JPH08204214A - 太陽電池 - Google Patents

太陽電池

Info

Publication number
JPH08204214A
JPH08204214A JP7010803A JP1080395A JPH08204214A JP H08204214 A JPH08204214 A JP H08204214A JP 7010803 A JP7010803 A JP 7010803A JP 1080395 A JP1080395 A JP 1080395A JP H08204214 A JPH08204214 A JP H08204214A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diffusion layer
solar cell
type substrate
substrate
diffusion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7010803A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3206350B2 (ja
Inventor
Kyoichi Tange
恭一 丹下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP01080395A priority Critical patent/JP3206350B2/ja
Publication of JPH08204214A publication Critical patent/JPH08204214A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3206350B2 publication Critical patent/JP3206350B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/547Monocrystalline silicon PV cells

Abstract

(57)【要約】 【目的】 太陽電池の高出力電圧を得ると共に、光電変
化効率を上昇する。 【構成】 p型基板10の表面側にはn+拡散層12を
介し負極14が設けられるが、このp型基板10とn+
拡散層12の間にp+拡散層20が設けられる。そこ
で、この太陽電池のpn接合は、n+拡散層12とp+
拡散層20との間で形成され、p型基板10の不純物濃
度を小さくしても、拡散電圧を大きくすることができ
る。そこで、太陽電池の出力電圧を大きくすることがで
きる。そして、p型基板10の不純物濃度を小さくする
ことで、ここにおけるキャリアライフタイムを大きくで
き光電変換効率を上昇することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体のpn接合を利
用した太陽電池、特に変換効率が向上できる構成に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の太陽電池が知られてお
り、半導体技術の進歩に伴い、比較的安価、小型のもの
が開発され、各種の電源として広く利用されている。こ
の太陽電池においては、入射光をいかに効率よく電力に
変換するかということが重要な課題である。
【0003】このためには、光の入射によって生じたキ
ャリアの再結合を抑制することが必要である。すなわ
ち、光の入射によって、正負キャリア(正孔、電子)が
電離生成され、これがそれぞれp拡散層(正極)、n拡
散層(負極)に集められるが、このキャリア移動の過程
で再結合(オージェ再結合)によってキャリアが消滅す
ると、光電気変換効率が低下する。
【0004】そこで、特開平4ー27169号公報で
は、半導体基板における不純物濃度を低減することによ
って、キャリアの再結合を抑制している。すなわち、不
純物濃度を低減することによって、基板内部において再
結合中心となる結晶構造上の欠陥を少なくでき、キャリ
アの再結合を減少することができる。なお、特開平4ー
27169号公報では、ベース領域(基板領域)に電極
として機能するエミッタ、コレクタ領域を埋没して形成
し、ベース領域の不純物濃度を低く設定しても、電極間
の直列抵抗を小さくすることなどを特徴とするものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例で
は、基板の不純物濃度の低下に伴い、pn接合における
拡散電位が低下し、これにより出力電圧の低下を招くと
いう問題点があった。すなわち、太陽電池(ソーラーセ
ル)の起電力は、pn接合における拡散電位φにより大
きく影響を受け、出力電圧の増加のためには、拡散電位
φの増大が望まれる。
【0006】そして、この拡散電位φは、 φ=(kT/q)ln(NA ・ND /ni2 ) で表される。ここで、qは電子の電荷、kはボルツマン
