JPH0819609B2 - 吸収材の製法 - Google Patents

吸収材の製法

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JPH0819609B2 JP2226679A JP22667990A JPH0819609B2 JP H0819609 B2 JPH0819609 B2 JP H0819609B2 JP 2226679 A JP2226679 A JP 2226679A JP 22667990 A JP22667990 A JP 22667990A JP H0819609 B2 JPH0819609 B2 JP H0819609B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、吸収材の製法に関する。詳しく述べると、
それ単独で優れた吸収特性および成形性を有し、しかも
繊維マトリックス中に配合した場合に極めて優れた効果
を発揮する吸収材の製法に関する。
(従来技術) 従来、親水性繊維素で被覆された吸水性重合体粒子お
よびそれらを含有する吸収体が開示されている(特開昭
51−35,685号および特開昭58−163,438号)。また、疎
水性繊維ウエブの一部が吸水性重合体中に埋め込まれて
なる吸収材およびそれらを用いた吸収体についても知ら
れている(特開昭61−62,463号および特開平1−135,35
0号)。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、前者の場合、例えば親水性繊維素で被
覆された吸水性重合体を親水性繊維マトリックス中に分
散せしめた場合に得られた吸収体の液体吸収能は、吸水
性重合体単独の場合に比べて向上するものの、液吸収後
の湿潤強度は不十分で、特にその成形強度の点からマト
リックス中の吸水性重合体濃度には限界があった。
一方、後者の場合、湿潤強度、成形強度は向上するも
のの、繊維ウエブが吸収性重合体内部に埋め込まれてい
るために、繊維による膨潤規制が起こり、その吸収特性
が優れず、また製造に手間暇がかかる等といった問題点
があった。
したがって、本発明の目的は、吸収材の新規な製法を
提供することにある。本発明の他の目的は、それ単独で
優れた吸収特性および成形性を有し、しかも繊維マトリ
ックス中に配合した場合に極めて優れた効果(湿潤安定
性、保形性、分散性、吸収特性等を発揮する吸収材の製
法を提供することにある。
(問題を解決するための手段) これらの諸目的は、吸水性重合体100重量部および合
成パルプ1〜80重量部を1〜40重量部の水存在下に混合
することを特徴とする吸収材の製法により達成される。
(作用) 本発明における吸水性重合体としては、一般に吸水性
を有するものであれば何れでも良く、例えば(メタ)ア
クリル酸またはその塩を主成分とし、場合により架橋剤
を添加してなる水溶性のエチレン性不飽和単量体の(架
橋)重合体の他、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピ
ロリドン、スルホン化ポリスチレンおよびポリビニルピ
リジンの架橋体、デンプン−ポリ(メタ)アクリロニト
リルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−ポリ(メ
タ)アクリル酸(およびその塩)グラフト共重合体(お
よびその架橋体)、デンプン−ポリ(メタ)アクリルエ
ステルグラフト共重合体(およびその架橋体)、デンプ
ン−ポリ(メタ)アクリルエステルグラフト共重合体の
加水分解物等を挙げることができる。好ましくは、アク
リル酸またはアクリル酸塩を主成分とする水溶性エチレ
ン性不飽和単量体の(架橋)重合体であり、より好まし
くはアクリル酸(塩)架橋重合体であり、その製造法は
いずれであっても良い。またこれらの吸水性重合体は2
種以上用いても良い。用いられる吸水性重合体は、5g/g
以上、好ましくは20〜80g/g、最も好ましくは35〜60g/g
の生理食塩水を吸収し得るものであり、実質的に乾燥し
た粒子である。吸水性重合体は、通常その特性からある
程度の水分を含有しているが、ここで言う実質的に乾燥
したとは、通常の雰囲気下でそれぞれの粒子が互いに粘
着し得ない状態を言う。粒子の形状としは球状、顆粒
