JPH08201674A - レンズ保持装置 - Google Patents

レンズ保持装置

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Publication number
JPH08201674A
JPH08201674A JP7036326A JP3632695A JPH08201674A JP H08201674 A JPH08201674 A JP H08201674A JP 7036326 A JP7036326 A JP 7036326A JP 3632695 A JP3632695 A JP 3632695A JP H08201674 A JPH08201674 A JP H08201674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
plastic lens
radial direction
humidity
temperature
Prior art date
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Pending
Application number
JP7036326A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Koizumi
小泉  博
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度及び湿度の変化によるプラスチックレン
ズの膨張・収縮を吸収して、プラスチックレンズの内部
応力の発生を防止し、形状歪みによる屈折率の変化のな
い保持を可能にしたレンズ保持装置を提供する。 【構成】 ブラスチックレンズ1よりも、温度と湿度に
対する膨張係数が充分に小さいレンズ支持部材2の挟持
片2aに、プラスチックレンズ1の周縁部の複数個所が
保持され、レンズ支持部材2の挟持片2aよりも、プラ
スチックレンズ1の半径方向に離れた係合溝2bで、プ
ラスチックレンズ1に対して、温度と湿度に対する膨張
係数が等しい間隔調節環3が、複数個所でプラスチック
レンズ1の半径方向に保持されていて、環境温度または
環境湿度が変化すると、プラスチックレンズ1と間隔調
整環3とは、同一の比率で半径方向に膨張・収縮し、レ
ンズ支持部材2は、プラスチックレンズ1に何ら外力を
与えることなく、半径方向に移動してプラスチックレン
ズ1を保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像形成装置などに使
用されるプラスチックレンズを保持するレンズ保持装置
に関する。
【0002】■
【従来の技術】プラスチックレンズはガラスレンズに比
べて、軽量で安価であると共に、非球面が形成し易いと
いう利点があるので、画像形成装置の走査光学系のレン
ズとして、或いは撮影や投影用のレンズとして広く利用
されている。
【0003】この種のプラスチックレンズの材質として
使用されるPC(ポリカーボネイト)、PMMA(アク
リル樹脂)の線膨張係数は6〜8×10-5/℃程度であ
り、鏡枠として一般に使用されるアルミのような金属の
3〜4倍もあり、さらに、吸湿によっても膨張を起こ
す。このために、プラスチックレンズを鏡枠に保持して
使用する場合には、環境温度が上昇すると、膨張係数の
違いによって、プラスチックレンズが、半径方向に膨張
し切ることができず、内部応力による屈折率の変化や、
光軸方向でのレンズ形状の変化を生じることになる。
【0004】また、環境温度が低下すると、鏡枠の内径
よりもプラスチックレンズの外径が小さくなり、鏡枠と
プラスチックレンズ間に隙間が生じるために、プラスチ
ックレンズの中心が光軸からずれることになる。
【0005】■このようにして、環境温度の変化によっ
て、プラスチックレンズの膨張・収縮が繰り返される
と、プラスチックレンズの中心の光軸からのずれが大き
くなり、膨張・収縮に伴うプラスチックレンズの歪みも
重なって、プラスチックレンズの光学性能が低下するこ
とになる。さらに、環境湿度の変化に対しても、環境温