定数、Tは絶対温度、NA はアクセプター濃度、ND は
ドナー濃度、niは真性キャリア濃度である。
【0007】これより、ソーラーセルにp型基板を用い
ると、拡散電位φは、p基板中の不純物濃度(アクセプ
ター濃度NA )およびn拡散層中の不純物濃度(ドナー
濃度ND )の対数に比例することが分かる。
【0008】そこで、発生したキャリアが移動する確率
の高いp型基板の不純物濃度(NA)を減少させて、そ
の分n拡散層の不純物濃度(ND )を増加させ、再結合
を低減しつつ拡散電位を高く維持することが考えられ
る。
【0009】しかし、実際に、n拡散層の不純物濃度N
D を従来の1×1019から1×1020cm-3に増加させ
ても出力電圧の増加は得られなかった。この理由は、不
純物濃度が1×1019cm-3が以上になると基板を構成
するシリコンのエネルギーバンドギャップが小さくな
り、結果として基板における真性キャリア濃度niが増
加すること、および不純物の拡散は通常熱拡散によって
行われるため、高濃度拡散において温度が上昇し結晶欠
陥が生じ、再結合が起こりやすくなること、にあると考
えられる。
【0010】このように、従来のソーラセルでは、キャ
リアの再結合を十分低減させつつ、十分な出力電圧を得
ることが難しかった。
【0011】本発明は、上記問題点を解決することを課
題としてなされたものであり、基板の不純物濃度を低下
させても、十分な拡散電位を得ることのできる太陽電池
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、p型基板に対
して、正極となるp拡散層と、負極となるn拡散層とを
形成した太陽電池において、前記n拡散層と前記p型基
板との間の全面にp型基板より高不純物濃度のp+拡散
層を介在させたことを特徴とする。
【0013】また、本発明は、n型基板に対して、正極
となるp拡散層と、負極となるn拡散層とを形成した太
陽電池において、前記p拡散層と前記n型基板との間の
全面にn型基板より高不純物濃度のn+拡散層を介在さ
せたことを特徴とする。
【0014】また、本発明は、p型基板に対して、正極
となるp拡散層と、負極となるn拡散層とを形成した太
陽電池において、p型基板の受光面の反対側である裏面
に正極となるp拡散層と、負極となるn拡散層とを形成
した第1の太陽電池部位と、p型基板の受光面側である
表面に負極となるn拡散層を形成し、裏面に正極となる
p拡散層とを形成した第2の太陽電池部位とを有し、少
なくとも前記第1の太陽電池部位のn拡散層と前記p型
基板との間の全面にp型基板より高不純物濃度のp+拡
散層を介在させたことを特徴とする。
【0015】
【作用】太陽電池における光電変換効率を上昇させるた
めには、p型基板の不純物濃度を低くすることによっ
て、ここにおける結晶欠陥を減少させ、オージェ再結合
を減少させてキャリアライフタイムを長くすることが必
要である。しかし、p型基板の不純物濃度を低くする
と、p型基板とn拡散層からなるpn接合における拡散
電圧が低くなる。そして、拡散電圧が低いと、太陽電池
の出力電圧も小さくなってしまう。
【0016】本発明によれば、負極として機能するn拡
散層とp型基板との間にp型基板より高不純物濃度のp
+拡散層を介在させている。そこで、n拡散層とp+拡
散層によりpn接合の拡散電圧を大きくでき、大きな出
力電圧を得ることができる。そして、p型基板自体の不
純物濃度は低く設定されるため、キャリアライフタイム
を向上することができる。従って、キャリアライフタイ
ムを大きく維持しつつ、大きな出力電圧を得ることがで
きる。
【0017】また、n型基板を使用した場合にも、n+
拡散層を追加することで拡散電位を上昇することがで
き、上述の場合と同様の作用効果が得られる。
【0018】また、太陽電池の光電変換効率を上昇する
ためには、受光面積を増大させることが好ましい。そこ
で、電極を裏面側に形成することが考えられる。また、
太陽光は、昼間は比較的短波長の光を多く含み、朝夕は
比較的長波長の光を多く含む。そして、短波長の光はp
型基板内の表層部で吸収され、キャリアを発生するが、
長波長の光はp型基板内の深い場所で吸収されキャリア
を発生する。
【0019】本発明では、第1の太陽電池部位におい
て、裏面側に電極として機能するn拡散層およびp拡散
層を配置している。従って、この第1の太陽電池部位で
は、受光面積を大きくできる。特に、この第1の太陽電
池部位においては、裏面側にのみ電極を設けたため、p
型基板の厚みを小さくし、電極へのキャリアの移動距離
を短くすることが好ましい。そして、この部分で昼間の
光を受光すれば、光の十分な吸収が図れ、効率的な光電
変換が行える。
【0020】一方、第2の太陽電池部位は、表面側のn
拡散層、裏面側にp拡散層を有している。そこで、p型
基板の厚みを厚くして、朝夕の光を吸収して、発生した
キャリアをn拡散層およびp拡散層に移動することがで
