JP3555781B2 - S/nエンハンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はS/Nエンハンサに関し、特に、入力信号中の主信号の振幅を制限するためのリミッタを有し、入力信号中の主信号とノイズとの比(S/N)を改善し、たとえば、衛星放送受信に用いられる、S/Nエンハンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のS/Nエンハンサの一例が、特開平4−123502号に開示されている。図11はこのような従来のS/Nエンハンサの一例を示す回路図である。図11に示すS/Nエンハンサ1は入力端子2を含む。入力端子2は、分配器としての方向性結合器3の入力端に接続される。この方向性結合器3は、入力端子2に入力された入力信号を入力信号とほぼ同じレベルの高レベル信号とたとえば30dB程度減衰した低レベル信号とに分配するためのものである。
【0003】
方向性結合器3の2つの出力端は、表面静磁波モードを利用した2つの静磁波フィルタ4および5の入力端にそれぞれ接続される。これらの静磁波フィルタ4および5は、同様の周波数選択的に非線形な振幅制限特性を有する。周波数選択的に非線形な振幅制限特性とは、ある周波数fの信号が飽和レベルを超えて振幅制限を受けている場合でも、その周波数fとは異なった周波数fの信号が飽和レベル以下ならば、その周波数fの信号は振幅制限を受けない特性をいう。つまり、周波数選択的に非線形な振幅制限特性とは、信号が飽和レベルを超えた場合に起こる飽和動作による振幅制限がそれぞれの周波数において独立して起こる特性をいう。一方の静磁波フィルタ4は、方向性結合器3から出力される高レベル信号中のレベルの高い主信号の振幅を制限するためのリミッタとして用いられる。また、他方の静磁波フィルタ5は、方向性結合器3から出力される低レベル信号を通過させるために用いられる。
【0004】
一方の静磁波フィルタ4の出力端は、減衰器6の入力端に接続される。この減衰器6は、静磁波フィルタ4から出力される信号のレベルを減衰するためのものである。また、他方の静磁波フィルタ5の出力端は、遅延線7の入力端に接続される。この遅延線7は、静磁波フィルタ5から出力される信号の位相を遅延するためのものである。さらに、減衰器6の出力端および遅延線7の出力端は、合成器としての方向性結合器8の2つの入力端にそれぞれ接続される。この方向性結合器8は、減衰器6から出力される信号のレベルを減衰し、そのレベルを減衰した信号と遅延線7から出力される信号とを合成するためのものである。また、方向性結合器8の出力端は、出力端子9に接続される。
【0005】
したがって、このS/Nエンハンサ1では、入力端子2および出力端子9間において、方向性結合器3,静磁波フィルタ4,減衰器6および方向性結合器8で第1の信号経路が構成され、方向性結合器3,静磁波フィルタ5,遅延線7および方向性結合器8で第2の信号経路が構成される。
【0006】
このS/Nエンハンサ1では、レベルが高い主信号とその主信号に対して周波数が異なりかつレベルが低いノイズとを含む入力信号が、入力端子2に入力された場合、その入力信号は、方向性結合器3によって入力信号とほぼ同じレベルの高レベル信号とたとえば30dB程度減衰した低レベル信号とに分配される。この場合、高レベル信号は周波数が互いに異なるレベルの高い主信号とレベルの低いノイズとを含み、低レベル信号は周波数が互いに異なるレベルの低い主信号とさらにレベルの低いノイズとを含む。
【0007】
一方の静磁波フィルタ4において、高レベル信号中の主信号はレベルが高いので振幅制限を受けるが、高レベル信号中のノイズは周波数が主信号の周波数と異なりかつレベルが低いので振幅制限を受けない。それに対して、他方の静磁波フィルタ5において、低レベル信号中の主信号およびノイズは、ともにレベルが低いので振幅制限を受けない。なお、静磁波フィルタ4および5における挿入損失によって、高レベル信号および低レベル信号は、それぞれレベルが少し減衰する。
【0008】
また、一方の静磁波フィルタ4から出力される信号のレベルは減衰器6によって減衰され、他方の静磁波フィルタ5から出力される信号の位相は遅延線7によって遅延される。そして、方向性結合器8によって、減衰器6から出力される信号のレベルが減衰され、そのレベルが減衰された信号と遅延線7から出力される信号とが合成される。この場合、方向性結合器8で合成される2つの信号中のノイズが等しいレベルになりかつ互いに逆の位相になるように、静磁波フィルタ4から出力される信号のレベルが減衰器6で減衰され、静磁波フィルタ5から出力される信号の位相が遅延線7で遅延される。そのため、静磁波フィルタ4を含む第1の信号経路を通るノイズと静磁波フィルタ5を含む第2の信号経路を通るノイズとは、方向性結合器8内部で相殺される。また、第1の信号経路を通る主信号は静磁波フィルタ4によって振幅制限を受けるが、第2の信号経路を通る主信号は静磁波フィルタ5によって振幅制限を受けない。そのため、方向性結合器8の出力端ないし出力端子9には、その振幅制限を受けた分に対応する主信号が得られる。したがって、このS/Nエンハンサ1では、入力信号のS/Nが改善される。
