JPH08204407A - S/nエンハンサ - Google Patents

S/nエンハンサ

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Publication number
JPH08204407A
JPH08204407A JP7028643A JP2864395A JPH08204407A JP H08204407 A JPH08204407 A JP H08204407A JP 7028643 A JP7028643 A JP 7028643A JP 2864395 A JP2864395 A JP 2864395A JP H08204407 A JPH08204407 A JP H08204407A
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JP
Japan
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magnetostatic wave
wave filter
signal
magnetostatic
enhancer
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Application number
JP7028643A
Other languages
English (en)
Inventor
Takekazu Okada
田 剛 和 岡
Satoru Niimura
村 悟 新
Fumio Kanetani
谷 文 夫 金
Shinichiro Ichiguchi
口 真 一 郎 市
Toshihiro Nomoto
本 俊 裕 野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd, Nippon Hoso Kyokai NHK, Japan Broadcasting Corp filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
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Priority to TW085100844A priority patent/TW301808B/zh
Priority to EP96100925A priority patent/EP0724330A1/en
Priority to KR1019960001550A priority patent/KR960030475A/ko
Priority to CN96104370A priority patent/CN1139322A/zh
Publication of JPH08204407A publication Critical patent/JPH08204407A/ja
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H2/00Networks using elements or techniques not provided for in groups H03H3/00 - H03H21/00
    • H03H2/001Networks using elements or techniques not provided for in groups H03H3/00 - H03H21/00 comprising magnetostatic wave network elements
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P1/00Auxiliary devices
    • H01P1/22Attenuating devices

Landscapes

  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Noise Elimination (AREA)
  • Waveguide Switches, Polarizers, And Phase Shifters (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好なエンハンス特性を簡単に得ることがで
きるS/Nエンハンサを提供する。 【構成】 このS/Nエンハンサ10は、静磁波素子3
0を含む。静磁波素子30は、たとえば短冊状のGGG
基板32を含み、GGG基板32の一方主面にフェリ磁
性基体としてのYIG薄膜34が形成される。この静磁
波素子30は、4つのトランスデューサ16a〜16d
上に配置される。そして、2つのトランスデューサ16
a,16bおよび静磁波素子30の一端側部分30aな
どで第1の静磁波フィルタが構成され、別の2つのトラ
ンスデューサ16c,16dおよび静磁波素子30の他
端側部分30bなどで第2の静磁波フィルタが構成され
る。。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はS/Nエンハンサに関
し、特に、入力信号中の主信号の振幅を制限するための
第1の静磁波フィルタおよびその主信号を通過するため
の第2の静磁波フィルタを有し、入力信号中の主信号と
ノイズとの比(S/N)を改善し、たとえば、衛星放送
受信に用いられる、S/Nエンハンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のS/Nエンハンサの一例が、特開
平4−123502号に開示されている。図8はこのよ
うな従来のS/Nエンハンサの一例を示す回路図であ
る。図8に示すS/Nエンハンサ1は入力端子2を含
む。入力端子2は、分配器としての方向性結合器3の入
力端に接続される。この方向性結合器3は、入力端子2
に入力された入力信号を入力信号とほぼ同じレベルの高
レベル信号とたとえば30dB程度減衰した低レベル信
号とに分配するためのものである。
【0003】方向性結合器3の2つの出力端は、表面静
磁波モードを利用した2つの静磁波フィルタ4および5
の入力端にそれぞれ接続される。これらの静磁波フィル
タ4および5は、同様の周波数選択的に非線形な振幅制
限特性を有する。周波数選択的に非線形な振幅制限特性
とは、ある周波数f1 の信号が飽和レベルを超えて振幅
制限を受けている場合でも、その周波数f1 とは異なっ
た周波数f2 の信号が飽和レベル以下ならば、その周波
数f2 の信号は振幅制限を受けない特性をいう。つま
り、周波数選択的に非線形な振幅制限特性とは、信号が
飽和レベルを超えた場合に起こる飽和動作による振幅制
限がそれぞれの周波数において独立して起こる特性をい
う。一方の静磁波フィルタ4は、方向性結合器3から出
力される高レベル信号中のレベルの高い主信号の振幅を
制限するためのリミッタとして用いられる。また、他方
の静磁波フィルタ5は、方向性結合器3から出力される
低レベル信号を通過させるために用いられる。
【0004】一方の静磁波フィルタ4の出力端は、減衰
器6の入力端に接続される。この減衰器6は、静磁波フ
ィルタ4から出力される信号のレベルを減衰するための
ものである。また、他方の静磁波フィルタ5の出力端
は、遅延線7の入力端に接続される。この遅延線7は、
静磁波フィルタ5から出力される信号の位相を遅延する
ためのものである。さらに、減衰器6の出力端および遅
延線7の出力端は、合成器としての方向性結合器8の2
つの入力端にそれぞれ接続される。この方向性結合器8
は、減衰器6から出力される信号のレベルを減衰し、そ
のレベルを減衰した信号と遅延線7から出力される信号
とを合成するためのものである。また、方向性結合器8
の出力端は、出力端子9に接続される。
【0005】したがって、このS/Nエンハンサ1で
は、入力端子2および出力端子9間において、方向性結
合器3,静磁波フィルタ4,減衰器6および方向性結合
器8で第1の信号経路が構成され、方向性結合器3,静
磁波フィルタ5,遅延線7および方向性結合器8で第2
の信号経路が構成される。
【0006】このS/Nエンハンサ1では、レベルが高
い主信号とその主信号に対して周波数が異なりかつレベ
ルが低いノイズとを含む入力信号が、入力端子2に入力
された場合、その入力信号は、方向性結合器3によって
入力信号とほぼ同じレベルの高レベル信号とたとえば3
0dB程度減衰した低レベル信号とに分配される。この
場合、高レベル信号は周波数が互いに異なるレベルの高
い主信号とレベルの低いノイズとを含み、低レベル信号
は周波数が互いに異なるレベルの低い主信号とさらにレ
