JPH08205460A - 動圧軸受形モータ及びポリゴンミラー駆動用スキャナモータ - Google Patents

動圧軸受形モータ及びポリゴンミラー駆動用スキャナモータ

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JPH08205460A
JPH08205460A JP1040895A JP1040895A JPH08205460A JP H08205460 A JPH08205460 A JP H08205460A JP 1040895 A JP1040895 A JP 1040895A JP 1040895 A JP1040895 A JP 1040895A JP H08205460 A JPH08205460 A JP H08205460A
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gas
gap
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cylinder
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Kunio Hayashi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸受筒と回転軸との間の軸受隙間が変化する
ことを極力抑えることができるようにする。 【構成】 ステンレス製の回転軸37を、動圧空気軸受
手段41を介してセラミック製の軸受筒28により回転
自在に支持する。軸受筒28の外周部とハウジング22
の筒部26との間に断熱材製の筒部材27を設け、軸受
筒28からの放熱を抑える。筒部材27の内周部側及び
外周部側に第1及び第2の空隙部59及び63を設け
る。回転軸37が回転駆動されると、矢印a〜fに示す
ように、軸受隙間42、第1及び第2の空隙部59及び
63、底部部材31の連通口66を含む空気循環路67
が形成され、この空気循環路67を流動する空気により
回転軸37及び軸受筒28が良好に冷却されるようにな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動圧気体ラジアル軸受
を有する動圧軸受形モータ、及びこの動圧軸受形モータ
をポリゴンミラー駆動用のスキャナモータに適用したポ
リゴンミラー駆動用スキャナモータに関する。
【0002】
【従来の技術】潤滑流体として空気を用いた動圧空気ラ
ジアル軸受を有する動圧軸受形モータを、レーザービー
ムプリンターのレーザースキャニングに使用されるポリ
ゴンミラー駆動用スキャナモータに適用した従来構成に
ついて、図11を参照して説明する。
【0003】ハウジング1は、上面側に複数段の凹部を
有すると共に、中央部の底部に筒部2を有していて、そ
の筒部2に円筒状をなすセラミック製の軸受筒3が挿入
されて接着固定され、また、筒部2の底部に底蓋4がね
じ止めされている。このハウジング1の上面には軸受筒
3を覆う状態でカバー5がねじ止めされており、これら
ハウジング1とカバー5とにより、密閉状態のモータケ
ース6を構成している。このモータケース6内におい
て、ハウジング1の上部には配線基板7がねじ止めされ
ていて、この配線基板7の上面に複数個のステータコイ
ル8が接着固定されている。
【0004】そして、モータケース6の内部には、ステ
ンレス製の回転軸9を備えたロータ組立10が配設され
ている。回転軸9は、外周面に動圧空気軸受手段の一部
を構成するヘリングボーン状の溝部11を上下に2組形
成していて、上記軸受筒3内に回転自在に挿通支持され
ている。これら回転軸9と軸受筒3とにより動圧空気軸
受手段を構成している。
【0005】回転軸9の上部にはフランジ12が取付固
定されており、このフランジ12にロータヨーク13が
接着固定されている。このロータヨーク13の下面には
環状をなすロータマグネット14が接着固定されてい
て、このロータマグネット14が、上記ステータコイル
8に対して軸方向に所定の空隙を存する状態で上方から
対向配置されている。また、フランジ12の上部には、
ポリゴンミラー15が装着されている。
【0006】フランジ12の下部には、取付部材16が
回転軸9と一体回転するように取付固定されている。こ
の取付部材16は軸受筒3を上方から包囲する状態で配
線基板7を貫通していて、下部に回転ヨーク16aが配
線基板7の下方に位置して取り付けられていると共に、
環状をなすロータ側磁気浮上用マグネット17が取り付
けられている。
【0007】回転ヨーク16aは磁気収束用のヨークで
あり、ロータマグネット14の磁気吸引力は常にこの回
転ヨーク16aに作用して引き付けようとするが、ロー
タマグネット14及び回転ヨーク16aは、共に回転軸
9にフランジ12或いは取付部材16を介して固定され
ているので、これらの距離は変ることなく常に一定に維
持される。従って、ロータマグネット14の磁気吸引力
をロータ組立10内で相殺することができ、結果として
スラスト荷重をロータ組立10の自重のみに低減するこ
とができる。
【0008】ハウジング1側には、ロータ側磁気浮上用
マグネット17を包囲するように環状のステータ側磁気
浮上用マグネット18が固定されていて、ロータ組立1
0のスラスト荷重を、これらロータ側磁気浮上用マグネ
ット17とステータ側磁気浮上用マグネット18の磁気
反発力を利用して受ける構成となっている。
【0009】しかして、上記構成において、ロータ組立
10が回転駆動されると、ヘリングボーン状の溝部11
の作用で、軸受筒3の内周面と回転軸9の外周面との間
の数μmの軸受隙間19に空気が引き込まれて高圧の動
圧を発生し、この動圧空気軸受作用により、回転軸9は
軸受筒3に対して非接触状態で回転される。このような
動圧空気軸受を用いたモータは、高速回転に適してい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したよ
うな動圧軸受形モータにおいては、次のような問題点が
ある。この種のモータは高速回転(例えば30000r.
