JPH073875B2 - 光起電力装置 - Google Patents

光起電力装置

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JPH073875B2
JPH073875B2 JP61167079A JP16707986A JPH073875B2 JP H073875 B2 JPH073875 B2 JP H073875B2 JP 61167079 A JP61167079 A JP 61167079A JP 16707986 A JP16707986 A JP 16707986A JP H073875 B2 JPH073875 B2 JP H073875B2
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行雄 中嶋
金雄 渡邉
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Sanyo Electric Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は複数個の単位発電素子を積層した光起電力装置
に関する。
従来の技術 pin,pn-n+等の半導体接合を有する単位発電素子を2
重、3重或いはそれ以上の多重に積層した構造の光起電
力装置は、例えば特開昭55−125680号公報等において既
に知られている。この様な構造の光起電力装置は、光入
射側から見て前段の単位発電素子に於いて発電に寄与す
ることなく透過した光を、後段の単位発電素子に於いて
吸収することができるトータル的な光電変換効率を上昇
することができる。また各単位発電素子の光活性層の光
学禁止帯幅(Eopt)を調整すれば各単位発電素子に於け
る光ピーク波長をシフトすることができ、より一層の光
電変換効率の上昇が図れる。
この場合、各単位発電素子を電気的に直列の状態で接合
すると、全体の発電電流が、一番発電能力の低い単位発
電素子の発電電流で規制されるし、単位発電素子と単位
発電素子との間にはさまれる、発電電流とは逆方向のpn
接合における損失があるなど、デバイス設計上問題があ
る。そこで、従来は、第4図に示すように単位発電素子
41,42間を透明絶縁層43によって電気的に絶縁し、各単
位発電素子41,42毎に独立して発電電流が取り出せる構
造とすることによって、上記した課題の解決を図ってい
る。第4図中、44はガラス基板、45,46,47は透明電極
層、48は裏面金属である。第5図は第4図の光起電力装
置のエネルギー準位図である。
発明が解決しようとする問題点 ところで、第4図に示す従来装置においては、各単位発
電素子におけるドープ層(p層,n層)特に透明絶縁層43
に近い側のドープ層(図中、41a,42a)の厚みが薄い
と、エネルギー準位図A,Bで示す部分のポテンシャルが
小さくなり電池として機能しなくなるので、ドープ層41
a,42aは膜厚を厚くせねばならない。
しかしながら、このドープ層の膜厚が厚いとそれだけ光
通過量が減ぜられるので後段の単位発電素子の光量が落
ち、総合的な光電変換効率の低下を招くという問題があ
る。
本発明はこのような問題点に鑑み、複数の単位発電素子
を電気的に独立した状態で積層したものにおいて単位発
電素子のドープ層の膜厚を薄くできて、透光量を大きく
減光することなく後段の単位発電素子に供給し得るとい
う優れた光起電力装置を提供することを目的としてい
る。
問題点を解決するための手段 上記目的を達成するため本発明は、単位発電素子を複数
個積層した光起電力装置であって、隣合う単位発電素子
が互いに逆極製になる向きに配されると共に、両素子の
間に、表面に集電極が配された一対の透明絶縁層で透明
導電層を挾んだ構造の光透過性積層体が介挿されている
ことを特徴としている。
作用 透明導電層に、単位発電素子の中で生成されたキャリア
のうち集電極で収集されるキャリアとは逆極性の電圧を
印加すると、その印加電圧によって前記キャリアを加速
する方向の電界ができる。この電界は集電極に近いドー
プ層(p層又はn層)のポテンシャルを高めるのと同じ
作用を果たすので、集電極に近いドープ層を薄くしても
単位発電素子が光電池としての機能を損なうことがな
い。そして、集電極に近い側のドープ層を薄くできるこ
とから、光透過量の低下が少なくなり、その分後段の単
位発電素子への光供給量を増大することができ、総合的
