JPH10126111A - S/nエンハンサ - Google Patents

S/nエンハンサ

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JPH10126111A
JPH10126111A JP29725896A JP29725896A JPH10126111A JP H10126111 A JPH10126111 A JP H10126111A JP 29725896 A JP29725896 A JP 29725896A JP 29725896 A JP29725896 A JP 29725896A JP H10126111 A JPH10126111 A JP H10126111A
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magnetostatic wave
wave filter
signal
magnetostatic
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JP29725896A
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Satoru Niimura
村 悟 新
Hiroyasu Matsuzaki
崎 宏 泰 松
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型のS/Nエンハンサ、または挿入損が小
さいS/Nエンハンサを得る。 【解決手段】 S/Nエンハンサ10の第1の方向性結
合器12に、高レベルの主信号と低レベルのノイズとを
含む信号を入力する。第1の方向性結合器12で分割し
た信号を第1の静磁波フィルタ14および第2の静磁波
フィルタ16に入力する。第1の静磁波フィルタ14と
しては、入力信号から静磁波への変換効率が高く、静磁
波から出力信号への変換効率が低いものを用いる。逆
に、第2の静磁波フィルタとしては、入力側の変換効率
が低く、出力側の変換効率が高いものを用いる。第2の
方向性結合器18で、第1の静磁波フィルタ14および
第2の静磁波フィルタ16の出力信号を、互いに逆位相
となるようにして合成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はS/Nエンハンサ
に関し、特に、入力信号中の主信号とノイズとの比(S
/N比)を改善し、たとえば衛星放送受信用として用い
られるS/Nエンハンサに関する。
【0002】
【従来の技術】図10は従来のS/Nエンハンサの一例
を示す図解図である。S/Nエンハンサ1は、第1の方
向性結合器2を含む。第1の方向性結合器2の一方の出
力端は、第1の静磁波フィルタ3の入力端に接続され
る。第1の静磁波フィルタ3の出力端は第1の減衰器4
に入力され、さらに第1の減衰器4は第2の方向性結合
器5の一方の入力端に接続される。また、第1の方向性
結合器2の他方の出力端は、第2の減衰器6に接続され
る。さらに、第2の減衰器6は第2の静磁波フィルタ7
の入力端に接続され、第2の静磁波フィルタ7の出力端
は第2の方向性結合器5の他方の入力端に接続される。
【0003】第1の静磁波フィルタ3および第2の静磁
波フィルタ7は、周波数選択的に非線形な振幅制限特性
を有する。周波数選択的に非線形な振幅制限特性とは、
ある周波数f1 の信号が飽和レベルを超えて振幅制限を
受けている場合でも、その周波数f1 と異なった周波数
2 の信号が飽和レベル以下ならば、その周波数f2
信号は振幅制限を受けない特性をいう。つまり、周波数
選択的に非線形な振幅制限特性とは、信号が飽和レベル
を超えた場合に起こる飽和動作による振幅制限がそれぞ
れの周波数において独立して起こる特性をいう。また、
第1の減衰器4および第2の減衰器6は、たとえばチッ
プ抵抗などで構成されている。
【0004】このS/Nエンハンサ1では、レベルが高
い主信号とその主信号に対して周波数が異なりかつレベ
ルが低いノイズとを含む入力信号が第1の方向性結合器
2に入力されると、その入力信号が分割され、第1の静
磁波フィルタ3と第2の減衰器6に入力される。第1静
