JPH0820566B2 - カラ−フィルタ−製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ガラス等の基板上に印刷方式により着色イ
ンキ被膜を形成して液晶カラーディスプレイ、液晶テレ
ビ受像装置、その他精密電子装置の光検出部品に使用す
るカラーフィルターを製造する方法に関する。

（従来の技術） 液晶カラーディスプレイパネル等の製造に使用する青
（Ｂ）、緑（Ｇ）、赤（Ｒ）の三原色の着色インキ被膜
を所望パターン状に備えたカラーフィルターは、その着
色インキ被膜面が平滑化されていないと、ディスプレイ
として組み立てる場合に電極形成用薄板ガラス、あるい
は偏光板ガラス等の他の基板との貼り合わせにおいて重
ね合わせ内面に空隙や気泡ができたり、また、ガラス同
志の平行均一な貼着が不可能になる。また、基板に形成
されている着色インキ被膜上に、ITO被膜を蒸着形成す
る場合に、その着色インキ被膜面に凹凸部があって膜厚
が不均一であると、着色インキ被膜の厚い部分で蒸着被
膜が不十分になったり、蒸着被膜が形成されず、断線を
生ずることがあるなど、カラーフィルター製造後の加工
処理に支障が生じ易い。また、着色インキ被膜面の微細
な凹凸により光払散現象によってカラーフィルターの透
明性が損なわれたり、その他光学的損失が発生する。

従って、印刷方式によりガラスの基板に着色インキ被
膜を形成して製造されるカラーフィルターにおいては、
上記不都合を解消するため、従来は着色インキ被膜の平
滑性及び膜厚の均一性を得るため、所定の温度に熱した
ローラーを着色インキ被膜面に当てて、その着色インキ
のガラス転移点近くまで加熱した該被膜面上をローリン
グさせることにより平滑性を得るようにしていた。

これを図面を用いて詳細に説明すれば、第２図（ａ）
及び（ｂ）は、円圧式の転写用ブランケットを装備した
凹板オフセット印刷方式によりガラスの基板（11）上に
印刷形成した後の着色インキ被膜（12）の、転写用ブラ
ンケットの転がり方向断面（以下縦断面と称す）及び転
写用ブランケットの転がり方向に垂直な断面（以下横断
面と称す）の形状である。第２図は、基板（11）上を図
面右から左方向に円圧式の転写用ブランケットを回転さ
せながら移動させて、着色インキ被膜（12）を基板（1
1）上に、１色ごとに印刷したものである。第１図
（ａ）の縦断面図は各色の画素内で、ブランケットが最
終的に印刷し終る側の着色インキ被膜（12）の左端に着
色インキの盛り上りが発生し、２色目、３色目と刷り重
ねてゆくと、各色の境界が膜厚最低となることを示す。
また、第２図（ｂ）の横断面図は、着色インキ被膜面が
各色の画素内で円弧状になり、２色目、３色目と刷り重
ねてゆくと、各色の境界で膜厚が最小で、各色の中央部
分で膜厚が最大となることを示す。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、熱によって着色インキを軟化させる
と、ロールへのインキ融着が避けられない問題である。
普通の樹脂インキ等では100℃以上の温度が必要で、し
かも、着色インキ被膜の温度を一定温度に上昇させるに
は、時間を要し、ロールによって加熱することは難かし
く、また、100℃以上の熱ロールは作業上危険である。

＜問題を解決する為の手段＞ 基板上に着色インキを用いてフィルターパターン状に
着色インキ被膜をまず形成し、この被膜上に着色インキ
被膜の表面を整える為のPET等のフィルムをあて、この
フィルムの上からローラー等による均一な力でプレス
し、さらに着色インキに含有するワニスの種類にあわせ
て硬化工程後、このフィルムを取り除いた。