ベルの低いノイズとを含む。
【0007】一方の静磁波フィルタ4において、高レベ
ル信号中の主信号はレベルが高いので振幅制限を受ける
が、高レベル信号中のノイズは周波数が主信号の周波数
と異なりかつレベルが低いので振幅制限を受けない。そ
れに対して、他方の静磁波フィルタ5において、低レベ
ル信号中の主信号およびノイズは、ともにレベルが低い
ので振幅制限を受けない。なお、静磁波フィルタ4およ
び5における挿入損失によって、高レベル信号および低
レベル信号は、それぞれレベルが少し減衰する。
【0008】また、一方の静磁波フィルタ4から出力さ
れる信号のレベルは減衰器6によって減衰され、他方の
静磁波フィルタ5から出力される信号の位相は遅延線7
によって遅延される。そして、方向性結合器8によっ
て、減衰器6から出力される信号のレベルが減衰され、
そのレベルが減衰された信号と遅延線7から出力される
信号とが合成される。この場合、方向性結合器8で合成
される2つの信号中のノイズが等しいレベルになりかつ
互いに逆の位相になるように、静磁波フィルタ4から出
力される信号のレベルが減衰器6で減衰され、静磁波フ
ィルタ5から出力される信号の位相が遅延線7で遅延さ
れる。そのため、静磁波フィルタ4を含む第1の信号経
路を通るノイズと静磁波フィルタ5を含む第2の信号経
路を通るノイズとは、方向性結合器8によって相殺され
る。また、第1の信号経路を通る主信号は静磁波フィル
タ4によって振幅制限を受けるが、第2の信号経路を通
る主信号は静磁波フィルタ5によって振幅制限を受けな
い。そのため、方向性結合器8の出力端ないし出力端子
9には、その振幅制限を受けた分に対応する主信号が得
られる。したがって、このS/Nエンハンサ1では、入
力信号のS/Nが改善される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のS/Nエンハン
サ1では、2つの静磁波フィルタ4および5に、2枚の
たとえばYIG薄膜などのフェリ磁性基体が用いられて
いる。
【0010】YIG薄膜などのフェリ磁性基体は、YI
Gなどのフェリ磁性体を液相成長してウエハを形成し、
そのウエハをカットすることによって、多数形成され
る。この場合、2枚のフェリ磁性基体は、ウエハをカッ
トする部分によって、磁気共鳴半値幅ΔHおよび飽和磁
化4πMsなどの材料特性が大きく異なる。そのため、
2枚のフェリ磁性基体の材料特性は、異なる場合が多
い。
【0011】また、2枚のYIG薄膜などのフェリ磁性
基体は、それらを磁界の方向に対して同様の方向に並べ
ることが困難であるため、それらに同様な磁界を印加す
ることが困難である。
【0012】以上のように、2枚のフェリ磁性基体の材
料特性が異なる場合が多く、しかも、2枚のフェリ磁性
基体に同様な磁界を印加することが困難であるため、同
様な入出力特性を有する2つの静磁波フィルタを構成す
ることは困難であり、従来のS/Nエンハンサ1におい
て、良好なエンハンス特性を得ることが困難である。な
お、従来のS/Nエンハンサ1では、2枚のフェリ磁性
基体を形成しなければならないので、生産性も悪い。
【0013】それゆえに、この発明の主たる目的は、良
好なエンハンス特性を簡単に得ることができる、S/N
エンハンサを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、入力信号中
の主信号の振幅を制限するための第1の静磁波フィルタ
と、主信号を通過するための第2の静磁波フィルタとを
含むS/Nエンハンサにおいて、第1の静磁波フィルタ
に用いられるフェリ磁性基体と第2のフェリ磁性基体に
用いられるフェリ磁性基体とが、第1の静磁波フィルタ
および第2の静磁波フィルタにおける静磁波の伝搬方向
と同じ方向に延びて一体的に形成される、S/Nエンハ
ンサである。
【0015】この発明にかかるS/Nエンハンサにおい
て、フェリ磁性基体の長手方向における一端側に第1の
静磁波フィルタの2つのトランスデューサが間隔を隔て
て配置され、フェリ磁性基体の長手方向における他端側
に第2の静磁波フィルタの2つのトランスデューサが間
隔を隔てて配置され、さらにフェリ磁性基体の長手方向
における中央部に静磁波を吸収するための静磁波吸収材
が形成されることが、後述の理由によって好ましい。
【0016】さらに、この発明にかかるS/Nエンハン
サにおいて、第1の静磁波フィルタおよび第2の静磁波
フィルタの前段に設けられ、入力信号を第1の信号およ
び第2の信号に分配し、第1の信号を第1の静磁波フィ
ルタ側に出力し、第2の信号を第2の静磁波フィルタ側
に出力するための分配器と、第1の静磁波フィルタおよ
び第2の静磁波フィルタの後段に設けられ、第1の静磁
波フィルタから出力される信号と第2の静磁波フィルタ
から出力される信号との2つの信号を合成するための合
成器と、合成器で合成される2つの信号中のノイズのレ
ベルを一致させるためのレベル調整手段と、その2つの
信号中のノイズの位相を互いに逆の位相に調整するため
の位相調整手段とを含むことが、後述の理由によって好
ましい。なお、この場合、レベル調整手段は、たとえ
ば、分配器と第2の静磁波フィルタとの間に設けられる
第1の減衰器と、第1の静磁波フィルタと合成器との間
に設けられる第2の減衰器とを含み、位相調整手段は、
たとえば、第2の静磁波フィルタと合成器との間に設け
られる位相器を含む。
【0017】また、この発明にかかるS/Nエンハンサ
において、第1の静磁波フィルタおよび第2の静磁波フ
ィルタの前段に設けられ、入力信号を広帯域において第
1の位相差を有する第1の信号および第2の信号に分配
し、第1の信号を第1の静磁波フィルタ側に出力し、第
2の信号を第2の静磁波フィルタ側に出力するための第
1のハイブリッドと、第1の静磁波フィルタおよび第2
の静磁波フィルタの後段に設けられ、第1の静磁波フィ
ルタから出力される信号と第2の静磁波フィルタから出
力される信号との2つの信号を広帯域において第2の位
相差で合成するための第2のハイブリッドと、第2のハ
イブリッドで合成される2つの信号中のノイズのレベル
を一致させるためのレベル調整手段とを含み、第1の位
相差と第2の位相差との和が(2n+1)×180度
(n=0,1,2,3,・・・)であることが、後述の
理由によって好ましい。なお、この場合、レベル調整手
段は、たとえば、第1のハイブリッドと第2の静磁波フ
ィルタとの間に設けられる第1の減衰器と、第1の静磁
波フィルタと第2のハイブリッドとの間に設けられる第
2の減衰器とを含む。
【0018】
【作用】たとえばYIG薄膜などのフェリ磁性基体は、
たとえばYIGなどのフェリ磁性体を成長してウエハを
形成し、そのウエハをカットすることによって、形成さ
れるが、この発明では、第1の静磁波フィルタに用いら
れるフェリ磁性基体と第2の静磁波フィルタに用いられ
るフェリ磁性基体とが一体的に形成されるため、第1の
静磁波フィルタおよび第2の静磁波フィルタに用いられ
るフェリ磁性基体がウエハ内で接近し、フェリ磁性基体
の磁気共鳴半値幅ΔHおよび飽和磁化4πMsなどの材
料特性が近似する。
【0019】さらに、この発明では、第1の静磁波フィ
ルタに用いられるフェリ磁性基体と第2の静磁波フィル
タに用いられるフェリ磁性基体とがそれらの静磁波フィ
ルタにおける静磁波の伝搬方向と同じ方向に延びて一体
的に形成されるため、第1の静磁波フィルタおよび第2
の静磁波フィルタに用いられるフェリ磁性基体は、平行
な磁界の方向に対して同様な方向に配置され、同様な磁
界が印加される。
【0020】以上のように、この発明では、第1の静磁
波フィルタおよび第2の静磁波フィルタに用いられるフ
ェリ磁性基体の材料特性が近似し、しかも、第1の静磁
波フィルタおよび第2の静磁波フィルタに用いられるフ
ェリ磁性基体に同様な磁界が印加されるため、同様な入
出力特性を有する2つの静磁波フィルタが簡単に構成さ
れ、良好なエンハンス特性が簡単に得られる。
【0021】
【発明の効果】この発明によれば、良好なエンハンス特
性を簡単に得ることができる、S/Nエンハンサが得ら
れる。
【0022】また、この発明にかかるS/Nエンハンサ
では、第1の静磁波フィルタに用いられるフェリ磁性基
体と第2のフェリ磁性基体に用いられるフェリ磁性基体
とが一体的に形成されるため、1枚のフェリ磁性基体を
形成すればよくなり、生産性が向上する。
【0023】この発明において、フェリ磁性基体の長手
方向における一端側に第1の静磁波フィルタの2つのト
ランスデューサが間隔を隔てて配置され、フェリ磁性基
体の長手方向における他端側に第2の静磁波フィルタの