きる。
【0021】特に、本発明では、p+拡散層を設けたた
め、上述のように、拡散電圧を大きく維持したまま、p
型基板内部におけるキャリアライフタイムを長くするこ
とができ、光電変換効率を上昇することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
いて説明する。
【0023】「第1実施例」図1は、本発明の実施例の
基本的構成を示す図であり、不純物濃度の比較的少ない
高抵抗のp型基板10の表面側には、n+拡散層12を
介し負極14が設けられている。また、p型基板10の
裏面側には、p+拡散層16を介し正極18が設けられ
ている。そして、本実施例においては、n+拡散層12
とp型基板10の間に、p型基板10より高濃度で不純
物が拡散されたp+拡散層20が形成されている。
【0024】p型基板10は、シリコン単結晶で形成さ
れ、少量のボロン(B)が混入され、比抵抗が10〜1
00Ωcm程度に設定されている。そして、このp型基
板10へのn+拡散層12、負極14、p+拡散層1
6、正極18の形成は、通常熱拡散で行われる。p型の
不純物としては、ボロン(B)を用い、n型の不純物と
しては、リン(P)を用いるのが一般的である。また、
負極、正極14、18には、通常アルミ(Al)が利用
される。
【0025】そして、本実施例では、p型基板10の表
面部に、p+拡散層20をボロンの拡散によって形成す
る。このボロンの拡散は通常熱拡散によって行う。な
お、裏面側のp+拡散層16を表面側のp+拡散層20
と同時に形成してもよい。また、p+拡散層16の方が
p+拡散層20より高不純物濃度に設定される。
【0026】ここで、表面側のp+拡散層20は、表面
不純物濃度1×1017〜1×1019程度、深さ1〜3μ
m程度に形成する。また、n+拡散層12は、p+拡散
層20を形成した後、通常の不純物の導入によって形成
する。
【0027】このように、本実施例の太陽電池は、n+
拡散層12はp+拡散層20を介しp型基板10に接す
る。従って、pn接合におけるp側の不純物濃度NA
は、p+拡散層20のアクセプター濃度になり、p型基
板10における不純物濃度NAに比べ大きくなる。そこ
で、拡散電位φを大きくすることができ、太陽電池の出
力電圧を大きくすることができる。
【0028】また、本実施例では、アクセプター濃度N
A を大きくできるため、ドナー濃度ND を大きくする必
要がない。そこで、不純物濃度NA 、ND 共に1×10
19cm-3以下にすることができ、ここにおける再結合を
抑制することができる。そして、p基板10自体の不純
物濃度は、1×1015〜1×1016cm-3程度と低濃度
にできるため、p型基板10内部におけるキャリア(電
子)移動時におけるオージェ再結合を効果的に防止する
ことができる。特に、入射する太陽光のうち、短波長側
の光は、表面のn+拡散層12内でキャリアが発生する
が、波長が1120nm以上の長波長側の光は、p型基
板10内部や裏面側で吸収され、ここでキャリアが発生
する。このようにして発生した電子が表面の負極14へ
向けて移動する際には、p型基板10内を移動しなけれ
ばならず、p型基板10を高抵抗にすることによって、
オージェ再結合の発生確率を大きく減少することができ
る。例えば、基板を0.2〜10Ωcm程度の比較的低
抵抗の基板を用いると、ここにおけるキャリアのライフ
タイムは10μsec程度であるが、本実施例のように
10〜30Ωcm程度の高抵抗の基板を用いれば、キャ
リアライフタイムを数100〜1000μsec程度と
できる。これからもオージェ再結合を効果的に防止でき
ることが理解される。なお、p型基板10の比抵抗をこ
れ以上大きなものにすると、内部抵抗が増大し、ここで
の電圧降下が無視できなくなるため、p型基板10の比
抵抗は上述の程度が好ましい。
【0029】本実施例の太陽電池によって、従来より、
開放電圧(開放した状態で正負極間に得られる電圧)で
20〜30mV、短絡電流(正負極間を短絡して得られ
る電流)で1〜2mA/cm2 程度の上昇が得られた。
【0030】なお、上述の説明では、基板にp型基板1
0を用いたが、基板にn型基板を用いても同様の効果が
得られる。すなわち、n型シリコン基板を用いた場合に
は、表面にp+拡散層を介し正極を設け、裏面にn+拡
散層を介し負極を設けると共に、表面のp+拡散層とn
型基板の間にn+拡散層を挿入配置する。形成法として
は、n+拡散層を形成した後、その上にp+拡散層、正
極を形成する。
【0031】このように、p+拡散層と、n型基板の間
にn+拡散層を設けることによって、pn接合における
拡散電位を大きくすることができ、また基板自体は高抵
抗にできるため、オージェ再結合を防止して、効率よい
太陽電池を得ることができる。
【0032】また、上記説明では、太陽電池を1つのソ
ーラーセルとして説明したが、通常の場合、このような
