JPH08199009A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

Info

Publication number
JPH08199009A
JPH08199009A JP2328195A JP2328195A JPH08199009A JP H08199009 A JPH08199009 A JP H08199009A JP 2328195 A JP2328195 A JP 2328195A JP 2328195 A JP2328195 A JP 2328195A JP H08199009 A JPH08199009 A JP H08199009A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block
weight
polymer
conjugated diene
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2328195A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3518022B2 (ja
Inventor
Takeo Nakamura
丈夫 中村
Noriaki Ijiyuuin
乗明 伊集院
Yoichi Kamoshita
洋一 鴨志田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority to JP02328195A priority Critical patent/JP3518022B2/ja
Publication of JPH08199009A publication Critical patent/JPH08199009A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3518022B2 publication Critical patent/JP3518022B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性、耐滑り性、機械的強度、延伸性、
成形性、成形外観、軽量性に優れた熱可塑性エラストマ
ー組成物を提供する。 【構成】 (イ)1,2−結合量が70%以上、結晶化
度が5〜50%である1,2−ポリブタジエン1〜98
重量%、(ロ)ポリオレフィン系樹脂1〜98重量%、
および(ハ)共役ジエン系重合体の共役ジエン部分の二
重結合が80%以上飽和された、数平均分子量5万〜7
0万である水添ジエン系重合体1〜98重量%〔ただ
し、(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕を主成分
とする熱可塑性エラストマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性、耐滑り性、
機械的強度、延伸性、成形性、成形外観、軽量性に優れ
た熱可塑性エラストマー組成物に関し、トップリフト、
スポーツシューズなどの履物底材、食品用途、日用雑貨
用途、スキー用具、運動用具、玩具用途、カーマット材
などの自動車内装用途、土木シート、防水シートなどの
土木・建築用途、家電機器用途、AV機器用途、O.A
・事務機器用途、ホース・チューブ材、テキスタイル用
途、医療用機器用途、化学・鉱工業用資材、包装輸送用
資材、農・畜・水産資材など、特に履物底材に有用な熱
可塑性エラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トップリフト、サッカーシュー
ズ、野球シューズなどの履物底材には、耐摩耗性に優れ
るポリアミド樹脂や熱可塑性ポリウレタン樹脂が使用さ
れている。しかしながら、これらの樹脂は、高価であ
り、加水分解による物性低下の問題がある。また、熱可
塑性ポリウレタン樹脂は、成形が非常に難しいという問
題もある。そのため、耐摩耗性、成形性に優れる安価な
代替材料の出現が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、耐摩耗性、耐滑り
性、機械的強度、延伸性、成形性、成形外観、軽量性に
優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(イ)1,2
−結合量が70%以上、結晶化度が5〜50%である
1,2−ポリブタジエン1〜98重量%、(ロ)ポリオ
レフィン系樹脂1〜98重量%、および(ハ)共役ジエ
ン系重合体の共役ジエン部分の二重結合が80%以上飽
和された、数平均分子量5万〜70万である水添ジエン
系重合体1〜98重量%〔ただし、(イ)+(ロ)+
(ハ)=100重量%〕を主成分とする熱可塑性エラス
トマー組成物を提供するものである。
【0005】本発明の(イ)1,2−ポリブタジエン
は、1,2−結合量が70%以上、好ましくは85%以
上のものである。70%未満であると、ゴム的性質が強
まり、その結果、成形性に劣る。また、(イ)1,2−
ポリブタジエンは、結晶化度が5〜50%、好ましくは
20〜50%である。結晶化度がこの範囲にあると、機
械的強度、延伸性、成形熱安定性などの物性バランスに
優れる。なお、(イ)1,2−ポリブタジエンの極限粘
度〔η〕は、好ましくは0.5dl/g以上、さらに好
ましくは0.7〜3dl/gである。この範囲におい
て、成形性、機械的強度、延伸性の物性バランスが優れ
る。
【0006】本発明の組成物中の(イ)1,2−ポリブ
タジエンの配合量は、(イ)〜(ハ)成分中に1〜98
重量%、好ましくは50〜95重量%、さらに好ましく
は65〜95重量%であり、1重量%未満では耐滑り性
に劣り、一方98重量%を超える機械的強度、耐摩耗性
が劣る。
【0007】次に、本発明に用いられる(ロ)成分とし
て使用されるポリオレフィン系樹脂は、1種または2種
以上のモノオレフィンを高圧法または低圧法のいずれか
による重合から得られる樹脂である。このポリオレフィ
ン系樹脂は、次に示すようなモノマーを重合した単独重
合体、あるいは共重合体であってもよい。
【0008】(ロ)成分において、好ましい共重合可能
なモノマーとしては、例えばエチレンをはじめ、プロピ