2つのトランスデューサが間隔を隔てて配置され、さら
にフェリ磁性基体の長手方向における中央部に静磁波を
吸収するための静磁波吸収材が形成される場合には、第
1の静磁波フィルタから第2の静磁波フィルタ側へ伝搬
されようとする静磁波および第2の静磁波フィルタから
第1の静磁波フィルタ側へ伝搬されようとする静磁波が
静磁波吸収材で吸収されるので、第1の静磁波フィルタ
および第2の静磁波フィルタ間の静磁波による干渉を防
止することができる。
【0024】さらに、この発明において、第1の静磁波
フィルタおよび第2の静磁波フィルタの前段に設けら
れ、入力信号を第1の信号および第2の信号に分配し、
第1の信号を第1の静磁波フィルタ側に出力し、第2の
信号を第2の静磁波フィルタ側に出力するための分配器
と、第1の静磁波フィルタおよび第2の静磁波フィルタ
の後段に設けられ、第1の静磁波フィルタから出力され
る信号と第2の静磁波フィルタから出力される信号との
2つの信号を合成するための合成器と、合成器で合成さ
れる2つの信号中のノイズのレベルを一致させるための
レベル調整手段と、その2つの信号中のノイズの位相を
互いに逆の位相に調整するための位相調整手段とを含む
場合には、合成器で合成される2つの信号中のノイズの
レベルがレベル調整手段によって一致されかつそれらの
ノイズの位相が位相調整手段によって互いに逆の位相に
なるので、それらのノイズを確実に相殺することができ
る。そのため、S/Nをさらに改善することができる。
【0025】また、この発明において、第1の静磁波フ
ィルタおよび第2の静磁波フィルタの前段に設けられ、
入力信号を広帯域において第1の位相差を有する第1の
信号および第2の信号に分配し、第1の信号を第1の静
磁波フィルタ側に出力し、第2の信号を第2の静磁波フ
ィルタ側に出力するための第1のハイブリッドと、第1
の静磁波フィルタおよび第2の静磁波フィルタの後段に
設けられ、第1の静磁波フィルタから出力される信号と
第2の静磁波フィルタから出力される信号との2つの信
号を広帯域において第2の位相差で合成するための第2
のハイブリッドと、第2のハイブリッドで合成される2
つの信号中のノイズのレベルを一致させるためのレベル
調整手段とを含み、第1の位相差と第2の位相差との和
が(2n+1)×180度(n=0,1,2,3,・・
・)である場合には、入力信号が第1のハイブリッドに
よって広帯域において第1の位相差を有する第1の信号
および第2の信号に分配され、第1の静磁波フィルタか
ら出力される信号と第2の静磁波フィルタから出力され
る信号との2つの信号が第2のハイブリッドによって広
帯域において第2の位相差で合成され、第1の位相差と
第2の位相差との和が(2n+1)×180度(n=
0,1,2,3,・・・)であるため、第2のハイブリ
ッドで合成される2つの信号の位相は広帯域において逆
の位相になる。さらに、第2のハイブリッドで合成され
る2つの信号中のノイズのレベルがレベル調整手段によ
って一致される。そのため、第2のハイブリッドで合成
される2つの信号中のノイズが広帯域において確実に相
殺される。したがって、所望のエンハンスメント量以上
である動作周波数帯域が広帯域であるS/Nエンハンサ
が得られる。さらに、この場合、S/Nエンハンサの動
作周波数帯域が広いので、温度が変化したときに、動作
周波数帯域が変動しても実際に使用したい使用周波数か
ら外れにくい上に、動作周波数帯域内に使用周波数が入
るように動作周波数帯域を調整することが簡単であっ
て、動作周波数帯域を調整するために短時間しかかから
ない。
【0026】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0027】
【実施例】図1はこの発明の一実施例を示す平面図解図
であり、図2はその要部を示す断面図解図である。この
S/Nエンハンサ10は、たとえば合成樹脂,セラミッ
クなどの誘電体からなるたとえば矩形状の基板12を含
む。この基板12には、4つのスルーホール14a,1
4b,14cおよび14dが交互に並ぶように形成され
る。
【0028】基板12の一方主面には、4つのライン電
極からなる4つのトランスデューサ16a,16b,1
6cおよび16dが、間隔を隔てて平行に形成される。
この場合、4つのトランスデューサ16a〜16dは、
4つのスルーホール14a〜14dの近傍から延びてそ
れぞれ形成される。
【0029】また、基板12の一方主面には、2つの引
出し電極18aおよび18bが形成される。
【0030】さらに、基板12の一方主面には、分配器
20,たとえば抵抗器からなる第1の減衰器22,たと
えば抵抗器からなる第2の減衰器24,たとえば遅延線
からなる位相器26および合成器28が取り付けられ
る。
【0031】分配器20は、入力信号を同様のレベルの
第1の信号および第2の信号に分配するためのものであ
り、1つの入力端,第1の出力端および第2の出力端を
有する。この分配器20の入力端には、入力端子21が
接続される。また、分配器20の第1の出力端は、トラ
ンスデューサ16aの一端に接続される。さらに、分配
器20の第2の出力端は、引出し電極18aを介して、
第1の減衰器22の入力端に接続される。
【0032】第1の減衰器22は、分配器20の第2の
出力端から出力される第2の信号のレベルをたとえば3
0dB減衰するためのものである。第1の減衰器22の
出力端は、トランスデューサ16cの一端に接続され
る。
【0033】第2の減衰器24は、それに入力される信
号のレベルをたとえば30dB減衰するためのものであ
る。第2の減衰器24の入力端は、トランスデューサ1
6bの一端に接続される。また、第2の減衰器24の出
力端は、引出し電極18bを介して合成器28の第1の
入力端に接続される。
【0034】位相器26は、それに入力される信号の位
相を調整するためのものである。位相器26は、その入
力端がトランスデューサ16dの一端に接続され、その
出力端が合成器28の第2の入力端に接続される。
【0035】合成器28は、第2の減衰器24から出力
される信号と位相器26から出力される信号との2つの
信号を合成するためのものである。合成器28の出力端
は、出力端子29に接続される。
【0036】さらに、基板12の一方主面には、4つの
トランスデューサ16a〜16d上に静磁波素子30が
取り付けられる。なお、4つのトランスデューサ16a
〜16dの他端は、スルーホール14a〜14dを介し
てそれぞれアースされる。
【0037】静磁波素子30は、図2に示すように、た
とえば短冊状のGGG基板32を含み、そのGGG基板
32の一方主面にフェリ磁性基体としてのYIG薄膜3
4が形成されている。そして、この静磁波素子30は、
YIG薄膜34の表面が基板12の一方主面に対向する
ように取り付けられる。また、この場合、静磁波素子3
0は、その一端側部分30aが2つのトランスデューサ
16aおよび16bに対向し、その他端側部分30bが
別の2つのトランスデューサ16cおよび16dに対向
するように取り付けられる。なお、その静磁波素子30
のYIG薄膜34の表面の長手方向における一端部,中
央部および他端部には、YIG薄膜34に発生する不要
な静磁波を吸収するための静磁波吸収材36a,36b
および36cが、それぞれ形成されている。
【0038】さらに、静磁波素子30の両側において基
板12の両側には、たとえばフェライトからなる永久磁
石38aおよび38bが、それぞれ取り付けられる。こ
の場合、永久磁石38aおよび38bは、それらの間に
おいてトランスデューサ16a〜16dの延びる方向に
磁界が発生するように配置される。そのため、静磁波素
子30には、トランスデューサ16a〜16dの延びる
方向に磁界が印加される。したがって、この静磁波素子
30は、表面静磁波モードを利用した静磁波素子とな
る。
【0039】そして、2つのトランスデューサ16a,
16bおよび静磁波素子30の一端側部分30aなど
が、第1の静磁波フィルタとして用いられる。この第1
の静磁波フィルタは、周波数選択的に非線形な振幅制限
特性を有する。この第1の静磁波フィルタは、分配器2
0の第1の出力端から出力される第1の信号中の主信号
の振幅を制限するためのものである。この場合、この第
1の静磁波フィルタでは、トランスデューサ16aの一
端が入力端として用いられ、トランスデューサ16bの
一端が出力端として用いられる。
【0040】また、別の2つのトランスデューサ16
c,16dおよび静磁波素子30の他端側部分30bな
どが、第2の静磁波フィルタとして用いられる。この第