構成のソーラーセルを50〜80セット程度設け、これ
らを接続して所望の出力を得ている。
【0033】さらに、本実施例では、高い出力電圧を確
保できるため、p型基板10(シリコンウエハ)の厚み
を増加することができる。これによって、入射光封じ込
め効果を増加することができ、より電流密度の高い太陽
電池(ソーラーセル)を得ることができる。従来の太陽
電池では、出力電圧を増加させるために、キャリア密度
を上げ、基板厚みを薄くしており、入射光の封じ込め効
果が小さく、光電変換効率を上昇することができなかっ
た。なお、キャリア密度と開放電圧Vocには、次のよう
な関係があることが知られている。
【0034】 Voc=(nkT/q)・ln{Jsc/J0 +1} 「第2実施例」上述の第1実施例は、非集光型の太陽電
池(ソーラーセル)に適用したものであるが、集光型の
太陽電池にもさらに好適に適用することができる。図2
は、この構成例を示したものであり、太陽電池100の
上方には、集光用の光学系200が設けられている。そ
して、光学系200で集光(例えば、100倍程度)し
た光が太陽電池100に照射される。
【0035】太陽電池100のp型基板10は、その中
央部が裏面側からトレンチ状に切り欠かれている。従っ
て、シリコン単結晶からなるp型基板10は、その中央
部10aが薄く、端部10bが厚く形成されている。そ
して、この切り欠かれた裏面部にp+拡散層22が形成
されている。このp+拡散層22には、正極18が接続
されると共に、このp+拡散層22内に設けられたn+
拡散層12を介し負極14が接続されている。このp+
拡散層22は、正極18とのコンタクトをとると共に、
n+拡散層12との間でpn接合を形成する。なお、p
型基板10の中央部10aの表面部は、ピラミッド状の
テクスチャー構造になっており、入射光の利用効率を上
昇できるようになっている。
【0036】また、本実施例のn+拡散層12は、p+
拡散層22内にポイント的に形成されている。この例で
は、20〜50μm角のn+拡散層12を100〜20
0μmピッチ(隣接するものとの間隔)で形成してい
る。
【0037】なお、この太陽電池100は、板状のシリ
コン基板の裏面側を切り欠いて上述のような形状とする
以外は、第1実施例と同様にして作製される。
【0038】このような太陽電池100に、光学系20
0を介し、太陽光が入射すると、中央部10aに昼間の
強い短波長の光が入射し、端部10bに朝夕の弱い長波
長の光が入射する。これは、朝夕の光が斜めから入射す
る確率が高く、また太陽電池の効率を考えれば、昼間の
強い光を受けるべく太陽電池100が配置されるからで
ある。なお、追尾装置を設け、態様を追尾した場合に
も、端部に長波長側の光が入射する傾向は変わらない。
そして、短波長の光は、p型基板10内の表層部で吸収
され、これによって生じた負のキャリア(電子)は、n
+拡散層12を介し負極14に取り出される。また、正
のキャリア(正孔)は、p+拡散層22を介し、正極1
8に取り出される。p型基板10の厚みが薄いため、キ
ャリアが効率よく取り出される。
【0039】一方、長波長の光は、p型基板10の端部
10bの比較的深い部分で吸収され、これが上述の場合
と同様に、正極18、負極14から取り出される。
【0040】このように、p型基板10の厚さを中央部
10aと端部10bとで変更したことで、より効率的な
光電変換効率を得ることができる。
【0041】また、本実施例の太陽電池100では、正
極18、負極14共に、裏面側に設けた。従って、表面
側から入射する光を、電極が遮ることがなく、光の入射
量を十分なものとできる。すなわち、集光型の太陽電池
では、集光度に比例して出力が大きくなる。そこで、取
り出し用の電極における抵抗が問題となり、電極面積を
増加したり、電極の厚みを大きくしてこの問題に対処し
ている。しかし、表面電極の面積を大きくするとそれだ
け受光面積が小さくなり、太陽電池の効率が落ちる。一
方、電極の厚みを大きくすると、通常の電極の形成に用
いるリソグラフィー処理(例えば、リフトオフ法)で形
成することができなくなってしまう。そこで、スクリー
ン印刷技術を用いて電極を形成することになるが、この
方法では十分微細なパターンを形成することができず、
有効受光面積を十分確保できないという問題がある。本
実施例では、電極を裏面に設けたため、有効受光面積を
100%にできる。また、正極18、負極14共に幅広
にできるため、リフトオフ法や一般の蒸着法が利用で
き、形成が簡単で、また容易に低抵抗化することができ
る。
【0042】そして、本実施例では、p型基板10の不
純物濃度を第1実施例と同様に低濃度とした高抵抗基板
(100〜500Ωcm程度)を用いている。このた
め、p型基板10内を通過する電子の再結合を抑制し、
光電変換効率を高めることができる。
【0043】また、トータルの再結合量を減少するため
には、照射光を吸収できる範囲で、p型基板10の厚み
