JPH07136780A - オーステナイト系ステンレス鋼材の電子ビーム溶接方法 - Google Patents
オーステナイト系ステンレス鋼材の電子ビーム溶接方法Info
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- JPH07136780A JPH07136780A JP29048493A JP29048493A JPH07136780A JP H07136780 A JPH07136780 A JP H07136780A JP 29048493 A JP29048493 A JP 29048493A JP 29048493 A JP29048493 A JP 29048493A JP H07136780 A JPH07136780 A JP H07136780A
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- welding
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 オーステナイト系ステンレス鋼材同士1a,1b
を電子ビーム溶接により溶接するに際し、該電子ビーム
溶接の開始前にオーステナイト系ステンレス鋼材1a,1b
の開先面間の中の少なくとも溶接線終端側の開先面間に
インサートメタルとしてAl箔2又はTi箔を挟み込むこと
を特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼材の電子ビ
ーム溶接方法。 【効果】 Creq/Nieq:1.60以下のオーステナイト系ス
テンレス鋼材を電子ビーム溶接により溶接するに際し、
従来法(鋼材のP+Sを0.04%以下に低減する方法等)
の場合に比して簡単に且つ経済性よく、又、溶接部の機
械的性質の低下を招くことなく、凝固割れを防止し得る
ようになる。
を電子ビーム溶接により溶接するに際し、該電子ビーム
溶接の開始前にオーステナイト系ステンレス鋼材1a,1b
の開先面間の中の少なくとも溶接線終端側の開先面間に
インサートメタルとしてAl箔2又はTi箔を挟み込むこと
を特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼材の電子ビ
ーム溶接方法。 【効果】 Creq/Nieq:1.60以下のオーステナイト系ス
テンレス鋼材を電子ビーム溶接により溶接するに際し、
従来法(鋼材のP+Sを0.04%以下に低減する方法等)
の場合に比して簡単に且つ経済性よく、又、溶接部の機
械的性質の低下を招くことなく、凝固割れを防止し得る
ようになる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーステナイト系ステ
ンレス鋼材の電子ビーム溶接方法に関し、特に、Creq/
Nieq(Cr等量とNi等量との比):1.60以下、P+S(P
量とS量との和):0.04%以上のオーステナイト系ステ
ンレス鋼材の電子ビーム溶接方法に用いて好適なオース
テナイト系ステンレス鋼材の電子ビーム溶接方法に関す
る。
ンレス鋼材の電子ビーム溶接方法に関し、特に、Creq/
Nieq(Cr等量とNi等量との比):1.60以下、P+S(P
量とS量との和):0.04%以上のオーステナイト系ステ
ンレス鋼材の電子ビーム溶接方法に用いて好適なオース
テナイト系ステンレス鋼材の電子ビーム溶接方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系ステンレス鋼材の電子
ビーム溶接において、該鋼材のCreq/Nieq:1.60以下の
場合に凝固割れが発生し易いことはよく知られている。
この凝固割れの防止対策として、従来、下記〜の方
法が採用されている。 被溶接材(オーステナイト系ステンレス鋼材)とし
て、P+S:0.04%以下のオーステナイト系ステンレス
鋼材を使用する。 Creq/Nieq:1.60以上で、且つ、P+S:0.04%以
下であるSUS316L 等のTIG 又は MIG溶接用ワイヤを溶加