2の静磁波フィルタは、上述の第1の静磁波フィルタと
同様の構造を有するため、上述の第1の静磁波フィルタ
と同様の入出力特性を有する。この第2の静磁波フィル
タは、入力される信号を通過させるためのものである。
この場合、この第2の静磁波フィルタでは、トランスデ
ューサ16cの一端が入力端として用いられ、トランス
デーサ16dの一端が出力端として用いられる。
【0041】したがって、このS/Nエンハンサ10で
は、入力端子21および出力端子29間において、分配
器20,静磁波素子30の一端側部分30aなどからな
る第1の静磁波フィルタ,第2の減衰器24および合成
器28で第1の信号経路が構成され、分配器20,第1
の減衰器22,静磁波素子30の他端側部分30bなど
からなる第2の静磁波フィルタ,位相器26および合成
器28で第2の信号経路が構成される。
【0042】なお、永久磁石38aおよび38bの外側
には、静磁波素子30および永久磁石38a,38bな
どを覆うようにして、磁性体からなる断面コ字状のヨー
ク40が取り付けられる。このヨーク40は、永久磁石
38aおよび38b間の磁気抵抗を小さくするとともに
静磁波素子30および永久磁石38a,38bなどを保
護するためのものである。
【0043】さらに、永久磁石38aおよび38bの近
傍には、静磁波素子30に印加される磁界の大きさや分
布を調整するための磁性体からなるねじ(図示せず)が
設けられている。
【0044】次に、このS/Nエンハンサ10の動作に
ついて説明する。
【0045】このS/Nエンハンサ10では、主信号と
その主信号に対して周波数が異なりかつレベルが低いノ
イズとを含む入力信号が、入力端子21に入力された場
合、その入力信号は、分配器20によって、第1の信号
および第2の信号に分配される。この場合、入力信号
は、分配器20の第1の出力端および第2の出力端にお
いて、入力信号のレベルの2分の1のレベルの第1の信
号および第2の信号に分配される。また、第1の信号お
よび第2の信号は、それぞれ主信号とレベルの低いノイ
ズとを含む。
【0046】第1の信号中の主信号は、静磁波素子30
の一端側部分30aなどからなる第1の静磁波フィルタ
によって振幅制限を受ける。それに対して、第1の信号
中のノイズは、第1の信号中の主信号の周波数と異なり
かつレベルが低いので、この第1の静磁波フィルタによ
って振幅制限を受けない。なお、第1の信号は、その第
1の静磁波フィルタの挿入損失によって、レベルが少し
減衰する。この場合、静磁波素子30の一端側部分30
aには、トランスデューサ16aからトランスデューサ
16b側に表面静磁波が伝搬する。
【0047】また、第2の信号は、第1の減衰器22に
よって、レベルが30dB減衰する。
【0048】さらに、減衰した第2の信号は、レベルが
低いので、静磁波素子30の他端側部分30bなどから
なる第2の静磁波フィルタを通過する。なお、減衰した
第2の信号は、その第2の静磁波フィルタの挿入損失に
よって、レベルが少し減衰する。この場合、静磁波素子
30の他端側部分30bには、トランスデューサ16c
からトランスデューサ16d側に表面静磁波が伝搬す
る。
【0049】また、第1の静磁波フィルタから出力され
る信号は、第2の減衰器24によって、レベルが30d
B減衰する。
【0050】さらに、第2の静磁波フィルタから出力さ
れる信号は、位相器26によって、位相が調整される。
【0051】そして、第2の減衰器24から出力される
信号と、位相器26から出力される信号とは、合成器2
8によって合成される。この場合、合成器28で合成さ
れる第1の信号経路および第2の信号経路における2つ
の信号中のノイズのレベルは、レベル調整手段としての
第1の減衰器22および第2の減衰器24によって一致
される。さらに、合成器28で合成される第1の信号経
路および第2の信号経路における2つの信号の位相は、
位相調整手段としての位相器26によって、互いに逆の
位相になる。なお、永久磁石38aおよび38bの近傍
に設けられた磁性体からなるねじで静磁波素子30に印
加される磁界の大きさや分布を調整することによって
も、これらの2つの信号の位相を調整することができ
る。したがって、合成器28で合成される第1の信号経
路および第2の信号経路における2つの信号中のノイズ
は、確実に相殺される。さらに、合成器28の出力端な
いし出力端子29には、第1の静磁波フィルタで振幅制
限を受けた分に対応する主信号が得られる。
【0052】このS/Nエンハンサ10では、フェリ磁
性基体としてのYIG薄膜34がフェリ磁性体としての
YIGを成長してウエハを形成しそのウエハをカットす
ることによって形成されるが、第1の静磁波フィルタに
用いられるフェリ磁性基体と第2の静磁波フィルタに用
いられるフェリ磁性基体とが一体的に形成されるため、
第1の静磁波フィルタおよび第2の静磁波フィルタに用
いられるフェリ磁性基体がウエハ内で接近し、フェリ磁
性基体の磁気共鳴半値幅ΔHおよび飽和磁化4πMsな
どの材料特性が近似する。
【0053】さらに、このS/Nエンハンサ10では、
第1の静磁波フィルタに用いられるフェリ磁性基体と第
2の静磁波フィルタに用いられるフェリ磁性基体とがそ
れらの静磁波フィルタにおける静磁波の伝搬方向と同じ
方向に延びて一体的に形成されるため、第1の静磁波フ
ィルタおよび第2の静磁波フィルタに用いられるフェリ
磁性基体は、永久磁石38aおよび38bによる平行な
磁界の方向に対して同様な方向に配置され、同様な磁界
が印加される。
【0054】以上のように、このS/Nエンハンサ10
では、第1の静磁波フィルタおよび第2の静磁波フィル
タに用いられるフェリ磁性基体の材料特性が近似し、し
かも、第1の静磁波フィルタおよび第2の静磁波フィル
タに用いられるフェリ磁性基体に同様な磁界が印加され
るため、同様な入出力特性を有する第1の静磁波フィル
タおよび第2の静磁波フィルタが簡単に構成され、良好
なエンハンス特性が簡単に得られる。
【0055】さらに、このS/Nエンハンサ10では、
第1の静磁波フィルタに用いられるフェリ磁性基体と第
2のフェリ磁性基体に用いられるフェリ磁性基体とが一
体的に形成されるため、1枚のフェリ磁性基体を形成す
ればよくなり、フェリ磁性基体の切出しや取扱が簡便に
なり、生産性も向上する。
【0056】また、このS/Nエンハンサ10では、Y
IG薄膜34の長手方向における中央部に、すなわちY
IG第1の静磁波フィルタのトランスデューサ16aお
よび16bと第2の静磁波フィルタのトランスデューサ
16cおよび16dの間に、静磁波を吸収するための静
磁波吸収材36bが形成されているので、第1の静磁波
フィルタから第2の静磁波フィルタ側へ伝搬されようと
する静磁波および第2の静磁波フィルタから第1の静磁
波フィルタ側へ伝搬されようとする静磁波が静磁波吸収
材で吸収されるので、第1の静磁波フィルタおよび第2
の静磁波フィルタ間の静磁波による干渉を防止すること
ができる。
【0057】さらに、このS/Nエンハンサ10では、
YIG薄膜34の長手方向における一端部および他端部
に、静磁波を吸収するための静磁波吸収材36aおよび
36cが形成されているので、YIG薄膜34の長手方
向における両端部で反射される不要な静磁波を吸収する
ことができる。
【0058】なお、このS/Nエンハンサ10では、第
1の静磁波フィルタに表面静磁波モードを利用した静磁
波素子が用いられるため、第1の静磁波フィルタによっ
て振幅制限を受ける主信号の最低のレベルすなわち第1
の静磁波フィルタの飽和レベルが低く、主信号のレベル
が低くても入力信号のS/Nを改善することができる。
【0059】図3はこの発明の他の実施例を示す平面図
であり、図4はその正面図である。このS/Nエンハン
サ110は、たとえば合成樹脂,セラミックなどの誘電
体からなるたとえば長方形の基板112を含む。
【0060】基板112には、4つのスルーホール11
4a,114b,114cおよび114dが形成され
る。この場合、2つのスルーホール114aおよび11
4cは、基板112の長手方向における中央から少しだ
け一端よりに形成され、別の2つのスルーホール114
bおよび114dは、基板112の長手方向における中
央から少しだけ他端よりに形成される。また、スルーホ
ール114aは基板112の一方の長辺の近傍に形成さ
れ、スルーホール114bは基板112の中央から少し
だけ一方の長辺よりに形成され、スルーホール114c
は基板112の中央から少しだけ他方の長辺よりに形成
され、スルーホール114dは基板112の他方の長辺
の近傍に形成される。