をできるだけ薄くしたい。本実施例では、中央部10a
の厚みを50〜100μmとしている。さらに、端部1
0bの厚みは、単結晶シリコンウエハの製造の限界であ
る200〜300μmとしている。このように、端部1
0bの厚みを大きくすることによって、太陽電池100
の全体構成としての強度を十分なものとしている。特
に、通常のシリコンウエハをベースにして、プロセスを
構成できるため、厚みの大きい端部10bが補強にな
り、歩留まりの高いプロセスを達成することができる。
また、中央部10aの裏面が放熱用のフィンの役割を果
たすため、放熱効果の高い太陽電池(ソーラーセル)を
得ることができ、より低温で効率の良い動作が可能であ
る。
【0044】「第1、第2実施例の性能」表1に上記第
1、第2実施例の性能の一例を示す。集光度が100倍
(100SUN)で、温度を20℃に維持した場合の実
験結果である。比較例として、第2実施例と同様の構成
で、p+拡散層22を設けず、正極の近傍にのみコンタ
クト用のp+拡散層を設けたものを示す。これより、第
1および第2実施例の構成において、開放電圧Vocを上
昇できることが分かる。特に、第1実施例では、集光型
に適用した場合には、内部抵抗の上昇から短絡電流に十
分な値を得られないが、第2実施例では、短絡電流も増
加できることが理解される。
【0045】
【表1】 第1実施例 第2実施例相当 第2実施例 (p+拡散層なし) 開放電圧Voc(mV) 605 〜610 594 〜603 638〜650 短絡電流(mA/cm2 ) 0.61〜0.68 0.76 〜0.78 0.75 〜0.78 効率(%) 12.5 〜14.5 15.8 〜16.2 18.0 〜19.2 「第3実施例」本実施例では、図3に示すように中央部
10aの構成は、上述の第2実施例と同様であり、裏面
側にp+拡散層22が設けられ、このp+拡散層を介し
正極18が設けられると共に、p+拡散層22内に設け
られたn+拡散層12を介し負極14が設けられてい
る。一方、p型基板10の端部10bは、第1実施例と
同様の構成を有している。すなわち、端部10bの表面
部には、p+拡散層20、n+拡散層12を介し、負極
14が設けられている。また、p型基板10は高抵抗の
ものが採用されている。本実施例において、中央部10
aの幅は、5〜20mm程度、端部10bの幅は、2〜
5mm程度に設定され、これによって太陽電池の強度は
十分なものになる。なお、集光用の光学系200は、図
示を省略してある。
【0046】さらに、本実施例では、p+拡散層22
が、斜面部も含めて太陽電池の裏面側全面に位置されて
おり、かつ端部10bの裏面側の平坦部および斜面部に
比較的大面積の正極18が取り付けられている。なお、
本実施例は、第2実施例と同様に、集光型として好適に
利用される。
【0047】従って、昼間の短波長の光は、第2実施例
と同様に、中央部10aにおいて効率的に光電変換さ
れ、中央部10aの裏面側に設けられた正極18、負極
14から出力が得られる。
【0048】一方、朝夕の長波長の光は、第2実施例と
同様に、端部10bに入射する。この端部10bは、厚
いため、長波長の光を効果的に吸収し、ここに正負のキ
ャリアが生じる。そして、p基板10中の電界によっ
て、電子はp+拡散層20、n+拡散層12を介し、表
面に設けられた負極14に至る。一方、正孔は、p+拡
散層22を介し、正極18に至る。この端部10bにお
けるキャリアの移動距離は、比較的長いが、p型基板1
0の不純物濃度が低く設定されているため、キャリアラ
イフタイムが長く、特に朝夕の太陽光について効率よい
光電変換が行える。なお、本実施例においても、上述の
実施例と同様に、p+拡散層の存在によってpn接合の
拡散電圧を大きなものとしながら、キャリアライフタイ
ムを大きくでき、効率的な光電変換が行える。
【0049】図4に、第2、第3実施例の太陽電池にお
ける時刻に応じた出力特性を示す。このように、第3実
施例により、朝夕の出力を改善することができる。な
お、この例は、集光度20SUN(20倍集光)、冷却
装置により25℃温度調節、機械的追尾装置付という条
件での実験結果である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
負極として機能するn拡散層とp型基板との間にp型基
板より高不純物濃度のp+拡散層を介在させている。そ
こで、n拡散層とp+拡散層によりpn接合の拡散電圧
を大きくでき、大きな出力電圧を得ることができる。そ
して、p型基板自体の不純物濃度は低く設定されるた
め、キャリアライフタイムを向上することができる。従
って、キャリアライフタイムを大きく維持しつつ、大き
な出力電圧を得ることができる。
【0051】また、n型基板を使用した場合にも、n+
拡散層を追加することで拡散電位を上昇することがで
き、上述の場合と同様の作用効果が得られる。
