JP3205684B2 - 車両のブレーキ力配分制御方法 - Google Patents

車両のブレーキ力配分制御方法

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JP3205684B2
JP3205684B2 JP16386095A JP16386095A JP3205684B2 JP 3205684 B2 JP3205684 B2 JP 3205684B2 JP 16386095 A JP16386095 A JP 16386095A JP 16386095 A JP16386095 A JP 16386095A JP 3205684 B2 JP3205684 B2 JP 3205684B2
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芳洋 浦井
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  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、前輪の車輪速度および
後輪の車輪速度の差に基づき、前輪ブレーキおよび後輪
ブレーキのブレーキ液圧配分比を調整して前後ブレーキ
力配分を制御する車両のブレーキ力配分制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、前後の車輪速度差をなくすように
前後のブレーキ力配分制御を行い、理想的なブレーキ力
配分を達成するようにした技術が、たとえば特公昭51
−26584号公報および特開平6−144178号公
報等により既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものでは、
前輪および後輪の速度差をなくすように前後のブレーキ
力の配分制御を行うことにより、前輪および後輪にかか
る荷重に応じた最適なブレーキ力を得るようにしてい
る。これは、次のような原理に基づいている。すなわち
垂直抗力Nを路面から受けているタイヤがブレーキ力B
を発生しているときに、タイヤのスリップ率λは、その
微小領域では簡単には次式で表される。
【0004】 λ=K・(B/N) K:定数 一方、ブレーキ力の理想配分とは前後のブレーキ力を垂
直抗力Nに比例させるものであるから、前後のスリップ
率λを等しくすればよい。而して車体速度をV V 、車輪
速度をVW としたときに、スリップ率λは、 λ=(VV −VW )/VV であるので、前後の車輪速度VW が等しくなるように制
御すれば前後のスリップ率λを等しくすることができ、
より具体的には後輪のブレーキ液圧を制御することによ
り、後輪の車輪速度VW が前輪の車輪速度VW に等しく
なるように制御が行われる。
【0005】ところが、前輪および後輪の速度差は極め
て微小な値であり、凹凸等の路面変動が在る場合や、駆
動輪の駆動力に変化が生じたときに、前輪および後輪の
速度差が生じることにより不必要な前後ブレーキ力配分
制御が行なわれる可能性がある。
【0006】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、不必要な制御を効果的に抑制し得るようにし
た車両のブレーキ力配分制御方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,請求項1記載の発明は,前輪の車輪速度および後輪
の車輪速度の差に基づき,前輪ブレーキおよび後輪ブレ
ーキのブレーキ液圧配分比を調整して前後ブレーキ力配
分を制御する前後ブレーキ力配分制御を,車体減速度が
車体減速度基準値を超えることを必要条件として実行す
ようにした車両のブレーキ力配分制御方法であって,
車体減速度基準値として,第1車体減速度基準値と,第
1車体減速度基準値よりも大きな第2車体減速度基準値
とを設定しておき,車体減速度が第1車体減速度基準値
を超えるとともに前輪の車輪速度および後輪の車輪速度
の差と車輪速度差目標値との間に偏差が生じていると
き,もしくは前輪の車輪速度および後輪の車輪速度の差
にかかわらず車体減速度が第2車体減速度基準値を超え
たときに,前後ブレーキ力配分制御を実行することを特
徴とする。
【0008】
【0009】請求項記載の発明は,上記請求項1記
の発明の構成に加えて,車体減速度基準値を,車体速度