【0061】基板112の一方主面には、その長手方向
における一端から中央側に、第1のハイブリッドとして
たとえば第1の90度ハイブリッド120が形成され
る。第1の90度ハイブリッド120は、たとえばクラ
ンク状の2つのライン電極122および124を含む。
【0062】一方のライン電極122は、基板112の
長手方向における一端から一方の長辺に沿って延びる幅
広の一端側部分122aと、基板112の短辺に平行し
て延びる中間部分122bと、基板112の他方の長辺
に沿って延びる幅広の他端側部分122cとからなる。
このライン電極122の中間部分122bは、図5およ
び図6に示すように、互いに間隔を隔てて平行に配置さ
れる2つの細いライン部122b1および122b2を
含む。一方のライン部122b1は一端側部分122a
から延びて形成され、他方のライン部122b2は他端
側部分122cから延びて形成される。また、一方のラ
イン部122b1の両端は、他方のライン部122b2
の両端に、たとえばU字状の2つずつのリード線、たと
えば金線やアルミ線123aおよび123bでそれぞれ
電気的にたとえばワイヤボンディング法で接続される。
【0063】他方のライン電極124は、図3に示すよ
うに、基板112の長手方向における一端側から他方の
長辺に沿って延びる幅広の一端側部分124aと、基板
112の短辺に平行して延びる中間部分124bと、基
板112の一方の長辺に沿ってスルーホール114aの
近傍にまで延びる幅広の他端側部分124cとからな
る。このライン電極124の中間部分124bは、図5
および図6に示すように、たとえば互いに間隔を隔てて
平行に形成される3つの細いライン部124b1,12
4b2および124b3を含む。1つのライン部124
b1は、ライン電極122の2つのライン部122b1
および122b2間において、一端側部分124aから
他端側部分124cに延びて形成される。また、別の2
つのライン部124b2および124b3は、ライン部
122b1および122b2の両側において、一端側部
分124aおよび他端側部分124cから延びてライン
部124b1の2分の1の長さに形成される。また、ラ
イン部124b1の長手方向における中央には、ライン
部124b2および124b3の先端が、たとえばU字
状の2つずつのリード線、たとえば金線やアルミ線12
5aおよび125bでそれぞれ電気的にたとえばワイヤ
ボンディング法で接続される。
【0064】ライン電極124の一端側部分124aに
は、図3に示すように、終端器としてたとえば50Ωの
抵抗器126の一端が接続される。この抵抗器126の
他端はアースされる。
【0065】上述の第1の90度ハイブリッド120
は、主信号およびノイズを含む入力信号をたとえば1.
4MHz〜2.4MHzの広帯域において90度の位相
差を有する第1の信号および第2の信号に分配するため
のものである。この場合、第1の90度ハイブリッド1
20では、ライン電極122の一端側部分122aが入
力端として用いられ、ライン電極124の他端側部分1
24cが第1の出力端として用いられ、ライン電極12
2の他端側部分122cが第2の出力端として用いられ
る。そして、入力端に入力された入力信号は、第1の出
力端および第2の出力端において、入力信号のレベルの
2分の1のレベルの第1の信号および第2の信号に分配
される。なお、第2の信号の位相は、第1の信号の位相
より90度遅れる。
【0066】さらに、基板112の一方主面には、第1
の90度ハイブリッド120の一方のライン電極122
の他端側部分122cの近傍からスルーホール114c
の近傍にわたって、たとえばL字状の引出し電極130
が形成される。そして、その他端側部分122cおよび
引出し電極130には、第1の減衰器としてたとえば5
0Ωの抵抗器132の両端がそれぞれ接続される。この
抵抗器132は、第1の90度ハイブリッド120の第
2の出力端から出力される第2の信号のレベルをたとえ
ば30dB減衰するためのものである。
【0067】また、基板112の一方主面には、その長
手方向における中央側から他端に、第2のハイブリッド
としてたとえば第2の90度ハイブリッド140が形成
される。この第2の90度ハイブリッド140は、第1
の90度ハイブリッド120と同様の構造を有する。
【0068】すなわち、第2の90ハイブリッド140
は、たとえばクランク状の2つのライン電極142およ
び144を含む。
【0069】一方のライン電極142は、基板112の
一方の長辺に沿って延びる幅広の一端側部分142a
と、基板112の短辺に平行して延びる中間部分142
bと、基板112の他方の長辺に沿って延びる幅広の他
端側部分142cとからなる。このライン電極142の
中間部分142bは、図5および図6に示すように、互
いに間隔を隔てて平行に配置される2つの細いライン部
142b1および142b2を含む。一方のライン部1
42b1は一端側部分142aから延びて形成され、他
方のライン部142b2は他端側部分142cから延び
て形成される。また、一方のライン部142b1の両端
は、他方のライン部142b2の両端に、たとえばU字
状の2つずつのリード線、たとえば金線やアルミ線14
3aおよび143bでそれぞれ電気的にたとえばワイヤ
ボンディング法で接続される。
【0070】他方のライン電極144は、図3に示すよ
うに、スルーホール114dの近傍から基板112の他
方の長辺に沿って延びる幅広の一端側部分144aと、
基板112の短辺に平行して延びる中間部分144b
と、基板112の一方の長辺に沿って延びる幅広の他端
側部分144cとからなる。このライン電極144の中
間部分144bは、図5および図6に示すように、たと
えば互いに間隔を隔てて平行に形成される3つの細いラ
イン部144b1,144b2および144b3を含
む。1つのライン部144b1は、ライン電極142の
2つのライン部142b1および142b2間におい
て、一端側部分144aから他端側部分144cに延び
て形成される。また、別の2つのライン部144b2お
よび144b3は、ライン部142b1および142b
2の外側において、一端側部分144aおよび他端側部
分144cから延びてライン部144b1の2分の1の
長さに形成される。また、ライン部144b1の長手方
向における中央には、ライン部144b2および144
b3の先端が、たとえばU字状の2つずつのリード線、
たとえば金線やアルミ線145aおよび145bでそれ
ぞれ電気的にたとえばワイヤボンディング法で接続され
る。
【0071】ライン電極142の他端側部分142cに
は、図3に示すように、終端器としてたとえば50Ωの
抵抗器146の一端が接続される。この抵抗器146の
他端はアースされる。
【0072】上述の第2の90度ハイブリッド140
は、入力される2つの信号をたとえば1.4MHz〜
2.4MHzの広帯域において90度の位相差で合成す
るためのものである。この場合、第2の90度ハイブリ
ッド140では、ライン電極142の一端側部分142
aが第1の入力端として用いられ、ライン電極144の
一端側部分144aが第2の入力端として用いられ、ラ
イン電極144の他端側部分144cが出力端として用
いられる。そして、第2の90度ハイブリッド140の
第1の入力端および第2の入力端に入力された2つの信
号は、出力端において合成される。なお、2つの信号を
合成する際、第2の入力端に入力された信号の位相は、
第1の入力端に入力された信号の位相より90度遅れ
る。
【0073】さらに、基板112の一方主面には、第2
の90度ハイブリッド140の一方のライン電極142
の一端側部分142aの近傍からスルーホール114b
の近傍にわたって、たとえばL字状の引出し電極150
が形成される。そして、その一端側部分142aおよび
引出し電極150には、第2の減衰器としてたとえば5
0Ωの抵抗器152の両端がそれぞれ接続される。この
抵抗器152は、第2の90度ハイブリッド140の第
1の入力端に入力される信号のレベルをたとえば30d
B減衰するためのものである。
【0074】基板112の他方主面には、その長手方向
における中央部分に、4つのライン電極からなる4つの
トランスデューサ160a,160b,160cおよび
160dが、スルーホール114a,114b,114
cおよび114dの近傍から基板114の長辺に平行に
形成される。この場合、これらのトランスデューサ16
0a,160b,160cおよび160dの一端は、ス
ルーホール114a,114b,114cおよび114
dを通して、ライン電極124の他端側部分124c,
