JP3303577B2 - 太陽電池 - Google Patents

太陽電池

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JP3303577B2
JP3303577B2 JP01461595A JP1461595A JP3303577B2 JP 3303577 B2 JP3303577 B2 JP 3303577B2 JP 01461595 A JP01461595 A JP 01461595A JP 1461595 A JP1461595 A JP 1461595A JP 3303577 B2 JP3303577 B2 JP 3303577B2
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light
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solar cell
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体のpn接合を利
用した太陽電池、特に変換効率が向上できる構成に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の太陽電池が知られてお
り、半導体技術の進歩に伴い、比較的安価、小型のもの
が開発され、各種装置の電源として広く利用されてい
る。この太陽電池においては、いかにして多くの入射光
を得るか、入射光をいかに効率よく電力に変換するかと
いうことが重要な課題である。
【0003】まず、入射光量を多くするためには、表面
(光が入射してくる受光面)に光の入射を遮るものを配
置しないことが考えられる。そこで、電極をすべて裏面
側に設け、受光面積を大きくすることが好ましい。次
に、光の入射によって発生した正負キャリア(正孔およ
び電子)が電極に移動する過程で再結合(発生したキャ
リアが結晶欠陥において他極性のキャリアと結合してし
まい消滅するいわゆるオージェ再結合)を起こさないよ
うに、電極までの距離を小さくすることが考えられる。
そこで、基板を薄肉構造にすることが好ましい。
【0004】特開平3−165578号公報では、電極
を裏面側に設けると共に、基板を薄肉構造とすることが
示されている。特に、この特開平3−165578号公
報の装置では、基板に薄肉部と厚肉部を設けることによ
って、基板の全体としての強度の低下を防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、太陽光には、
広範囲の波長の光が含まれている。このため、なるべく
広範囲の波長の光を吸収して電力に変換することが望ま
しい。従来の太陽電池では、一般にエネルギーの大きな
短波長側の光を光電変換することを目的としており、長
波長側の光も効率的に光電変換することは考えられてい
なかった。
【0006】長波長側の光は、エネルギーレベルが低い
ため、バンドギャップの低い基板が望ましい。そして、
バンドギャップを低くするためには、不純物濃度を増加
することになる。しかし、基板の不純物濃度を高くする
と、基板中の結晶欠陥が増加しキャリアの再結合が増加
し、効率が低下してしまう。そこで、基板中の不純物濃
度はそれほど低くすることができず、結局長波長側の光
を十分に光電変換できないという問題点があった。
【0007】本発明は、短波長側のみならず長波長側の
光について効率よく光電変換することができる太陽電池
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、p型基板に対
して、正極となるp拡散層と、負極となるn拡散層とを
形成した太陽電池において、前記p型基板は、薄肉部と
厚肉部とを有し、薄肉部の裏面側には前記p拡散層が形
成され、厚肉部の裏面側には前記p拡散層より不純物濃
度の高い高濃度p拡散層が構成され、この高濃度p拡散
層において前記p拡散層よりも長波長の光が光電変換さ
れることを特徴とする。
【0009】また、本発明は、p型基板に対して、正極
となるp拡散層と、負極となるn拡散層とを形成した太
陽電池において、前記p型基板は薄肉部と厚肉部を有
し、薄肉部の裏面側には前記p拡散層と前記n拡散層と
