JPH08200431A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JPH08200431A
JPH08200431A JP672795A JP672795A JPH08200431A JP H08200431 A JPH08200431 A JP H08200431A JP 672795 A JP672795 A JP 672795A JP 672795 A JP672795 A JP 672795A JP H08200431 A JPH08200431 A JP H08200431A
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vibration
viscosity
elastic
fluid
stopper
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JP672795A
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Kunio Saito
邦夫 斉藤
Kazumasa Kuze
和正 久世
Koji Nakamura
宏治 中村
Akinori Ichikawa
明徳 市川
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型化がはかれる防振装置の提供。 【構成】 弾性ストッパ5内にダイラタンシー性流体4
を封入した防振装置。第1の部材1と第2の部材2を連
結する弾性部材3内部に室空間を形成し、そこにダイラ
タンシー性流体4を封入した防振装置。エンジンマウン
ト液室にダイラタンシー性流体4を封入した防振装置。
ラジエータサポート内に形成した密閉室にダイラタンシ
ー性流体4を封入した防振装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、せん断速度が所定値に
達すると粘度が急増する可変粘性流体を利用することに
より小型化をはかった防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】振動を伝達する側の部材と振動が伝達さ
れる側の部材を弾性部材で連結して振動伝達を軽減する
タイプの防振装置は、たとえば特開平5−164188
号公報に示されている。従来の防振装置には、振動を伝
達する側の部材の振幅が過大になったときに両部材の相
対変位を規制して弾性部材を大荷重入力から保護するス
トッパ機構が設けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ストッパ機構
を設けた場合、その設置分防振装置が大型化することは
避けられない。とくに、防振装置を車両に搭載する場
合、スペースが制約されること、他の機器の搭載スペー
スに影響すること、大型化により重量増加を招くこと、
重量増加は車両の燃費に悪影響を与えること、等の問題
を生じる。本発明の目的は、小振幅に対しては従来防振
装置と同じように機能できかつ大振幅に対しては変位を
抑制して対処できるという条件を維持しながら、小型化
をはかった防振装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の防振装置は次の通りである。 (1)振動を伝達する側の第1の部材と、振動が伝達さ
れる側の第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部
材を連結する弾性部材と、前記第1の部材と前記第2の
部材のうち一方の部材側にとりつけられ前記第1の部材
と前記第2の部材が所定のクリアランス分相対変位した
ときに他方の部材側に当って前記クリアランス分以上の
相対変位を自身が変形しながら抑制する弾性ストッパ
と、を有する防振装置において、前記弾性ストッパ内
に、せん断速度が所定値に達すると粘度が急増しせん断
速度が前記所定値以下になると元の粘度に戻る特性をも
つ可変粘性流体を封入した防振装置。 (2)振動を伝達する側の第1の部材と、振動が伝達さ