材として電子ビーム溶接する。 予め、被溶接材(オーステナイト系ステンレス鋼
材)の開先面に、Creq/Nieq:1.60以上で、且つ、P+
S:0.04%以下である SUS316L溶接用ワイヤ等でバタリ
ングし、機械加工で開先加工(開先を整形)した後、同
部を突合せ溶接する等の溶接をする。ここで、バタリン
グとは、開先面を異種金属で肉盛溶接することをいう。
ビーム溶接において、該鋼材のCreq/Nieq:1.60以下の
場合に凝固割れが発生し易いことはよく知られている。
この凝固割れの防止対策として、従来、下記〜の方
法が採用されている。 被溶接材(オーステナイト系ステンレス鋼材)とし
て、P+S:0.04%以下のオーステナイト系ステンレス
鋼材を使用する。 Creq/Nieq:1.60以上で、且つ、P+S:0.04%以
下であるSUS316L 等のTIG 又は MIG溶接用ワイヤを溶加
材として電子ビーム溶接する。 予め、被溶接材(オーステナイト系ステンレス鋼
材)の開先面に、Creq/Nieq:1.60以上で、且つ、P+
S:0.04%以下である SUS316L溶接用ワイヤ等でバタリ
ングし、機械加工で開先加工(開先を整形)した後、同
部を突合せ溶接する等の溶接をする。ここで、バタリン
グとは、開先面を異種金属で肉盛溶接することをいう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
〜の方法(凝固割れ防止対策が図られたオーステナ
イト系ステンレス鋼材の電子ビーム溶接方法)において
は、下記の如き問題点がある。 の方法では、オーステナイト系ステンレス鋼の溶製に
際してP及びS量の低減が必要であるので、被溶接材と
して使用するオーステナイト系ステンレス鋼材が高価に
なり、経済性が低下するという問題点がある。 の方法では、前記の如きTIG 又は MIG溶接用ワイヤが
溶加材として余分に必要となり、経済性が低下し、又、
溶接部の機械的性質が低下して、溶接後の母材部と溶接
部との機械的性質が異なるという問題点がある。 の方法では、 SUS316L溶接用ワイヤ等でバタリング
し、機械加工で開先を整形するため、溶接前での加工費
が高くなり、経済性が低下するという問題点がある。
〜の方法(凝固割れ防止対策が図られたオーステナ
イト系ステンレス鋼材の電子ビーム溶接方法)において
は、下記の如き問題点がある。 の方法では、オーステナイト系ステンレス鋼の溶製に
際してP及びS量の低減が必要であるので、被溶接材と
して使用するオーステナイト系ステンレス鋼材が高価に
なり、経済性が低下するという問題点がある。 の方法では、前記の如きTIG 又は MIG溶接用ワイヤが
溶加材として余分に必要となり、経済性が低下し、又、
溶接部の機械的性質が低下して、溶接後の母材部と溶接
部との機械的性質が異なるという問題点がある。 の方法では、 SUS316L溶接用ワイヤ等でバタリング
し、機械加工で開先を整形するため、溶接前での加工費
が高くなり、経済性が低下するという問題点がある。
【0004】本発明はこの様な事情に着目してなされた
ものであって、その目的は、Creq/Nieq:1.60以下のオ
ーステナイト系ステンレス鋼材を電子ビーム溶接により
溶接するに際し、前記従来の〜の方法の場合に比し
て簡単に且つ経済性よく、又、溶接部の機械的性質の低
下を招くことなく、凝固割れを防止し得るオーステナイ
ト系ステンレス鋼材の電子ビーム溶接方法を提供しよう
とするものである。
ものであって、その目的は、Creq/Nieq:1.60以下のオ
ーステナイト系ステンレス鋼材を電子ビーム溶接により
溶接するに際し、前記従来の〜の方法の場合に比し
て簡単に且つ経済性よく、又、溶接部の機械的性質の低
下を招くことなく、凝固割れを防止し得るオーステナイ
ト系ステンレス鋼材の電子ビーム溶接方法を提供しよう
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るオーステナイト系ステンレス鋼材の
電子ビーム溶接方法は次のような構成としている。即
ち、請求項1記載のオーステナイト系ステンレス鋼材の
