JPH08206504A - アクリル酸製造用触媒の製法 - Google Patents

アクリル酸製造用触媒の製法

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JPH08206504A
JPH08206504A JP7294327A JP29432795A JPH08206504A JP H08206504 A JPH08206504 A JP H08206504A JP 7294327 A JP7294327 A JP 7294327A JP 29432795 A JP29432795 A JP 29432795A JP H08206504 A JPH08206504 A JP H08206504A
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antimony
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道雄 谷本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一般式(I):MoabcCudefg
h(X=SbまたはSn、Y=Mg、Ca、Srまた
はBa、Z=Ti、ZrまたはCe)で示されるアクリ
ル酸製造用触媒であって、活性、選択性および寿命に優
れ、長期にわたって安定した性能を示す触媒の製造方法
を提供する。 【構成】 バナジウム、銅、アンチモンおよびスズの供
給源に関し、(下記の(イ)および/または(ロ))と
(下記の(ハ)および/または(ニ))との組合せ条件
下に触媒を調製する。(イ)バナジウムの供給源として
メタバナジン酸アンモニウムおよびバナジウムの価数が
0より大きく5未満のバナジウム酸化物の少なくとも一
種を使用する。(ロ)銅の供給源として硝酸銅および銅
の価数が0より大きく2未満の銅酸化物の少なくとも一
種を使用する。(ハ)アンチモンの供給源の少なくとも
一部としてアンチモンの価数が0より大きく5未満のア
ンチモン酸化物の少なくとも一種を使用する。(ニ)ス
ズの供給源の少なくとも一部としてスズの価数が0より
大きく4未満のスズ酸化物の少なくとも一種を使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクロレインまたはアク
ロレイン含有ガスを分子状酸素または分子状酸素含有ガ
スにより接触気相酸化してアクリル酸を製造する際に使
用するモリブデン−バナジウム系触媒の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アクロレインの接触気相酸化反応によっ
てアクリル酸を効率よく製造するために種々の改良触媒
が提案されているが、その大部分はモリブデンおよびバ
ナジウムを主成分とするモリブデン−バナジウム系触媒
である。
【0003】これまでに提案されたモリブデン−バナジ
ウム系触媒のなかには、アクリル酸の収率が工業的見地
からしてかなりの水準に達しているものもあり、実際の
アクリル酸製造用プロセスにおいて使用されている。し
かしながら、触媒が長期間安定的に高いアクリル酸収率
を維持できるかどうかの点からみると、従来のモリブデ
ン−バナジウム系触媒は必ずしも満足のいくものではな
かった。そこで、アクロレインの酸化によりアクリル酸
を製造する際に長期にわたって安定した性能を示すモリ
ブデン−バナジウム系触媒の開発が望まれていた。
【0004】このようなモリブデン−バナジウム系触媒
の開発へのアプローチの一つとして触媒の調製工程を工
夫する研究もなされている。例えば、特公昭50−25
914号公報には、触媒調製工程において有機酸、例え
ばシュウ酸などを存在させ、これら有機酸の効果による
触媒の酸化状態の制御、あるいはモリブデンとバナジウ
ムとの化合物の形成に利用する方法が開示されている。
しかし、この方法による場合、触媒の加熱および焼成工
程における有機酸の分解にともなう発熱により、熱的影
響を受けるために触媒性能の再現性は乏しく、また長期
間のアクロレインの酸化反応を行う上で触媒調製工程で
の有機酸の効果を維持することは困難であるため工業的
実施においてはアクリル酸の収率のみならず寿命の点で
も満足できるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、下記の一般
式(I): MoabcCudefgh (I) (式中の各成分およびその比率については後で詳しく説
明する)で示されるアクリル酸製造用モリブデン−バナ
ジウム系触媒であって、活性、選択性および触媒寿命に
優れ、長期にわたって安定した性能を示す触媒を製造す
る方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の一般式(I)で示
されるようなモリブデン−バナジウム系触媒に関し、そ
の活性種はVMo311であり、アクロレインの酸化反
応の進行とともにこのバナジウムとモリブデンとの化合
物(以下、「バナジウム−モリブデン活性化合物」とい
う場合もある)が変質して、触媒の劣化が進み、またバ
ナジウムの大部分が5価で存在すると(例えば、V25
として)、アクロレインからのアクリル酸への選択率が
著しく低下することが報告されている(T.V.AND
RUSHKEVICH,CATAL.REV.−SC
I.ENG.,35,P213(1993))。
【0007】そこで、本発明者らは、モリブデン−バナ
ジウム系触媒に関し、その種々の物性変化、例えば表面
積、細孔容積の変化を調べ、さらにはX線回折分析など
を利用して活性の低下した触媒と未使用の触媒との物理
的、化学的差異を比較したところ、X線回折におけるd
=4.00オングストロームに現れるピークの強度が触
媒性能およびその経時変化に関係していることが見出し
た。上記の文献によれば、このd=4.00オングスト
ロームのピークは上記のバナジウムとモリブデンとの化
合物であるVMo311に帰属される。
【0008】具体的に触媒組成がMo1251Cu2.2
Sr0.5(酸素を除く原子比)のモリブデン−バナジウ
ム系触媒を例に挙げて説明すると次のとおりである。こ
の触媒組成を有する未使用触媒と8000時間にわたり
アクロレインの接触気相酸化反応を継続し性能の低下し
た触媒について表面積や細孔容積を測定したところ、未
使用触媒と8000時間反応に供し活性の低下した触媒
とではBET法による表面積はそれぞれ2.6m2/g
および2.4m2/gであり大差はなかった。また、細
孔容積についてもそれぞれ0.22cc/gおよび0.