レン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプ
テン−1、オクテン−1などの直鎖状α−オレフィン、
4−メチルペンテン−1、2−メチルプロペン−1、3
−メチルペンテン−1、5−メチルヘキセン−1、4−
メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1な
どの分岐状α−オレフィン、アクリル酸、メタクリル
酸、エタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸など
のジカルボン酸やそのモノエステル、メチルメタクリレ
ート、メチルアクリレート、エチルアクリレートなどの
アクリル酸またはメタクリル酸エステル、酢酸ビニルや
プロピオン酸ビニルなどの飽和カルボン酸のビニルエス
テル、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レンなどの芳香族ビニル化合物、無水マレイン酸、無水
イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸なの
酸無水物、アクリロニトリルやメタクリロニトリルなど
のα,β−不飽和ニトリル、1,4−ヘキサジエン、ジ
シクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンなどのジ
エンモノマー、さらにアクリルアミド、メタクリルアミ
ド、マレイミドなどが用いられる。これらの共重合可能
な他のモノマーは、単独であるいは2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。これら共重合成分の量は、好ましく
は20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下で
ある。これらを共重合した場合の共重合体の様式につい
ては特に制限はなく、例えばランダム型、ブロック型、
グラフト型、これらの混合型など、いずれであってもよ
い。
【0009】(ロ)成分として用いられる単独重合体と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−
1などが挙げられ、また好ましい共重合体としては、プ
ロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1
共重合体、ブテン−1−エチレン共重合体、プロピレン
−エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、
エチレン−エチルメタクリレート共重合体、エチレン−
メチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタク
リレート共重合体、エチレン−n−ブチルアクリレート
共重合体などが挙げられる。これら(ロ)ポリオレフィ
ン系樹脂は、単独であるいは2種以上を併用して用いる
ことができる。
【0010】なお、本発明に使用される(ロ)ポリオレ
フィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)(AST
M D1238、230℃、2.16kg荷重)は、好
ましくは0.01〜100g/10分、さらに好ましく
は0.1〜80g/10分である。
【0011】本発明の組成物中の(ロ)ポリオレフィン
系樹脂の配合量は、(イ)〜(ハ)成分中に1〜98重
量%、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは1
0〜30重量%であり、1重量%未満では耐摩耗性に劣
り、一方98重量%を超えると耐滑り性が劣る。
【0012】次に、本発明に用いられる(ハ)成分は、
共役ジエン系重合体の共役ジエン部分の二重結合が80
%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95
%以上飽和され、かつ数平均分子量5万〜70万、好ま
しくは10万〜60万である水添ジエン系重合体であ
る。水素添加率が80%未満であると、機械的強度、耐
熱性、耐候性が劣る。また、数平均分子量が、5万未満
では得られる水添ジエン系重合体をペレット化した場
合、ブロッキングし易くなるほか、他の樹脂にブレンド
した場合、機械的強度、成形外観が劣り、一方70万を
超えると成形性が劣る。
【0013】(ハ)成分としては、例えば共役ジエンの
単独重合体、共役ジエンと芳香族ビニル化合物とのラン
ダム共重合体、芳香族ビニル化合物の重合体ブロックと
共役ジエンの重合体ブロックからなるブロック共重合
体、芳香族ビニル化合物の重合体ブロックと芳香族ビニ
ル化合物/共役ジエンの共重合体ブロックからなるブロ
ック共重合体などのジエン系重合体の水素添加物が挙げ
られる。
【0014】(ハ)成分としては、好ましくは下記(ハ
−1)、(ハ−2)、(ハ−3)の群から選ばれた少な
くとも1種の水添ジエン系重合体であり、これを用いる
ことにより、機械的強度、延伸性、成形性に一段と優れ
た熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0015】(ハ−1);芳香族ビニル化合物重合体ブ
ロック(A)と共役ジエン重合体もしくは芳香族ビニル
化合物と共役ジエンとのランダム共重合体ブロック
(B)とからなる、(A)−(B)もしくは(A)−
(B)−(A)ブロック共重合体、または芳香族ビニル
化合物と共役ジエンからなる芳香族ビニル化合物が漸増
するテーパーブロック(C)からなる(A)−(B)−
(C)ブロック共重合体であって、 (ハ−1)成分を構成する全モノマーにおける芳香族
ビニル化合物/共役ジエンの割合が重量比で5/95〜
60/40、 ブロック(A)および必要に応じて構成されるブロッ
ク(C)中の芳香族ビニル化合物の結合量が(ハ−1)
成分を構成する全モノマーの3〜50重量%、かつブロ
ック(A)中の芳香族ビニル化合物の結合量が少なくと
も(ハ−1)成分を構成する全モノマーの3重量%以
上、しかも ブロック(B)中の共役ジエン部分の1,2−および
3,4−結合量(以下「1,2−結合量など」ともい