が形成され、厚肉部の裏面側には前記p拡散層より不純
物濃度の高い高濃度p拡散層と、前記n拡散層より不純
物濃度が高い高濃度n拡散層とが形成されていることを
特徴とする。
【0010】また、本発明は、前記p型基板の薄肉部は
高抵抗基板で形成され、厚肉部は表面側に設けられ薄肉
部を形成する高抵抗基板を延長して形成された高抵抗部
分と、この高抵抗部分の裏面側に接合された低抵抗基板
を含むことを特徴とする。
【0011】
【作用】一般的に長波長の光は、基板の深い場所で吸収
される。そして、長波長の光は、そのエネルギーが小さ
い。このため、通常の高抵抗(低不純物濃度)のシリコ
ン基板であれば、1120nm以上の長波長の光では、
そのエネルギーがバンドギャップ以下であり、正負キャ
リアが発生しない。
【0012】ところが、本発明によれば、厚肉部の裏面
側に高濃度p拡散層を有している。そこで、ここでのバ
ンドギャップが小さくなっており、今まで利用できなか
った長波長の光によっても正負キャリアが発生し、効果
的な光電変換が行われる。
【0013】また、次の発明によれば、厚肉部の裏面側
に高濃度p拡散層の他に、高濃度n拡散層を有してい
る。従って、この高濃度n拡散層においてもバンドギャ
ップが小さくなり、ここで正負キャリアが発生する。そ
して、高濃度p拡散層と高濃度n拡散層は共に厚肉部の
裏面側にあるため、両者の距離は小さく、キャリアの移
動距離を小さくでき、再結合によるキャリアの消滅を減
少してさらに効果的な光電変換を行うことができる。
【0014】さらに次の発明によれば、厚肉部が高抵抗
基板と低抵抗基板の接合によって構成されている。そし
て、低抵抗基板により、高濃度p拡散層を形成する。低
抵抗基板は、その基板の形成段階で、不純物を含ませら
れるため、高濃度のp拡散層と同様の不純物濃度であっ
ても比較的欠陥を少なくして、この領域の厚さを大きく
できる。そこで、長波長の光をより多く、光電変換する
ことができ、また再結合を抑制することができる。従っ
て、さらに効率的な光電変換を行うことができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
いて説明する。
【0016】「第1実施例」図1は、第1実施例の構成
を示す図であり、太陽電池の1つのソーラーセルを構成
している。通常の太陽電池は、このようなソーラーセル
を複数(例えば、50〜80)設け、これらを適宜接続
して、所望の出力を得る。
【0017】図1に示すように、p型基板1は、その裏
面側の中央部が裏面側から見てV溝状に切り欠かれ、中
央部の薄肉部1aと、周辺部の厚肉部1bとから形成さ
れている。そして、p型基板1の表面の薄肉部1aより
やや広めの領域は、ピラミッド型のテクスチャー構造3
となっており、このテクスチャー構造3の表層部に電子
を収集するn+拡散層2が形成されている。また、薄肉
部1aの裏面側には正孔を収集するp+拡散層4が形成
されている。そして、表面側のn+拡散層2の周辺部上
には、負極5が設けられ、裏面側のp+拡散層4上に
は、正極6が設けられている。
【0018】そして、本実施例においては、厚肉部の裏
面側表面部に、p++拡散層11が設けられ、このp+
+拡散層11の上に正極12が設けられている。
【0019】なお、p型基板1はシリコン単結晶によっ
て形成されており、p型の不純物としては、ボロン
(B)、アルミ等が用いられ、n型の不純物としてはリ
ン(P)が用いられる。また、この不純物の拡散には、
通常熱拡散が利用される。負極5、正極6は、通常アル
ミで形成され、フォトリソグラフやスクリーン印刷法等
によって、パターニングされる。なお、アルミ電極の形
成によって、p型の不純物拡散を行ってもよい。さら
に、p型基板1の裏面側のV溝は、シリコン基板に対し
て用いられる通常のエッチング(湿式でも乾式でもよ
い)が用いられる。
【0020】また、p型基板1は、不純物濃度が1×1
15〜1×1016cm-3程度と低く、比抵抗が10〜3
0Ωcm程度と比較的高抵抗(高キャリアライフタイム
数100〜1000μsec程度)のものが用いられ
る。また、トータルの再結合量を減少するためには、照
射光を吸収できる範囲で、p型基板1の厚みをできるだ
け薄くしたい。本実施例では、薄肉部1aの厚みを50
