JPH08197281A - Al基材料表面への肉盛溶接用Al−Cu複合ワイヤ - Google Patents
Al基材料表面への肉盛溶接用Al−Cu複合ワイヤInfo
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- JPH08197281A JPH08197281A JP783895A JP783895A JPH08197281A JP H08197281 A JPH08197281 A JP H08197281A JP 783895 A JP783895 A JP 783895A JP 783895 A JP783895 A JP 783895A JP H08197281 A JPH08197281 A JP H08197281A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 Al基材料の表面へのMIG肉盛溶接におい
て、アークが安定してピット,ブローホール等の溶接欠
陥発生のない肉盛金属が得られるAl−Cu複合ワイヤ
を提供すること。 【構成】 Cu基材料からなる外皮内にAl基材料から
なる芯材線またはAl基材料からなる管に金属間化合物
形成元素粉末、硬質粒子粉末の内一種以上を充填した芯
材線を充填したAl−Cu複合ワイヤにおいて、Cu基
材料外皮とAl基材料芯材線との境界面の金属間化合物
層の厚さが20μm以下であることを特徴とするAl基
材料表面への肉盛溶接用Al−Cu複合ワイヤ。 【効果】 アークが安定するため、ピット,ブローホー
ル等の溶接欠陥発生のない肉盛金属が得られる。
て、アークが安定してピット,ブローホール等の溶接欠
陥発生のない肉盛金属が得られるAl−Cu複合ワイヤ
を提供すること。 【構成】 Cu基材料からなる外皮内にAl基材料から
なる芯材線またはAl基材料からなる管に金属間化合物
形成元素粉末、硬質粒子粉末の内一種以上を充填した芯
材線を充填したAl−Cu複合ワイヤにおいて、Cu基
材料外皮とAl基材料芯材線との境界面の金属間化合物
層の厚さが20μm以下であることを特徴とするAl基
材料表面への肉盛溶接用Al−Cu複合ワイヤ。 【効果】 アークが安定するため、ピット,ブローホー
ル等の溶接欠陥発生のない肉盛金属が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Al基材料の表面への
MIG肉盛溶接において、ワイヤの送給性が良好で、か
つアークが安定してピット、ブローホール等の溶接欠陥
発生のない肉盛金属が得られるAl−Cu複合ワイヤに
関するものである。
MIG肉盛溶接において、ワイヤの送給性が良好で、か
つアークが安定してピット、ブローホール等の溶接欠陥
発生のない肉盛金属が得られるAl−Cu複合ワイヤに
関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】特開平5−23885号公
報,特開平5−42386号公報,特開平5−2125
81号公報,特開平6−142978号公報,特開平6
−315796号公報に記載のAl基材料表面への肉盛
溶接用Al−Cu複合ワイヤ(以下複合ワイヤという)
は、Cu基材料外皮にAl基材料からなる芯材線を充填
した複合ワイヤであり、MIG溶接、TIG溶接等のガ
スシールドアーク溶接法やプラズマアーク溶接に適用で
きる。近年、Al基材料への肉盛溶接分野においても溶
接能率・省力化が求められている。特にMIG溶接法は
TIG溶接法、プラズマアーク溶接法に比べ溶接能率が
高く、省力化が可能である。