引出し電極150,引出し電極130およびライン電極
144の一端側部分144aに、それぞれ電気的に接続
される。さらに、これらのトランスデューサ160a〜
160dの他端は、それぞれアースされる。
【0075】また、基板112の他方主面には、4つの
トランスデューサ160a〜160d上に静磁波素子1
62が取り付けられる。この静磁波素子162は、たと
えば短冊状のGGG基板を含み、そのGGG基板の一方
主面にフェリ磁性基体としてのYIG薄膜が形成されて
いる。そして、この静磁波素子162は、YIG薄膜の
表面が基板112の他方主面に対向するように取り付け
られる。また、この場合、静磁波素子162は、その一
端側部分162aが2つのトランスデューサ160aお
よび160bに対向し、その他端側部分162bが別の
2つのトランスデューサ160cおよび160dに対向
するように取り付けられる。なお、その静磁波素子16
2のYIG薄膜の表面の長手方向における一端部,中央
部および他端部には、YIG薄膜に発生する不要な静磁
波を吸収するための静磁波吸収材164a,164bお
よび164cが、それぞれ形成されている。
【0076】さらに、基板112の他方主面には、静磁
波素子162の両側に、たとえばフェライトからなる永
久磁石166aおよび166bが、それぞれ取り付けら
れる。この場合、永久磁石166aおよび166bは、
それらの間においてトランスデューサ160a〜160
dの延びる方向に磁界が発生するように配置される。そ
のため、静磁波素子162には、トランスデューサ16
0a〜160dの延びる方向に磁界が印加される。した
がって、この静磁波素子162は、表面静磁波モードを
利用した静磁波素子となる。
【0077】そして、2つのトランスデューサ160
a,160bおよび静磁波素子162の一端側部分16
2aなどが、第1の静磁波フィルタとして用いられる。
この第1の静磁波フィルタは、周波数選択的に非線形な
振幅制限特性を有する。この第1の静磁波フィルタは、
第1の90度ハイブリッド120の第1の出力端から出
力される第1の信号中の主信号の振幅を制限するための
ものである。この場合、この第1の静磁波フィルタで
は、トランスデューサ160aの一端が入力端として用
いられ、トランスデューサ160bの一端が出力端とし
て用いられる。
【0078】また、別の2つのトランスデューサ160
c,160dおよび静磁波素子162の他端側部分16
2bなどが、第2の静磁波フィルタとして用いられる。
この第2の静磁波フィルタは、上述の第1の静磁波フィ
ルタと同様の構造を有するため、上述の第1の静磁波フ
ィルタと同様の入出力特性を有する。この第2の静磁波
フィルタは、入力される信号を通過させるためのもので
ある。この場合、この第2の静磁波フィルタでは、トラ
ンスデューサ160cの一端が入力端として用いられ、
トランスデーサ160dの一端が出力端として用いられ
る。
【0079】なお、基板112の他方主面には、静磁波
素子162および永久磁石166a,166bなどを覆
うようにして、磁性体からなる断面コ字状のヨーク16
8が取り付けられる。このヨーク168は、永久磁石1
66aおよび166b間の磁気抵抗を小さくするととも
に静磁波素子162および永久磁石166a,166b
などを保護するためのものである。
【0080】したがって、このS/Nエンハンサ110
は、図7に示す回路を有する。
【0081】すなわち、このS/Nエンハンサ110で
は、第1の90度ハイブリッド120の第1の出力端
が、静磁波素子162の一端側部分162aを用いた第
1の静磁波フィルタの入力端に接続される。また、第1
の90度ハイブリッド120の第2の出力端が、第1の
減衰器としての抵抗器132を介して、静磁波素子16
2の他端側部分162bを用いた第2の静磁波フィルタ
の入力端に接続される。さらに、第1の静磁波フィルタ
の出力端は、第2の減衰器としての抵抗器152を介し
て第2の90度ハイブリッド140の第1の入力端に接
続される。また、第2の静磁波フィルタの出力端は、第
2の90度ハイブリッド140の第2の入力端に接続さ
れる。
【0082】したがって、このS/Nエンハンサ110
では、入力端および出力端間において、第1の90度ハ
イブリッド120,静磁波素子162の一端側部分16
2aなどからなる第1の静磁波フィルタ,抵抗器152
からなる第2の減衰器および第2の90度ハイブリッド
140で第1の信号経路が構成され、第1の90度ハイ
ブリッド120,抵抗器132からなる第1の減衰器,
静磁波素子162の他端側部分162bなどからなる第
2の静磁波フィルタおよび第2の90度ハイブリッド1
40で第2の信号経路が構成される。
【0083】次に、このS/Nエンハンサ110の動作
について説明する。
【0084】このS/Nエンハンサ110では、主信号
とその主信号に対して周波数が異なりかつレベルが低い
ノイズとを含む入力信号が、第1の90度ハイブリッド
120の入力端すなわちライン電極122の一端側部分
122aに入力された場合、その入力信号は、第1の9
0度ハイブリッド120によって、1.4MHz〜2.
4MHzの広帯域において90度の位相差を有する第1
の信号および第2の信号に分配される。この場合、入力
信号は、第1の90度ハイブリッド120の第1の出力
端および第2の出力端において、入力信号のレベルの2
分の1のレベルの第1の信号および第2の信号に分配さ
れる。また、第1の信号および第2の信号は、それぞれ
主信号とレベルの低いノイズとを含む。さらに、第1の
信号の位相は、第2の信号の位相より90度遅れる。
【0085】第1の信号中の主信号は、静磁波素子16
2の一端側部分162aなどからなる第1の静磁波フィ
ルタによって振幅制限を受ける。それに対して、第1の
信号中のノイズは、第1の信号中の主信号の周波数と異
なりかつレベルが低いので、この第1の静磁波フィルタ
によって振幅制限を受けない。なお、第1の信号は、そ
の第1の静磁波フィルタの挿入損失によって、レベルが
少し減衰する。この場合、静磁波素子162の一端側部
分162aには、トランスデューサ160aからトラン
スデューサ160b側に表面静磁波が伝搬する。
【0086】また、第2の信号は、抵抗器132からな
る第1の減衰器によって、レベルが30dB減衰する。
【0087】さらに、減衰した第2の信号は、レベルが
低いので、静磁波素子162の他端側部分162bなど
からなる第2の静磁波フィルタを通過する。なお、減衰
した第2の信号は、その第2の静磁波フィルタの挿入損
失によって、レベルが少し減衰する。この場合、静磁波
素子162の一端側部分162aには、トランスデュー
サ160cからトランスデューサ160d側に表面静磁
波が伝搬する。
【0088】また、第1の静磁波フィルタから出力され
る信号は、抵抗器152からなる第2の減衰器によっ
て、レベルが30dB減衰する。
【0089】そして、第2の減衰器から出力される信号
と、第2の静磁波フィルタから出力される信号とは、第
2の90度ハイブリッド140によって、1.4MHz
〜2.4MHzの広帯域において90度の位相差で合成
される。この場合、第2の90度ハイブリッド140で
合成される第1の信号経路および第2の信号経路におけ
る2つの信号中のノイズのレベルは、レベル調整手段と
しての第1の減衰器および第2の減衰器によって一致さ
れる。さらに、第2の90度ハイブリッド140で合成
される第1の信号経路および第2の信号経路における2
つの信号の位相差は、第1の90度ハイブリッド120
および第2の90度ハイブリッド140によって、広帯
域において180度すなわち逆の位相になる。したがっ
て、第2の90度ハイブリッド140で合成される第1
の信号経路および第2の信号経路における2つの信号中
のノイズは、広帯域において相殺される。さらに、第2
のハイブリッド140の出力端には、第1の静磁波フィ
ルタで振幅制限を受けた分に対応する主信号が得られ
る。
【0090】このS/Nエンハンサ110でも、上述の
S/Nエンハンサ10と同様に、第1の静磁波フィルタ
に用いられるフェリ磁性基体および第2の静磁波フィル
タに用いられるフェリ磁性基体がそれらの静磁波フィル
タにおける静磁波の伝搬方向と同じ方向に延びて一体的
に形成されているため、同様な入出力特性を有する第1
の静磁波フィルタおよび第2の静磁波フィルタが簡単に
構成され、良好なエンハンス特性が簡単に得られるとと
もに、フェリ磁性基体の切出しや取扱が簡便になり、生
産性も向上する。
【0091】また、このS/Nエンハンサ110でも、