〜100μmとしている。さらに、厚肉部1bの厚み
は、単結晶シリコンウエハの製造の限界である200〜
300μmとしている。このように、厚肉部1bの厚み
を大きくすることによって、太陽電池の全体構成として
の強度を十分なものとしている。特に、通常のシリコン
ウエハをベースにして、プロセスを構成するため、この
際に厚みの大きい厚肉部1bが補強になり、歩留まりの
高いプロセスを達成することができる。また、薄肉部1
aの裏面が放熱用のフィンの役割を果たすため、放熱効
果の高い太陽電池(ソーラーセル)を得ることができ、
より低温で効率の良い動作が可能となる。
【0021】そして、本実施例では、p++拡散層11
は、表面不純物濃度が1×1020cm-3以上となるよう
に、比較的高濃度とし、その深さを5〜20μmとして
いる。一方、p+拡散層4は、表面不純物濃度が1×1
18〜1×1019cm-3程度、深さ1〜3μm程度に形
成される。
【0022】このような太陽電池において、表面側から
光が入射すると、p型基板1内で正負キャリアが発生
し、p型基板1内の電界に応じて、電子がn+拡散層
2、正孔がp+拡散層4およびp++拡散層11に至
り、負極5と、正極6、12から出力が得られる。
【0023】ここで、図2に示されるように、p型基板
1内で吸収される光は、その波長に応じて吸収される深
さが異なる。すなわち、短波長側の光は浅いところで吸
収され、長波長側の光は深いところで吸収される。本実
施例では、薄肉部1aで短波長側の光が吸収され、厚肉
部1bで長波長側の光が吸収されることになる。
【0024】また、本実施例の太陽電池は、特に集光型
のソーラーセルに好適であり、この場合には、セルの上
方に集光レンズが設けられる。そして、集光レンズに入
射した光が例えば100倍程度に集光されてセルに照射
される。ここで、昼間の光は比較的短波長が多く、朝夕
の光は長波長が多いことが知られている。そして、太陽
電池を太陽に向くように太陽電池の表面の向きを追従さ
せたとしても、正面から入射してくる光は短波長の光を
多く含み、長波長の光は斜めから入射してくる確率が高
くなる。従って、これを集光した場合に、セルの周辺部
分に長波長側の光が多く入射し、中央部に短波長側の光
が多く入射することになる。
【0025】本実施例では、中央側に薄肉部1a、周辺
側に厚肉部1bを配置しているため、短波長側の光を薄
肉部1a、長波長側の光を厚肉部で受入れ、効果的に吸
収することができる。そして、薄肉部1aで吸収された
光により正負キャリアが発生し、電子がn+拡散層2、
正孔がp+拡散層4に収集される。
【0026】p型基板1は、低不純物濃度であり、再結
合が少なく、また薄肉部1aでは、キャリアの移動距離
が少なくてよいため、オージェ再結合を防止できる。そ
して、厚みが小さいため、内部抵抗を小さく保って効果
的な光電変換が行われる。
【0027】一方、厚肉部1bには、長波長側の光が入
射する。そこで、p型基板1のかなり深いところで吸収
され、正負キャリアが発生する。ここで、厚肉部1bの
裏面側には、5〜20μmの厚みで、p++拡散層11
が形成されている。そして、正負キャリアの多くは、こ
のp++拡散層11において発生する。
【0028】また、シリコン結晶におけるバンドギャッ
プは、ここに含まれる不純物濃度によって変化する。す
なわち、図3、4に示すように、不純物濃度が高くなる
と、バンドギャップが小さくなる。図3は、n型の不純
物(ドナー)濃度とバンドギャップの低下(縮小)の関
係を示したものであり、図4はp型の不純物(アクセプ
ター)濃度とバンドギャップの低下(縮小)の関係を示
したものである。p型基板1の場合、図4に示すように
アクセプター濃度(ボロン、アルミ等の不純物の濃度に
比例するキャリア濃度)が大きくなるに従って、バンド
ギャップが小さくなる。
【0029】このため、正負キャリアの電離を起こさせ
るために必要なエネルギーがp++拡散層11において
は、小さくなり、長波長の光によっても、正負キャリア
が生じることになる。すなわち、p型基板1内では11
20nm以下の光しか電離を起こすことができなかった
のに対し、p++拡散層11内では、これ以上の長波長
の光によっても電離によるキャリア発生が起こる。
【0030】本実施例の構造を用い、分光感度特性を調
