JPH08199284A - 高耐食性および高耐摩耗性超硬合金 - Google Patents

高耐食性および高耐摩耗性超硬合金

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JPH08199284A
JPH08199284A JP2591995A JP2591995A JPH08199284A JP H08199284 A JPH08199284 A JP H08199284A JP 2591995 A JP2591995 A JP 2591995A JP 2591995 A JP2591995 A JP 2591995A JP H08199284 A JPH08199284 A JP H08199284A
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JP
Japan
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cemented carbide
corrosion resistance
resistance
high wear
high corrosion
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JP2591995A
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Shiro Okayama
史郎 岡山
Yusuke Iyori
裕介 井寄
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Moldino Tool Engineering Ltd
Original Assignee
Hitachi Tool Engineering Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 現在一般に使用されているCr添加超硬合金
の高温環境下における耐酸化性と耐腐食性の向上を大幅
に図ろこを目的とする。 【構成】 硬質相物質としてWC、結合相金属としてC
oおよび/またはNiおよびCrおよび第4の元素から
なり、Co+Ni量が5〜35重量%の範囲にあり、該
第4の元素はその持つ炭化物の標準生成自由エネルギー
が常温〜1200℃の範囲において常に−30000c
al/gmolより大きくかつ1200℃以下のある温
度範囲においてCrのdGfより小さくなる性質を有
し、さらにCr/結合金属比が0.05〜0.2より構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温酸化環境や高温腐食
環境で使用される超硬合金に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間塑性加工用型や熱間圧延ロールは高
温酸化雰囲気や高温腐食雰囲気で使用されるため超硬合
金が主として用いられている。なかでも金属結合相にC
rを添加した超硬合金が一般的である。その理由はCr
を添加することでCrの酸化膜が形成され耐酸化性、耐
腐食性が大幅に向上するとされる。しかしながら、本発
明者らがCrの効果を詳細に調査した結果ではCrの効
果はステンレスで代表されるFe−Cr−Ni系合金の
ようには劇的でないことが分かった。例えば所謂熱天秤
を用いて酸化増量を測定するとCrを添加した合金と無
添加の合金で大きな差違がない結果が得られた。いずれ
も640℃近辺から酸化が開始され、また単位面積当た
りの酸化増量も大差がないのである。また1気圧の水蒸
気中で600℃の温度に保持して表面の損傷状態を観察
してみると、これまた両者での差違は僅少なのである。
【0003】すなわち、金属結合相部が選択的に酸化さ
れており両者でその酸化の程度が類似なのである。以上
の予備検討も加味して金属結合部の高温酸化と高温腐食
が超硬合金全体の高温酸化と高温腐食を律速しこの金属
結合部の耐高温酸化性と耐高温腐食性はCrを添加して
もFe系合金ほどの改善はなされていないと結論され