【0009】
また、このS/Nエンハンサ1では、S/Nを改善可能な入力信号の最小のレベルが−12dBmであり、S/Nを改善し始める入力信号のレベルが−19dBmであって、それらのレベルの差が7dBと小さいため、たとえば衛星放送受信時のS/Nの改善に大きな効果が得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このS/Nエンハンサ1では、遅延線7を用いて第1の信号経路と第2の信号経路との位相差を180度にしているので、所望のエンハンスメント量たとえば20dB以上である動作周波数帯域が、約100MHzと狭い(野本俊裕、“2個のMSSWフィルタを用いたS/Nエンハンサとその応用”信学技報、MW91−99、pp.15−21(1991))。そのため、このS/Nエンハンサ1では、日本国における衛星放送受信の全帯域である約300MHzの帯域をカバーすることができない。したがって、このS/Nエンハンサ1では、日本国における衛星放送受信の全チャンネルの信号のS/Nを一括して改善することができない。
【0011】
さらに、このS/Nエンハンサ1では、上述のように動作周波数帯域が狭いので、温度が変化したときに、動作周波数帯域が変動して実際に使用したい周波数から外れてしまいやすい上に、動作周波数帯域内に使用周波数が入るように動作周波数帯域を調整することが困難であって、動作周波数帯域を調整するためにたとえば2〜3時間という長時間がかかってしまう。
【0012】
それゆえに、この発明の主たる目的は、動作周波数帯域の広いS/Nエンハンサを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、主信号およびノイズを含む入力信号を広帯域において第1の位相差を有する第1の信号および第2の信号に分配するための第1のハイブリッドと、第1のハイブリッドの後段に設けられ、第1の信号中の主信号の振幅を制限するためのリミッタと、リミッタおよび第1のハイブリッドの後段に設けられ、リミッタから出力される信号と第1のハイブリッドから出力される第2の信号とを広帯域において第2の位相差で合成するための第2のハイブリッドとを含み、第1の位相差と第2の位相差との和が(2n+1)×180度(n=0,1,2,3,・・・)であり、さらに、第1のハイブリッドおよび第2のハイブリッドの間に設けられ、第2のハイブリッドで合成される2つの信号中のノイズのレベルを一致させるためのレベル調整手段を含み、レベル調整手段は、第1のハイブリッドおよび第2のハイブリッドの間に設けられ、第1のハイブリッドから出力される第2の信号のレベルを減衰するための第1の減衰器と、第1の減衰器および第2のハイブリッドの間に設けられ、リミッタと同様の入出力特性を有し、第1の減衰器から出力される信号を通過させるためのフィルタと、リミッタおよび第2のハイブリッドの間に設けられ、リミッタから出力される信号のレベルを減衰するための第2の減衰器とを含む、S/Nエンハンサである。
【0014】
この発明にかかるS/Nエンハンサにおいて、第1のハイブリッドおよび第2のハイブリッドとしては、たとえば、第1の90度ハイブリッドおよび第2の90度ハイブリッド、0度ハイブリッドおよび180度ハイブリッド、あるいは、180度ハイブリッドおよび0度ハイブリッドを用いることができる。なお、第1のハイブリッドおよび第2のハイブリッドとしてそれぞれ90度ハイブリッドを用いることが、後述の理由によって好ましい。
【0015】
また、この発明にかかるS/Nエンハンサにおいて、リミッタには、たとえば、静磁波素子からなるローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、バンドエリミネーションフィルタなどのフィルタを用いることができる。なお、リミッタに静磁波素子が用いられることが、後述の理由によって好ましい。この場合、静磁波素子として表面静磁波モードを利用した静磁波素子が用いられることが、後述の理由によってさらに好ましい。
【0017】
すなわち、この発明にかかるS/Nエンハンサとしては、たとえば、主信号を含む入力信号を広帯域において90度の位相差を有する第1の信号および第2の信号に分配するための第1の90度ハイブリッドと、第1の90度ハイブリッドの後段に設けられ、表面静磁波モードを利用した静磁波素子が用いられ、第1の信号中の主信号の振幅を制限するためのリミッタと、第1の90度ハイブリッドの後段に設けられ、第2の信号のレベルを減衰するための第1の減衰器と、第1の減衰器の後段に設けられ、表面静磁波モードを利用した静磁波素子が用いられ、リミッタと同様の入出力特性を有し、第1の減衰器から出力される信号を通過させるためのフィルタと、リミッタの後段に設けられ、リミッタから出力される信号のレベルを減衰するための第2の減衰器と、第2の減衰器およびフィルタの後段に設けられ、第2の減衰器から出力される信号とフィルタから出力される信号とを広帯域において90度の位相差で合成するための第2の90度ハイブリッドとを含み、第2の90度ハイブリッドで合成される2つの信号中のノイズのレベルが、第1の減衰器,フィルタおよび第2の減衰器によって一致され、さらに第2の90度ハイブリッドで合成される2つの信号の位相差が、第1の90度ハイブリッドおよび第2の90度ハイブリッドによって(2n+1)×180度(n=0,1,2,3,・・・)にされるS/Nエンハンサが、好ましい。