れる側の第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部
材とを連結する弾性部材と、を有する防振装置におい
て、前記弾性部材の内部に室空間を形成し、該室空間
に、せん断速度が所定値に達すると粘度が急増しせん断
速度が前記所定値以下になると元の粘度に戻る特性をも
つ可変粘性流体を封入した防振装置。 (3)振動を伝達する側の第1の部材と、振動が伝達さ
れる側の第2部材と、前記第1の部材と前記第2部材と
を連結する弾性部材と、前記弾性部材の少なくとも一部
を一壁とし他壁に弾性ダイヤフラムを有する液室と、前
記液室に設けた隔壁に設けられたオリフィスと、を有す
る防振装置において、前記液室内に、せん断速度が所定
値に達すると粘度が急増しせん断速度が前記所定値以下
になると元の粘度に戻る特性をもつ可変粘性流体を封入
した防振装置。 (4)マス部材と、支持部材と、前記マス部材と前記支
持部材の間に位置するばねと、を有するダイナミックダ
ンパ式の防振装置において、前記弾性部材の内部および
前記弾性部材と前記マス部材、前記支持部材の何れか一
方によって囲まれる部位の何れか一方に、前記弾性部材
が変形するときに同時に変形する室空間を形成し、前記
室空間に、せん断速度が所定値に達すると粘度が急増し
せん断速度が前記所定値以下になると元の粘度に戻る特
性をもつ可変粘性流体を封入した防振装置。
【0005】
【作用】上記(1)の装置では、ストッパクリアランス
を従来より小にしても、通常発進時、アイドル領域にお
いてはストッパ当り量は大きくなっても振動振幅が大き
くないため、可変粘性流体に生じるせん断速度は小であ
り、可変粘性流体の粘度は小のままで、弾性ストッパは
実質的にストッパ作用をもたず、良好な振動絶縁を行う
ことができる。したがって、ストッパクリアランスを小
にした分、防振装置が小型化される。一方、急発進時、
凹凸路面走行時のストッパ当り時には振動振幅が大にな
り、可変粘性流体に生じるせん断速度も大となるため、
可変粘性流体の粘度が急増し、弾性ストッパは高いばね
定数となってストッパとして作用し、変位を抑制する。
上記(2)の装置では、通常走行時、アイドル時のよう
な小さな変位時には、弾性部材の変形も小のため弾性部
材内の可変粘性流体のせん断速度も小さく、可変粘性流
体は固化しないので、弾性部材は低いばね定数を保ち、
防振装置は振動を遮断する。急加減速時や凹凸路面走行
時のような大変位時には、弾性部材内の可変粘性流体の
変形(したがって、せん断)速度が上り、可変粘性流体
は固化し、高いばね定数となる。したがって、弾性部材
自体が変位を抑制し、ストッパが不要になり、防振装置
を小型化できる。上記(3)の装置では、通常走行時、
アイドル時のような小変位時には、液室の変形が小で可
変粘性流体のせん断速度が小のため、流体は自由にオリ
フィスを通過でき、低ばね定数の防振装置となって、効
果的に振動を減衰させる。また、急加減速時や凹凸路面
走行時のような大変位時には、可変粘性流体の変形(せ
ん断)速度が上り、可変粘性流体は固化し、防振装置は
高いばね定数となって、変位を抑制する。従来のマウン
トでは、大変位を抑制するのにストッパを必要とした
が、本防振装置ではストッパは不要であり、液体を可変
粘性流体に変えるだけでよいので、ストッパを設けない
分装置が小型化される。上記(4)の装置では、小変位
時には可変粘性流体が固化しないので、防振装置は通常
のダイナミックダンパと同様に作動するが、大変位時に
は可変粘性流体が固化して、防振装置は高ばね定数とな
って変位を抑制する。大変位抑制に特別な設計をする必
要がなく、設計自由度が大となり、装置の小型化を比較
的容易にはかることができる。
【0006】
【実施例】図1〜図5は本発明の第1実施例(請求項1
に対応)を示し、図6、図7は本発明の第2実施例(請
求項2に対応)を示し、図8〜図15は本発明の第3実
施例(請求項3に対応)を示し、図16〜図18は本発
明の第4実施例(請求項4に対応)を示す。全実施例に
わたって共通する構成部分には、全実施例にわたって同
じ符号を付してある。まず、本発明の全実施例に共通す
る構成、作用を、たとえば図1〜図5を参照して、説明