21cc/gであって、これも大差がなかった。ところ
が、X線回折法により上記のバナジウム−モリブデン活
性化合物に起因するd=4.00オングストロームのピ
ークと5価のバナジウム化合物として知られているV2
5に起因するd=4.38オングストロームのピーク
について調べたところ、d=4.00オングストローム
のピークの強度は、未使用触媒を100とした場合、8
000時間反応に供した触媒では65であり、未使用触
媒に比べて著しく低下していた。すなわち、触媒の活性
はd=4.00オングストロームにピークを持つ上記の
バナジウム−モリブデン活性化合物の強度と強い相関関
係があり、活性低下の原因の一つはこのd=4.00オ
ングストロームのピークを持つ結晶相の減少であること
が判明した。
【0009】そこで、本発明者らは、このd=4.00
オングストロームにピークを持つ上記のバナジウム−モ
リブデン活性化合物の発生について鋭意研究を行った結
果、バナジウムおよび銅の供給源としてそれぞれメタバ
ナジン酸アンモニウムおよび硝酸銅を用い、かつこのメ
タバナジン酸アンモニウムおよび/または硝酸銅の一部
をそれぞれ価数の小さいバナジウム酸化物および/また
は銅酸化物で置換し、なおかつ価数の小さいアンチモン
酸化物および/またはスズ酸化物を用いて触媒を調製す
るするとX線回折分析において上記のバナジウム−モリ
ブデン活性化合物に起因するd=4.00オングストロ
ームのピーク強度が増加し、一方V25に起因するd=
4.38オングストロームのピーク強度が減少して、触
媒の活性が向上し長期にわたって安定した性能を示すこ
とを見出した。本発明はこのような知見に基づいて完成
されたものである。
【0010】すなわち、本発明は、アクロレインまたは
アクロレイン含有ガスを気相にて分子状酸素または分子
状酸素含有ガスにより酸化してアクリル酸を製造するた
めの、下記一般式(I): MoabcCudefgh (I) (式中、Moはモリブデン、Vはバナジウム、Wはタン
グステン、Cuは銅、Xはアンチモンおよびスズから選
ばれた少なくとも一種の元素、Yはマグネシウム、カル
シウム、ストロンチウムおよびバリウムから選ばれた少
なくとも一種の元素、Zはチタン、ジルコニウムおよび
セリウムから選ばれた少なくとも一種の元素、そしてO
は酸素であり、a、b、c、d、e、f、gおよびh
は、Mo、V、W、Cu、X、Y、ZおよびOの原子数
を表し、a=12のとき、2≦b≦14、0≦c≦1
2、0<d≦6(好ましくは0.1≦d≦6)、0<e
≦5(好ましくは0.01≦e≦5)、0≦f≦3、0
≦g≦10であり、hは各々の元素の酸化状態によって
定まる数値をとる)で表されるモリブデン−バナジウム
系酸化物触媒を製造するに際して、バナジウム、銅、ア
ンチモンおよびスズの供給源に関し、バナジウムの供給
源としてメタバナジン酸アンモニウムを用い(但し、下
記の(イ)を含む組合せの場合は除く)、また銅の供給
源として硝酸銅を用い(但し、下記の(ロ)を含む組合
せの場合は除く)、かつ下記の(イ)および(ロ)から
選ばれた少なくとも1つと(ハ)および(ニ)から選ば
れた少なくとも1つとを組み合わせた条件下に触媒の調
製を行うことを特徴とするアクリル酸製造用触媒の製造
方法である。
【0011】(イ)バナジウムの供給源としてメタバナ
ジン酸アンモニウムおよびバナジウムの価数が0より大
きく5未満のバナジウム酸化物の少なくとも一種を使用
する。 (ロ)銅の供給源として硝酸銅および銅の価数が0より
大きく2未満の銅酸化物の少なくとも一種を使用する。
【0012】(ハ)アンチモンの供給源の少なくとも一
部としてアンチモンの価数が0より大きく5未満のアン
チモン酸化物の少なくとも一種を使用する。
【0013】(ニ)スズの供給源の少なくとも一部とし
てスズの価数が0より大きく4未満のスズ酸化物の一種
を使用する。
【0014】つまり、本発明の方法は、((イ)および
/または(ロ))と((ハ)および/または(ニ))と
の組合せ条件下に行うことを特徴とするものである。
【0015】一般式(I)で示されるモリブデン−バナ
ジウム系触媒を本発明の方法にしたがって製造すると活
