JP3279159B2 - 静磁波装置 - Google Patents

静磁波装置

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JP3279159B2
JP3279159B2 JP32400295A JP32400295A JP3279159B2 JP 3279159 B2 JP3279159 B2 JP 3279159B2 JP 32400295 A JP32400295 A JP 32400295A JP 32400295 A JP32400295 A JP 32400295A JP 3279159 B2 JP3279159 B2 JP 3279159B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は静磁波装置に関
し、特にフェリ磁性基体が用いられ、たとえばS/Nエ
ンハンサやフィルタとして使用される静磁波装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この発明の背景となる従来のS/Nエン
ハンサの一例が、1980 IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETIC
S, VOL. MAG-16, PP. 1168-1170 のA BROADBAND MICROW
AVE SIGNAL TO NOISE ENHANCERや米国特許第4,28
3,692号に開示されている。図17はこのような従
来のS/Nエンハンサの一例を示す斜視図である。図1
7に示すS/Nエンハンサ1は、フェリ磁性基体として
矩形板状のYIG薄膜2を含む。このYIG薄膜2は、
矩形板状のGGG基板3の一方主面に形成される。ま
た、YIG薄膜2の表面は、矩形板状の誘電体基板4の
一方主面の中央に接着される。この誘電体基板4の一方
主面には、その幅方向の中央に、トランスデューサとし
て直線状のマイクロストリップライン5が、YIG薄膜
2を横切るように形成されている。マイクロストリップ
ライン5の一端には、入力端子(図示せず)の一端が接
続され、マイクロストリップライン5の他端には、出力
端子(図示せず)の一端が接続される。また、誘電体基
の他方主面には、アース電極6が形成される。な
お、入力端子の他端および出力端子の他端は、それぞれ
接地される。
【0003】図17に示すS/Nエンハンサ1には、フ
ェリ磁性基体としてのYIG薄膜2に、直流磁界H0
トランスデューサとしてのマイクロストリップライン5
の長手方向に印加される。そして、このS/Nエンハン
サ1では、入力端子に高周波電力を入力すると、マイク
ロストリップライン5の周囲に高周波磁界が発生し、Y
IG薄膜2内に表面静磁波(MSSW)が励振される。
入力端子に入力される高周波電力が小さい場合、高周波
電力の大部分が静磁波に変換されるため、出力端子から
得られる出力電力は非常に小さい。一方、入力端子に入
力される高周波電力が大きい場合、高周波電力から静磁
波への変換が飽和するため、高周波電力の大部分が、マ
イクロストリップライン5を通して出力端子から得られ
る。このため、このS/Nエンハンサ1では、入力電力
の小さいノイズ成分はほとんど出力されず、入力電力の
大きい信号成分は大部分が出力される。したがって、こ
のS/Nエンハンサ1では、S/Nが高められる。な
お、このS/Nエンハンサ1において、−6dBmおよ
び10dBmの周波数特性を図18に示し、3.3GH
zの入出力特性を図19に示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図17に示すS/Nエ
ンハンサ1では、フェリ磁性基体としてのYIG薄膜2
とトランスデューサとしてのマイクロストリップライン
5との対向する部分の長さLによって、ノイズの減衰量
が決定される。なお、このS/Nエンハンサ1では、そ
の長さLは2.1cmである。そして、このS/Nエン
ハンサ1において、ノイズの減衰量を大きくしたい場
合、その長さLを増やすのが有効であるが、YIG薄膜
2などの高価なフェリ磁性基体が大きくなるという問題
がある。言い換えると、このS/Nエンハンサ1では、
小型化および低価格化を図るためにYIG薄膜2を小さ
く形成すると、YIG薄膜2とマイクロストリップライ
ン5との対向する部分の長さLが短くなり、ノイズの減
衰量が小さくなってしまう。
【0005】また、図17に示すS/Nエンハンサ1で
は、変換された静磁波がYIG薄膜2の端部でマイクロ
ストリップライン5側に反射され、その反射された静磁
波がマイクロストリップライン5などによって高周波電