する。防振装置は、振動を伝達する側(振動入力側)の
第1の部材1と、振動が伝達される側(振動被伝達側)
の第2の部材2と、第1の部材1と第2の部材2とを連
結する弾性部材3と、を有する。第1の部材1、第2の
部材2は剛体で、たとえば金属材からなり、弾性部材3
は、たとえばゴム、弾性変形可能な樹脂などからなる。
防振装置には、一壁が弾性部材3によって画成され弾性
部材3が変形したときに形状が変形する室空間が設けら
れ、この室空間に、せん断面速度が所定値に達すると粘
度が急増し、せん断速度が所定値以下になると元の粘度
に戻る特性をもつ可変粘性流体4が封入されている。こ
の可変粘性流体4は、たとえば、アクリル酸エステル・
スチレン共重合体微粒子を水に分散したもの(ドイツの
BASF社開発の、「ダイラタール」等がそうである)
からなり、公知の流体である。この可変粘性流体4は、
せん断速度が所定値(臨界せん断速度)になると粘度が
100倍以上に急増し、液体からほぼ固体に変化する。
この粘度急増現象は可逆的で、せん断速度が所定値以下
になると元の粘度に戻り、現象が元に戻るまでの時間は
ミリ秒単位である。また、臨界せん断速度を調節するこ
とは、たとえば水中の分散媒の量を変えることにより、
可能である。以下、上記特性をもつ可変粘性流体を、ダ
イラタンシー性流体と呼ぶことにする。
【0007】上記構成をもつ防振装置の作用を説明す
る。通常走行時、アイドル時のように第1の部材1と第
2の部材2との相対変位、相対速度が小のときは、弾性
部材3の変形速度が小でダイラタンシー性流体4のせん
断速度が小のため、ダイラタンシー性流体4は固化せ
ず、防振装置は通常の液封防振装置として作用し、振動
伝達を軽減、または遮断する。一方、急加減速時、凹凸
路面走行時のように第1の部材1と第2の部材2との相
対変位、相対速度が大のときは、弾性部材の変形速度が
大でダイラタンシー性流体4のせん断速度が臨界値を越
えるため、ダイラタンシー性流体4が固化して防振装置
のばね定数が非常に大となり、振動の振幅を抑制する。
第1の部材1と第2の部材2との相対変位、相対速度が
小になると、ダイラタンシー性流体4の固化が解除され
て、防振装置は元の振動特性に戻る。
【0008】つぎに、本発明の各実施例に特有な構成、
作用について説明する。本発明の第1実施例の防振装置
は、図1〜図5に示すように、円筒形のマウント(たと
えば、エンジンマウント)からなり、第1の部材として
の円筒形の内側金具1と、第2の部材としての円筒形の
外側金具2と、両金具1、2を連結する水平方向に延び
る弾性部材としての本体ゴム部3を有する。外側金具2
は固定金具7に溶接され、固定金具7は車両ボデー側に
固定される。内側金具1は別のブラケット(図示せず)
にボルト締結され、パワープラント(エンジン、その駆
動伝達経路部材)に連結される。(外側金具2がエンジ
ン側に、内側金具1はボデー側に連結されてもよいが、
その場合は第1の部材が外側金具となり第2の部材が内
側金具となる。)本体ゴム部3の上下には所定のストッ
パクリアランス6を隔てて弾性ストッパとしてのストッ
パゴム部5が設けられており、ストッパゴム部5はほぼ
水平に延びて両端を外側金具2に、たとえば、加硫接着
により、固定されている。ストッパゴム部5の本体ゴム
部3と反対側には外側金具2との間に密閉室空間が形成
され、あるいはストッパゴム部5自体の内部に密閉室空
間が形成され、密閉室空間にダイラタンシー性流体4が
封入されている。ストッパクリアランス6の大きさは、
通常運転時、アイドル時等小変位時には本体ゴム部3の
ストッパゴム部5への当りがダイラタンシー性流体4を
固化させない程度に許容される大きさとされ、従来の同
タイプの円筒形エンジンマウントのストッパクリアラン
スに比べて小である。
【0009】図2は、図1の防振装置の荷重/変位量特
性を示す。アイドルDレンジあるいは普通発進時は、あ
る程度の荷重支持を行いつつ振動絶縁が求められるが、
この場合若干のストッパゴム部当りを許容しても、振動
振幅あるいはマウントの変位速度が小さいため、ダイラ
タンシー性流体4に与えるせん断速度が小さく固化せ
ず、ストッパゴム部5は低ばね定数のままでストッパと