状、不定形状、発泡体等の粉末状や繊維状のものを用い
ることができ、それらは単粒子であってもまた造粒物で
あっても良く、粒子表面近傍に架橋密度勾配を持たせた
ものであってもよい。粉末の場合、その粒子径は重量平
均粒子径が10〜1,000ミクロンのものが良く、好ましく
は100〜700ミクロンの範囲のものである。
本発明で使用される合成パルプは、熱可塑性樹脂をパ
ルプ状にしたものであって、それ自体公知である。熱可
塑性樹脂として、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ
アクリロニトリル、その他の疎水性の熱可塑性樹脂を例
示できるが、特にポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重
合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4
−メチル−1−ペンテン共重合体等のα−オレフィンの
1種または2種以上からなるポリオレフィンが、その親
水性を著しく改良できるので好ましい。熱可塑性樹脂か
ら合成パルプを製造する方法は、例えば特公昭47−21,8
98号、特公昭47−32,133号および特公昭52−47,049号に
開示されている。このものは、例えばSWP(三井石油化
学社製)、PULPEX(ハーキュレス社製)といった商品名
で入手可能である。
本発明の吸収材の製法は、吸水性重合体100重量部お
よび合成パルプ1〜80重量部、好ましくは1〜30重量部
を1〜40重量部、好ましくは5〜35重量部の水存在下に
混合することに特徴がある。混合時に、特定量の水が存
在することにより吸水性重合体粒子表面が軟化され、多
分岐状の合成パルプが、吸水性重合体を包み込むように
付着する。その結果、後述するように種々の効果が発現
する。吸水性重合体に対し新たに添加される水の量は前
記のとおりである。水の量が1重量部未満では、合成パ
ルプが吸水性重合体の表面を被覆できず、固定化されな
いために、本発明の効果は得られない。逆に40重量部を
越えると、繊維の一部が重合体内部に埋め込まれるため
に吸収能力が低下し、また、余分な乾燥を必要とするの
で好ましくない。必要により、水は吸収材の吸収特性、
柔軟性を向上させることを目的としてグリセリン、ポリ
エチレングリコール等の吸水性重合体の可塑剤、多価金
属塩、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のカ
ルボキシル基含有吸水性重合体の架橋剤や界面活性剤、
多価アルコール等を含有していても良い。
本発明において吸水性重合体に対する、合成パルプお
よび水の量は、目的や用途に応じて適宜上記範囲内にお
いて任意に選択可能である。本発明の吸収材は、特定量
の水の存在下に吸水性重合体粒子を合成パルプと混合す
るという簡便な方法により製造することができる。例え
ば、(イ)水を吸収させた吸水性重合体粒子に合成パル
プを添加混合する、(ロ)吸水性重合体粒子に水で湿潤
させた合成パルプを添加混合する、(ハ)吸水性重合体
粒子と合成パルプをドライブレンドしたのち、水を添加
し混合する等の方法を挙げることができる。添加される
水は水溶液状、液滴状、水蒸気、ミスト(微小液滴)等
種々の形態で添加可能である。上記混合には例えば、ニ
ーダー、ミキサー、流動床混合機、スクリュー回転式混
合機等を用いることができるが特に限定されない。
得られた吸収材は、合成パルプにより吸水性重合体粒
子表面が被覆されておりその様子は電子顕微鏡で観察で
きる。吸収材の大きさについては特に限定されないが、
0.05〜5mm、特に0.1〜3mmの大きさが好ましい。
(実施例) 以下、実施例を挙げて説明する。
実施例1 吸水性重合体(商品名:「アクアリックCA」(重量平
均粒径400ミクロン):日本触媒化学工業(株)製)100
重量部および合成パルプ(商品名:SWP「UL−415」:三
井石油化学(株)製)7重量部を25重量部の水を噴霧し
ながら混合して本発明の吸収材(1)を得た。
実施例2 合成パルプの量を25重量部とした以外は実施例1と同
様にして本発明の吸収材(2)を得た。
実施例3 合成パルプの量を17重量部とした以外は実施例1と同
様にして本発明の吸収材(3)を得た。