【0018】
【作用】
主信号およびノイズを含む入力信号は、第1のハイブリッドによって、広帯域において第1の位相差を有する第1の信号および第2の信号に分配される。この場合、第1の信号および第2の信号は、それぞれ、主信号とノイズとを含む。
【0019】
また、第1の信号中の主信号は、リミッタによって、振幅制限を受ける。
【0020】
さらに、リミッタから出力される信号と第1のハイブリッドから出力される第2の信号とは、第2のハイブリッドによって、広帯域において第2の位相差で合成される。この場合、第1の位相差と第2の位相差との和は(2n+1)×180度(n=0,1,2,3,・・・)である。そのため、第2のハイブリッドで合成される2つの信号の位相は、広帯域において逆の位相になる。
【0021】
したがって、第2のハイブリッドで合成される2つの信号中のノイズは、広帯域において相殺される。さらに、第2のハイブリッドの出力端には、リミッタで振幅制限を受けた分に対応する主信号が得られる。
【0022】
【発明の効果】
この発明によれば、第2のハイブリッドで合成される2つの信号の位相が広帯域において互いに逆位相になるので、所望のエンハンスメント量たとえば20dB以上である動作周波数帯域が広帯域たとえば約350MHzであるS/Nエンハンサが得られる。そのため、この発明にかかるS/Nエンハンサでは、それを衛星放送受信に用いれば、日本国における衛星放送受信の全帯域である約300MHzをもれなくカバーすることができる。
【0023】
また、この発明にかかるS/Nエンハンサでは、動作周波数帯域が広いので、温度が変化したときに、動作周波数帯域が変動しても実際に使用したい使用周波数から外れにくい上に、動作周波数帯域内に使用周波数が入るように動作周波数帯域を調整することが簡単であって、動作周波数帯域を調整するために短時間しかかからない。
【0024】
この発明において、第1のハイブリッドおよび第2のハイブリッドとしてそれぞれ90度ハイブリッドが用いられる場合には、第1のハイブリッドおよび第2のハイブリッドとして同様のハイブリッドを作製すればよいので、第1のハイブリッドおよび第2のハイブリッドの作製効率がよくなる。
【0025】
また、この発明において、リミッタに静磁波素子が用いられる場合には、さらに広帯域の信号がリミッタによって振幅制限を受けるようになるので、さらに広帯域の信号に対応することができる。
【0026】
なお、この発明において、リミッタに表面静磁波モードを利用した静磁波素子を用いれば、リミッタによって振幅制限を受ける主信号の最低のレベルすなわちリミッタの飽和レベルが低くなるので、主信号のレベルが低くても入力信号のS/Nを改善することができる。
【0027】
さらに、この発明によれば、レベル調整手段によって、第2のハイブリッドで合成される2つの信号中のノイズのレベルが一致されるので、それらのノイズをより相殺することができる。そのため、S/Nをさらに改善することができる。
【0028】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0029】
【実施例】
図1はこの発明の一実施例を示す平面図であり、図2はその正面図である。このS/Nエンハンサ10は、たとえば合成樹脂,セラミックなどの誘電体からなるたとえば長方形の基板12を含む。
【0030】
基板12には、4つのスルーホール14a,14b,14cおよび14dが形成される。この場合、2つのスルーホール14aおよび14cは、基板12の長手方向における中央から少しだけ一端よりに形成され、別の2つのスルーホール14bおよび14dは、基板12の長手方向における中央から少しだけ他端よりに形成される。また、スルーホール14aは基板12の一方の長辺の近傍に形成され、スルーホール14bは基板12の中央から少しだけ一方の長辺よりに形成され、スルーホール14cは基板12の中央から少しだけ他方の長辺よりに形成され、スルーホール14dは基板12の他方の長辺の近傍に形成される。
【0031】
基板12の一方主面には、その長手方向における一端から中央側に、第1のハイブリッドとしてたとえば第1の90度ハイブリッド20が形成される。第1の90度ハイブリッド20は、たとえばクランク状の2つのライン電極22および24を含む。
【0032】