して機能しない。ストッパゴム部当りを許容できる分ス
トッパクリアランス6は従来に比べて小にでき、防振装
置は小型化される。一方、急発進時あるいは凹凸路面走
行時は、パワープラントの変位抑止が求められる。この
場合、マウントは大振幅の変位速度が大となり、ストッ
パゴム部5への当り時、ダイラタンシー性流体4のせん
断速度が上昇しダイラタンシー性流体4は固化するの
で、より高いばね定数のストッパゴム部5とすることが
できる。したがって、ストッパゴム部5はストッパとし
て機能する。上記はストッパクリアランス小により防振
装置の小型化した場合を述べたが、ストッパクリアラン
ス小の代りに弾性部材3の低ばね定数化をはかってもよ
い。
【0010】図3、図4は、本発明の第1実施例のマウ
ントにさらに環状サイドストッパ8を設け、このサイド
ストッパにダイラタンシー性流体4を封入した場合を示
している。第1の部材としての内側金具1にブラケット
9が連結され、ブラケット9の両側に弾性ストッパとし
てのサイドストッパ8(材料は、たとえばゴム、または
合成樹脂)が設けられている。外側金具2はブラケット
9に圧入されブラケット9はパワープラントに連結さ
れ、内側金具1はブラケット10を介して車両ボデー側
に固定される。サイドストッパ8とブラケット10の
間、あるいはサイドストッパ8とブラケット9の間に
は、所定のストッパクリアランス11が設けられてい
る。サイドストッパ8内には密閉室空間が形成されてい
て、そこにダイラタンシー性流体4が封入されている。
【0011】図5は、図3の防振装置の作用、荷重/変
位量特性を示す。図5中、aは小変位速度時、bは大変
位速度時の特性を示している。実際は変位量が大のとき
は変位速度も大のため、小変位量のときaの特性に従
い、大変位のときはダイラタンシー性流体中が固化して
サイドストッパ8が高ばね定数となってbの特性に従
う。cは従来特性を示すが、aがcに比べて横に寝た特
性となっていることは小変位時に本体ゴム部3の横方向
せん断変形の低ばね化がはかられていることを示す。ま
た、低ばね化よりもマウントの小型化をはかりたい場
合、ストッパクリアランス11を従来よりも小にするこ
とができる。これは、アイドルDレンジ、通常走行時
等、変位速度が低い場合、ダイラタンシー性流体封入サ
イドストッパ8のばね定数が低いまま保たれるので、そ
の分従来のストッパゴムより大きなストッパ当りが許容
でき、ストッパクリアランス11を小にできるからであ
る。
【0012】本発明の第2実施例の防振装置として、図
6にエンジンマウントに適用した例を、図7にトルクロ
ッドに適用した例を示す。図6に示す防振装置(エンジ
ンマウント)では、第1の部材としての円筒形内側金具
1と、第2の部材としての円筒形外側金具2は、水平方
向に延びる弾性部材としての本体ゴム部3により連結さ
れている。本体ゴム部3の内部には、密閉室空間が形成
されており、そこにダイラタンシー性流体4が封入され
ている。7は固定金具である。外側金具2と固定金具7
は溶接され、固定金具7は車両ボデー側に連結され、内
側金具1はエンジン側に連結される。(外側金具2がエ
ンジン側に、内側金具1がボデー側に連結されてもよい
が、その場合は第1の部材が外側金具となり第2の部材
が内側金具となる。) 図6の防振装置の作用については、アイドル時、通常走
行時等の小変位時には、本体ゴム部3内のダイラタンシ
ー性流体4の変形(せん断)速度も小で、ダイラタンシ
ー性流体4は固化せず、低いばね定数が得られる。一
方、急加減速時、凹凸路面走行時等の大変位時には、本
体ゴム部3内のダイラタンシー性流体4の変形(せん
断)速度が上り、ダイラタンシー性流体4が固化し、本
体ゴム部3は高いばね定数となり、本体ゴム部3自体が
変位を抑制する。そのため、従来、大変位抑制に必要と
されていたストッパゴムが不要になり、ストッパゴムと
そのクリアランス分、防振装置が小型化される。図7に
示す防振装置(トルクロッド)は、一対の、図6に準じ
る構造の防振装置をロッド12で連結したものからなり
(したがって準じる部分に図6と同じ符号を付す)、2