性、選択性および寿命に優れた触媒が得られる作用機構
については明らかでないが、上記の特定な低価数の酸化
物、すなわち原子価状態の低い酸化物を使用すると、こ
れら酸化物との相互作用により触媒構成元素、特にバナ
ジウムの酸化状態が制御され、モリブデン−バナジウム
活性化合物の形成が促進されるものと考えられる。本発
明の触媒の製造に使用する各元素の原料化合物について
一般式(I)の各成分毎に説明する。
【0016】モリブデン(Mo)成分:パラモリブデン
酸アンモニウム、モリブデン酸、酸化モリブデンなどを
単独または2種以上混合して使用することができる。
【0017】バナジウム(V)成分:メタバナジン酸ア
ンモニウムが用いられる。そして、このメタバナジン酸
アンモニウムの一部の代わりに使用するバナジウムの価
数が0より大きく5未満のバナジウム酸化物としては、
一酸化バナジウム、二酸化バナジウムおよび三酸化バナ
ジウムを挙げることができる。これらは単独または2種
以上混合して使用することもできる。
【0018】上記バナジウム酸化物はメタバナジン酸ア
ンモニウムの一部として、詳しくは全バナジウム原子数
の0.1〜45%、好ましくは1〜30%に相当するよ
うに使用するのがよい。
【0019】タングステン(W)成分:パラタングステ
ン酸アンモニウム、タングステン酸、酸化タングステン
などを単独または2種以上混合して使用することができ
る。
【0020】銅(Cu)成分:硝酸銅が用いられる。そ
して、この硝酸銅の一部の代わりに使用する銅の価数が
0より大きく2未満の銅酸化物としては酸化第一銅を挙
げることができる。
【0021】上記銅酸化物は硝酸銅の一部として、詳し
くは全銅原子数の0.1〜45%、好ましくは1〜30
%に相当するように使用するのがよい。
【0022】X成分: (アンチモン)アンチモンの硝酸塩、アンモニウム塩、
硫酸塩などを単独または2種以上混合して使用すること
ができる。そして、このアンチモン化合物の一部または
全部として使用するアンチモンの価数が0より大きく5
未満のアンチモン酸化物としては、三酸化アンチモンお
よび四酸化アンチモンを挙げることができる。これらは
単独または混合して使用することができる。
【0023】上記アンチモン酸化物はアンチモン化合物
の一部として、詳しくは全アンチモン原子数の10%以
上、好ましくは30%以上に相当するように使用するの
がよい。
【0024】(スズ)スズの硝酸塩、アンモニウム塩、
硫酸塩、水酸化物などを単独または2種以上混合して使
用することができる。そして、このスズ化合物の一部ま
たは全部として使用するスズの価数が0より大きく4未
満のスズの酸化物としては、酸化第一スズを使用するこ
とができる。
【0025】上記スズ酸化物はスズ化合物の一部とし
て、詳しくは全スズ原子数の10%以上、好ましくは3
0%以上に相当するように使用するのがよい。
【0026】Y成分:マグネシウム、カルシウム、スト
ロンチウムおよびバリウムの各々の硝酸塩、炭酸塩、ア
ンモニウム塩、硫酸塩などを単独または2種以上混合し
て使用することができる。
【0027】Z成分:チタン、ジルコニウムおよびセリ
ウムの各々の硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、硫酸
塩、水酸化物、酸化物などを単独または2種以上混合し
て使用することができる。
【0028】バナジウム酸化物、銅酸化物、アンチモン
酸化物およびスズ酸化物の個々の使用量は前記のとおり
であるが、これら酸化物の総使用量については、それら
金属元素の総原子数が全バナジウム原子数の1〜50
%、好ましくは2〜45%となるようにするのがよい。
【0029】本発明の触媒の更なる特徴は、そのバナジ
ウム−モリブデン相に起因するd=4.00オングスト
ロームにおけるピーク強度(d4.00と表示する)が増加
し、一方V25に起因するd=4.38オングストロー
ムにおけるピーク強度(d4.38と表示する)が減少する
ことである。特に、両者のピーク強度の比(d4.38/d
4.00)が0.07未満である場合に好ましい触媒活性が
認められる。更には、この比(d4.38/d4.00)が0.