う)が20%を超える、ブロック共重合体、または該ブ
ロック共重合体単位がカップリング剤残基を介して重合
体分子鎖が延長しまたは分岐されたブロック共重合体、
を水素添加し、共役ジエン部分の二重結合が80%以上
飽和された、数平均分子量が5万〜70万である水添ジ
エン系重合体。
【0016】(ハ−2);芳香族ビニル化合物を主体と
する重合体ブロック(D)と共役ジエンを主体とする重
合体ブロック(E)、および1,2−結合量が25%未
満であるポリブタジエン重合体ブロック(F)とからな
る(D)−(E)−(F)ブロック共重合体であって、 ブロック(D)の含量が5〜60重量%、 ブロック(E)の含量が30〜90重量%、かつ ブロック(F)の含量が5〜60重量%〔ただし、
(D)+(E)+(F)=100重量%〕、であるブロ
ック共重合体、または該ブロック共重合体単位がカップ
リング剤残基を介して重合体分子鎖が延長または分岐さ
れたブロック共重合体、を水素添加し、共役ジエン部分
の二重結合が80%以上飽和された、数平均分子量が5
万〜70万である水添ジエン系重合体。
【0017】(ハ−3);1,2−結合量が25%未満
であるポリブタジエン重合体ブロック(G)と、共役ジ
エンを主体とする重合体であって共役ジエン部分の1,
2−結合量などが25%以上である重合体ブロック
(H)とからなる、(G)−(H)もしくは(G)−
(H)−(G)ブロック共重合体、または該ブロック共
重合体単位がカップリング剤残基を介して重合体分子鎖
が延長または分岐されたブロック共重合体、を水素添加
し、共役ジエン部分の二重結合が80%以上飽和され
た、数平均分子量が5万〜70万である水添ジエン系重
合体。
【0018】以下の本発明の(ハ)成分の説明は、上記
水添ジエン系重合体(ハ−1)、(ハ−2)、(ハ−
3)を例にして説明する。
【0019】(ハ−1)成分;(ハ−1)成分を構成す
る好ましい芳香族ビニル化合物としては、スチレン、t
−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−ア
ミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエ
チルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられ、より好
ましくはスチレン、α−メチルスチレンであり、これら
は1種単独であるいは2種以上併用して使用することが
できる。(ハ−1)成分を構成する好ましい共役ジエン
としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−
ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキ
サジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、
3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなど
が挙げられ、より好ましくは1,3−ブタジエン、イソ
プレン、1,3−ペンタジエンであり、最も好ましくは
1,3−ブタジエンである。
【0020】(ハ−1)成分におけるブロック(A)
は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックで
あり、他に共重合可能な他のビニル化合物を好ましくは
10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下共重合
してもよい。
【0021】(ハ−1)成分中の全モノマーにおける芳
香族ビニル化合物/共役ジエンの好ましい重量比は、5
/95〜60/40、さらに好ましくは7/93〜50
/50である。芳香族ビニル化合物が、5重量%未満
(共役ジエンが95重量%を超える)では、機械的強
度、成形性、耐熱性が劣り、また得られる水添ジエン系
重合体をペレット化した場合、ブロッキングし易くな
る。一方、芳香族ビニル化合物が、60重量%を超える
(共役ジエンが40重量%未満)と、樹脂状となり、耐
滑り性、延伸性、低温特性が劣る。
【0022】また、ブロック(A)および必要に応じて
構成されるブロック(C)中の芳香族ビニル化合物の好
ましい結合量は、(ハ−1)成分を構成する全モノマー
の3〜50重量%、さらに好ましくは5〜40重量%、
特に好ましくは5〜30重量%である。この芳香族ビニ
ル化合物の結合量が、全モノマーの3重量%未満では、
耐熱性、機械的強度が劣り、また得られる水添ジエン系
重合体をペレット化した場合、ブロッキングし易くなる
ほか、他の成分とブレンドした場合、成形性に劣り、一
方50重量%を超えると、耐滑り性、成形性、低温特性
が劣る。また、ブロック(A)中の芳香族ビニル化合物
の好ましい結合量は、(ハ−1)成分を構成する全モノ
マーの3重量%以上、さらに好ましくは5〜30重量%
であり、3重量%未満では、他の成分とブレンドした場
合、機械的強度、成形性、耐熱性が劣る。
【0023】さらに、ブロック(B)中の水素添加前の
共役ジエン部分の好ましいビニル結合量などは、20%
を超えて、さらに好ましくは40%以上、特に好ましく
は60%以上である。20%以下では、(ロ)ポリオレ
フィン系樹脂にブレンドした場合の柔軟改良効果が低下
する。この(ハ−1)成分の共役ジエン部分の二重結合
の水素添加率は、80%以上であり、好ましくは90%
以上、さらに好ましくは95%以上である。80%未満
では、耐熱性、耐候性、機械的強度が劣り好ましくな
い。
【0024】なお、(ハ−1)成分を構成するブロック
共重合体中のブロック(A)、(B)、(C)の好まし
い含量は、ブロック(A)3〜50重量%、さらに好ま
しくは4〜40重量%、ブロック(B)30〜97重量
%、さらに好ましくは35〜94重量%、ブロック
(C)0〜50重量%、さらに好ましくは2〜40重量
%〔ただし、(A)+(B)+(C)=100重量%〕
である。また、ブロック(A)、(B)、(C)の好ま
しい数平均分子量は、ブロック(A)1,500〜35
0,000、さらに好ましくは4,000〜240,0
00、ブロック(B)15,000〜679,000、