度の変化の場合と同様なプラスチックレンズの中心のず
れと、プラスチックレンズの歪みとにより、プラスチッ
クレンズの光学性能が低下する。
【0006】従来、プラスチックレンズの鏡枠への取り
付けには、接着剤による接着が採用されており、カメラ
レンズなどの小径のプラスチックレンズの場合には、硬
化後でもある程度の弾性を有する接着剤によって、前述
の温度と湿度の変化による膨張・収縮をかなり吸収する
ことが可能である。
【0007】しかし、画像形成装置に使用する場合のよ
うに、プラスチックレンズの口径が大きくなると、温度
と湿度の変化によるプラスチックレンズの膨張・収縮
を、接着剤の弾性で吸収することはできなくなり、レン
ズ形状の変化、屈折率の変化、レンズ中心の光軸からの
ずれによるプラスチックレンズの光学性能の低下が問題
となる。
【0008】この問題を解決するために、特開昭63−
131110号公報に、レンズ保持筒の内周とプラスチ
ックレンズの外周間に、プラスチックレンズを付勢する
付勢部材を設け、レンズ保持筒の内周及びプラスチック
レンズの外周間の対接部に、プラスチックレンズの半径
方向に対して傾斜面を形成し、プラスチックレンズの半
径方向への膨張時に、プラスチックレンズを付勢部材の
付勢力に抗して、傾斜面に沿って円周方向に移動させる
プラスチックレンズの保持装置が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述の提案に係るプラ
スチックレンズの保持装置によると、プラスチックレン
ズの膨張時に、レンズ保持筒のプラスチックレンズを半
径方向に保持する力の増加を抑えることができる。しか
し、プラスチックレンズには、その半径方向に常時、付
勢部材によつて一定の力が印加された状態となってお
り、プラスチックレンズの膨張量に比例して、半径方向
の力も増加するので、レンズ形状の変化、屈折率の変
化、レンズ中心の光軸からのずれによるプラスチックレ
ンズの性能の低下を完全に解決することはできない。
【0010】本発明は、前述したようなこの種のレンズ
保持装置の現状に鑑みてなされたものであり、その目的
は、温度及び湿度の変化によるプラスチックレンズの膨
張・収縮を吸収して、プラスチックレンズの内部応力の
発生を防ぎ、形状歪みによる屈折率の変化のない保持を
可能にしたレンズ保持装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、プラスチックレンズを保持
するレンズ保持装置であり、プラスチックレンズの周縁
部の複数個所を第1の保持部で保持し、温度と湿度に対
する膨張係数が、前記プラスチックレンズの温度と湿度
に対する膨張係数よりも充分に小さいレンズ支持部材
と、前記プラスチックレンズに対して、温度と湿度に対
する膨張係数が等しく、前記レンズ支持部材の前記第1
の保持部よりも、前記プラスチックレンズの半径方向に
離れた第2の保持部で、周縁部の複数個所が前記プラス
チックレンズの半径方向に保持される間隔調節環とを有
することを特徴とするものである。
【0012】同様に前記目的を達成するために、請求項
2記載の発明は、請求項1記載の発明に対して、前記レ
ンズ支持部材を前記半径方向に移動自在に保持し、温度
と湿度に対する膨張係数が、前記プラスチックレンズの
温度と湿度に対する膨張係数よりも充分に小さい環状保
持体が設けられていることを特徴とするものである。
【0013】同様に前記目的を達成するために、請求項
3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記レ
ンズ支持部材は、前記第1の保持部の前記プラスチック
レンズとの係合位置が移動自在な状態で、前記プラスチ
ックレンズを支持するように構成されていることを特徴
とするものである。
【0014】同様に前記目的を達成するために、請求項
4記載の発明は、プラスチックレンズを保持するレンズ
保持装置であり、プラスチックレンズの周縁部の複数個
所を第1の保持部で保持し、温度と湿度に対する膨張係
数が、前記プラスチックレンズの温度と湿度に対する膨