p.m 以上)で使用されることが多く、その高速回転時に
おいて、動圧を発生する空気は、軸受筒3と回転軸9と
の間の軸受隙間19に高圧で閉じ込められる状態になっ
て発熱し、軸受部分に温度上昇をもたらす。この場合、
軸受筒3と回転軸9とでは使用材料が異なっていること
から、熱膨張係数も異なっている。具体的には、軸受筒
3はセラミック製であるのに対し、回転軸9はステンレ
ス製であり、熱膨張係数としてはステンレスはセラミッ
クの約2倍となっている。このように軸受筒3と回転軸
9との間で熱膨張係数に差があると、軸受部分の温度上
昇に伴い、軸受隙間19が小さくなるように変化するた
め、動圧空気軸受による正常な回転駆動が疎外され、種
々のモータ特性が変化することになる。特に、モータケ
ース6が密閉構造の場合には、軸受部分の温度上昇が激
しいものとなる。
【0011】そして、軸受筒3を支持するハウジング1
は、比較的放熱性のよいアルミニウム製であり、軸受部
分の熱はこのハウジング1から放熱されることになる。
ところが、上記構成のものの場合、回転軸9の外側にあ
る軸受筒3はハウジング1の筒部2と直接接触している
ため、回転軸9に比べて軸受筒3の放熱が容易となる。
その結果、熱膨張係数の大きい回転軸9に比べて熱膨張
係数の小さい軸受筒3の方が温度が低くなり、回転軸9
と軸受筒3との間の温度差が一層大きくなるため、上記
した軸受隙間19がさらに小さくなるように変化するこ
とになる。これに伴い、モータの特性が一層悪化するこ
とになる。
【0012】そこで、本発明の目的は、軸受筒と回転軸
との間の軸受隙間が変化することを極力抑えることがで
きて、モータとしての特性を改善できる動圧軸受形モー
タを提供することと、高精度で高性能なスキャンニング
を長期間にわたって行うことが可能なポリゴンミラー駆
動用スキャナモータを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ハウ
ジングに固定状態に設けられた軸受筒と、この軸受筒内
に挿通されると共に該軸受筒に動圧気体軸受手段を介し
て回転可能に支持されるように設けられ、軸受筒とは熱
膨張係数が異なる材料にて形成された回転軸とを具備し
た動圧軸受形モータにおいて、前記軸受筒の外周部と前
記ハウジングとの間に断熱材製の筒部材を設けたことを
特徴とするものである。
【0014】この場合、筒部材の内周部と軸受筒との
間、及び筒部材の外周部とハウジングとの間に、気体層
を形成する空隙部をそれぞれ設けることが好ましい(請
求項2の発明)。
【0015】請求項3の発明は、ハウジングとカバーを
有して密閉状態に構成されたモータケースと、このモー
タケースの内部において前記ハウジングに立設された軸
受筒と、この軸受筒内に挿通されると共に該軸受筒に動
圧気体軸受手段を介して回転可能に支持されるように設
けられ、軸受筒とは熱膨張係数が異なる材料にて形成さ
れた回転軸と、この回転軸の回転時に回転軸と軸受筒と
の間の軸受隙間に下側から上側への気体の流れを発生さ
せる気体流発生手段と、前記軸受筒の外周部とハウジン
グとの間に設けられた断熱材製の筒部材と、この筒部材
の内周部と軸受筒との間に気体層を形成するように設け
られ、上部が前記軸受隙間の上部と連通する第1の空隙
部と、前記筒部材の外周部とハウジングとの間に気体層
を形成するように設けられ、連通孔を介して前記第1の
空隙部と連通すると共に、下部が前記軸受隙間の下部と
連通する第2の空隙部とを具備し、前記回転軸の回転に
基づき、前記モータケース内に、前記軸受隙間、第1の
空隙部、及び第2の空隙部を通してモータケース内の気
体を循環させる気体循環路を形成することを特徴とする
動圧軸受形モータである。
【0016】この場合、軸受筒の下部とハウジングとの
間に、第2の空隙部の下部と軸受隙間の下部との間を連
通させる連通口が形成された断熱材製の底部部材を設け
ることが好ましい(請求項4の発明)。
【0017】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て断熱材製の筒部材を設けることに代えて、軸受筒の外
周部と前記ハウジングとの間に、気体層を形成する空隙
部を設けたことを特徴とするものである。
【0018】請求項6の発明は、ハウジングとカバーを
有して密閉状態に構成されたモータケースと、このモー
タケースの内部において前記ハウジングに立設された軸
受筒と、この軸受筒内に挿通されると共に該軸受筒に動
圧気体軸受手段を介して回転可能に支持されるように設
けられ、軸受筒とは熱膨張係数が異なる材料にて形成さ
れた回転軸と、この回転軸の回転時に回転軸と軸受筒と
の間の軸受隙間に下側から上側への気体の流れを発生さ
せる気体流発生手段と、前記軸受筒の外周部とハウジン
グとの間に気体層を形成するように設けられ、上部が前
記軸受隙間の上部と連通すると共に下部が軸受隙間の下
部と連通する空隙部とを具備し、前記回転軸の回転に基
づき、前記モータケース内に、前記軸受隙間及び空隙部
を通してモータケース内の気体を循環させる気体循環路
を形成することを特徴とする動圧軸受形モータである。
【0019】この場合、空隙部により形成される気体層
と軸受筒とが接触する面積が、ハウジングと軸受筒とが
接触する面積よりも大きく設定することが好ましい(請
求項7の発明)。
【0020】請求項8の発明は、ハウジングとカバーを
有して構成されたモータケースと、このモータケースの
内部において前記ハウジングに固定状態に設けられた軸
受筒と、この軸受筒内に挿通されると共に該軸受筒に動
圧気体軸受手段を介して回転可能に支持されるように設
けられ、軸受筒とは熱膨張係数が異なる材料にて形成さ
れた回転軸と、この回転軸の回転時に回転軸と軸受筒と
の間の軸受隙間に一方側から他方側への気体の流れを発
生させる気体流発生手段と、前記軸受筒の外周部とハウ
ジングとの間に設けられた断熱材製の筒部材と、前記モ
ータケースに前記軸受隙間の一方側とモータケースの外
部とを連通するように設けられた気体流入口と、前記モ
ータケースに前記軸受隙間の他方側とモータケースの外
部とを連通するように設けられた気体流出口とを具備
し、前記回転軸の回転に基づき、前記モータケース内
に、前記気体流入口から外部の気体を軸受隙間に流入さ
せると共に、軸受隙間を通した気体を前記気体流出口か
ら外部へ流出させる気体通路を形成することを特徴とす
る動圧軸受形モータである。
【0021】請求項9の発明は、上記した動圧軸受形モ
ータにおいて、回転軸に該回転軸と一体に回転するポリ
ゴンミラーを備えたことを特徴とするポリゴンミラー駆
動用スキャナモータである。
【0022】
【作用】請求項1の動圧軸受形モータによれば、軸受筒
の外周部とハウジングとの間に断熱材製の筒部材を設け
たことにより、軸受筒からの放熱が抑えられ、熱膨張係
数が異なる回転軸と軸受筒との間の温度差が大きくなる
ことを極力抑えることができるから、軸受筒と回転軸と
の間の軸受隙間が変化することを極力抑えることができ
るようなる。
【0023】この場合、筒部材の内周部と軸受筒との
間、及び筒部材の外周部とハウジングとの間に、気体層
を形成する空隙部をそれぞれ設けた場合には、気体層が
断熱材として機能するようになるので、回転軸と軸受筒
との間の温度差が大きくなることを一層抑えることがで
き、軸受筒と回転軸との間の軸受隙間が変化することを
一層抑えることができるようなる。
【0024】請求項3の動圧軸受形モータによれば、モ
ータケースが密閉構造のものでありながら、軸受筒の外
周部とハウジングとの間には断熱材製の筒部材が設けら
れていると共に、筒部材の内周部と軸受筒との間、及び
筒部材の外周部とハウジングとの間にそれぞれ気体層を
形成する第1及び第2の空隙部が設けられているので、
熱膨張係数が異なる回転軸と軸受筒との間の温度差が大
きくなることを極力抑えることができる。しかも、回転
軸の回転に基づき、モータケース内の気体が軸受隙間、
第1の空隙部、及び第2の空隙部を含む気体循環路を通
して循環するので、その流動する気体によって回転軸及
び軸受筒が良好に冷却されるようになり、軸受筒と回転
軸との間の軸受隙間が変化することを一層確実に抑える
ことができるようなる。
【0025】この場合、軸受筒の下部とハウジングとの
間に断熱材製の底部部材を設けた場合には、上記作用効
果を一層向上できる。
【0026】請求項5の動圧軸受形モータによれば、空
隙部によって形成される気体層が断熱材として機能する
ようになるので、請求項1の場合と同様な作用効果を得
ることができる。
【0027】請求項6の動圧軸受形モータによれば、モ
ータケースが密閉構造のものでありながら、軸受筒の外
周部とハウジングとの間には気体層を形成する空隙部が
設けられているので、熱膨張係数が異なる回転軸と軸受
筒との間の温度差が大きくなることを極力抑えることが
できる。しかも、回転軸の回転に基づき、モータケース
内の気体が軸受隙間及び空隙部を含む気体循環路を通し
て循環するので、その流動する気体によって回転軸及び
軸受筒が良好に冷却されるようになり、軸受筒と回転軸
との間の軸受隙間が変化することを一層確実に抑えるこ
とができるようなる。
【0028】この場合、空隙部により形成される気体層
と軸受筒とが接触する面積が、ハウジングと軸受筒とが
接触する面積よりも大きくなるように設定した場合に
は、気体層による断熱機能が有効に発揮されるようにな
る。
【0029】請求項8の動圧軸受形モータによれば、軸
受筒の外周部とハウジングとの間に断熱材製の筒部材が
設けられているので、熱膨張係数が異なる回転軸と軸受
筒との間の温度差が大きくなることを極力抑えることが
できる。しかも、回転軸の回転に基づき、モータケース
の外部の気体が軸受隙間を含む気体通路に流入し、その
気体通路を流通した後、外部へ流出するようになるの
で、その流通する気体によって回転軸及び軸受筒が良好
に冷却されるようになり、軸受筒と回転軸との間の軸受
隙間が変化することを一層確実に抑えることができるよ
うなる。
【0030】請求項9のポリゴンミラー駆動用スキャナ
モータによれば、上記したような軸受筒と回転軸との間
の軸受隙間が変化することを抑えられる動圧軸受形モー
タを用いることにより、高精度で高性能なスキャンニン
グを長期間にわたって行うことが可能となる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の動圧軸受形モータをレーザー
ビームプリンターのレーザースキャニングに使用される
ポリゴンミラー駆動用スキャナモータに適用した第1実
施例について図1ないし図5を参照して説明する。
【0032】まず全体構成を示す図2において、モータ
ケース21は、例えばアルミニウム製のハウジング22
と、これの上部にねじ23により装着されたカバー24
とから密閉状態となるように構成されている。
【0033】このうち、ハウジング22は、上面側に3
段の凹部25a〜25cを有すると共に、中央部の底部
に筒部26を有している。その筒部26の内側に、図1
にも示すように、断熱材製、例えばポリイミド樹脂製の
筒部材27を介して円筒状をなすセラミック製の軸受筒
28が立設状態となるように接着固定されている。ま
た、筒部26の底部にはハウジング22の一部を構成す
る底蓋29がねじ30により取り付けられており、筒部
26の下面はこの底蓋29により閉塞されている。軸受
筒28の下面と底蓋29の上面との間には、筒部材27
と同様な断熱材製、例えばポリイミド樹脂製のカップ状
をなす底部部材31が設けられている。
【0034】ハウジング22の上段の凹部25aには、
配線基板32がねじ33により取付固定されていて、こ
の配線基板32の上面に複数個のステータコイル34が
接着固定されている。また、ハウジング22の下段の凹
部25cには、環状をなすステータ側磁気浮上用マグネ
ット35が固定されていて、これの上面に環状をなすヨ
ーク36が固定されている。
【0035】そして、モータケース21の内部には、例
えばステンレス製の回転軸37を備えたロータ組立38
が回転可能に配設されている。回転軸37の外周面に
は、動圧空気軸受手段の一部を構成するヘリングボーン
状の溝部39a,39b、40a,40bを上下に2組
形成していて、回転軸37が上記軸受筒28内に回転自
在に挿通支持されている。これら回転軸37と軸受筒2
8とにより、空気を潤滑流体とする動圧空気軸受手段
(動圧気体軸受手段)41を構成している。軸受筒28
の内周面と回転軸37の外周面との間には、数μmの軸
受隙間42(図1参照)が形成されている。
【0036】回転軸37の上部にはフランジ43が取付
固定されており、このフランジ43にロータヨーク44
が接着固定されている。このロータヨーク44の下面に
は環状をなすロータマグネット45が接着固定されてい
て、このロータマグネット45が、上記ステータコイル
34に対して軸方向に所定の空隙を存する状態で上方か
ら対向配置されている。また、フランジ43の上部に
は、ポリゴンミラー46がミラー押え47及びねじ48
によって装着されており、このポリゴンミラー46はロ
ータ組立38と一体回転する構成となっている。
【0037】フランジ43の下部には、取付部材49が
回転軸37と一体回転するように取付固定されている。
この取付部材49は、軸受筒28を上方から覆う状態で
配線基板32の孔32aを貫通していて、その下部に回
転ヨーク50が配線基板32の下方に位置して該配線基
板32と平行となるように取り付けられていると共に、
環状をなすロータ側磁気浮上用マグネット51が取り付
けられている。
【0038】回転ヨーク50は磁気収束用のヨークであ
り、ロータマグネット45の磁気吸引力は常にこの回転
ヨーク50に作用して引き付けようとするが、ロータマ
グネット45及び回転ヨーク50は、共に回転軸37に
フランジ43或いは取付部材49を介して固定されてい
るので、これらの距離は変ることなく常に一定に維持さ
れる。従って、ロータマグネット45の磁気吸引力をロ
ータ組立38内で相殺することができ、結果としてスラ
スト荷重をロータ組立38の自重のみに低減することが
できる。
【0039】取付部材49の内面と軸受筒28の外面と
の間には所定の隙間が形成されている。また、ロータ側
磁気浮上用マグネット51は、上記ステータ側磁気浮上
用マグネット35内に挿入された状態となっており、こ
れらロータ側磁気浮上用マグネット51の外周面とステ
ータ側磁気浮上用マグネット35の内周面との間にも所
定の隙間が形成されている。
【0040】ロータ側磁気浮上用マグネット51とステ
ータ側磁気浮上用マグネット35は、それぞれ上部がN
極で、下部がS極となるように着磁されており、ロータ
組立38のスラスト荷重を、これらロータ側磁気浮上用
マグネット51とステータ側磁気浮上用マグネット35
の磁気反発力を利用して受ける構成となっている。
【0041】ハウジング22の下方には、駆動回路(図
示せず)を備えた基板52が配置されている。この基板
52は、ハウジング22にスペーサ53を介してねじ5
4により取付固定されている。この基板52の回路とモ
ータケース21内の配線基板32の回路とはコネクタ5
5を介して電気的に接続されている。また、カバー24
において、ポリゴンミラー46の外周部と対応する部位
の1箇所には窓部56が設けられていて、この窓部56
を通してレーザー光が出入りするようになっている。
【0042】ここで、図5において、回転軸37の外周
面に形成された2組の溝部39a,39b及び40a,
40bのうち、上から3個の溝部39a,39b及び4
0aの軸方向の長さ寸法A1は同一に設定していて、最
下部の溝部40bの軸方向の長さ寸法A2を、上記長さ
寸法A1よりも大きくなるように設定している(A2>
A1)。このように、最下部の溝部40bの軸方向の長
さ寸法A2を、他の溝部39a,39b,40aの長さ
寸法A1よりも大きく設定することによって、ロータ組
立38の回転時に回転軸37の外周面と軸受筒28の内
周面との間の軸受隙間42に下側から上側への空気(気
体)の流れを発生させる空気流発生手段(気体流発生手
段)を構成している。
【0043】一方、筒部材27の内周部には、図3及び
図4に示すように、断面が半円形状をなして上下方向に
延びる凹部57が複数本形成されていると共に、これら
凹部57の下部と連通するように内側リング溝58が形
成されている。凹部57の上面は開放されており、モー
タケース21の内部を通して軸受隙間42の上部と連通
している。これら凹部57及び内側リング溝58は、筒
部材27の内周部と軸受筒28の外周部との間に空気層
(気体層)を形成するための第1の空隙部59を構成し
ている。
【0044】また、筒部材27の外周部には、上部に外
側リング溝60が形成されていると共に、上部がこの外
側リング溝60と連通して下方に延び、かつ長さが異な
る凹部61,62が複数本交互に形成されている。これ
ら外側リング溝60及び凹部61,62は、筒部材27
の外周部とハウジグ22の筒部26の内周部との間に空
気層を形成するための第2の空隙部63を構成してい
る。この第2の空隙部63と第1の空隙部59とは、長
さの短い方の凹部61の下部に形成された連通孔64を
介して連通されている。長さの長い方の凹部62の下部
には筒部材27の内周側と連通する孔部65が形成され
ている。
【0045】そして、底部部材31には、孔部65と軸
受隙間42の下部とを連通させる連通口66が形成され
ており、この連通口66と孔部65を介して第2の空隙
部63と軸受隙間42の下部とを連通している。
【0046】さて、上記構成において、ロータ組立38
が回転駆動されると、ヘリングボーン状の溝部39a,
39b及び40a,40bの作用で、軸受筒28と回転
軸37との間の軸受隙間42に空気が引き込まれて高圧
の動圧を発生し、この動圧空気軸受作用により、回転軸
37は軸受筒28に対して非接触状態で回転されるよう
になる。
【0047】ここで、溝部39a,39b及び40a,
40bのうち、最下部の溝部40bの軸方向の長さ寸法
A2を、他の溝部39a,39b,40aの長さ寸法A
1よりも大きく設定しているので、ロータ組立38の回
転に基づき軸受隙間42に発生する動圧の圧力は下側が
上側よりも大きくなる。このため、軸受隙間42には、
下側の空気を上方へ押し上げる流れが発生し、図1に矢
印aで示すように、下から上へ向く空気の流れが発生す
る。
【0048】軸受隙間42を上向きに流れた空気は、軸
受筒28の上端に出た後、軸受筒28と取付部材49と
の間の隙間を通り軸受筒28の外面に沿って下降する
(矢印b参照)。そして、その空気は、第1の空隙部5
9に入って下側に向かって流れ(矢印c参照)、連通孔
64から第2の空隙部63の凹部61側に押し出され
る。凹部61側に出た空気は、上側へ向けて流れた後
(矢印d参照)、凹部62を下側へ向けて流れ(矢印e
参照)、下部の孔部65及び底部部材31の連通口66
を通って、再び軸受隙間42に戻される(矢印f参照)
というように循環するようになる。
【0049】従って、この場合、ロータ組立38の回転
に基づき、モータケース21内に、軸受隙間42と、第
1の空隙部59と、第2の空隙部63と、連通口66と
によって、モータケース21内の空気を循環させる空気
循環路(気体循環路)67が形成されるようになる。
【0050】このような第1実施例によれば、次のよう
な作用効果を得ることができる。すなわち、モータケー
ス21が密閉構造のものでありながら、軸受筒28の外
周部とハウジング22の筒部26との間に断熱材製の筒
部材27を設けていると共に、この筒部材28の内周部
と軸受筒28との間に空気層を形成する第1の空隙部5
9を設けているので、これら筒部材27と第1の空隙部
59によって形成される空気層とにより軸受筒28の放
熱を抑えることができる。これにより、熱膨張係数が異
なるステンレス製の回転軸37とセラミック製の軸受筒
28との間の温度差が大きくなることを極力抑えること
ができるから、それら軸受筒28と回転軸37との間の
軸受隙間42が小さくなるように変化することを極力抑
えることができるようなる。この場合、軸受筒28の下
部と底蓋29との間にも断熱材製の底部部材31を設け
ているので、上記作用効果を一層向上できる。
【0051】しかも、筒部材28の外周部とハウジング
22の筒部26との間に第2の空隙部63を設けてい
て、ロータ組立38の回転に基づき、モータケース21
内の空気が軸受隙間42、第1の空隙部59、及び第2
の空隙部63を含む空気循環路67を通して循環するよ
うにしているので、その空気は特に第2の空隙部63を
通る際に筒部26を介して冷却されるようになり、その
空気循環路67を流動する空気によって回転軸37及び
軸受筒28が良好に冷却されるようになる。これによ
り、軸受筒28と回転軸37との間の軸受隙間42が小
さくなるように変化することを一層確実に抑えることが
できるようなる。
【0052】また、ロータ組立38の回転に基づき軸受
隙間42の空気は、その軸受隙間42に止まらず、空気
循環路67を通して常に流動することになるので、軸受
隙間42において結露が生ずることも防止でき、しか
も、モータケース21内に塵埃が発生したとしても、そ
の塵埃が軸受筒28の内周面や回転軸37の外周面に付
着堆積することも極力防止することができる。
【0053】なお、この第1実施例において、軸受隙間
42に下側から上側への空気の流れを発生させるための
空気流発生手段としては、溝部40bと他の溝部39
a,39b,40aとで軸方向の長さを変えることに代
えて、溝部40bの流入角度θ(図5参照)を、他の溝
部39a,39b,40aの流入角度よりも小さくする
ことによって構成してもよい。
【0054】図6及び図7は本発明の第2実施例を示し
たものであり、この第2実施例は上記した第1実施例と
は次の点が異なっている。すなわち、軸受筒28の外周
部とハウジング22の筒部26との間に筒部材27が設
けられておらず、また、軸受筒28と底蓋29との間に
底部部材31も設けられていない。
【0055】そして、筒部材27に代えて、筒部26の
内周部に、上下方向に延びる凹部68が仕切り部69に
よって周方向に複数個形成されている。これら各凹部6
8は、軸受筒28の外周部とハウジング22の筒部26
との間に空気層を形成するための空隙部70を構成して
いる。この空隙部70の上部はモータケース21の内部
において開放しており、軸受隙間42の上部と連通して
おり、また、下部は軸受筒28の下面と底蓋29の上面
との間の隙間を通して軸受隙間42と連通している。
【0056】この場合、空隙部70により形成される空
気層と軸受筒28とが接触する面積、すなわち凹部68
の開口部68aの面積は、仕切り部69の先端部69a
が軸受筒28と接触する面積よりも大きく設定されてい
る。なお、底蓋29の上面部にはスラスト受け部材71
が設けられ、また、モータケース21の外部には、モー
タを外部から強制的に冷却するための冷却ファン72が
設けられている。
【0057】さて、上記構成において、ロータ組立38
が回転駆動された場合、第1実施例と同様に、動圧空気
軸受作用により回転軸37は軸受筒28に対して非接触
状態で回転されるようになる。また、このとき、空気流
発生手段により、軸受隙間42には、下側の空気を上方
へ押し上げる流れが発生し、図6に矢印gで示すよう
に、下から上へ向く空気の流れが発生する。
【0058】軸受隙間42を上向きに流れた空気は、軸
受筒28の上端に出た後、軸受筒28と取付部材49と
の間の隙間を通り軸受筒28の外面に沿って下降する
(矢印h参照)。そして、その空気は、空隙部70に入
って下側に向かって流れ(矢印i参照)、軸受筒28の
下面と底蓋29との間の隙間を通して、再び軸受隙間4
2に戻される(矢印j参照)というように循環するよう
になる。
【0059】従って、この場合、ロータ組立38の回転
に基づき、モータケース21内に、軸受隙間42と空隙
部70とによって、モータケース21内の空気を循環さ
せる空気循環路(気体循環路)73が形成されるように
なる。また、このとき、ハウジング22の筒部26部分
は、冷却ファン72により外部から冷却されるようにな
る。
【0060】このような第2実施例によれば、次のよう
な作用効果を得ることができる。すなわち、モータケー
ス21が密閉構造のものでありながら、軸受筒28の外
周部とハウジング22の筒部26との間に空気層を形成
する空隙部70を設けているので、この空隙部70によ
って形成される空気層により軸受筒28の放熱を抑える
ことができる。これにより、第1実施例よりも簡単な構
成で、熱膨張係数が異なるステンレス製の回転軸37と
セラミック製の軸受筒28との間の温度差が大きくなる
ことを極力抑えることができ、それら軸受筒28と回転
軸37との間の軸受隙間42が小さくなるように変化す
ることを極力抑えることができるようなる。
【0061】しかも、ロータ組立38の回転に基づき、
モータケース21内の空気が軸受隙間42及び空隙部7
0を含む空気循環路73を通して循環するようにしてい
るので、その空気は特に空隙部70を通る際に筒部26
を介して冷却されるようになり、その空気循環路70を
流動する空気によって回転軸37及び軸受筒28が良好
に冷却されるようになる。これにより、軸受筒28と回
転軸37との間の軸受隙間42が小さくなるように変化
することを一層確実に抑えることができるようなる。
【0062】また、この第2実施例においても、ロータ
組立38の回転に基づき軸受隙間42の空気は、空気循
環路73を通して常に流動することになるので、軸受隙
間42において結露が生ずることも防止でき、しかも、
塵埃が軸受筒28の内周面や回転軸37の外周面に付着
堆積することも極力防止することができる。
【0063】さらに、空隙部70により形成される空気
層と軸受筒28とが接触する面積は、仕切り部69の先
端部69aが軸受筒28と接触する面積よりも大きく設
定しているので、空気層による断熱機能が一層有効に発
揮されるようになる。
【0064】図8及び図9は本発明の第3実施例を示し
たものであり、この第3実施例は上記した第2実施例と
は次の点が異なっている。すなわち、軸受筒28の外周
部とハウジング22の筒部26の内周部との間に、断熱
材製、例えばエボナイト製の筒部材74を設けている。
【0065】この第3実施例によれば、軸受筒28から
の放熱を、第2実施例の場合よりも一層確実に抑えるこ
とができるようになる。
【0066】図10は本発明の第4実施例を示したもの
であり、この第4実施例は上記した第3実施例とは次の
点が異なっている。すなわち、ハウジング22における
底蓋29に、軸受隙間42の下部とモータケース21の
外部とを連通させる空気流入口(気体流入口)75を形
成し、この空気流入口75に通気性を有するエアーフィ
ルタ76を設けている。また、ハウジグ22の外周部
に、モータケース21の内部と外部とを連通させる空気
流出口(気体流出口)77を形成し、この空気流出口7
7に通気性を有するエアーフィルタ78を設けている。
従って、この場合、モータケース21は密閉された構成
とはなっていない。そして、軸受筒28の外周部にエボ
ナイト製の筒部材74は設けられているが、軸受筒28
と筒部26との間に空隙部70は設けられていない。
【0067】さて、上記構成において、ロータ組立38
が回転駆動された場合、第1実施例と同様に、動圧空気
軸受作用により回転軸37は軸受筒28に対して非接触
状態で回転されるようになる。また、このとき、空気流
発生手段により、軸受隙間42には下側の空気を上方へ
押し上げる流れが発生する。これに伴い、モータケース
21の外部の空気が、空気流入口75からエアーフィル
タ76を介して軸受隙間42に流入するようになる(矢
印k参照)。
【0068】軸受隙間42に流入した空気は、軸受隙間
42を上に向かって流れ(矢印l参照)、軸受筒28の
上端に出た後、軸受筒28と取付部材49との間の隙間
を通り軸受筒28の外面に沿って下降する(矢印m参
照)。そして、その空気は、ロータ側磁気浮上用マグネ
ット51とステータ側磁気浮上用マグネット35との間
の隙間を上に向かってに流れ(矢印n参照)、回転ヨー
ク50の下面とハウジング22の中段の凹部25bとの
間(矢印o参照)、回転ヨーク50の上面と配線基板3
2の下面との間を通った後(矢印p参照)、配線基板3
2の孔32aと取付部材49との間(矢印q参照)、ロ
ータマグネット45の下面とステータコイル34の上面
との間を通って(矢印r参照)、空気流出口77へ至り
(矢印s参照)、エアーフィルタ78を通してモータケ
ース21の外部へ流出されるようになる(矢印t参
照)。
【0069】従って、この場合、ロータ組立38の回転
に基づき、モータケース21内に、空気流入口75から
外部の空気を軸受隙間42に流入させると共に、その空
気をモータケース21内を通して空気流出口77から外
部へ流出させる空気通路(気体通路)79が形成される
ようになる。このとき、空気通路79を流れる空気によ
って、軸受筒28や回転軸37が冷却されるようにな
る。
【0070】この第4実施例によれば、次のような作用
効果を得ることができる。すなわち、軸受筒28の外周
部とハウジング22の筒部26との間に断熱材製の筒部
材74を設けているので、熱膨張係数が異なる回転軸3
7と軸受筒28との間の温度差が大きくなることを極力
抑えることができる。
【0071】しかも、ロータ組立38の回転に基づき、
モータケース21の外部の空気が軸受隙間42を含む空
気通路42に流入し、その空気通路42を流通した後、
外部へ流出するようになるので、その流通する空気によ
って回転軸37及び軸受筒28が良好に冷却されるよう
になり、軸受筒28と回転軸37との間の温度差を小さ
くでき、ひいては軸受隙間42が小さくなるように変化
することを一層確実に抑えることができるようなる。
【0072】また、この第4実施例においても、ロータ
組立38の回転に基づき軸受隙間42の空気は、空気通
路79を通して常に流動することになるので、軸受隙間
42において結露が生ずることも防止でき、しかも、塵
埃が軸受筒28の内周面や回転軸37の外周面に付着堆
積することも極力防止することができる。
【0073】本発明は、上記した各実施例にのみ限定さ
れるものではなく、次のように変形または拡張すること
ができる。空気流発生手段としては、ヘリングボーン状
の溝部39a,39b,40a,40bの溝の深さを、
流入側と流出側で変えることによっても達成できる。具
体的には、溝部の深さを、軸受隙間42と同等としたと
きに最も大きな圧力が得られるので、軸受隙間42にお
いて上向きの空気の流れを発生させるためには、最下部
の溝部40bの深さを軸受隙間40と同等となるように
設定し、他の溝部39a,39b,40aの深さはそれ
よりも浅く設定してもよいし、深く設定しても良い。
【0074】また、空気流発生手段としては、上記した
手段に代えて、軸受隙間42の寸法を流入側と流出側で
変えることによっても達成できる。具体的には、軸受隙
間42の寸法が小さい程大きな圧力が得られるので、軸
受隙間42において上向きの空気の流れを発生させるた
めには、軸受隙間42の寸法を下側が上側よりも小さく
なるように設定する。
【0075】さらに、空気流発生手段は、上記した手段
を2つ、或いはそれ以上組み合わせることもできる。ま
た、溝部は、2組に限られず、1組でも良い。
【0076】
【発明の効果】請求項1の動圧軸受形モータによれば、
軸受筒の外周部とハウジングとの間に断熱材製の筒部材
を設けたことにより、軸受筒からの放熱が抑えられ、熱
膨張係数が異なる回転軸と軸受筒との間の温度差が大き
くなることを極力抑えることができるから、軸受筒と回
転軸との間の軸受隙間が変化することを極力抑えること
ができ、モータとしての特性を改善できるようなる。
【0077】請求項2の動圧軸受形モータによれば、筒
部材の内周部と軸受筒との間、及び筒部材の外周部とハ
ウジングとの間に、気体層を形成する空隙部をそれぞれ
設けたことにより、気体層が断熱材として機能するよう
になるので、回転軸と軸受筒との間の温度差が大きくな
ることを一層抑えることができ、軸受筒と回転軸との間
の軸受隙間が変化することを一層抑えることができるよ
うなる。
【0078】請求項3の動圧軸受形モータによれば、モ
ータケースが密閉構造のものでありながら、軸受筒の外
周部とハウジングとの間には断熱材製の筒部材が設けら
れていると共に、筒部材の内周部と軸受筒との間、及び
筒部材の外周部とハウジングとの間にそれぞれ気体層を
形成する第1及び第2の空隙部が設けられているので、
熱膨張係数が異なる回転軸と軸受筒との間の温度差が大
きくなることを極力抑えることができる。しかも、回転
軸の回転に基づき、モータケース内の気体が軸受隙間、
第1の空隙部、及び第2の空隙部を含む気体循環路を通
して循環するので、その流動する気体によって回転軸及
び軸受筒が良好に冷却されるようになり、軸受筒と回転
軸との間の軸受隙間が変化することを一層確実に抑える
ことができるようなる。
【0079】請求項4の動圧軸受形モータによれば、軸
受筒の下部とハウジングとの間に断熱材製の底部部材を
設けたことにより、上記作用効果を一層向上できる。
【0080】請求項5の動圧軸受形モータによれば、空
隙部によって形成される気体層が断熱材として機能する
ようになるので、請求項1の場合と同様な作用効果を得
ることができる。
【0081】請求項6の動圧軸受形モータによれば、モ
ータケースが密閉構造のものでありながら、軸受筒の外
周部とハウジングとの間には気体層を形成する空隙部が
設けられているので、熱膨張係数が異なる回転軸と軸受
筒との間の温度差が大きくなることを極力抑えることが
できる。しかも、回転軸の回転に基づき、モータケース
内の気体が軸受隙間及び空隙部を含む気体循環路を通し
て循環するので、その流動する気体によって回転軸及び
軸受筒が良好に冷却されるようになり、軸受筒と回転軸
との間の軸受隙間が変化することを一層確実に抑えるこ
とができるようなる。
【0082】請求項7の動圧軸受形モータによれば、空
隙部により形成される気体層と軸受筒とが接触する面積
が、ハウジングと軸受筒とが接触する面積よりも大きく
なるように設定したことにより、気体層による断熱機能
が一層有効に発揮されるようになる。
【0083】請求項8の動圧軸受形モータによれば、軸
受筒の外周部とハウジングとの間に断熱材製の筒部材が
設けられているので、熱膨張係数が異なる回転軸と軸受
筒との間の温度差が大きくなることを極力抑えることが
できる。しかも、回転軸の回転に基づき、モータケース
の外部の気体が軸受隙間を含む気体通路に流入し、その
気体通路を流通した後、外部へ流出するようになるの
で、その流通する気体によって回転軸及び軸受筒が良好
に冷却されるようになり、軸受筒と回転軸との間の軸受
隙間が変化することを一層確実に抑えることができるよ
うなる。
【0084】請求項9のポリゴンミラー駆動用スキャナ
モータによれば、上記したような軸受筒と回転軸との間
の軸受隙間が変化することを抑えられる動圧軸受形モー
タを用いることにより、高精度で高性能なスキャンニン
グを長期間にわたって行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す要部の縦断正面図
【図2】全体の縦断正面図
【図3】筒部材部分の斜視図
【図4】筒部材及び底部部材の破断斜視図
【図5】回転軸の部分拡大正面図
【図6】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図7】図6中X−X線に沿う横断平面図
【図8】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図9】図7相当図
【図10】本発明の第4実施例を示す図1相当図
【図11】従来構成を示す図2相当図
【符号の説明】
21はモータケース、22はハウジング、24はカバ
ー、26は筒部、27は筒部材、28は軸受筒、31は
底部部材、37は回転軸、38はロータ組立、39a,
39b及び40a,40bは溝部(気体流発生手段)、
41は動圧空気軸受手段(動圧気体軸受手段)、42は
軸受隙間、46はポリゴンミラー、59は第1の空隙
部、63は第2の空隙部、64は連通孔、66は連通
口、67は空気循環路(気体循環路)、69は仕切り
部、70は空隙部、73は空気循環路(気体循環路)、
74は筒部材、75は空気流入口(気体流入口)、77
は空気流出口(気体流出口)、79は空気通路(気体通
路)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02K 21/24 M

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングに固定状態に設けられた軸受
    筒と、 この軸受筒内に挿通されると共に該軸受筒に動圧気体軸
    受手段を介して回転可能に支持されるように設けられ、
    軸受筒とは熱膨張係数が異なる材料にて形成された回転
    軸とを具備した動圧軸受形モータにおいて、 前記軸受筒の外周部と前記ハウジングとの間に断熱材製
    の筒部材を設けたことを特徴とする動圧軸受形モータ。
  2. 【請求項2】 筒部材の内周部と軸受筒との間、及び筒
    部材の外周部とハウジングとの間に、気体層を形成する
    空隙部をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1記載
    の動圧軸受形モータ。
  3. 【請求項3】 ハウジングとカバーを有して密閉状態に
    構成されたモータケースと、 このモータケースの内部において前記ハウジングに立設
    された軸受筒と、 この軸受筒内に挿通されると共に該軸受筒に動圧気体軸
    受手段を介して回転可能に支持されるように設けられ、
    軸受筒とは熱膨張係数が異なる材料にて形成された回転
    軸と、 この回転軸の回転時に回転軸と軸受筒との間の軸受隙間
    に下側から上側への気体の流れを発生させる気体流発生
    手段と、 前記軸受筒の外周部とハウジングとの間に設けられた断
    熱材製の筒部材と、 この筒部材の内周部と軸受筒との間に気体層を形成する
    ように設けられ、上部が前記軸受隙間の上部と連通する
    第1の空隙部と、 前記筒部材の外周部とハウジングとの間に気体層を形成
    するように設けられ、連通孔を介して前記第1の空隙部
    と連通すると共に、下部が前記軸受隙間の下部と連通す
    る第2の空隙部とを具備し、 前記回転軸の回転に基づき、前記モータケース内に、前
    記軸受隙間、第1の空隙部、及び第2の空隙部を通して
    モータケース内の気体を循環させる気体循環路を形成す
    ることを特徴とする動圧軸受形モータ。
  4. 【請求項4】 軸受筒の下部とハウジングとの間に、第
    2の空隙部の下部と軸受隙間の下部との間を連通させる
    連通口が形成された断熱材製の底部部材を設けたことを
    特徴とする請求項3記載の動圧軸受形モータ。
  5. 【請求項5】 ハウジングに固定状態に設けられた軸受
    筒と、 この軸受筒内に挿通されると共に該軸受筒に動圧気体軸
    受手段を介して回転可能に支持されるように設けられ、
    前記軸受筒とは熱膨張係数が異なる材料にて形成された
    回転軸とを具備した動圧軸受形モータにおいて、 前記軸受筒の外周部と前記ハウジングとの間に、気体層
    を形成する空隙部を設けたことを特徴とする動圧軸受形
    モータ。
  6. 【請求項6】 ハウジングとカバーを有して密閉状態に
    構成されたモータケースと、 このモータケースの内部において前記ハウジングに立設
    された軸受筒と、 この軸受筒内に挿通されると共に該軸受筒に動圧気体軸
    受手段を介して回転可能に支持されるように設けられ、
    軸受筒とは熱膨張係数が異なる材料にて形成された回転
    軸と、 この回転軸の回転時に回転軸と軸受筒との間の軸受隙間
    に下側から上側への気体の流れを発生させる気体流発生
    手段と、 前記軸受筒の外周部とハウジングとの間に気体層を形成
    するように設けられ、上部が前記軸受隙間の上部と連通
    すると共に下部が軸受隙間の下部と連通する空隙部とを
    具備し、 前記回転軸の回転に基づき、前記モータケース内に、前
    記軸受隙間及び空隙部を通してモータケース内の気体を
    循環させる気体循環路を形成することを特徴とする動圧
    軸受形モータ。
  7. 【請求項7】 空隙部により形成される気体層と軸受筒
    とが接触する面積が、ハウジングと軸受筒とが接触する
    面積よりも大きいことを特徴とする請求項5または6記
    載の動圧軸受形モータ。
  8. 【請求項8】 ハウジングとカバーを有して構成された
    モータケースと、 このモータケースの内部において前記ハウジングに固定
    状態に設けられた軸受筒と、 この軸受筒内に挿通されると共に該軸受筒に動圧気体軸
    受手段を介して回転可能に支持されるように設けられ、
    軸受筒とは熱膨張係数が異なる材料にて形成された回転
    軸と、 この回転軸の回転時に回転軸と軸受筒との間の軸受隙間
    に一方側から他方側への気体の流れを発生させる気体流
    発生手段と、 前記軸受筒の外周部とハウジングとの間に設けられた断
    熱材製の筒部材と、 前記モータケースに前記軸受隙間の一方側とモータケー
    スの外部とを連通するように設けられた気体流入口と、 前記モータケースに前記軸受隙間の他方側とモータケー
    スの外部とを連通するように設けられた気体流出口とを
    具備し、 前記回転軸の回転に基づき、前記モータケース内に、前
    記気体流入口から外部の気体を軸受隙間に流入させると
    共に、軸受隙間を通した気体を前記気体流出口から外部
    へ流出させる気体通路を形成することを特徴とする動圧
    軸受形モータ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の動
    圧軸受形モータにおいて、回転軸に該回転軸と一体に回
    転するポリゴンミラーを備えたことを特徴とするポリゴ
    ンミラー駆動用スキャナモータ。
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