06以下、特に0〜0.05の範囲内にあるのが好まし
い。この比が0.07以上の場合には、バナジウム−モ
リブデン相が減少するため触媒活性が低下する。
【0030】本発明の好ましい触媒は、未使用の触媒の
X線回折分析により測定したd=4.00オングストロ
ームにおけるピーク強度(I0と表示する)に対する、
4000時間使用した後の触媒のX線回折分析により測
定したd=4.00オングストロームにおけるピーク強
度(I4000)の割合(I4000/I0)が少なくとも0.
8、好ましくは少なくとも0.85である触媒である。
この割合の百分率(I4000/I0(×100)(%))
をピーク強度保持率と規定すると、このピーク強度保持
率が少なくとも80%、特に少なくとも85%である触
媒が好ましい。ピーク強度保持率が80%より低い触媒
の場合、バナジウム−モリブデン相の量が少ないため触
媒活性が低下する。
【0031】本発明の触媒の製造法は、バナジウム、銅
およびX成分の供給源としてのメタバナジン酸アンモニ
ウム、硝酸銅およびX成分含有化合物の一部または全部
を低価数のバナジウム、銅およびX成分の酸化物として
触媒を調製する点を除けば、この種の触媒の調製に一般
に用いられている方法と本質的には変わらない。例え
ば、従来からよく知られている蒸発乾固法、造粒法、押
出し成形法などの任意の方法にしたがって製造すること
ができる。
【0032】上記の低原子価状態の酸化物は触媒調製の
任意の段階で添加、分散させればよい。なお、これら低
原子価状態の酸化物は、触媒調製段階でのバナジウムの
酸化状態を効率よく制御するために、小さい粒子である
ほうが好ましく、1〜150μm、好ましくは5〜10
0μmの平均粒子径を有するものを使用するのがよい。
【0033】なお、触媒の製造に際しては、触媒の強
度、粉化度を改善する効果があるとして一般によく知ら
れているガラス繊維などの無機繊維、各種ウィスカーな
どを添加してもよい。また、触媒物性の再現性をよく制
御するために硝酸アンモニウム、セルロース、デンプ
ン、ポリビニルアルコール、ステアリン酸など一般に粉
体結合剤として知られた添加物を使用することもでき
る。
【0034】前記一般式(I)で表される触媒組成物は
それ自体単独で使用することができるが、アルミナ、シ
リカ−アルミナ、シリコンカーバイド、酸化チタン、酸
化マグネシウム、アルミニウムスポンジ、珪藻土などの
不活性担体に担持したほうが好ましい。
【0035】本発明の方法によって得られるアクリル酸
製造用触媒を用いたアクロレインまたはアクロレイン含
有ガスの接触気相酸化反応に関しては特に制限はなく、
この種の反応によく知られた方法によって実施すること
ができる。例えば、1〜15容量%、好ましくは4〜1
2容量%のアクロレイン、0.5〜25容量%、好まし
くは2〜20容量%の酸素、0〜30容量%、好ましく
は3〜25容量%の水蒸気および20〜80容量%、好
ましくは50〜70容量%の窒素などの不活性ガスから
なる混合ガスを180〜350℃、好ましくは200〜
330℃の温度、常圧〜10気圧の圧力下(もちろん減
圧下でもよい)、空間速度(STP)500〜2000
0hr-1、好ましくは1000〜10000hr-1で本
発明の触媒組成物と接触させて反応させればよい。
【0036】原料ガスとしては、アクロレイン、酸素お
よび不活性ガスからなる混合ガスはもとよりのことプロ
ピレンを直接酸化して得られるアクロレイン含有ガスも
使用することができる。この場合、アクロレイン含有ガ
ス中に含まれる副生成物としてのアクリル酸、アセトア
ルデヒド、酢酸などの酸化生成物、酸化炭素、プロパ
ン、あるいは未反応のプロピレンなどは本発明の触媒組
成物に対しなんら障害をもたらすものではない。
【0037】上記接触気相酸化反応は固定床式あるいは
流動床式のいずれでも実施することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法によって得られる触媒は、
高い活性を維持するので、アクリル酸を高収率で製造す
ることができる。
【0039】本発明の方法によって得られる触媒は、触
媒寿命が優れているので、長時間その優れた性能を維持
する。このため、長時間使用後も反応温度を著しく上げ
ることなく、反応開始時と同程度の高収率でアクリル酸
を製造することができる。
【0040】本発明の方法によって得られる触媒は、高
負荷条件下でも優れた性能を示すので、高収率でアクリ
ル酸を製造することができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、もちろん本発明はこれらの実施例によっ
てなんら制限されるものではない。
【0042】なお、アクロレイン、アクリル酸選択率お
よびアクリル酸単流収率は次式によって求めた。
【0043】アクロレイン転化率(%)=(反応したア
クロレインのモル数)/(供給したアクロレインのモル
数)(×100) アクリル酸選択率(%)=(生成したアクリル酸のモル
数)/(反応したアクロレインのモル数)(×100) アクリル酸単流収率(%)=(生成したアクリル酸のモ
ル数)/(供給したアクロレインのモル数)(×10
0) 実施例1 水2500mlを加熱撹拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム116gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に三酸化バナジウム1.5gを
添加した。別に、水750mlを加熱撹拌しながら、こ
の中に硝酸銅87.8gを溶解した後に酸化第一銅1.