張係数よりも充分に小さいレンズ支持部材と、前記レン
ズ支持部材の前記第1の保持部よりも、前記プラスチッ
クレンズの半径方向に離れた第2の保持部で、周縁部の
複数個所が前記半径方向に移動自在なヒンジを介して保
持される間隔調節環と、前記レンズ支持部材を前記半径
方向に移動自在に保持し、温度と湿度に対する膨張係数
が、前記プラスチックレンズの温度と湿度に対する膨張
係数よりも、充分に小さい環状保持体とを有することを
特徴とするものである。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明では、保持されるブラスチ
ックレンズよりも、温度と湿度に対する膨張係数が充分
に小さいレンズ支持部材が使用され、該レンズ支持部材
の第1の保持部に、プラスチックレンズの周縁部の複数
個所が保持され、レンズ支持部材の第1の保持部より
も、プラスチックレンズの半径方向に離れた第2の保持
部で、プラスチックレンズに対して、温度と湿度に対す
る膨張係数が等しい間隔調節環が、周縁部の複数個所で
プラスチックレンズの半径方向に保持される。
【0016】このために、環境温度或いは環境湿度が変
化し、プラスチックレンズが半径方向に膨張すると、間
隔調整環が、プラスチックレンズと同一の比率で半径方
向に膨張し、レンズ支持部材は、プラスチックレンズに
何ら外力を与えることなく、半径方向外側に移動する。
【0017】また、環境温度或いは環境湿度が変化し、
プラスチックレンズが半径方向に収縮すると、間隔調整
環が、プラスチックレンズと同一の比率で半径方向に収
縮し、レンズ支持部材は、プラスチックレンズに何ら外
力を与えることなく、半径方向内側に移動する。
【0018】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明の作用に加えて、温度と湿度に対する膨張係数が、
プラスチックレンズの温度と湿度に対する膨張係数より
も充分に小さい環状保持体によって、レンズ支持部材が
半径方向に移動自在に保持され、プラスチックレンズ
は、環境温度または環境湿度の変化に応じて、光軸位置
をずらすことなく、半径方向に膨張し或いは収縮する。
【0019】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
発明の作用に加えて、レンズ支持部材は、第1の保持部
のプラスチックレンズとの係合位置が移動自在な状態
で、プラスチックレンズを、光軸方向に対しても外力を
与えることなく支持する。
【0020】請求項4記載の発明では、保持されるブラ
スチックレンズよりも、温度と湿度に対する膨張係数が
充分に小さいレンズ支持部材が使用され、該レンズ支持
部材の第1の保持部に、プラスチックレンズの周縁部の
複数個所が保持され、レンズ支持部材の第1の保持部よ
りも、プラスチックレンズの半径方向に離れた第2の保
持部に、半径方向に移動自在なヒンジを介して、間隔調
節環の周縁部の複数個所がプラスチックレンズの半径方
向に保持される。
【0021】このために、環境温度或いは環境湿度が変
化し、プラスチックレンズが半径方向に膨張すると、レ
ンズ支持部材の第2の保持部の半径方向の移動によっ
て、ヒンジが半径方向に開き、ヒンジによって、レンズ
支持部材は、プラスチックレンズに何ら外力を与えるこ
となく半径方向外側に移動する。
【0022】また、環境温度或いは環境湿度が変化し、
プラスチックレンズが半径方向に収縮すると、レンズ支
持部材の第2の保持部の半径方向の移動によって、ヒン
ジが半径方向に閉じ、ヒンジによって、レンズ支持部材
は、プラスチックレンズに何ら外力を与えることなく半
径方向内側に移動する。
【0023】
【実施例】
[第1の実施例]本発明の第1の実施例を図1を参照し
て説明する。図1は本発明の第1の実施例の構成を示す
斜視図である。
【0024】本実施例では、金属製で温度と湿度に対す
る膨張係数が、プラスチックレンズ1よりも充分に小さ
いレンズ支持部材2が3個設けられ、これらのレンズ支
持部材2が、プラスチックレンズ1の円周上に等間隔で
配置され、各レンズ支持部材2には、プラスチックレン
ズ1を円周方向に挟持する挟持片2aがそれぞれ形成さ
れており、この挟持片2aによって、プラスチックレン
ズ1の周縁部が3個所で挟持されている。
【0025】レンズ支持部材2は、プラスチックレンズ
1の半径方向に延長されていて、その延長端部が、プラ
スチックレンズ1の光軸方向に屈曲され、屈曲部分の端
部には、ブラスチックレンズ1と同心円の円周に沿って
係合溝2bが形成され、この係合溝2bには、温度と湿
度に対する膨張係数が、プラスチックレンズ1に等しい
間隔調節環3が係合保持されている。
【0026】本実施例では、環境温度が高温化し、プラ
スチックレンズ1が半径方向に膨張すると、温度と湿度
に対する膨張係数が、プラスチックレンズ1に等しい間
隔調整環3が、プラスチックレンズと同一の比率で半径
方向に膨張する。このために、レンズ支持部材2のプラ
スチックレンズ1を挟持する挟持片2a部分のブラスチ
ックレンズ1の半径方向の移動量と、間隔調節環3を係
合する係合溝2b部分のプラスチックレンズ1の半径方
向の移動量とが等しくなり、レンズ支持部材2は、プラ
スチックレンズ1に何ら外力を与えることなく半径方向
外側に移動する。
【0027】また、環境温度が低温化し、プラスチック
レンズ1が半径方向に収縮すると、温度と湿度に対する
膨張係数が、プラスチックレンズ1に等しい間隔調整環
3が、プラスチックレンズと同一の比率で半径方向に収
縮する。このために、レンズ支持部材2のプラスチック
レンズ1を挟持する挟持片2a部分のブラスチックレン
ズ1の半径方向の移動量と、間隔調節環3を係合する係
合溝2b部分のプラスチックレンズ1の半径方向の移動
量とが等しくなり、レンズ支持部材2は、プラスチック
レンズ1に何ら外力を与えることなく半径方向内側に移
動する。環境湿度の変化に対するプラスチックレンズ1
の膨張・収縮に対しても環境温度の変化に対する場合と
同様な動作が行なわれる。
【0028】このように、本実施例では、環境温度或い
は環境湿度の変化によって、プラスチックレンズ1が半
径方向に膨張或いは収縮しても、この膨張及び収縮を吸
収して、温度変化によるプラスチックレンズ1の半径方
向での内部応力の発生が防止され、レンズ形状の歪みに
よる屈折率の変化が発生せず、環境温度や環境湿度の変
化により光学性能の低下を起こさずに、プラスチックレ
ンズを保持することが可能になる。
【0029】[第2の実施例]本発明の第2の実施例を
図2及び図3を参照して説明する。図2は本発明の第2
の実施例の斜視図、図3は図2の分解斜視図である。
【0030】本実施例では、すでに図1を参照して説明
した第1の実施例に対して、金属製で温度と湿度に対す
る膨張係数が、プラスチックレンズ1よりも充分に小さ
い環状保持体4が新たに設けられ、この環状保持体4に
は、レンズ支持部材2をプラスチックレンズ1の半径方
向で、移動自在に保持する係合溝4aが、円周に等間隔
で形成されている。
【0031】本実施例のその他の部分の構成は、すでに
説明した第1の実施例と同一であり、第1の実施例と同
様にしてプラスチックレンズ1及び間隔調節環3を保持
したレンズ支持部材2が、環状保持体4の係合溝4a
に、プラスチックレンズ1の半径方向に移動自在にそれ
ぞれ係合されている。
【0032】本実施例では、環境温度が高温化し、プラ
スチックレンズ1が半径方向に膨張すると、温度と湿度
に対する膨張係数が、プラスチックレンズ1に等しい間
隔調整環3が、プラスチックレンズと同一の比率で半径
方向に膨張する。このために、レンズ支持部材2のプラ
スチックレンズ1を挟持する挟持片2a部分のブラスチ
ックレンズ1の半径方向の移動量と、レンズ支持部材2
の間隔調節環3を係合する係合溝2b部分のプラスチッ
クレンズ1の半径方向の移動量とが等しくなり、レンズ
支持部材2は、プラスチックレンズ1に何ら外力を与え
ることなく半径方向外側に移動する。
【0033】また、環境温度が低温化し、プラスチック
レンズ1が半径方向に収縮すると、温度と湿度に対する
膨張係数が、プラスチックレンズ1に等しい間隔調整環