力に変換されることがある。このように反射された静磁
波が存在すると、S/Nエンハンサ1の伝搬帯域内にお
いて振幅や位相のリップルとなって表れる場合がある。
したがって、このS/Nエンハンサ1では、静磁波の反
射を減らすために、静磁波の伝搬方向の長さすなわちY
IG薄膜2の幅Wを増やしたり、YIG薄膜2の端部に
静磁波吸収体を置いたりするなどの工夫が要求される場
合がある。
【0006】それゆえに、この発明の主たる目的は、小
型化および低価格化を図ることができる、静磁波装置を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる静磁波
装置は、フェリ磁性基体と、フェリ磁性基体の一方主面
側に配置される部分とフェリ磁性基体の他方主面側に配
置される部分とを有するトランスデューサと、その一端
がトランスデューサの一端に接続され、その他端が接地
される入力端子と、その一端がトランスデューサの他端
に接続され、その他端が接地される出力端子と、フェリ
磁性基体の一方主面側に配置される部分とフェリ磁性基
体の他方主面側に配置される部分とを有し、トランスデ
ューサに並列に接続される別のトランスデューサとを含
む、静磁波装置である。
【0008】この発明にかかる静磁波装置において、フ
ェリ磁性基体が円板状に形成されることが、後述の理由
によって好ましい。
【0009】
【0010】さらに、この発明にかかる静磁波装置にお
いて、フェリ磁性基体がGGG基板の一方主面に形成さ
れ、GGG基板の他方主面に別のフェリ磁性基体が形成
されてもよい。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【作用】この発明にかかる静磁波装置では、フェリ磁性
基体に直流磁界を印加し、入力端子に高周波電力を入力
すると、トランスデューサの周囲に高周波磁界が発生
し、フェリ磁性基体内に静磁波が励振される。入力端子
に入力される高周波電力が小さい場合、高周波電力が静
磁波に変換されるが、トランスデューサがフェリ磁性基
体の一方主面側に配置される部分とフェリ磁性基体の他
方主面側に配置される部分とを有するので、高周波電力
から静磁波への変換効率がよくなる。そのため、フェリ
磁性基体を小さく形成しても、従来例と同様のノイズの
減衰量が得られる。一方、入力端子に入力される高周波
電力が大きい場合、高周波電力から静磁波への変換が飽
和するため、高周波電力の大部分が、トランスデューサ
を通して出力端子から得られる。このため、この発明に
かかる静磁波装置では、入力電力の小さいノイズ成分は
ほとんど出力されず、入力電力の大きい信号成分は大部
分が出力される。すなわち、この発明にかかる静磁波装
置では、S/Nが高められる。
【0015】
【0016】
【発明の効果】この発明によれば、高周波電力から静磁
波への変換効率がよくなるので、小型化および低価格化
を図ることができる静磁波装置が得られる。
【0017】また、この発明にかかる静磁波装置におい
て、フェリ磁性基体を円板状に形成すれば、変換された
静磁波が、フェリ磁性基体の端部でトランスデューサ側
に反射されにくくなる。そのため、フェリ磁性基体の端
部で反射された静磁波が、トランスデューサなどによっ
て高周波電力に変換されにくくなる。そのため、静磁波
装置の伝搬帯域内において振幅や位相のリップルが少な
くなり、特性がよくなる。なお、この発明にかかる他の
静磁波装置において、フェリ磁性基体を円板状に形成し
ても、同様のことがいえる。
【0018】さらに、この発明にかかる静磁波装置
、フェリ磁性基体の一方主面側に配置される部分とフ
ェリ磁性基体の他方主面側に配置される部分とを有し、
トランスデューサに並列に接続される別のトランスデュ
ーサを含むため、トランスデューサおよび別のトランス
デューサが入力端子および出力端子間で並列に接続され
るので、入力端子および出力端子間のインピーダンスが
減少し、挿入損失が減少する。
【0019】
【0020】この発明の上述の目的、その他の目的、特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施
の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0021】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の背景となる例
示す斜視図である。静磁波装置としてのS/Nエンハン
サ10は、フェリ磁性基体としてたとえば矩形板状のY
IG薄膜12を含む。このYIG薄膜12は、たとえば
矩形板状のGGG基板14の一方主面に形成される。Y
IG薄膜12およびGGG基板14の周囲には、たとえ