磁波フィルタ3では、高レベルの主信号は振幅制限を受
けるが、主信号と周波数が異なりレベルの低いノイズは
振幅制限を受けない。そして、第1の静磁波フィルタ3
の出力信号は、第1の減衰器4で減衰され、主信号およ
びノイズの振幅が減衰される。
【0005】また、第2の減衰器6では、主信号が第2
の静磁波フィルタ7で振幅制限を受けないレベルに減衰
される。したがって、第2の静磁波フィルタ7からは、
主信号およびノイズがそのままの形で出力される。そし
て、第2の方向性結合器5において、第1の減衰器4の
出力信号と第2の静磁波フィルタ7の出力信号とが、逆
位相となるようにして合成される。このとき、第1の減
衰器4では、2つの信号のノイズの振幅が同じになるよ
うに調整される。したがって、第1の減衰器4の出力信
号中のノイズと第2の静磁波フィルタ7の出力信号中の
ノイズとが相殺される。しかしながら、第1の減衰器4
の出力信号中の主信号は第1の静磁波フィルタ3で振幅
制限を受けているため、第2の静磁波フィルタ7の出力
信号中の主信号に比べて低レベルとなっている。そのた
め、第2の方向性結合器5からは、主信号の振幅制限を
受けた部分に相当する信号が出力される。このように、
このS/Nエンハンサ1を用いれば、信号中のノイズを
除去することができ、S/N比を改善することができ
る。
【0006】また、図11に示すように、第1の静磁波
フィルタ3および第2の静磁波フィルタ7として、入力
側と出力側とで信号と静磁波の変換効率の異なるものを
用いてもよい。図11では、静磁波フィルタの形状を三
角形にすることにより、幅の広い部分に形成されたトラ
ンスデューサにおける変換効率が高く、幅の狭い部分に
形成されたトランスデューサにおける変換効率が低い例
を示してある。つまり、第1の静磁波フィルタ3および
第2の静磁波フィルタ7として、入力信号から静磁波へ
の変換効率が静磁波から出力信号への変換効率より高い
ものが用いられる。このような静磁波フィルタを用いる
ことにより、静磁波フィルタの飽和特性を良好にするこ
とができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10
に示すようなS/Nエンハンサでは、減衰器をチップ抵
抗などで構成しているため、小型化の妨げとなってい
る。また、図11に示すS/Nエンハンサでは、静磁波
フィルタの飽和特性はよくなっているが、静磁波フィル
タの出力側の変換効率が低いため、静磁波フィルタの減
衰量が大きくなる。このように、静磁波フィルタの減衰
量が大きいうえに、減衰器が用いられているため、S/
Nエンハンサ全体として挿入損が大きくなる。
【0008】それゆえに、この発明の主たる目的は、小
型のS/Nエンハンサ、または挿入損が小さいS/Nエ
ンハンサを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、入力信号中
の主信号の振幅を制限するための第1の静磁波フィルタ
と、主信号を通過させるための第2の静磁波フィルタと
を含むS/Nエンハンサであって、第1の静磁波フィル
タの入力信号から静磁波への変換効率を静磁波から出力
信号への変換効率より高くし、第2の静磁波フィルタの
入力信号から静磁波への変換効率を静磁波から出力信号
への変換効率より低くした、S/Nエンハンサである。
このS/Nエンハンサにおいて、たとえば、入力信号は
分割されて第1の静磁波フィルタおよび第2の静磁波フ
ィルタに入力され、第1の静磁波フィルタの出力信号お
よび第2の静磁波フィルタの出力信号が逆位相となるよ
うにして合成される。また、第1の静磁波フィルタの入
力トランスデューサおよび第2の静磁波フィルタの入力
トランスデューサが接続されるとともに、第1の静磁波
フィルタの出力トランスデューサおよび第2の静磁波フ
ィルタの出力トランスデューサが接続され、かつ第1の
静磁波フィルタの出力信号と第2の静磁波フィルタの出
力信号とが逆位相で合成されるように接続されてもよ
い。さらに、第1の静磁波フィルタの出力信号を減衰す
るための第1の減衰器と、入力信号を減衰して第2の静
磁波フィルタに入力するための第2の減衰器とを含み、
第1の減衰器の出力信号と第2の静磁波フィルタの出力
信号とが逆位相となるようにして合成されてもよい。