電子ビーム溶接方法は、オーステナイト系ステンレス鋼
材同士を電子ビーム溶接により溶接するに際し、該電子
ビーム溶接の開始前にオーステナイト系ステンレス鋼材
の開先面間の中の少なくとも溶接線終端側の開先面間に
インサートメタルとしてAl箔又はTi箔を挟み込むことを
特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼材の電子ビー
ム溶接方法である。
めに、本発明に係るオーステナイト系ステンレス鋼材の
電子ビーム溶接方法は次のような構成としている。即
ち、請求項1記載のオーステナイト系ステンレス鋼材の
電子ビーム溶接方法は、オーステナイト系ステンレス鋼
材同士を電子ビーム溶接により溶接するに際し、該電子
ビーム溶接の開始前にオーステナイト系ステンレス鋼材
の開先面間の中の少なくとも溶接線終端側の開先面間に
インサートメタルとしてAl箔又はTi箔を挟み込むことを
特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼材の電子ビー
ム溶接方法である。
【0006】請求項2記載のオーステナイト系ステンレ
ス鋼材の電子ビーム溶接方法は、前記Al箔又はTi箔の厚
みが10〜100 μm である請求項1記載のオーステナイト
系ステンレス鋼材の電子ビーム溶接方法である。
ス鋼材の電子ビーム溶接方法は、前記Al箔又はTi箔の厚
みが10〜100 μm である請求項1記載のオーステナイト
系ステンレス鋼材の電子ビーム溶接方法である。
【0007】
【0008】オーステナイト系ステンレス鋼材の電子ビ
ーム溶接における凝固割れは、オーステナイト系ステン
レス鋼中のP,S等の不純物元素が柱状晶の粒界におい
て低融点液膜を形成するために発生する。そして、この
凝固割れは、前述の如く鋼材のCreq/Nieq:1.60以下の
場合に発生し易い。これは、Creq/Nieq:1.60以下の場
合には、溶接金属中のδフェライト(P,S等の不純物
元素を分散させる等の作用を有する)が少なく、そのた
め上記低融点液膜を形成し易いからである。この逆に、
δフェライトが多い場合には、それがP,S等の不純物
元素を分散させる等の作用を発揮するので、低融点液膜
が形成され難くなり、そのため凝固割れが生じ難くなる
ことが知られている。従って、凝固割れを防止するに
は、溶接金属中のδフェライトを増大させればよく、換
言すれば、溶接金属中のδフェライトを増大させること
により、鋼材のCreq/Nieq:1.60以下、且つ、P+S:
0.04%以上の場合でも、凝固割れを防止し得る。このと
き、溶接金属中のδフェライト増大は、溶接金属の全部
位について行われる必要は必ずしもなく、少なくとも溶
接金属の中で凝固割れが通常生じ易い部位であるところ
の溶接線終端側(クレータ部)について行われればよ
い。尚、溶接金属とは、溶接中に溶融し凝固した金属の
ことであり、それには溶融状態、凝固進行状態又は凝固
完了状態のものがあるが、上記溶接金属中のδフェライ
ト増大での溶接金属は、溶融状態、凝固進行状態のもの
に該当する。溶接線とは、溶接部を一つの線として表す
ときの仮定線をいう。
ーム溶接における凝固割れは、オーステナイト系ステン
レス鋼中のP,S等の不純物元素が柱状晶の粒界におい
て低融点液膜を形成するために発生する。そして、この
凝固割れは、前述の如く鋼材のCreq/Nieq:1.60以下の
場合に発生し易い。これは、Creq/Nieq:1.60以下の場
合には、溶接金属中のδフェライト(P,S等の不純物
元素を分散させる等の作用を有する)が少なく、そのた
め上記低融点液膜を形成し易いからである。この逆に、
δフェライトが多い場合には、それがP,S等の不純物
元素を分散させる等の作用を発揮するので、低融点液膜
が形成され難くなり、そのため凝固割れが生じ難くなる
ことが知られている。従って、凝固割れを防止するに
は、溶接金属中のδフェライトを増大させればよく、換
言すれば、溶接金属中のδフェライトを増大させること
により、鋼材のCreq/Nieq:1.60以下、且つ、P+S:
