JPH08198609A - 無機発泡性結晶、及び、それを含有する塗料 - Google Patents

無機発泡性結晶、及び、それを含有する塗料

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JPH08198609A
JPH08198609A JP4227895A JP4227895A JPH08198609A JP H08198609 A JPH08198609 A JP H08198609A JP 4227895 A JP4227895 A JP 4227895A JP 4227895 A JP4227895 A JP 4227895A JP H08198609 A JPH08198609 A JP H08198609A
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JP
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inorganic
aluminum
crystal
powder
coating material
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Inventor
Yoshihiro Kani
良弘 可児
Chika Katou
千果 加藤
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Taihei Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Taihei Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】火災のような高温で、粘稠な皮膜を形成しかつ
発泡して、外部からの熱を遮断して材料の熱変化を防止
し、万一、熱により可燃ガスが発生しても、その漏洩を
防止する顔料、及び、塗料を提供する。 【構成】式(1)で示される塩基性りん酸亜りん酸アル
ミニウム複塩を主成分とする無機発泡性結晶、及び、そ
れを含有する塗料 Al1Y12Y2・・MiY2 Zn(P
(HPO(OH)nHO……………
……(1) ここで、M、M、・・Miは、それぞれ、アンモニ
ウム及びアルカリ金属を示し、X、Y、Y、・・Y
i、Z、A、B、及び、nは、次の範囲の数値を示す。 1≦X<4、0≦M≦6、0≦M≦6、・・・・・
・0≦Mi≦6、0≦Z≦3、0.05≦(Y+Y
+・・・+Yi+2Z)/X≦2、6≦3X+Y+Y
+・・・+Yi+2Z≦12、0.1≦A≦1.0、
0.3≦B≦3.0、0≦n≦6、

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡性の無機防燃剤と
して塗料等に使用され、また、光拡散剤、固体潤滑剤、
又は、フィラー等の添加剤としてプラスチックやグリー
ス等にも使用され、更に、塗料やインク等の白色顔料と
しても使用される新規な塩基性りん酸亜りん酸アルミニ
ウム複塩を主成分とする無機発泡性結晶、及び、それを
含有する塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅、ビル等の室内には、火災の
際に燃え難くするために難燃化剤が配合された材料が使
用されるようになった。例えば、ポリオレフィン樹脂等
に、難燃化剤として、アルカリ土類金属の水酸化物、ア
ルミニウム水酸化物、マグネシウム水酸化物、シリカ、
二酸化チタン等を添加した難燃樹脂が開発されている。
更に、これらの材料の難燃性を高めるため、外部からの
高熱を遮断して材料の熱劣化を防止し、幸に、熱劣化に
より発生する可燃ガスの噴出を防止する防燃塗料につい
て、多くの改善がなされてきた。例えば、これらの材料
に使用される塗料として、可燃性の硬化油系の脂塗料よ
りも、難燃性のアクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマ
ルジョン等の樹脂系の塗料が使用され、更に、不燃性の
けい酸ナトリウム、けい酸リチウム、コロイダルシリカ
等の膜を形成する無機材料を含有する塗料が使用される
ようになった。
【0003】また、りん酸塩は、難燃化剤として着目さ
れており、また、発泡助剤として利用されている。例え
ば、特開昭58−84163号公報には、りん酸亜鉛と
りん酸アルミニウムの溶液に、炭酸マグネシウム等の発
泡剤と、フライアッシュ等のけい酸塩化合物等を加え、
成形焼成して、無機発泡体を製造する方法が開示されて
いる。また、特開昭62−7616号公報には、水溶液
中で高温で合成し結晶化させることにより、製パン用起
泡酸として使用されうる結晶性の高いアルカリ金属アル
ミニウムりん酸塩が得られることが開示されている。更
に、特開昭62−207705号公報には、りん酸アル
ミニウム溶液と塩基性アルミニウム塩溶液から得られた
ゲルを50℃以上で加温することにより、窯業原料、触
媒、圧電材料として使用されうる微結晶のりん酸アルミ
ニウムが得られることが開示されている。
【0004】また、特に、ポリりん酸化合物は難燃性が
高いとされており、本出願人も、特開平5−34560
3号公報において、難燃性と耐ブリード性に優れたポリ
りん酸アンモニウムの粒状結晶とその製造方法とそれを
含有する樹脂を開示し、特開平6−24718号公報に
おいて、更に難燃性と耐ブリード性に優れた難溶性のア
ルカリ土類金属等を含むポリりん酸アンモニウム複塩と
その製造方法とそれを含有する樹脂を開示した。
【0005】一方、亜りん酸化合物についても、種々の
特性が報告されている。特開昭57−95814号公報
には、アルミナ水和物と亜りん酸とを70℃以上で加熱
反応させて得られる亜りん酸アルミニウム含有組成物を
有効成分とする防錆塗料が開示されており、また、特開
昭59−204664号公報には、塩基性亜りん酸りん
酸カリウム亜鉛を有効成分とする防錆顔料が開示されて
いる。また、特表平6−504978号公報には、塩基
性ヒドロキシ亜りん酸カルシウムアルミニウムがポリ塩
化ビニル樹脂の安定剤として優れてきることが開示され
ている。更に、本出願人は、特開平4−89306号公
報において、粘稠なスラリーから高温で徐々に結晶を析
出させるたとにより、顔料として吸油性が低く流動性が
高い球状結晶が得られることを開示した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の難燃化方法に
は、ビルや住宅の室内に使用される材料を、難燃化剤に
よって内部から難燃化する方法と、材料の表面に難燃塗
料を塗布して表面的に難燃化を図る方法とがある。しか
しながら、前述の従来の技術を有効に駆使しても、すべ
ての材料を、完全に難燃化することは、必要な機械的強
度や物理化学的特性を維持する上から、非常に困難であ
る。そこで、難燃化が困難な材料等すべての材料にも適
用でき、更に難燃性を高める塗料が着目されるが、前述
の従来の技術として開示されたものは、いずれも、単純
に、顔料として難燃剤を含むものに過ぎなかった。本発
明が解決しようとする課題は、それ自体が、直接そのま
ま顔料として使用される程度に微細であって、単に不燃
性であるだけでなく、火災のような高温状態で、粘稠な
皮膜を形成し、かつ、発泡して、外部からの熱を遮断し
て、材料の熱変化を防止し、万一、熱変化が生じた場合
でも可燃ガスの漏洩を防いで、材料の難燃化を図る塗料
材料、及び、それを含有する塗料を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決するため、式(1)で示される塩基性りん酸亜
りん酸アルミニウム複塩を主成分とする無機発泡性結晶 Al1Y12Y2・・MiYi Zn(PO(HPO( OH)nHO…………………(1) (ここで、M、M・・Miは、それぞれ、アンモニ
ウム、及び、アルカリ金属を示し、X、Y、Y・・
Yi、Z、A、B、及び、nは、次の範囲の数値を示