さらに好ましくは35,000〜564,000、ブロ
ック(C)0〜350,000、さらに好ましくは2,
000〜240,000の範囲である。
【0025】(ハ−1)成分の水添ジエン系重合体の数
平均分子量は、5万〜70万、好ましくは10万〜60
万である。5万未満では、得られる水添ジエン系重合体
をペレット化した場合、ブロッキングし易くなるほか、
機械的強度が低下し、一方70万を超えると、流動性、
成形性が劣り好ましくない。本発明の(ハ−1)水添ジ
エン系重合体は、例えば特開平3−72512号公報第
4頁右上欄第13行〜第6頁左下欄第1行に開示されて
いる方法によって得ることができる。
【0026】本発明の(ハ−1)水添ジエン系重合体
は、(A)−(B)もしくは(A)−(B)−(A)、
または(A)−(B)−(C)ブロック構造を有する
が、カップリング剤を添加することにより、下記一般式
で表されるような、重合体分子鎖が延長または分岐され
たブロック共重合体であってもよい。 〔(A)−(B)〕l−X、 〔(A)−(B)−(A)〕l−X、または 〔(A)−(B)−(C)〕l−X 〔式中、(A)、(B)、(C)は上記に同じ。lは2
〜4の整数、Xはカップリング剤残基を示す。〕
【0027】この際のカップリング剤としては、例えば
アジピン酸ジエチル、ジビニルベンゼン、テトラクロロ
シラン、ブチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラ
ン、テトラクロロスズ、ブチルトリクロロスズ、ジメチ
ルクロロシラン、テトラクロロゲルマニウム、1,2−
ジブロムエタン、1,4−クロルメチルベンゼン、ビス
(トリクロルシリル)エタン、エポキシ化アマニ油、ト
リレンジイソシアネート、1,2,4−ベンゼントリイ
ソシアネートなどが挙げられる。
【0028】(ハ−2)成分;(ハ−2)成分に使用さ
れる芳香族ビニル化合物、共役ジエンは、上記(ハ−
1)成分に使用されるものと同様である。ここで、(ハ
−2)成分の水添ジエン系重合体を構成するブロック
(D)は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロ
ックであり、詳細には芳香族ビニル化合物の単独重合
体、あるいは芳香族ビニル化合物をブロック(D)中に
90重量%以上含有する共役ジエンとの共重合体であっ
て、共役ジエン部分の80%以上が水素添加された重合
体ブロックが好ましい。ブロック(D)中の芳香族ビニ
ル化合物含量が90重量%未満では、機械的強度、耐候
性が低下する。(ハ−2)成分中のブロック(D)の好
ましい含量は、5〜60重量%、さらに好ましくは5〜
55重量%であり、5重量%未満では耐熱性、機械的強
度が劣り、一方60重量%を超えると成形性が劣る。な
お、ブロック(D)の好ましい数平均分子量は、2,0
00〜420,000である。
【0029】また、(ハ−2)水添ジエン系重合体を構
成するブロック(E)は、共役ジエン重合体ブロック、
あるいは芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体ブロ
ックである。ブロック(E)の好ましい含量は、30〜
90重量%、さらに好ましくは35〜90重量%であ
り、30重量%未満では柔軟性が低下し、一方90重量
%を超えると成形性、機械的強度が低下する。
【0030】なお、ブロック(E)に含まれる水素添加
前の共役ジエン部分の1,2−結合量などは、好ましく
は25〜95%、さらに好ましくは30〜90%であ
る。ブロック(E)となる水素添加前の共役ジエン重合
体ブロックのうち、例えば共役ジエンがブタジエンの場
合、1,2−結合量が25%未満では、水素添加される
とポリエチレン連鎖が生成し、ゴム的性質が失われ、一
方95%を超えると、水素添加されるとガラス転移温度
が高くなり、ゴム的性質が失われて好ましくない。ま
た、ブロック(E)に含有されることのある芳香族ビニ
ル化合物の好ましい使用量は、ブロック(E)を構成す
るモノマーの35重量%以下、さらに好ましくは30重
量%以下、特に好ましくは25重量%以下であり、35
重量%を超えるとブロック(E)のガラス転移温度が上
昇し、低温特性が劣る。さらに、ブロック(E)の好ま
しい数平均分子量は、15,000〜630,000、
さらに好ましくは35,000〜420,000であっ
て、共役ジエン部分の二重結合が80%以上水素添加さ
れた共役ジエン重合体ブロックである。
【0031】さらに、(ハ−2)水添ジエン系重合体を
構成するブロック(F)中の水素添加前のポリブタジエ
ンの好ましい1,2−結合量は、25%未満、さらに好
ましくは20%以下である。この1,2−結合量が、2
5%以上では水素添加された後に樹脂的性質が失われ、
またブロック共重合体としての熱可塑性エラストマーの
性質が失われる。また、ブロック(F)の好ましい含量
は、5〜60重量%、さらに好ましくは5〜50重量%
である。ブロック(F)の含量が、5重量%未満では機
械的強度が低下し、一方60重量%を超えると柔軟性が
劣る。さらに、ブロック(F)の好ましい数平均分子量
は、2,500〜420,000であって、ポリブタジ
エンブロックのブタジエン部分の二重結合を80%以上
が水素添加されたポリブタジエン重合体ブロックであ
る。
【0032】本発明の(ハ−2)水添ジエン系重合体の
数平均分子量は、5万〜70万、好ましくは10万〜6
0万であり、5万未満では得られる組成物の機械的強
度、耐熱性が低下し、一方70万を超えると流動性、成
形性が低下する。本発明に使用される(ハ−2)水添ジ
エン系重合体は、例えば特開平2−133406号公報
第4頁左下欄第13行〜第5頁左下欄第10行に開示さ
れている方法によって得ることができる。
【0033】本発明の(ハ−2)水添ジエン系重合体
は、(D)−(E)−(F)ブロック構造を有するが、
カップリング剤を添加することにより、下記一般式で表
されるような、重合体分子鎖が延長または分岐されたブ
ロック共重合体であってもよい。 〔(D)−(E)−(F)〕m−Y、または 〔(D)−(E)−(F)〕Y〔(D)−(E)〕 〔式中、(D)、(E)、(F)は上記に同じ。mは2