報,特開平5−42386号公報,特開平5−2125
81号公報,特開平6−142978号公報,特開平6
−315796号公報に記載のAl基材料表面への肉盛
溶接用Al−Cu複合ワイヤ(以下複合ワイヤという)
は、Cu基材料外皮にAl基材料からなる芯材線を充填
した複合ワイヤであり、MIG溶接、TIG溶接等のガ
スシールドアーク溶接法やプラズマアーク溶接に適用で
きる。近年、Al基材料への肉盛溶接分野においても溶
接能率・省力化が求められている。特にMIG溶接法は
TIG溶接法、プラズマアーク溶接法に比べ溶接能率が
高く、省力化が可能である。
【0003】MIG溶接法では複合ワイヤは、送給モー
タの駆動により送給ローラーからコンジットチューブ、
溶接チップを通り溶接部に送給されている。この場合の
ワイヤ送給速度は、ワイヤ径、溶接条件により異なる
が、3〜10m/minの範囲で、連続的に溶接部に送
給される。この時、複合ワイヤはコンジットチューブの
内面で摩擦抵抗が生じるため、Cu基材料外皮とAl基
材料からなる芯材線との境界面にAlとCuの金属間化
合物が厚く形成されていると、複合ワイヤの引張強度が
低くなり、コンジットチューブの中で複合ワイヤが座屈
したり、複合ワイヤの送給が阻害されて溶接ができなく
なってしまう。
タの駆動により送給ローラーからコンジットチューブ、
溶接チップを通り溶接部に送給されている。この場合の
ワイヤ送給速度は、ワイヤ径、溶接条件により異なる
が、3〜10m/minの範囲で、連続的に溶接部に送
給される。この時、複合ワイヤはコンジットチューブの
内面で摩擦抵抗が生じるため、Cu基材料外皮とAl基
材料からなる芯材線との境界面にAlとCuの金属間化
合物が厚く形成されていると、複合ワイヤの引張強度が
低くなり、コンジットチューブの中で複合ワイヤが座屈
したり、複合ワイヤの送給が阻害されて溶接ができなく
なってしまう。
【0004】更に、複合ワイヤは溶接チップから給電さ
れた電流がCu基材料外皮に流れ、更に複合ワイヤ内部
のAl基材料芯材線へも流れることでアークが安定し
て、合金化した溶滴が溶融プールへ高速に移動する。し
かし、Cu基材料外皮とAl基材料からなる芯材線との
境界面にAlとCuの金属間化合物が厚く形成されてい
ると、溶接チップから給電された電流がCu基材料外皮
からAl基材料芯材線に流れにくくなり、アークが不安
定になったり、更には複合ワイヤの連続送給ができなく
なることがある。また溶接金属にはピット,ブローホー
ルが多発するといった問題が生じることがある。
れた電流がCu基材料外皮に流れ、更に複合ワイヤ内部
のAl基材料芯材線へも流れることでアークが安定し
て、合金化した溶滴が溶融プールへ高速に移動する。し
かし、Cu基材料外皮とAl基材料からなる芯材線との
境界面にAlとCuの金属間化合物が厚く形成されてい
ると、溶接チップから給電された電流がCu基材料外皮
からAl基材料芯材線に流れにくくなり、アークが不安
定になったり、更には複合ワイヤの連続送給ができなく
なることがある。また溶接金属にはピット,ブローホー
ルが多発するといった問題が生じることがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の様な
問題点を解決するべくなされたもので、その目的とする
ところは、Al基材料の表面への肉盛溶接において、ワ
イヤ送給性が良好で、かつアークが安定してピット、ブ
ローホール等の溶接欠陥発生のない肉盛金属が得られる
Al基材料表面への肉盛溶接用Al−Cu複合ワイヤを
提供することにある。
問題点を解決するべくなされたもので、その目的とする