実施例4 水の量を10重量部とした以外は実施例3と同様にして
本発明の吸収材(4)を得た。
実施例5 吸収材(1)〜(4)を、それぞれ坪量0.0013g/cm2
のティッシュペーパーで挟持した後、150℃で5分間加
熱処理して吸水性重合体がティッシュペーパー間に固定
された吸水性シートを得た。吸収材(2)および(3)
を用いた吸水性シートはそれぞれ0.9%生理食塩水を18g
/gおよび20g/g吸収し、しかも、吸水後の重合体の脱落
は認められなかった。
実施例6 吸収材(1)を粉砕パルプ140重量部と乾式混合し、
その後バッチ式空気抄造装置を用いてウエブに成形し
た。得られたウエブを150℃で10分間加熱処理して吸水
性重合体がウエブ中に固定された吸水性ウエブを作成し
た。得られた吸水性ウエブは、30g/cm2の荷重下で16g/g
の生理食塩水を吸収し、液吸収後も重合体の脱落は認め
られなかった。
実施例7 吸収材(4)を30重量部の粉砕パルプからなる2枚の
ウエブ間に挟持し、その後150℃で加熱処理して吸水性
重合体が2層のパルプ間に固定されてなる吸水性ウエブ
を得た。得られた吸水性ウエブは荷重下で12g/gの生理
食塩水を吸収し、しかも液吸収後もポリマーの脱落は認
められなかった。
(発明の効果) 本発明で得られた吸収材は以下の特徴を有するもので
ある。
単独で用いた場合には、 (1)表面が合成パルプで被覆されているためにママコ
が生じない。
(2)加熱という単純な工程だけで吸水性重合体粒子が
結合した成形体を得ることができる。しかも、得られた
成形体は、粒子間に間隙を有したままで結合することが
可能で、得られた成形体はウイッキング特性に優れる。
(3)粒子単独の場合よりもカサ比重が小さくそのため
他の基材(例えば粉砕パルプ)中への均一分散が容易と
いった特徴を有している。
また、本発明の吸収材を繊維マトリックス中に配し、
加熱処理することにより、 (4)得られた吸収体の乾燥時・湿潤時の強度を向上す
ることができる。
(5)得られた吸収体中の吸収材濃度を、吸水性重合体
の吸収効率を低下させることなしに、従来では不可能で
あった範囲にまであげることができる。
(6)ばらばらに分散した吸水性重合体粒子表面部で合
成パルプによる融着が起こり、しかも包み込んだ形で融
着しているために、液吸収時に吸水性重合体同志のゲル
ブロックを防止でき、しかも膨潤した吸水性重合体粒子
のゲル強度をアップでき、脱落を防止できる。
(7)得られた吸収体のウイッキング性能、吸収量およ
び弾性を飛躍的に向上できる。
本発明では上記の特性を有する吸収材を簡便かつ安価
の方法で製造することができる。したがって、本発明の
吸収材は、生理用ナプキン、紙おむつ、失禁パッド、母
乳パッド、医療用パッド等の医用ならびに衛材分野の吸
収材に最適である。また、鮮度保持材、農園芸用保水
材、工業用吸水材等保水ならびに吸水の必要な種々の用
途に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61F 13/15 13/46 C08L 33/02 LJA A61F 13/18 307 Z (56)参考文献 特開 昭63−288258(JP,A) 特開 平2−74254(JP,A) 特開 平4−119155(JP,A) 特開 平4−119156(JP,A) 特開 平4−119157(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸水性重合体100重量部および合成パルプ
    1〜80重量部を1〜40重量部の水存在下に混合すること
    を特徴とする吸収材の製法。
  2. 【請求項2】吸水性重合体がアクリル酸またはアクリル
    酸塩を主成分とする水溶性のエチレン性単量体の架橋重
    合体である請求項1記載の吸収材の製法。
  3. 【請求項3】合成パルプの量が吸水性重合体100重量部
    に対し1〜30重量部の範囲である請求項1記載の吸収材
    の製法。
  4. 【請求項4】吸水性重合体が10〜1,000ミクロンの重量
    平均粒子径を有する粒状物である請求項1記載の吸収材
    の製法。
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