ率を、スタンバイスリップ
目標値(SoPBSTRiのデ−タ)とするための、該
車輪ブレ−キの調圧を、「スリップ率サ−ボ制御」70
0D(図23〜図25)で実行する。
【0073】以上に説明した「油圧スタンバイ制御」7
00Dにより、「B−STR−OS制御」すなわちオ−
バステア抑制のために車輪ブレ−キ圧を増圧操作する
前、ならびに、「B−STR−US制御」すなわちアン
ダ−ステア抑制のために車輪ブレ−キ圧を増圧操作する
前に、モ−タ24によるポンプ21の駆動が開始され、
増圧が必要となる可能性が高い車輪ブレ−キとポンプ
(第2ブレ−キ圧源)とを連通し、その車輪ブレ−キ
を、増圧する。すなわち、増圧が必要となる前の、増圧
が必要とされる可能性が高い車輪ブレ−キを増圧する。
これにより、増圧の立上り遅れを生じない。増圧が必要
となる可能性が低い時点、例えば車両上エンジンの起動
直後からポンプ21を駆動することがないので、ポンプ
21の不必要な駆動がなくなる。
【0074】(4D) 「スリップ率サ−ボ演算」70
0D:図23〜図25 まず、「B−STR−OS制御」要であるか「B−ST
R−US制御」要であるかをチェックして、「B−ST
R−OS制御」要(STRoF=1)であるとスリップ
率偏差ΔSiとして、レジスタΔSioのデ−タ(ステッ
プ709で算出)を選択し、「B−STR−US制御」
要(STRuF=1)であるとスリップ率偏差ΔSiと
して、レジスタΔSiuのデ−タ(ステップ718で算
出)を選択する(721〜726)。「B−STR−O
S制御」不要(STRoF=0)および「B−STR−
US制御」不要(STRuF=0)であるときには、ス
リップ率補正量ΔSiは0とする(721〜726)。
【0075】次に、まずスリップ率目標値Soiをスリッ
プ率補正量ΔSiとして(727)、「ABS制御」要
(ABSFi=1)であると、このスリップ率目標値S
oiに「ABS制御」に定められているスリップ率目標値
SoABSiを加算し、和をスリップ率目標値Soiとして更
新し(728,729)、「2−BDC制御」要(BD
CFi=1)であると、スリップ率目標値Soiに「2−
BDC制御」に定められているスリップ率目標値SoBDC
iを加算し、和をスリップ率目標値Soiとして更新し
(730,731)、「TRC制御」要(TRCFi=
1)であると、スリップ率目標値Soiに「TRC制御」
に定められているスリップ率目標値SoTRCiを加算し、
和をスリップ率目標値Soiとして更新し(732)、
「B−STR制御」要(STRoF=1又はSTRuF
=1)であると、スリップ率目標値Soiに「B−STR
制御」に定められているスリップ率目標値SoSTRiを加
算し、和をスリップ率目標値Soiとして更新する(73
4A,735)。上記車輪ブレ−キ圧制御のいずれも要
でないときには、レジスタPBSTRiのデ−タが先行
増圧要を示す1であるかをチェックして、そうであると
スタンバイスリップ率目標値(レジスタSoPBSTR
iのデ−タ)をスリップ率目標値Soiに定める(73
4B,734C)。
【0076】この実施例では、スリップ率目標値SoABS
i,SoBDCi,SoTRCiおよびSoSTRiは固定値であり、S
oABSi=0.15,SoBDCi=0.01,SoTRCi=−
0.07およびSoSTRi=0である。
【0077】なお、上述の「制御優先処理」300F
で、「ABS制御」400の実行中(ABSFi=1)
は「B−STR制御」700は実行する(レジスタST
RoFおよびSTRuFのデ−タは変更しない)が、
「2−BDC制御」500および「TRC制御」600
は禁止し(レジスタBDCF,TRCFをクリアしてそ
の内容を0にする)、「B−STR制御」700の実行
中(STRoF=1又はSTRuF=1)は「ABS制
御」400を実行する(レジスタABSFをクリアしな
い)。「2−BDC制御」500の実行中(BDCF=
1)には、「TRC制御」600は禁止する(レジスタ
TRCFをクリアする)ので、ABSF=1,STRo
F=1又はSTRuF=1のときには、BDCF=0,
TRCF=0であり、ステップ728〜734A,73
5で算出するスリップ率目標値Soiには、SoBDCiおよ
びSoTRCiは含まれない。ABSF=0,STRoF=
0およびSTRuF=0で、BDCF=1のときには、
BTRC=0であるので、スリップ率目標値Soiは、
「2−BDC制御」のために(上記ステップ721〜7
27対応の演算で)算出したスリップ率補正量(上記Δ
Siに対応するもの)+SoBDCiとなる。ABSF=
0,STRoF=0,STRuF=0およびBDCF=
0でTRCF=1のときには、スリップ率目標値Soi
は、「TRC制御」のために(上記ステップ721〜7
27対応の演算で)算出したスリップ率補正量(上記Δ
Siに対応するもの)+SoTRCiとなる。
【0078】ABSF=1,STRoF=0およびST
RuF=0のときには、BDCF=0,TRCF=0で
