JP4467139B2 - アーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤ - Google Patents

アーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラックスに含まれるスラグ造滓剤を著しく減少させ、スラグの発生を著しく低減させたアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤに関し、特に、溶接作業性の向上を図ったアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
フラックス入りワイヤ(以下、FCW(flux-cored wire)という。)は、鋼製外皮の中にフラックスを充填させており、そのフラックス量及び種類が溶接作業生及び溶着金属性能等、FCWの品質に大きく影響する。
【0003】
FCWの中には、スラグ造滓剤をフラックス質量当たり10乃至50質量%含有させ、溶接作業性又は機械的性能等を付与させたものと、スラグ造滓剤を極端に減少させ、スラグ発生が極端に少ないメタル系のものとがある。特に、メタル系のワイヤは、1980年頃に開発され、従来のソリッドワイヤが使用されている市場・分野向けのFCWとして画期的なものである。
【0004】
メタル系FCWの最大の特徴は、ソリッドワイヤと比較して、高溶着の溶接が可能であり、且つフラックスを含有することにより、溶接時のスパッタを低減することができるということである。
【0005】
従来、特公平5−21677号公報には、フラックス率が13乃至25質量%の鉄粉系フラックス入りワイヤが開示されている(従来例1)。この公報に記載のフラックス入りワイヤにおいては、全ワイヤ中のC含有量、及びフラックス成分を規定することによって、鉄粉系フラックス入りワイヤにおけるスパッタ発生量の低減及び作業能率の向上を図っている。
【0006】
また、特公平5−71359号公報には、継ぎ目ありの溶接用フラックス入りワイヤが開示されている(従来例2)。この公報記載の溶接用フラックス入りワイヤは、帯板をその幅方向に丸めて形成される外皮内の中空部にフラックスが充填され、前記帯板の幅方向の端部が略円周方向に重なるラップ部を有する。そして、この従来例2においては、ラップ部における外皮の肉厚、ラップ部以外の外皮の肉厚及びラップ部の重なりであるラップ代の長さを規定し、更にフラックス粒度を規定することによって、フラックスのこぼれ及び潤滑剤の巻き込みの低減化及びワイヤの耐錆性の向上を図っている。なお、この従来例2は、フラックス率が13乃至16質量%である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ソリッドワイヤの市場において、従来例1等のメタル系のFCWはあまり実用化されていないのが現状である。この原因としては、メタル系FCWはソリッドワイヤと比較して溶着金属の粘性が低いことが挙げられる。特に、前進溶接での溶着時にスパッタ発生量が多くなる傾向にあり問題となっている。また、チタニヤ系のFCWと比較すると、スパッタ発生量及びアークのソフト感等の点で大きく劣っているという問題点がある。
【0008】
また、従来例2の技術においても、フラックスのこぼれ及び潤滑剤の巻き込みを低減することはできるものの、スパッタ発生量が多く、溶接作業性が低いという欠点がある。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、前進溶接での溶接時においてもスパッタ発生量を低減することができると共に、優れた溶接作業性を有するアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤは、帯板をその幅方向に丸めて形成された鋼製外皮中にフラックスを充填してなるアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤにおいて、フラックス率が25乃至45質量%であり、前記ワイヤの長手方向に垂直な断面にて前記帯板幅方向の両端部同士が重なるラップ部を有し、前記ラップ部の外側の帯板幅方向端部を点Aとしたとき、この点Aから前記フラックスを介して反対側の外皮の外表面に至る線分のうち最も長い線分と前記外表面との交点を点Bとし、この点Bを通って前記ラップ部の内側の帯板幅方向端部に接する線分BCの延長線が前記ラップ部の外側の帯板の外表面と交わる点を点Dとし、前記点Aと前記点Dとを結ぶ線分の長さをRLとしたとき、前記ワイヤの平均直径Wdに対する前記RLの割合Rr(=(RL/Wd)×100(%))は3乃至30%であることを特徴とする。