の増加に応じて小さく変更することを特徴とする。
【0010】さらに請求項記載の発明は,上記請求項
または2記載の発明の構成に加えて,車体減速度基準
値を,車両の横方向加速度の増加に応じて小さく変更す
ることを特徴とする。
【0011】
【作用】上記請求項1記載の発明によれば、車体減速度
が車体減速度基準値を超えない限り、前後ブレーキ力配
分制御を実行することはないので、凹凸等の路面変動が
在る場合や、駆動輪の駆動力に変化が生じたときに、不
必要な前後ブレーキ力配分制御が行なわれることはな
い。
【0012】また特に前後の車輪速度差が目標車輪速度
差からずれた状態で車体減速度が第1車体減速度基準値
を超えたときに前後ブレーキ力配分制御を実行すること
により,不必要な制御を抑制することができ,しかも車
体減速度が第1車体減速度基準値よりも大きな第2車体
減速度基準値を超えたときには,前後の車輪速度差にか
かわらず前後ブレーキ力配分制御を実行することによ
り,急ブレーキ時に緩やかに変化する車体のピッチング
運動の影響によって前後の車輪速度差の変化が遅れても
速やかに前後ブレーキ力配分制御を開始することが可能
となる。
【0013】上記請求項記載の発明によれば,車体減
速度基準値が車体速度の増加に応じて小さくなることに
より,高速走行時には速やかにブレーキ力配分制御を開
始して車体の安定性を確保し,低速走行時には不必要な
制御を抑制可能となる。
【0014】さらに上記請求項記載の発明によれば,
車体減速度基準値が横方向加速度の増加に応じて小さく
なることにより,急旋回時には速やかにブレーキ力配分
制御を開始して車体の安定性を確保し,直進あるいは緩
やかな旋回時には不必要な制御を抑制可能となる。
【0015】
【実施例】以下、図面により本発明を前輪駆動車両に適
用したときの一実施例について説明する。
【0016】図1ないし図5は本発明の一実施例を示す
ものであり、図1はブレーキ装置の液圧回路図、図2は
ブレーキ圧調整手段の構成を示す図、図3はブレーキ力
配分制御手順を示すフローチャート、図4は制御モード
の相関関係を示す図、図5はタイミングチャートであ
る。
【0017】先ず図1において、第1および第2出力ポ
ート1,2を有するタンデム型のマスタシリンダMには
ブレーキペダル3が連動、連結されており、ブレーキペ
ダル3の踏込み操作に応じてマスタシリンダMの第1お
よび第2出力ポート1,2からは相互に独立したブレー
キ液圧が出力される。而して第1出力ポート1には、ブ
レーキ圧調整手段41 を有する第1ブレーキ液圧系統5
1 が接続されており、右前輪WFRに装着された右前輪ブ
レーキBFRならびに左後輪WRLに装着された左後輪ブレ
ーキBRLが第1ブレーキ液圧系統51 に接続される。ま
た第2出力ポート2には、ブレーキ圧調整手段42 を有
する第2ブレーキ液圧系統52 が接続されており、左前
輪WFLに装着された左前輪ブレーキBFLならびに右後輪
RRに装着された右後輪ブレーキBRRが第2ブレーキ液
圧系統52 に接続される。而して各ブレーキBFL
FR,BRL,BRRは、作用するブレーキ液圧に応じたブ
レーキ力を発揮するものであり、たとえばディスクブレ
ーキである。
【0018】また左、右前輪WFL,WFRの回転速度は
左、右前輪回転速度センサSFL,SFRでそれぞれ検出さ
れ、左、右後輪WRL,WRRの回転速度は左、右後輪回転
速度センサSRL,SRRでそれぞれ検出される。これらの
回転速度センサSFL,SFR,S RL,SRRの検出値は電子
制御ユニット6に入力され、電子制御ユニット6は、回
転速度センサSFL,SFR,SRL,SRRの検出値に基づい
てブレーキ圧調整手段4 1 ,42 の作動を制御する。
【0019】図2において、第1ブレーキ液圧系統51
におけるブレーキ圧調整手段41 は、マスタシリンダM
の第1出力ポート1から出力されるブレーキ液圧を右前
輪ブレーキBFRに作用させ得る電磁供給弁7F と、第1
出力ポート1から出力されるブレーキ液圧を左後輪ブレ
ーキBRLに作用させ得る電磁供給弁7R と、リザーバ8
と、右前輪ブレーキBFRのブレーキ液圧をリザーバ8に
解放可能な電磁解放弁9F と、左後輪ブレーキBRLのブ
レーキ液圧をリザーバ8に解放可能な電磁解放弁9
R と、リザーバ8から汲み上げた作動液を第1出力ポー