あり、スリップ率目標値Soiは、「ABS制御」のため
に(上記ステップ721〜727対応の演算で)算出し
たスリップ率補正量(上記ΔSiに対応するもの)+S
oABSiとなる。ABSF=0,STRoF=1又はST
RuF=1のときには、BDCF=0,TRCF=0で
あり、スリップ率目標値Soiは、「B−STR制御」の
ために上記ステップ721〜727の演算で算出したス
リップ率補正量ΔSi+SoSTRiとなる。
【0079】図24を参照する。上述のようにスリップ
率目標値Soiを算出すると、コンピュ−タ11は、各輪
のスリップ率偏差Esoiおよび車輪加速度偏差EDiを次
のように算出する(736): Esoi=Soi−(基準速度−制御輪速度−BVWi)/基準速度 ・・・(10) EDi=基準加速度−制御輪加速度 ・・・
(11) ここでの処理は、B−STR制御のためのものであるの
で、基準速度,制御輪速度,基準加速度および制御輪加
速度は、ステップ736のブロック中の表中の「B−S
TR制御」の欄に示すものである。
【0080】次に、スリップ率偏差Esoiの絶対値が
所定値ε未満であるかをチェックして(737A)、所
定値ε以上であるとスリップ率偏差Esoiの積分値IEs
oiを算出する(737B)。すなわち、前回算出したス
リップ率偏差積分値IEsoiに、ゲインGIi×今回算出
したスリップ率偏差Esoiを加算した値を、今回算出し
たスリップ率偏差積分値IEsoiとする。ゲインGIiは
この実施例では1である。このスリップ率偏差積分値I
Esoiを、上限値IEsoiU以下、下限値IEsoiL以上
に制限するために、IEsoiがIEsoiU以上であるとス
リップ率偏差積分値IEsoiの値を上限値IEsoiUに更
新し、IEsoiL以下であるとスリップ率偏差積分値I
Esoiの値を下限値IEsoiLに更新する(738〜74
1)。IEsoiは、|Esoi|<所定値εの時に0にクリ
アする(737C)。
【0081】次に、ブレ−キ圧制御モ−ド判定用のパラ
メ−タYを、 Y=Gsoi・(Esoi+IEsoi) ・・・(12) と算出する(743)。Gsoiはゲインであり、図26
に示すように、横すべり角βの絶対値が小さいときには
小さい値、大きいときには大きい値である。
【0082】次に、ブレ−キ圧制御モ−ド判定用のもう
1つのパラメ−タXを、 X=GEDi・EDi ・・・(14) と算出する(745)。GEDiは定数(固定値)であ
る。
【0083】図25を参照する。コンピュ−タ11は次
に、レジスタPBSTRiのデ−タをチェックして(7
46A)、そのデ−タが先行増圧要(1)であると、計
時値Ti(図22の909Gで計時をスタ−トしてい
る)が、設定値Tpiを越えている(設定時間の先行増
圧を行なった)かをチェック(746B)、設定値Tp
i以下であると先行増圧終了(レジスタIPUEFiの
デ−タが1)となっていない場合に、スリップ率偏差E
soiがKs%以上であると急増圧を設定する(74
6C,746D,746G)。これにより車輪ブレ−キ
圧が増圧される。この実施例ではKsは−1に定めてい
る。計時値Tiが設定値Tpi以上になってした場合、
ならびに、スリップ率偏差がKs(−1%)未満の場合
に、レジスタIPUEFiに1(先行増圧終了)を書込
む(746E)。
【0084】そして、先行増圧不要(PBSTRi=
0)のとき、ならびに、先行増圧終了(IPUEFi=
1)のときには、本来の車輪ブレ−キ圧制御の実行のた
めに、メモリアクセスにより、パラメ−タXとYの組合
せ(X,Y)が、予め定められている急減圧領域,
パルス減圧領域,ホ−ルド領域,パルス増圧領域お
よび急増圧領域のいずれにあるかを判定する(746
F)。なお、例えば制御輪がFR(車輪ブレ−キ51)
の場合、以後の制御(「出力制御」800)で、急減
圧領域と判定した場合には、減圧〔電磁切換弁61通
電,電磁弁31通電(弁閉)および電磁弁32通電(弁
開)〕の継続(連続)を設定する。パルス減圧領域と
判定した場合には、所定時間の上記減圧と、所定時間の
ホ−ルド〔電磁切換弁61通電,電磁弁31通電(弁
閉)および電磁弁32非通電(弁閉)〕の繰返しを設定
する。ホ−ルド領域と判定した場合には、上記ホ−ル
ドの継続(連続)を設定する。パルス増圧領域と判定
した場合には、所定時間の増圧〔電磁切換弁61通電,
電磁弁31非通電(弁開)および電磁弁32非通電(弁
閉)〕と、所定時間の上記ホ−ルドの繰返しを設定す
る。急増圧領域と判定した場合には、上記増圧の継続
(連続)を設定する。ステップ746Gでの「急増圧
」の設定は、この急増圧領域と判定した場合の増圧
の継続を設定したことになる。
【0085】以上の処理により、制動力配分制御(B−
STR,2−BDC)要となる前に加圧すべき車輪ブレ
−キが判定され(図21)、摩擦係数演算値μに対応す
る車輪スリップ率目標値が設定されて(図22)、車輪
スリップ率偏差Esoiが算出され(図24)、加圧す
べき車輪ブレ−キが、車輪スリップ率偏差EsoiがK