ところは、Al基材料の表面への肉盛溶接において、ワ
イヤ送給性が良好で、かつアークが安定してピット、ブ
ローホール等の溶接欠陥発生のない肉盛金属が得られる
Al基材料表面への肉盛溶接用Al−Cu複合ワイヤを
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係わるAl基材料表面への肉盛材料としての
構成は、Cu基材料からなる外皮内にAl基材料からな
る芯材線またはAl基材料からなる管にフラックスを充
填した芯材線を、充填したAl−Cu複合ワイヤにおい
て、Cu基材料外皮とAl基材料芯材線との境界面の金
属間化合物層の厚さが20μm以下であるところに要旨
がある。
の本発明に係わるAl基材料表面への肉盛材料としての
構成は、Cu基材料からなる外皮内にAl基材料からな
る芯材線またはAl基材料からなる管にフラックスを充
填した芯材線を、充填したAl−Cu複合ワイヤにおい
て、Cu基材料外皮とAl基材料芯材線との境界面の金
属間化合物層の厚さが20μm以下であるところに要旨
がある。
【0007】
【作用】以下本発明について詳細に説明する。図1に示
す様にMIG溶接法ではスプール1に巻き取られた複合
ワイヤ2は、ワイヤ送給装置3にセットされた状態から
送給モータの駆動により送給ローラー4により順次送給
され、コンジットチューブ5から銅製溶接チップ6を通
り溶接部7に供給される。しかしこの時、複合ワイヤ2
のCu基材料外皮とAl基材料からなる芯材線との境界
面にAlとCuの金属間化合物層が厚く形成されると、
複合ワイヤの送給性が悪く、また溶接チップ6から給電
された電流がCu基材料外皮からAl基材料芯材線に流
れにくくなり、アークが不安定になり、溶接金属にはピ
ット,ブローホールが多発するといった問題が生じるこ
とが以下の実験によって明かとなった。
す様にMIG溶接法ではスプール1に巻き取られた複合
ワイヤ2は、ワイヤ送給装置3にセットされた状態から
送給モータの駆動により送給ローラー4により順次送給
され、コンジットチューブ5から銅製溶接チップ6を通
り溶接部7に供給される。しかしこの時、複合ワイヤ2
のCu基材料外皮とAl基材料からなる芯材線との境界
面にAlとCuの金属間化合物層が厚く形成されると、
複合ワイヤの送給性が悪く、また溶接チップ6から給電
された電流がCu基材料外皮からAl基材料芯材線に流
れにくくなり、アークが不安定になり、溶接金属にはピ
ット,ブローホールが多発するといった問題が生じるこ
とが以下の実験によって明かとなった。
【0008】即ち、図2はCu基材料外皮とAl基材料
からなる芯材線との境界面の金属間化合物の厚さが異な
る複合ワイヤ(1.6mmφ)を用いてMIG肉盛溶接
を行い、複合ワイヤの送給性と肉盛金属に発生したブロ
ーホールの面積率の調査結果である。送給性の評価方法
としては、図1に示すように3mのコンジットチューブ
5の中央にφ300mmの円を1個形成させて送給抵抗
をもたせ、複合ワイヤの送給モーターの電機子電流の電
流変化をシャントにより電圧変動に置換しペンレコーダ
ーに記録することにより測定した。
からなる芯材線との境界面の金属間化合物の厚さが異な
る複合ワイヤ(1.6mmφ)を用いてMIG肉盛溶接
を行い、複合ワイヤの送給性と肉盛金属に発生したブロ
ーホールの面積率の調査結果である。送給性の評価方法
としては、図1に示すように3mのコンジットチューブ
5の中央にφ300mmの円を1個形成させて送給抵抗
をもたせ、複合ワイヤの送給モーターの電機子電流の電
流変化をシャントにより電圧変動に置換しペンレコーダ