ト1側に戻し得る液圧ポンプ10とを備えた従来周知の
アンチロックブレーキ制御装置である。而して電磁供給
弁7F ,7R は、消磁時に第1出力ポート1および各車
輪ブレーキB FR,BRL間を連通する状態と、励磁時に第
1出力ポート1から各車輪ブレーキB FR,BRLへのブレ
ーキ液の流れを阻止するが各車輪ブレーキBFR,BRL
ら第1出力ポート1側へのブレーキ液の流れを許容する
状態とを切換可能であり、電磁解放弁9F ,9R は、消
磁時に各車輪ブレーキBFR,BRLおよびリザーバ8間を
遮断する状態と、励磁時に各車輪ブレーキBFR,BRL
よびリザーバ8間を連通する状態とを切換可能である。
【0020】このようなブレーキ圧調整手段41 では、
電磁供給弁7F ,7R および電磁解放弁9F ,9R の制
御により、右前輪ブレーキBFRおよび左後輪ブレーキB
RLのアンチロックブレーキ制御を実行可能であるととも
に、右前輪ブレーキBFRおよび左後輪ブレーキBRLのブ
レーキ力配分を調整可能である。
【0021】第2ブレーキ液圧系統52 におけるブレー
キ圧調整手段42 も、上記ブレーキ圧調整手段41 と同
様に構成されており、左前輪ブレーキBFLおよび右後輪
ブレーキBRRのアンチロックブレーキ制御を実行可能で
あるとともに、左前輪ブレーキBFLおよび右後輪ブレー
キBRRのブレーキ力配分を調整可能である。
【0022】電子制御ユニット6は、図3で示す手順に
従って制御演算を実行するものであり、先ず第1ステッ
プS1では、左、右前輪回転速度ωFL,ωFRおよび左、
右後輪回転速度ωRL,ωRRを読込み、次の第2ステップ
S2に進んでタイヤ径の補正係数を演算する。すなわち
車両が定速走行状態に在るときの各輪WFL,WFR
RL,WRRの回転速度ωFL,ωFR,ωRL,ωRRを比較す
ることにより、タイヤ半径のばらつきを補正するための
補正係数を演算することになる。
【0023】第3ステップS3では、全車輪WFL
FR,WRL,WRRの車輪速度を演算する。すなわち左前
輪速度VWFL 、右前輪速度VWFR 、左後輪速度VWRL
よび右後輪速度VWRR をそれぞれ次のようにして演算す
る。
【0024】VWFL =rFL×ωFLWFR =rFR×ωFRWRL =rRL×ωRLWRR =rRR×ωRR ここで、rFL,rFR,rRL,rRRは、各輪WFL,WFR
RL,WRRのタイヤ動半径であり、タイヤ動半径の設定
値が第2ステップS2で得られた補正係数で補正された
ものである。
【0025】第4ステップS4では、左側および右側で
前後の車輪速度差ΔVL ,ΔVR を次の式に基づいてそ
れぞれ演算し、 ΔVL =VWRL −VWFL ΔVR =VWRR −VWFR 第5ステップS5では、車体速度VV を、{(VWRL
WRR )/2}として演算し、第6ステップS6では、
車両の前後方向に沿う車体減速度GX を後輪速度
WRL ,VWRR あるいは車体速度VV の演算周期での変
化量により求める。もちろん加速度センサを用いて車体
減速度GX を直接検出するようにしてもよい。
【0026】第7ステップS7では、車両の横方向加速
度GY を演算するが、この横方向加速度GY の演算にあ
たっては、先ず次式により車両のヨーレートγを演算
し、 γ=(VWRL −VWRR )/トレッド 次いで横方向加速度GY を次のようにして演算する。
【0027】GY =VV ×γ 第8ステップS8では、前後の車輪速度差目標値ΔVO
を次式に従って演算する。
【0028】ΔVO =λ・VV −d ここで、λ,dはそれぞれ一定値である。而してこの車
輪速度差目標値ΔVO が大きくなれば、後輪側の車輪速
度を速く、すなわち前輪側のブレーキ力を大きくするブ
レーキ力配分制御を実行することになる。
【0029】第9ステップS9では、前後ブレーキ力配
分制御を開始するか否かの判断基準となる第1および第
2車体減速度基準値G1 ,G2 を演算するものであり、
第1車体減速度基準値G1 は、車体速度VV の増加に応
じて小さく、かつ横方向加速度GY の増加に応じて小さ
くなるように次表に示すように車体速度VV および横方
向加速度GY に基づくマップとして予め設定されてい
る。
【0030】
【表1】
【0031】また第2車体減速度基準値G2 は、第1車
体減速度基準値G1 よりも大きく定められるものであ