s(本実施例では−1%)未満になるまで、また設定時
間Tpiを限度に増圧(先行増圧)が行われる(図25
の746A〜746D,746G)。車輪スリップ率偏
差EsoiがKs(本実施例では−1%)未満になる
と、あるいは増圧時間が設定時間Tpiを越えると、車
輪スリップ率偏差Esoiを零とするためのスリップ率
サ−ボ制御(図24および図25の746F)が行なわ
れる。先行増圧(図25の746A〜746D,746
G)が増圧のみであるのに対して、スリップ率サ−ボ制
御(図24および図25の746F)は、増圧のみなら
ず、車両の状態に応じてパルス増圧,ホ−ルド,パルス
減圧,急減圧など、実際の制動力配分制御の場合のブレ
−キ圧変更モ−ドを同様に実行する可能性があるもので
ある。制動力配分制御要と判定されないが、先行増圧要
と判定されこの判定が長く続くときには、先行増圧(図
25の746A〜746D,746G;増圧のみ)が設
定時間Tpi継続した後、あるいはスリップ率偏差Es
oiがKs未満になったときに、スリップ率サ−ボ制御
(図24および図25の746F)に切換わる。このス
リップ率サ−ボ制御が、先行増圧による過度の増圧を抑
止する。ここで、本来の制動力配分制御の内容の1つで
あるオ−バステア補償制御(B−STR−OS制御)に
ついて増,減圧等の設定に至る過程を要約すると、「車
両状態量推定」200のステップ202(図7)におい
て摩擦係数μを算出しており、この摩擦係数μに対応し
た係数K、すなわちμが高いと大きい値の係数Kを、
「B−STR−OS制御」700Aのステップ706
(図16)で算出している。次のステップ707(図1
6)で、横すべり角βと横すべり角速度Dβの組合せが
A0〜A7のどの領域であるかを判定して、次のステッ
プ708(図17)で、領域対応でスリップ率補正量Δ
Sを決定している。すなわち、横すべり角βと横すべり
角速度Dβに対応して、横すべり角βが大きいほど、ま
た横すべり角速度Dβが大きいほど大きい値のスリップ
率補正量ΔSを決定している。そして、係数Kとスリッ
プ率補正量ΔSの積K・ΔSを各輪補正量ΔSioとし
(図17の709)、この各輪補正量ΔSioとB−S
TR制御用の目標値SoSTRiの和を目標スリップ率Soi
としている(図23の723,725,727,734,735)。そして、ス
リップ率偏差Esoiと、加速度偏差EDiを算出して(図
24の736)、スリップ率偏差Esoiの積分値IEsoiを算
出してこれをYとし、加速度偏差EDiをXとして(図
24の737〜745)、X,Yに従って、X,Yが正で、そ
れらの値が共に大きいとパルス増圧あるいは急増圧を設
定し、X,Yが負で、それらの絶対値が共に大きいとパ
ルス減圧あるいは急減圧を設定する(図25の746F)。
【0086】このような車輪ブレ−キ圧の設定により、
例えば横すべり角βが増大したとき、目標スリップ率S
oiを大きい値に定めるので、実スリップ率が大きくなる
ように、車輪ブレ−キ圧が調圧される(この調圧を行な
う実際の出力は、後述の「出力制御」800(図5)で
行なう)。これにより車輪ブレ−キ圧が上昇し、横すべ
り角が増加して発生するスピンモ−メントに対する逆の
モーメントが作られ、横すべり角の増大が抑制される。
【0087】摩擦係数μが高いと、車輪ブレ−キ圧の増
圧による効果的な横すべり角増大抑止、すなわちスピン
挙動の抑止が期待される。この場合には706(図1
6)により目標スリップ率Soiが大きい値に定まるの
で、車両スピン抑制効果が高い。逆に、摩擦係数μが低
いと車輪ブレ−キ圧の増圧による車両スピン抑制効果が
低いのみならず、かえって車体ヨー運動を乱すおそれが
ある。この場合、706(図16)により目標スリップ
率Soiが小さい値に定まるので、車輪ブレ−キ圧の過増
圧が抑制される。このように摩擦係数μをオーバーステ
ア補償のための車輪ブレ−キ圧制御のパラメ−タにして
いるので、オーバーステア補償の安定性が向上する。
【0088】車体横すべり角βおよび摩擦係数μならび
に横すべり角速度Dβに基づいて、横すべり角速度Dβ
が大きいと大きい目標スリップ率Soiを定め、 スリップ率偏差ESoi=目標スリップ率Soi−実スリッ
プ率、および、 加速度偏差EDi=増,減圧に決定しなかった車輪の加
速度DNVso−増,減圧に決定した車輪の加速度DNV
soi、 に対応して、偏差ESoiおよびEDiが正でそれらの絶
対値が大きいとき増圧を決定し、負で絶対値が大きいと
き減圧を決定するので、制御対象輪に決定した車輪が目
標スリップ率Soi近くのスリップ率に制御される。こ
れにより、他の非制御輪よりスリップ率が大きくなり、
アンチスピンモーメントが作られる。
【0089】先行増圧要の場合には、目標スリップ率S
oiを摩擦係数μに対応して定め(図22の909A,9
09B)、スリップ率偏差Esoiを算出して(図24の73
6)、スリップ率偏差Esoiが−1以上のとき急増圧を設
定し(図25の746G)、偏差Esoiが−1未満になると、
あるいは該急増圧を設定時間Tpi継続すると、スリッ