【0011】
前記ワイヤの平均直径Wdに対する前記外皮の平均肉厚Ftの割合Fr(=(Ft/Wd)×100(%))は10乃至20%であることが好ましい。
【0012】
本発明におけるワイヤの平均直径Wdは、前記ワイヤの最大径及び最小径の平均値とする。また、外皮の平均肉厚Ftは、シーム部近傍を除く最大肉厚及び最小肉厚の平均値とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳しく説明する。本願発明者等は、前述の課題を解決すべく、鋭意実験研究を行った。先ず、本願発明者等はメタル系のFCWは、フラックスの約90質量%が合金成分であるため、フラックスの原料変更又は成分調整のみによる方法では上述の課題は解決できないことを知見した。次に、FCWのうち、その約80質量%を占める外皮(フープ)の化学成分を検討した。しかしながら、フープの化学成分を種々検討した結果、化学成分の違いによる効果の差はあるものの、その影響は余り大きくなかった。そこで、更に研究を重ねた結果、本願発明者等は、FCWの性能にはFCWの断面形状、つまり、ワイヤに占めるフラックス率と、ワイヤの直径に対する外皮の重なり度合いとが極めて大きく影響することを知見した。即ち、従来のフラックス入りワイヤにおいて、例えば、従来例1ではフラックス率が13乃至25質量%、また、従来例2ではフラックス率が13乃至16質量%程度となっており、このようにフラックス率が低いことが、スパッタ発生量が多くなって溶接作業性を低下させてしまう原因であって、フラックス率を25質量%以上と高くすることにより、スパッタ発生量を低減できることを知見した。更に、本発明においては、スパッタ発生量には、フラックス率のみでなく、ワイヤの直径に対する外皮の重なり割合いも影響し、この値をフラックス率と共に適切に規定することにより上述の課題を解決することができることを見出した。
【0014】
以下、本発明のFCWに断面形状のRr及びFrについて説明する。図1は、本発明の実施例に係るアーク溶接用メタル系FCWを示す模式的断面図である。図1に示すように、アーク溶接用メタル系FCW1においては、鋼製の帯板をその幅方向に丸めて形成された外皮2内にフラックス3が充填されている。このFCW1におけるフラックス率は25乃至45質量%である。また、FCW1は、帯板を幅方向に丸めて帯板の幅方向の両端部を重ね合わせることによりラップ部4が形成されており、これによりフラックス3が外皮2内に封入されている。そして、このFCW1の長手方向に垂直な方向の断面において、一端をラップ部4の外側の帯板幅方向端部の点Aとし、この点Aからフラックス3を介して反対側の外皮2の外表面に至る線分のうち最も長い線分と前記外表面との交点を点Bとする。更に、この点Bを通り、ラップ部4の内側の帯板幅方向端部である点Cと接する線分BCの延長線がラップ部4の外側の帯板の外表面と交わる点を点Dとする。そして、点Aと点Dとを結んだ線分の長さをRLとし、FCW1の平均直径をWdとしたとき、平均直径Wdに対する線分ADの長さRLの割合Rr=(RL/Wd)×100(%)は、3乃至30%となっている。また、FCW1の外皮2の平均肉厚をFtとしたとき、平均直径Wdに対するワイヤの平均肉厚Ftの割合Fr=(Ft/Wd)×100(%)が10乃至20%となっている。なお、FCW1の平均直径Wdは、FCW1の最大径及び最小径の平均値とする。また、外皮の平均肉厚Ftは、シーム部以外の最大肉厚及び最小肉厚の平均値とする。
【0015】
また、本発明では、FCW1に対するフラックス3の割合、即ち、フラックス率が25乃至45質量%である。このようにフラックス率を高くすると、従来種々の問題が生じていたため、このような高フラックス率のワイヤについてはその適用が回避されていた。例えば、従来例1に記載されているように、フラックス率が25質量%より大きくなると製造上の問題、特に、伸線性が劣化して断線する等の問題が生じるため、フラックス率を25質量%より高くすることができなかった。また、フラックス率が高くなると、伸線潤滑剤のシーム部への詰まり(拡散性水素量の増加)、フラックスのこぼれ、及び溶接時のワイヤ送給性が劣化する等の問題が生じる。このため、従来、フラックス率が25質量%を超えるような高フラックス率のワイヤは存在しない。
【0016】
しかしながら、本願発明者等は、スパッタ発生量を低減して優れた溶接作業性が得られるメタル系のFCWについて鋭意実験研究した結果、フラックス率が25乃至45質量%と高フラックス率の場合に、アークがソフトになり、前進溶接であってもスパッタが極端に減少する効果を得ることができることを知見した。
【0017】