ーに記録することにより測定した。
【0009】肉盛金属に発生したブローホールの面積率
は次の様に測定した。即ち、肉盛金属の横断面を5断面
準備し、1μmのダイヤモンド微粉を使用して鏡面研磨
し、光学顕微鏡で10倍の写真を作成する。この写真を
画像処理装置を用いて、肉盛金属中の全ブローホール面
積と肉盛金属の全面積を測定し、全ブローホール面積/
肉盛金属の全面積の比率を求めてブローホールの面積率
とした。また、Cu基材料外皮とAl基材料芯材線との
境界面の金属間化合物の厚さは、複合ワイヤの伸線工程
における、伸線ダイススケジュールや焼鈍条件を変えて
変化させた。尚、実験に供した複合ワイヤを表1に示
す。また、MIG肉盛溶接条件は以下の通りである。
は次の様に測定した。即ち、肉盛金属の横断面を5断面
準備し、1μmのダイヤモンド微粉を使用して鏡面研磨
し、光学顕微鏡で10倍の写真を作成する。この写真を
画像処理装置を用いて、肉盛金属中の全ブローホール面
積と肉盛金属の全面積を測定し、全ブローホール面積/
肉盛金属の全面積の比率を求めてブローホールの面積率
とした。また、Cu基材料外皮とAl基材料芯材線との
境界面の金属間化合物の厚さは、複合ワイヤの伸線工程
における、伸線ダイススケジュールや焼鈍条件を変えて
変化させた。尚、実験に供した複合ワイヤを表1に示
す。また、MIG肉盛溶接条件は以下の通りである。
【0010】
【表1】
【0011】溶接条件 極性 DCEP(複合ワイヤ+) 電流 210A 電圧 23V 速度 60cpm シールドガス Ar;25 l/min 複合ワイヤ突き出し長さ;15mm 母 材 AC4B;10t×150w×200 l
【0012】図2より金属間化合物層の厚さが20μm
以下では複合ワイヤの送給性を示す送給モーターの電機
子電流の変化は10mV未満で小さいが、20μmを超
えると電機子電流の変化が大きくなり、ワイヤ記号iは
複合ワイヤ送給中にコンジットチューブ内で座屈した。
この原因としては、図3のワイヤ記号eに示す1000
倍の電子顕微鏡写真の模式図のようにCuとAlの金属
間化合物であるCu2Al2 ,CuAl,CuAl2 な
どの各相が厚く形成されていると、複合ワイヤの強度、
剛性が低いために、コンジットチューブを通過中にコン
ジットチューブの内面との摩擦抵抗により送給負荷がか
かり、送給性が劣化したり、複合ワイヤが座屈したと考
えられる。また、肉盛金属のブローホール面積率は1%
前後であるが、20μmを超えるとブローホールの面積
率が急増することがわかる。即ち、金属間化合物層が2
4μmのワイヤ記号eはワイヤ記号a〜dに比べ、ブロ
ーホール面積率は約2〜3倍となり、金属間化合物層が
48μmのワイヤ記号gでは4倍にもなる。
以下では複合ワイヤの送給性を示す送給モーターの電機
子電流の変化は10mV未満で小さいが、20μmを超
えると電機子電流の変化が大きくなり、ワイヤ記号iは
複合ワイヤ送給中にコンジットチューブ内で座屈した。
この原因としては、図3のワイヤ記号eに示す1000
倍の電子顕微鏡写真の模式図のようにCuとAlの金属
間化合物であるCu2Al2 ,CuAl,CuAl2 な
どの各相が厚く形成されていると、複合ワイヤの強度、
剛性が低いために、コンジットチューブを通過中にコン
ジットチューブの内面との摩擦抵抗により送給負荷がか
かり、送給性が劣化したり、複合ワイヤが座屈したと考
えられる。また、肉盛金属のブローホール面積率は1%
前後であるが、20μmを超えるとブローホールの面積
率が急増することがわかる。即ち、金属間化合物層が2
4μmのワイヤ記号eはワイヤ記号a〜dに比べ、ブロ