プ率サ−ボ制御を行なう。先行増圧で、摩擦係数μが高
いときには高いスタンバイスリップ率目標値が設定され
(図22の909A,909B)、先行増圧の圧力上昇が比較的に大
きく、上述の摩擦係数μが高い場合のオ−バ−ステア補
償のための車輪ブレ−キ圧制御の昇圧が早期に現われ、
該制御の応答性が高い。摩擦係数μが低い場合にはオ−
バ−ステア補償のための車輪ブレ−キ圧の所要昇圧量は
少いが、このとき、先行増圧による圧力上昇も少く、オ
−バ−ステア補償のための車輪ブレ−キ圧制御によって
過昇圧をもたらすことがない。
【0090】次にアンダ−ステア補償制御(B−STR
−US制御)で増,減圧等の設定(図25のステップ7
46F)に至る過程を要約すると、横加速度センサGY
が検出する横加速度gyc(正確には、図7のステップ
201で補正した値)は、車体の実際の旋回に対応する
値となり、旋回速度が高いと大きく、旋回速度が低いと
小さい。操舵量θfおよび車体速度Vsoに対応して、
図10のステップ311で基準横加速度gyeを算出
し、ステップ312〜316で、基準横加速度gyeに
転舵に対する旋回の遅れ相当の補正を施して、基準横加
速度gyeaとして、gyc<k2・gyeaのとき、
gyc>k3を条件に、レジスタSTRuFに1を書込
む(図10の312〜318)。
【0091】図20のステップ717で、操舵量θfで
横加速度gycを車体に生ずる規範車体速度Vsouを
推定算出し、規範車体速度Vsouに対する車体速度V
soの偏差ΔVに対応する目標スリップ率偏差ΔSiu
を決定し、これをB−STR−US制御に定めている基
準スリップ率SoSTRiに加算して、和を目標スリッ
プ率Soiとする(図23の724,726,727,
734A,735)。そして車輪回転速度Vwiおよび
車体速度Vsoに基づいて車輪の実スリップ率を推定算
出しかつスリップ率偏差Esoiおよび加速度偏差ED
iを算出して(図24の736)、スリップ率偏差Es
oiの積分値IEsoiを算出し、スリップ率偏差Es
oi+積分値IEsoiに比例する値を増,減圧判定用
の1つのパラメ−タYとし、加速度偏差EDiに比例す
る値を増,減圧判定用のもう1つのパラメ−タXとする
(図24の737A〜745)。そして、図25のステ
ップ746Fで、増,減圧モ−ドを決定する。
【0092】このような車輪ブレ−キ圧の設定により、
例えば基準横加速度gyeに対して、検出横加速度gy
cが相対的に低いと、制御輪が増圧される(この増圧を
行なう実際の出力は、後述の「出力制御」800(図
5)で行なう)。これにより、検出横加速度gycが基
準横加速度gyeに達しないと、車体に制動が加えら
れ、この制動により車体速度Vsoが低下して、基準横
加速度gyeの旋回がもたらされる。車体速度が高い場
合、摩擦係数μが低い場合あるいはタイヤ摩耗が進んで
いる場合、操舵量θfに対して旋回不足を生じ易いが、
この旋回(不足)が車体横加速度検出手段(GY)が検
出する横加速度gycに現われ、車輪ブレ−キ圧の増圧
判定に導入されてこの場合車輪ブレ−キ圧が増圧され
る。したがってアンダ−ステア補償制御の安定性および
信頼性が向上する。具体時には、基準横加速度gyeに
転舵に対する旋回の遅れ相当の補正を施して、検出横加
速度gycを基準横加速度gyeaと対比するので、操
舵速度に対応して最適な遅れを含むアンダ−ステア補償
制御が行なわれるので、その安定性および信頼性が更に
向上する。
【0093】この場合にも、先行増圧で、摩擦係数μが
高いときには高いスタンバイスリップ率目標値が設定さ
れ(図22の909A,909B)、先行増圧の圧力上昇が比較的に
大きく、アンダ−ステア補償のための車輪ブレ−キ圧制
御の昇圧が早期に現われ、該制御の応答性が高い。摩擦
係数μが低い場合にはアンダ−ステア補償のための車輪
ブレ−キ圧の所要昇圧量は少いが、このとき、先行増圧
による圧力上昇も少く、オ−バ−ステア補償のための車
輪ブレ−キ圧制御によって過昇圧をもたらすことがな
い。
【0094】図23のステップ728〜73Aに示すよ
うに、ABS制御と同様にアンダ−ステア補償制御(B
−STR−US制御)宛ての目標スリップ率を算出し、
ABS制御宛ての目標スリップ率に加算し、加算値に対
応して図24のステップ736から図25のステップ7
46Fに示すように車輪ブレ−キの増,減圧を定めるの
で、ブレ−キ圧制御出力が相反することがなくなり、A
BS制御とアンダ−ステア補償制御とが整合する。
【0095】上述のように増,減圧等を設定すると、次
にコンピュ−タ11は、今回判定した領域と前回判定し
た領域に対応して、判定した領域が、減圧から増圧(パ
ルス増圧,急増圧)に切換わるか、あるいは増圧から減
圧(パルス減圧,急減圧)に切換わると、車輪ブレ−キ
圧の立上り/立下がりを滑らかにするためのブレ−キ圧
制御モ−ド調整を行なう(747)。例えば、ABS時
急減からパルス増圧に変わるときには、それから所定時
間の間、パルス増圧の増圧デュ−ティ(増圧時間/(ホ