す。 1≦X<4、0≦M≦6、0≦M≦6、・・・・・
・0≦Mi≦6、0≦Z≦3、0.05≦(Y+Y
+・・・+Yi+2Z)/X≦2、6≦3X+Y+Y
+・・・+Yi+2Z≦12、0.1≦A≦1.0、
0.3≦B≦3.0、0≦n≦6)(以下「第1発明」
という)、式(1)で示される塩基性りん酸亜りん酸ア
ルミニウム複塩を主成分とする無機発泡性結晶、ほう酸
塩及びけい酸塩の両方又はいずれか一方を含む請求項1
記載の無機発泡性結晶(以下「第2発明」という)、及
び、請求項1又は請求項2記載の無機発泡性結晶を含有
する塗料(以下「第3発明」という)を完成した。
【0008】第1発明に係わる無機発泡性結晶の主成分
である塩基性りん酸亜りん酸アルミニウム複塩におい
て、M、M・・Miは、それぞれ、アンモニウムお
よびアルカリ金属を示し、それらと亜鉛の中の1種以上
を、一定の範囲内の量を含むことが必要であり、式
(1)は、1種のアルカリ金属しか含まない場合は、Y
、Y、・・・Yi=0、Z=0となり、式(2)に
なり、2種のアルカリ金属を含む場合は、同様にして、
式(3)になり、亜鉛しか含まない場合は、同様にし
て、式(4)になる。 Al1Y1(PO(HPO(OH)nHO …………… ………………………………(2) A11Y12Y2(PO(HPO(OH)nHO … ……………………………(3) A1Zn(PO(HPO(OH)nHO ……………… ……………………(4) アルミニウムの量に対する添加されるアンモニウム、ア
ルカリ金属、及び、亜鉛の総当量(Y+Y+・・・
+Yi+2Z)の比は、0.05未満であると、発泡し
難くなり、2を超えると、低い温度でも溶融し易くな
る。また、アルミニウムを含む陽イオンの総当量(3X
+Y+Y+・・・+Yi+2Z)は、6未満である
と、酸性になり塗料に配合した場合の安定性が損なわれ
る。また、12を超えると、酸化アルミニウムの形で残
るものが増え、発泡性が低下するので好ましくない。り
ん酸根の量Aは、0.1未満になると、単純な亜りん酸
塩に近づくためか膜の生成が弱くなり好ましくない。ま
た、1.0を超えても、発泡性は低下するので好ましく
ない。水酸基の量Bは、0.3未満であると、酸性にな
り易くなるので好ましくない。また、3.0を超える
と、塩基性が強くなり過ぎ好ましくない。結晶水の量n
は、6を超えると、低温で溶融するようになるので好ま
しくない。なお、この第1発明に係わる無機発泡性結晶
は、このような複塩を主成分とするものであって、その
他に少量の金属塩等の不燃性の物質や高温で溶融する物
質等を含んでいてもよい。
【0009】第2発明に係わる無機発泡性結晶は、第1
発明における無機発泡性結晶中に、ほう酸塩及びけい酸
塩の両方又はいずれか一方を含むものである。このよう
な塩を含有させることにより、発泡性を更に高め、耐熱
性を高めることができる。また、この第2発明に係わる
無機発泡性結晶も、更に、その他に少量の金属塩等の不
燃性の物質や高温で溶融する物質等を含んでいてもよ
い。
【0010】第3発明に係わる塗料は、第1発明又は第
2発明に係わる無機発泡性結晶を含有するものであれ
ば、どのような塗料であってもよい。通常、これらの無
機発泡性結晶の他に、必要に応じて他の顔料を配合し、
通常の方法により、樹脂、乳化剤、溶媒等を調合して塗
料化される。
【0011】第1発明及び第2発明に係わる塩基性りん
酸亜りん酸アルミニウム複塩を主成分とする無機発泡性
結晶の製造において、亜りん酸成分としては、亜りん
酸、又は、アンモニウム、アルカリ金属の亜りん酸塩、
アルミニウム、亜鉛の水溶性亜りん酸塩等が使用され、
りん酸成分として、りん酸、又は、アンモニウム、アル
カリ金属のりん酸塩、アルミニウム、亜鉛の水溶性りん
酸塩等が使用される。また、塩基成分としては、アンモ
ニウム、アルカリ金属、アルミニウム、亜鉛の水酸化
物、又は、アンモニウム、アルカリ金属、亜鉛の炭酸
塩、酸化亜鉛、アルミン酸ナトリウム、アルミナゲル、