べた結果を図5に示す。このように、本実施例の太陽電
池により、長波長側の光の吸収が大きくなっていること
が理解される。なお、分光感度は、単位出力当りに換算
した出力電流(短絡電流(A/W))を示している。
【0031】このように、本実施例によれば、p型基板
1に比べ高不純物濃度のp++拡散層11を厚肉部1b
の裏面側に設けたためここにおいて、長波長側の光を吸
収し、光電変換を行うことができる。特に、厚肉部1b
は、セルの周辺部分に配置されており、集光型の太陽電
池では、周辺部に朝夕の長波長の光が入射しやすいた
め、本実施例により、非常に効果的な光電変換が行え
る。
【0032】さらに、昼間の短波長の光は、中央部分の
薄肉部1aに入射し、ここで光電変換される。薄肉部1
aでは、キャリアの移動距離は短く、かつp型基板1の
不純物濃度は比較的小さいため、ここでのキャリアのオ
ージェ再結合は少なく(キャリアライフタイムが大き
い)、効率的に光電変換が行われる。また、セルの中央
部分の表面はテクスチャー構造3となっており、ここに
おいて光の封じ込め効果が高く、さらに負極5は、この
テクスチャー構造3の周辺に設けられているため、ここ
における受光の妨げにならない。また、厚肉部1bに光
が入射し、比較的浅い部分でキャリアが生じた場合に
も、その部分は、低不純物濃度であり、キャリアライフ
タイムが大きいため、効率的な光電変換が行われる。
【0033】「第2実施例」図6に、第2実施例の構成
を示す。この実施例では、裏面から形成するV溝の数が
3つと第1実施例に比べ多くなっている。そして、各薄
肉部1aの裏面側にp+拡散層4が設けられ、各厚肉部
1bの裏面側にp++拡散層11が設けられている。こ
れによって、n+拡散層2中における正孔の移動距離を
低減することができ、ここにおけるキャリアの再結合を
防止して光電変換効率を上昇することができる。
【0034】「第3実施例」図7に、第3実施例の構成
を示す。この実施例では正負電極をすべて裏面側に配置
していると共に、n++拡散層を設けている。すなわ
ち、中央部の裏面側に設けら得たV溝の頂部(薄肉部1
aの裏面側)には、p+拡散層4と、n+拡散層2が並
んで設けられている。そして、これらp+拡散層4,n
+拡散層2上に正極6、負極5がそれぞれ設けられてい
る。
【0035】そして、厚肉部1bの裏面側には、p++
拡散層11を介し正極12が設けられていると共に、n
++拡散層13を介し負極14が設けられている。この
n++拡散層14は、例えばPOCl3 ソースを用いた
リン(P)の拡散によって形成し、表面不純物濃度5×
1019〜2×1020cm-3程度、深さ1〜3μm程度と
する。なお、n+拡散層2は、表面不純物濃度5×10
18〜3×1019cm-3、深さ0.3〜0.5μm程度と
する。
【0036】このように、本実施例では、裏面側にn+
+拡散層14を設けている。このようなn型の不純物を
高濃度に含む領域においては、図3に示すようにバンド
ギャップが小さい。このため、ここにおいて、長波長側
の光を効率的に吸収し、キャリアが発生される。そし
て、n++拡散層13で発生した正孔は、隣のp++拡
散層11に移動すればよく、反対にp++拡散層11で
発生した電子は、隣のn++拡散層13に移動すればよ
い。従って、従来表面のn+拡散層2まで(数10〜数
100μm)移動していた電子が、隣のn++拡散層1
3まで移動すればよくなり、キャリアの移動距離が小さ
くなる。そこで、キャリア再結合の可能性を低くして光
電変換効率を上昇することができる。また、電極がすべ
て裏面側に配置されるため受光面積を大きくすることが
できるという効果も得られる。なお、n++拡散層1
3、p++拡散層11の深さを大きくすると、それだけ
長波長側の光の吸収を多くできるが、ここにおけるオー
ジェ再結合の発生確率が大きくなってしまう。
【0037】さらに、図8に示すように、V溝を2カ所
(2以上でもよい)形成し、薄肉部1aの裏面側にn+
拡散層1と、p+拡散層4を交互に設け、また厚肉部1
bの裏面側にn++拡散層13と、p++拡散層11を
交互に設けるとよい。このようにして、太陽電池全体と
しての光電変換効率を上昇することができる。
【0038】「第4実施例」図9に、第4実施例の要部