〜4の整数、Yはカップリング剤残基を示す。〕 この際のカップリング剤としては、上記(ハ−1)成分
で使用されるものと同様である。
【0034】(ハ−3)成分;(ハ−3)成分に使用さ
れる芳香族ビニル化合物、共役ジエンは、上記(ハ−
1)成分に使用されるものと同様である。ここで、本発
明に使用される(ハ−3)成分である水添ジエン系重合
体は、1,2−結合量が25%未満であるポリブタジエ
ン重合体ブロック(G)と、共役ジエンを主体とする重
合体であって共役ジエン部分の1,2−結合量などが2
5%以上である重合体ブロック(H)とからなる、
(G)−(H)もしくは(G)−(H)−(G)ブロッ
ク共重合体、または該ブロック共重合体単位がカップリ
ング剤残基を介して重合体分子鎖が延長または分岐され
たブロック共重合体、を水素添加し、共役ジエン部分の
二重結合が80%以上飽和された、数平均分子量が5万
〜70万である水添ジエン系重合体である。
【0035】(ハ−3)成分中のブロック(G)は、水
素添加により通常の低密度ポリエチレンに類似の構造を
示す結晶性の重合体ブロックとなる。ブロック(G)中
の水素添加前のポリブタジエンの好ましい1,2−結合
量は、25%未満であるが、さらに好ましくは20%以
下、特に好ましくは15%以下であり、25%以上では
水素添加後の結晶融点の降下が著しく、機械的強度が劣
る。
【0036】また、ブロック(H)は、共役ジエンを主
体とし、詳細には共役ジエン単独重合体ブロック、ある
いは芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体ブロック
であり、水素添加により、例えば共役ジエンがブタジエ
ンの場合、ゴム状のエチレン−ブテン−1共重合体ブロ
ック、あるいは芳香族ビニル化合物−エチレン−ブテン
−1共重合体と類似の構造を示す重合体ブロックとな
る。
【0037】なお、ブロック(H)に含有されることの
ある芳香族ビニル化合物の好ましい使用量は、ブロック
(H)を構成するモノマーの35重量%以下、さらに好
ましくは30重量%以下、特に好ましくは25重量%以
下であり、35重量%を超えると、ブロック(H)のガ
ラス転移温度が上昇し、低温特性が劣る。また、ブロッ
ク(H)の水素添加前の共役ジエン部分の好ましい1,
2−結合量などは、25%以上であり、さらに好ましく
は25〜95%、特に好ましくは35〜85%である。
25%未満では、水素添加により、例えば共役ジエンが
ブタジエンの場合、ポリエチレン鎖に由来する結晶構造
を示し、樹脂状の性状となり柔軟性が劣る。
【0038】さらに、(ハ−3)成分中に占めるブロッ
ク(G)/(H)の好ましい重量比率は、通常、5/9
5〜90/10、さらに好ましくは10/90〜80/
20である。ブロック(G)が5重量%未満〔ブロック
(H)が95重量%を超える〕場合には、結晶性の重合
体ブロックが不足し、機械的強度に劣る。一方、ブロッ
ク(G)が90重量%を超える〔ブロック(H)が10
重量%未満〕の場合には、耐滑り性が劣る。
【0039】本発明で使用される(ハ−3)水添ジエン
系重合体は、ブロック(G)およびブロック(H)の共
役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%、好ましく
は90%以上、特に好ましくは95%以上が水素添加さ
れて飽和されていることが必要であり、80%未満では
耐候性、機械的強度が劣る。なお、ブロック(G)の好
ましい数平均分子量は、2,500〜630,000、
さらに好ましくは10,000〜480,000であ
る。また、ブロック(H)の好ましい数平均分子量は、
5,000〜665,000、さらに好ましくは20,
000〜540,000である。本発明の(ハ−3)水
添ジエン系重合体の数平均分子量は、5万〜70万、好
ましくは10万〜60万であり、5万未満では得られる
組成物の機械的強度、耐熱性が低下し、一方70万を超
えると流動性、成形性が低下する。本発明に使用される
(ハ−3)水添ジエン系重合体は、例えば特開平3−1
28957号公報第4頁右下欄第8行〜第6頁左下欄第
7行に開示されている方法によって得ることができる。
【0040】本発明の(ハ−3)水添ジエン系重合体
は、(G)−(H)もしくは(G)−(H)−(G)ブ
ロック構造を有するが、カップリング剤を添加すること
により、下記一般式で表されるような、重合体分子鎖が
延長または分岐されたブロック共重合体であってもよ
い。 〔(G)−(H)〕n−Z、または 〔(G)−(H)−(G)〕nZ 〔式中、(G)、(H)は上記に同じ。nは2〜4の整
数、Zはカップリング剤残基を示す。〕 この際のカップリング剤としては、上記(ハ−1)成分
で使用されるものと同様である。
【0041】本発明に使用される(ハ)水添ジエン系重
合体は、官能基で変性してもよく、酸無水物基、カルボ
キシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート
基およびエポキシ基の群から選ばれた少なくとも1種の
官能基を有する不飽和化合物を用いて、ニーダー、ミキ
サー、押出機などで変性することができる。
【0042】本発明の(ハ)水添ジエン系重合体の配合
量は、(イ)〜(ハ)成分中に1〜〜98重量%、好ま
しくは1〜15重量%である。1重量%未満では、延伸
性が劣り、一方98重量%を超えると、成形性、成形外
観が劣る。
【0043】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
必要に応じて従来公知の方法により、イオウ架橋、過酸
化物架橋、金属イオン架橋、シラン架橋、樹脂架橋など
の架橋を行うこともできる。
【0044】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物は、以上の(イ)、(ロ)、(ハ)成分のほかに、用
途に応じて耐摩耗性、耐滑り性、機械的強度、延伸性、
成形性、成形外観を阻害しない程度の量の酸化防止剤、
耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ブリ
ード・ブルーム防止剤、シール性改良剤、結晶核剤、難
