JP3710509B2 - 動圧軸受形モータ及びポリゴンミラー駆動用スキャナモータ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、動圧気体ラジアル軸受を有する動圧軸受形モータ、及びこの動圧軸受形モータをポリゴンミラー駆動用のスキャナモータに適用したポリゴンミラー駆動用スキャナモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
潤滑流体として空気を用いた動圧空気ラジアル軸受を有する動圧軸受形モータを、レーザービームプリンターのレーザースキャニングに使用されるポリゴンミラー駆動用スキャナモータに適用した従来構成について、図11を参照して説明する。
【0003】
ハウジング1は、上面側に複数段の凹部を有すると共に、中央部の底部に筒部2を有していて、その筒部2に円筒状をなすセラミック製の軸受筒3が挿入されて接着固定され、また、筒部2の底部に底蓋4がねじ止めされている。このハウジング1の上面には軸受筒3を覆う状態でカバー5がねじ止めされており、これらハウジング1とカバー5とにより、密閉状態のモータケース6を構成している。このモータケース6内において、ハウジング1の上部には配線基板7がねじ止めされていて、この配線基板7の上面に複数個のステータコイル8が接着固定されている。
【0004】
そして、モータケース6の内部には、ステンレス製の回転軸9を備えたロータ組立10が配設されている。回転軸9は、外周面に動圧空気軸受手段の一部を構成するヘリングボーン状の溝部11を上下に2組形成していて、上記軸受筒3内に回転自在に挿通支持されている。これら回転軸9と軸受筒3とにより動圧空気軸受手段を構成している。
【0005】
回転軸9の上部にはフランジ12が取付固定されており、このフランジ12にロータヨーク13が接着固定されている。このロータヨーク13の下面には環状をなすロータマグネット14が接着固定されていて、このロータマグネット14が、上記ステータコイル8に対して軸方向に所定の空隙を存する状態で上方から対向配置されている。また、フランジ12の上部には、ポリゴンミラー15が装着されている。
【0006】
フランジ12の下部には、取付部材16が回転軸9と一体回転するように取付固定されている。この取付部材16は軸受筒3を上方から包囲する状態で配線基板7を貫通していて、下部に回転ヨーク16aが配線基板7の下方に位置して取り付けられていると共に、環状をなすロータ側磁気浮上用マグネット17が取り付けられている。
【0007】
回転ヨーク16aは磁気収束用のヨークであり、ロータマグネット14の磁気吸引力は常にこの回転ヨーク16aに作用して引き付けようとするが、ロータマグネット14及び回転ヨーク16aは、共に回転軸9にフランジ12或いは取付部材16を介して固定されているので、これらの距離は変ることなく常に一定に維持される。従って、ロータマグネット14の磁気吸引力をロータ組立10内で相殺することができ、結果としてスラスト荷重をロータ組立10の自重のみに低減することができる。
【0008】
ハウジング1側には、ロータ側磁気浮上用マグネット17を包囲するように環状のステータ側磁気浮上用マグネット18が固定されていて、ロータ組立10のスラスト荷重を、これらロータ側磁気浮上用マグネット17とステータ側磁気浮上用マグネット18の磁気反発力を利用して受ける構成となっている。
【0009】
しかして、上記構成において、ロータ組立10が回転駆動されると、ヘリングボーン状の溝部11の作用で、軸受筒3の内周面と回転軸9の外周面との間の数μmの軸受隙間19に空気が引き込まれて高圧の動圧を発生し、この動圧空気軸受作用により、回転軸9は軸受筒3に対して非接触状態で回転される。このような動圧空気軸受を用いたモータは、高速回転に適している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したような動圧軸受形モータにおいては、次のような問題点がある。
この種のモータは高速回転(例えば30000r.p.m 以上)で使用されることが多く、その高速回転時において、動圧を発生する空気は、軸受筒3と回転軸9との間の軸受隙間19に高圧で閉じ込められる状態になって発熱し、軸受部分に温度上昇をもたらす。この場合、軸受筒3と回転軸9とでは使用材料が異なっていることから、熱膨張係数も異なっている。具体的には、軸受筒3はセラミック製であるのに対し、回転軸9はステンレス製であり、熱膨張係数としてはステンレスはセラミックの約2倍となっている。このように軸受筒3と回転軸9との間で熱膨張係数に差があると、軸受部分の温度上昇に伴い、軸受隙間19が小さくなるように変化するため、動圧空気軸受による正常な回転駆動が疎外され、種々のモータ特性が変化することになる。特に、モータケース6が密閉構造の場合には、軸受部分の温度上昇が激しいものとなる。
【0011】
そして、軸受筒3を支持するハウジング1は、比較的放熱性のよいアルミニウム製であり、軸受部分の熱はこのハウジング1から放熱されることになる。ところが、上記構成のものの場合、回転軸9の外側にある軸受筒3はハウジング1の筒部2と直接接触しているため、回転軸9に比べて軸受筒3の放熱が容易となる。その結果、熱膨張係数の大きい回転軸9に比べて熱膨張係数の小さい軸受筒3の方が温度が低くなり、回転軸9と軸受筒3との間の温度差が一層大きくなるため、上記した軸受隙間19がさらに小さくなるように変化することになる。これに伴い、モータの特性が一層悪化することになる。
【0012】