ば導線からなるトランスデューサ16が、たとえば5回
巻かれる。したがって、このトランスデューサ16は、
YIG薄膜12の一方主面側にほぼ平行に配置される5
つの部分とYIG薄膜12の他方主面側にほぼ平行に配
置される5つの部分とを有する。また、トランスデュー
サ16の一端には、入力端子18の一端が接続され、ト
ランスデューサ16の他端には、出力端子20の一端が
接続される。さらに、入力端子18の他端および出力端
子20の他端は、それぞれ接地される。
【0022】図1に示すS/Nエンハンサ10には、フ
ェリ磁性基体としてのYIG薄膜12に、直流磁界H0
がYIG薄膜12の主面に平行しかつトランスデューサ
16に平行する方向に印加される。そして、このS/N
エンハンサ10では、入力端子18に高周波電力を入力
すると、トランスデューサ16の周囲に高周波磁界が発
生し、YIG薄膜12内に表面静磁波が励振される。入
力端子18に入力される高周波電力が小さい場合、高周
波電力が静磁波に変換されるが、トランスデューサ16
がYIG薄膜12の一方主面側に配置される部分とYI
G薄膜12の他方主面側に配置される部分とを有するの
で、高周波電力から静磁波への変換効率がよくなる。そ
のため、YIG薄膜12を小さく形成しても、従来例と
同様のノイズの減衰量が得られる。一方、入力端子18
に入力される高周波電力が大きい場合、高周波電力から
静磁波への変換が飽和するため、高周波電力の大部分
が、トランスデューサ16を通して出力端子20から得
られる。このため、このS/Nエンハンサ10では、入
力電力の小さいノイズ成分はほとんど出力されず、入力
電力の大きい信号成分は大部分が出力される。すなわ
ち、このS/Nエンハンサ10では、S/Nが高められ
る。また、このS/Nエンハンサ10では、高周波電力
から静磁波への変換効率がよくなるので、小型化および
低価格化を図ることができる。
【0023】図2は図1に示すの変形例を示す斜視図
である。図2に示すでは、図1に示すと比べて、Y
IG薄膜12がGGG基板14の一方主面の中央に円板
状に形成され、さらに、トランスデューサ16がYIG
薄膜12およびGGG基板14の周囲に4回巻かれる。
【0024】図3は図2に示すの変形例を示す斜視図
である。図3に示すでは、図2に示すと比べて、ト
ランスデューサ16がYIG薄膜12およびGGG基板
14の周囲に3回巻かれる。
【0025】図4は図2に示すの他の変形例を示す斜
視図である。図4に示すでは、図2に示すと比べ
て、トランスデューサ16がYIG薄膜12およびGG
G基板14の周囲に2回巻かれる。
【0026】図5は図2に示すのさらに他の変形例を
示す斜視図である。図5に示すでは、図2に示す
比べて、トランスデューサ16がYIG薄膜12および
GGG基板14の周囲に1回巻かれる。
【0027】図2〜図5に示す各例でも、図1に示す
と同様に、トランスデューサ16がYIG薄膜12の一
方主面側に配置される部分とYIG薄膜12の他方主面
側に配置される部分とを有するので、入力された高周波
電力から静磁波への変換効率がよくなり、小型化および
低価格化を図ることができる。
【0028】さらに、図2〜図5に示す各例では、YI
G薄膜12が円板状に形成されているので、変換された
静磁波が、YIG薄膜12の端部でトランスデューサ1
6側に反射されにくくなる。そのため、YIG薄膜12
の端部で反射された静磁波が、トランスデューサ16な
どによって高周波電力に変換されにくくなる。そのた
め、S/Nエンハンサの伝搬帯域内において振幅や位相
のリップルが少なくなり、特性がよくなる。
【0029】図6は比較例を示す斜視図である。図6に
示す比較例では、図2に示すと比べて、直線状のトラ
ンスデューサ16がYIG薄膜12の一方主面側のみに
配置されている。
【0030】また、図2〜図5に示す各例および図6に
示す比較例の周波数特性を図7に示し、図2〜図5に示
各例および図6に示す比較例の入出力特性を図8に示
す。なお、図2〜図5に示す各例および図6に示す比較
例において、YIG薄膜12の厚みは95μmであり、
YIG薄膜12の直径は2.2mmであり、YIG薄膜
12の飽和磁化4πMsは1780Gaussである。
【0031】図7に示す周波数特性および図8に示す入
出力特性から明らかなように、トランスデューサ16の
巻き数を増やせば、ノイズの減衰量が大きくなり、周波
数特性および入出力特性がよくなることがわかる。な
お、トランスデューサ16の巻き数を増やせばインピー
ダンスが大きくなるので、ノイズの減衰量とインピーダ
ンスの大きさとを考慮して、トランスデューサ16の巻
き数を適当に選ぶことが好ましい。