0.04%以上の場合でも、凝固割れを防止し得る。このと
き、溶接金属中のδフェライト増大は、溶接金属の全部
位について行われる必要は必ずしもなく、少なくとも溶
接金属の中で凝固割れが通常生じ易い部位であるところ
の溶接線終端側(クレータ部)について行われればよ
い。尚、溶接金属とは、溶接中に溶融し凝固した金属の
ことであり、それには溶融状態、凝固進行状態又は凝固
完了状態のものがあるが、上記溶接金属中のδフェライ
ト増大での溶接金属は、溶融状態、凝固進行状態のもの
に該当する。溶接線とは、溶接部を一つの線として表す
ときの仮定線をいう。
【0009】本発明に係るオーステナイト系ステンレス
鋼材の電子ビーム溶接方法は、前記の如く、オーステナ
イト系ステンレス鋼材同士を電子ビーム溶接により溶接
するに際し、該電子ビーム溶接の開始前にオーステナイ
ト系ステンレス鋼材の開先面間の中の少なくとも溶接線
終端側の開先面間にインサートメタルとしてAl箔又はTi
箔を挟み込むようにしているので、このAl箔又はTi箔は
電子ビーム溶接中に溶融して溶接金属中に溶け込む。こ
のAl及びTiは、強力なフェライト生成元素である。従っ
て、溶接金属中のδフェライトが増大し、そのため、鋼
材のCreq/Nieq:1.60以下、且つ、P+S:0.04%以上
の場合でも凝固割れを防止し得る。ここで、開先面間で
のAl箔又はTi箔の挟み込みを、少なくとも溶接線終端側
の開先面間について行うようにしているのは、通常(凝
固割れ対策を施さない場合)溶接線終端側で凝固割れが
生じ易いからである。
鋼材の電子ビーム溶接方法は、前記の如く、オーステナ
イト系ステンレス鋼材同士を電子ビーム溶接により溶接
するに際し、該電子ビーム溶接の開始前にオーステナイ
ト系ステンレス鋼材の開先面間の中の少なくとも溶接線
終端側の開先面間にインサートメタルとしてAl箔又はTi
箔を挟み込むようにしているので、このAl箔又はTi箔は
電子ビーム溶接中に溶融して溶接金属中に溶け込む。こ
のAl及びTiは、強力なフェライト生成元素である。従っ
て、溶接金属中のδフェライトが増大し、そのため、鋼
材のCreq/Nieq:1.60以下、且つ、P+S:0.04%以上
の場合でも凝固割れを防止し得る。ここで、開先面間で
のAl箔又はTi箔の挟み込みを、少なくとも溶接線終端側
の開先面間について行うようにしているのは、通常(凝
固割れ対策を施さない場合)溶接線終端側で凝固割れが
生じ易いからである。
【0010】又、前記従来のの方法と異なり、溶接の
クレータ部となる開先面へ、局部的に、且つ、厚み:10
〜100 μm の如く薄いAl箔又はTi箔を挟み込み、溶接す
るため、溶接金属中の化学成分も母材部のそれと殆ど差
が生じない。従って、溶接部の機械的性質の低下を招か
ない。
クレータ部となる開先面へ、局部的に、且つ、厚み:10
〜100 μm の如く薄いAl箔又はTi箔を挟み込み、溶接す
るため、溶接金属中の化学成分も母材部のそれと殆ど差
が生じない。従って、溶接部の機械的性質の低下を招か
ない。
【0011】上記Al箔又はTi箔を開先面間にインサート
メタルとして挟み込むことは、前記従来のの方法(バ
タリングし、機械加工で開先整形)、及び、の方法
(TIG又は MIG溶接用ワイヤを溶加材として使用)の場
合に比し、簡単であり、且つ安価で経済性に優れてい
る。又、鋼材のP+Sを0.04%以下に低減しなくてもよ
いので、の方法(鋼材のP+Sを0.04%以下に低減)
の場合に比し、極めて簡単であり、且つ著しく安価で経
済性に優れている。
メタルとして挟み込むことは、前記従来のの方法(バ
タリングし、機械加工で開先整形)、及び、の方法
(TIG又は MIG溶接用ワイヤを溶加材として使用)の場
合に比し、簡単であり、且つ安価で経済性に優れてい
る。又、鋼材のP+Sを0.04%以下に低減しなくてもよ
いので、の方法(鋼材のP+Sを0.04%以下に低減)
の場合に比し、極めて簡単であり、且つ著しく安価で経
済性に優れている。
【0012】従って、本発明に係るオーステナイト系ス
テンレス鋼材の電子ビーム溶接方法によれば、Creq/Ni