ールド時間))を0から、パルス増圧領域に定められ
た所定値まで次第に立上げる(ための増圧デュ−ティの
設定を行なう)。
【0096】次にコンピュ−タ11は、例えばB−ST
R制御の開始(STRoF=0→STRoF=1又はS
TRuF=0→STRuF=1の切換わり)があったと
きには、ブレーキ力応答性を上げる初期加圧を行なう
(748)。また、例えばB−STR制御の終了(ST
RoF=1→STRoF=0又はSTRuF=1→ST
RuF=0の切換わり)があったときには、制御輪の直
前の制御油圧とマスタシリンダ油圧とを合わせるためブ
レ−キ圧制御を行ない、調圧を行い制御を終了する。
【0097】(5) 「ABS制御」400:図27 図27を参照する。「ABS制御」400では、横すべ
り角速度Dβと車体速度Vsoの組合せが、開始域1にあ
るか、あるいは、横すべり角βと車体速度Vsoの組合せ
が、開始域2にあるかをチェックする(304A,30
4B)。なお、開始域1,2は、「B−STR−OS制
御」700Aのときに参照するもの(図9の304,3
05)と同じであり、開始域1又は2にあるとスピン傾
向ありと判定し、ABS制御時の後輪の目標スリップ率
SφABSi(i=RL,RR)をSφABSRとし、
また、開始域1,2のいずれにもないと、目標スリップ
率SφABSiをSφABSとする(705AA)。こ
こで、SφABSRとSφABSはそれぞれ定数であ
り、SφABSは通常の値であるが、SφABSRは、
SφABSR<SφABSであるスピン傾向時の値であ
る。なお、前輪の目標スリップ率については、目標スリ
ップ率SφABSi(i=FR,FL)は固定値であ
る。
【0098】以上の処理により、転舵中に車体スピン傾
向を検出すると、後左,右車輪(RR,RL)の目標スリップ
率(Soi)が車体スピン傾向非検出のときより、低く設定
される(705AA)。これにより、後輪の横力が確保され、
車両安定性が向上し、旋回制動中の車体スピン傾向が抑
制される。
【0099】B−STR制御(オ−バステア,アンダ−
ステアを抑制する車両安定性制御)をABS制御と併行
して行なう(それぞれが所要と判定された場合)。この
B−STR制御中に、ブレ−キ操作によりABS制御状
態となった場合、上記ABS制御の転舵中のスピン傾向
抑制のための制御とが、相補的に協調することになり、
高い車両安定性が得られる。
【0100】(6) 「出力制御」800 「ABS制御」400,「2−BDC制御」500,
「TRC制御」600および「B−STR制御」700
それぞれの「スリップ率サ−ボ演算」(図3)で決定し
たブレ−キ圧制御モ−ドを実現する出力(電磁弁の通電
/非通電)を生成し、電磁弁ドライバ19b〜19oに
出力する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】 図1に示す車輪ブレ−キ圧系統の電磁弁等の
通電を制御する電子制御装置の構成概要を示すブロック
図である。
【図3】 図2に示すマイクロコンピュ−タ11の車輪
ブレ−キ圧制御に関連する制御機能をブロック区分で示
すブロック図である。
【図4】 図2に示すマイクロコンピュ−タ11の車輪
ブレ−キ圧制御の内容の概要を、情報の流れを主体に示
すフロ−チャ−トである。
【図5】 図2に示すマイクロコンピュ−タ11の車輪
ブレ−キ圧制御の概要を、制御動作を主体に示すフロ−
チャ−トである。
【図6】 図5に示す「車輪速演算&車輪加速度演算」
100の内容を示すフロ−チャ−トである。
【図7】 図5に示す「車両状態量推定」200の内容
を示すフロ−チャ−トである。
【図8】 図5に示す「制御モ−ド開始・終了処理」3
00の内容を示すフロ−チャ−トである。
【図9】 図8に示す「B−STR−OS開始/終了判
別」300Dの内容を示すフロ−チャ−トである。
【図10】 図8に示す「B−STR−US開始/終了
判別」300Eの内容を示すフロ−チャ−トである。
【図11】 図5に示す「B−STR制御」700の内
容を示すフロ−チャ−トである。
【図12】 図11に示す「B−STR−OS制御」7
00Aの内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図13】 図12に示す「制御輪選択」705の第1
変形例を示すフロ−チャ−トである。
【図14】 図12に示す「制御輪選択」705の第2
変形例を示すフロ−チャ−トである。
【図15】 図12に示す「制御輪選択」705の第3
変形例を示すフロ−チャ−トである。
【図16】 図11に示す「B−STR−OS制御」7
00Aの内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図17】 図11に示す「B−STR−OS制御」7
00Aの内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図18】 図11に示す「B−STR−OS制御」7