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は現在一般に使
用されているCr添加超硬合金の高温環境下における耐
酸化性と耐腐食性の向上を大幅に図ろうとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】問題を解決するに当たり
Fe合金の知見を参考にした。例えばステンレス鋼では
480℃〜760℃の範囲に加熱されると著しい粒界腐
食が起こるようになる。加熱することにより粒界におい
てCrの炭化物が形成され、粒界の領域はそれによって
Crが薄くなり、周囲の合金に比べて陽極的となる。そ
れで腐食は特に粒界に沿って起こり重大な損傷をもたら
すことになる。また、生地のCr含有量が炭化物が形成
することで相対的に減少し、結果として耐酸化性が劣化
する。この解決策として例えば合金のC量を低減するこ
とや炭化物の形成元素であるTiやNbを添加すること
が行なわれている。いずれも、Crの炭化物の生成の防
止が目的である。
【0006】翻って、例えばCr添加のCo基超硬合金
の場合においては、WC−Co−Cr合金ではCo結合
相中にW、C、Crが必然的に固溶されている。この合
金はさきほどのFe合金の知見を参考にすると高温環境
下でCrは炭化物を生成しようとする。この場合”Wの
dGf>CrのdGf”であるからWがCを取り込んで
WCを形成しCrの炭化物生成を阻止することは望めな
い。しかも、組成から考えてもCo中のCはかなりの量
が含まれる。従って、Cr炭化物の形成を阻止する要素
は何もなく、換言すれば極めて容易にCrの炭化物が形
成されてしまうのである。
【0007】次に、例えばWC−TiC−Co−Cr合
金においても、結合相中にはW、C、Crおよび極微量
のTiが含有される。TiのdGfは負に極めて大きく
超硬合金中ではTiCとしてしか存在しない、つまり既
にCを捕獲する能力は喪失されているのである。よっ
て、本発明者らは超硬合金の結合相の組成を正確に分析
できる装置と方法により、超硬合金の結合相中の特に4
A、5A、6A族金属の含有量を測定してきたがdGf
が−3000より少の元素はいずれも0.1%を越えな
いという結果を得た。このことは超硬合金においてはd
Gf<−3000cal/gmolの元素はCrの炭化
物形成を阻止し得ないのである。
【0008】以上、まさにCrを含有した超硬合金が期
待されるほどに高温において耐酸化性と耐腐食性を獲得
できない理由である。そのため、本発明の目的を達成す
る手段として使用温度範囲においてdGfがCrのdG
fよりも負に大きく、かつ−3000cal/gmol
よりも大である元素を添加することを試みた。緩やかに
Cを捕獲し、しかもCrにはCを供給しない主旨であ
る。例としてCaを添加した場合を説明する。Caのd
Gfは常温〜1200℃において概略−15000〜−
22000cal/gmolである。CrのdGfとは
300℃近辺で交差し、常温〜300℃で”CrのdG
f<CaのdGf”、300℃〜1000℃で”Crの
dG>CaのdGf”である。
【0009】従って、300℃まではCaはCrメタル
と結合相中で共存し、300℃を越えた温度範囲でCa
はCrのかわりに炭化物化を形成し始めるのである。こ
のようにして高温下でCrは炭化物を形成することはな
く、結果として従来になく高温における耐酸化および耐
食性に優れる超硬合金が得られるのである。更に他の例
としてVを添加した場合には、<700℃で”Crのd
Gf>VのdGf”、>700℃で”CrのdGf<V
のdGf”である。常温ではVとCrは結合相中で共存
しているが、700℃に近ずくにつれてVCが形成され
ていく。700℃を越えると理論上はVCが分解しCr
の炭化物が形成されることになるが、実証はできなかっ
た。V添加によっても耐酸化性と耐食性に優れる超硬合
金が得られることになる。
【0010】
【作用】特許請求の範囲に従ってさらに本発明の主旨を
補足する。超硬合金においては結合相金属としてCoが
最も一般に用いられるが、NiをCoの一部と置換して
もよい。Ni置換により耐食性が増す。この場合Ni/
Co+Ni比は0.1〜0.7の範囲が好ましい。0.