YIG薄膜の長手方向における中央部に静磁波吸収材1
64bが形成されているため、第1の静磁波フィルタお
よび第2の静磁波フィルタ間の静磁波による干渉を防止
することができる。
【0092】さらに、このS/Nエンハンサ110で
も、YIG薄膜の長手方向における一端部および他端部
に静磁波吸収材164aおよび164cが形成されてい
るので、YIG薄膜の長手方向における両端部で反射さ
れる不要な静磁波を吸収することができる。
【0093】なお、このS/Nエンハンサ110でも、
第1の静磁波フィルタに表面静磁波モードを利用した静
磁波素子が用いられるため、第1の静磁波フィルタによ
って振幅制限を受ける主信号の最低のレベルすなわち第
1の静磁波フィルタの飽和レベルが低く、主信号のレベ
ルが低くても入力信号のS/Nを改善することができ
る。
【0094】また、このS/Nエンハンサ110では、
第2の90度ハイブリッド140で合成される第1の信
号経路および第2の信号経路における2つの信号の位相
が広帯域において逆の位相になるので、広帯域におい
て、所望のエンハンスメント量以上である動作周波数帯
域が得られる。
【0095】さらに、このS/Nエンハンサ110で
は、動作周波数帯域が広いので、温度が変化したとき
に、動作周波数帯域が変動しても実際に使用したい使用
周波数から外れにくい上に、動作周波数帯域内に使用周
波数が入るように動作周波数帯域を調整することが簡単
であって、動作周波数帯域を調整するために短時間しか
かからない。
【0096】また、このS/Nエンハンサ110では、
第1のハイブリッドおよび第2のハイブリッドとしてそ
れぞれ90度ハイブリッドが用いられるため、第1のハ
イブリッドおよび第2のハイブリッドとして同様のハイ
ブリッドを作製すればよいので、第1のハイブリッドお
よび第2のハイブリッドの作製効率がよい。
【0097】なお、第1の静磁波フィルタおよび第2の
静磁波フィルタとして、上述の各実施例ではバンドパス
機能を有する表面静磁波モードを利用した静磁波素子が
用いられているが、体積前進静磁波モードあるいは体積
後退静磁波モードを利用した静磁波素子や、静磁波を用
いたローパスフィルタ、静磁波を用いたハイパスフィル
タ、静磁波を用いたバンドエリミネーションフィルタな
どのフィルタが用いられてもよい。
【0098】また、上述の各実施例ではフェリ磁性基体
としてYIG薄膜が用いられているが、この発明ではY
IG薄膜以外のフェリ磁性基体が用いられてもよい。
【0099】さらに、上述の各実施例では各トランスデ
ューサが直線状の1本のラインで形成されているが、各
トランスデューサを構成するラインの形状や本数は任意
に変更されてもよい。また、各トランスデューサの大き
さも、YIG薄膜の大きさに合わせる必要はない。
【0100】また、YIG薄膜に磁界を印加するため
に、上述の各実施例では永久磁石が用いられているが、
永久磁石に代えて、電磁石が用いられてもよく、永久磁
石とともに電磁石が用いられてもよい。
【0101】さらに、上述の各実施例では、トランスデ
ューサの延びる方向にYIG薄膜に磁界が印加されてい
るが、YIG薄膜にはその主面に直交する方向に磁界が
印加されてもよい。この場合、YIG薄膜には、体積前
進静磁波がその長手方向に伝搬される。あるいは、YI
G薄膜にはその長手方向に磁界が印加されてもよい。こ
の場合、YIG薄膜には、体積後退静磁波がその長手方
向に伝搬される。
【0102】さらに、レベル調整手段として、上述の各
実施例では第1の減衰器および第2の減衰器が用いられ
ているが、第1の減衰器および第2の減衰器に代えて、
合成器および第1のハイブリッドの前段に減衰器が設け
られ、第1の静磁波フィルタの前段に増幅器が設けら
れ、かつ、第2の静磁波フィルタの後段に増幅器が設け
られてもよい。あるいは、合成器および第1のハイブリ
ッドの前段と、第1の静磁波フィルタの前段および後段
と、第2の静磁波フィルタの前段および後段とに、それ
ぞれ増幅器や減衰器が設けられてもよい。
【0103】また、第1の静磁波フィルタおよび第2の
静磁波フィルタ間の静磁波による干渉を防止するため
に、YIG薄膜の長手方向における中央部に静磁波吸収
材を形成する代わりに、YIG薄膜の中央部に溝を形成
してもよい。
【0104】なお、第1の静磁波フィルタおよび第2の
静磁波フィルタ間の静磁波による干渉を抑えるために
は、上述の各実施例のように、レベルの低い信号が入力
される第2の静磁波フィルタの入力側のトランスデュー
サをYIG薄膜の長手方向における中央側に配置するこ
とが好ましい。なぜなら、第1の静磁波フィルタおよび
第2の静磁波フィルタにおける静磁波を効率よく伝搬す
るためには、それらの静磁波の伝搬方向を一致させるこ
とが好ましく、その場合、第1の静磁波フィルタおよび
第2の静磁波フィルタの一方の静磁波フィルタの入力側
のトランスデューサがYIG薄膜の長手方向における中
央側に配置される。この場合、レベルの低い信号が入力
される第2の静磁波フィルタの入力側のトランスデュー
サをYIG薄膜の長手方向における中央側に配置する
と、レベルの高い信号が入力される第1の静磁波フィル
タの入力側のトランスデューサを、第2の静磁波フィル
タのトランスデューサから遠ざけることができるからで
ある。
【0105】また、YIG薄膜の長手方向における両端
部で反射する不要な静磁波による悪影響を防止するため
には、YIG薄膜の両端部に静磁波吸収材を形成する代
わりに、YIG薄膜の長手方向における両端部を斜めに
形成して、不要な静磁波がトランスデューサ側に反射さ
れないようにしてもよい。
【0106】なお、第1のハイブリッドおよび第2のハ
イブリッドとして、図3に示す実施例ではそれぞれ90
度ハイブリッドが用いられているが、この発明では0度
ハイブリッドおよび180度ハイブリッド、あるいは、
180度ハイブリッドおよび0度ハイブリッドが用いら
れてもよい。なお、0度ハイブリッドあるいは180度
ハイブリッドを構成するためには、2つの90度ハイブ
リッドをそれらの位相差を考慮して用いればよい。
【0107】また、この発明でいう「90度」,「18
0度」は、文字どおりの値を中心にしてこの発明の目
的、作用効果からみて実質的に同一の範囲を含むものと
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す平面図解図である。
【図2】図1に示す実施例の要部を示す断面図解図であ
る。
【図3】この発明の他の実施例を示す平面図である。
【図4】図3に示す実施例の正面図である。
【図5】図3に示す実施例に用いられる第1の90度ハ
イブリッド(第2の90度ハイブリッド)の要部を示す
平面図である。
【図6】図3に示す実施例に用いられる第1の90度ハ
イブリッド(第2の90度ハイブリッド)の要部を示す
回路図である。
【図7】図3に示す実施例の回路図である。
【図8】従来のS/Nエンハンサの一例を示す回路図で
ある。
【符号の説明】
10 S/Nエンハンサ 12 基板 14a〜14d スルーホール 16a〜16d トランスデューサ 18a,18b 引出し電極 20 分配器 22 第1の減衰器 24 第2の減衰器 26 位相器 28 合成器 30 静磁波素子 32 GGG基板 34 YIG薄膜 36a〜36c 静磁波吸収材 38a,38b 永久磁石 40 ヨーク 110 S/Nエンハンサ 112 基板 114a〜114d スルーホール 120 第1の90度ハイブリッド 132 抵抗器 140 第2の90度ハイブリッド 152 抵抗器 160a〜160d トランスデューサ 162 静磁波素子 164a〜164c 静磁波吸収材 166a,166b 永久磁石 168 ヨーク
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、入力信号中
の主信号の振幅を制限するための第1の静磁波フィルタ
と、主信号を通過するための第2の静磁波フィルタとを
含むS/Nエンハンサにおいて、第1の静磁波フィルタ
に用いられるフェリ磁性基体と第2の静磁波フィルタ
用いられるフェリ磁性基体とが、第1の静磁波フィルタ
および第2の静磁波フィルタにおける静磁波の伝搬方向
と同じ方向に延びて一体的に形成される、S/Nエンハ
ンサである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】また、この発明にかかるS/Nエンハンサ
では、第1の静磁波フィルタに用いられるフェリ磁性基
体と第2の静磁波フィルタに用いられるフェリ磁性基体
とが一体的に形成されるため、1枚のフェリ磁性基体を
