JPH08200185A - ホール型燃料噴射ノズル - Google Patents

ホール型燃料噴射ノズル

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JPH08200185A
JPH08200185A JP7031379A JP3137995A JPH08200185A JP H08200185 A JPH08200185 A JP H08200185A JP 7031379 A JP7031379 A JP 7031379A JP 3137995 A JP3137995 A JP 3137995A JP H08200185 A JPH08200185 A JP H08200185A
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JP
Japan
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injection port
main
nozzle
injection
fuel
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JP7031379A
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English (en)
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Kiyohiro Shimokawa
清広 下川
Yuugo Kudou
有吾 工藤
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Hino Motors Ltd
Original Assignee
Hino Motors Ltd
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Publication date
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B23/00Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation
    • F02B23/02Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with compression ignition
    • F02B23/06Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with compression ignition the combustion space being arranged in working piston
    • F02B23/0645Details related to the fuel injector or the fuel spray
    • F02B23/0669Details related to the fuel injector or the fuel spray having multiple fuel spray jets per injector nozzle
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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    • F02B23/02Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with compression ignition
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 NOxの生成を抑制することができるととも
に、空気利用率を高くして黒煙の排出量を削減できる燃
料噴射ノズルをする。 【構成】 ピストンに設けたキャビティの周壁に向って
開口する主噴口2の間に、該主噴口2より上方に向って
開口する副噴口3をノズル1に設ける。副噴口3の総開
口面積を主噴口2の総開口面積の35%〜65%にす
る。主噴口2を基準としてスワール6の上流側に位置す
る副噴口3を等間隔よりもスワール6の下流側に変位さ
せたことにより、主噴口2から噴射された燃料噴霧によ
る混合気と副噴口3から噴射された燃料噴霧による混合
気の重なりを予防して過濃混合気の生成を抑制しつつ、
新気を取り込んだ安定燃焼を最終段階まで継続させてN
Oxおよび黒煙の発生を抑制するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディーゼルエンジンに用
いられる燃料噴射ノズルに係り、詳しくは、直接噴射式
ディーゼルエンジンから排出される窒素酸化物(以下、
NOxという)および黒煙を効果的に低減できるように
したホール型の燃料噴射ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の直接噴射式ディーゼルエンジンに
用いられるホール型の燃料噴射ノズルとしては、例えば
実開昭57−158974号公報などに見られるように
コーン角の異なる複数の噴口を交互に設けたもの、ある
いは、実開平2−59260号公報に見られるように複
数個の噴口の総開口面積を当該噴口到達時点での流量係
数に応じて設定したものがある。
【0003】しかしながら、自動車用ディーゼルエンジ
ンのように使用する回転・負荷域が広いエンジンにおい
ては、燃料供給量の制御範囲が広い。従って、例えば低
負荷域のように燃料の供給量が少ない領域での初期噴射
率を低くしてNOxの生成を抑制すべく噴口径を小さく
すると、燃料の噴射量が多い高負荷域で噴射期間が必要
以上に長くなり過ぎてしまう。また、逆に高負荷域での
噴射期間を適正化すべく噴口径を大きくすると、低負荷
域においても初期噴射率が高くなってしまうために着火
時点までの噴射量が多くなってNOxが生成され易くな
るという不具合がある。
【0004】上記のような不具合を解消するためには副
室式ディーゼルエンジンに用いられるピントル型、スロ
ットル型あるいはピントークス型の燃料噴射ノズルを用
いることが考えられ、もしくは、二段開弁圧ノズルとす
ることが有効である。ところが、前者の副室式ディーゼ
ルエンジン用のノズルを直噴式ディーゼルエンジンに用
いることは実質的に不可能であり、後者の二段開弁圧ノ
ズルは構成が複雑で高価であるという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、噴射量が多い領域での噴射期
間の長期化を予防し、初期噴射率を低くして着火時点ま
での噴射量を可及的に少なくしてNOxの生成を抑制す
ることができるとともに、空気利用率を高くして黒煙の
排出量を削減できる燃料噴射ノズルをすることを課題と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、ピストンに設けたキャビティの周壁に向っ
て開口する主噴口を設ける一方、前記キャビティのエッ
ジ部に向って開口する副噴口を隣接する主噴口の間に設
けている。そして、副噴口の総開口面積を主噴口の総開
口面積の35%〜65%にするとともに、主噴口を基準
としてスワールの上流側に位置する副噴口を等間隔より
もスワールの下流側に変位させたことを特徴としてい
る。
【0007】また本発明は、主噴口を副噴口より大径の
噴口で構成して副噴口の総開口面積を主噴口の総開口面
積の35%〜65%にし、もしくは、主噴口を副噴口と
ほぼ同径の噴口で構成したうえで、2つの主噴口に対し
て1つの副噴口を設けて副噴口の総開口面積を主噴口の
総開口面積の35%〜65%にし、かつ、対をなす主噴
口の中心点を基準としてスワールの上流側に位置する副
噴口を等間隔を含んでスワールの下流側に配設すること
ができる。
【0008】
【作用】燃料噴射ポンプから吐出された燃料の圧力が上
昇すると、燃料噴射ノズルに設けたニードルがリフトさ
れて噴口から燃料が噴射される。また、主噴口をキャビ
ティの周壁に向って開口させるとともに、副噴口のコー
ン角を主噴口のコーン角より大きくし、もしくは、副噴
口を主噴口よりもノズルの基端側に位置させるなどして
副噴口を主噴口より上方に向って開口させ、かつ、主噴
口と副噴口の流量係数ならびに流路抵抗を異ならせてい
る。
【0009】すなわち、噴口の流路抵抗は口径を小さく
するにつれて大きくなり、口径が同一である場合はコー
ン角を大きくするにつれて大きくなり、ノズルの先端側
に位置する噴口ほど流量係数が大きくなる。
【0010】このために、燃料噴射ポンプの送油率が低
い領域では流路抵抗が大きい副噴口からの噴射量は少な
くなる。従って、低負荷域での運転のように送油率が低
いときは初期噴射率が抑えられるために、静粛な燃焼が
行なわれて燃焼音が低減されるとともに、NOxの生成
が抑制される。
【0011】ところが、高負荷域での運転のように噴射
量が増大した場合は、燃料噴射ポンプの送油率が高くな
り、これにともなって燃料の圧力も上昇する。すると、
流路抵抗が大きな副噴口からもある程度の量の燃料が噴
射されることになり、噴口の有効開口面積および有効数
が増大して噴射された燃料と空気との混合性が改善され
るために、黒煙の発生が抑制される。
【0012】一方、主噴口をキャビティの周壁に向って
開口させるとともに、副噴口を主噴口より上方に向って
開口させているために、主噴口から噴射された燃料噴霧
は主としてキャビティ内において空気と混合されるが、
副噴口から噴射された燃料噴霧の一部はピストン頂面の
スキッシュエリアにおいて空気と混合される。
【0013】また、燃料噴霧を押し流しつつ拡散させる
スワールは、スキッシュエリアよりもキャビティ内にお
いて非常に強くなっている。そして、主噴口から噴射さ
れた燃料噴霧はキャビティ内に誘起されたスワールで押
し流されつつ急速に拡散するが、副噴口から噴射されて
スキッシュエリアに到達した燃料噴霧は、このスキッシ
ュエリアに生じているスワールによる押し流し作用を受
けつつ緩速で拡散する。
【0014】さらに、主噴口を基準としてスワールの上
流側に位置する副噴口を等間隔よりもスワールの下流側
に変位させており、しかも、キャビティ内とスキッシュ
エリアのスワール強度の相違により主噴口から噴射され
た燃料噴霧の単位時間あたりの拡散角度が大きく、副噴
口から噴射された燃料噴霧の単位時間あたりの拡散角度
が小さい。
【0015】従って、副噴口から噴射された燃料噴霧に
よる混合気が主噴口から噴射された燃料噴霧による混合
気に追いついて重なることがない。また、副噴口を予め
スワールの下流側に変位させているために、主噴口から
噴射された燃料噴霧による混合気が副噴口から噴射され
た燃料噴霧による混合気に追いついて重なりあうことも
ない。このために、主噴口から噴射された燃料噴霧と副
噴口から噴射された燃料噴霧による混合気の重なりによ
る過濃混合気の発生が防止されるとともに、主噴口から
噴射された燃料噴霧による混合気の前方に常に新気が存
在する。
【0016】そして、このような混合気の分布状態はピ
ストンがさらに下って逆スキッシュによりキャビティか
らスキッシュエリアに大量の混合気が流出した状態にお
いても維持される。よって、最終段階まで混合気の前方
に存在する新気を取り込みつつ燃焼が進行するために、
空気の利用率が高くなって黒煙の発生が予防される。な
お、副噴口から噴射された燃料噴霧はキャビティに流入
する激しい空気の流れによる撹拌作用を受けつつスキッ
シュエリアに到達して空気と混合されるために、黒煙の
抑制効果がより高くなる。
【0017】また、主噴口を副噴口より大径にした場合
は該主噴口から噴射された燃料噴霧の貫徹力が大きくな
ってキャビティの周壁に付着することが懸念される。と
ころが、主噴口の外端部に例えばザグリ加工を施して噴
口の有効長さを小さくすることにより、主噴口から噴射
された燃料噴霧の貫徹力を減少補正することができる。
よって、主噴口を大径化したことにより懸念されるキャ
ビティの周壁への燃料噴霧の付着による不具合を回避す
ることができる。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を図に基づいて詳細に
説明する。図1は本発明に係るホール型燃料噴射ノズル
の一実施例を示すノズル先端側から見た正面図、図2は
図1のA−A断面図であり、放射方向に向って開口する
6個の噴口をノズル1の先端に設けている。噴口は大径
の主噴口2と小径の副噴口3の組合せで構成されてお
り、3個の主噴口2と3個の副噴口3を交互に配設して
いる。なお、主噴口2を副噴口3よりもノズル1の先端
側に位置させている。
【0019】また、副噴口3の総開口面積を主噴口2の
総開口面積の35%〜65%に設定するとともに、副噴
口3のコーン角βを主噴口2のコーン角αより大きくす
ることにより、主噴口2をピストン4に設けたキャビテ
ィ5の周壁に向って開口させるとともに、副噴口3をキ
ャビティ5のエッジ部に向って開口させている(なお、
図2においては主噴口2のコーン角αおよび副噴口3の
コーン角βの2分の1に相当するα/2、β/2を示し
ている)。
【0020】また、主噴口2を基準として、スワール6
の上流側に位置する副噴口3をそれぞれ等間隔よりもス
ワール6の下流側に変位させている。なお、ノズル1の
内部には従来のホール型燃料噴射ノズルの場合と同様に
図示しないニードルなどを設けており、図示しない燃料
噴射ポンプから供給された燃料の圧力が上昇すると、ニ
ードルがリフトされて噴口2、3を経て燃料が噴射され
るようにしている。
【0021】以上のような構成になる燃料噴射ノズルに
おいて、図示しない燃料噴射ポンプから吐出された燃料
の圧力が上昇すると、ノズル1に設けているニードル
(図示省略)がリフトされて噴口2、3から燃料が噴射
される。また、このときにおける噴射量は、各噴口2、
3の流路抵抗および噴口2、3の開口位置による流量係
数に依存して変化するものであり、噴口の口径を小さく
するにつれて、あるいは、コーン角を大きくするにつれ
て噴口の流路抵抗が大きくなり、ノズル1の先端側に位
置する噴口ほど流量係数が大きくなる。
【0022】従って、燃料噴射ポンプの送油率が低い領
域では流路抵抗が大きくて流量係数が小さい小径の副噴
口3からの噴射量が少なくなり、流路抵抗が小さくて流
量係数が大きい大径の主噴口2から主として燃料が噴射
される。このために、低負荷域での運転のように噴射量
が少ないときは噴口の有効数(全体としての噴口の有効
開口面積)が少なくなるために初期噴射率が抑えられ、
静粛な燃焼が行なわれて燃焼音が低減されるとともに、
NOxの生成が抑制される。
【0023】なお、主噴口2をキャビティ5の周壁の中
間部に向って開口させている。よって、主噴口2から噴
射された燃料噴霧はキャビティ5の深い部分に誘起され
る強いスワール6による押し流し作用を受けて拡散され
つつ燃焼し、燃焼が進行した段階で逆スキッシュにより
スキッシュエリアに流出して新気の供給を受けつつさら
に燃焼が継続されるために、効率の高い燃焼が行なわれ
る。
【0024】一方、高負荷域での運転時のように噴射量
が増大した場合は、燃料噴射ポンプの送油率が高くな
り、燃料の供給圧力が上昇する。すると、流路抵抗が大
きくて流量係数が小さい小径の副噴口3からもかなりの
量の燃料が噴射されるために、噴口の有効数および有効
開口面積が増加する。
【0025】従って、初期噴射率を低くできるにも拘ら
ず噴射期間が必要以上に長くなることがなく、噴射され
た燃料と空気との混合性が改善されて黒煙の発生が抑制
される。なお、副噴口3から噴射された燃料噴霧の一部
はキャビティ5に流入する強い流れによる拡散作用を受
けつつスキッシュエリアに到達してスワール6による押
し流し拡散作用を受けて空気と混合されるために、良好
な混合気が得られる。
【0026】ところで、燃料噴霧を押し流しつつ拡散さ
せるスワール6は、スキッシュエリアよりもキャビティ
5内において非常に強くなっている。そして、主噴口2
から噴射された燃料噴霧はキャビティ5内に誘起された
スワールで押し流されつつ拡散するが、副噴口3から噴
射されてスキッシュエリアに到達した燃料噴霧は、スキ
ッシュエリアに位置するスワール6による押し流し作用
を受けつつ拡散する。
【0027】また、主噴口2を基準としてスワール6の
上流側に位置する副噴口3を等間隔よりもスワール6の
下流側に変位させており、前記のようにキャビティ5内
のスワールはスキッシュエリアのスワールより強い。従
って、主噴口2から噴射された燃料噴霧の単位時間あた
りの拡散角度が大きく、副噴口3から噴射された燃料噴
霧の単位時間あたりの拡散角度が小さくなる。
【0028】このために、噴射直後においては主副の噴
口2、3から噴射された燃料噴霧a、bが図3(A)に
示したようにほとんど拡散しない状態を示すが、主噴口
2から噴射された燃料噴霧aに作用するスワール6が副
噴口3から噴射された燃料噴霧bに作用するスワール6
よりも強い。従って、スワール6による押し流し作用を
受けた混合気がキャビティ5からスキッシュエリアに流
出し始める直前においては主噴口2から噴射された燃料
噴霧aによる混合気Aが副噴口3から噴射された燃料噴
霧bによる混合気Bに対してより大きく拡散する。
【0029】しかしながら、副噴口3を予めスワール6
の下流側に変位させているために、主副の噴口2、3か
ら噴射された燃料噴霧a、bによる混合気A、Bが相互
に追いついて重なりあうことがない。このために、主噴
口2から噴射された燃料aによる混合気Aと副噴口3か
ら噴射された燃料噴霧bによる混合気Bに重なりによる
過濃混合気の発生が防止され、しかも、図3(B)に示
したように主噴口2から噴射された燃料噴霧aによる混
合気Aの前方に新気Cが存在する。
【0030】また、ピストン4がさらに下ってキャビテ
ィ5から逆スキッシュに誘導されてスキッシュエリアに
大量の混合気が流出した状態においても、図3(C)に
示したように混合気の前方に新気Cが存在し続ける。そ
して、その後の燃焼過程においても同図(D)に示した
ように混合気の前方に新気Cが存在し続けるために、こ
の新気Cを取り込みつつ燃焼が遂行されることになり、
空気の利用率が高くなって黒煙の発生が予防される。
【0031】なお、副噴口3から噴射された燃料噴霧b
はキャビティ5に流入する激しい空気の流れによる撹拌
作用を受けつつスキッシュエリアに到達してスワール6
による押し流し作用を受けて空気と混合されるために、
黒煙の抑制効果がより高くなる。
【0032】また、本発明においては副噴口3の総開口
面積を主噴口2の総開口面積の35%〜65%に設定し
ているために、黒煙およびNOxの生成をともに効果的
に抑制することができる。すなわち、図4は噴射ノズル
全体としての噴口の総開口面積および噴射タイミングを
一定にして主噴口2の総開口面積に対する副噴口3の総
開口面積の割合を変化させた場合におけるNOxおよび
黒煙の排出特性を示している。
【0033】この図4からも明らかなように、副噴口3
の総開口面積を主噴口2の総開口面積の35%より小さ
くした場合は、主噴口2の総開口面積が相対的に増大し
て低負荷域における初期噴射率が高くなるとともに燃料
噴霧の微粒化性能が低下するためにNOxおよび黒煙の
生成量が増大する。
【0034】一方、副噴口3の総開口面積を主噴口2の
総開口面積の65%より大きくした場合は、黒煙の発生
を抑制する点では好ましい。しかしながら、この場合は
低負荷域における副噴口3からの噴射量が増加して初期
噴射率が高くなるために、NOxの生成が多くなってし
まう。従って、エンジンの要求性能によっても相違する
が、副噴口3の総開口面積を主噴口2の総開口面積の3
5%〜65%に設定することで黒煙およびNOxの生成
をともに効果的に抑制することができる。
【0035】図5は本発明に係るホール型燃料噴射ノズ
ルの他の実施例を示す側面図、図6は図5に示したノズ
ルを先端側から見た正面図である。この実施例において
は、主噴口2を副噴口3とほぼ同径の噴口で構成したう
えで、2つの主噴口2に対して1つの副噴口3を設けて
副噴口3の総開口面積を主噴口2の総開口面積の35%
〜65%にしている。
【0036】そして、対をなす主噴口2の中心点7を基
準としてスワール6の上流側に位置する副噴口2を等間
隔よりもスワール6の下流側に変位させている。そし
て、主噴口2を副噴口3よりもノズル1の先端側に位置
させるとともに、副噴口3のコーン角を主噴口2のコー
ン角よりも大きくすることにより、副噴口3をキャビテ
ィ5のエッジ部に向って開口させている。従って、主噴
口2と副噴口3の口径が全く同一であったとしてもコー
ン角が大きな副噴口3の流路抵抗が大きく、ノズル1の
先端側に位置する主噴口2の流量係数が大きくなってい
る。
【0037】よって、燃料噴射ポンプの送油率が低い領
域では流路抵抗が大きくて流量係数が小さい副噴口3か
らの噴射量は少なくなり、高負荷域での運転のように噴
射量が増大して燃料噴射ポンプの送油率が高くなった場
合は、流路抵抗が大きくて流量係数が小さい副噴口3か
らもある程度の量の燃料が噴射される。従って、この実
施例の場合においても前記実施例同様の作用効果が得ら
れることになる。
【0038】なお、図7に示したように対をなす主噴口
2の中心点7を基準として副噴口2を等間隔位置もしく
はその近傍に配設することができる。このように主噴口
2の中心点7に対して副噴口3を等間隔位置もしくはそ
の近傍に配設した場合は、主噴口2から噴射された燃料
噴霧aによる混合気Aと副噴口3から噴射された燃料噴
霧bによる混合気Bの重なりをより確実に防止できるた
めに、過濃混合気の発生の抑制効果をより高くすること
ができる利点がある。
【0039】また、図示はしないがキャビティ5の底壁
の中央部に向って開口する補助噴口を設け、この補助噴
口の開口面積を副噴口2の開口面積の50%〜80%に
設定することにより、キャビティの中心付近の空気を有
効に利用することもできる。すなわち、このようにキャ
ビティ5の底壁中央部に向って開口する補助噴口を設け
た場合は、噴射量がきわめて多い高負荷域においては補
助噴口からも燃料を噴射してキャビティ5の中央部に燃
料を直接に供給できる。
【0040】このために、従来は必ずしも有効利用され
ていなかったキャビティ5の中央部の空気をも燃焼に供
することができ、しかも、噴射量が増加するにつれて噴
口の有効開口面積が増大する。よって、初期噴射率の増
加をともなうことなく噴射期間をより短縮できるため
に、ディーゼルエンジンから排出されるNOxおよび黒
煙を充分に少なくして燃焼効率をより改善することがで
きる。
【0041】さらに、図1および図2に示した実施例の
ように主噴口2を副噴口3より大径にした場合は、該主
噴口2から噴射された燃料噴霧の貫徹力が大きくなり過
ぎてキャビティ5の周壁に付着することが懸念される。
ところが、主噴口2の外端部に例えばザグリ加工を施し
て該主噴口2の有効長さを小さくして主噴口2から噴射
された燃料噴霧の貫徹力を減少補正した場合は、主噴口
2を大径化したことにより懸念されるキャビティ5の周
壁への燃料噴霧の付着による空気利用率の低下を予防す
ることができるとともに、排気中に含まれるNOxおよ
び黒煙をより効果的に低減することができる。
【0042】上記実施例においてはいずれも合計6個の
噴口を設けているが、噴口の総数は必ずしも6個である
必要性はなく、燃料の噴射特性に応じて主噴口2および
副噴口3の数、口径、コーン角および形成位置を設定す
ればよく、本発明を二段開弁圧ノズルの噴口に適用して
NOxの低減効果をより改善することもできる。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
係るホール型燃料噴射ノズルによれば、噴射期間が長期
化されることを予防しつつ初期噴射率を低くすることが
できる。また、拡散速度が高い主噴口からの燃料噴霧の
前方に充分なスペースを確保して主噴口から噴射された
燃料噴霧による混合気と副噴口から噴射された燃料噴霧
による混合気が重なりあうことによる過濃混合気の生成
を予防するとともに混合気の前方に新気を確保するよう
にしているために、燃焼の最終段階まで新気を取り込む
安定的な燃焼を継続させることができる。よって、燃焼
温度の上昇をともなうことなく空気利用を飛躍的に高く
することができ、ディーゼルエンジンから排出されるN
Oxおよび黒煙をより効果的に抑制できるとともに、例
えば二段開弁圧ノズルに比較してノズルの構成を簡略化
できるために、燃料噴射ノズルを安価に提供することも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料噴射ノズルの一実施例を示す
先端側から見た正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】燃料噴霧(混合気)の拡散過程を示すピストン
上方からの概略平面図である。
【図4】主噴口と副噴口の総開口面積比によるNOxお
よび黒煙の排出特性を示す図である。
【図5】本発明に係るホール型燃料噴射ノズルの他の実
施例を示す側面図である。
【図6】図5に示したノズルを先端側から見た正面図で
ある。
【図7】図5に示した実施例の変形例をノズルの先端側
から見た正面図である。
【符号の説明】
1 ノズル 2 主噴口 3 副噴口 4 ピストン 5 キャビティ 6 スワール 7 対をなす主噴口の中心点 a 燃料噴霧 b 燃料噴霧 A 混合気 B 混合気 C 新気

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射方向に向って開口する複数個の噴口
    を備えたホール型燃料噴射ノズルにおいて、ピストンに
    設けたキャビティの周壁に向って開口する主噴口と、隣
    接する主噴口の間に位置して該主噴口より上方に向って
    開口する副噴口で前記噴口を構成し、副噴口の総開口面
    積を主噴口の総開口面積の35%〜65%にするととも
    に、主噴口を基準としてスワールの上流側に位置する副
    噴口を等間隔よりもスワールの下流側に変位させたこと
    を特徴とするホール型燃料噴射ノズル。
  2. 【請求項2】 主噴口を副噴口より大径の噴口で構成し
    たことを特徴とする請求項1に記載のホール型燃料噴射
    ノズル。
  3. 【請求項3】 放射方向に向って開口する複数個の噴口
    を備えたホール型燃料噴射ノズルにおいて、ピストンに
    設けたキャビティの周壁に向って開口する主噴口と、該
    主噴口より上方に向って開口する副噴口で前記噴口を構
    成し、主噴口を副噴口とほぼ同径の噴口で構成するとと
    もに、2つの主噴口に対して1つの副噴口を設けて副噴
    口の総開口面積を主噴口の総開口面積の35%〜65%
    に設定し、かつ、対をなす主噴口の中心点を基準として
    スワールの上流側に位置する副噴口を等間隔を含んでス
    ワールの下流側に配設したことを特徴とするホール型燃
    料噴射ノズル。
JP7031379A 1995-01-27 1995-01-27 ホール型燃料噴射ノズル Pending JPH08200185A (ja)

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