【0052】また、本発明では、第1の太陽電池部位に
おいて、裏面側に電極として機能するn拡散層およびp
拡散層を配置している。従って、この第1の太陽電池部
位では、受光面積を大きくできる。特に、この第1の太
陽電池部位においては、裏面側にのみ電極を設けたた
め、p型基板の厚みを小さくし、電極へのキャリアの移
動距離を短くすることが好ましい。そして、この部分で
昼間の光を受光すれば、光の十分な吸収が図れ、効率的
な光電変換が行える。一方、第2の太陽電池部位は、表
面側のn拡散層、裏面側にp拡散層を有している。そこ
で、p型基板の厚みを厚くして、朝夕の光を吸収して、
発生したキャリアをn拡散層およびp拡散層に移動する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の構成を示す図である。
【図2】 第2実施例の構成を示す図である。
【図3】 第3実施例の構成を示す図である。
【図4】 第2、第3実施例の出力を示す特性図であ
る。
【符号の説明】
10 p型基板、12 n+拡散層、14 負極、16
p+拡散層、18正極、20,22 p+拡散層。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型基板に対して、正極となるp拡散層
    と、負極となるn拡散層とを形成した太陽電池におい
    て、 前記n拡散層と前記p型基板との間の全面にp型基板よ
    り高不純物濃度のp+拡散層を介在させたことを特徴と
    する太陽電池。
  2. 【請求項2】 n型基板に対して、正極となるp拡散層
    と、負極となるn拡散層とを形成した太陽電池におい
    て、 前記p拡散層と前記n型基板との間の全面にn型基板よ
    り高不純物濃度のn+拡散層を介在させたことを特徴と
    する太陽電池。
  3. 【請求項3】 p型基板に対して、正極となるp拡散層
    と、負極となるn拡散層とを形成した太陽電池におい
    て、 p型基板の受光面の反対側である裏面に正極となるp拡
    散層と、負極となるn拡散層とを形成した第1の太陽電
    池部位と、 p型基板の受光面側である表面に負極となるn拡散層を
    形成し、裏面に正極となるp拡散層とを形成した第2の
    太陽電池部位とを有し、 少なくとも前記第1の太陽電池部位のn拡散層と前記p
    型基板との間の全面にp型基板より高不純物濃度のp+
    拡散層を介在させたことを特徴とする太陽電池。
JP01080395A 1995-01-26 1995-01-26 太陽電池 Expired - Fee Related JP3206350B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01080395A JP3206350B2 (ja) 1995-01-26 1995-01-26 太陽電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01080395A JP3206350B2 (ja) 1995-01-26 1995-01-26 太陽電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08204214A true JPH08204214A (ja) 1996-08-09
JP3206350B2 JP3206350B2 (ja) 2001-09-10

Family

ID=11760506

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01080395A Expired - Fee Related JP3206350B2 (ja) 1995-01-26 1995-01-26 太陽電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3206350B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1117201A (ja) * 1997-04-28 1999-01-22 Sharp Corp 太陽電池セルおよびその製造方法
JP2013069760A (ja) * 2011-09-21 2013-04-18 Shin Etsu Chem Co Ltd 太陽電池および太陽電池の製造方法
WO2015098426A1 (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 久保 征治 太陽電池及びその製造方法
JP2015135988A (ja) * 2015-03-25 2015-07-27 信越化学工業株式会社 太陽電池および太陽電池の製造方法
US20180040747A1 (en) * 2016-08-08 2018-02-08 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Solar cell and method for manufacturing solar cell