【0010】第1の静磁波フィルタは、入力信号中の高
レベルの主信号によって飽和し、主信号が振幅制限をう
ける。また、ノイズは低レベルであるため、振幅制限を
受けずに出力される。このとき、第1の静磁波フィルタ
では、静磁波から出力信号への変換効率が低いため、主
信号およびノイズは減衰されて出力される。第2の静磁
波フィルタでは、入力信号から静磁波への変換効率が低
いため、高レベルの信号が入力されても、静磁波に変換
される割合が小さく、飽和による振幅制限を受けない。
したがって、入力信号を分割して第1の静磁波フィルタ
および第2の静磁波フィルタに入力し、その出力信号を
逆位相となるようにして合成すれば、ノイズは相殺さ
れ、主信号の振幅制限を受けた部分に相当する信号が得
られる。
【0011】また、第1の静磁波フィルタの入力トラン
スデューサと第2の静磁波フィルタの入力トランスデュ
ーサとを接続し、第1の静磁波フィルタの出力トランス
デューサと第2のトランスデューサとを接続すれば、第
1の静磁波フィルタで振幅制限を受けた主信号を含む信
号が第2の静磁波フィルタの出力トランスデューサに入
力される。第2の静磁波フィルタでは、振幅制限されな
い信号が出力トランスデューサから出力されるため、第
1の静磁波フィルタの出力信号と第2の静磁波フィルタ
の出力信号とが逆位相になるように接続しておけば、第
2の静磁波フィルタの出力トランスデューサにおいて、
ノイズが相殺され、主信号の振幅制限を受けた部分に相
当する信号が得られる。
【0012】第1の静磁波フィルタの後段および第2の
静磁波フィルタの前段に減衰器を配置したS/Nエンハ
ンサでは、第2の静磁波フィルタの入力信号から静磁波
への変換効率が低いため、第2の静磁波フィルタに振幅
の大きい信号を入力しても飽和せず、振幅制限を受けな
い。そのため、第2の減衰器の減衰量を大きくする必要
がなく、S/Nエンハンサ全体の挿入損を小さくするこ
とができる。
【0013】
【発明の効果】この発明によれば、減衰器を用いなくて
も、ノイズを減らすことができ、小型のS/Nエンハン
サを得ることができる。さらに、第1の静磁波フィルタ
と第2静磁波フィルタとを直接接続する場合、第2の静
磁波フィルタの出力トランスデューサにおいて2つの信
号が合成されるため、方向性結合器も省略することがで
きる。また、減衰器を用いる場合でも、減衰器の減衰量
を大きくする必要がなく、S/Nエンハンサ全体の挿入
損を小さくすることができる。
【0014】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施
の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0015】
【発明の実施の形態】図1はこの発明のS/Nエンハン
サの一例を示す図解図である。S/Nエンハンサ10
は、第1の方向性結合器12を含む。第1の方向性結合
器12の一方の出力端は、第1の静磁波フィルタ14の
入力端に接続される。また、第1の方向性結合器12の
他方の出力端は、第2の静磁波フィルタ16の入力端に
接続される。さらに、第1の静磁波フィルタ14の出力
端は第2の方向性結合器18の一方の入力端に接続さ
れ、第2の静磁波フィルタ16の出力端は第2の方向性
結合器18の他方の入力端に接続される。
【0016】第1の静磁波フィルタ14としては、入力
信号から静磁波への変換効率が高く、かつ静磁波から出
力信号への変換効率が低いものが用いられる。また、第
2の静磁波フィルタ16としては、入力信号から静磁波
への変換効率が低く、かつ静磁波から出力信号への変換
効率が高いものが用いられる。
【0017】入力側と出力側とで変換効率の異なる静磁
波フィルタとしては、たとえば図2および図3に示すよ
うに、フェリ磁性基体の形状を工夫したものがある。こ
の静磁波フィルタ100は、GGG(ガドリニウム,ガ
リウム,ガーネット)基板102を含む。GGG基板1
02上には、フェリ磁性基体としてのYIG(イットリ
ウム,アイアン,ガーネット)薄膜104が形成され
る。これらのGGG基板102およびYIG薄膜104
は、たとえば3角形状のように、一方側から他方側に向