そこで、本発明の目的は、軸受筒と回転軸との間の軸受隙間が変化することを極力抑えることができて、モータとしての特性を改善できる動圧軸受形モータを提供することと、高精度で高性能なスキャンニングを長期間にわたって行うことが可能なポリゴンミラー駆動用スキャナモータを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ハウジングに固定状態に設けられたセラミック製の軸受筒と、この軸受筒内に挿通されると共に該軸受筒に動圧気体軸受手段を介して回転可能に支持されるように設けられ、軸受筒とは熱膨張係数が異なる材料にて形成された回転軸とを具備した動圧軸受形モータにおいて、
前記軸受筒の外周部と前記ハウジングとの間に断熱材製の筒部材を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
この場合、筒部材の内周部と軸受筒との間、及び筒部材の外周部とハウジングとの間に、気体層を形成する空隙部をそれぞれ設けることが好ましい(請求項2の発明)。
【0015】
請求項3の発明は、ハウジングとカバーを有して密閉状態に構成されたモータケースと、このモータケースの内部において前記ハウジングに立設された軸受筒と、この軸受筒内に挿通されると共に該軸受筒に動圧気体軸受手段を介して回転可能に支持されるように設けられ、軸受筒とは熱膨張係数が異なる材料にて形成された回転軸と、この回転軸の回転時に回転軸と軸受筒との間の軸受隙間に下側から上側への気体の流れを発生させる気体流発生手段と、前記軸受筒の外周部とハウジングとの間に設けられた断熱材製の筒部材と、この筒部材の内周部と軸受筒との間に気体層を形成するように設けられ、上部が前記軸受隙間の上部と連通する第1の空隙部と、前記筒部材の外周部とハウジングとの間に気体層を形成するように設けられ、連通孔を介して前記第1の空隙部と連通すると共に、下部が前記軸受隙間の下部と連通する第2の空隙部とを具備し、
前記回転軸の回転に基づき、前記モータケース内に、前記軸受隙間、第1の空隙部、及び第2の空隙部を通してモータケース内の気体を循環させる気体循環路を形成することを特徴とする動圧軸受形モータである。
【0016】
この場合、軸受筒の下部とハウジングとの間に、第2の空隙部の下部と軸受隙間の下部との間を連通させる連通口が形成された断熱材製の底部部材を設けることが好ましい(請求項4の発明)。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1の発明において断熱材製の筒部材を設けることに代えて、軸受筒の外周部と前記ハウジングとの間に、気体層を形成する空隙部を設けたことを特徴とするものである。
【0018】
請求項6の発明は、ハウジングとカバーを有して密閉状態に構成されたモータケースと、このモータケースの内部において前記ハウジングに立設されたセラミック製の軸受筒と、この軸受筒内に挿通されると共に該軸受筒に動圧気体軸受手段を介して回転可能に支持されるように設けられ、軸受筒とは熱膨張係数が異なる材料にて形成された回転軸と、この回転軸の回転時に回転軸と軸受筒との間の軸受隙間に下側から上側への気体の流れを発生させる気体流発生手段と、前記軸受筒の外周部とハウジングとの間に気体層を形成するように設けられ、上部が前記軸受隙間の上部と連通すると共に下部が軸受隙間の下部と連通する空隙部とを具備し、
前記回転軸の回転に基づき、前記モータケース内に、前記軸受隙間及び空隙部を通してモータケース内の気体を循環させる気体循環路を形成することを特徴とする動圧軸受形モータである。
【0019】
この場合、空隙部により形成される気体層と軸受筒とが接触する面積が、ハウジングと軸受筒とが接触する面積よりも大きく設定することが好ましい(請求項7の発明)。
【0020】
請求項8の発明は、ハウジングとカバーを有して構成されたモータケースと、このモータケースの内部において前記ハウジングに固定状態に設けられたセラミック製の軸受筒と、この軸受筒内に挿通されると共に該軸受筒に動圧気体軸受手段を介して回転可能に支持されるように設けられ、軸受筒とは熱膨張係数が異なる材料にて形成された回転軸と、この回転軸の回転時に回転軸と軸受筒との間の軸受隙間に一方側から他方側への気体の流れを発生させる気体流発生手段と、前記軸受筒の外周部とハウジングとの間に設けられた断熱材製の筒部材と、前記モータケースに前記軸受隙間の一方側とモータケースの外部とを連通するように設けられた気体流入口と、前記モータケースに前記軸受隙間の他方側とモータケースの外部とを連通するように設けられた気体流出口とを具備し、
前記回転軸の回転に基づき、前記モータケース内に、前記気体流入口から外部の気体を軸受隙間に流入させると共に、軸受隙間を通した気体を前記気体流出口から外部へ流出させる気体通路を形成することを特徴とする動圧軸受形モータである。
【0021】
請求項9の発明は、上記した動圧軸受形モータにおいて、回転軸に該回転軸と一体に回転するポリゴンミラーを備えたことを特徴とするポリゴンミラー駆動用スキャナモータである。
【0022】
【作用】
請求項1の動圧軸受形モータによれば、軸受筒の外周部とハウジングとの間に断熱材製の筒部材を設けたことにより、軸受筒からの放熱が抑えられ、熱膨張係数が異なる回転軸と軸受筒との間の温度差が大きくなることを極力抑えることができるから、軸受筒と回転軸との間の軸受隙間が変化することを極力抑えることができるようなる。
【0023】
この場合、筒部材の内周部と軸受筒との間、及び筒部材の外周部とハウジングとの間に、気体層を形成する空隙部をそれぞれ設けた場合には、気体層が断熱材として機能するようになるので、回転軸と軸受筒との間の温度差が大きくなることを一層抑えることができ、軸受筒と回転軸との間の軸受隙間が変化することを一層抑えることができるようなる。