一方のライン電極22は、基板12の長手方向における一端から一方の長辺に沿って延びる幅広の一端側部分22aと、基板12の短辺に平行して延びる中間部分22bと、基板12の他方の長辺に沿って延びる幅広の他端側部分22cとからなる。このライン電極22の中間部分22bは、図3および図4に示すように、互いに間隔を隔てて平行に配置される2つの細いライン部22b1および22b2を含む。一方のライン部22b1は一端側部分22aから延びて形成され、他方のライン部22b2は他端側部分22cから延びて形成される。また、一方のライン部22b1の両端は、他方のライン部22b2の両端に、たとえばU字状の2つずつのリード線、たとえば金線やアルミ線23aおよび23bでそれぞれ電気的にたとえばワイヤボンディング法で接続される。
【0033】
他方のライン電極24は、図1に示すように、基板12の長手方向における一端側から他方の長辺に沿って延びる幅広の一端側部分24aと、基板12の短辺に平行して延びる中間部分24bと、基板12の一方の長辺に沿ってスルーホール14aの近傍にまで延びる幅広の他端側部分24cとからなる。このライン電極24の中間部分24bは、図3および図4に示すように、たとえば互いに間隔を隔てて平行に形成される3つの細いライン部24b1,24b2および24b3を含む。1つのライン部24b1は、ライン電極22の2つのライン部22b1および22b2間において、一端側部分24aから他端側部分24cに延びて形成される。また、別の2つのライン部24b2および24b3は、ライン部22b1および22b2の両側において、一端側部分24aおよび他端側部分24cから延びてライン部24b1の2分の1の長さに形成される。また、ライン部24b1の長手方向における中央には、ライン部24b2および24b3の先端が、たとえばU字状の2つずつのリード線、たとえば金線やアルミ線25aおよび25bでそれぞれ電気的にたとえばワイヤボンディング法で接続される。
【0034】
ライン電極24の一端側部分24aには、図1に示すように、終端器としてたとえば50Ωの抵抗器26の一端が接続される。この抵抗器26の他端はアースされる。
【0035】
上述の第1の90度ハイブリッド20は、主信号およびノイズを含む入力信号をたとえば1.4GHz〜2.4GHzの広帯域において90度の位相差を有する第1の信号および第2の信号に分配するためのものである。この場合、第1の90度ハイブリッド20では、ライン電極22の一端側部分22aが入力端として用いられ、ライン電極24の他端側部分24cが第1の出力端として用いられ、ライン電極22の他端側部分22cが第2の出力端として用いられる。そして、入力端に入力された入力信号は、第1の出力端および第2の出力端において、入力信号のレベルの2分の1のレベルの第1の信号および第2の信号に分配される。なお、第2の信号の位相は、第1の信号の位相より90度遅れる。
【0036】
さらに、基板12の一方主面には、第1の90度ハイブリッド20の一方のライン電極22の他端側部分22cの近傍からスルーホール14cの近傍にわたって、たとえばL字状の引出し電極30が形成される。そして、その他端側部分22cおよび引出し電極30には、第1の減衰器としてたとえば50Ωの抵抗器32の両端がそれぞれ接続される。この抵抗器32は、第1の90度ハイブリッド20の第2の出力端から出力される第2の信号のレベルをたとえば30dB減衰するためのものである。
【0037】
また、基板12の一方主面には、その長手方向における中央側から他端に、第2のハイブリッドとしてたとえば第2の90度ハイブリッド40が形成される。この第2の90度ハイブリッド40は、第1の90度ハイブリッド20と同様の構造を有する。
【0038】
すなわち、第2の90度ハイブリッド40は、たとえばクランク状の2つのライン電極42および44を含む。
【0039】
一方のライン電極42は、基板12の一方の長辺に沿って延びる幅広の一端側部分42aと、基板12の短辺に平行して延びる中間部分42bと、基板12の他方の長辺に沿って延びる幅広の他端側部分42cとからなる。このライン電極42の中間部分42bは、図3および図4に示すように、互いに間隔を隔てて平行に配置される2つの細いライン部42b1および42b2を含む。一方のライン部42b1は一端側部分42aから延びて形成され、他方のライン部42b2は他端側部分42cから延びて形成される。また、一方のライン部42b1の両端は、他方のライン部42b2の両端に、たとえばU字状の2つずつのリード線、たとえば金線やアルミ線43aおよび43bでそれぞれ電気的にたとえばワイヤボンディング法で接続される。
【0040】
他方のライン電極44は、図1に示すように、スルーホール14dの近傍から基板12の他方の長辺に沿って延びる幅広の一端側部分44aと、基板12の短辺に平行して延びる中間部分44bと、基板12の一方の長辺に沿って延びる幅広の他端側部分44cとからなる。このライン電極44の中間部分44bは、図3および図4に示すように、たとえば互いに間隔を隔てて平行に形成される3つの細いライン部44b1,44b2および44b3を含む。1つのライン部44b1は、ライン電極42の2つのライン部42b1および42b2間において、一端側部分44aから他端側部分44cに延びて形成される。また、別の2つのライン部44b2および44b3は、ライン部42b1および42b2の外側において、一端側部分44aおよび他端側部分44cから延びてライン部44b1の2分の1の長さに形成される。また、ライン部44b1の長手方向における中央には、ライン部44b2および44b3の先端が、たとえばU字状の2つずつのリード線、たとえば金線やアルミ線45aおよび45bでそれぞれ電気的にたとえばワイヤボンディング法で接続される。
【0041】
ライン電極42の他端側部分42cには、図1に示すように、終端器としてたとえば50Ωの抵抗器46の一端が接続される。この抵抗器46の他端はアースされる。
【0042】
上述の第2の90度ハイブリッド40は、入力される2つの信号をたとえば1.4GHz〜2.4GHzの広帯域において90度の位相差で合成するためのものである。この場合、第2の90度ハイブリッド40では、ライン電極42の一端側部分42aが第1の入力端として用いられ、ライン電極44の一端側部分44aが第2の入力端として用いられ、ライン電極44の他端側部分44cが出力端として用いられる。そして、第2の90度ハイブリッド40の第1の入力端および第2の入力端に入力された2つの信号は、出力端において合成される。なお、2つの信号を合成する際、第2の入力端に入力された信号の位相は、第1の入力端に入力された信号の位相より90度遅れる。
【0043】
さらに、基板12の一方主面には、第2の90度ハイブリッド40の一方のライン電極42の一端側部分42aの近傍からスルーホール14bの近傍にわたって、たとえばL字状の引出し電極50が形成される。そして、その一端側部分42aおよび引出し電極50には、第2の減衰器としてたとえば50Ωの抵抗器52の両端がそれぞれ接続される。この抵抗器52は、第2の90度ハイブリッド40の第1の入力端に入力される信号のレベルをたとえば30dB減衰するためのものである。
【0044】
基板12の他方主面には、その長手方向における中央部分に、4つのライン電極からなる4つのトランスデューサ60a,60b,60cおよび60dが、スルーホール14a,14b,14cおよび14dの近傍から基板12の長辺に平行に形成される。この場合、これらのトランスデューサ60a,60b,60cおよび60dの一端は、スルーホール14a,14b,14cおよび14dを通して、ライン電極24の他端側部分24c,引出し電極50,引出し電極30およびライン電極44の一端側部分44aに、それぞれ電気的に接続される。さらに、これらのトランスデューサ60a〜60dの他端は、それぞれアースされる。
【0045】
また、基板12の他方主面には、2つのトランスデューサ60aおよび60b上に一方の静磁波素子62aが取り付けられ、別の2つのトランスデューサ60cおよび60d上に他方の静磁波素子62bが取り付けられる。これらの静磁波素子62aおよび62bは、それぞれ、たとえば短冊状のGGG基板を含み、それらのGGG基板の一方主面にフェリ磁性基体としてのYIG薄膜がそれぞれ形成されている。そして、これらの静磁波素子62aおよび62bは、それぞれ、YIG薄膜の表面が基板12の他方主面に対向するように取り付けられる。なお、それらのYIG薄膜の表面の長手方向における両端部には、YIG薄膜に発生する不要な静磁波を吸収するための静磁波吸収材64が、それぞれ形成されている。
【0046】
さらに、基板12の他方主面には、静磁波素子62aおよび62bの両側に、たとえばフェライトからなる永久磁石66aおよび66bが、それぞれ取り付けられる。この場合、永久磁石66aおよび66bは、それらの間においてトランスデューサ60a〜60dの延びる方向に磁界が発生するように配置される。そのため、静磁波素子62aおよび62bには、トランスデューサ60a〜60dの延びる方向に磁界が印加される。したがって、これらの静磁波素子62aおよび62bは、それぞれ、表面静磁波モードを利用した静磁波素子となる。
【0047】
そして、2つのトランスデューサ60a,60bおよび静磁波素子62aなどが、リミッタとして用いられる。このリミッタは、周波数選択的に非線形な振幅制限特性を有する。このリミッタは、第1の90度ハイブリッド20の第1の出力端から出力される第1の信号中の主信号の振幅を制限するためのものである。この場合、このリミッタでは、トランスデューサ60aの一端が入力端として用いられ、トランスデューサ60bの一端が出力端として用いられる。
【0048】
また、別の2つのトランスデューサ60c,60dおよび静磁波素子62bなどが、フィルタとして用いられる。このフィルタは、上述のリミッタと同様の構造を有するため、上述のリミッタと同様の入出力特性を有する。このフィルタは、入力される信号を通過させるためのものである。この場合、このフィルタでは、トランスデューサ60cの一端が入力端として用いられ、トランスデューサ60dの一端が出力端として用いられる。
【0049】
なお、基板12の他方主面には、静磁波素子62a,62bおよび永久磁石66a,66bなどを覆うようにして、磁性体からなる断面コ字状のヨーク68が取り付けられる。このヨーク68は、永久磁石66aおよび66b間の磁気抵抗を小さくするとともに静磁波素子62a,62bおよび永久磁石66a,66bなどを保護するためのものである。
【0050】
したがって、このS/Nエンハンサ10は、図5に示す回路を有する。
【0051】
すなわち、このS/Nエンハンサ10では、第1の90度ハイブリッド20の第1の出力端が、静磁波素子62aを用いたリミッタの入力端に接続される。また、第1の90度ハイブリッド20の第2の出力端が、第1の減衰器としての抵抗器32を介して、静磁波素子62bを用いたフィルタの入力端に接続される。さらに、リミッタの出力端は、第2の減衰器としての抵抗器52を介して第2の90度ハイブリッド40の第1の入力端に接続される。また、フィルタの出力端は、第2の90度ハイブリッド40の第2の入力端に接続される。
【0052】
したがって、このS/Nエンハンサ10では、入力端および出力端間において、第1の90度ハイブリッド20,静磁波素子62aなどからなるリミッタ,抵抗器52からなる第2の減衰器および第2の90度ハイブリッド40で第1の信号経路が構成され、第1の90度ハイブリッド20,抵抗器32からなる第1の減衰器,静磁波素子62bなどからなるフィルタおよび第2の90度ハイブリッド40で第2の信号経路が構成される。
【0053】
次に、このS/Nエンハンサ10の動作について説明する。
【0054】
このS/Nエンハンサ10では、主信号とその主信号に対して周波数が異なりかつレベルが低いノイズとを含む入力信号が、第1の90度ハイブリッド20の入力端すなわちライン電極22の一端側部分22aに入力された場合、その入力信号は、第1の90度ハイブリッド20によって、1.4GHz〜2.4GHzの広帯域において90度の位相差を有する第1の信号および第2の信号に分配される。この場合、入力信号は、第1の90度ハイブリッド20の第1の出力端および第2の出力端において、入力信号のレベルの2分の1のレベルの第1の信号および第2の信号に分配される。また、第1の信号および第2の信号は、それぞれ主信号とレベルの低いノイズとを含む。さらに、第2の信号の位相は、第1の信号の位相より90度遅れる。
【0055】
第1の信号中の主信号は、静磁波素子62aなどからなるリミッタによって振幅制限を受ける。それに対して、第1の信号中のノイズは、第1の信号中の主信号の周波数と異なりかつレベルが低いので、このリミッタによって振幅制限を受けない。なお、第1の信号は、そのリミッタの挿入損失によって、レベルが少し減衰する。
【0056】
また、第2の信号は、抵抗器32からなる第1の減衰器によって、レベルが30dB減衰する。
【0057】
さらに、減衰した第2の信号は、レベルが低いので、静磁波素子62bなどからなるフィルタを通過する。なお、減衰した第2の信号は、そのフィルタの挿入損失によって、レベルが少し減衰する。
【0058】
また、リミッタから出力される信号は、抵抗器52からなる第2の減衰器によって、レベルが30dB減衰する。
【0059】
そして、第2の減衰器から出力される信号と、フィルタから出力される信号とは、第2の90度ハイブリッド40によって、1.4GHz〜2.4GHzの広帯域において90度の位相差で合成される。この場合、第2の90度ハイブリッド40で合成される第1の信号経路および第2の信号経路における2つの信号中のノイズのレベルは、レベル調整手段としての第1の減衰器,フィルタおよび第2の減衰器によって一致される。さらに、第2の90度ハイブリッド40で合成される第1の信号経路および第2の信号経路における2つの信号の位相差は、第1の90度ハイブリッド20および第2の90度ハイブリッド40によって、広帯域において180度すなわち逆の位相になる。したがって、第2の90度ハイブリッド40で合成される第1の信号経路および第2の信号経路における2つの信号中のノイズは、広帯域において相殺される。さらに、第2の90度ハイブリッド40の出力端には、リミッタで振幅制限を受けた分に対応する主信号が得られる。
【0060】
このS/Nエンハンサ10では、第2の90度ハイブリッド40で合成される第1の信号経路および第2の信号経路における2つの信号の位相が広帯域において逆の位相になるので、広帯域たとえば約350MHzにおいて、所望のエンハンスメント量たとえば20dB以上である動作周波数帯域が得られる。そのため、このS/Nエンハンサ10では、それを衛星放送受信に用いれば、日本国における衛星放送受信の全帯域である約300MHzをもれなくカバーすることができる。
【0061】
また、このS/Nエンハンサ10では、動作周波数帯域が広いので、温度が変化したときに、動作周波数帯域が変動しても実際に使用したい使用周波数から外れにくい上に、動作周波数帯域内に使用周波数が入るように動作周波数帯域を調整することが簡単であって、動作周波数帯域を調整するために短時間しかかからない。
【0062】
さらに、このS/Nエンハンサ10では、第1のハイブリッドおよび第2のハイブリッドとしてそれぞれ90度ハイブリッドが用いられるため、第1のハイブリッドおよび第2のハイブリッドとして同様のハイブリッドを作製すればよいので、第1のハイブリッドおよび第2のハイブリッドの作製効率がよい。
【0063】
また、このS/Nエンハンサ10では、リミッタに静磁波素子が用いられるため、広帯域の信号がリミッタによって振幅制限を受け、広帯域の信号に対応することができる。
【0064】
なお、このS/Nエンハンサ10では、リミッタに表面静磁波モードを利用した静磁波素子が用いられるため、リミッタによって振幅制限を受ける主信号の最低のレベルすなわちリミッタの飽和レベルが低く、主信号のレベルが低くても入力信号のS/Nを改善することができる。
【0065】
さらに、このS/Nエンハンサ10では、第1の減衰器,フィルタおよび第2の減衰器からなるレベル調整手段によって、第2のハイブリッドで合成される2つの信号中のノイズのレベルが一致されるので、それらのノイズを確実に相殺することができる。そのため、S/Nを確実に改善することができる。
【0066】
すなわち、このS/Nエンハンサ10において入力信号のレベルを10dBmを基準として10dB間隔で減少させたときの伝送特性を図6に示す。図6に示すグラフから明らかなように、このS/Nエンハンサ10では、10dBのエンハンスメント量が従来例の約2倍の約600MHzの広帯域で、20dBのエンハンスメント量が従来例の約3.5倍の約350MHzの広帯域でそれぞれ得られている。
【0067】
また、このS/Nエンハンサ10において1.9GHzにおける入出力特性を図7に示す。図7に示すグラフから明らかなように、このS/Nエンハンサ10では、S/Nを改善可能な入力信号の最小のレベルPHが−8dBmであり、S/Nを改善し始める入力信号のレベルPLが−17dBmであって、それらのレベルの差が9dBと小さいため、たとえば衛星放送受信時のS/Nの改善に大きな効果が得られる。
【0068】
さらに、このS/Nエンハンサ10では、図8に示す入力レベルが0dBmの1.8GHz,1.95GHzおよび2.1GHzの3波の信号を含む入力信号を同時に入力した場合に、図9に示す出力信号が得られる。図8および図9に示すグラフから明らかなように、このS/Nエンハンサ10では、それぞれの信号から約10MHz離調した周波数においてノイズが10dB以上の減衰し、それぞれの信号に対して独立にS/Nエンハンサが動作していることがわかる。
【0069】
また、このS/Nエンハンサ10を衛星放送受信に適用した場合および適用しない場合におけるC/NとS/Nとの関係を図10に示す。この場合、C/NとS/Nとの関係は、平均画像レベルが50%のビデオ信号すなわち白色のための信号および黒色のための信号を50%ずつ含むビデオ信号を用いて測定した。図10に示すグラフから明らかなように、このS/Nエンハンサ10を衛星放送受信に適用した場合には、S/Nエンハンサを衛星放送受信に適用しない場合と比べて、C/Nが9dB以下においてS/Nが2〜8dB改善でき、C/Nが9dB以上においてもS/Nが0.5dB改善できることがわかる。
【0070】
なお、第1のハイブリッドおよび第2のハイブリッドとして、上述の実施例ではそれぞれ90度ハイブリッドが用いられているが、この発明では0度ハイブリッドおよび180度ハイブリッド、あるいは、180度ハイブリッドおよび0度ハイブリッドが用いられてもよい。なお、0度ハイブリッドあるいは180度ハイブリッドを構成するためには、2つの90度ハイブリッドをそれらの位相差を考慮して用いればよい。
【0071】
また、リミッタとして、上述の実施例ではバンドパス機能を有する表面静磁波モードを利用した静磁波素子が用いられているが、体積前進静磁波モードあるいは体積後退静磁波モードを利用した静磁波素子や、静磁波を用いたローパスフィルタ、静磁波を用いたハイパスフィルタ、静磁波を用いたバンドエリミネーションフィルタなどのフィルタが用いられてもよい。
【0072】
さらに、レベル調整手段として、上述の実施例では第1の減衰器,フィルタおよび第2の減衰器が用いられているが、第1の減衰器および第2の減衰器に代えて、第1のハイブリッドの前段に減衰器が設けられ、リミッタの前段に増幅器が設けられ、かつ、フィルタの後段に増幅器が設けられてもよい。あるいは、第1のハイブリッドの前段と、リミッタの前段および後段と、フィルタの前段および後段とに、それぞれ増幅器や減衰器が設けられてもよい。
【0073】
なお、この発明でいう「90度」,「180度」は、文字どおりの値を中心にしてこの発明の目的、作用効果からみて実質的に同一の範囲を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す平面図である。