構成を示す。この第4実施例は、上述の第3実施例と全
体構成は同一であるが、n++拡散層13がp++拡散
層11内に設けられている。すなわち、p++拡散層1
1は、厚肉部1bの裏面側全体に形成され、その内部に
n++拡散層13が設けられている。このような構成に
すると、p++拡散層11とn++拡散層13とでpn
接合が形成される。従って、ここにおける拡散電位を大
きくでき、これによって正極12、負極14間に得られ
る出力電圧を大きくできる。すなわち、n++拡散層1
3が、p型基板と接している上述の第3実施例では、p
n接合はp型基板1とn++拡散層13で形成されてお
り、p型基板におけるアクセプター濃度が小さいことに
起因して、拡散電位が小さくなってしまう。本実施例で
は、p型基板1における不純物濃度は低いままに維持し
て、ここにおけるオージェ再結合を防止しつつ、拡散電
位を大きくすることができる。
【0039】「第1、第3実施例の効果」表1に、第1
および第3実施例によるソーラーセルの特性を示す。p
++拡散層11、n++拡散層13の付加により、従来
例に比べソーラーセルの特性を大幅に向上できることが
理解される。
【0040】
【表1】 従来 第1実施例 第3実施例 短絡電流(mA/cm2 ) 32〜34 35〜37 36〜39 効率 (%) 15〜16 17〜18 18〜19 ここで、この例では、集光レンズを用い20倍に集光し
ており、また、短絡電流はレンズ面積を受光面積として
計算している。
【0041】「第5実施例」図10に、第5実施例の構
成を示す。このように、この実施例では、第4実施例に
おけるp++拡散層11に相当する部分として別の高不
純物濃度の低抵抗p型基板21を用い、この低抵抗p型
基板21を高抵抗のp型基板1に貼り付けた構成を有し
ている。そして、低抵抗p型基板21内の裏面部にn+
+拡散層13を設けると共に、このn++拡散層13上
に負極14を設けている。
【0042】この構成によって、高不純物濃度の部分を
大幅に大きくとることができる。このため、この低抵抗
p型基板21内において、長波長の光を吸収して、キャ
リアを発生することができ、より多くの長波長の光を光
電変換することができる。
【0043】通常、貼り合わせ部は、欠陥密度が高く、
この貼り合わせ部分をキャリアが通過すると、ここにお
いてそのほとんどが再結合によって消滅してしまう。し
かし、本実施例の構成によれば、p型基板1内で生成さ
れた正負キャリアは、それぞれp+拡散層4、n+拡散
層2へ移動する。一方、p型基板21内で生成された正
負キャリアはそれぞれn++拡散層13、p++拡散層
11に移動する。従って、通常の場合、発生したキャリ
アが貼り合わせ部を通過することはなく、キャリアの再
結合は余り生じない。そこで、長波長側の光をより多く
吸収したことの効果によって全体として光電変換効率を
上昇することができる。
【0044】この実施例のソーラーセルは、次のようし
て形成する。まず、高抵抗のp型基板1は、予め100
〜200μm程度にスライスとエッチングによって形成
しておく。一方、不純物濃度が高い低抵抗のp型基板2
1も別に作製しておく。この厚みは、100〜300μ
m程度にする。そして、ミラー処理によって貼り合わせ
面を十分平滑なものとした後、貼り合わせ表面に水分子
を吸着させ、熱処理することによって、両者を完全に一
体化する。貼り合わせた後の基板の全体の厚みは200
〜400μm程度が好適である。
【0045】本実施例によれば、上述の実施例におい
て、10〜20μm程度しかとれなかったp++拡散層
11に比べ、バンドギャップの小さい層の厚みを大幅に
増加することができる。そこで、長波長の光をより確実
に吸収することができ、太陽電池全体としての光電変換
効率を上昇することができる。
【0046】また、後から拡散により形成したp++拡
散層11に比べ、低抵抗p型基板21の方が高品質の結
晶を得ることができる。このため、同一の不純物濃度で
あっても結晶欠陥は少なく、キャリアライフタイムが長
くなり、この部分におけるオージェ再結合を大幅に減少
できる。
【0047】そして、本実施例により、上述の第4実施
例に比べ、短絡電流を0.3〜1mA程度大きくするこ
とができるようになった。
【0048】また、本実施例によれば、p型基板21の