【0032】図9はこの発明の背景となる他の例を示す
分解斜視図である。図9に示すでは、特に、YIG薄
膜12およびGGG基板14が、絶縁性を有する非磁性
体からなる4角筒形のケース22の中に収納され、導線
からなるトランスデューサ16が、ケース22の周囲に
4回巻かれる。図9に示すでも、トランスデューサ1
6がYIG薄膜12の一方主面側に配置される部分とY
IG薄膜12の他方主面側に配置される部分とを有する
ので、入力された高周波電力から静磁波への変換効率が
よくなり、小型化および低価格化を図ることができる。
【0033】図10はこの発明の背景となるさらに他の
を示す斜視図であり、図11はその平面図であり、図
12はその要部を示す分解斜視図である。図10〜図1
2に示すでは、特に、YIG薄膜12の表面に直線状
の4つのライン電極24aが間隔を隔てて平行に形成さ
れる。また、GGG基板14の表面は、誘電体基板26
の一方主面の中央に接着される。この誘電体基板26の
一方主面の中央にも、直線状の4つのライン電極24b
が、間隔を隔てて平行に形成される。そして、これらの
ライン電極24aおよび24bの所定の端部を導線24
cで接続することによって、YIG薄膜12およびGG
G基板14を4周するコイル状のトランスデューサが構
成される。また、トランスデューサの一端すなわち1つ
のライン電極24aの一端部は、誘電体基板26の一方
主面上の端子電極28aに導線28bで接続される。こ
の端子電極28aは、入力端子の一端として用いられ
る。また、トランスデューサの他端すなわち1つのライ
ン電極24bの他端部30は、誘電体基板26の端部に
延びて形成される。この他端部30は、出力端子の一端
として用いられる。さらに、誘電体基板26の他方主面
には、アース電極32が形成される。このアース電極3
2は、入力端子の他端および出力端子の他端として用い
られる。
【0034】図10〜図12に示すでも、トランスデ
ューサがYIG薄膜12の一方主面側に配置される部分
とYIG薄膜12の他方主面側に配置される部分とを有
するので、入力された高周波電力から静磁波への変換効
率がよくなり、小型化および低価格化を図ることができ
る。
【0035】図13はこの発明の一実施例を示す斜視図
である。図13に示す実施例では、YIG薄膜12およ
びGGG基板14の半分の周囲に、導線からなるトラン
スデューサ16aが2回巻かれる。同様に、YIG薄膜
12およびGGG基板14の残りの半分の周囲にも、導
線からなる別のトランスデューサ16bが2回巻かれ
る。そして、トランスデューサ16aの一端および別の
トランスデューサ16bの一端は、入力端子18の一端
に接続される。また、トランスデューサ16aの他端お
よび別のトランスデューサ16bの他端は、出力端子2
0の一端に接続される。また、入力端子18の他端およ
び出力端子20の他端は、それぞれ接地される。
【0036】図13に示す実施例でも、トランスデュー
サ16aおよび別のトランスデューサ16bがそれぞれ
YIG薄膜12の一方主面側に配置される部分とYIG
薄膜12の他方主面側に配置される部分とを有するの
で、入力された高周波電力から静磁波への変換効率がよ
くなり、小型化および低価格化を図ることができる。
【0037】また、図13に示す実施例では、トランス
デューサ16aおよび別のトランスデューサ16bが入
力端子18および出力端子20間で並列に接続されるの
で、入力端子18および出力端子20間のインピーダン
スが減少し、挿入損失が減少する。
【0038】図14はこの発明の背景となるさらに別の
を示す斜視図である。図14に示すでは、YIG薄
膜12およびGGG基板14の周囲に、導線からなるト
ランスデューサ16aが2回巻かれる。さらに、YIG
薄膜12およびGGG基板14の周囲には、導線からな
る別のトランスデューサ16bが、YIG薄膜12およ
びGGG基板14を挟んでトランスデューサ16aに対
向するように、2回巻かれる。そして、トランスデュー
サ16aの一端および別のトランスデューサ16bの一
端は、入力端子18の一端および他端にそれぞれ接続さ
れる。また、トランスデューサ16aの他端および別の
トランスデューサ16bの他端は、出力端子20の一端
および他端にそれぞれ接続される。
【0039】図14に示すS/Nエンハンサ10には、
フェリ磁性基体としてのYIG薄膜12に、直流磁界H
0 がYIG薄膜12の主面に平行しかつトランスデュー
サ16aおよび16bに平行する方向に印加される。そ
して、このS/Nエンハンサ10では、入力端子18に
高周波電力を入力すると、トランスデューサ16aおよ
び別のトランスデューサ16bの周囲に高周波磁界が発