（発明の作用） 本発明方法におけるガラス等の基板上に印刷形成した
着色インキが、電子線及び紫外線照射によって硬化する
場合、硬化反応をさせるまでは、着色インキの粘性が低
く、印刷時の流動性を有している。該流動性によって着
色インキはレベリング作用を起こし、１μｍ程度の膜厚
差にはなる。これ以上の平滑性を得る為に、被膜面上に
フィルムをあてプレスすると着色インキ被膜のインキ盛
り上りのインキが凹部へ移動し平坦な被膜となり、さら
に、光学的に光を散乱させる表面の微小な凹凸を除去し
て、極めて平滑な膜面となり、該被膜の平滑性および透
明性の向上がはかれる。

特に、電子線又は紫外線硬化型ワニスを成分とするイ
ンキは、電子線又は紫外線を照射するまでは、かなり流
動性がある。従って着色インキ被膜を印刷によって形成
した後、該流動性が有した状態で、第１図のように被膜
上にPET等のフィルムをあて、フィルム上からプレス
し、フィルムの貼着した状態で電子線又は紫外線を所定
量照射し、着色インキ被膜を硬化させた後、フィルムを
取り除き、第３図のように平滑性および透明性の向上し
た着色インキ被膜とすることができる。

（発明の効果） 本発明は、印刷方式によって製造されるカラーフィル
ターにおけるガラスの基板に形成した着色インキ被膜面
に発生する不均一な凹凸を容易に平滑化することができ
るため、カラーフィルターと他の電極基板や偏光板との
貼り合わせにおいて、均一な貼着加工が可能となり、ま
た、着色インキ被膜に対してスパッタをする場合等にお
いても、被膜の平滑性によって適正な蒸着膜が得られ、
且つカラーフィルターの透明性及びカラーフィルターを
構成するB.G.R各色の分光透過率特性が良好になり、液
晶カラーディスプレイ等においても、適正なカラーバラ
ンスが得られる等、印刷方式によるカラーフィルターの
製造において顕著な効果を奏するものである。

下記に本発明の具体的実施例を示す。

＜実施例１＞ 凹板オフセット印刷機により、顔料、電子線硬化型ワ
ニスを主体とする着色インキを用いて、ガラスの基板
（11）上に凹板セルパターンに従って、３〜４μｍの膜
厚の着色インキ被膜（12）を形成したところ、印刷方向
後端に盛り上った（Max膜厚４μｍ）。この着色インキ
被膜（12）面上に、ゴミ等の付着していないPETのフィ
ルム（13）を載せ、裏返してプレス定盤（14）上に載
せ、その上から、JIS−Ａ硬度60のゴム製のローラー（1
5）によってプレスし、その後、電子線露光装置によっ
て、５メガラッドの電子線を照射し、着色インキを硬化
した後にフィルム（13）を取り除いた。これにより平均
膜厚3.5±0.1μｍの平滑な着色インキ被膜面を持つカラ
ーフィルターが得られた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、インキ被膜面とプレスローラーの間にフィル
ムを介在させたプレス方法を示した断面図である。 第２図（ａ）は、本発明における平滑化処理を施さない
印刷着色膜の印刷方向に平行な断面図（縦断面図）であ
り、第２図（ｂ）は、同印刷方向に垂直な断面図（横断
面図）であり、第３図（ａ）は、本発明における平滑化
処理を施した印刷着色膜の印刷方向に平行な断面図（縦
断面図）であり、第３図（ｂ）は、同印刷方向に垂直な
断面図（横断面図）である。 （Ｂ）……青色インキ被膜、（Ｇ）……緑色インキ被膜 （Ｒ）……赤色インキ被膜、（11）……基板 （12）……着色インキ被膜、（13）……フィルム （14）……プレス定盤、（15）……ローラー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】印刷方式により、フィルター基板上に電子
   線硬化型又は紫外線硬化型印刷インキを用いてパターン
   状に着色インキ被膜を形成し該被膜を硬化する前に被膜
   面にフィルムを重ね合せてプレスした後電子線又は紫外
   線を照射して硬化後フィルムを剥離することを特徴とす
   るカラーフィルター製造方法。
2. 【請求項２】印刷方式が、スクリン印刷方式、又は凹板
   オフセット印刷方式である特許請求の範囲第１項記載の
   カラーフィルター製造方法。