そして、本願発明者等は、フラックス率が25乃至45質量%であるFCWにおいて、前進溶接での溶接時においてもスパッタ発生量を低減することができると共に優れた溶接作業性を有するためには、ラップ部の重なり度合の影響が大きいことを知見した。即ち、図1に示すRrが30%以下であると、アークがソフトになり、前進溶接であってもスパッタが極めて低減する。なお、従来例2においては、ワイヤ径が1.2mm、ラップ代が0.39乃至0.80mmであるFCWが記載されているが、このラップ代はワイヤの直径に対して、32乃至67%程度になっており、本発明で規定するRrの上限値である30%よりも大きい。従って、従来例2ではスパッタ発生量が多く、本発明の効果は得られない。一方、Rrが小さくて、ラップ部の長さが短過ぎると、フラックスのこぼれ及びシーム部への伸線潤滑剤の詰まり等が起きるため、少なくともRrは3%以上とする。このRrが3%以上であれば、フラックスのこぼれ及びシーム部への伸線潤滑剤の詰まり等を実質的に防止することができる。
【0018】
また、図1に示すFrが10乃至20%である場合には、更にアークのソフト感が安定し、前進溶接でのスパッタが減少する。これは、Frがフラックス率及びRrのみから一義的に決定されるものではなく、伸線法及びフラックス粒度等によって変化するためである。
【0019】
以下、本発明で規定する数値限定理由について説明する。
【0020】
フラックス率:25乃至45質量%
フラックス率が25質量%未満の場合には、溶接作業性を向上させる効果が小さい。一方、フラックス率が45質量%を超えると、溶接作業性は優れているものの、伸線性が低下する。従って、優れた溶接作業性及び伸線性を得るためには、フラックス率を25乃至45質量%とする。
【0021】
なお、本発明において、フラックス率は、成型工程終了後(線径:製品径乃至4.0mm程度)、フラックス入りワイヤ全体の質量と、このフラックス入りワイヤを捻って外皮を削ぎ、中のフラックスを除いた後の外皮の質量とを測定し、この質量差から求めることができる。本発明においては、5つの測定値の平均値をフラックス率とした。
【0022】
Rr=(RL/Wd)×100:3乃至30質量%
Rrが3%未満であると、フラックスのこぼれ及び伸線潤滑剤の詰まりが多くなり、夫々溶接時のコンジットライナ内の詰まり量の増加及び溶接時の拡散性水素量の増加が生じる。逆に、Rrが30%を超えると、フラックス率が25乃至45質量%であっても、優れた溶接作業性を得る効果が低減する。従って、フラックスのこぼれ及び伸線潤滑剤のつまりを防止し、且つ優れた溶接作業性得るために、Rrは3乃至30%とする。
【0023】
本発明において、Rrは以下のように測定される。即ち、製品径(2.0乃至0.9mm)に伸線後、ワイヤの長手方向に垂直な断面において、例えば顕微鏡(マイクロスコープ)等によるワイヤの断面写真等によりRL及びWdを測定することができる。RLは、図1に示したように、点A乃至点Dを決定して点Aと点Dとの間の距離を測定し、また、Wdは最大径及び最小径を測定してその平均値により求める。
【0024】
Fr=(Ft/Wd)×100:10乃至20%
Frが10%未満の場合には、アークのソフト感はあるものの、溶滴のふらつきを増加させる。一方、Ftが20%を超えると、アークのソフト感が低下する場合があるため、Frは10乃至20%が好ましい。
【0025】
なお、本発明において、Frは、製品径(直径2.0乃至0.9mm)に伸線した後、ワイヤの長手方向に垂直な3断面から平均値を求めることができ、Ftはシーム部近傍を除く部位、即ち、外皮が重なり合うラップ部を除く部位の最大肉厚及び最小肉厚の平均値、Wdは、上述した如く最大径及び最小径の平均値として求める。測定方法としては、Rrと同様、例えばマイクロスコープ等によるワイヤの断面写真等から測定することができる。
【0026】
このような断面形状となる本発明のアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤの製造方法においては、フラックスを充填する帯板の幅及びワイヤの伸線率等を調整することにより、重なり部分の線分ADの長さRLを調整し、これによりRrを所望の値に制御することができる。即ち、同径のワイヤにおいては、帯板の幅を広くしてRLを大きくするか、又は幅を狭くしてRLを小さくすることにより、Rrを調節できる。また、帯板の厚さ及びワイヤの伸線方法を調整することにより、Ft及びFrを調整することができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明のアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤを実際に製造し、本発明範囲から外れる比較例と比較してその効果について説明する。