eq:1.60以下のオーステナイト系ステンレス鋼材を電子
ビーム溶接により溶接するに際し、前記従来の〜の
方法の場合に比して簡単に且つ経済性よく、又、溶接部
の機械的性質の低下を招くことなく、凝固割れを防止し
得るようになる。
テンレス鋼材の電子ビーム溶接方法によれば、Creq/Ni
eq:1.60以下のオーステナイト系ステンレス鋼材を電子
ビーム溶接により溶接するに際し、前記従来の〜の
方法の場合に比して簡単に且つ経済性よく、又、溶接部
の機械的性質の低下を招くことなく、凝固割れを防止し
得るようになる。
【0013】前記開先面間にインサートメタルとして挟
み込むAl箔又はTi箔に関し、その厚みを10〜100 μm に
することが望ましい。それは、10μm 未満では溶接金属
中δフェライトの増大量が少なくなるため、凝固割れの
完全防止が図り難くなり、インサートメタルとしての効
果が減少する傾向があり、一方、100 μm 超では溶接金
属の組織や機械的性質が他部のそれらと相違してくる傾
向があると共に、インサートメタル(Al箔又はTi箔)を
挟み込んでいない開先面間に隙間が生じるため、電子ビ
ーム溶接時に欠陥が生じてくる傾向があるからである。
み込むAl箔又はTi箔に関し、その厚みを10〜100 μm に
することが望ましい。それは、10μm 未満では溶接金属
中δフェライトの増大量が少なくなるため、凝固割れの
完全防止が図り難くなり、インサートメタルとしての効
果が減少する傾向があり、一方、100 μm 超では溶接金
属の組織や機械的性質が他部のそれらと相違してくる傾
向があると共に、インサートメタル(Al箔又はTi箔)を
挟み込んでいない開先面間に隙間が生じるため、電子ビ
ーム溶接時に欠陥が生じてくる傾向があるからである。
【0014】Al箔の材質は純Alに限定されず、溶接金属
の材質低下を来さないものであればAl合金でもよく、か
かるAl合金としては、例えば Al-Si系の A4000系のもの
や、Al-Mn 系の A3000系のもの等が挙げられる。又、Ti
箔の材質は純Tiに限定されず、溶接金属の材質低下を来
さないものであればTi合金でもよく、かかるTi合金とし
ては、例えばαTi合金のTi-0.2Pd、Ti-5Al-2.5Snや、ne
arαTi合金のTi-8Al-1Mo-1V 、Ti-6Al-2Cb-1Ta-0.8Mo等
が挙げられる。
の材質低下を来さないものであればAl合金でもよく、か
かるAl合金としては、例えば Al-Si系の A4000系のもの
や、Al-Mn 系の A3000系のもの等が挙げられる。又、Ti
箔の材質は純Tiに限定されず、溶接金属の材質低下を来
さないものであればTi合金でもよく、かかるTi合金とし
ては、例えばαTi合金のTi-0.2Pd、Ti-5Al-2.5Snや、ne
arαTi合金のTi-8Al-1Mo-1V 、Ti-6Al-2Cb-1Ta-0.8Mo等
が挙げられる。
【0015】
【実施例】実施例に係るオーステナイト系ステンレス鋼
材の電子ビーム溶接施工の状況を図1〜3に示す。図1
は側断面図、図2は図1のJ部の拡大図、図3は図1の
A−A断面図である。これらの図において、1a及び1bは
被溶接材のオーステナイト系ステンレス鋼材を示すもの
であり、その材質はSUS310、形状はパイプ状、寸法は一
方の1aが肉厚40mm×外径300mm 、他方の1bが肉厚30mm×
外径300mm であり、開先形状は図1又は図2に示す通り
である。2は該開先面間の中の溶接線終端側Eの開先面
間にインサートメタルとして挟み込まれたAl箔を示すも
のであり、その材質は純Alであり、寸法は厚さ30μm ×
幅30mm×長さ50mmである。尚、溶接線終端側Eは、図2
に示す如く溶接スタート部と溶接エンド部との間であ
る。
材の電子ビーム溶接施工の状況を図1〜3に示す。図1
は側断面図、図2は図1のJ部の拡大図、図3は図1の
A−A断面図である。これらの図において、1a及び1bは
被溶接材のオーステナイト系ステンレス鋼材を示すもの
であり、その材質はSUS310、形状はパイプ状、寸法は一