ーホール面積率は約2〜3倍となり、金属間化合物層が
48μmのワイヤ記号gでは4倍にもなる。
【0013】なお、図3にワイヤ記号bおよびワイヤ記
号eの横断面におけるCu基材料外皮とAl基材料芯材
線との境界面の金属間化合物層の電子顕微鏡写真の模式
図を示す。この原因は明確ではないが、図3のワイヤ記
号eの電子顕微鏡写真の模式図の様にCuとAlの金属
間化合物が厚く形成されると、溶接チップから給電され
た電流の障害となり、Cu基材料外皮からAl基材料芯
材線へ電流が流れにくくなる。そのために複合ワイヤの
溶融が周期的に進行しないためアーク不安定になり、ア
ーク周辺の空気を巻き込む。そして巻き込まれた空気中
の水素が溶融プールに進入しブローホールの発生が増加
したと考えられる。また、金属間化合物層の厚さが78
μmのワイヤ記号iでは複合ワイヤ伸線中に断線が多発
した。
号eの横断面におけるCu基材料外皮とAl基材料芯材
線との境界面の金属間化合物層の電子顕微鏡写真の模式
図を示す。この原因は明確ではないが、図3のワイヤ記
号eの電子顕微鏡写真の模式図の様にCuとAlの金属
間化合物が厚く形成されると、溶接チップから給電され
た電流の障害となり、Cu基材料外皮からAl基材料芯
材線へ電流が流れにくくなる。そのために複合ワイヤの
溶融が周期的に進行しないためアーク不安定になり、ア
ーク周辺の空気を巻き込む。そして巻き込まれた空気中
の水素が溶融プールに進入しブローホールの発生が増加
したと考えられる。また、金属間化合物層の厚さが78
μmのワイヤ記号iでは複合ワイヤ伸線中に断線が多発
した。
【0014】従って、複合ワイヤにおけるCu基材料外
皮とAl基材料からなる芯材線との境界面の金属間化合
物層の厚さは20μm以下とする。本発明による複合ワ
イヤの製造方法としては、図4に示す様にCu基材料外
皮8にフープを使用し、フープを湾曲に成形しながらA
l基材料からなる芯材線9またはフラックス10をAl
基材料パイプに充填してなる芯材線11を挿入した後、
該フープの両端部をTIG溶接、レーザあるいは抵抗溶
接により塞ぎ、その後所定の径まで圧延、伸線するか、
Cu基材料外皮8にパイプを使用し、特開昭62−24
4519号公報に示されるように、Cuパイプを振動さ
せながらCuパイプ端部からAl基材料からなる芯材線
9またはフラックス10をAl基材料パイプに充填して
なる芯材線11を挿入し、その後所定の径まで圧延、伸
線加工を行って得ることが出来る。この場合、Cu基材
料外皮とAl基材料芯材線との境界面の金属間化合物層
の厚さは複合ワイヤの伸線工程における伸線ダイススケ
ジュール、伸線ダイス形状、焼鈍時間や焼鈍温度等の焼
鈍条件をコントロールして20μm以下とする。
皮とAl基材料からなる芯材線との境界面の金属間化合
物層の厚さは20μm以下とする。本発明による複合ワ
イヤの製造方法としては、図4に示す様にCu基材料外
皮8にフープを使用し、フープを湾曲に成形しながらA
l基材料からなる芯材線9またはフラックス10をAl
基材料パイプに充填してなる芯材線11を挿入した後、
該フープの両端部をTIG溶接、レーザあるいは抵抗溶
接により塞ぎ、その後所定の径まで圧延、伸線するか、
Cu基材料外皮8にパイプを使用し、特開昭62−24
4519号公報に示されるように、Cuパイプを振動さ
せながらCuパイプ端部からAl基材料からなる芯材線
9またはフラックス10をAl基材料パイプに充填して
なる芯材線11を挿入し、その後所定の径まで圧延、伸
線加工を行って得ることが出来る。この場合、Cu基材