【0028】
下記表1に使用したワイヤのフラックス組成を示す。この表1のフラックスを使用して、スラックス率、Rr及びFr等を種々変更した。なお、フラックス率を変更する時にはワイヤ成分が同様になるように、フラックス組成を変更した。また、表1におけるスラグ形成剤は、Si、Mn、Zr、Al、Ca、Mg、Ba等の金属酸化物(TiO2は除く)であり、メタル成分は、Fe、Fe−Si、Fe−Mn、Fe−Al、Ni、Mg等である。
【0029】
ワイヤの線径は1.4mmとし、外皮金属としては、下記表2に示す軟鋼系を使用した。また、フープサイズ(帯板サイズ)は下記表3に示すRr及びFrを有する断面形状になるように、厚さ及び幅を適宜調整した。
【0030】
得られたフラックス入りワイヤの断面写真から、上述した方法により、図1に示すRL、Wd、及びFtの長さを測定し、Rr及びFrの値を求めた。なお、Wdは、ワイヤの最大径及び最小径の平均値、Frは最大肉厚及び最小肉厚の平均値とし、更にFrは3断面から求め、その平均値とした。
【0031】
図2(a)及び(b)は夫々実施例1及び比較例1のワイヤの断面写真のトレー図である。なお、図2(a)及び(b)は直径が1.4mmで、夫々フラックス率が30及び16質量%のワイヤの断面を倍率50倍で写した写真をトレースしたものである。図2(a)に示す実施例1のワイヤに比べ、図2(b)に示す比較例1のワイヤはフラックス率が小さいため、外皮の肉厚が厚い。
【0032】
得られたワイヤを使用して、溶接作業性(スパッタ発生量)を評価した。溶接は、前進溶接により、前進角15゜とし、ビードオンプレートにおいて、箱型スパッタ捕手法により実施した。溶接条件は、320A、適正電圧、供給速度30cm/分、ワイヤ突き出し長さ(Ext)を25mmとし、1分間に発生したスパッタ量のトータル量で溶接作業性を評価した。スパッタ量が1.0g/分未満のものを◎、1.0乃至1.2g/分のものを○、1.2乃至1.5g/分のものを△、1.5g/分を超えるものを×とした。
【0033】
図3は、作製した溶接ワイヤの詰まり量を測定するのに使用した試験機を示す図であって、図3(a)はその平面図、図3(b)はその側面図である。図3(a)及び(b)に示すように、スプール11から巻き解かれた溶接ワイヤ13は、コンジットライナ12内を進行する。コンジットライナ12は、トーチ(図示せず)までの途中に直径が300mmの2つの円環部が形成されており、溶接ワイヤ13は、これらの円環部をワイヤ経路▲1▼〜▲6▼の順に通過し、トーチに運ばれる。スプール11とコンジットライナ12との間には、コンジットライナ12に溶接ワイヤ13を適切に供給するためのステンレス製のチューブ15及びインレットガイド14が設けられている。この試験機を使用して、溶接ワイヤ13を10kgインチング送給したときの試験前後のコンジットライナ12、ステンレス製チューブ15及びインレットガイド14の質量の増分により、コンジットライナ12、ステンレス製のチューブ15及びインレットガイド14内の詰まり量を定量した。そして、詰まり量が0.03g/(10kg・ワイヤ)以下を○、0.03g/(10kg・ワイヤ)より多いものを△とした。なお、試験前にはコンジットライナ2を十分に洗浄した。また、実際には溶接は行わないものの、送給量は、ワイヤ径1.4mm、320Aの送給量に相当する10乃至13m/分とした。
【0034】
【表1】
Figure 0004467139
【0035】
Bal.は残部を示す。
【0036】
【表2】
Figure 0004467139
【0037】
【表3】
Figure 0004467139
【0038】
従来例(No.1)は、フラックス率が少ない従来のフラックス入りワイヤであり、前進角でのスパッタ発生量が多く溶接作業性が劣った。
【0039】
比較例1(No.2)は、フラックス率を20%に上昇させたが、フラックス率及びRrが本発明範囲から外れるため、溶接作業性は改善されるものの前進角でのスパッタ発生量が十分ではない。
【0040】
実施例1(No.3)は、フラックス率を25質量%まで上昇させ、Rrを30.0%としてフラックス率及びRrを本発明範囲内としたため、溶接作業性が良好であった。
【0041】
比較例2(No.4)は、フラックス率を25質量%まで上昇させたが、Rrが本発明範囲の上限を超える32.1%としたため、溶接作業性は比較例1よりは改善されるのの十分ではない。
【0042】