【0024】
請求項3の動圧軸受形モータによれば、モータケースが密閉構造のものでありながら、軸受筒の外周部とハウジングとの間には断熱材製の筒部材が設けられていると共に、筒部材の内周部と軸受筒との間、及び筒部材の外周部とハウジングとの間にそれぞれ気体層を形成する第1及び第2の空隙部が設けられているので、熱膨張係数が異なる回転軸と軸受筒との間の温度差が大きくなることを極力抑えることができる。しかも、回転軸の回転に基づき、モータケース内の気体が軸受隙間、第1の空隙部、及び第2の空隙部を含む気体循環路を通して循環するので、その流動する気体によって回転軸及び軸受筒が良好に冷却されるようになり、軸受筒と回転軸との間の軸受隙間が変化することを一層確実に抑えることができるようなる。
【0025】
この場合、軸受筒の下部とハウジングとの間に断熱材製の底部部材を設けた場合には、上記作用効果を一層向上できる。
【0026】
請求項5の動圧軸受形モータによれば、空隙部によって形成される気体層が断熱材として機能するようになるので、請求項1の場合と同様な作用効果を得ることができる。
【0027】
請求項6の動圧軸受形モータによれば、モータケースが密閉構造のものでありながら、軸受筒の外周部とハウジングとの間には気体層を形成する空隙部が設けられているので、熱膨張係数が異なる回転軸と軸受筒との間の温度差が大きくなることを極力抑えることができる。しかも、回転軸の回転に基づき、モータケース内の気体が軸受隙間及び空隙部を含む気体循環路を通して循環するので、その流動する気体によって回転軸及び軸受筒が良好に冷却されるようになり、軸受筒と回転軸との間の軸受隙間が変化することを一層確実に抑えることができるようなる。
【0028】
この場合、空隙部により形成される気体層と軸受筒とが接触する面積が、ハウジングと軸受筒とが接触する面積よりも大きくなるように設定した場合には、気体層による断熱機能が有効に発揮されるようになる。
【0029】
請求項8の動圧軸受形モータによれば、軸受筒の外周部とハウジングとの間に断熱材製の筒部材が設けられているので、熱膨張係数が異なる回転軸と軸受筒との間の温度差が大きくなることを極力抑えることができる。しかも、回転軸の回転に基づき、モータケースの外部の気体が軸受隙間を含む気体通路に流入し、その気体通路を流通した後、外部へ流出するようになるので、その流通する気体によって回転軸及び軸受筒が良好に冷却されるようになり、軸受筒と回転軸との間の軸受隙間が変化することを一層確実に抑えることができるようなる。
【0030】
請求項9のポリゴンミラー駆動用スキャナモータによれば、上記したような軸受筒と回転軸との間の軸受隙間が変化することを抑えられる動圧軸受形モータを用いることにより、高精度で高性能なスキャンニングを長期間にわたって行うことが可能となる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の動圧軸受形モータをレーザービームプリンターのレーザースキャニングに使用されるポリゴンミラー駆動用スキャナモータに適用した第1実施例について図1ないし図5を参照して説明する。
【0032】
まず全体構成を示す図2において、モータケース21は、例えばアルミニウム製のハウジング22と、これの上部にねじ23により装着されたカバー24とから密閉状態となるように構成されている。
【0033】
このうち、ハウジング22は、上面側に3段の凹部25a〜25cを有すると共に、中央部の底部に筒部26を有している。その筒部26の内側に、図1にも示すように、断熱材製、例えばポリイミド樹脂製の筒部材27を介して円筒状をなすセラミック製の軸受筒28が立設状態となるように接着固定されている。また、筒部26の底部にはハウジング22の一部を構成する底蓋29がねじ30により取り付けられており、筒部26の下面はこの底蓋29により閉塞されている。軸受筒28の下面と底蓋29の上面との間には、筒部材27と同様な断熱材製、例えばポリイミド樹脂製のカップ状をなす底部部材31が設けられている。
【0034】
ハウジング22の上段の凹部25aには、配線基板32がねじ33により取付固定されていて、この配線基板32の上面に複数個のステータコイル34が接着固定されている。また、ハウジング22の下段の凹部25cには、環状をなすステータ側磁気浮上用マグネット35が固定されていて、これの上面に環状をなすヨーク36が固定されている。
【0035】
そして、モータケース21の内部には、例えばステンレス製の回転軸37を備えたロータ組立38が回転可能に配設されている。回転軸37の外周面には、動圧空気軸受手段の一部を構成するヘリングボーン状の溝部39a,39b、40a,40bを上下に2組形成していて、回転軸37が上記軸受筒28内に回転自在に挿通支持されている。これら回転軸37と軸受筒28とにより、空気を潤滑流体とする動圧空気軸受手段(動圧気体軸受手段)41を構成している。軸受筒28の内周面と回転軸37の外周面との間には、数μmの軸受隙間42(図1参照)が形成されている。
【0036】
回転軸37の上部にはフランジ43が取付固定されており、このフランジ43にロータヨーク44が接着固定されている。このロータヨーク44の下面には環状をなすロータマグネット45が接着固定されていて、このロータマグネット45が、上記ステータコイル34に対して軸方向に所定の空隙を存する状態で上方から対向配置されている。また、フランジ43の上部には、ポリゴンミラー46がミラー押え47及びねじ48によって装着されており、このポリゴンミラー46はロータ組立38と一体回転する構成となっている。