ギブサイト、ベーマイト等が使用される。さらに、発泡
助剤としては、ほう酸、ほう酸アンモニウム、ほう酸ナ
トリウム等のほう酸塩、けい酸ナトリウム、けい酸リチ
ウム等のけい酸塩、又は、りん酸アンモニウム、尿素等
の窒素化合物が使用される。これらのものの反応は、亜
りん酸成分、又は、亜りん酸成分とりん酸成分とを混合
したものを、50℃以上90℃以下に加温してから、先
ず、アルミニウム化合物を反応させて、200CP以上
の粘度の亜りん酸アルミニウム溶液、又は、りん酸亜り
ん酸アルミニウム溶液を作り、それに、計算量のアンモ
ニウム、アルカリ金属、亜鉛等の塩基成分を添加し、更
に、必要に応じて発泡助剤を添加し、更に、計算量から
既に反応に使用したものを差し引いた残りのアルミニウ
ム化合物を添加して、50〜90℃に維持して攪拌しな
がら反応させて、徐々に結晶化させることによって行わ
れる。このように反応させることにより、5〜20μm
の微細な塩基性りん酸亜りん酸アルミニウム複塩の結晶
が得られる。
【0012】
【作用】第1発明ないし第3発明に係わる無機発泡性結
晶の主成分である塩基性りん酸亜りん酸アルミニウム複
塩は、どのような作用により、高い発泡性と高い耐熱性
を有するのか詳細は不明であるが、一応、次のような作
用が関与しているものと考えられる。一般に、亜りん酸
塩は不安定であり、加熱によってりん酸塩等に変化す
る。また、更に高温に加熱すると、第一りん酸塩はポリ
りん酸塩に、第二りん酸塩はピロりん酸塩又はポリりん
酸塩に変化するが、第三りん酸塩は変化しないとされて
いる。また、一般に、アンモニウム塩は比較的に低い温
度で分解し、アルカリ塩も加熱されると低い温度で分解
又は溶融するが、アルミニウム塩は、高温になっても分
解したり溶融することがないとされている。一方、ポリ
りん酸は粘稠な液体であり、アルミニウムも粘稠な溶液
を作る性質がある。このようなことから、加熱により、
第1段階として、結晶水が遊離し、その遊離した水に金
属塩が溶解した粘稠な溶液が形成され、更に、溶液中の
水の気化によって金属塩粒子が融着した膜が形成され
る。その間、外部からの熱は、結晶水の遊離と溶液中の
水の気化に消費される。第2段階として、亜りん酸塩が
酸化されてりん酸塩等が生成される。第3段階として、
外部からの高熱で、粘稠なポリりん酸が生成し、アルカ
リ金属塩が融解して、粘稠な融液が形成され、気泡が内
部に保持される。第4段階として、更に高い外部からの
高熱によって、耐熱性を有するアルミニウム塩であって
熱安定性の高いメタりん酸アルミニウムや第三りん酸塩
であるりん酸アルミニウムが生成する。
【0013】
【実施例】
1. 無機発泡性結晶の製造 〔実施例1〕80℃に加温した60%亜りん酸水溶液2
080gに、攪拌しながら、水酸化アルミニウム(キブ
サイトAl(OH))500gを徐々に加えて反応さ
せ粘稠な溶液とした後、50%りん酸二水素ナトリウム
溶液720gを加え、更に、60℃に保持しながら水酸
化アルミニウム600gを加え、スラリーが中性になる
まで5時間攪拌を続け結晶化させた。反応後のスラリー
を濾過し、得られたケーキを110℃で24時間乾燥し
て粉体(以下「粉体1」という)を得た。粉体1は、微
細な結晶性の粉末であり、X線回折の結果は、複雑なも
のであったが結晶性を示し、また、元素分析の結果も、
その組成が、Al2.8Na0.6(PO
0.6(HPO(OH)1.23.5HOであ
ることを支持していた。
【0014】〔実施例2〕60℃に加温した50%亜り
ん酸水溶液2400gに、50%りん酸水溶液240g
を加え、攪拌しながら、水酸化アルミニウム(キブサイ
トAl(OH))400gを徐々に加えて反応させ粘
稠な溶液とした後、炭酸リチウム(Li2CO )45
gを反応溶解させ、更に、りん酸二水素アンモニウム
(NHPO)280gを反応溶解させた後、更
に80℃に保持しながら、水酸化アルミニウム680g
を加えてスラリーが中性になるまで3時間攪拌を続け、