燃化剤、滑剤、帯電防止剤、防菌・防カビ剤、分散剤、
軟化剤、可塑剤、粘度調整剤、着色防止剤、発泡剤、発
泡助剤、酸化チタン、カーボンブラックなどの着色剤、
フェライトなどの金属粉末、ガラス繊維、金属繊維など
の無機繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの有機繊維、
複合繊維、チタン酸カリウムウィスカーなどの無機ウィ
スカー、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレー
ク、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、シ
リカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリ
ン、ケイソウ土、グラファイト、軽石、エボ粉、コット
ンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂、ポ
リマービーズなどの充填剤またはこれらの混合物、ある
いは他のゴム質重合体、例えばSBR、NBR、BR
〔ただし、本発明の(イ)成分を除く〕、NR、IR、
AR、CR、IIR、またそのほか必要に応じて上記
(イ)〜(ハ)成分以外の熱可塑性樹脂、例えばジエン
系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルホン、ポ
リフェニレンサルファイド、POMなどを適宜配合する
ことができる。
【0045】本発明の組成物は、押出機、ニーダー、バ
ンバリーミキサーなどの従来公知の混練り機、およびこ
れらを組み合わせた混練り機により、溶融混練りするこ
とによって、また射出成形機でドライブレンドすること
により、得ることができる。本発明の組成物を製造する
には、各成分を一括で混合してもよく、任意の成分をあ
らかじめ予備混合したのち、残りの成分を添加して混合
してもよい。最も好ましい混合装置は、一軸あるいは二
軸の押出機であり、これにより連続的に効率よく混練り
し、ペレット化することができる。
【0046】本発明の組成物は、従来公知の方法、例え
ば射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、真空成
形、スラッシュ成形、蒸気発泡成形、積層成形、カレン
ダー成形などにより、実用上有用な成形品に加工するこ
とができる。また、必要に応じて、発泡、粉末、延伸、
接着、印刷、塗装、メッキなどの加工を施すこともでき
る。
【0047】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の好
ましい実施態様は、次のとおりである。 (イ)1,2−ポリブタジエンが、1,2−結合量が
85%以上、結晶化度が20〜50%である熱可塑性エ
ラストマー組成物。 (ロ)ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン、ポリ
プロピレンおよびポリブテン−1の群から選ばれた少な
くとも1種である熱可塑性エラストマー組成物。 (ハ)水添ジエン系重合体を構成する共役ジエンが、
1,3−ブタジエンである熱可塑性エラストマー組成
物。 (ハ)水添ジエン系重合体を構成する芳香族ビニル化
合物が、スチレンである熱可塑性エラストマー組成物。
【0048】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に
説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は、か
かる実施例により限定されるものではない。なお、実施
例中において、部および%は、特に断らない限り重量基
準である。また、実施例中の各種の測定は、以下の方法
に拠った。
【0049】(1)水添ジエン系重合体の芳香族ビニル
化合物結合量 679cm-1のフェニル基の吸収を基に、赤外分析法に
より分析した。 (2)水添ジエン系重合体の共役ジエン部分の1,2−
結合量 赤外分析法を用い、ハンプトン法により算出した。 (3)水添ジエン系重合体の数平均分子量 トリクロルベンゼンを溶媒にして、135℃におけるゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用
い、ポリスチレン換算で求めた。 (4)水添ジエン系重合体の水素添加率(水添率) 四塩化エチレンを溶媒に用い、100MHz、 1H−N
MRスペクトルから算出した。
【0050】(5)耐摩耗性 DIN摩耗試験法;JIS K6369に準拠し、DI
N摩耗値を測定し、以下の基準にて判定した。 ○;耐摩耗性に優れる(DIN摩耗値が100cc未
満)。 △;耐摩耗性が良い(DIN摩耗値が100cc以上〜
200cc未満)。 ×;耐摩耗性が劣る(DIN摩耗値が200cc以
上)。
【0051】(6)耐滑り性 東洋精機(株)製、摩擦角試験機を使用し、制止摩擦角
を測定し、以下の基準にて判定した。 ○;耐滑り性に優れる(静止摩擦係数が0.8以上)。 △;耐滑り性がよい(静止摩擦係数が0.5以上〜0.
8未満)。 ×;耐滑り性に劣る(静止摩擦係数が0.5未満)。
【0052】(7)機械的強度 JIS K6301に準拠し、破断強度を測定し、以下
の基準で判定した。 ○;機械的強度に優れる(破断強度が150kg/cm
2 以上)。 △;機械的強度が良い(破断強度が100kg/cm2
以上〜150kg/cm2 未満)。 ×;機械的強度が劣る(破断強度が100kg/cm2
未満)。
【0053】(8)延伸性 JIS K6301に準拠し、破断伸びを測定し、以下
の基準で判定した。 ○;延伸性に優れる(破断伸びが500%以上)。 △;延伸性がよい(破断伸びが200%以上〜500%
未満)。 ×;延伸性が劣る(破断伸びが200%未満)。
【0054】(9)成形性 下記の基準に従って、フィルムゲートの15×15×2
mmシートの金型を用いて射出成形を行い、得られた成
形品の外観から成形性を評価した。 ○;幅広い成形条件で、外観が良好な成形品が得られ
る。 △;限られた成形条件で、外観が良好な成形品が得られ
る。 ×;フローマークを有する、ブリード・ブルームがあ