1未満では効果が不明瞭で、0.7を越えると高温強度
がやや低下する。Cr/結合金属比は0.2とする。そ
れ以上ではCrの固溶限界量に接近しCrが炭化物とし
て析出し易くなり強度の大幅な低下をもたらす。0.0
5未満では耐酸化性、耐腐食性の向上が望めない。
【0011】CaおよびVは、Cr含有超硬の耐酸化
性、耐腐食性を向上させる代表的な元素である。Ca、
Vは単独でもよいが、勿論双方を添加してもよい。低温
側ではVが、高温側ではCaがCrの炭化物形成を阻止
する。第4元素の添加量は本発明の主旨からして勿論C
r添加量に依存するが、その量は概略Crに対する重量
比で0.1〜1.5の範囲が望ましい。Cr炭化物の形
成度合に関与するわけなのでその範囲内で目的に応じて
適宜適正量を選択すればよい。ただし0.1未満では効
果が不明瞭であり、逆に1.5を越えると第4元素の炭
化物が過剰に析出し靱性の低下を招聘する恐れがある。
【0012】目的に応じてWCの一部を周期律表の4
A、5A、6A族の炭化物、窒化物、炭窒化物の1種ま
たは2種以上を添加することも可能である。添加物の性
質に応じて合金自体の性質も変化する。例えばTiCの
添加は耐酸化性をより一層高め、TaCの添加は高温強
度を改善する等などである。WCの平均粒径を4〜15
μmとすると靱性、耐熱衝撃性、熱伝導性が改善され熱
間ロール、熱間押し出し型等に特に適した材料となる。
またWCの平均粒径を0.2〜4μmとすると海水用の
ポンプのスリーブ腐食性ガスが発生する樹脂成形用の型
素材などに適した合金となる。
【0013】
【実施例】各種原料粉末を所定の比に秤量後成形用の樹
脂ワックスを溶解したアルコールを用いて3時間のアト
ライター混合を行なった。次にこの混合スラリーを窒素
中スプレードライで乾燥、造粒を行なった。このように
して得た造粒粉を適宜最適な燒結条件を選んで燒結を行
ない試料とした。次に、この試料の耐酸化性を評価する
ために熱天秤を用いて大気中での酸化開始温度を測定し
た。また燒結した試料を一旦真空中500℃で1時間加
熱保持したのち冷却し、耐食性を評価した。加熱処理に
よるCr炭化物生成の多少が耐食性に影響を及ぼすから
である。なお耐食性はは30℃の温度に保持した3.0
5%NaClに1000mVの電圧を負荷した時の電流
密度(μA/cm2 )で評価した。電流密度が小さい程
耐食性が大きい。溶液中、表1に作製試料と評価結果を
示す。
【0014】
【表1】
【0015】表1より、770℃を越えるとWCが酸化
されるようになる。第4元素を添加することで耐酸化性
と耐食性は大幅に向上することがわかる。
【0016】
【発明の効果】作業温度でCr炭化物の析出を阻止する
ような第4の元素を添加することで、Cr含有超硬合金
の高温における耐酸化性と耐食性を大幅に改善すること
ができ、熱間ロール、熱間押し出し型、樹脂モールド部
品、レンズ成形型等に用いると極めて良好な性能を示
す。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質相物質としてWC、結合相金属とし
    てCoおよび/またはNiおよびCrおよび第4の元素
    からなる超硬合金において、Co+Ni量が5〜35重
    量%の範囲にあり、前記第4の元素はその持つ炭化物の
    標準生成自由エネルギーが常温〜1200℃の範囲にお
    いて常に−30000cal/gmolより大きく、か
    つ1200℃以下のある温度範囲においてCrのdGf
    より小さく、さらにCr/結合金属比が0.05〜0.
    2であることを特徴とする高耐食および高耐摩耗性超硬
    合金。
  2. 【請求項2】 請求項1において、Ni/Co+Ni比
    が0.1〜0.7の範囲であることを特徴とする高耐食
    および高耐摩耗性超硬合金。
  3. 【請求項3】 請求項1および2において、第4の元素
    がCaであることを特徴とする高耐食および高耐摩耗性
    超硬合金。
  4. 【請求項4】 請求項1および2において、第4の元素
    がVであることを特徴とする高耐食および高耐摩耗性超
    硬合金。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4おいて、第4の元素の組成
    重量比がCrに対して0.05〜1.5であることを特
    徴とする高耐食および高耐摩耗性超硬合金。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5において、WCの一部を周
    期律表の4A、5A、6Aの炭化物、窒化物、炭窒化物
    の1種または2種以上でおきかえたことを特徴とする高
    耐食および高耐摩耗性超硬合金。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6において、WCの平均粒径
    が4〜15μmであることを特徴とする高耐食および高
    耐摩耗性超硬合金。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6において、WCの平均粒径
    が0.2〜4μmであることを特徴とする高耐食および
    高耐摩耗性超硬合金。
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Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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