な光電変換効率の向上が図れる。
実施例 第1図は本発明の一実施例として、2つの単位発電素子
1,2を積層した光起電力装置を示している。単位発電素
子1,2は例えばpn接合の間にi層を設けたいわゆるpin型
構造のものを用い、それを光透過性積層体3を介してp
層同士が向き合う方向に配している。
光透過性積層体3は、表面に集電極4…を配した一対の
透明絶縁層5,5で透明導電層6を挾んだ構造をしてい
る。集電極4…は単位発電素子1,2中で生成されるキャ
リアのうち正孔を収集するもので、例えばITO.SnO2等の
透光性導電酸化物によってくし型状に形成される。キャ
リアの収集効率だけを考慮すれば、集電極4…としては
くし形電極よりも全面電極の方が望ましいが、全面電極
にすると透明導電層6に印加する電圧による電界が単位
発電素子に作用しなくなるという不都合を生じるので,
くし形に形成される。また、集電極4…としては上記透
光性材料の他に金属であれば使用可能であるが、その場
合は後段への光透過を考慮して100Å以下の薄膜で形成
する必要がある。透明絶縁層5,5は例えばSiO2,SiC,Si3N
4等の絶縁材料を用いて1000Å以下の厚みで形成され
る。透明導電層6は集電極4…と同じ透光性導電酸化物
で、1000Å以下の厚みに形成される。図中、7は透明な
ガラス基板、8は透明電極、9は裏面金属である。
上記構成によれば、透明導電層6に集電極4…で収集す
るキャリアと逆極性の電圧を印加する。図示例の場合、
正孔が集電極4…に収集されるので、透明導電層6に負
の電圧、例えば50Vを印加する。すると、その電圧によ
って単位発電素子1,2の正孔を集電極の方向へ加速する
電界が形成されるので、光の入射より、i層内に対生成
した電子・正孔のうち正孔が前記電界によって加速さ
れ、効率よく集電極4…に補集される。一方、電子はn
層に達する。従って、集電極4…と透明導電層8若しく
は裏面電極9に接続された出力端子T1,T2,T3,T4間に
入射光量に比例した電圧を生じる。
ここで、透明導電層に引火する電圧は電位だけを利用す
るものであるから、実効的なエネルギー損失にならな
い。従って、透明導電層6への電圧印加方法として外部
電源を用いなくても、例えば本実施例の光起電力装置と
同一基板上に別途に単位発電素子を設け、その素子の発
電電圧を用いるようにすることもできる。
第2図に、上記光起電力装置のエネルギー準位図を示
す。透明導電層6に電圧を印加すると、それの作る電界
によって、図中C,Dで示す部分のポテンシャルが大きく
なり、そのため、集電極4…に近い側のドープ層(図示
例ではp層)の膜厚を薄くしても必要なポテンシャルを
確保できる。理論上は上記ドープ層をなくすこともでき
る。通常該ドープ層は0〜100Åの範囲で設定できる。
因みに従来の光起電力装置であれば、200〜300Åの厚み
が必要である。
また、透明導電層6の印加電圧によって作られる電界に
よりキャリア(正孔)が加速されるため、移動中におけ
るキャリアの再結合も減少でき、従って、本実施例の光
起電力装置は光劣化に関しても有利である。
第1表に、第4図に示した従来構造と第1図に示した本
実施例の構造との特性の比較を示す。このデータは、透
明導電層6に−50Vの電圧を印加し、AM−1 100mw/cm2
光照射した場合のものである。
表から、本実施例のものは開放電圧に関して従来例とほ
とんど変わりないのに、Isc、特に後段側単位発電素子
のIscが大きく、従って後段側の変換効率が著しく向上
していることがわかる。このような変換効率の向上は、
透明導電層6の印加電圧による電界の作用によって集電
極4…に近い側のドープ層を薄く形成することができた
ことに起因していることは勿論である。
上記構成の光起電力装置は次の如くして製造される。即
ち、ガラス基板7上に熱CVD法、スパッタ法或いは電子
ビーム蒸着法等で透明導電層8を形成した後、前段側の
pin型単位発電素子1をアモルファスシリコンを主材と
した材料を用い、公知のグロー放電法、光CVD法等で形
成する。次いで、くし形マスクを用いて透光性導電酸化
物をくし形に形成或いはAl,Mg等の金属を蒸着すること
によって集電極4…を形成し、その上にグロー放電法、
光CVD法等で透明絶縁層5を形成し、更に同様の手法で
透明導電層6、透明絶縁層5、集電極4…の順に形成す
る。そして、その上に後段側の単位発電素子2を、アモ