00Aの内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図19】 図2に示す4WSコントロ−ラ70の機能
概要を示すブロック図である。
【図20】 図11に示す「B−STR−US制御」7
00Bの内容を示すフロ−チャ−トである。
【図21】 図11に示すステップ「油圧スタンバイ」
700Cの内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図22】 図11に示すステップ「油圧スタンバイ」
700Cの内容の残部を示すフロ−チャ−トである。
【図23】 図11に示す「スリップ率サ−ボ演算」7
00Dの内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図24】 図11に示す「スリップ率サ−ボ演算」7
00Dの内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図25】 図11に示す「スリップ率サ−ボ演算」7
00Dの内容の一部を示すフロ−チャ−トである。
【図26】 図24のステップ743中に示すゲインG
soiの、横すべり角βの変化に対する変化傾向を示すグ
ラフである。
【図27】 図5に示すステップ400の内容の一部を
示すフロ−チャ−トである。
【符号の説明】
2:ブレ−キマスタシリンダ 3:ブレ−
キペダル 4:ブレ−キ液リザ−バ 5:バキュ
−ムブ−スタ 6:比例制御弁 10:電子
制御装置 11:マイクロコンピュ−タ 12:入力
インタ−フェイス 13:出力インタ−フェイス 14:CP
U 15:ROM 16:RA
M 17:タイマ 18a〜1
8m:信号処理回路 19a〜19o:モ−タドライバおよびソレノイドドラ
イバ 21:ポンプ 24:電気
モ−タ 31,33,35,37:増圧用電磁弁 32,34,36,38:減圧用電磁弁 41〜44:車輪速度センサ 45:スト
ップスイッチ YA:ヨ−レ−トセンサ θF:前輪
舵角センサ θR:後輪舵角センサ GX:前後
加速度センサ GY:横加速度センサ 51〜5
4:車輪ブレ−キ 61,62,63,64:電磁切換弁 65,6
6:電磁開閉弁 70:小容量リザ−バ 80,8
1:リリ−ブバルブ 82,83:押込みバルブ 84〜8
7:チエックバルブ 139〜142:チェックバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊 藤 孝 之 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 西 沢 義 治 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 小 島 誠 一 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 黒 満 廣 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレ−キ倍力装置にバキュ−ムブ−スタを
    使用しドライバの操作により操作力対応の第1圧力を発
    生する第1ブレ−キ圧源;モ−タ駆動されるポンプによ
    る第2圧力を発生する第2ブレ−キ圧源;第1圧力と第
    2圧力の一方を選択的に車輪ブレ−キに供給するブレ−
    キ圧操作手段;ならびに、車体ドリフト量及び車体スピ
    ン量を推定し、その推定値に基づいて車両旋回が過不足
    領域にあるかを判定し過不足領域にあると車輪ブレ−キ
    圧を増圧する車輪ブレ−キを決定する情報処理手段;お
    よび、該決定された車輪ブレ−キに、前記ブレ−キ圧操
    作手段を介して第2圧力を供給する出力手段;を備える
    車輪ブレ−キ圧制御装置において、 前記過不足領域より広い参照領域に車両旋回があるかを
    判定する判定処理手段;参照領域にあると第2圧力を発
    生するために第2ブレ−キ圧源を駆動する圧力源駆動手
    段;参照領域にあると車輪ブレ−キの増圧が必要となる
    可能性が高い車輪ブレ−キを決定する情報処理手段;お
    よび、決定した車輪ブレ−キと第2ブレーキ圧源とを連
    通し且つその車輪ブレーキのスリップ率サ−ボ制御を行
    うブレ−キ圧制御手段;を備えることを特徴とする車輪
    ブレ−キ圧制御装置。
  2. 【請求項2】ブレ−キ倍力装置にバキュ−ムブ−スタを
    使用しドライバの操作により操作力対応の第1圧力を発
    生する第1ブレ−キ圧源;モ−タ駆動されるポンプによ
    る第2圧力を発生する第2ブレ−キ圧源;第1圧力と第
    2圧力の一方を選択的に車輪ブレ−キに供給するブレ−
    キ圧操作手段;ならびに、車体ドリフト量及び車体スピ
    ン量を推定し、その推定値に基づいて車両旋回が過不足
    領域にあるかを判定し過不足領域にあると車輪ブレ−キ
    圧を増圧する車輪ブレ−キを決定する情報処理手段;お
    よび、該決定された車輪ブレ−キに、前記ブレ−キ圧操