結晶化させた。反応後のスラリーを濾過し、得られたケ
ーキを110℃で24時間乾燥して粉体(以下「粉体
2」という)を得た。粉体2は、微細な結晶性の粉末で
あり、X線回折の結果は、複雑なものであったが結晶性
を示し、また、元素分析の結果も、その組成が、Al
2.8(NH0.5Li0.25(PO
0.75(HPO(OH)1.01.3HOで
あることを支持していた。
【0015】〔実施例3〕70℃に加温した60%亜り
ん酸水溶液2500gと、60%りん酸水溶液490g
との混合溶液2990gに、攪拌しながら、89.6%
水酸化アルミニウム(キブサイト2Al(OH))3
70gと酸化亜鉛(ZnO)814gとの混合粉末を徐
々に加えて反応させ粘稠な溶液とした後、更に、70℃
に保持しながら、89.6%水酸化アルミニウム(キブ
サイトAl(OH))500gを徐々に加えてスラリ
ーが中性になるまで6時間攪拌を続け結晶化させた。反
応後のスラリーを濾過し、得られたケーキを110℃で
24時間乾燥して粉体(以下「粉体3」という)を得
た。粉体3は、微細な結晶性の粉末であり、X線回折の
結果は、複雑なものであったが結晶性を示し、また、元
素分析の結果も、その組成が、Al1.7Zn
1.7(PO0.5(HPO(OH)0.8
5.4HOであることを支持していた。
【0016】〔実施例4〕40℃に加温した60%亜り
ん酸水溶液2500gに、攪拌しながら、水酸化アルミ
ニウム(Al(OH))500gを加え反応溶解させ
た後、ピロりん酸カリウム(K)150gを
反応溶解させ後、更に、50℃に保持しながら、水酸化
アルミニウム(Al(OH))1000gを徐々に加
えてスラリーが中性になるまで8時間攪拌を続け、結晶
化させた。反応後のスラリーを濾過し、得られたケーキ
を110℃で24時間乾燥して粉体(以下「粉体4」と
いう)を得た。粉体4は、微細な結晶性の粉末であり、
X線回折の結果は、複雑なものであったが結晶性を示
し、また、元素分析の結果も、その組成が、Al3.0
0.3(PO0.16(HPO(OH)
2.84.1HOであることを支持していた。
【0017】〔実施例5〕80℃に加温した40%亜り
ん酸水溶液3900gに、攪拌しながら、水酸化アルミ
ニウム(Al(OH))600gを加え反応溶解させ
た後、メタりん酸ナトリウム(NaPO)200gと
ほう酸ナトリウム(Na)200gを加えて
反応溶解させ後、更に、80℃に保持しながら、水酸化
アルミニウム(Al(OH))650gを徐々に加え
てスラリーが中性になるまで3時間攪拌を続け、結晶化
させた。反応後のスラリーを濾過し、得られたケーキを
110℃で24時間乾燥して粉体(以下「粉体5」とい
う)を得た。粉体5は、微細な結晶性の粉末であり、X
線回折の結果は、複雑なものであったが結晶性を示し、
また、元素分析の結果も、その組成が、ほう酸ナリウム
を補正すると、Al2.5Na0.3(PO0.3
(HPO(OH)0.94.0HOであること
を支持していた。
【0018】〔比較例1〕60℃に加温した50%亜り
ん酸水溶液1000gに、攪拌しながら、89.6%水
酸化アルミニウム(キブサイトAl(OH))354
gを徐々に加え反応させた12時間攪拌を続けたが、ス
ラリーはpH4の弱酸性のままであった。反応後のスラ
リーを濾過し、得られたケーキを110℃で24時間乾
燥して粉体(以下「粉体6」という)を得た。粉体6
は、X線回折の結果、および、元素分析の結果から、そ
の組成が、Al2.4(HPO(OH)
1.24.0HOである亜りん酸アルミニウムとギブ
サイトの無定形混合結晶と推定された。
【0019】〔比較例2〕特開昭57−95814号公
報の実施例1に開示された方法に従って、50%亜りん
酸水溶液1000gと活性アルミナ353gとから得ら
れた亜りん酸アルミニウム含有組成物100gに、りん
酸水素二ナトリウム10gを乳鉢で良く混合して粉体
(以下「粉体7」という)を得た。粉体7は、X線回折
の結果、及び、元素分析の結果から、組成が、Al