3が、プラスチックレンズと同一の比率で半径方向に収
縮する。このために、レンズ支持部材2のプラスチック
レンズ1を挟持する挟持片2a部分のブラスチックレン
ズ1の半径方向の移動量と、レンズ支持部材2の間隔調
節環3を係合する係合溝2b部分のプラスチックレンズ
1の半径方向の移動量とが等しくなり、レンズ支持部材
2は、プラスチックレンズ1に何ら外力を与えることな
く半径方向内側に移動する。
【0034】これらの場合、本実施例では、レンズ支持
部材2は、プラスチックレンズ1の中心を光学系の光軸
に一致させた状態で、環状保持体4の係合溝4aに保持
されているので、プラスチックレンズ1の膨張・収縮時
には、レンズ支持部材2は、常にプラスチックレンズ1
の中心を光学系の光学軸に一致させた状態で、プラスチ
ックレンズ1の半径方向に移動する。環境湿度の変化に
対するプラスチックレンズ1の膨張・収縮に対しても環
境温度の変化に対する場合と同様な動作が行なわれる。
【0035】このように、本実施例では、環境温度或い
は環境湿度の変化によって、プラスチックレンズ1が半
径方向に膨張或いは収縮しても、この膨張及び収縮を吸
収して、温度変化によるプラスチックレンズ1の半径方
向での内部応力の発生を防止し、レンズ形状の歪みによ
る屈折率の変化を起こさず、環境温度或いは環境湿度の
変化による光学性能の低下を起こさずに、さらに、常に
プラスチックレンズ1の中心を光学系の光軸に一致させ
た状態で、プラスチックレンズを保持することが可能に
なる。
【0036】[第3の実施例]本発明の第3の実施例を
図4ないし図6を参照して説明する。図4は本発明の第
3の実施例の構成を示す斜視図、図5は図4の分解斜視
図、図6は図4のレンズ支持部材の例を示す説明図であ
る。
【0037】本実施例は、図5に示すように、すでに説
明した第2の実施例に対して、レンズ支持部材5のみが
異なっており、このレンズ支持部材5は、二股状の係合
部5aが、プラスチックレンズ1と円周方向で係合する
ように構成されている。このレンズ支持部材5として
は、二股状の係合部5aが、図6(a)に示すように、
曲線状に湾曲したものや、同図(b)に示すように、直
線状に屈折したものとすることができる。
【0038】そして、本実施例では、プラスチックレン
ズ1の周面に、係合溝1aが全周にわたって形成されて
おり、係合部5aが、この係合溝1a内で、プラスチッ
クレンズ1に対して、その円周方向及び厚み方向に移動
自在に係合されている。本実施例のその他の部分の構成
は、すでに図2及び図3を参照して説明した第2の実施
例と同一なので、重複する説明は行なわない。
【0039】本実施例では、環境温度が高温化し、プラ
スチックレンズ1が半径方向に膨張すると、温度と湿度
に対する膨張係数が、プラスチックレンズ1に等しい間
隔調整環3が、プラスチックレンズと同一の比率で半径
方向に膨張する。このために、レンズ支持部材5におい
て、プラスチックレンズ1の係合溝1aと係合する二股
状の係合部5a部分のブラスチックレンズ1の半径方向
の移動量と、間隔調節環3と係合する係合溝5b部分の
プラスチックレンズ1の半径方向の移動量とが等しくな
り、レンズ支持部材5は、プラスチックレンズ1に何ら
外力を与えることなく半径方向外側に移動する。
【0040】また、環境温度が低温化し、プラスチック
レンズ1が半径方向に収縮すると、温度と湿度に対する
膨張係数が、プラスチックレンズ1に等しい間隔調整環
3が、プラスチックレンズと同一の比率で半径方向に収
縮する。このために、レンズ支持部材5において、プラ
スチックレンズ1の係合溝1aと係合する二股状の係合
部5a部分のブラスチックレンズ1の半径方向の移動量
と、間隔調節環3と係合する係合溝5b部分のプラスチ
ックレンズ1の半径方向の移動量とが等しくなり、レン
ズ支持部材5は、プラスチックレンズ1に何ら外力を与
えることなく半径方向内側に移動する。
【0041】これらの場合、本実施例では、レンズ支持
部材5は、プラスチックレンズ1の中心を光学系の光軸
に一致させた状態で、環状保持体4の係合溝4aに保持
されているので、プラスチックレンズ1の膨張・収縮時
には、レンズ支持部材5は、常にプラスチックレンズ1
の中心を光学系の光学軸に一致させた状態で、プラスチ
ックレンズ1の半径方向に移動する。同時に、プラスチ
ックレンズ1が肉厚方向に膨張・収縮すると、二股状の
係合部5aは係合溝1a内を、プラスチックレンズ1の
肉厚方向にも移動するので、プラスチックレンズ1の半
径方向及び肉厚方向でのプラスチックレンズ1の膨張・
収縮に対して、レンズ支持部材5は、プラスチックレン
ズ1に何ら外力を及ぼさずに移動して、プラスチックレ
ンズ1を保持することができる。環境湿度の変化に対す
るプラスチックレンズ1の膨張・収縮に対しても環境温
度の変化に対する場合と同様な動作が行なわれる。
【0042】このように、本実施例では、環境温度或い
は環境湿度の変化によって、プラスチックレンズ1が半
径方向及び厚み方向に膨張或いは収縮しても、これらの
膨張及び収縮を吸収して、温度変化によるプラスチック
レンズ1の半径方向及び肉厚方向での内部応力の発生を
防止し、レンズ形状の歪みによる屈折率の変化が発生せ
ず、環境温度或いは環境湿度の変化による光学性能の低
下を起こさずに、さらに、常にプラスチックレンズ1の
中心を光学系の光軸に常に一致させた状態で、プラスチ
ックレンズを保持することが可能になる。
【0043】[第4の実施例]本発明の第4の実施例を
図7及び図8を参照して説明する。図7は本発明の第4
の実施例の構成を示す斜視図、図8は図7の分解斜視図
である。
【0044】本実施例では、図8に示すように、レンズ
支持部材6は、第3の実施例と同様に、二股状の係合部
6aが、プラスチックレンズ1と円周方向で係合するよ
うに構成され、プラスチックレンズ1の周面に、係合溝
1aが全周にわたって形成され、係合部6aが、この係
合溝1a内で、プラスチックレンズ1に対して、その円
周方向及び厚み方向に移動自在に係合されている。
【0045】このレンズ支持部材6にはピン6bが設け
られ、このピン6bにヒンジ7の一片に設けた係合孔7
aが挿入され、ヒンジ7の他片に設けたピン7bに、金
属製の間隔調節環3Aの係合孔3aが係合されて、レン
ズ支持部材6にプラスチックレンズ1と間隔調節環3A
が取り付けられている。そして、このようにプラスチッ
クレンズ1と間隔調節環3Aとが取り付けられたレンズ
支持部材6が、環状保持体4の係合溝4aに、プラスチ
ックレンズ1の半径方向に、移動自在に取り付けられて
いる。ヒンジ7の両片の長さの比は、プラスチックレン
ズ1と間隔調節環3Aの膨張係数の比に対応して、最適
値が設定されている。
【0046】本実施例では、環境温度が高温化し、プラ
スチックレンズ1が半径方向に膨張すると、レンズ支持
部材6が半径方向の外側に移動し、この移動に伴ってピ
ン6bと係合したヒンジ7の一片側が、プラスチックレ
ンズ1の半径方向の外側に移動する。このようにして、
レンズ支持部材6は、プラスチックレンズ1に何ら外力
を与えることなく半径方向外側に移動する。
【0047】また、環境温度が低温化し、プラスチック
レンズ1が半径方向に収縮すると、レンズ支持部材6が
半径方向の内側に移動し、この移動に伴ってピン6bと
係合したヒンジ7の一片側が、プラスチックレンズ1の
半径方向の内側に移動する。このようにして、レンズ支
持部材6は、プラスチックレンズ1に何ら外力を与える
ことなく半径方向内側に移動する。
【0048】これらの場合、本実施例では、レンズ支持
部材6は、プラスチックレンズ1の中心を光学系の光軸
に一致させた状態で、環状保持体4の係合溝4aに保持
されているので、プラスチックレンズ1の膨張・収縮時
には、レンズ支持部材6は、常にプラスチックレンズ1
の中心を光学系の光学軸に一致させた状態で、プラスチ
ックレンズ1の半径方向に移動する。同時に、プラスチ
ックレンズ1が肉厚方向に膨張・収縮すると、二股状の
係合部6aは係合溝1a内を、プラスチックレンズ1の
肉厚方向にも移動するので、プラスチックレンズ1の半
径方向及び肉厚方向でのプラスチックレンズ1の膨張・
収縮に対して、レンズ支持部材6は、プラスチックレン