ルファスシリコン或いはアモルファスシリコンゲルマニ
ュウムを主材とした材料で形成し、最後にAl等の金属を
表面全面に、蒸着することによって裏面金属9を形成す
る。
もっとも、光起電力装置の製造方法としては、上記方法
以外に、例えばガラス基板7上に透明導電層8が単位発
電素子1,集電極4〜透明絶縁層5までを形成し、一方金
属基板(9)上に後段側単位発電素子2、集電極4〜、
透明絶縁層5を形成し、この両者を透明絶縁層5,5が向
き合った状態で透光性導電ペースト(6)を用いて接着
するという方法によることもできる。
尚、上記実施例では2つの単位発電素子1,2はp層同士
が向き合うように配しているが、n層同士が向き合うよ
うに配することもできる。その場合、透明導電層への印
加電圧は上記実施例とは逆極性になる。
上記実施例では2つの単位発電素子1,2を積層している
が、3個以上の単位発電素子を積層したものにも本発明
を適用できることは勿論である。第3図は単位発電素子
3個を積層した場合の構成を示す。図中、10は最終段の
単位発電素子、T5,T6はその素子の出力を取り出すため
出力端子である。
また、上記いずれの実施例においても、pin構造の単位
発電素子は複数の単位発電素子のうち一個でもよいし、
或いは全ての単位発電素子がpn-n+構造のものであって
もかまわない。
発明の効果 以上説明したように本発明によれば、光透過性積層体の
仲居の透明導電層に集電極に収集されるキャリアと逆極
性の電圧を印加し、その電圧による電界によって前記キ
ャリアを加速し収集効率をたかめたので、発電機能を落
とすことなく集電極に近い側のドープ層の膜厚を薄く若
しくは零にでき、その結果、後段側の単位発電素子に十
分な光量を供給でき、後段側単位発電素子の光電変換効
率を高め、装置全体の総合効率の向上が図れるといった
効果がある。
加えて、透明導電層の印加電圧による電界によって単位
発電素子中のキャリアを加速するので、キャリアの再結
合が減少し、光劣化を防止するといった効果もある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例としての光起電力装置を示す
構造図、第2図は第1図の装置のエネルギー準位図、第
3図は本発明の他の一実施例を示す光起電力装置の構造
図、第4図は従来の光起電力装置を示す構造図、第5図
は第4図の装置のエネルギー準位図である。 1,2…単位発電素子、3…光透過性積層体 4…集電極、5…透明絶縁層、6…透明導電層。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単位発電素子を複数個積層した光起電力装
    置であって、隣合う単位発電素子が互いに逆極性になる
    向きに配されると共に、両素子の間に、表面に集電極が
    配された一対の透明絶縁層で透明導電層を挾んだ構造の
    光透過性積層体が介挿されていることを特徴とする光起
    電力装置。
  2. 【請求項2】前記透明導電層には単位発電素子で発生し
    たキャリアのうち集電極で収集するものの極性と逆極性
    の電圧が印加されていることを特徴とする特許請求の範
    囲第(1)項記載の光起電力装置。
  3. 【請求項3】複数個の単位発電素子の少なくとも一つは
    アモルファス半導体を主体とするものであることを特徴
    とする特許請求の範囲第(1)項若しくは第(2)項の
    いずれかに記載の光起電力装置。
  4. 【請求項4】複数個の単位発電素子の少なくとも一つは
    pin接合を有することを特徴とする特許請求の範囲第
    (1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の光起電力装
    置。
  5. 【請求項5】集電極はくし形構造に形成されていること
    を特徴とする特許請求の範囲第(1)項乃至第(4)項
    のいずれかに記載の光起電力装置。
  6. 【請求項6】透明導電層に印加される電圧は、同一基板
    上に設けた異なる単位発電素子の発する電圧を用いるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第(1)項乃至第(5)
    項のいずれかに記載の光起電力装置。
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