2gおよび三酸化アンチモン29gを添加した。得られ
た2つの液を混合した後、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、
これにα−アルミナからなる直径3〜5mmの球状担体
1000mlを加え、撹拌しながら蒸発乾固して担体に
付着させた後、400℃で6時間焼成して触媒(1)を
得た。この触媒(1)の金属元素の組成(酸素を除く原
子比、以下同じ)は次のとおりであった。
【0044】Mo126.11Cu2.3Sb1.2 このようにして得られた触媒(1)400mlを直径2
5mmのステンレス製U字管内に充填し、アクロレイン
4.5容量%、酸素5容量%、水蒸気25容量%、窒素
65.5容量%の混合ガスを導入し、反応温度250
℃、接触時間2秒で反応させた。結果を表1に示した。
【0045】また、X先回折分析により、d=4.00
オングストロームおよびd=4.38オングストローム
のピークを触媒(1)のd=4.00オングストローム
のピークを100として求めた相対強度も表1に示し
た。
【0046】比較例1 実施例1において二酸化バナジウム、酸化第一銅および
三酸化アンチモンの代わりに五酸化バナジウム、酸化第
二銅および五酸化アンチモンを用いた以外は実施例1と
同様にして触媒(2)を調製した。実施例1において触
媒(1)の代わりに触媒(2)を用いた以外は実施例1
と同様に酸化反応を行った。結果を表1に示した。
【0047】また、実施例1と同様にして、X線回折分
析により、d=4.00オングストロームおよびd=
4.38オングストロームのピークを触媒(1)のd=
4.00オングストロームのピークを100として求め
た相対強度も表1に示した。
【0048】比較例2 実施例1において三酸化アンチモンの代わりに三酸化バ
ナジウムおよび酸化第一銅を用いた以外は実施例1と同
様にして触媒(3)を調製した。触媒(3)の金属元素
の組成は次のとおりであった。
【0049】Mo126.71Cu2.9 実施例1において触媒(1)の代わりに触媒(3)を用
いた以外は実施例1と同様にして酸化反応を行った。結
果を表1に示した。
【0050】また、実施例1と同様にして、X線回折分
析により、d=4.00オングストロームおよびd=
4.38オングストロームのピークを触媒(1)のd=
4.00オングストロームのピークを100として求め
た相対強度も表1に示した。
【0051】比較例3 実施例1において二酸化バナジウムおよび酸化第一銅の
代わりに三酸化アンチモンを用いた以外は実施例1と同
様にして触媒(4)を調製した。触媒(4)の金属元素
の組成は次のとおりであった。
【0052】Mo126.71Cu2.2Sb1.4 実施例1において触媒(1)の代わりに触媒(4)を用
いた以外は実施例1と同様にして酸化反応を行った。結
果を表1に示した。
【0053】また、実施例1と同様にして、X線回折分
析により、d=4.00オングストロームおよびd=
4.38オングストロームのピークを触媒(1)のd=
4.00オングストロームのピークを100として求め
た相対強度も表1に示した。
【0054】
【表1】
【0055】実施例2 触媒(1)を用いて実施例1と同一条件で8000時間
反応を継続した後に生成物を捕集し分析した。結果を表
2に示した。
【0056】また、8000時間反応後の触媒(1)に
関し実施例1と同様にしてX線回折分析を行い、d=
4.00オングストロームのピークを触媒(1)のd=
4.00オングストロームのピークを100として求め
た相対強度を表2に示した。
【0057】比較例4 実施例2において、触媒(1)の代わりに触媒(2)を
用いた以外は実施例2と同様に反応を行った。結果を表
2に示した。
【0058】また、8000時間反応後の触媒(2)に
関し実施例1と同様にしてX線回折分析を行い、d=
4.00オングストロームのピークを触媒(1)のd=
4.00オングストロームのピークを100として求め
た相対強度を表2に示した。
【0059】
【表2】
【0060】実施例3 触媒(1)を用いて酸化反応を行う実施例1の方法にお
いて、接触時間を1.5秒に変更した以外は実施例1と
同様にして酸化反応を行った。結果を表3に示した。
【0061】比較例5 実施例3において、触媒(1)の代わりに触媒(2)を
用いた以外は実施例3と同様にして酸化反応を行った。
結果を表3に示した。
【0062】実施例4 触媒(1)を用いて酸化反応を行う実施例1の方法にお
いて、原料ガス中のアクロレインおよび窒素の割合をそ
れぞれ5.5容量%および64.5容量%にした以外は
実施例1と同様にして酸化反応を行った。結果を表3に
示した。
【0063】比較例6 実施例4において、触媒(1)の代わりに触媒(2)を
用いた以外は実施例4と同様にして酸化反応を行った。
結果を表3に示した。
【0064】
【表3】
【0065】実施例5 水2500mlを加熱撹拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム116gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に二酸化バナジウム22gを添
加した。別に水750mlを加熱撹拌しながら、この中
に硝酸銅87.8gおよび硝酸ストロンチウム8.7g
を溶解した後に三酸化アンチモン2.4gおよび水酸化
ジルコニウム13gを添加した。得られた2つの液を混
合した後、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これにα−アル
ミナからなる直径3〜5mmの球状担体1000mlを
加え、撹拌しながら蒸発乾固して担体に付着させた後、
400℃で6時間焼成して触媒(5)を調製した。この
触媒(5)の金属元素の組成は次のとおりであった。
【0066】 Mo127.61Cu2.2Sb0.1Sr0.25Zr0.5 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(5)を
用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結果
を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピーク
強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果を表4に示
した。
【0067】実施例6 水2500mlを加熱撹拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム116gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に二酸化バナジウム2.7gを
添加した。別に水750mlを加熱撹拌しながら、この
中に硝酸銅87.8gおよび硝酸マグネシウム10.6
gを溶解した後に三酸化アンチモン2.4gおよび四酸
化アンチモン12.7gを添加した。得られた2つの液
を混合した後、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これにα−
アルミナからなる直径3〜5mmの球状担体1000m
lを加え、撹拌しながら蒸発乾固して担体に付着させた
後、400℃で6時間焼成して触媒(6)を調製した。
この触媒(6)の金属元素の組成は次のとおりであっ
た。
【0068】Mo126.21Cu2.2Sb0.6Mg0.25 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(6)を
用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結果
を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピーク
強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果を表4に示
した。
【0069】実施例7 水2500mlを加熱撹拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム106gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に二酸化バナジウム2.7gお
よび三酸化バナジウム1.5gを添加した。別に水75
0mlを加熱撹拌しながら、この中に硝酸銅87.8g
を溶解した後に三酸化アンチモン6gおよび酸化チタン
13.2gを添加した。得られた2つの液を混合した
後、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これにα−アルミナか
らなる直径3〜5mmの球状担体1000mlを加え、
撹拌しながら蒸発乾固して担体に付着させた後、400
℃で6時間焼成して触媒(7)を調製した。この触媒
(7)の金属元素の組成は次のとおりであった。
【0070】Mo125.81Cu2.2Sb0.25Ti1 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(7)を
用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結果
を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピーク
強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果を表4に示
した。
【0071】実施例8 水2500mlを加熱撹拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム135gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に二酸化バナジウム6.9gを
添加した。別に水750mlを加熱撹拌しながら、この
中に硝酸銅87.8gを溶解した後に四酸化アンチモン
63.5gおよび酸化ジルコニウム20.4gを添加し
た。得られた2つの液を混合した後、湯浴上の磁製蒸発
器に入れ、これにα−アルミナからなる直径3〜5mm
の球状担体1000mlを加え、撹拌しながら蒸発乾固
して担体に付着させた後、400℃で6時間焼成して触
媒(8)を調製した。この触媒(8)の金属元素の組成
は次のとおりであった。
【0072】Mo127.51Cu2.2Sb2.5Zr1 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(8)を
用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結果
を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピーク
強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果を表4に示
した。
【0073】実施例9 水2500mlを加熱撹拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム116gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した。別に水750mlを加熱撹拌し
ながら、この中に硝酸銅87.8gおよび硝酸カルシウ
ム19.5gを溶解した後に酸化第一銅7gおよび三酸
化アンチモン9.6gを添加した。得られた2つの液を
混合した後、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これにα−ア
ルミナからなる直径3〜5mmの球状担体1000ml
を加え、撹拌しながら蒸発乾固して担体に付着させた
後、400℃で6時間焼成して触媒(9)を調製した。
この触媒(9)の金属元素の組成は次のとおりであっ
た。
【0074】Mo1261Cu2.8Sb0.2Ca0.5 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(9)を
用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結果
を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピーク
強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果を表4に示