    作手段を介して第2圧力を供給する出力手段;を備える
    車輪ブレ−キ圧制御装置において、 走行路面の摩擦係数を推定する摩擦係数演算手段;前記
    過不足領域より広い参照領域に車両旋回があるかを判定
    する判定処理手段;参照領域にあると第2圧力を発生す
    るために第2ブレ−キ圧源を駆動する圧力源駆動手段;
    参照領域にあると車輪ブレ−キの増圧が必要となる可能
    性が高い車輪ブレ−キを決定し、前記摩擦係数に予め定
    められているスリップ率をスタンバイ目標スリップ率に
    定める情報処理手段;および、決定した車輪ブレ−キと
    第2ブレーキ圧源とを連通し且つその車輪ブレーキの車
    輪スリップ率をスタンバイ目標スリップ率とするために
    増圧するブレ−キ圧制御手段;を備えることを特徴とす
    る車輪ブレ−キ圧制御装置。
JP7130196A 1994-11-28 1995-05-29 車輪ブレ−キ圧制御装置 Expired - Fee Related JP2822311B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7130196A JP2822311B2 (ja) 1994-11-28 1995-05-29 車輪ブレ−キ圧制御装置
DE69529725T DE69529725T2 (de) 1994-11-28 1995-11-24 Radbremsdruck-Steuerungssystem
EP95118532A EP0714821B1 (en) 1994-11-28 1995-11-24 Wheel brake pressure controlling system
US08/562,809 US5711585A (en) 1994-11-28 1995-11-27 Wheel brake pressure controlling system in which vehicle operating conditions are calculated to alter wheel brake pressure

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29270594 1994-11-28
JP6-292705 1994-11-28
JP7130196A JP2822311B2 (ja) 1994-11-28 1995-05-29 車輪ブレ−キ圧制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08207737A true JPH08207737A (ja) 1996-08-13
JP2822311B2 JP2822311B2 (ja) 1998-11-11

Family

ID=26465394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7130196A Expired - Fee Related JP2822311B2 (ja) 1994-11-28 1995-05-29 車輪ブレ−キ圧制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2822311B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6282478B1 (en) 1997-07-10 2001-08-28 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Travelling direction correction apparatus
JP2007076386A (ja) * 2005-09-09 2007-03-29 Mitsubishi Motors Corp 車両の姿勢制御装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0238175A (ja) * 1988-07-29 1990-02-07 Aisin Seiki Co Ltd ブレーキ圧制御装置
JPH03500868A (ja) * 1988-08-17 1991-02-28 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング ロツク防止制御装置
JPH05330417A (ja) * 1992-05-29 1993-12-14 Nippondenso Co Ltd 車両用加速スリップ制御装置
JPH068815A (ja) * 1992-06-26 1994-01-18 Honda Motor Co Ltd 目標スリップ率補正装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0238175A (ja) * 1988-07-29 1990-02-07 Aisin Seiki Co Ltd ブレーキ圧制御装置