料外皮とAl基材料芯材線との境界面の金属間化合物層
の厚さは複合ワイヤの伸線工程における伸線ダイススケ
ジュール、伸線ダイス形状、焼鈍時間や焼鈍温度等の焼
鈍条件をコントロールして20μm以下とする。
【0015】本発明におけるCu基材料外皮としては、
無酸素銅,リン脱酸銅,Fe,Al,Mn,Ni,Si
等の合金元素を含有した銅合金が適用される。またAl
基材料からなる芯材線としては、純Al線、Al合金線
やAlパイプにフラックスを充填したものが適用でき
る。なお、フラックスとしては、Al粉、Al合金粉、
Alとの金属間化合物形成元素粉末(Co,Cr,N
i,Fe,Mn,Ti,Nb,V,Zr)もしくは硬質
粒子(TiC,NbC,V4 C3 ,ZrC,VN,Ti
B2 ,Si等)の内一種以上を含むものが適用される。
無酸素銅,リン脱酸銅,Fe,Al,Mn,Ni,Si
等の合金元素を含有した銅合金が適用される。またAl
基材料からなる芯材線としては、純Al線、Al合金線
やAlパイプにフラックスを充填したものが適用でき
る。なお、フラックスとしては、Al粉、Al合金粉、
Alとの金属間化合物形成元素粉末(Co,Cr,N
i,Fe,Mn,Ti,Nb,V,Zr)もしくは硬質
粒子(TiC,NbC,V4 C3 ,ZrC,VN,Ti
B2 ,Si等)の内一種以上を含むものが適用される。
【0016】
【実施例】以下に本発明複合ワイヤの実施例を示す。表
2はCu基材料外皮とAl基材料からなる芯材線との境
界面の金属間化合物層の厚さを各種変えた複合ワイヤ
(1.6mmφ)の送給性とブローホール発生率を調査
した結果である。複合ワイヤの送給性の調査は、図1に
示すように3mのコンジットチューブ5の中央にφ30
0mmの円を1個形成させて送給抵抗をもたせ、複合ワ
イヤの送給モーターの電機子電流の電流変化をシャント
により電圧変動に置換しペンレコーダーに記録すること
により測定した。また、ブローホール発生率の測定は、
肉盛金属の横断面を5断面準備し、1μmのダイヤモン
ド微粉を使用して鏡面研磨し、光学顕微鏡で10倍の写
真を作成する。この写真を画像処理装置を用いて、肉盛
金属中の全ブローホール面積と肉盛金属の全面積を測定
し、全ブローホール面積/肉盛金属の全面積の比率を求
めてブローホールの面積率とした。この時のMIG肉盛
溶接条件は以下の通りである。
2はCu基材料外皮とAl基材料からなる芯材線との境
界面の金属間化合物層の厚さを各種変えた複合ワイヤ
(1.6mmφ)の送給性とブローホール発生率を調査
した結果である。複合ワイヤの送給性の調査は、図1に
示すように3mのコンジットチューブ5の中央にφ30
0mmの円を1個形成させて送給抵抗をもたせ、複合ワ
イヤの送給モーターの電機子電流の電流変化をシャント
により電圧変動に置換しペンレコーダーに記録すること
により測定した。また、ブローホール発生率の測定は、
肉盛金属の横断面を5断面準備し、1μmのダイヤモン
ド微粉を使用して鏡面研磨し、光学顕微鏡で10倍の写
真を作成する。この写真を画像処理装置を用いて、肉盛
金属中の全ブローホール面積と肉盛金属の全面積を測定
し、全ブローホール面積/肉盛金属の全面積の比率を求
めてブローホールの面積率とした。この時のMIG肉盛
溶接条件は以下の通りである。
【0017】溶接条件 極性 DCEP(複合ワイヤ+) 電流 210A 電圧 23V 速度 60cpm シールドガス Ar;25 l/min 複合ワイヤ突き出し長さ;15mm 母 材 AC8A;10t×150w×200 l
【0018】
【表2】
【0019】表2において複合ワイヤNo.1〜No.