【0037】
フランジ43の下部には、取付部材49が回転軸37と一体回転するように取付固定されている。この取付部材49は、軸受筒28を上方から覆う状態で配線基板32の孔32aを貫通していて、その下部に回転ヨーク50が配線基板32の下方に位置して該配線基板32と平行となるように取り付けられていると共に、環状をなすロータ側磁気浮上用マグネット51が取り付けられている。
【0038】
回転ヨーク50は磁気収束用のヨークであり、ロータマグネット45の磁気吸引力は常にこの回転ヨーク50に作用して引き付けようとするが、ロータマグネット45及び回転ヨーク50は、共に回転軸37にフランジ43或いは取付部材49を介して固定されているので、これらの距離は変ることなく常に一定に維持される。従って、ロータマグネット45の磁気吸引力をロータ組立38内で相殺することができ、結果としてスラスト荷重をロータ組立38の自重のみに低減することができる。
【0039】
取付部材49の内面と軸受筒28の外面との間には所定の隙間が形成されている。また、ロータ側磁気浮上用マグネット51は、上記ステータ側磁気浮上用マグネット35内に挿入された状態となっており、これらロータ側磁気浮上用マグネット51の外周面とステータ側磁気浮上用マグネット35の内周面との間にも所定の隙間が形成されている。
【0040】
ロータ側磁気浮上用マグネット51とステータ側磁気浮上用マグネット35は、それぞれ上部がN極で、下部がS極となるように着磁されており、ロータ組立38のスラスト荷重を、これらロータ側磁気浮上用マグネット51とステータ側磁気浮上用マグネット35の磁気反発力を利用して受ける構成となっている。
【0041】
ハウジング22の下方には、駆動回路(図示せず)を備えた基板52が配置されている。この基板52は、ハウジング22にスペーサ53を介してねじ54により取付固定されている。この基板52の回路とモータケース21内の配線基板32の回路とはコネクタ55を介して電気的に接続されている。また、カバー24において、ポリゴンミラー46の外周部と対応する部位の1箇所には窓部56が設けられていて、この窓部56を通してレーザー光が出入りするようになっている。
【0042】
ここで、図5において、回転軸37の外周面に形成された2組の溝部39a,39b及び40a,40bのうち、上から3個の溝部39a,39b及び40aの軸方向の長さ寸法A1は同一に設定していて、最下部の溝部40bの軸方向の長さ寸法A2を、上記長さ寸法A1よりも大きくなるように設定している(A2>A1)。このように、最下部の溝部40bの軸方向の長さ寸法A2を、他の溝部39a,39b,40aの長さ寸法A1よりも大きく設定することによって、ロータ組立38の回転時に回転軸37の外周面と軸受筒28の内周面との間の軸受隙間42に下側から上側への空気(気体)の流れを発生させる空気流発生手段(気体流発生手段)を構成している。
【0043】
一方、筒部材27の内周部には、図3及び図4に示すように、断面が半円形状をなして上下方向に延びる凹部57が複数本形成されていると共に、これら凹部57の下部と連通するように内側リング溝58が形成されている。凹部57の上面は開放されており、モータケース21の内部を通して軸受隙間42の上部と連通している。これら凹部57及び内側リング溝58は、筒部材27の内周部と軸受筒28の外周部との間に空気層(気体層)を形成するための第1の空隙部59を構成している。
【0044】
また、筒部材27の外周部には、上部に外側リング溝60が形成されていると共に、上部がこの外側リング溝60と連通して下方に延び、かつ長さが異なる凹部61,62が複数本交互に形成されている。これら外側リング溝60及び凹部61,62は、筒部材27の外周部とハウジグ22の筒部26の内周部との間に空気層を形成するための第2の空隙部63を構成している。この第2の空隙部63と第1の空隙部59とは、長さの短い方の凹部61の下部に形成された連通孔64を介して連通されている。長さの長い方の凹部62の下部には筒部材27の内周側と連通する孔部65が形成されている。
【0045】
そして、底部部材31には、孔部65と軸受隙間42の下部とを連通させる連通口66が形成されており、この連通口66と孔部65を介して第2の空隙部63と軸受隙間42の下部とを連通している。
【0046】
さて、上記構成において、ロータ組立38が回転駆動されると、ヘリングボーン状の溝部39a,39b及び40a,40bの作用で、軸受筒28と回転軸37との間の軸受隙間42に空気が引き込まれて高圧の動圧を発生し、この動圧空気軸受作用により、回転軸37は軸受筒28に対して非接触状態で回転されるようになる。
【0047】
ここで、溝部39a,39b及び40a,40bのうち、最下部の溝部40bの軸方向の長さ寸法A2を、他の溝部39a,39b,40aの長さ寸法A1よりも大きく設定しているので、ロータ組立38の回転に基づき軸受隙間42に発生する動圧の圧力は下側が上側よりも大きくなる。このため、軸受隙間42には、下側の空気を上方へ押し上げる流れが発生し、図1に矢印aで示すように、下から上へ向く空気の流れが発生する。
【0048】