【図2】図1に示す実施例の正面図である。
【図3】図1に示す実施例に用いられる第1の90度ハイブリッド(第2の90度ハイブリッド)の要部を示す平面図である。
【図4】図1に示す実施例に用いられる第1の90度ハイブリッド(第2の90度ハイブリッド)の要部を示す回路図である。
【図5】図1に示す実施例の回路図である。
【図6】図1に示す実施例において入力信号のレベルを10dBmを基準として10dB間隔で減少させたときの伝送特性を示すグラフである。
【図7】図1に示す実施例において1.9GHzにおける入出力特性を示すグラフである。
【図8】図1に示す実施例に入力される入力信号の一例を示すグラフである。
【図9】図1に示す実施例に図8に示す入力信号を入力した場合にその実施例から出力される出力信号を示すグラフである。
【図10】図1に示す実施例を衛星放送受信に適用した場合および適用しない場合におけるC/NとS/Nとの関係を示すグラフである。
【図11】従来のS/Nエンハンサの一例を示す回路図である。
【符号の説明】
10 S/Nエンハンサ
12 基板
14a〜14d スルーホール
20 第1の90度ハイブリッド
32 抵抗器
40 第2の90度ハイブリッド
52 抵抗器
60a〜60d トランスデューサ
62a,62b 静磁波素子
66a,66b 永久磁石
68 ヨーク

Claims (5)

  1. 主信号およびノイズを含む入力信号を広帯域において第1の位相差を有する第1の信号および第2の信号に分配するための第1のハイブリッド、
    前記第1のハイブリッドの後段に設けられ、前記第1の信号中の主信号の振幅を制限するためのリミッタ、および
    前記リミッタおよび前記第1のハイブリッドの後段に設けられ、前記リミッタから出力される信号と前記第1のハイブリッドから出力される前記第2の信号とを広帯域において第2の位相差で合成するための第2のハイブリッドを含み、
    前記第1の位相差と前記第2の位相差との和が(2n+1)×180度(n=0,1,2,3,・・・)であり、
    さらに、前記第1のハイブリッドおよび前記第2のハイブリッドの間に設けられ、前記第2のハイブリッドで合成される2つの信号中のノイズのレベルを一致させるためのレベル調整手段を含み、
    前記レベル調整手段は、
    前記第1のハイブリッドおよび前記第2のハイブリッドの間に設けられ、前記第1のハイブリッドから出力される前記第2の信号のレベルを減衰するための第1の減衰器、
    前記第1の減衰器および前記第2のハイブリッドの間に設けられ、前記リミッタと同様の入出力特性を有し、前記第1の減衰器から出力される信号を通過させるためのフィルタ、および
    前記リミッタおよび前記第2のハイブリッドの間に設けられ、前記リミッタから出力される信号のレベルを減衰するための第2の減衰器を含む、S/Nエンハンサ。
  2. 前記第1のハイブリッドおよび前記第2のハイブリッドとしてそれぞれ90度ハイブリッドが用いられる、請求項1のS/Nエンハンサ。
  3. 前記リミッタには静磁波素子が用いられる、請求項1または請求項2のS/Nエンハンサ。
  4. 前記静磁波素子は表面静磁波モードを利用した静磁波素子である、請求項3のS/Nエンハンサ。
  5. 主信号およびノイズを含む入力信号を広帯域において90度の位相差を有する第1の信号および第2の信号に分配するための第1の90度ハイブリッド、
    前記第1の90度ハイブリッドの後段に設けられ、表面静磁波モードを利用した静磁波素子が用いられ、前記第1の信号中の主信号の振幅を制限するためのリミッタ、
    前記第1の90度ハイブリッドの後段に設けられ、前記第2の信号のレベルを減衰するための第1の減衰器、
    前記第1の減衰器の後段に設けられ、表面静磁波モードを利用した静磁波素子が用いられ、前記リミッタと同様の入出力特性を有し、前記第1の減衰器から出力される信号を通過させるためのフィルタ、
    前記リミッタの後段に設けられ、前記リミッタから出力される信号のレベルを減衰するための第2の減衰器、および
    前記第2の減衰器および前記フィルタの後段に設けられ、前記第2の減衰器から出力される信号と前記フィルタから出力される信号とを広帯域において90度の位相差で合成するための第2の90度ハイブリッドを含み、
    前記第2の90度ハイブリッドで合成される2つの信号中のノイズのレベルが、前記第1の減衰器,前記フィルタおよび前記第2の減衰器によって一致され、さらに
    前記第2の90度ハイブリッドで合成される2つの信号の位相差が、前記第1の90度ハイブリッドおよび前記第2の90度ハイブリッドによって(2n+1)×180度(n=1,2,3,・・・)にされる、S/Nエンハンサ。
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