る、表面が荒れている、表面の粘着性が激しいなど、外
観不良現象が見られ、成形条件によって修正が困難であ
る。
【0055】(10)軽量性 比重を浮力法にて判定し、以下の基準にて判定した。 ○;比重が0.95未満 △;比重が0.95以上、1以下 ×;比重が1を超える。
【0056】参考例 実施例および比較例の配合処方に用いられる各種の成分
は、以下のとおりである。1,2−ポリブタジエン(P−1〜2 ) P−1;RB820〔日本合成ゴム(株)製、シンジオ
タクチック1,2−ポリブタジエン、1,2−結合量=
92%、結晶化度=25%〕 P−2;RB830〔日本合成ゴム(株)製、シンジオ
タクチック1,2−ポリブタジエン、1,2−結合量=
93%、結晶化度=29%〕
【0057】ポリオレフィン系樹脂(Q−1〜5) Q−1;ポリプロピレン〔東ソー(株)製、プロピレン
−エチレンランダム共重合体、J6200G〕 Q−2;ポリエチレン〔三菱油化(株)製、低密度ポリ
エチレン、YK−30〕 Q−3;ポリエチレン〔日本石油(株)製、高密度ポリ
エチレン、E780(C)〕 Q−4;ポリブテン−1〔三井石油化学工業(株)製、
ビューロンM7000〕
【0058】水添ジエン系重合体(R−1〜8) 水添ジエン系重合体(R−1〜8)は、日本合成ゴム
(株)製の試作ポリマーであり、これらR−1〜8のミ
クロ構造、数平均分子量、水添率は、表1〜3に示すと
おりである。
【0059】ポリアミド樹脂(S−1) S−1;ナイロン12〔ダイセル(株)製、ダイアミド
L2121〕熱可塑性ポリウレタン樹脂(T−1〜2 〕 T−1;TPU〔武田バーディシェウレタン工業(株)
製、エラストランS90A50〕 T−2;TPU〔武田バーディシェウレタン工業(株)
製、エラストランS98A50〕
【0060】実施例1〜13、比較例1〜8 表4〜6に示す配合処方で、ヘンシェルミキサーを用い
て混合し、さらに単軸押出機(40mmφ)を用いて、
混練り温度120〜170℃で混練りし、溶融押し出し
してペレット化した。得られたペレットを、射出成形機
でシート成形し、各種測定に用いられる試験片を作製し
た。結果を表4〜6に示す。表4〜5から明らかなよう
に、本発明のエラストマー組成物は、表6に示す比較例
1〜3に比べて、成形性、軽量性に優れており、耐摩耗
性、耐滑り性、機械的強度、延伸性は同等である。一
方、表6に示す比較例4〜8は、配合比率が本発明の範
囲外であるため、摩耗性、耐滑り性、成形性の物性バラ
ンスが劣る。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、本質的に優れた熱可塑性エラストマー組成物の物性
を有し、耐摩耗性、耐滑り性、機械的強度、延伸性、成
形性、成形外観、軽量性に優れている。本発明の熱可塑
性エラストマー組成物は、上記のような優れた特性を有
する材料であり、トップリフト、スポーツシューズなど
の履物底材、食品用途、日用雑貨用途、スキー用具、運
動用具、玩具用途、カーマット材などの自動車内装用
途、土木シート、防水シートなどの土木・建築用途、家
電機器用途、AV機器用途、O.A・事務機器用途、ホ
ース・チューブ材、テキスタイル用途、医療用機器用
途、化学・鉱工業用資材、包装輸送用資材、農・畜・水
産資材などに利用可能であり、工業的価値の高い材料で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)1,2−結合量が70%以上、結
    晶化度が5〜50%である1,2−ポリブタジエン1〜
    98重量%、(ロ)ポリオレフィン系樹脂1〜98重量
    %、および(ハ)共役ジエン系重合体の共役ジエン部分
    の二重結合が80%以上飽和された、数平均分子量5万
    〜70万である水添ジエン系重合体1〜98重量%〔た
    だし、(イ)+(ロ)+(ハ)=100重量%〕を主成
    分とする熱可塑性エラストマー組成物。
JP02328195A 1995-01-19 1995-01-19 熱可塑性エラストマー組成物 Expired - Lifetime JP3518022B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02328195A JP3518022B2 (ja) 1995-01-19 1995-01-19 熱可塑性エラストマー組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02328195A JP3518022B2 (ja) 1995-01-19 1995-01-19 熱可塑性エラストマー組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08199009A true JPH08199009A (ja) 1996-08-06
JP3518022B2 JP3518022B2 (ja) 2004-04-12

Family

ID=12106226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02328195A Expired - Lifetime JP3518022B2 (ja) 1995-01-19 1995-01-19 熱可塑性エラストマー組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3518022B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999029775A1 (fr) * 1997-12-11 1999-06-17 Sumitomo Chemical Company, Limited Composition d'elastomere thermoplastique, poudre, pastilles et articles moules
JP2002161172A (ja) * 2000-11-27 2002-06-04 Jsr Corp 自動車内外装用熱可塑性エラストマー組成物及びその成形品