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2369941C2 (ru) 2007-08-01 2009-10-10 Броня Цой Преобразователь электромагнитного излучения (варианты)
EA017920B1 (ru) 2008-05-20 2013-04-30 Цой Броня Преобразователь электромагнитного излучения и батарея

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1117201A (ja) * 1997-04-28 1999-01-22 Sharp Corp 太陽電池セルおよびその製造方法
JP2013069760A (ja) * 2011-09-21 2013-04-18 Shin Etsu Chem Co Ltd 太陽電池および太陽電池の製造方法
WO2015098426A1 (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 久保 征治 太陽電池及びその製造方法
CN105981178A (zh) * 2013-12-24 2016-09-28 久保征治 太阳能电池及其制造方法
JP2015135988A (ja) * 2015-03-25 2015-07-27 信越化学工業株式会社 太陽電池および太陽電池の製造方法
US20180040747A1 (en) * 2016-08-08 2018-02-08 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Solar cell and method for manufacturing solar cell
US10872986B2 (en) * 2016-08-08 2020-12-22 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Solar cell and method for manufacturing solar cell

Also Published As

Publication number Publication date
JP3206350B2 (ja) 2001-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Green et al. Very high efficiency silicon solar cells-science and technology
US6743974B2 (en) Silicon solar cell with germanium backside solar cell
KR101000064B1 (ko) 이종접합 태양전지 및 그 제조방법
JP3490964B2 (ja) 光起電力装置
JP3468670B2 (ja) 太陽電池セルおよびその製造方法
KR101052030B1 (ko) 전자기 방사 컨버터
JPH10117004A (ja) 集光型太陽電池素子
JP2006173381A (ja) 光起電力素子
JPH08330611A (ja) シリコン太陽電池セルとその製造方法
KR102547804B1 (ko) 양면 수광형 실리콘 태양전지 및 그 제조 방법
RU2377695C1 (ru) Полупроводниковый фотопреобразователь и способ его изготовления
JP3206350B2 (ja) 太陽電池
KR101179365B1 (ko) 전후면전계 태양전지 및 그 제조방법
KR101543767B1 (ko) 태양전지의 선택적 에미터 형성방법, 및 태양전지와 그 제조방법
US4160678A (en) Heterojunction solar cell
JPH0513543B2 (ja)
JPS6111475B2 (ja)
JP2023033940A (ja) 太陽電池セルおよび太陽電池
JP3303577B2 (ja) 太陽電池
JPH0427169A (ja) 太陽電池
JP3206339B2 (ja) 太陽電池
JP2001077389A (ja) 集光式太陽光発電装置
CN210403742U (zh) 一种局域发射极同质结晶体硅双面太阳电池结构
CN220692036U (zh) 一种具有局部pn结的n型接触钝化电池
JP2000332268A (ja) 薄膜多結晶シリコン、それを用いた太陽電池及び薄膜多結晶シリコンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees