JPH08206804A - 連続鋳造方法および連続鋳造設備 - Google Patents

連続鋳造方法および連続鋳造設備

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JPH08206804A
JPH08206804A JP4123295A JP4123295A JPH08206804A JP H08206804 A JPH08206804 A JP H08206804A JP 4123295 A JP4123295 A JP 4123295A JP 4123295 A JP4123295 A JP 4123295A JP H08206804 A JPH08206804 A JP H08206804A
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亨 志摩
Hidenari Ishii
英成 石井
Shigeharu Ochi
重治 越智
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中心偏析やセンターポロシティ等の中心品質
が顕著に改善された鋳片を得る。 【構成】 連続鋳造設備において、鋳型3から引抜かれ
た後の冷却中の丸形鋳片を、未凝固部を残している凝固
末期に、鋳片横断面に平行な面内において4ロールミル
8で大圧下する。そのため、2次冷却帯4と鋳片切断装
置6との間に未凝固鋳片大圧下用の4ロールミル8を設
置する。4ロールミル8は、設置位置を固定してもよ
く、2次冷却帯4と鋳片切断装置6との間でパスライン
に沿って移動可能としてもよい。4ロールミル8で大圧
下すると末凝固部の濃化溶鋼の絞り出しが有効に行え、
中心偏析の改善やセンターポロシティーの解消が行え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続鋳造方法および連続
鋳造設備に関する。さらに詳しくは、中心偏析やセンタ
ーポロシティー等の中心品質の改善効果が顕著な連続鋳
造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】矩形断面連鋳片の中心品質の改善には未
凝固部分を大圧下すること(以下、未凝固大圧下とい
う)が顕著な効果をもたらすことが知られている。この
矩形断面鋳片に対する未凝固大圧下は、図3に示すよう
に、引抜矯正装置5で行う場合と、前記引抜矯正装置5
と鋳片切断装置6の間に専用の大圧下装置7を設け、こ
の大圧下装置により行う場合があった。なお、1はレー
ドル、2はタンデイッシュ、3は鋳型、4は2次冷却帯
である。ところで、円形断面の丸鋳片に対しては、低温
鋳込み、電磁攪拌、軽圧下等の間接的な手段を施すに止
まっており、大圧下する例はこれまで存在していない。
この大圧下を行わない理由は、内部割れを発生しない丸
鋳片の大圧下方法または装置がなかったためであり、ま
た、連続鋳造機で鋳込んだままの鋳片外形を大略円形断
面で得ることを目指しているためと考えられる。そし
て、軽圧下のみでは、凝固未期の中心部の濃化溶鋼の絞
り出しは期待できず、中心偏析改善効果は小さいもので
あった。
【0003】なお、未凝固圧下に関する従来例として、
特公昭44−17366号公報記載の技術がある。この
従来例は、鋳造過程後にまだ芯部欠陥の原因となる液状
芯部を有している鋳片を成形過程によって1回のパスで
断面正方形または円形のビレットに成形し、かつ初期横
断面とビレットの間の成形に基づく横断面積差が押しの
けられる液状芯部の横断面積よりも大きいようにする技
術である。成形方法は前記公報の2頁4欄18〜19行に
「両方の形成ロールの…」とある記載から2ロールで圧
延するものと理解できる。また、対象とする鋳片は、斜
方多角形や菱形である。ただし、この従来例公報の記載
内容はかなり概念的なものであり、未凝固圧下鋳片内部
の凝固界面に発生する内部亀裂を防止する方策は具体的
に明示されていない。現実には、2ロールで大圧下を加
えると、次のような問題の発生することが本発明者らに
よって確認されている。
【0004】すなわち、図4に示すように、丸鋳片を2
ロールで圧下する場合、未凝固部分は同図(A)の斜線
部であるとすると、同図(B)に示すようにδmm圧下す
ると減少面積は斜線部より大きくとれ、未凝固部分はな
くなるのであるが、2ロールで大圧下を加えると、同図
(B)に示すように矢印方向に噛み出しが生じ、クラッ
ク(X部)が発生する。菱形鋳片を図5(A)に示すよ
うに大圧下する場合も、図5(B)に示すようにX部に
同様のクラックが発生する。この点が連続鋳造設備の実
用化当初、昭和40〜47年頃の未凝固圧延法(BSR法:
Bohler-Strang-Reduzier Verfahren )が成功しなかった
理由である。
【0005】以上のような状況であり、数年前から矩形
断面ブルームを一対のアンビルまたはロールで未凝固圧
下し中心品質を改善する技術が開発されつつあるもの
の、丸鋳片については未だ中心品質を顕著に改善する技
術は確立していないのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
み、丸鋳片について中心偏析やセンターポロシティ等の
中心品質の改善に顕著な効果を有する連続鋳造方法およ
び連続鋳造設備を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の連続鋳造方法
は、連続鋳造設備において、鋳型から引抜かれた後の冷
却中の丸形鋳片を、未凝固部を残している凝固末期に、
鋳片横断面に平行な面内において4方向以上の方向から
大圧下することを特徴とする。ここで大圧下とは、中心
キャビティーが圧着し、濃化溶鋼が上流側へ排出される
程度の大きな圧下量で圧下することをいう。また、本発
明の連続鋳造設備は、連続鋳造設備の2次冷却帯と鋳片
切断装置との間に未凝固鋳片大圧下用の4ロールミルを
設置したことを特徴とする。上記連続鋳造設備におい
て、4ロールミルは、設置位置を固定してもよく、移動
可能としてもよい。移動可能とする場合は、4ロールミ
ルスタンドを2次冷却帯と鋳片切断装置との間でパスラ
インに沿って移動可能に設置するとよい。
【0008】
【作用】本発明の鋳造方法では、まず隅部がないので軸
対称的に均質に凝固させ得る円形断面の鋳片を作る。多
角形鋳片では隅部の品質が内周部と異なり、これは後工
程で圧延しても均質化できないことが判っている。しか
し、本発明では隅部のない丸鋳片を作るので、その後の
圧延工程による中心品質改善効果がより均一となり、こ
のことが良好な鋳片品質を得る前提となっている。そし
て、未凝固部を残している丸鋳片を4方向以上の方向か
ら圧下すると、鋳片横断面においては半径方向、接線方
向とも引張応力が発生しないので、鋳片に割れが発生す
る危険性がなく、また圧縮応力のみ発生するので大圧下
による未凝固部の濃化溶鋼の絞り出しと中心キャビティ
ーの圧着が有効に行え、これにより中心品質が大幅に改
善され、しかも均質な鋳片が得られる。鋳片の凝固した
断面組織が不均一であれば、一般的には圧延で均質化す
ることは困難であるので、鋳片に大圧下を加える前段階
までは丸鋳片に鋳造して矩形断面では不可避のコーナ部
に起因する不均質をなくするのである。さらに丸鋳片で
は電磁攪拌や2次冷却に関しても有利であるので、中心
品質の良好な鋳片を製造することができる。本発明の連
続鋳造設備では、4ロールミルを2次冷却帯と鋳片切断
装置との間に設置しているので、未凝固部分を残してい
る状態の丸鋳片を4方向から大圧下することができる。
このため、本発明の鋳造方法の実施に最適である。そし
て、鋳造する鋼種により中心偏析が顕著に改善される固
相率は異なるので、スタンドを固定する場合は適正固相
率の領域内に4ロールミルが入るよう鋳込速度を調整す
ればよい。また、4ロールミルを移動可能とするとき
は、鋳込速度の変動に対しても固相率の変動なしに圧下
できるので、鋳片中心部の品質を均一に改善できる。
【0009】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を図面に基づき説明
する。図1は本発明の連続鋳造設備に係わる一実施例の
説明図であり、1はレードル、2はタンディッシュ、3
は鋳型、4は2次冷却帯、5は引抜矯正装置、6は鋳片
切断装置である。8は本発明において重要な4ロールミ
ルであり、2次冷却帯4と鋳片切断装置6との間に設け
られる。図では引抜矯正装置5との間に設けられている
が、引抜矯正装置5を構成する複数のスタンドの間に設
置してもよく、このような配置も本発明に含まれるもの
である。
【0010】4ロールミル8自体はとくに制限なく用い
られるが、特開平4−71704号公報記載の4ロール
ミルは好適なものの一例である。上記4ロールミル8
は、固定して設置してもよく、パスラインに沿って移動
可能に設置してもよい。移動可能に設置する場合は、専
用の走行レールを敷設し、ロールスタンドに走行輪を取
付け、ロールスタンドを移動させる駆動装置、作業位置
でロールスタンドを固定するクランプ等を設ければよ
い。なお、上記4ロールミルの代りに、5個以上のロー
ルを有するロールミルで大圧下すると5方向以上の方向
からの圧下が可能となる。
【0011】次に、上記連続鋳造設備を用いた連続鋳造
方法を図1〜2に基づき説明する。丸鋳片鋳造用の鋳型
3で鋳込まれた鋳片は円形断面で引抜かれ、2次冷却帯
4で冷却されつつ引抜かれていく。この間に鋳片は外周
部から凝固していき内周部には未凝固部分が残っている
が、鋳片断面中の未凝固部分は大きな状態から段々小さ
くなっていく。そして、未凝固部分が未だ残っている状
態で、4ロールミル8によって大圧下を加える。この大
圧下によって、未凝固部の濃化溶鋼を絞出し、中心偏析
の改善とセンターポロシティーの解消を行い中心品質を
改善するのである。
【0012】この4ロールミル8による丸鋳片の大圧下
は、鋳片横断面内に引張り応力を発生させることなく圧
延することが可能である。例えば、図2において、同図
(a)が圧延前の鋳片S横断面とすると、同図(b)の
ようにフラットロール11を用いた場合は、減面率36.3%
の圧延が可能であり、同図(c)のようにカリバーロー
ル12を用いた場合は引張り応力の発生なしに0〜36.3%
の間で任意の減面率を選択することができる。
【0013】鋳造される鋼種により中心偏析が顕著に改
善される固相率は異なるので、4ロールミルスタンド8
を固定している場合は適正固相率の領域内で4ロールミ
ルを通過するように鋳込速度を調整すると共に、その固
相率に見合う圧下量が得られるカリバーロールまたはフ
ラットロールを4ロールミル8に組込んでおけばよい。
4ロールミル8をパスラインに沿って移動可能にしてい
る場合は、4ロールミル8の設置位置を変えることによ
り、鋳込速度を変動させることなく、最適固相率の状態
で大圧下することができる。
【0014】4ロールミル8を通過後の鋳片は、もはや
円形断面ではなく、矩形断面(円形に近い矩形断面も含
む)となっているが、中心偏析やセンターポロシティ等
の中心品質は大幅に改善されている。そして元々は丸鋳
片であることにより断面組織は均一であるのと、いった
ん凝固した後は、円形、矩形の形状による内部品質の差
は少ないことから、本発明によって得られた鋳片品質は
非常に良好なものとなる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、中心偏析やセンターポ
ロシティ等の中心品質が顕著に改善された鋳片を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続鋳造設備の一実施例の説明図であ
る。
【図2】本発明により丸鋳片に大圧下を加える場合の説
明図である。
【図3】従来の矩形鋳片用の連続鋳造設備の一例の説明
図である。
【図4】丸鋳片を2ロールで大圧下した場合の問題点の
説明図である。
【図5】菱形鋳片を2ロールで大圧下した場合の問題点
の説明図である。
【符号の説明】
3 鋳型 4 2次冷却
帯 5 引抜矯正装置 6 鋳片切断
装置 8 4ロールミル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続鋳造設備において、鋳型から引抜かれ
    た後の冷却中の丸形鋳片を、未凝固部を残している状態
    で、鋳片横断面に平行な面内において4方向以上の方向
    から大圧下することを特徴とする連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】連続鋳造設備の2次冷却帯と鋳片切断装置
    との間に未凝固鋳片大圧下用の4ロールミルを設置した
    ことを特徴とする連続鋳造設備。
  3. 【請求項3】前記4ロールミルを2次冷却帯と鋳片切断
    装置との間でパスラインに沿って移動可能に設置したこ
    とを特徴とする請求項2記載の連続鋳造設備。
JP7041232A 1995-02-06 1995-02-06 連続鋳造方法および連続鋳造設備 Expired - Lifetime JP2983152B2 (ja)

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