した。
【0075】実施例10 水2500mlを加熱撹拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム96.6gおよびパラタングステン酸アンモニウ
ム44.6gを溶解した。別に水750mlを加熱撹拌
しながら、この中に硝酸銅87.8gおよび硝酸バリウ
ム10.8gを溶解した後に酸化第一銅0.6gおよび
三酸化アンチモン3.6gを添加した。得られた2つの
液を混合した後、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これにα
−アルミナからなる直径3〜5mmの球状担体1000
mlを加え、撹拌しながら蒸発乾固して担体に付着させ
た後、400℃で6時間焼成して触媒(10)を調製し
た。この触媒(10)の金属元素の組成は次のとおりで
あった。
【0076】Mo1251Cu2.25Sb0.15Ba
0.25 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(10)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピー
ク強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果を表
4に示した。
【0077】実施例11 水2500mlを加熱撹拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム106gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に二酸化バナジウム1.4gを
添加した。別に水750mlを加熱撹拌しながら、この
中に硝酸銅87.8gを溶解した後に四酸化アンチモン
25.4gを添加した。得られた2つの液を混合した
後、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これにα−アルミナか
らなる直径3〜5mmの球状担体1000mlを加え、
撹拌しながら蒸発乾固して担体に付着させた後、400
℃で6時間焼成して触媒(11)を調製した。この触媒
(11)の金属元素の組成は次のとおりであった。
【0078】Mo125.61Cu2.2Sb1 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(11)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピー
ク強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果を表4に
示した。
【0079】実施例12 水2500mlを加熱撹拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム116gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に二酸化バナジウム2.7gを
添加した。別に水750mlを加熱撹拌しながら、この
中に硝酸銅87.8gを溶解した後に酸化第一銅2.4
gおよび酸化第一スズ11gを添加した。得られた2つ
の液を混合した後、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これに
α−アルミナからなる直径3〜5mmの球状担体100
0mlを加え、撹拌しながら蒸発乾固して担体に付着さ
せた後、400℃で6時間焼成して触媒(12)を調製
した。この触媒(12)の金属元素の組成は次のとおり
であった。
【0080】Mo126.21Cu2.4Sn0.5 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(12)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピー
ク強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果を表4に
示した。
【0081】実施例13 水2500mlを加熱撹拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム116gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に三酸化バナジウム1.5gを
添加した。別に水750mlを加熱撹拌しながら、この
中に硝酸銅87.8gを溶解した後に酸化第一銅1.2
g、三酸化アンチモン12gおよび酸化第一スズ2.2
gを添加した。得られた2つの液を混合した後、湯浴上
の磁製蒸発器に入れ、これにα−アルミナからなる直径
3〜5mmの球状担体1000mlを加え、撹拌しなが
ら蒸発乾固して担体に付着させた後、400℃で6時間
焼成して触媒(13)を調製した。この触媒(13)の
金属元素の組成は次のとおりであった。
【0082】Mo126.11Cu2.3Sb0.5Sn0.1 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(13)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピー
ク強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果を表4に
示した。
【0083】実施例14 水2500mlを加熱撹拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム106gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に三酸化バナジウム1.2gを
添加した。別に水750mlを加熱撹拌しながら、この
中に硝酸銅87.8gを溶解した後に水酸化スズ2.5
g、酸化第一スズ4.4gおよび酸化セリウム14gを
添加した。得られた2つの液を混合した後、湯浴上の磁
製蒸発器に入れ、これにα−アルミナからなる直径3〜
5mmの球状担体1000mlを加え、撹拌しながら蒸
発乾固して担体に付着させた後、400℃で6時間焼成
して触媒(14)を調製した。この触媒(14)の金属
元素の組成は次のとおりであった。
【0084】Mo125.61Cu2.2Sn0.3Ce0.5 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(14)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピー
ク強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果を表4に
示した。
【0085】
【表4】
【0086】実施例15 工業用プロピレン(純度94%以上)を用い、モリブデ
ン−ビスマス系触媒の存在下に接触気相酸化を行い、ア
クロレイン5.5容量%、未反応プロピレンおよび副生
有機物1.3容量%、酸素5容量%、水蒸気20容量%
および窒素含有不活性ガス68.2容量%からなる反応
混合ガスを得た。
【0087】引続き、この反応混合ガスを触媒(1)が
充填されている反応管に導入し、温度255℃および接
触時間2秒の条件下に酸化反応を行った。
【0088】触媒(1)に導入される反応混合ガス中の
プロピレン、プロパン、アクリル酸、酢酸などは反応し
なかったものとして計算して、アクロレイン転化率9
9.1%、アクリル酸への選択率95.4%、アクリル
酸への単流収率は94.5%であった。
【0089】本発明によって製造される触媒は、高い活
性を維持し、アクロレインからアクリル酸を高収率で安
定して製造できることが確認された。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクロレインまたはアクロレイン含有ガ
    スを気相にて分子状酸素または分子状酸素含有ガスによ
    り酸化してアクリル酸を製造するための、下記一般式
    (I): MoabcCudefgh (I) (式中、Moはモリブデン、Vはバナジウム、Wはタン
    グステン、Cuは銅、Xはアンチモンおよびスズから選
    ばれた少なくとも一種の元素、Yはマグネシウム、カル
    シウム、ストロンチウムおよびバリウムから選ばれた少
    なくとも一種の元素、Zはチタン、ジルコニウムおよび
    セリウムから選ばれた少なくとも一種の元素、そしてO
    は酸素であり、a、b、c、d、e、f、gおよびh
    は、Mo、V、W、Cu、X、Y、ZおよびOの原子数
    を表し、a=12のとき、2≦b≦14、0≦c≦1
    2、0<d≦6、0<e≦5、0≦f≦3、0≦g≦1
    0であり、hは各々の元素の酸化状態によって定まる数
    値をとる)で表されるモリブデン−バナジウム系酸化物
    触媒を製造するに際して、バナジウム、銅、アンチモン
    およびスズの供給源に関し、バナジウムの供給源として
    メタバナジン酸アンモニウムを用い(但し、下記の
    (イ)を含む組合せの場合は除く)、また銅の供給源と
    して硝酸銅を用い(但し、下記の(ロ)を含む組合せの
    場合は除く)、かつ下記の(イ)および(ロ)から選ば
    れた少なくとも1つと下記の(ハ)および(ニ)から選
    ばれた少なくとも1つを組み合わせた条件下に触媒の調
    製を行うことを特徴とするアクリル酸製造用触媒の製造
    方法。 (イ)バナジウムの供給源としてメタバナジン酸アンモ
    ニウムおよびバナジウムの価数が0より大きく5未満の
    バナジウム酸化物の少なくとも一種を使用する。 (ロ)銅の供給源として硝酸銅および銅の価数が0より
    大きく2未満の銅酸化物の少なくとも一種を使用する。 (ハ)アンチモンの供給源の少なくとも一部としてアン
    チモンの価数が0より大きく5未満のアンチモン酸化物
    の少なくとも一種を使用する。 (ニ)スズの供給源の少なくとも一部としてスズの価数
    が0より大きく4未満のスズ酸化物の少なくとも一種を
    使用する。
  2. 【請求項2】 バナジウムの価数が0より大きく5未満
    のバナジウム酸化物が一酸化バナジウム、二酸化バナジ
    ウムおよび三酸化バナジウムである請求項1のアクリル
    酸製造用触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 銅の価数が0より大きく2未満の銅酸化
    物が酸化第一銅である請求項1のアクリル酸製造用触媒
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 アンチモンの価数が0より大きく5未満
    のアンチモン酸化物が三酸化アンチモンおよび四酸化ア
    ンチモンである請求項1のアクリル酸製造用触媒の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 スズの価数が0より大きく4未満のスズ
    酸化物が酸化第一スズである請求項1のアクリル酸製造
    用触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 バナジウム酸化物、銅酸化物、アンチモ
    ン酸化物および/またはスズ酸化物のバナジウム、銅、
    アンチモンおよび/またはスズの総原子数が全バナジウ
    ム原子数の1〜50%である請求項1のアクリル酸製造
    用触媒の製造方法。
  7. 【請求項7】 触媒のX線回折分析によって測定したd
    =4.38オングストロームにおけるピーク強度(d4.
    38)とd=4.00オングストロームにおけるピーク強
    度(d4.00)との比(d4.38/d4.00)が0.07未満
    である請求項1のアクリル酸製造用触媒の製造方法。
  8. 【請求項8】 未使用触媒のX線回折分析により測定し
    たd=4.00オングストロームにおけるピーク強度
    (I0)に対する、4000時間使用した後の触媒のX
    線回折分析により測定したd=4.00オングストロー
    ムにおけるピーク強度(I4000)の割合(I4000/I
    0)が少なくとも0.8である請求項1のアクリル酸製
    造用触媒の製造方法。
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