方の1aが肉厚40mm×外径300mm 、他方の1bが肉厚30mm×
外径300mm であり、開先形状は図1又は図2に示す通り
である。2は該開先面間の中の溶接線終端側Eの開先面
間にインサートメタルとして挟み込まれたAl箔を示すも
のであり、その材質は純Alであり、寸法は厚さ30μm ×
幅30mm×長さ50mmである。尚、溶接線終端側Eは、図2
に示す如く溶接スタート部と溶接エンド部との間であ
る。
【0016】上記の如くオーステナイト系ステンレス鋼
材(パイプ)1a及び1bの開先面間の中の溶接線終端側E
の開先面間にインサートメタルとしてAl箔2を挟み込
み、該鋼材1a及び1bの突合せ溶接を電子ビーム溶接によ
り行った。このとき、電子ビーム溶接の条件について
は、加速電圧:70KV、溶接速度:30cm/min、ビーム電
流:130mA 、第1レンズ電流:0.94A、第2レンズ電
流:0.77A、偏向:AC、波形:円、幅:Φ1mm、振動
数:500 、スロープアップ:7.0sec、スロープダウン:
10.0sec 、真空度:1.1 ×10-4Torrとした。
材(パイプ)1a及び1bの開先面間の中の溶接線終端側E
の開先面間にインサートメタルとしてAl箔2を挟み込
み、該鋼材1a及び1bの突合せ溶接を電子ビーム溶接によ
り行った。このとき、電子ビーム溶接の条件について
は、加速電圧:70KV、溶接速度:30cm/min、ビーム電
流:130mA 、第1レンズ電流:0.94A、第2レンズ電
流:0.77A、偏向:AC、波形:円、幅:Φ1mm、振動
数:500 、スロープアップ:7.0sec、スロープダウン:
10.0sec 、真空度:1.1 ×10-4Torrとした。
【0017】その結果、凝固割れを全く発生することな
く、電子ビーム溶接を行うことができた。又、溶接部の
機械的性質も良好であることが確認された。
く、電子ビーム溶接を行うことができた。又、溶接部の
機械的性質も良好であることが確認された。
【0018】尚、Al箔2は前記の如く長さ:50mmにした
が、このようにAl箔に長さをもたせたのはスロープダウ
ンによりクレータ部を処理させるためである。かかる点
から適当なAl箔の挟み込み長さをもたせることが望まし
く、これはTi箔を使用する場合も同様である。
が、このようにAl箔に長さをもたせたのはスロープダウ
ンによりクレータ部を処理させるためである。かかる点
から適当なAl箔の挟み込み長さをもたせることが望まし
く、これはTi箔を使用する場合も同様である。
【0019】上記実施例ではインサートメタルのAl箔2
として純Al箔を使用したが、これに代えて、Al-Si 系の
A4000系やAl-Mn 系の A3000系等のAl合金箔、純Ti箔、
αTi合金のTi-0.2Pd、Ti-5Al-2.5SnやnearαTi合金のTi
-8Al-1Mo-1V 、Ti-6Al-2Cb-1Ta-0.8Mo等のTi合金箔を使
用し、上記実施例と同様の電子ビーム溶接を行ったとこ
ろ、上記実施例と同様に凝固割れを全く発生することな
く、電子ビーム溶接を行うことができ、又、溶接部の機
械的性質も良好であった。
として純Al箔を使用したが、これに代えて、Al-Si 系の
A4000系やAl-Mn 系の A3000系等のAl合金箔、純Ti箔、
αTi合金のTi-0.2Pd、Ti-5Al-2.5SnやnearαTi合金のTi
-8Al-1Mo-1V 、Ti-6Al-2Cb-1Ta-0.8Mo等のTi合金箔を使
用し、上記実施例と同様の電子ビーム溶接を行ったとこ
ろ、上記実施例と同様に凝固割れを全く発生することな
く、電子ビーム溶接を行うことができ、又、溶接部の機
械的性質も良好であった。
【0020】
【発明の効果】本発明に係るオーステナイト系ステンレ
ス鋼材の電子ビーム溶接方法は、以上のような構成を有
し作用をなすものであり、Creq/Nieq:1.60以下のオー
ステナイト系ステンレス鋼材を電子ビーム溶接により溶
接するに際し、前記従来法〜の場合に比して簡単に
且つ経済性よく、又、溶接部の機械的性質の低下を招く
ことなく、凝固割れを防止し得るようになるという効果