実施例2(No.5)は、フラックス率及びRrを本発明範囲内である夫々25質量%及びRrを30.0%とし、更にFrを本発明の好ましい範囲内の18.9%としたため、溶接作業性が実施例1乃至9のうちで最も良好となった。
【0043】
実施例3(No.6)は、フラックス率及びRrを本発明範囲内である夫々25.0質量%及び19.1%としたため、溶接作業性が実施例1と比較して更に良好であった。
【0044】
実施例4(No.7)は、フラックス率を更に上昇させ、フラックス率及びRrを本発明範囲内である夫々30.0質量%及び25.1%としたため、溶接作業性が良好であった。
【0045】
実施例5(No.8)は、フラックス率を更に上昇させ、フラックス率及びRrを本発明範囲内である夫々35.0質量%及び22.4%としたため、溶接作業性が更に良好になった。
【0046】
実施例6(No.9)は、フラックス率を更に上昇させ、フラックス率及びRrを本発明範囲内である夫々45.0質量%及び20.7%としたため、溶接作業性が更に良好であった。
【0047】
比較例3(No.10)は、Rrは本発明範囲内の10.2%であるものの、フラックス率を上昇させ本発明範囲の上限を超える50質量%とたため、溶接作業性は極めて良好になるものの、伸線が困難となり、実用的でない。
【0048】
実施例7乃至9(No.11乃至13)は、フラックス率及びRrを本発明範囲内である夫々30質量%及び5.3乃至15.4%としたため、溶接作業性が良好であった。
【0049】
比較例4(No.14)は、フラックス率は30質量%で本発明範囲内であるものの、Rrが2.3%で本発明範囲の下限未満であったため溶接作業性は良好であるものの詰まり量が増加した。
【0050】
実施例10(No.15)は、フラックス率及びRrは、夫々30質量%及び25.1であり、溶接作業性が良好であった。
【0051】
比較例6(No.16)は、フラックス率は30質量%で本発明範囲内であるが、Rrが31.3%で本発明範囲の上限を超えたため、溶接作業性が改善されるものの充分ではない。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、フラックス率が25乃至45質量%と高くすると共にアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤの平均直径に対するラップ部の重なり具合を適切に規定することにより、フラックスのこぼれ及びシーム部への伸線潤滑剤の詰まり等を防止して溶接時のコンジットライナ内の詰まり等を防止することができると共に前進溶接での溶接時においてもスパッタ発生量を低減して優れた溶接作業性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤを示す模式的断面図である。
【図2】(a)及び(b)は夫々実施例1及び比較例1のワイヤの断面写真をトレースした図である。
【図3】作製した溶接ワイヤの詰まり量を測定するのに使用した試験機を示す図であって、(a)はその平面図、(b)はその側面図である。
【符号の説明】
1;FCW
2;外皮
3;フラックス
4;ラップ部
11;スプール
12;コンジットライナ
13;溶接ワイヤ
14;インレットガイド
15;ステンレス製チューブ

Claims (2)

  1. 帯板をその幅方向に丸めて形成された鋼製外皮中にフラックスを充填してなるアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤにおいて、フラックス率が25乃至45質量%であり、前記ワイヤの長手方向に垂直な断面にて前記帯板幅方向の両端部同士が重なるラップ部を有し、前記ラップ部の外側の帯板幅方向端部を点Aとしたとき、この点Aから前記フラックスを介して反対側の外皮の外表面に至る線分のうち最も長い線分と前記外表面との交点を点Bとし、この点Bを通って前記ラップ部の内側の帯板幅方向端部に接する線分BCの延長線が前記ラップ部の外側の帯板の外表面と交わる点を点Dとし、前記点Aと前記点Dとを結ぶ線分の長さをRLとしたとき、前記ワイヤの平均直径Wdに対する前記RLの割合Rr(=(RL/Wd)×100(%))は3乃至30%であることを特徴とするアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤ。
  2. 前記ワイヤの平均直径Wdに対する前記外皮の平均肉厚Ftの割合Fr(=(Ft/Wd)×100(%))は10乃至20%であることを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤ。
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