3.0Na0.6(HPO(OH)1.03.5
Oである亜りん酸アルミニウム、ギブサイト、及
び、りん酸水素二ナトリウムの無定形混合結晶と推定さ
れた。
【0020】表1に、実施例1〜5、及び、比較例1、
2で得られた粉体1〜7について、平均粒径、5%スラ
リーのpH、元素分析値、及び、モル比を示した。
【表1】
【0021】2.塗料化試験 実施例1〜5と比較例1、2で得られた粉体1〜7、及
び、水酸化アルミニウム粉末(以下「粉体8」という)
のそれぞれについて、水系合成樹脂エマルジョンとし
て、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンとアク
リル酸エステルエマルジョンとの2種を、別々に用い
て、表2の配合比で調整し、ガラスビーズ(Ф2.0m
m)100gをサンドミルを用いて分散させて、16種
の塗料を製造した。
【表2】
【0022】塗料化に際して、本発明に係わる無機発泡
性結晶である粉体1〜5は、流動性に富み、問題がな
く、短時間で塗料化できた。それに対して、比較例1の
粉体6は、アクリル酸エステルエマルジョンを用いた場
合に、それを変質させるので、塗料化に時間がかかり、
また、比較例2の粉体7は、エチレン−酢酸ビニル共重
合体エマルジョンを用いた場合に、それを変質させるの
で、塗料化に時間がかかった。
【0023】3. 発泡性試験 前記の16種の塗料を、それぞれ、日本テストパネル工
業(株)製の冷間圧延鋼板(JIS G3141 SP
CC¥SB)1.0×70×150mmに、バーコーダ
ーを用いて、乾燥後の膜厚が200μmになるように塗
り、室温で1週間乾燥して、テストパネルを製造した。
それを500℃に加熱した縦型電気炉(200×200
×300mm)に吊り下げ、20分間保持して発泡後の
膜厚を測定した。その結果を表3に示した。
【表3】
【0024】加熱発泡させる当たって、本発明に係わる
無機発泡性結晶である粉体1〜5を使用した塗料は、何
れも、加熱発泡後も鋼板との密着性が良く、発泡体も適
度な硬さを保持していた。それに対して、比較例の粉体
6、及び、7を使用した塗料では、発泡性が低く、ま
た、本発明に係わる無機発泡性結晶を全く含まない塗料
は、剥離してしまった。
【0025】
【発明の効果】本発明に係わる無機発泡性結晶は、前述
のような構成と作用を有するので、単に不燃性であるだ
けでなく、それ自体が、直接そのまま顔料として使用で
きるほどに微細であって、かつ、塗料化適性を有してお
り、また、それを含有する塗料は、火災のような高温状
態で、粘稠な皮膜を形成し、かつ、発泡して、外部から
の熱を遮断して、材料の熱変化を防止し、万一、熱変化
が生じた場合でも可燃ガスの漏洩を防いで、ビルや住宅
の室内に使用される材料の難燃化を図るという効果をも
たらすものであり、広く社会の安全に寄与するところが
大きいものと考えられる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で示される塩基性りん酸亜りん
    酸アルミニウム複塩を主成分とする無機発泡性結晶 Al1Y12Y2・・MiYi Zn(PO(HPO( OH)nHO…………………(1) ここで、M、M・・Miは、それぞれ、アンモニウ
    ム、及び、アルカリ金属を示し、X、Y、Y・・Y
    i、Z、A、B、及び、nは、次の範囲の数値を示す。 1≦X<4、0≦M≦6、0≦M≦6、・・・・・・0≦Mi≦6、0≦Z ≦3、 0.05≦(Y+Y+・・・+Yi+2Z)/X≦2、 6≦3X+Y+Y+・・・+Yi+2Z≦12、 0.1≦A≦1.0、0.3≦B≦3.0、0≦n≦6
  2. 【請求項2】 ほう酸塩及びけい酸塩の両方又はいずれ
    か一方を含む請求項1記載の無機発泡性結晶
  3. 【請求項3】 請求項1、又は、請求項2記載の無機発
    泡性結晶を含有する塗料
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