を奏する。
ス鋼材の電子ビーム溶接方法は、以上のような構成を有
し作用をなすものであり、Creq/Nieq:1.60以下のオー
ステナイト系ステンレス鋼材を電子ビーム溶接により溶
接するに際し、前記従来法〜の場合に比して簡単に
且つ経済性よく、又、溶接部の機械的性質の低下を招く
ことなく、凝固割れを防止し得るようになるという効果
を奏する。
【図1】実施例に係るオーステナイト系ステンレス鋼材
の電子ビーム溶接状況の概要を示す側断面図である。
の電子ビーム溶接状況の概要を示す側断面図である。
【図2】図1の要部(J部)の詳細を示す側断面図であ
る。
る。
【図3】図1のA−A断面図である。
1a,1b--オーステナイト系ステンレス鋼材、2--Al箔、
E--溶接線終端側。
E--溶接線終端側。
Claims (2)
- 【請求項1】 オーステナイト系ステンレス鋼材同士を
電子ビーム溶接により溶接するに際し、該電子ビーム溶
接の開始前にオーステナイト系ステンレス鋼材の開先面
間の中の少なくとも溶接線終端側の開先面間にインサー
トメタルとしてAl箔又はTi箔を挟み込むことを特徴とす
るオーステナイト系ステンレス鋼材の電子ビーム溶接方
法。 - 【請求項2】 前記Al箔又はTi箔の厚みが10〜100 μm
である請求項1記載のオーステナイト系ステンレス鋼材
の電子ビーム溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29048493A JPH07136780A (ja) | 1993-11-19 | 1993-11-19 | オーステナイト系ステンレス鋼材の電子ビーム溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29048493A JPH07136780A (ja) | 1993-11-19 | 1993-11-19 | オーステナイト系ステンレス鋼材の電子ビーム溶接方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07136780A true JPH07136780A (ja) | 1995-05-30 |
Family
ID=17756623
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29048493A Withdrawn JPH07136780A (ja) | 1993-11-19 | 1993-11-19 | オーステナイト系ステンレス鋼材の電子ビーム溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07136780A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5170354B1 (ja) * | 2012-05-31 | 2013-03-27 | 新日鐵住金株式会社 | ビーム溶接継手およびビーム溶接方法 |
CN106270876A (zh) * | 2016-09-07 | 2017-01-04 | 南京理工大学 | 一种铝锂合金和钛合金电子束熔钎焊接方法 |
-
1993
- 1993-11-19 JP JP29048493A patent/JPH07136780A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5170354B1 (ja) * | 2012-05-31 | 2013-03-27 | 新日鐵住金株式会社 | ビーム溶接継手およびビーム溶接方法 |
WO2013179461A1 (ja) * | 2012-05-31 | 2013-12-05 | 新日鐵住金株式会社 | ビーム溶接継手およびビーム溶接方法 |
CN106270876A (zh) * | 2016-09-07 | 2017-01-04 | 南京理工大学 | 一种铝锂合金和钛合金电子束熔钎焊接方法 |
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