かって幅が異なるように形成される。YIG薄膜104
上には、2つのトランスデューサ106,108が形成
される。一方のトランスデューサ106は、YIG薄膜
104の幅の広い部分に形成される。また、他方のトラ
ンスデューサ108は、YIG薄膜104の幅の狭い部
分に形成される。
【0018】このような静磁波フィルタ100では、Y
IG薄膜104の面に平行でかつトランスデューサ10
6,108に平行に、直流磁界H0 が印加される。そし
て、一方のトランスデューサ106に高周波信号を入力
すると、トランスデューサ106の周囲に高周波磁界が
発生する。この高周波磁界によって、YIG薄膜104
に表面静磁波(MSSW)が伝搬し、他方のトランスデ
ューサ108において高周波信号に変換される。このと
き、トランスデューサ106は、YIG薄膜104の幅
の広い部分に形成されているため、YIG薄膜104上
にあるトランスデューサ106が長く、信号から静磁波
への変換効率は高くなる。それに比べて、トランスデュ
ーサ108は、YIG薄膜104の幅が狭い部分に形成
されているため、YIG薄膜104上にあるトランスデ
ューサ108が短く、静磁波から信号への変換効率が低
くなる。逆に、トランスデューサ108を入力用として
用い、トランスデューサ106を出力側として用いれ
ば、入力側の変換効率が低く、出力側の変換効率が高い
静磁波フィルタとすることができる。
【0019】また、入力側と出力側とで変換効率の異な
る静磁波フィルタ100としては、図4および図5に示
すように、トランスデューサ108とYIG薄膜104
との間にスペーサ110を形成してもよい。この場合、
YIG薄膜とトランスデューサとの間隔が異なるため、
スペーサのない側の変換効率は高く、スペーサのある側
の変換効率は低くなる。さらに、図6および図7に示す
ように、一方のトランスデューサ106にマッチング回
路112を接続し、入力側と出力側とでマッチングのと
れ方が異なるようにして、変換効率に差をつけてもよ
い。
【0020】このS/Nエンハンサ10の第1の静磁波
フィルタ14および第2の静磁波フィルタ16として
は、上述のような静磁波フィルタが用いられる。このS
/Nエンハンサ10に、レベルが高い主信号とその主信
号に対して周波数が異なりかつレベルが低いノイズとを
含む入力信号が入力されると、第1の方向性結合器12
で分割され、第1の静磁波フィルタ14および第2の静
磁波フィルタ16に入力される。第1の静磁波フィルタ
14の入力側では、入力信号から静磁波への変換効率が
高いため、高レベルの主信号によって生じる静磁波は飽
和し、出力される信号は振幅制限を受けた信号となる。
ただし、低レベルのノイズは、振幅制限を受けない。な
お、第1の静磁波フィルタ14の出力側では、静磁波か
ら出力信号への変換効率が低いため、主信号およびノイ
ズは減衰されて出力される。
【0021】第2の静磁波フィルタ16では、入力信号
から静磁波への変換効率が低いため、高レベルの主信号
によって生じる静磁波が飽和せず、振幅制限を受けずに
出力される。もちろん、ノイズも振幅制限を受けない。
なお、第1の静磁波フィルタ14と第2の静磁波フィル
タ16とでは、入力側と出力側の変換効率が逆となって
いるが、全体としての減衰量は同じであるため、振幅制
限を受けていないノイズについては、第1の静磁波フィ
ルタ14および第2の静磁波フィルタ16から同レベル
の出力信号が得られる。しかしながら、主信号について
は、第1の静磁波フィルタ14で振幅制限を受けている
ため、第2の静磁波フィルタ16の出力信号のレベルの
ほうが大きい。
【0022】第1の静磁波フィルタ14および第2の静
磁波フィルタ16の出力信号は、第2の方向性結合器1
8において、逆位相となるようにして合成される。した
がって、2つの信号のノイズは相殺され、主信号につい
ては、第1の静磁波フィルタ14で振幅制限を受けた部
分に相当する信号が出力される。このように、第2の方
向性結合器18において、ノイズが相殺されるため、信
号のS/N比を改善することができる。
【0023】このS/Nエンハンサ10では、第1の静
磁波フィルタ14および第2の静磁波フィルタ16にお
いて、入力側と出力側の変換効率を変えることによっ