生し、YIG薄膜12内に表面静磁波が励振される。入
力端子18に入力される高周波電力が小さい場合、高周
波電力が静磁波に変換されるが、トランスデューサ16
aがYIG薄膜12の一方主面側に配置される部分とY
IG薄膜12の他方主面側に配置される部分とを有し、
別のトランズデューサ16bがYIG薄膜12の他方主
面側に配置される部分とYIG薄膜12の一方主面側に
配置される部分とを有するので、高周波電力から静磁波
への変換効率がよくなる。そのため、YIG薄膜12を
小さく形成しても、従来例と同様のノイズの減衰量が得
られる。一方、入力端子18に入力される高周波電力が
大きい場合、高周波電力から静磁波への変換が飽和する
ため、高周波電力の大部分が、トランスデューサ16a
および別のトランスデューサ16bを通して出力端子2
0から得られる。このため、図14に示すS/Nエンハ
ンサ10では、入力電力の小さいノイズ成分はほとんど
出力されず、入力電力の大きい信号成分は大部分が出力
される。すなわち、図14に示すS/Nエンハンサ10
でも、S/Nが高められる。
【0040】また、図14に示すS/Nエンハンサ10
でも、高周波電力から静磁波への変換効率がよくなるの
で、小型化および低価格化を図ることができる。
【0041】さらに、図14に示すS/Nエンハンサ1
0では、トランスデューサ16aがYIG薄膜12の一
方主面側に配置される部分とYIG薄膜12の他方主面
側に配置される部分とを有し、別のトランスデューサ1
6bがYIG薄膜12の他方主面側に配置される部分と
YIG薄膜12の一方主面側に配置される部分とを有
し、入力端子18の一端および他端がトランスデューサ
16aの一端および別のトランスデューサ16bの一端
にそれぞれ接続され、出力端子20の一端および他端が
トランスデューサ16aの他端および別のトランスデュ
ーサ16bの他端にそれぞれ接続されるので、すなわ
ち、入力端子18および出力端子20がフィーダ線で接
続されたような状態となるので、ノイズの減衰量を大き
くするためにトランスデューサ16aおよび別のトラン
スデューサ16bの長さを長くしても、入力端子18お
よび出力端子20間のインピーダンスがほとんど変わら
ず、挿入損失がほとんど大きくならない。
【0042】また、図14に示すS/Nエンハンサ10
では、平衡伝送線路におけるS/Nを改善することがで
きるが、図14に示すS/Nエンハンサ10において、
図15に示すように、入力側の前段および出力側の後段
にバラン回路40aおよび40bをそれぞれ設ければ、
不平衡伝送線路におけるS/Nを改善することができ
る。逆に、図14に示す以外のでは、不平衡伝送線
路におけるS/Nを改善することができるが、それらの
において、入力側の前段および出力側の後段にバラン
回路をそれぞれ逆向きに設ければ、平衡伝送線路におけ
るS/Nを改善することができる。
【0043】図16は図1に示すの他の変形例を示す
斜視図である。図16に示すでは、図1に示すと比
べて、別のフェリ磁性基体としての別のYIG薄膜13
がGGG基板14の他方主面に形成される。
【0044】図16に示すでも、トランスデューサ1
6がYIG薄膜12,13の一方主面側に配置される部
分とYIG薄膜12,13の他方主面側に配置される部
分とを有するので、図1に示すと同様に、入力された
高周波電力から静磁波への変換効率がよくなり、小型化
および低価格化を図ることができる。
【0045】なお、図2〜図5に示す各例ではYIG薄
膜が円板状に形成されているが、他の例においても、フ
ェリ磁性基体としてのYIG薄膜が円板状に形成されて
もよい。この場合も、図2〜図5に示すと同様な効果
を奏する。
【0046】図9に示すではYIG薄膜を囲むケース
の周囲にトランスデューサが形成されているが、他の例
においても、フェリ磁性基体としてのYIG薄膜を囲む
ケースの周囲にトランスデューサが形成されてもよい。
【0047】図10〜図12に示すではトランスデュ
ーサの一部が電極で形成されているが、他の例において
も、トランスデューサおよび別のトランスデューサの少
なくとも一部が電極で形成されてもよい。
【0048】図13に示す実施例では2つのトランスデ
ューサが入力端子および出力端子間で並列に接続されて
いるが、この発明では、フェリ磁性基体の一方主面側に
配置される部分とフェリ磁性基体の他方主面側に配置さ
れる部分とを有する複数のトランスデューサが、入力端
子および出力端子間で並列に接続されてもよい。
【0049】図16に示すでは別のフェリ磁性基体と
しての別のYIG薄膜がGGG基板の他方主面に形成さ
れているが、他の例においても、別のフェリ磁性基体と