軸受隙間42を上向きに流れた空気は、軸受筒28の上端に出た後、軸受筒28と取付部材49との間の隙間を通り軸受筒28の外面に沿って下降する(矢印b参照)。そして、その空気は、第1の空隙部59に入って下側に向かって流れ(矢印c参照)、連通孔64から第2の空隙部63の凹部61側に押し出される。凹部61側に出た空気は、上側へ向けて流れた後(矢印d参照)、凹部62を下側へ向けて流れ(矢印e参照)、下部の孔部65及び底部部材31の連通口66を通って、再び軸受隙間42に戻される(矢印f参照)というように循環するようになる。
【0049】
従って、この場合、ロータ組立38の回転に基づき、モータケース21内に、軸受隙間42と、第1の空隙部59と、第2の空隙部63と、連通口66とによって、モータケース21内の空気を循環させる空気循環路(気体循環路)67が形成されるようになる。
【0050】
このような第1実施例によれば、次のような作用効果を得ることができる。すなわち、モータケース21が密閉構造のものでありながら、軸受筒28の外周部とハウジング22の筒部26との間に断熱材製の筒部材27を設けていると共に、この筒部材28の内周部と軸受筒28との間に空気層を形成する第1の空隙部59を設けているので、これら筒部材27と第1の空隙部59によって形成される空気層とにより軸受筒28の放熱を抑えることができる。これにより、熱膨張係数が異なるステンレス製の回転軸37とセラミック製の軸受筒28との間の温度差が大きくなることを極力抑えることができるから、それら軸受筒28と回転軸37との間の軸受隙間42が小さくなるように変化することを極力抑えることができるようなる。この場合、軸受筒28の下部と底蓋29との間にも断熱材製の底部部材31を設けているので、上記作用効果を一層向上できる。
【0051】
しかも、筒部材28の外周部とハウジング22の筒部26との間に第2の空隙部63を設けていて、ロータ組立38の回転に基づき、モータケース21内の空気が軸受隙間42、第1の空隙部59、及び第2の空隙部63を含む空気循環路67を通して循環するようにしているので、その空気は特に第2の空隙部63を通る際に筒部26を介して冷却されるようになり、その空気循環路67を流動する空気によって回転軸37及び軸受筒28が良好に冷却されるようになる。これにより、軸受筒28と回転軸37との間の軸受隙間42が小さくなるように変化することを一層確実に抑えることができるようなる。
【0052】
また、ロータ組立38の回転に基づき軸受隙間42の空気は、その軸受隙間42に止まらず、空気循環路67を通して常に流動することになるので、軸受隙間42において結露が生ずることも防止でき、しかも、モータケース21内に塵埃が発生したとしても、その塵埃が軸受筒28の内周面や回転軸37の外周面に付着堆積することも極力防止することができる。
【0053】
なお、この第1実施例において、軸受隙間42に下側から上側への空気の流れを発生させるための空気流発生手段としては、溝部40bと他の溝部39a,39b,40aとで軸方向の長さを変えることに代えて、溝部40bの流入角度θ(図5参照)を、他の溝部39a,39b,40aの流入角度よりも小さくすることによって構成してもよい。
【0054】
図6及び図7は本発明の第2実施例を示したものであり、この第2実施例は上記した第1実施例とは次の点が異なっている。すなわち、軸受筒28の外周部とハウジング22の筒部26との間に筒部材27が設けられておらず、また、軸受筒28と底蓋29との間に底部部材31も設けられていない。
【0055】
そして、筒部材27に代えて、筒部26の内周部に、上下方向に延びる凹部68が仕切り部69によって周方向に複数個形成されている。これら各凹部68は、軸受筒28の外周部とハウジング22の筒部26との間に空気層を形成するための空隙部70を構成している。この空隙部70の上部はモータケース21の内部において開放しており、軸受隙間42の上部と連通しており、また、下部は軸受筒28の下面と底蓋29の上面との間の隙間を通して軸受隙間42と連通している。
【0056】
この場合、空隙部70により形成される空気層と軸受筒28とが接触する面積、すなわち凹部68の開口部68aの面積は、仕切り部69の先端部69aが軸受筒28と接触する面積よりも大きく設定されている。なお、底蓋29の上面部にはスラスト受け部材71が設けられ、また、モータケース21の外部には、モータを外部から強制的に冷却するための冷却ファン72が設けられている。
【0057】
さて、上記構成において、ロータ組立38が回転駆動された場合、第1実施例と同様に、動圧空気軸受作用により回転軸37は軸受筒28に対して非接触状態で回転されるようになる。また、このとき、空気流発生手段により、軸受隙間42には、下側の空気を上方へ押し上げる流れが発生し、図6に矢印gで示すように、下から上へ向く空気の流れが発生する。
【0058】
軸受隙間42を上向きに流れた空気は、軸受筒28の上端に出た後、軸受筒28と取付部材49との間の隙間を通り軸受筒28の外面に沿って下降する(矢印h参照)。そして、その空気は、空隙部70に入って下側に向かって流れ(矢印i参照)、軸受筒28の下面と底蓋29との間の隙間を通して、再び軸受隙間42に戻される(矢印j参照)というように循環するようになる。
【0059】
従って、この場合、ロータ組立38の回転に基づき、モータケース21内に、軸受隙間42と空隙部70とによって、モータケース21内の空気を循環させる空気循環路(気体循環路)73が形成されるようになる。また、このとき、ハウジング22の筒部26部分は、冷却ファン72により外部から冷却されるようになる。
【0060】