JPH03500868A (ja) * 1988-08-17 1991-02-28 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング ロツク防止制御装置
JPH05330417A (ja) * 1992-05-29 1993-12-14 Nippondenso Co Ltd 車両用加速スリップ制御装置
JPH068815A (ja) * 1992-06-26 1994-01-18 Honda Motor Co Ltd 目標スリップ率補正装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6282478B1 (en) 1997-07-10 2001-08-28 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Travelling direction correction apparatus
JP2007076386A (ja) * 2005-09-09 2007-03-29 Mitsubishi Motors Corp 車両の姿勢制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2822311B2 (ja) 1998-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5711585A (en) Wheel brake pressure controlling system in which vehicle operating conditions are calculated to alter wheel brake pressure
JP3577372B2 (ja) 制動力制御装置
JPH09142273A (ja) 車両の運動制御装置
JP3435924B2 (ja) 車輌の制動力制御装置
JPH09301142A (ja) 車両の制動力制御装置
JP2861651B2 (ja) 車両の運動制御装置
JP2572860B2 (ja) 車両の旋回挙動制御装置
JPH10250548A (ja) 車両の自動ブレーキ装置
JPH0986377A (ja) 液圧制御装置
JP2540742B2 (ja) 車両の補助操舵装置
US6431663B1 (en) Process and device to improve the regulating action of an anti-lock braking system
JP2000335389A (ja) 制動力配分制御装置
JP3123099B2 (ja) 制動力制御装置
JPH08216861A (ja) 車両の安定制御装置
JP2822311B2 (ja) 車輪ブレ−キ圧制御装置
JP3205684B2 (ja) 車両のブレーキ力配分制御方法
JP2803591B2 (ja) 車輪ブレーキ圧制御装置
JPH08142834A (ja) 車輪ブレ−キ圧制御装置
JP3446048B2 (ja) 車輪ブレーキ圧制御装置
JPH08142846A (ja) 車輪ブレ−キ圧制御装置
JP3400718B2 (ja) 車両旋回運動制御装置
JPH06107156A (ja) アンチスキッド制御装置
JPH08142832A (ja) 車体姿勢制御装置
JPH08142831A (ja) 車輪ブレ−キ圧制御装置
JP3214827B2 (ja) 車両のオーバーステア抑制制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070904

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080904

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080904

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080904

Year of fee payment: 10

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090904

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100904

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100904

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110904

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110904

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130904

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees