JPH0819982A - 静電チャック及びその製造方法 - Google Patents

静電チャック及びその製造方法

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JPH0819982A
JPH0819982A JP17160194A JP17160194A JPH0819982A JP H0819982 A JPH0819982 A JP H0819982A JP 17160194 A JP17160194 A JP 17160194A JP 17160194 A JP17160194 A JP 17160194A JP H0819982 A JPH0819982 A JP H0819982A
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JP
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dielectric
electrode
sheet
electrostatic chuck
layer
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JP17160194A
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Hiromasa Shimojima
浩正 下嶋
Nobuyuki Minami
信之 南
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Nihon Cement Co Ltd
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Nihon Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 静電チャックの誘電体の材質を従来のアルミ
ナセラミックスに代えて、誘電率の高いセラミックスを
使うことにより、吸着力の強い静電チャックを提供し、
さらにその製造方法も提供すること。 【構成】 誘電体層、電極層、及び基盤層の3層よりな
り、誘電体層には誘電率の高いTiO2を用い、また電
極層にはAg等の金属の代わりに誘電体層および基盤層
の材質と同じセラミックスを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電チャックに関し、
特にその材質が酸化チタン製の静電チャック及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、静電チャックとしてはアルミナセ
ラミックスを使用したものが多い。これはアルミナセラ
ミックスが、高硬度、高弾性率で、耐薬品性にも優れて
いて材料特性が良く、しかも安価であるため、静電チャ
ックの材料として有利であるからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このアルミナ
セラミックスは、誘電率があまり高くないため、シリコ
ンウェハをチャックする吸着力が弱く、シリコンウェハ
を吸着するのに十分でないという問題があった。
【0004】この吸着力(f)は、図1で示されるよう
にシリコンウェハと静電チャック間に蓄えられている静
電エネルギー(W)を誘電体厚み(t)で微分すれば求
められるので、次のように表される。 W=CV2/2 C=ε0εrS/t W=(ε0εrS/2t)V2 f=−dW/dt=−(ε0εrSV2/2)d/dt
(1/t)=ε0εrSV2/2t2 (kgf/m2) (ただし、Cは誘電体の静電容量、Vはシリコンウェハ
と静電チャック間の負荷電圧、ε0は真空の誘電率、εr
は誘電体の比誘電率、Sは電極の面積)
【0005】上記式で示されたように、吸着力は静電チ
ャックを構成している誘電体の誘電率に左右されるから
であり、アルミナでは誘電率が約10と高くないため、
吸着力が十分でないからである。
【0006】また、このアルミナセラミックスは、使用
する電極の材料としてMoやW等の大気中で焼成できな
い、しかも1500℃以上の高温を必要とする金属を使
用しなければならないという問題もあった。
【0007】本発明は、上述した静電チャックが有する
課題に鑑みなされたものであって、その目的は、静電チ
ャックの誘電体の材質を従来のアルミナセラミックスに
代えて、誘電率の高いセラミックスを使うことにより、
吸着力の強い静電チャックを提供し、さらにその製造方
法も提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため、静電チャックの材料に酸化チタンを用
いれば、材料の誘電率が約110と高いので、十分な吸
着力を有する静電チャックを得ることができるとの知見
を得て本発明を完成した。
【0009】上記静電チャックは上層に誘電体、中層に
電極、下層に基盤から成るが、上層の誘電体としては、
体積抵抗率で1010Ω・cmを越えるTiO2とし、中
層の電極としては、大気中で焼成できるAg系の導体と
した。(請求項1)
【0010】中層の電極として大気中で焼成できるAg
系の導体としたのは、不活性ガスまたは還元雰囲気で焼
成すると、上層の誘電体であるTiO2の体積抵抗率が
102Ω・cm以下の導電体となってしまい、1010Ω
・cmを越える誘電体とならないことと、温度の低いA
g系の導体が使えるからである。
【0011】また、中層の電極としては、Ag系の導体
に代えて105Ω・cmより低い体積抵抗率を有するT
iO2−M25(M=Nb、Sb、Ta)から成る導電
性セラミックスとした(請求項2)。
【0012】Ag系の導体に代えて、TiO2−M25
(M=Nb、Sb、Ta)から成る導電性のセラミック
スを電極としたのは、Ag等の金属では上層の誘電体と
焼成膨張、焼成収縮及び使用時における熱膨張、熱収縮
の違いが大きいので、それをマッチさせるためで、その
ために材質の同じ導電体を電極にしたものである。これ
により、誘電体との密着がAg等の電極よりより好まし
い電極となる。
【0013】この導電性セラミックス中のM25の含有
量としては、1〜5mol%とした(請求項3)。M2
5が1mol%より少ないと体積抵抗率が105Ω・c
mを越えてしまい電極として使用できない。5mol%
より多いと上層の誘電体との熱膨張差が大きくなり、亀
裂や剥離のない接合体を作製することが難しい。
【0014】また、下層の基盤としては、体積抵抗率で
1010Ω・cmを越えるTiO2であることとした(請
求項4)。これは、基盤がアルミナなどの他のセラミッ
クスでも構わないが、前述したように焼成膨張、焼成収
縮及び使用時における熱膨張、熱収縮等の整合性の点
で、誘電体、または電極と材質の同じ材料を使えばより
好ましくなるからである。
【0015】この静電チャックの製造方法としては、上
層のTiO2誘電体ではシートを、中層の電極ではシー
ト又はペーストを、あるいはペーストを塗布したシート
を、下層の基盤ではシートをそれぞれ作製し、それらを
積層して一体化した後、それを大気中で焼成することと
した(請求項5)。
【0016】中層の電極がAg系の導体の場合、Ag、
またはAgにPdなどを添加した粉末に適量の有機ビヒ
クルを混合した後、三本ロールミルで混練してペースト
とし、そのペーストを上層の誘電体の下面または下層の
基盤の上面にスクリーン印刷などで塗布してもよいし、
上層と下層の間に誘電体層を加え、その誘電体層の上面
に塗布してもよい。また、TiO2−M25の導電性セ
ラミックスの場合、TiO2−M25のシートでもよい
し、TiO2−M25をペーストとしてそのペーストを
同様に上層と下層の間に誘電体層を加え、その誘電体層
の上面に塗布してもよい。
【0017】また、静電チャックの他の製造方法として
は、上層のTiO2誘電体ではシートを、中層の電極で
はシート又はペーストを、あるいはペーストを塗布した
シートを、下層の基盤ではシートをそれぞれ作製し、そ
れらを積層して一体化した後、それを大気中で焼成し、
さらにそれを加圧焼成することとした(請求項6)。
【0018】大気中で焼成した後さらに加圧焼成するこ
とを加えたのは、焼成した焼結体中に大きなポアが残存
するとポアにゴミが入り込み、清浄さが必要な静電チャ
ックとしては問題となることもあるからであり、この加
圧焼成を加えることによりポアが少なくなりかつ小さく
なる。
【0019】本発明の静電チャックの製造方法をさらに
詳細に述べると、使用する原料としては、原料粉末の粒
度が平均粒径で1μm以下で、純度97%以上のものを
用いる。平均粒径が1μmより大きい、あるいは粉末の
純度が97%より低いと焼成した焼結体中に3μm以上
の大きなポアが残存してしまう。成形する方法として
は、ドクターブレード成形法、押出し成形法等慣用の方
法で成形される。
【0020】ドクターブレード成形の場合、成形時に使
用される有機系添加剤としては、例えばバインダーには
各種アクリル系ポリマー、メチルセルローズ、ポリビニ
ルブチラール系などが挙げられる。アクリル系ポリマー
やポリビニルブチラール系を用いる場合、重合度が低い
とシートとした際にシートに亀裂が入りやすいので、ア
クリル系ポリマーでは500よりも、ポリビニルブチラ
ール系では200より大きい重合度を持つものが好まし
い。
【0021】また、溶媒としては、使用するバインダー
の種類により異なるが、アクリル系ポリマーを使用する
場合には、トルエン、キシレン、IPA(イソプロピル
アルコール)、エタノール、水等が使用され、ポリビニ
ルブチラール系の場合には、エチルメチルケトン、エタ
ノール、ブタノール等の有機溶剤が用いられる。
【0022】さらに、分散剤としては、オレイン酸エチ
ル、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレー
ト、ポリカルボン酸塩系等が用いられ、可塑剤として
は、ジブチルフタレート、DOP(フタル酸ジエチルヘ
キシル)が用いられる。これ以外に必要に応じてPH調
整剤、界面活性剤等を添加することは差し支えない。
【0023】これら成形時に使用される原料粉末、溶
媒、分散剤及び可塑剤を適量配合し、ボールミルや媒体
攪拌ミルなどで十分に粉砕混合する。粉砕混合時間は、
十分にするため5時間以上行うことが望ましい。混合後
さらにバインダーを添加して1時間以上混合してスラリ
ーとする。混合時間が短いとバインダーと原料粉末との
混合が十分でなくなり、シートにしたとき亀裂が生じや
すい。
【0024】得られたスラリーは、スラリー中の泡を取
り除くため、及びスラリー中の溶剤量を少なくするため
真空脱泡した後、所望の厚さ、例えば200〜1000
μmの厚さのシートに成形する。真空脱泡したスラリー
の粘度は、10〜1000ポイズ程度が望ましい。粘度
が低いと原料粉末量が少なすぎてシート化したとき亀裂
が生じやすい。反対に粘度が高いとスラリーの流動性が
悪くなりシート表面が凸凹となる。
【0025】押出し成形の場合、バインダーとしてはメ
チルセルロース、ポリビニルアルコール、アラビアゴ
ム、パラフィンワックス等が用いられる。潤滑剤として
はポリエーテル系合成油、ポリオキシエチレンオレイン
酸エステル等が、可塑剤としてはグリセリン等が用いら
れる。溶媒には水が用いられる。これら添加剤と原料粉
末を混合してスラリーとし、それを真空脱泡してシート
成形する。
【0026】以上のように作製したシートを、積層して
一体化する。積層する方法としては、接着剤としてトル
エン、アルコール、テレピネオール、DBP等の溶剤、
または水等を用い、各層に噴霧などしてそれらを重ねて
接着した後、それを50〜100℃程度に加熱して、2
〜10kg/cm2の圧力で熱プレスするか、または加
熱するだけで常圧で積層する。
【0027】積層した積層体を、400〜500℃で1
時間以上脱バインダーを行い、それを大気中にて110
0〜1300℃で焼成する。焼成温度が1100℃より
低いと十分に緻密化しない。1300℃より高いと焼結
粒子が大きくなりポアが多く残存する。
【0028】この焼成した焼結体を、必要によってはポ
アをさらに少なくするため、加圧焼成する。加圧焼成の
方法としては、HIP焼成、ホットプレス焼成、雰囲気
加圧焼成などがある。例えばHIP焼成の場合には、大
気雰囲気、不活性ガス雰囲気または還元雰囲気中で80
0〜1200℃にて500kg/cm2の圧力下でHI
P焼成を行う。この時不活性ガス雰囲気または還元雰囲
気中で行った場合は、誘電体の体積抵抗率が102Ω・
cm以下となるので、これを大気中にて700〜100
0℃で再焼成する。このさらに加圧焼成することによ
り、特に清浄さを必要とされる半導体関連の装置に望ま
れる3μmを越えるポアがほとんどなくなる。
【0029】以上の通り、静電チャックを上記のような
方法で製造すれば、吸着力の大きいしかもポアの少ない
酸化チタン製の静電チャックが得られる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明をより詳細に説明する。
【0031】(実施例1) (1)誘電体シート及び基盤シートの作製 原料としてTiO2の純度が99%で、その平均粒径が
0.3μm以下の酸化チタン粉末を1600g、溶媒と
してトルエンとIPAをそれぞれ400mlと40m
l、分散剤としてソルビタンモノオレートを16g、可
塑剤としてジブチルフタレートを32g配合し、それら
をボールミルで14時間混合した。混合後、バインダー
として重合度が950で濃度が50wt%のアクリル系
ポリマーを600g添加してさらに4時間混合した。得
られたスラリーを600ポイズになるまで真空脱泡した
後、ドクターブレード法により0.7mmの厚さのシー
トを作製した。
【0032】(2)Ag系電極の作製 Ag粉末とPd粉末を0.65:0.35になるように
配合し、それに適量の有機ビヒクルを混合した後、三本
ロールミルで混練し、ペーストを調製した。そのペース
トを作製した基盤シートの上面にスクリーン印刷機で2
0μmの厚さに塗布して電極とした。
【0033】(3)積層及び焼成 作製したシートを、直径が130mmの金型で打ち抜
き、電極を塗布した基盤シートにはパンチングで導通用
のバイアホールを開け、そのバイアホールに調製したA
g−Pdペーストを充填した。各シートにトルエンを塗
布し、誘電体シートを1枚、電極を塗布した基盤シート
を3枚重ねた後、80℃の温度で2.5kg/cm2
圧力で熱プレスした。熱プレスした積層体を450℃、
3時間脱バインダーした後、1130℃で3時間大気中
で焼成した。得られた焼結体の表面を研削して静電チャ
ックを作製した。
【0034】(4)評価 直径が3インチで厚さが0.5mmのシリコンウェハを
静電チャックの上面に載せ、シリコンウェハと静電チャ
ックの間に500Vの電圧を印可してシリコンウェハを
吸着させ、吸着させたまま逆さまにしてシリコンウェハ
の脱落をチェックした。その結果を表1に示す。
【0035】(実施例2) (1)誘電体シート及び基盤シートの作製 実施例1と同様に作製した。
【0036】(2)TiO2−M25電極の作製 TiO2の純度が99%で、その平均粒径が0.3μm
以下の酸化チタン粉末とNb25の純度が99%で、そ
の平均粒径が0.5μm以下の酸化ニオブ粉末とをT
i:Nb=0.98:0.02になるように配合した混
合物を1600g、溶媒としてトルエンとIPAをそれ
ぞれ400mlと40ml、分散剤としてソルビタンモ
ノオレートを16g、可塑剤としてジブチルフタレート
を32g配合し、それらをボールミルで14時間混合し
た。混合後、バインダーとして重合度が950で濃度が
50wt%のアクリル系ポリマーを600g添加してさ
らに4時間混合した。得られたスラリーを600ポイズ
になるまで真空脱泡した後、ドクターブレード法により
0.7mmの厚さのシート、即ち電極を作製した。
【0037】(3)積層及び焼成 作製したシートを、直径が130mmの金型で打ち抜
き、基盤シートにはパンチングで導通用のバイアホール
を開け、そのバイアホールに実施例1で調製したAg−
Pdペーストを充填した。各シートにトルエンを塗布
し、誘電体シートを1枚、電極シートを1枚、基盤シー
トを3枚重ねた後、80℃の温度で2.5kg/cm2
の圧力で熱プレスした。熱プレスした積層体を450
℃、3時間脱バインダーした後、1130℃で3時間大
気中で焼成した。得られた焼結体の表面を研削して静電
チャックを作製した。
【0038】(4)評価 実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
【0039】(実施例3) (1)誘電体シート及び基盤シートの作製 原料としてTiO2の純度が99%で、その平均粒径が
0.3μm以下の酸化チタン粉末を1600g、溶媒と
してトルエンとIPAをそれぞれ400mlと40m
l、分散剤としてソルビタンモノオレートを16g、可
塑剤としてジブチルフタレートを48g配合し、それら
をボールミルで24時間混合した。混合後、バインダー
として重合度が960と1500のものを等量で混合し
た濃度が50wt%のアクリル系ポリマーを600g添
加してさらに4時間混合した。得られたスラリーを30
0ポイズになるまで真空脱泡した後、ドクターブレード
法により0.6mmの厚さのシートを作製した。
【0040】(2)TiO2−M25電極の作製 TiO2の純度が99%で、その平均粒径が0.3μm
以下の酸化チタン粉末とNb25の純度が99%で、そ
の平均粒径が0.5μm以下の酸化ニオブ粉末とをT
i:Nb=0.96:0.04になるように配合した混
合物を1600g、溶媒としてトルエンとIPAをそれ
ぞれ400mlと40ml、分散剤としてソルビタンモ
ノオレートを16g、可塑剤としてジブチルフタレート
を48g配合し、それらをボールミルで24時間混合し
た。混合後、バインダーとして重合度が960と150
0のものを等量で混合した濃度が50wt%のアクリル
系ポリマーを600g添加してさらに4時間混合した。
得られたスラリーを300ポイズになるまで真空脱泡し
た後、そのスラリーをペーストとし、そのペーストを作
製した誘電体シートの上面にスクリーン印刷機で50μ
mの厚さに塗布して電極とした。
【0041】(3)積層及び焼成 作製したシートを、直径が130mmの金型で打ち抜
き、電極を塗布したシート、基盤シートにはパンチング
で導通用のバイアホールを開け、そのバイアホールに実
施例1で調製したAg−Pdペーストを充填した。各シ
ートにIPAを噴霧し、誘電体シートを1枚、電極を塗
布したシートを1枚、基盤シートを3枚重ねた後、60
℃の温度で5kg/cm2の圧力で熱プレスした。熱プ
レスした積層体を500℃、3時間脱バインダーした
後、1170℃で6時間大気中で焼成した。得られた焼
結体をさらにAr雰囲気中で圧力が1750kg/cm
2で温度が1010℃にて5時間加圧焼成した。それを
さらに大気中で800℃、2時間熱処理を行った。得ら
れた焼結体の表面を研削して静電チャックを作製した。
【0042】(4)評価 シリコンウェハの吸着については実施例1と同様に評価
し、さらに静電チャックの表面を顕微鏡にて3μmを越
えるポアの数をチェックした。それらの結果を表1に示
す。
【0043】(比較例) (1)誘電体シート及び基盤シートの作製 比較のために、Al23の純度が99%で、その平均粒
径が0.3μm以下のアルミナ粉末を1600g、溶媒
としてトルエンとIPAをそれぞれ800mlと80m
l、分散剤としてソルビタンモノオレートを16g、可
塑剤としてジブチルフタレートを32g配合し、それら
をボールミルで14時間混合した。混合後、バインダー
として重合度が950で濃度が50wt%のアクリル系
ポリマーを600g添加してさらに4時間混合した。得
られたスラリーを600ポイズになるまで真空脱泡した
後、ドクターブレード法により0.7mmの厚さのシー
トを作製した。
【0044】(2)電極の作製 Mo粉末に適量の有機ビヒクルを混合した後、三本ロー
ルミルで混練し、ペーストを調製した。そのペーストを
作製した基盤シートの上面にスクリーン印刷機で20μ
mの厚さに塗布して電極とした。
【0045】(3)積層及び焼成 作製したシートを、直径が130mmの金型で打ち抜
き、電極を塗布した基盤シートにはパンチングで導通用
のバイアホールを開け、そのバイアホールに調製したM
oペーストを充填した。各シートにトルエンを塗布し、
誘電体シートを1枚、電極を塗布した基盤シートを3枚
重ねた後、80℃の温度で2.5kg/cm2の圧力で
熱プレスした。熱プレスした積層体を450℃、3時間
2中で脱バインダーした後、1580℃で1時間H2
2中で焼成した。得られた焼結体の表面を研削して静
電チャックを作製した。
【0046】(4)評価 実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1から明らかなように、実施例1〜3に
おいては、静電チャックの誘電体層にTiO2セラミッ
クスを用いているので、逆さまにしてもシリコンウェハ
は静電チャックから離れて脱落することはなかった。
【0049】また、実施例3においては、静電チャック
の表面の3μmを越えるポアの数は2個/mm2と極め
て少なく、半導体関連の装置にも十分使用できるもので
あった。
【0050】これに対して本発明の範囲外、即ち、静電
チャックの誘電体層にAl23を使った場合は、逆さま
にするとシリコンウェハが脱落してしまった。
【0051】
【発明の効果】以上の通り、本発明にかかる方法で静電
チャックを製造すれば、誘電体層に誘電率の高いTiO
2を用いるので、吸着力の強い静電チャックが得られ
る。また、電極にAg等の金属の代わりに誘電体及び基
盤の材質と同じセラミックスを使うことができるので、
誘電体、電極、基盤の各層がより密実に一体化した静電
チャックが得られる。さらに、大気中で焼成することが
できるので、安価にすることができる。
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の説明における静電チャックの
断面図である。
【符号の説明】 t 誘電体の厚み S 電極の面積 V シリコンウェハと静電チャック間の負荷電圧

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上層に誘電体、中層に電極、下層に基盤
    から成る静電チャックにおいて、該誘電体が体積抵抗率
    で1010Ω・cmを越えるTiO2(酸化チタン)であ
    り、該電極が大気中で焼成できるAg系の導体であるこ
    とを特徴とする静電チャック。
  2. 【請求項2】 上層に誘電体、中層に電極、下層に基盤
    から成る静電チャックにおいて、該誘電体が体積抵抗率
    で1010Ω・cmを越えるTiO2であり、該電極が1
    5Ω・cmより低い体積抵抗率を有するTiO2−M2
    5(M=Nb、Sb、Ta)から成る導電性セラミッ
    クスであることを特徴とする静電チャック。
  3. 【請求項3】 導電性セラミックス中のM25の含有量
    が、1〜5mol%であることを特徴とする請求項2記
    載の静電チャック。
  4. 【請求項4】 基盤が、体積抵抗率で1010Ω・cmを
    越えるTiO2であることを特徴とする請求項1、2又
    は3記載の静電チャック。
  5. 【請求項5】 上層に誘電体、中層に電極、下層に基盤
    からなる静電チャックの製造方法において、上層のTi
    2誘電体ではシートを、中層の電極ではシート又はペ
    ーストを、あるいはペーストを塗布したシートを、下層
    の基盤ではシートをそれぞれ作製し、それらを積層して
    一体化した後、それを大気中で焼成することを特徴とす
    る静電チャックの製造方法。
  6. 【請求項6】 上層に誘電体、中層に電極、下層に基盤
    からなる静電チャックの製造方法において、上層のTi
    2誘電体ではシートを、中層の電極ではシート又はペ
    ーストを、あるいはペーストを塗布したシートを、下層
    の基盤ではシートをそれぞれ作製し、それらを積層して
    一体化した後、それを大気中で焼成し、さらにそれを加
    圧焼成することを特徴とする静電チャックの製造方法。
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