り、車体速度VV の増加に応じて小さく、かつ横方向加
速度G Y の増加に応じて小さくなるように、上記表に準
じて予め設定されている。
【0032】第10ステップS10では、ブレーキ圧調
整手段41 ,42 の制御量の演算を実行するが、このブ
レーキ圧調整手段41 ,42 の制御にあたっては、図4
で示すような3つの制御モード、すなわち停止モード、
保持モードおよび増圧モードを切換えてブレーキ圧調整
手段41 ,42 を制御する。而して停止モードは、制御
を行わない状態、すなわちマスタシリンダMからのブレ
ーキ液圧を左、右後輪ブレーキBRL,BRRにそのまま作
用せしめるモードである。また保持モードは、マスタシ
リンダMおよび両後輪ブレーキBRL,BRR間を遮断して
後輪ブレーキB RL,BRRのブレーキ液圧を保持するモー
ドであり、マスタシリンダMのブレーキ液圧増大時に保
持モードとなると、前輪ブレーキBFL,BFRのブレーキ
液圧が増大するのに対し後輪ブレーキBRL,BRRのブレ
ーキ液圧が保持されることにより、後輪ブレーキBRL
RRのブレーキ液圧配分比が低下せしめられることにな
る。さらに増圧モードは、マスタシリンダMからのブレ
ーキ液圧を後輪ブレーキB RL,BRRに徐々に伝えること
によって後輪ブレーキBRL,BRRのブレーキ圧をある勾
配で緩やかに増圧するモードであり、前記勾配は、ΔV
L もしくはΔVR と、前後の車輪速度差目標値ΔVO
の差に基づきPID演算によって設定する。
【0033】停止モードから保持モードへは、次の第1
条件の成立に応じて移行するものであり、この第1条件
は、ΔVL (もしくはΔVR )<ΔV0 であって車体減
速度GX が第1車体減速度基準値G1 を超えること、も
しくは車体減速度GX が第1車体減速度基準値G1 より
も大きな第2車体減速度基準値G2 を超えることであ
る。すなわち、車体減速度GX が第1車体減速度基準値
1 を超えるとともに前輪WFL,WFRの車輪速度
WFL ,VWFR および後輪WRL,WRRの車輪速度
WRL,VWRR の差ΔVL ,ΔVR と車輪速度差目標値
ΔV0 との間に偏差が生じているとき、もしくは前輪W
FL,WFRの車輪速度VWRL ,VWRR および後輪WRL,W
RRの車輪速度VWRL ,VWRR の差ΔVL ,ΔVR にかか
わらず車体減速度GX が第2車体減速度基準値G2 を超
えたときに、前後ブレーキ力配分制御を開始することに
なる。
【0034】保持モードから停止モードへは、次の第2
条件の成立によって移行する。この第2条件は、ブレー
キ操作力を緩められたことを示すものであり、たとえば
車体減速度GX が或る値(たとえば0.2g)以下であ
ること、もしくはブレーキランプ信号がオフとなるこ
と、もしくは車体速度VV がたとえば約5km/h以下
となって車体がほぼ停止したことである。
【0035】保持モードから増圧モードへは、次の第3
条件の成立によって移行する。この第3条件は、ΔVL
(もしくはΔVR )>ΔV1 であって車体減速度GX
或る値(たとえば0.3g)以上であることである。こ
こでΔV1 は、車輪速度差目標値ΔVO にわずかな値
(たとえば0.3km/h)を加算したものであり、制
御が過敏になることを回避するために車輪速度差目標値
にヒステリシスを持たせたものである。これにより、後
輪側ブレーキ液圧の保持に伴ってブレーキ力配分が前輪
寄りになったとき後輪側ブレーキ液圧を徐々に増大する
ことで適正配分に修正することが可能となる。
【0036】増圧モードから保持モードへは第4条件の
成立によって移行するものであり、この第4条件は、Δ
L (もしくはΔVR )<ΔV0 であること、もしくは
車体減速度GX が或る値(たとえば0.2g)以下であ
ることである。
【0037】増圧モードから停止モードへは第5条件の
成立により移行するものであり、この第5条件は、増圧
モードが所定時間たとえば2秒間以上継続することであ
る。これは、増圧時間が既に充分に継続し、後輪ブレー
キBRL,BRRのブレーキ液圧がマスタシリンダMの出力
液圧に一致しているような場合にブレーキ圧調整手段4
1 ,42 の不必要な作動を抑制するものである。
【0038】次にこの実施例の作用について図5を参照
しながら説明すると、ブレーキ操作に応じてマスタシリ
ンダMからの出力液圧が増圧されている過程で、車体減