つの内側金具のうち一方がエンジン側に、他方が車両ボ
デー側にそれぞれ連結される。その作用は図6の実施例
の装置の作用に準じる。
【0013】本発明の第3実施例の防振装置として、図
8、図9に本発明を円筒型エンジンマウントに適用した
例を、図10、図11に本発明をおわん型エンジンマウ
ントに適用した例を、図12〜図15に本発明をフロー
ト式ストッパ型エンジンマウントに適用した例を、それ
ぞれ示す。図8、図9のエンジンマウントでは、第1の
部材としての上金具1と第2の部材としての下金具2
は、弾性部材としての円筒形本体ゴ部3で連結され、本
体ゴム部3の内側には液室が形成され、そこにダイラタ
ンシー性流体4が封入されている。液室の一壁としてダ
イヤフラム13が設けられ、形状が変化できるようにし
てある。液室は隔壁14によって2室に分けられ、隔壁
14にはオリフィス15が設けられている。上金具1は
エンジン側に連結され、下金具2は車両ボデー側に固定
される。マウントには大変位抑制用のストッパは設けら
れていない。図8、図9のエンジンマウントの作用につ
いては、通常走行時、アイドル時等小変位速度時には、
ダイラタンシー性流体4は固化せず、普通の液体と同じ
ようにオリフィス15を通って2室間に移動し、高減衰
を得ることができ、従来の液体封入式マウントと同じ働
きをする。一方、急発進や凹凸路面走行時には、マウン
トにかかる振動振幅および変位速度が大になるため、本
体ゴム部3内周側に封入されているダイラタンシー性流
体4のせん断速度が上昇し、ダイラタンシー性流体が固
化するので、流体はオリフィスを通過せず、全体がスト
ッパとなって大変位を抑制する。したがって、本体ゴム
3の大変位を抑制するためのストッパ機構は必要でな
く、その分防振装置が小型化される。
【0014】図11は従来のおわん型エンジンマウント
を示し、図10は本発明適用後のおわん型エンジンマウ
ントを示す。図10において、第1の部材としての上金
具1と第2の部材としての下金具2は弾性部材としての
本体ゴム部3で連結されており、本体ゴム部3は液室の
一壁を形成している。液室にはダイラタンシー性流体4
が封入されている。液室の一壁はダイヤフラム13で構
成され、液室内は隔壁14によって区分され、隔壁14
にはオリフィス15が設けられる。従来のおわん型エン
ジンマウントには、図11に示すように、下金具2に固
定したストッパ板16をはさんで上下にストッパゴム1
7、18を配し、ストッパゴム17、18を上金具1側
に固定して、大変位を抑制していたが、図10の本発明
マウントでは、大変位時にダイラタンシー性流体4が固
化するので大変位は抑制され、従来のストッパ機構1
6、17、18は不要である。したがって、その分エン
ジンマウントが小型化される。小変位振動に対してはダ
イラタンシー性流体4は固化せず、普通の流体と同じよ
うにオリフィス15を通ることができ、高減衰が得られ
る。
【0015】図12、図13は従来のフロートストッパ
付きエンジンマウントを示し、図14、図15は本発明
適用後の改良型エンジンマウントを示す。図14、図1
5において、第1の部材としての内側金具1と第2の部
材としての外側金具2は、弾性部材としての本体ゴム部
3によって連結されている。本体ゴム部3の内部に室空
間が形成され、そこにダイラタンシー性流体4が封入さ
れている。従来は、図12、図13に示すように室空間
にフロート式ストッパ19を挿入し、本体ゴム部にかか
る大変位を抑制していたが、本発明では、図14、図1
5に示すように、ダイラタンシー性流体4を封入するこ
とにより、急発進時や凹凸路面走行時等の大変位時には
ダイラタンシー性流体4が固化してマウント全体として
非常に高いばね定数になるので、ストッパを廃止しても
大変位を抑制できる。ストッパ廃止により、エンジンマ
ウントは小型化される。
【0016】本発明の第4実施例の防振装置は、図1
6、図17に示すように、ダイナミックダンパ式防振装
置(たとえば、ラジエータアッパサポート)からなる。
ダイナミックダンパ式防振装置は、マス(たとえば、ラ
ジエータ20)と弾性部材(たとえば、ラジエータアッ
パサポートのゴム)を有する。図16、図17の例で