ズ1に何ら外力を及ぼさずに移動して、プラスチックレ
ンズ1を保持することができる。環境湿度の変化に対す
るプラスチックレンズ1の膨張・収縮に対しても環境温
度の変化に対する場合と同様な動作が行なわれる。
【0049】このように、本実施例では、環境温度或い
は環境湿度の変化によって、プラスチックレンズ1が半
径方向及び厚み方向に膨張或いは収縮しても、これらの
膨張及び収縮を吸収して、温度変化によるプラスチック
レンズ1の半径方向及び肉厚方向での内部応力の発生を
防止し、レンズ形状の歪みによる屈折率の変化が発生せ
ず、環境温度或いは環境湿度の変化による光学性能の低
下を起こさずに、さらに、常にプラスチックレンズ1の
中心を光学系の光軸に常に一致させた状態で、プラスチ
ックレンズを保持することが可能になる。また、本実施
例の場合には、ヒンジ7を使用することにより、間隔調
節環3Aとしては、温度と湿度に対する膨張係数をプラ
スチックレンズ1と同一にする必要はなくなり、材質選
択の自由度が増える。
【0050】
【発明の効果】請求項1記載の発明によると、環境温度
或いは環境湿度の変化により、プラスチックレンズが半
径方向に膨張すると、間隔調整環が、プラスチックレン
ズと同一の比率で半径方向に膨張し、レンズ支持部材
は、プラスチックレンズに何ら外力を与えることなく半
径方向外側に移動し、一方、プラスチックレンズが半径
方向に収縮すると、間隔調整環が、プラスチックレンズ
と同一の比率で半径方向に収縮し、レンズ支持部材は、
プラスチックレンズに何ら外力を与えることなく、半径
方向内側に移動するので、温度または湿度の変化によっ
て、プラスチックレンズは半径方向に、何らの外力を受
けずに膨張・収縮でき、温度または湿度の変化による内
部応力の発生を防止し、レンズ形状の歪みによる屈折率
の変化なしに、プラスチックレンズを保持することが可
能になる。請求項2記載の発明によると、請求項1記載
の発明で得られる効果に加えて、レンズ支持部材が、温
度と湿度に対する膨張係数が、プラスチックレンズの温
度と湿度に対する膨張係数よりも充分に小さい環状保持
体によって、半径方向に移動自在に保持されているの
で、プラスチックレンズは、環境温度または環境湿度の
変化に応じて、光軸位置をずらすことなく、半径方向に
膨張し或いは収縮し、温度または湿度の変化によって、
プラスチックレンズの光軸をずらすことなく保持するこ
とが可能になる。請求項3記載の発明によると、請求項
2記載の発明で得られる効果に加えて、レンズ支持部材
は、第1の保持部のプラスチックレンズとの係合位置が
移動自在な状態で、プラスチックレンズを、光軸方向に
対しても外力を与えることなく支持するので、プラスチ
ックレンズは光軸方向にも、何らの外力を受けずに膨張
・収縮でき、半径方向及び光軸方向に、温度または湿度
変化による内部応力の発生を防止し、レンズ形状の歪み
による屈折率の変化なしに、プラスチックレンズを保持
することが可能になる。請求項4記載の発明によると、
環境温度或いは環境湿度の変化によって、プラスチック
レンズが半径方向に膨張すると、レンズ支持部材の第2
の保持部の半径方向の移動によって、ヒンジが半径方向
に開き、ヒンジによって、レンズ支持部材が、プラスチ
ックレンズに何ら外力を与えることなく半径方向外側に
移動し、一方、プラスチックレンズが半径方向に収縮す
ると、レンズ支持部材の第2の保持部の半径方向の移動
によって、ヒンジが半径方向に閉じ、ヒンジによって、
レンズ支持部材が、プラスチックレンズに何ら外力を与
えることなく半径方向内側に移動し、レンズ支持部材
は、プラスチックレンズよりも温度と湿度に対する膨張
係数が、充分に小さい環状保持体によって、レンズ支持
部材が半径方向に移動自在に保持されている。このため
に、温度または湿度の変化によって、プラスチックレン
ズは半径方向及び肉厚方向に、何らの外力を受けず、ま
た光軸位置をずらすことなく膨張・収縮でき、温度変化
による内部応力の発生を防止し、レンズ形状の歪みによ
る屈折率の変化なしに、プラスチックレンズを光軸位置
をずらすことなく保持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明の第2の実施例の斜視図である。
【図3】図2の分解斜視図である。
【図4】本発明の第3の実施例の構成を示す斜視図であ
る。
【図5】図4の分解斜視図である。
【図6】図4のレンズ支持部材の例を示す説明図であ
る。
【図7】本発明の第4の実施例の構成を示す斜視図であ
る。
【図8】図7の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 プラスチックレンズ 2、5、6 レンズ支持部材 2a 挟持部 3、3A 間隔調節環 4 環状保持体 4a 係合溝 5a、6a 係合部 7 ヒンジ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックレンズを保持するレンズ保
    持装置であり、 プラスチックレンズの周縁部の複数個所を第1の保持部
    で保持し、温度と湿度に対する膨張係数が、前記プラス
    チックレンズの温度と湿度に対する膨張係数よりも充分
    に小さいレンズ支持部材と、 前記プラスチックレンズに対して、温度と湿度に対する
    膨張係数が等しく、前記レンズ支持部材の前記第1の保
    持部よりも、前記プラスチックレンズの半径方向に離れ
    た第2の保持部で、周縁部の複数個所が前記プラスチッ
    クレンズの半径方向に保持される間隔調節環とを有する
    ことを特徴とするレンズ保持装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のレンズ保持装置に対し
    て、前記レンズ支持部材を前記半径方向に移動自在に保
    持し、温度と湿度に対する膨張係数が、前記プラスチッ
    クレンズの温度と湿度に対する膨張係数よりも充分に小
    さい環状保持体が設けられていることを特徴とするレン
    ズ保持装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のレンズ保持装置におい
    て、前記レンズ支持部材は、前記第1の保持部の前記プ
    ラスチックレンズとの係合位置が移動自在な状態で、前
    記プラスチックレンズを支持するように構成されている
    ことを特徴とするレンズ保持装置。
  4. 【請求項4】 プラスチックレンズを保持するレンズ保
    持装置であり、 プラスチックレンズの周縁部の複数個所を第1の保持部
    で保持し、温度と湿度に対する膨張係数が、前記プラス
    チックレンズの温度と湿度に対する膨張係数よりも充分
    に小さいレンズ支持部材と、 前記レンズ支持部材の前記第1の保持部よりも、前記プ
    ラスチックレンズの半径方向に離れた第2の保持部で、
    周縁部の複数個所が前記半径方向に移動自在なヒンジを
    介して保持される間隔調節環と、 前記レンズ支持部材を前記半径方向に移動自在に保持
    し、温度と湿度に対する膨張係数が、前記プラスチック
    レンズの温度と湿度に対する膨張係数よりも、充分に小
    さい環状保持体とを有することを特徴とするレンズ保持
    装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010097069A (ja) * 2008-10-17 2010-04-30 Canon Inc 保持装置、望遠鏡および光学装置
US8054565B2 (en) 2006-06-26 2011-11-08 Mitutoyo Corporation Lens optical system and photoelectric encoder
CN103728706A (zh) * 2013-12-20 2014-04-16 吴江市俊成精密机械有限公司 一种镜片夹具
CN112372552A (zh) * 2020-12-04 2021-02-19 江苏汇鼎光学眼镜有限公司 一种眼镜镜片清洗夹具

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