このような第2実施例によれば、次のような作用効果を得ることができる。すなわち、モータケース21が密閉構造のものでありながら、軸受筒28の外周部とハウジング22の筒部26との間に空気層を形成する空隙部70を設けているので、この空隙部70によって形成される空気層により軸受筒28の放熱を抑えることができる。これにより、第1実施例よりも簡単な構成で、熱膨張係数が異なるステンレス製の回転軸37とセラミック製の軸受筒28との間の温度差が大きくなることを極力抑えることができ、それら軸受筒28と回転軸37との間の軸受隙間42が小さくなるように変化することを極力抑えることができるようなる。
【0061】
しかも、ロータ組立38の回転に基づき、モータケース21内の空気が軸受隙間42及び空隙部70を含む空気循環路73を通して循環するようにしているので、その空気は特に空隙部70を通る際に筒部26を介して冷却されるようになり、その空気循環路70を流動する空気によって回転軸37及び軸受筒28が良好に冷却されるようになる。これにより、軸受筒28と回転軸37との間の軸受隙間42が小さくなるように変化することを一層確実に抑えることができるようなる。
【0062】
また、この第2実施例においても、ロータ組立38の回転に基づき軸受隙間42の空気は、空気循環路73を通して常に流動することになるので、軸受隙間42において結露が生ずることも防止でき、しかも、塵埃が軸受筒28の内周面や回転軸37の外周面に付着堆積することも極力防止することができる。
【0063】
さらに、空隙部70により形成される空気層と軸受筒28とが接触する面積は、仕切り部69の先端部69aが軸受筒28と接触する面積よりも大きく設定しているので、空気層による断熱機能が一層有効に発揮されるようになる。
【0064】
図8及び図9は本発明の第3実施例を示したものであり、この第3実施例は上記した第2実施例とは次の点が異なっている。すなわち、軸受筒28の外周部とハウジング22の筒部26の内周部との間に、断熱材製、例えばエボナイト製の筒部材74を設けている。
【0065】
この第3実施例によれば、軸受筒28からの放熱を、第2実施例の場合よりも一層確実に抑えることができるようになる。
【0066】
図10は本発明の第4実施例を示したものであり、この第4実施例は上記した第3実施例とは次の点が異なっている。すなわち、ハウジング22における底蓋29に、軸受隙間42の下部とモータケース21の外部とを連通させる空気流入口(気体流入口)75を形成し、この空気流入口75に通気性を有するエアーフィルタ76を設けている。また、ハウジグ22の外周部に、モータケース21の内部と外部とを連通させる空気流出口(気体流出口)77を形成し、この空気流出口77に通気性を有するエアーフィルタ78を設けている。従って、この場合、モータケース21は密閉された構成とはなっていない。そして、軸受筒28の外周部にエボナイト製の筒部材74は設けられているが、軸受筒28と筒部26との間に空隙部70は設けられていない。
【0067】
さて、上記構成において、ロータ組立38が回転駆動された場合、第1実施例と同様に、動圧空気軸受作用により回転軸37は軸受筒28に対して非接触状態で回転されるようになる。また、このとき、空気流発生手段により、軸受隙間42には下側の空気を上方へ押し上げる流れが発生する。これに伴い、モータケース21の外部の空気が、空気流入口75からエアーフィルタ76を介して軸受隙間42に流入するようになる(矢印k参照)。
【0068】
軸受隙間42に流入した空気は、軸受隙間42を上に向かって流れ(矢印l参照)、軸受筒28の上端に出た後、軸受筒28と取付部材49との間の隙間を通り軸受筒28の外面に沿って下降する(矢印m参照)。そして、その空気は、ロータ側磁気浮上用マグネット51とステータ側磁気浮上用マグネット35との間の隙間を上に向かってに流れ(矢印n参照)、回転ヨーク50の下面とハウジング22の中段の凹部25bとの間(矢印o参照)、回転ヨーク50の上面と配線基板32の下面との間を通った後(矢印p参照)、配線基板32の孔32aと取付部材49との間(矢印q参照)、ロータマグネット45の下面とステータコイル34の上面との間を通って(矢印r参照)、空気流出口77へ至り(矢印s参照)、エアーフィルタ78を通してモータケース21の外部へ流出されるようになる(矢印t参照)。
【0069】
従って、この場合、ロータ組立38の回転に基づき、モータケース21内に、空気流入口75から外部の空気を軸受隙間42に流入させると共に、その空気をモータケース21内を通して空気流出口77から外部へ流出させる空気通路(気体通路)79が形成されるようになる。このとき、空気通路79を流れる空気によって、軸受筒28や回転軸37が冷却されるようになる。
【0070】
この第4実施例によれば、次のような作用効果を得ることができる。すなわち、軸受筒28の外周部とハウジング22の筒部26との間に断熱材製の筒部材74を設けているので、熱膨張係数が異なる回転軸37と軸受筒28との間の温度差が大きくなることを極力抑えることができる。
【0071】
しかも、ロータ組立38の回転に基づき、モータケース21の外部の空気が軸受隙間42を含む空気通路79に流入し、その空気通路79を流通した後、外部へ流出するようになるので、その流通する空気によって回転軸37及び軸受筒28が良好に冷却されるようになり、軸受筒28と回転軸37との間の温度差を小さくでき、ひいては軸受隙間42が小さくなるように変化することを一層確実に抑えることができるようなる。
【0072】
また、この第4実施例においても、ロータ組立38の回転に基づき軸受隙間42の空気は、空気通路79を通して常に流動することになるので、軸受隙間42において結露が生ずることも防止でき、しかも、塵埃が軸受筒28の内周面や回転軸37の外周面に付着堆積することも極力防止することができる。