WO2003054079A1 (fr) * 2001-12-20 2003-07-03 Kuraray Co., Ltd. Composition d'elastomere, composition d'elastomere reticulable et elastomere reticule
JP2017075236A (ja) * 2015-10-14 2017-04-20 株式会社ブリヂストン ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999029775A1 (fr) * 1997-12-11 1999-06-17 Sumitomo Chemical Company, Limited Composition d'elastomere thermoplastique, poudre, pastilles et articles moules
US6399200B1 (en) 1997-12-11 2002-06-04 Sumitomo Chemical Company, Limited Thermoplastic elastomer composition, powder, pellets, and moldings
JP2002161172A (ja) * 2000-11-27 2002-06-04 Jsr Corp 自動車内外装用熱可塑性エラストマー組成物及びその成形品
WO2003054079A1 (fr) * 2001-12-20 2003-07-03 Kuraray Co., Ltd. Composition d'elastomere, composition d'elastomere reticulable et elastomere reticule
JP2017075236A (ja) * 2015-10-14 2017-04-20 株式会社ブリヂストン ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP3518022B2 (ja) 2004-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3351081B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP3371578B2 (ja) 耐スクラッチ性熱可塑性エラストマー組成物。
JP3518022B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP3114269B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP3661273B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
JPH09302903A (ja) 非ハロゲン床材
JPH0748485A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3861427B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH0593125A (ja) 熱可塑性重合体組成物
JP3993255B2 (ja) 複層成形品
JP2005187509A (ja) 樹脂組成物からなる成形体および改質剤
JP3387187B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP3850456B2 (ja) 熱可塑性エラストマ−組成物
JP3658867B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH08157685A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2001197902A (ja) 履物底材
JP3752793B2 (ja) 熱可塑性エラストマーの製造方法および熱可塑性エラストマー
JPH0987480A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP3326895B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH0848847A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP3780573B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
JP3541478B2 (ja) 透明性に優れるポリプロピレン系フィルム
JP2003012886A (ja) 水添ジエン系重合体組成物及び成形品
JPH07149953A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH10152585A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040119

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090206

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090206

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100206

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100206

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110206

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110206

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130206

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130206

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term