は、ボデー側取付金具21とラジエータ側取付金具22
との間に、弾性部材としてのゴム弾性体3が設けられ、
ゴム弾性体3とボデー側取付金具21との間に密閉空間
を形成して、そこにダイラタンシー性流体4を封入す
る。第1の部材(支持部材)は車両のボデーであり、第
2の部材(マス部材)はラジエータ20である。図18
は従来のラジエータアッパサポート24を示しており、
25は単なる空間で、液体は封入されていない。第4実
施例の作用について説明すると、アイドリング時、ラジ
エータ20をマスとしてダイナミックダンパとして作用
させる時、ラジエータサポートのゴム弾性体3には微小
変位しか入力されないため、ダイラタンシー性流体4は
固化しない。しかし、凹凸路面走行時等大変位時には、
ラジエータ20は路面入力により大きく振動し、ラジエ
ータサポートの取付金具22は大きな入力荷重を受け
る。取付金具22は上下に大きく振動して、ダイラタン
シー性流体4を圧迫し、ダイラタンシー性流体4に所定
値以上のせん断速度が発生して流体は固化する。固化す
るとラジエータサポートのトータルばね定数は増大し、
ラジエータ20の振動は抑えられ、ラジエータ20に過
大な入力荷重が入るのを防ぐことができる。したがっ
て、ラジエータサポートは大変位抑制のためにストッパ
を設ける必要がなく、小変位時にダイナミックダンパと
して機能するように設計しさえすればよく、設計自由度
が大であり、小型化できる。また、過大変位が防止でき
るので、ラジエータ20もラジエータサポートを固定す
るクロスメンバも過剰に剛性をアップする必要がなく、
軽量化にも寄与できる。なお、上記はラジエータアッパ
サポート24にダイラタンシー性流体4を封入したもの
を説明したが、ラジエータロアサポート26にダイラタ
ンシー性流体を封入したものであってもよい。
【0017】
【発明の効果】請求項1の防振装置によれば、弾性スト
ッパに可変粘性流体を封入したので、小変位時のストッ
パ当りを大きくとることが許容され、ストッパクリアラ
ンスを小にでき、防振装置の小型化をはかることができ
る。請求項2の防振装置によれば、弾性部材内に室空間
を形成し、そこに可変粘性流体を封入したので、大変位
時に弾性部材のばね定数を上げて変位を抑制でき、スト
ッパが不要になって、防振装置の小型化をはかることが
できる。請求項3の防振装置によれば、液室内に可変粘
性流体を封入したので、大変位時に装置全体のばね定数
を上げることができ、ストッパが不要になって、防振装
置の小型化をはかることができる。請求項4の防振装置
によれば、弾性部材の変形と同時に変形する室空間に可
変粘性流体を封入したので、特別な機構、ストッパを設
けることなく、大変位を抑制でき、小変位に対する設計
自由度が増し、防振装置の小型化をはかることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例(その1)の防振装置の断
面図である。
【図2】図1の装置の荷重/変位量図である。
【図3】本発明の第1実施例(その2)の防振装置の側
面図である。
【図4】図3の装置の断面図である。
【図5】図3の装置の荷重/変位量図である。
【図6】本発明の第2実施例(その1)の防振装置の断
面図である。
【図7】本発明の第2実施例(その2)の防振装置の断
面図である。
【図8】本発明の第3実施例(その1)の防振装置の断
面図である。
【図9】図8の装置の平面図である。
【図10】本発明の第3実施例(その2)の防振装置の
断面図である。
【図11】図10の装置に対応する従来装置の断面図で
ある。
【図12】本発明の第3実施例(その3)の防振装置に
対応する従来装置の断面図である。
【図13】図12の装置の横断面図である。
【図14】本発明の第3実施例(その3)の防振装置の
断面図である。
【図15】図14の装置の横断面図である。
【図16】本発明の第4実施例の防振装置の断面図であ
る。
【図17】図16の装置をラジエータをマスとしたダイ
ナミックダンパに適用した断面図である。
【図18】図16の装置に対応する従来装置の断面図で
ある。
【符号の説明】
1 第1の部材 2 第2の部材 3 弾性部材 4 ダイラタンシー性流体(可変粘性流体) 5 弾性ストッパ 6、11 ストッパクリアランス 8 サイドストッパ 12 ロッド 13 ダイヤフラム 14 隔壁 15 オリフィス 20 ラジエータ
フロントページの続き (72)発明者 市川 明徳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動を伝達する側の第1の部材と、振動
    が伝達される側の第2の部材と、前記第1の部材と前記
    第2の部材を連結する弾性部材と、前記第1の部材と前
    記第2の部材のうち一方の部材側にとりつけられ前記第
    1の部材と前記第2の部材が所定のクリアランス分相対
    変位したときに他方の部材側に当って前記クリアランス
    分以上の相対変位を自身が変形しながら抑制する弾性ス
    トッパと、を有する防振装置において、前記弾性ストッ
    パ内に、せん断速度が所定値に達すると粘度が急増しせ
    ん断速度が前記所定値以下になると元の粘度に戻る特性
    をもつ可変粘性流体を封入したことを特徴とする防振装
    置。
  2. 【請求項2】 振動を伝達する側の第1の部材と、振動
    が伝達される側の第2の部材と、前記第1の部材と前記
    第2の部材とを連結する弾性部材と、を有する防振装置
    において、前記弾性部材の内部に室空間を形成し、該室
    空間に、せん断速度が所定値に達すると粘度が急増しせ
    ん断速度が前記所定値以下になると元の粘度に戻る特性
    をもつ可変粘性流体を封入したことを特徴とする防振装
    置。
  3. 【請求項3】 振動を伝達する側の第1の部材と、振動
    が伝達される側の第2部材と、前記第1の部材と前記第
    2部材とを連結する弾性部材と、前記弾性部材の少なく
    とも一部を一壁とし他壁に弾性ダイヤフラムを有する液
    室と、前記液室に設けた隔壁に設けられたオリフィス
    と、を有する防振装置において、前記液室内に、せん断
    速度が所定値に達すると粘度が急増しせん断速度が前記
    所定値以下になると元の粘度に戻る特性をもつ可変粘性
    流体を封入したことを特徴とする防振装置。
  4. 【請求項4】 マス部材と、支持部材と、前記マス部材
    と前記支持部材の間に位置するばねと、を有するダイナ
    ミックダンパ式の防振装置において、前記弾性部材の内
    部および前記弾性部材と前記マス部材、前記支持部材の
    何れか一方によって囲まれる部位の何れか一方に、前記
    弾性部材が変形するときに同時に変形する室空間を形成
    し、前記室空間に、せん断速度が所定値に達すると粘度
    が急増しせん断速度が前記所定値以下になると元の粘度
    に戻る特性をもつ可変粘性流体を封入したことを特徴と
    する防振装置。
JP672795A 1995-01-19 1995-01-19 防振装置 Pending JPH08200431A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102007038493B4 (de) * 2007-08-14 2012-10-04 Zf Friedrichshafen Ag Elastomeres Buchsenlager mit hydraulischer Dämpfung
KR20130068762A (ko) * 2011-12-16 2013-06-26 현대자동차주식회사 강성 가변형 러버마운트 장치
JP2020051527A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 株式会社Subaru パワーユニットマウント構造

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KR20130068762A (ko) * 2011-12-16 2013-06-26 현대자동차주식회사 강성 가변형 러버마운트 장치
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