【0073】
本発明は、上記した各実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
空気流発生手段としては、ヘリングボーン状の溝部39a,39b,40a,40bの溝の深さを、流入側と流出側で変えることによっても達成できる。具体的には、溝部の深さを、軸受隙間42と同等としたときに最も大きな圧力が得られるので、軸受隙間42において上向きの空気の流れを発生させるためには、最下部の溝部40bの深さを軸受隙間40と同等となるように設定し、他の溝部39a,39b,40aの深さはそれよりも浅く設定してもよいし、深く設定しても良い。
【0074】
また、空気流発生手段としては、上記した手段に代えて、軸受隙間42の寸法を流入側と流出側で変えることによっても達成できる。具体的には、軸受隙間42の寸法が小さい程大きな圧力が得られるので、軸受隙間42において上向きの空気の流れを発生させるためには、軸受隙間42の寸法を下側が上側よりも小さくなるように設定する。
【0075】
さらに、空気流発生手段は、上記した手段を2つ、或いはそれ以上組み合わせることもできる。また、溝部は、2組に限られず、1組でも良い。
【0076】
【発明の効果】
請求項1の動圧軸受形モータによれば、軸受筒の外周部とハウジングとの間に断熱材製の筒部材を設けたことにより、軸受筒からの放熱が抑えられ、熱膨張係数が異なる回転軸と軸受筒との間の温度差が大きくなることを極力抑えることができるから、軸受筒と回転軸との間の軸受隙間が変化することを極力抑えることができ、モータとしての特性を改善できるようなる。
【0077】
請求項2の動圧軸受形モータによれば、筒部材の内周部と軸受筒との間、及び筒部材の外周部とハウジングとの間に、気体層を形成する空隙部をそれぞれ設けたことにより、気体層が断熱材として機能するようになるので、回転軸と軸受筒との間の温度差が大きくなることを一層抑えることができ、軸受筒と回転軸との間の軸受隙間が変化することを一層抑えることができるようなる。
【0078】
請求項3の動圧軸受形モータによれば、モータケースが密閉構造のものでありながら、軸受筒の外周部とハウジングとの間には断熱材製の筒部材が設けられていると共に、筒部材の内周部と軸受筒との間、及び筒部材の外周部とハウジングとの間にそれぞれ気体層を形成する第1及び第2の空隙部が設けられているので、熱膨張係数が異なる回転軸と軸受筒との間の温度差が大きくなることを極力抑えることができる。しかも、回転軸の回転に基づき、モータケース内の気体が軸受隙間、第1の空隙部、及び第2の空隙部を含む気体循環路を通して循環するので、その流動する気体によって回転軸及び軸受筒が良好に冷却されるようになり、軸受筒と回転軸との間の軸受隙間が変化することを一層確実に抑えることができるようなる。
【0079】
請求項4の動圧軸受形モータによれば、軸受筒の下部とハウジングとの間に断熱材製の底部部材を設けたことにより、上記作用効果を一層向上できる。
【0080】
請求項5の動圧軸受形モータによれば、空隙部によって形成される気体層が断熱材として機能するようになるので、請求項1の場合と同様な作用効果を得ることができる。
【0081】
請求項6の動圧軸受形モータによれば、モータケースが密閉構造のものでありながら、軸受筒の外周部とハウジングとの間には気体層を形成する空隙部が設けられているので、熱膨張係数が異なる回転軸と軸受筒との間の温度差が大きくなることを極力抑えることができる。しかも、回転軸の回転に基づき、モータケース内の気体が軸受隙間及び空隙部を含む気体循環路を通して循環するので、その流動する気体によって回転軸及び軸受筒が良好に冷却されるようになり、軸受筒と回転軸との間の軸受隙間が変化することを一層確実に抑えることができるようなる。
【0082】
請求項7の動圧軸受形モータによれば、空隙部により形成される気体層と軸受筒とが接触する面積が、ハウジングと軸受筒とが接触する面積よりも大きくなるように設定したことにより、気体層による断熱機能が一層有効に発揮されるようになる。
【0083】
請求項8の動圧軸受形モータによれば、軸受筒の外周部とハウジングとの間に断熱材製の筒部材が設けられているので、熱膨張係数が異なる回転軸と軸受筒との間の温度差が大きくなることを極力抑えることができる。しかも、回転軸の回転に基づき、モータケースの外部の気体が軸受隙間を含む気体通路に流入し、その気体通路を流通した後、外部へ流出するようになるので、その流通する気体によって回転軸及び軸受筒が良好に冷却されるようになり、軸受筒と回転軸との間の軸受隙間が変化することを一層確実に抑えることができるようなる。
【0084】
請求項9のポリゴンミラー駆動用スキャナモータによれば、上記したような軸受筒と回転軸との間の軸受隙間が変化することを抑えられる動圧軸受形モータを用いることにより、高精度で高性能なスキャンニングを長期間にわたって行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す要部の縦断正面図
【図2】全体の縦断正面図
【図3】筒部材部分の斜視図
【図4】筒部材及び底部部材の破断斜視図
【図5】回転軸の部分拡大正面図
【図6】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図7】図6中X−X線に沿う横断平面図
【図8】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図9】図7相当図
【図10】本発明の第4実施例を示す図1相当図
【図11】従来構成を示す図2相当図
【符号の説明】
21はモータケース、22はハウジング、24はカバー、26は筒部、27は筒部材、28は軸受筒、31は底部部材、37は回転軸、38はロータ組立、39a,39b及び40a,40bは溝部(気体流発生手段)、41は動圧空気軸受手段(動圧気体軸受手段)、42は軸受隙間、46はポリゴンミラー、59は第1の空隙部、63は第2の空隙部、64は連通孔、66は連通口、67は空気循環路(気体循環路)、69は仕切り部、70は空隙部、73は空気循環路(気体循環路)、74は筒部材、75は空気流入口(気体流入口)、77は空気流出口(気体流出口)、79は空気通路(気体通路)である。
Claims (9)
- ハウジングに固定状態に設けられたセラミック製の軸受筒と、
この軸受筒内に挿通されると共に該軸受筒に動圧気体軸受手段を介して回転可能に支持されるように設けられ、軸受筒とは熱膨張係数が異なる材料にて形成された回転軸とを具備した動圧軸受形モータにおいて、
前記軸受筒の外周部と前記ハウジングとの間に断熱材製の筒部材を設けたことを特徴とする動圧軸受形モータ。 - 筒部材の内周部と軸受筒との間、及び筒部材の外周部とハウジングとの間に、気体層を形成する空隙部をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1記載の動圧軸受形モータ。
- ハウジングとカバーを有して密閉状態に構成されたモータケースと、
このモータケースの内部において前記ハウジングに立設された軸受筒と、
この軸受筒内に挿通されると共に該軸受筒に動圧気体軸受手段を介して回転可能に支持されるように設けられ、軸受筒とは熱膨張係数が異なる材料にて形成された回転軸と、
この回転軸の回転時に回転軸と軸受筒との間の軸受隙間に下側から上側への気体の流れを発生させる気体流発生手段と、
前記軸受筒の外周部とハウジングとの間に設けられた断熱材製の筒部材と、
この筒部材の内周部と軸受筒との間に気体層を形成するように設けられ、上部が前記軸受隙間の上部と連通する第1の空隙部と、
前記筒部材の外周部とハウジングとの間に気体層を形成するように設けられ、連通孔を介して前記第1の空隙部と連通すると共に、下部が前記軸受隙間の下部と連通する第2の空隙部とを具備し、
前記回転軸の回転に基づき、前記モータケース内に、前記軸受隙間、第1の空隙部、及び第2の空隙部を通してモータケース内の気体を循環させる気体循環路を形成することを特徴とする動圧軸受形モータ。 - 軸受筒の下部とハウジングとの間に、第2の空隙部の下部と軸受隙間の下部との間を連通させる連通口が形成された断熱材製の底部部材を設けたことを特徴とする請求項3記載の動圧軸受形モータ。
- ハウジングに固定状態に設けられたセラミック製の軸受筒と、
この軸受筒内に挿通されると共に該軸受筒に動圧気体軸受手段を介して回転可能に支持されるように設けられ、前記軸受筒とは熱膨張係数が異なる材料にて形成された回転軸とを具備した動圧軸受形モータにおいて、
前記軸受筒の外周部と前記ハウジングとの間に、気体層を形成する空隙部を設けたことを特徴とする動圧軸受形モータ。 - ハウジングとカバーを有して密閉状態に構成されたモータケースと、
このモータケースの内部において前記ハウジングに立設されたセラミック製の軸受筒と、
この軸受筒内に挿通されると共に該軸受筒に動圧気体軸受手段を介して回転可能に支持されるように設けられ、軸受筒とは熱膨張係数が異なる材料にて形成された回転軸と、
この回転軸の回転時に回転軸と軸受筒との間の軸受隙間に下側から上側への気体の流れを発生させる気体流発生手段と、
前記軸受筒の外周部とハウジングとの間に気体層を形成するように設けられ、上部が前記軸受隙間の上部と連通すると共に下部が軸受隙間の下部と連通する空隙部とを具備し、
前記回転軸の回転に基づき、前記モータケース内に、前記軸受隙間及び空隙部を通してモータケース内の気体を循環させる気体循環路を形成することを特徴とする動圧軸受形モータ。 - 空隙部により形成される気体層と軸受筒とが接触する面積が、ハウジングと軸受筒とが接触する面積よりも大きいことを特徴とする請求項5または6記載の動圧軸受形モータ。
- ハウジングとカバーを有して構成されたモータケースと、
このモータケースの内部において前記ハウジングに固定状態に設けられたセラミック製の軸受筒と、
この軸受筒内に挿通されると共に該軸受筒に動圧気体軸受手段を介して回転可能に支持されるように設けられ、軸受筒とは熱膨張係数が異なる材料にて形成された回転軸と、
この回転軸の回転時に回転軸と軸受筒との間の軸受隙間に一方側から他方側への気体の流れを発生させる気体流発生手段と、
前記軸受筒の外周部とハウジングとの間に設けられた断熱材製の筒部材と、
前記モータケースに前記軸受隙間の一方側とモータケースの外部とを連通するように設けられた気体流入口と、
前記モータケースに前記軸受隙間の他方側とモータケースの外部とを連通するように設けられた気体流出口とを具備し、
前記回転軸の回転に基づき、前記モータケース内に、前記気体流入口から外部の気体を軸受隙間に流入させると共に、軸受隙間を通した気体を前記気体流出口から外部へ流出させる気体通路を形成することを特徴とする動圧軸受形モータ。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載の動圧軸受形モータにおいて、回転軸に該回転軸と一体に回転するポリゴンミラーを備えたことを特徴とするポリゴンミラー駆動用スキャナモータ。
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