全体に不純物を拡散させる。このため、その深さに応じ
て不純物濃度を変更することも容易である。そこで、表
面からの距離に応じて徐々に不純物濃度を変更するよう
にして、常に必要最低限の不純物濃度として、キャリア
ライフタイムを最大限にしてもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
厚肉部の裏面側に高濃度p拡散層を有している。そこ
で、ここでのバンドギャップが小さくなっており、今ま
で利用できなかった長波長の光によっても正負キャリア
が発生し、効果的な光電変換が行われる。
【0050】また、次の発明によれば、厚肉部の裏面側
に高濃度p拡散層の他に、高濃度n拡散層を有してい
る。従って、この高濃度n拡散層においてもバンドギャ
ップが小さくなり、ここで正負キャリアが発生する。そ
して、高濃度p拡散層と高濃度n拡散層は共に厚肉部の
裏面側にあるため、両者の距離は小さく、キャリアの移
動距離を小さくでき、再結合によるキャリアの消滅を減
少してさらに効果的な光電変換を行うことができる。
【0051】さらに次の発明によれば、厚肉部が高抵抗
基板と低抵抗基板の接合によって構成されている。そし
て、低抵抗基板により、高濃度p拡散層を形成する。低
抵抗基板は、その基板形成の段階で、不純物を含ませら
れるため、高濃度のp拡散層と同様の不純物濃度であっ
ても比較的欠陥を少なくして、この領域の厚さを大きく
できる。そこで、長波長の光をより多く、光電変換する
ことができ、また再結合を抑制することができる。従っ
て、さらに効率的な光電変換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の構成を示す図である。
【図2】 光の波長に応じた光の吸収率と吸収される表
面からの深さの関係を示す特性図である。
【図3】 ドナー濃度とバンドギャップの低下の関係を
示す特性図である。
【図4】 アクセプター濃度とバンドギャップの低下の
関係を示す特性図である。
【図5】 実施例の分光感度特性を示す図である。
【図6】 第2実施例の構成を示す図である。
【図7】 第3実施例の構成を示す図である。
【図8】 同実施例の一構成例を示す斜視図である。
【図9】 第4実施例の構成を示す図である。
【図10】 第5実施例の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 p型基板、2 n+拡散層、3 テクスチャー構
造、4 p+拡散層、5 負極、 6 正極、11 p
++拡散層、12 正極、13 n++拡散層、14
負極。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型基板に対して、正極となるp拡散層
    と、負極となるn拡散層とを形成した太陽電池におい
    て、 前記p型基板は、薄肉部と厚肉部とを有し、 薄肉部の裏面側には前記p拡散層が形成され、 厚肉部の裏面側には前記p拡散層より不純物濃度の高い
    高濃度p拡散層が構成され、この高濃度p拡散層におい
    て前記p拡散層よりも長波長の光が光電変換されること
    を特徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 p型基板に対して、正極となるp拡散層
    と、負極となるn拡散層とを形成した太陽電池におい
    て、 前記p型基板は薄肉部と厚肉部を有し、 薄肉部の裏面側には前記p拡散層と前記n拡散層とが形
    成され、 厚肉部の裏面側には前記p拡散層より不純物濃度の高い
    高濃度p拡散層と、前記n拡散層より不純物濃度が高い
    高濃度n拡散層とが形成されていることを特徴とする太
    陽電池。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の太陽電池において、 前記p型基板の薄肉部は高抵抗基板で形成され、厚肉部
    は表面側に設けられ薄肉部を形成する高抵抗基板を延長
    して形成された高抵抗部分と、この高抵抗部分の裏面側
    に接合された低抵抗基板を含むことを特徴とする太陽電
    池。
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