て、減衰の効果を得ることができる。そのため、従来の
S/Nエンハンサのように、減衰器を用いる必要がな
い。したがって、従来のようなチップ型抵抗を用いて減
衰器を形成したものに比べて、小型のS/Nエンハンサ
を得ることができる。
【0024】また、図8に示すように、第1の静磁波フ
ィルタ14の入力側のトランスデューサ106および第
2の静磁波フィルタ16の入力側のトランスデューサ1
08を接続し、第1の静磁波フィルタ14の出力側のト
ランスデューサ108および第2の静磁波フィルタ16
の出力側のトランスデューサ106を接続してもよい。
この場合、第1の静磁波フィルタ14の入力側のトラン
スデューサ106と第2の静磁波フィルタ16の入力側
のトランスデューサ108とは、互いに逆向きに信号が
流れるように接続される。そして、第1の静磁波フィル
タ14の出力側のトランスデューサ108と第2の静磁
波フィルタ16の出力側のトランスデューサ106と
は、互いに同じ方向に信号が流れるように接続される。
【0025】このS/Nエンハンサ10においても、第
1の静磁波フィルタ14としては、入力側の変換効率が
高く、出力側の変換効率が低いものが用いられる。ま
た、第2の静磁波フィルタ16としては、入力側の変換
効率が低く、出力側の変換効率が高いものが用いられ
る。このS/Nエンハンサ10においても、第1の静磁
波フィルタ14において、主信号が振幅制限を受け、ノ
イズは振幅制限を受けずに出力される。これらの信号
が、第2の静磁波フィルタ16の出力側のトランスデュ
ーサ106に入力される。
【0026】一方、第1の静磁波フィルタ14の入力側
のトランスデューサ106に入力されたのと同じ信号
が、第2の静磁波フィルタ16の入力側のトランスデュ
ーサ108に入力される。ここでは、入力側の変換効率
が低いため、主信号もノイズも振幅制限を受けない。こ
のとき、第1の静磁波フィルタ14と第2の静磁波フィ
ルタ16とでは、信号の流れる向きが逆であるため、第
2の静磁波フィルタ16には第1の静磁波フィルタ14
とは逆位相の静磁波が励振される。そのため、第2の静
磁波フィルタ16からは、第1の静磁波フィルタ14と
は逆位相の出力信号が得られる。第2の静磁波フィルタ
16の出力側のトランスデューサ106には、第1の静
磁波フィルタ14の出力信号が入力されているため、第
1の静磁波フィルタ14の出力信号と第2の静磁波フィ
ルタ16の出力信号とが、逆位相で合成される。
【0027】第1の静磁波フィルタ14および第2の静
磁波フィルタ16は、全体としてはほぼ同じ減衰量をも
っているため、それぞれの出力信号を逆位相で合成する
ことにより、ノイズは相殺される。しかしながら、第1
の静磁波フィルタ14の出力信号では、主信号が振幅制
限を受けているため、その振幅制限を受けた分に相当す
る信号がS/Nエンハンサ10の出力端から出力され
る。このように、ノイズが相殺されるため、信号のS/
N比を改善することができる。
【0028】このS/Nエンハンサ10では、2つの静
磁波フィルタを接続するだけでS/Nエンハンサを形成
することができ、減衰器も方向性結合器も不要である。
したがって、回路を簡単にすることができ、S/Nエン
ハンサの小型化が可能である。なお、第1の静磁波フィ
ルタ14と第2の静磁波フィルタ16の出力信号が逆位
相となるように合成されるためには、それぞれの入力側
のトランスデューサ106に同じ向きの信号が流れるよ
うに接続し、それぞれの出力側のトランスデューサ10
8に逆向きの信号が流れるように接続してもよい。
【0029】さらに、図9に示すS/Nエンハンサ10
では、第1の方向性結合器12の一方の出力信号が第1
の静磁波フィルタ14に入力され、第1の静磁波フィル
タ14の出力信号が第1の減衰器20を介して、第2の
方向性結合器18に入力される。また、第1の方向性結
合器12の他方の出力信号が第2の減衰器22に入力さ
れ、第2の減衰器22の出力信号が第2の静磁波フィル
タ16を介して、第2の方向性結合器18に入力され
る。
【0030】このS/Nエンハンサ10は、図11に示
す従来のS/Nエンハンサと同じ回路構成であるが、第
1の静磁波フィルタ14としては、入力側の変換効率が