速度GX が第1車体減速度基準値G1 を超えていてΔV
L (もしくはΔVR )<ΔV 0 となった時刻t1 で、停
止モードから保持モードへと移行することになり、後輪
ブレーキBRL,BRRのブレーキ液圧配分比が前輪ブレー
キBFL,BFRに比べて低下せしめられ、後輪側のブレー
キ力が抑制される。
【0039】保持モードから増圧モードへの移行に必要
な第3条件、すなわちΔVL (もしくはΔVR )>ΔV
1 であって車体減速度GX が或る値(たとえば0.3
g)以上である時刻t2 で保持モードから増圧モードに
移行することになり、後輪ブレーキBRL,BRRのブレー
キ液圧が徐々に増圧される。従って保持モードによる制
御によりブレーキ力配分が前輪寄りとなったのを、後輪
ブレーキBRL,BRRのブレーキ液圧増圧によって適正配
分に修正することになる。
【0040】さらに時刻t3 で、第4条件の少なくとも
1つ、たとえばΔVL (もしくはΔVR )<ΔV0 であ
ることが成立すると、増圧モードから保持モードへと再
び移行することになる。
【0041】このようなブレーキ力配分制御において、
車体減速度GX が第1および第2車体減速度基準値
1 ,G2 を超えることを必要条件として前後ブレーキ
力配分制御を実行するので、凹凸等の路面変動が在る場
合や、駆動輪の駆動力に変化が生じたときに不必要に前
後ブレーキ力配分制御を実行することを抑制することが
可能である。特に、前後の車輪速度差ΔVL ,ΔVR
目標車輪速度差ΔVO からずれた状態で車体減速度GX
が第1車体減速度基準値G1 を超えたときに前後ブレー
キ力配分制御を実行することにより、不必要な制御を抑
制することができ、車体減速度GX が第1車体減速度基
準値G1 よりも大きな第2車体減速度基準値G2 を超え
たときには、前後の車輪速度差ΔVL ,ΔVR にかかわ
らず前後ブレーキ力配分制御を実行するので、急ブレー
キ時に緩やかに変化する車体のピッチング運動の影響に
よって前後の車輪速度差ΔVL ,ΔVR の変化が遅れて
も速やかに前後ブレーキ力配分制御を開始することがで
きる。
【0042】また第1および第2車体減速度基準値
1 ,G2 を車体速度VV の増加に応じて小さく変更す
ることにより、高速走行時に速やかにブレーキ力配分制
御を開始して車体の安定性を確保しつつ低速走行時には
不必要な制御を抑制することができ、さらに第1および
第2車体減速度基準値G1 ,G2 を横方向加速度GY
増加に応じて小さく変更することにより、急旋回時には
速やかにブレーキ力配分制御を開始して車体の安定性を
確保しつつ直進あるいは緩やかな旋回時には不必要な制
御を抑制することができる。
【0043】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行うことが可能である。
【0044】たとえばブレーキ圧調整手段として、アン
チロックブレーキ制御装置を用いた例を示したが、後輪
ブレーキの液圧のみを調整可能なブレーキ圧調整手段を
用いるようにしてもよい。また上記実施例ではX配管の
ブレーキ装置について説明したが、全ての配管形式のブ
レーキ装置について本発明を適用可能である。
【0045】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、車体減速度が車体減速度基準値を超えることを必要
条件として前後ブレーキ力配分制御を実行するので、凹
凸等の路面変動や駆動輪の駆動力変化に伴なう不必要な
前後ブレーキ力配分制御を抑制することができる。
【0046】また特に車体減速度基準値として,第1車
体減速度基準値と,第1車体減速度基準値よりも大きな
第2車体減速度基準値とを設定しておき,車体減速度が
第1車体減速度基準値を超えるとともに前輪の車輪速度
および後輪の車輪速度の差と車輪速度差目標値との間に
偏差が生じているとき,もしくは前輪の車輪速度および
後輪の車輪速度の差にかかわらず車体減速度が第2車体
減速度基準値を超えたときに,前後ブレーキ力配分制御
を実行するので,不必要な制御を抑制した上で急ブレー
キ時には前後の車輪速度差の変化が遅れても速やかに前
後ブレーキ力配分制御を開始することができる。
【0047】請求項記載の発明によれば,上記請求項
1記載の発明の構成に加えて,車体減速度基準値を,車
体速度の増加に応じて小さく変更するので,高速走行時