12は本発明の要件を全て満たす本発明例であり、Al
基材料の表面へのMIG肉盛溶接において送給性が安定
し、肉盛金属中のブローホールの発生率も少ない。これ
に対してNo.13〜No.17は比較例であり、金属
間化合物層の厚さが20μmを超えているため、送給性
の安定性を示す送給モーターの電機子電流変化は10m
V以上で大きく、肉盛金属中のブローホール発生率は3
%以上で高かった。なお、No.18は金属間化合物層
の厚さが84μmと非常に厚く、1.6mmφまで伸線
するのに断線が多発した。
12は本発明の要件を全て満たす本発明例であり、Al
基材料の表面へのMIG肉盛溶接において送給性が安定
し、肉盛金属中のブローホールの発生率も少ない。これ
に対してNo.13〜No.17は比較例であり、金属
間化合物層の厚さが20μmを超えているため、送給性
の安定性を示す送給モーターの電機子電流変化は10m
V以上で大きく、肉盛金属中のブローホール発生率は3
%以上で高かった。なお、No.18は金属間化合物層
の厚さが84μmと非常に厚く、1.6mmφまで伸線
するのに断線が多発した。
【0020】
【発明の効果】本発明のAl基材料の表面への肉盛溶接
用Al−Cu複合ワイヤによれば、複合ワイヤの送給性
が良好で、かつアークが安定するため、ピット,ブロー
ホール等の溶接欠陥発生のないMIG肉盛溶接が可能と
なる。
用Al−Cu複合ワイヤによれば、複合ワイヤの送給性
が良好で、かつアークが安定するため、ピット,ブロー
ホール等の溶接欠陥発生のないMIG肉盛溶接が可能と
なる。
【図1】MIG溶接装置における複合ワイヤ自動送給装
置の説明図、
置の説明図、
【図2】金属間化合物層の厚さと電機子電流、ブローホ
ール面積率を調査した図、
ール面積率を調査した図、
【図3】金属間化合物層を示した電子顕微鏡写真の模式
図、
図、
【図4】複合ワイヤの横断面図を示した図である。
1 スプール 2 複合ワイヤ 3 送給装置 4 送給ローラー 5 コンジットチューブ 6 銅製通電チップ 7 溶接部 8 Cu基材料外皮 9 Al基材料からなる芯材線 10 硬質粒子粉末とAl基材料粉末からなるフラック
ス 11 硬質粒子粉末とAl基材料粉末からなるフラック
スをAl基材料パイプに充填した芯材線
ス 11 硬質粒子粉末とAl基材料粉末からなるフラック
スをAl基材料パイプに充填した芯材線
Claims (1)
- 【請求項1】 Cu基材料からなる外皮内にAl基材料
からなる芯材線またはAl基材料からなる管にフラック
スを充填した芯材線を、充填したAl−Cu複合ワイヤ
において、Cu基材料外皮とAl基材料芯材線との境界
面の金属間化合物層の厚さが20μm以下であることを
特徴とするAl基材料表面への肉盛溶接用Al−Cu複
合ワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP783895A JPH08197281A (ja) | 1995-01-23 | 1995-01-23 | Al基材料表面への肉盛溶接用Al−Cu複合ワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP783895A JPH08197281A (ja) | 1995-01-23 | 1995-01-23 | Al基材料表面への肉盛溶接用Al−Cu複合ワイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08197281A true JPH08197281A (ja) | 1996-08-06 |
Family
ID=11676757
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP783895A Withdrawn JPH08197281A (ja) | 1995-01-23 | 1995-01-23 | Al基材料表面への肉盛溶接用Al−Cu複合ワイヤ |
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JP (1) | JPH08197281A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011118634A1 (ja) * | 2010-03-23 | 2011-09-29 | 株式会社フジクラ | 高周波電線及び高周波コイル |
-
1995
- 1995-01-23 JP JP783895A patent/JPH08197281A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011118634A1 (ja) * | 2010-03-23 | 2011-09-29 | 株式会社フジクラ | 高周波電線及び高周波コイル |
JP4879373B2 (ja) * | 2010-03-23 | 2012-02-22 | 株式会社フジクラ | 高周波電線及び高周波コイル |
CN102822907A (zh) * | 2010-03-23 | 2012-12-12 | 株式会社藤仓 | 高频电线及高频线圈 |
US20130014973A1 (en) * | 2010-03-23 | 2013-01-17 | Fujikura Ltd. | High frequency cable, high frequency coil and method for manufacturing high frequency cable |
JPWO2011118634A1 (ja) * | 2010-03-23 | 2013-07-04 | 株式会社フジクラ | 高周波電線及び高周波コイル |
US9123456B2 (en) | 2010-03-23 | 2015-09-01 | Fujikura Ltd. | High frequency cable, high frequency coil and method for manufacturing high frequency cable |
US9478328B2 (en) | 2010-03-23 | 2016-10-25 | Fujikura Ltd. | High frequency cable, high frequency coil and method for manufacturing high frequency cable |
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