高く出力側の変換効率が低いものが用いられている。ま
た、第2の静磁波フィルタ16としては、入力側の変換
効率が低く、出力側の変換効率が高いものが用いられて
いる。
【0031】このS/Nエンハンサ10では、従来のS
/Nエンハンサと同じ作用により、S/N比を改善する
ことができる。ただし、このS/Nエンハンサ10で
は、第1の静磁波フィルタ14として、入力側の変換効
率が出力側の変換効率より高いものを用いることによ
り、飽和特性を良好なものにしている。さらに、第2の
静磁波フィルタ16として、入力側の変換効率が低いも
のを用いているため、第2の静磁波フィルタ16に入力
される信号が大きくても、励振された静磁波が飽和せ
ず、主信号が振幅制限を受けない。したがって、第2の
減衰器22の減衰量を大きくする必要がなく、S/Nエ
ンハンサ10全体としての挿入損を小さくすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のS/Nエンハンサの一例を示す図解
図である。
【図2】この発明のS/Nエンハンサに用いられる静磁
波フィルタの一例を示す平面図解図である。
【図3】図2に示す静磁波フィルタの側面図解図であ
る。
【図4】この発明のS/Nエンハンサに用いられる静磁
波フィルタの他の例を示す平面図解図である。
【図5】図4に示す静磁波フィルタの側面図解図であ
る。
【図6】この発明のS/Nエンハンサに用いられる静磁
波フィルタのさらに他の例を示す平面図解図である。
【図7】図6に示す静磁波フィルタの側面図解図であ
る。
【図8】この発明のS/Nエンハンサの他の例を示す図
解図である。
【図9】この発明のS/Nエンハンサのさらに他の例を
示す図解図である。
【図10】従来のS/Nエンハンサの一例を示す図解図
である。
【図11】従来のS/Nエンハンサの他の例を示す図解
図である。
【符号の説明】
10 S/Nエンハンサ 12 第1の方向性結合器 14 第1の静磁波フィルタ 16 第2の静磁波フィルタ 18 第2の方向性結合器 20 第1の減衰器 22 第2の減衰器 100 静磁波フィルタ 102 GGG基板 104 YIG薄膜 106 トランスデューサ 108 トランスデューサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号中の主信号の振幅を制限するた
    めの第1の静磁波フィルタと、前記主信号を通過させる
    ための第2の静磁波フィルタとを含むS/Nエンハンサ
    であって、 前記第1の静磁波フィルタの入力信号から静磁波への変
    換効率を静磁波から出力信号への変換効率より高くし、 前記第2の静磁波フィルタの入力信号から静磁波への変
    換効率を静磁波から出力信号への変換効率より低くし
    た、S/Nエンハンサ。
  2. 【請求項2】 前記入力信号は分割されて前記第1の静
    磁波フィルタおよび前記第2の静磁波フィルタに入力さ
    れ、前記第1の静磁波フィルタの出力信号および前記第
    2の静磁波フィルタの出力信号が逆位相となるようにし
    て合成される、請求項1に記載のS/Nエンハンサ。
  3. 【請求項3】 前記第1の静磁波フィルタの入力トラン
    スデューサおよび前記第2の静磁波フィルタの入力トラ
    ンスデューサが接続されるとともに、前記第1の静磁波
    フィルタの出力トランスデューサおよび前記第2の静磁
    波フィルタの出力トランスデューサが接続され、かつ前
    記第1の静磁波フィルタの出力信号と前記第2の静磁波
    フィルタの出力信号とが逆位相で合成されるように接続
    された、請求項1に記載のS/Nエンハンサ。
  4. 【請求項4】 前記第1の静磁波フィルタの出力信号を
    減衰するための第1の減衰器と、前記入力信号を減衰し
    て前記第2の静磁波フィルタに入力するための第2の減
    衰器とを含み、前記第1の減衰器の出力信号と前記第2
    の静磁波フィルタの出力信号とが逆位相となるようにし
    て合成される、請求項1に記載のS/Nエンハンサ。
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