には速やかにブレーキ力配分制御を開始して車体の安定
性を確保し,低速走行時に不必要な制御を極力抑制する
ことができる。
【0048】さらに請求項記載の発明によれば,上記
請求項1または2記載の発明の構成に加えて,車体減速
度基準値を,車両の横方向加速度の増加に応じて小さく
変更するので,急旋回時には速やかにブレーキ力配分制
御を開始して車体の安定性を確保し,直進あるいは緩や
かな旋回時に不必要な制御を極力抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブレーキ装置の液圧回路図である。
【図2】ブレーキ圧調整手段の構成を示す図である。
【図3】ブレーキ力配分制御手順を示すフローチャート
である。
【図4】制御モードの相関関係を示す図である。
【図5】タイミングチャートである。
【符号の説明】
FL,BFR・・・前輪ブレーキ BRL,BRR・・・後輪ブレーキ G1 ・・・第1車体減速度基準値 G2 ・・・第2車体減速度基準値 GX ・・・車体減速度 GY ・・・横方向加速度 VV ・・・車体速度 VWFL ,VWFR ・・・前輪の車輪速度 VWRL ,VWRR ・・・後輪の車輪速度 ΔV0 ・・・車輪速度差目標値 ΔVL ,ΔVR ・・・車輪速度の差 WFL,WFR・・・前輪 WRL,WRR・・・後輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−144178(JP,A) 特開 平4−218453(JP,A) 特開 昭62−258843(JP,A) 特開 昭51−143175(JP,A) 特開 昭58−105862(JP,A) 実開 平2−25358(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/26 B60T 8/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪(WFL,WFR)の車輪速度
    (VWFL ,VWFR )および後輪(WRL,WRR)の車輪速
    度(VWRL ,VWRR )の差(ΔVL ,ΔVR )に基づ
    き,前輪ブレーキ(BFL,BFR)および後輪ブレーキ
    (BRL,BRR)のブレーキ液圧配分比を調整して前後ブ
    レーキ力配分を制御する前後ブレーキ力配分制御を,車
    体減速度(GX )が車体減速度基準値(G1 ,G2 )を
    超えることを必要条件として実行するようにした車両の
    ブレーキ力配分制御方法であって, 車体減速度基準値として,第1車体減速度基準値
    (G1 )と,第1車体減速度基準値(G1 )よりも大き
    な第2車体減速度基準値(G2 )とを設定しておき,車
    体減速度(GX )が第1車体減速度基準値(G1 )を超
    えるとともに前輪(WFL,WFR)の車輪速度(VWFL
    WFR )および後輪(WRL,WRR)の車輪速度
    (VWRL ,VWRR )の差(ΔVL ,ΔVR )と車輪速度
    差目標値(ΔV0 )との間に偏差が生じているとき,も
    しくは前輪(WFL,WFR)の車輪速度(VWRL
    WRR )および後輪(WRL,WRR)の車輪速度
    (VWRL ,VWRR )の差(ΔVL,ΔVR )にかかわら
    ず車体減速度(GX )が第2車体減速度基準値(G2
    を超えたときに,前後ブレーキ力配分制御を実行するこ
    とを特徴とする車両のブレーキ力配分制御方法。
  2. 【請求項2】 第1,第2車体減速度基準値(G1 ,G
    2 )を,車体速度(VV )の増加に応じて小さく変更す
    ることを特徴とする請求項1記載の車両のブレーキ力配
    分制御方法。
  3. 【請求項3】 第1,第2車体減速度基準値(G1 ,G
    2 )を,車両の横方向加速度(GY )の増加に応じて小
    さく変更することを特徴とする請求項1または2記載の
    車両のブレーキ力配分制御方法。
JP16386095A 1995-06-29 1995-06-29 車両のブレーキ力配分制御方法 Expired - Lifetime JP3205684B2 (ja)

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