形成すればよくなり、生産性が向上する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】また、別の2つのトランスデューサ16
c,16dおよび静磁波素子30の他端側部分30bな
どが、第2の静磁波フィルタとして用いられる。この第
2の静磁波フィルタは、上述の第1の静磁波フィルタと
同様の構造を有するため、上述の第1の静磁波フィルタ
と同様の入出力特性を有する。この第2の静磁波フィル
タは、入力される信号を通過させるためのものである。
この場合、この第2の静磁波フィルタでは、トランスデ
ューサ16cの一端が入力端として用いられ、トランス
デューサ16dの一端が出力端として用いられる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】さらに、このS/Nエンハンサ10では、
第1の静磁波フィルタに用いられるフェリ磁性基体と第
2の静磁波フィルタに用いられるフェリ磁性基体とが一
体的に形成されるため、1枚のフェリ磁性基体を形成す
ればよくなり、フェリ磁性基体の切出しや取扱が簡便に
なり、生産性も向上する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】また、このS/Nエンハンサ10では、Y
IG薄膜34の長手方向における中央部に、すなわち第
1の静磁波フィルタのトランスデューサ16aおよび1
6bと第2の静磁波フィルタのトランスデューサ16c
および16dの間に、静磁波を吸収するための静磁波吸
収材36bが形成されているので、第1の静磁波フィル
タから第2の静磁波フィルタ側へ伝搬されようとする静
磁波および第2の静磁波フィルタから第1の静磁波フィ
ルタ側へ伝搬されようとする静磁波が静磁波吸収材で吸
収され、第1の静磁波フィルタおよび第2の静磁波フィ
ルタ間の静磁波による干渉を防止することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正内容】
【0074】基板112の他方主面には、その長手方向
における中央部分に、4つのライン電極からなる4つの
トランスデューサ160a,160b,160cおよび
160dが、スルーホール114a,114b,114
cおよび114dの近傍から基板112の長辺に平行に
形成される。この場合、これらのトランスデューサ16
0a,160b,160cおよび160dの一端は、ス
ルーホール114a,114b,114cおよび114
dを通して、ライン電極124の他端側部分124c,
引出し電極150,引出し電極130およびライン電極
144の一端側部分144aに、それぞれ電気的に接続
される。さらに、これらのトランスデューサ160a〜
160dの他端は、それぞれアースされる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正内容】
【0078】また、別の2つのトランスデューサ160
c,160dおよび静磁波素子162の他端側部分16
2bなどが、第2の静磁波フィルタとして用いられる。
この第2の静磁波フィルタは、上述の第1の静磁波フィ
ルタと同様の構造を有するため、上述の第1の静磁波フ
ィルタと同様の入出力特性を有する。この第2の静磁波
フィルタは、入力される信号を通過させるためのもので
ある。この場合、この第2の静磁波フィルタでは、トラ
ンスデューサ160cの一端が入力端として用いられ、
トランスデューサ160dの一端が出力端として用いら
れる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正内容】
【0087】さらに、減衰した第2の信号は、レベルが
低いので、静磁波素子162の他端側部分162bなど
からなる第2の静磁波フィルタを通過する。なお、減衰
した第2の信号は、その第2の静磁波フィルタの挿入損
失によって、レベルが少し減衰する。この場合、静磁波
素子162の他端側部分162bには、トランスデュー
サ160cからトランスデューサ160d側に表面静磁
波が伝搬する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金 谷 文 夫 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 市 口 真 一 郎 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 野 本 俊 裕 東京都世田谷区砧1−10−11 日本放送協 会 放送技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号中の主信号の振幅を制限するた
    めの第1の静磁波フィルタ、および前記主信号を通過す
    るための第2の静磁波フィルタを含むS/Nエンハンサ
    において、 前記第1の静磁波フィルタに用いられるフェリ磁性基体
    と前記第2のフェリ磁性基体に用いられるフェリ磁性基
    体とが、前記第1の静磁波フィルタおよび前記第2の静
    磁波フィルタにおける静磁波の伝搬方向と同じ方向に延
    びて一体的に形成されることを特徴とする、S/Nエン
    ハンサ。
  2. 【請求項2】 前記フェリ磁性基体の長手方向における
    一端側に前記第1の静磁波フィルタの2つのトランスデ
    ューサが間隔を隔てて配置され、 前記フェリ磁性基体の長手方向における他端側に前記第
    2の静磁波フィルタの2つのトランスデューサが間隔を
    隔てて配置され、さらに前記フェリ磁性基体の長手方向
    における中央部に静磁波を吸収するための静磁波吸収材
    が形成される、請求項1のS/Nエンハンサ。
  3. 【請求項3】 前記第1の静磁波フィルタおよび前記第
    2の静磁波フィルタの前段に設けられ、前記入力信号を
    第1の信号および第2の信号に分配し、前記第1の信号
    を前記第1の静磁波フィルタ側に出力し、前記第2の信
    号を前記第2の静磁波フィルタ側に出力するための分配
    器、 前記第1の静磁波フィルタおよび前記第2の静磁波フィ
    ルタの後段に設けられ、前記第1の静磁波フィルタから
    出力される信号と前記第2の静磁波フィルタから出力さ
    れる信号との2つの信号を合成するための合成器、 前記合成器で合成される前記2つの信号中のノイズのレ
    ベルを一致させるためのレベル調整手段、および前記2
    つの信号中のノイズの位相を互いに逆の位相に調整する
    ための位相調整手段を含む、請求項1または請求項2の
    S/Nエンハンサ。
  4. 【請求項4】 前記レベル調整手段は、 前記分配器と前記第2の静磁波フィルタとの間に設けら
    れる第1の減衰器、および前記第1の静磁波フィルタと
    前記合成器との間に設けられる第2の減衰器を含み、 前記位相調整手段は、前記第2の静磁波フィルタと前記
    合成器との間に設けられる位相器を含む、請求項3のS
    /Nエンハンサ。
  5. 【請求項5】 前記第1の静磁波フィルタおよび前記第
    2の静磁波フィルタの前段に設けられ、前記入力信号を
    広帯域において第1の位相差を有する第1の信号および
    第2の信号に分配し、前記第1の信号を前記第1の静磁
    波フィルタ側に出力し、前記第2の信号を前記第2の静
    磁波フィルタ側に出力するための第1のハイブリッド、 前記第1の静磁波フィルタおよび前記第2の静磁波フィ
    ルタの後段に設けられ、前記第1の静磁波フィルタから
    出力される信号と前記第2の静磁波フィルタから出力さ
    れる信号との2つの信号を広帯域において第2の位相差
    で合成するための第2のハイブリッド、および前記第2
    のハイブリッドで合成される前記2つの信号中のノイズ
    のレベルを一致させるためのレベル調整手段を含み、 前記第1の位相差と前記第2の位相差との和が(2n+
    1)×180度(n=0,1,2,3,・・・)であ
    る、請求項1または請求項2のS/Nエンハンサ。
  6. 【請求項6】 前記レベル調整手段は、 前記第1のハイブリッドと前記第2の静磁波フィルタと
    の間に設けられる第1の減衰器、および前記第1の静磁
    波フィルタと前記第2のハイブリッドとの間に設けられ
    る第2の減衰器を含む、請求項5のS/Nエンハンサ。
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