しての別のYIG薄膜がGGG基板の他方主面に形成さ
れてもよい。
【0050】なお、上述の各例において、入力側の前段
および出力側の後段に、インピーダンスの整合をとるた
めの整合回路が、それぞれ設けられてもよい。
【0051】また、上述の各例では、YIG薄膜に、直
流磁界が、YIG薄膜の主面に平行しかつトランスデュ
ーサに平行する方向に印加される。そのため、YIG薄
膜には、表面静磁波が励起される。しかしながら、フェ
リ磁性基体としてのYIG薄膜には、直流磁界が、たと
えば、YIG薄膜の主面に直交する方向やYIG薄膜の
主面に平行しかつトランスデューサに直交する方向など
の他の方向に印加されてもよい。直流磁界がYIG薄膜
の主面に直交する方向に印加される場合には、YIG薄
膜に体積前進静磁波(MSFVW)が励起され、直流磁
界がYIG薄膜の主面に平行しかつトランスデューサに
直交する方向に印加される場合には、YIG薄膜に体積
後退静磁波(MSBVW)が励起される。
【0052】なお、上述の各例は、高周波信号のS/N
を高める機能を有するが、バンドストップフィルタの機
能も有するので、バンドストップフィルタとしても使用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の背景となる例を示す斜視図である。
【図2】図1に示すの変形例を示す斜視図である。
【図3】図2に示すの変形例を示す斜視図である。
【図4】図2に示すの他の変形例を示す斜視図であ
る。
【図5】図2に示すのさらに他の変形例を示す斜視図
である。
【図6】比較例を示す斜視図である。
【図7】図2〜図5に示す各例および図6に示す比較例
の周波数特性を示すグラフである。
【図8】図2〜図5に示す各例および図6に示す比較例
の入出力特性を示すグラフである。
【図9】この発明の背景となる他の例を示す分解斜視図
である。
【図10】この発明の背景となるさらに他の例を示す斜
視図である。
【図11】図10に示すの平面図である。
【図12】図10に示すの要部を示す分解斜視図であ
る。
【図13】この発明の一実施例を示す斜視図である。
【図14】この発明の背景となるさらに別の例を示す斜
視図である。
【図15】図14に示すの応用例を示すブロック図で
ある。
【図16】図1に示すの他の変形例を示す斜視図であ
る。
【図17】この発明の背景となる従来のS/Nエンハン
サの一例を示す斜視図である。
【図18】図17に示すS/Nエンハンサの周波数特性
を示すグラフである。
【図19】図17に示すS/Nエンハンサの入出力特性
を示すグラフである。
【符号の説明】
10 S/Nエンハンサ 12 YIG薄膜 13 別のYIG薄膜 14 GGG基板 16,16a トランスデューサ 16b 別のトランスデューサ 18 入力端子 20 出力端子 22 ケース 24a ライン電極 24b ライン電極 24c 導線 26 誘電体基板 28a 端子電極 28b 導線 30 他端部 32 アース電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−123502(JP,A) 特開 平2−7612(JP,A) 特開 平1−130602(JP,A) 特開 平7−193408(JP,A) 実開 昭60−181917(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 3/00 H01P 1/215 H01P 1/23 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェリ磁性基体、 前記フェリ磁性基体の一方主面側に配置される部分と前
    記フェリ磁性基体の他方主面側に配置される部分とを有
    するトランスデューサ、 その一端が前記トランスデューサの一端に接続され、そ
    の他端が接地される入力端子 その一端が前記トランスデューサの他端に接続され、そ
    の他端が接地される出力端子、および 前記フェリ磁性基
    体の一方主面側に配置される部分と前記フェリ磁性基体
    の他方主面側に配置される部分とを有し、前記トランス
    デューサに並列に接続される別のトランスデューサを含
    む、静磁波装置。
  2. 【請求項2】 前記フェリ磁性基体は、円板状に形成さ
    れる、請求項1に記載の静磁波装置。
  3. 【請求項3】 前記フェリ磁性基体はGGG基板の一方
    主面に形成され、前記GGG基板の他方主面に別のフェ
    リ磁性基体が形成される、請求項1または請求項2に記
    載の静磁波装置。
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