JP3017584B2 - 吸水体およびその製造方法、ならびに、吸水剤およびその製造方法 - Google Patents

吸水体およびその製造方法、ならびに、吸水剤およびその製造方法

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JP3017584B2 JP03339118A JP33911891A JP3017584B2 JP 3017584 B2 JP3017584 B2 JP 3017584B2 JP 03339118 A JP03339118 A JP 03339118A JP 33911891 A JP33911891 A JP 33911891A JP 3017584 B2 JP3017584 B2 JP 3017584B2
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克之 和田
久宣 尾原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、新規な吸水体および
その製造方法に関する。詳しくは、この発明は、セルロ
ース繊維と吸水性樹脂粒子の混合物からなり、液吸収後
も化学的および物理的に安定な新規な吸水体およびその
製造方法に関する。この発明は、新規な吸水剤およびそ
れを含む吸収体ならびにそれらの製造方法に関する。詳
しく述べると、それ単独で優れた吸水特性を有し、しか
もセルロース繊維と複合化した場合に極めて優れた効果
を発揮する、新規な吸水剤およびそれを含有する吸収体
ならびにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自重の数十倍から数百倍の水を吸
収する吸水性樹脂が開発され、生理用品や紙おむつ等の
衛生材料分野をはじめとして農園芸用分野、鮮度保持等
の食品分野、結露防止や保冷材等の産業分野等、吸水や
保水を必要とする用途に種々の吸水性樹脂が使用されて
きている。吸水性樹脂としては、アクリル酸塩架橋重合
体やデンプン−アクリル酸塩グラフト重合体の架橋物等
が既知である。
【0003】一般的に吸水性樹脂は粉末状であるため、
それ単独で使用されることは少なく、粉砕パルプや紙等
のような親水性のセルロース繊維と混合され、おむつ等
の吸水体として使用されている(米国特許第38882
57号等)。短時間の間に大量の水を吸収させるような
用途では、吸水性樹脂単独では短時間のうちに吸収しき
れず水がひろがってしまうのを防ぐため、このような混
合は特に必要である。セルロース繊維は、粉末状の吸水
性樹脂を保持したり、吸水性樹脂が周囲の水を吸収する
のに時間がかかるのでそれまでの間に吸水性樹脂粒子の
周囲に水を保持したり、あるいは、毛細管現象により分
布している吸水性樹脂粒子にまんべんなく水を行き渡ら
せたりする働きがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知の技術により得られた吸水体は、たとえば、紙おむつ
の吸水体として使用した場合、吸水性樹脂粒子の比率が
高くなるとセルロース繊維間の結合力が弱いため、実使
用時において尿吸収後に膨潤した吸水性樹脂の移動や脱
落が起こり、そのために期待した程には吸水性能がでな
いといった問題点や、尿中のある種の成分により吸水性
樹脂粒子の分解が起こるために設計通りの性能が出ない
といった問題点を有していた。
【0005】この発明は、物理的にも化学的にも安定
で、しかも、吸水性樹脂粒子のセルロース繊維での移動
や脱落が起こりにくく、このため、優れた吸水性特性を
有する吸水体を提供することを課題とする。この発明
は、さらに、そのような吸水体を容易に製造する方法を
提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するために、表面に酸性基を有する吸水性樹脂粒
子、セルロース繊維および重量平均分子量2000以上
のカチオン性高分子化合物を含んでなる吸水体を提供す
る。この吸水体は、吸水性樹脂粒子、セルロース繊維お
よびカチオン性高分子化合物の混合物であってもよい。
【0007】この発明は、また、上記の課題を解決する
ために、表面に酸性基を有する吸水性樹脂粒子を重量平
均分子量2000以上のカチオン性高分子化合物で処理
してなる吸水剤、および、セルロース繊維を含んでなる
吸水体を提供する。この吸水体は、吸水剤およびセルロ
ース繊維の混合物であってもよい。この発明は、上記課
題を解決するために、表面に酸性基を有する吸水性樹脂
粒子、セルロース繊維および重量平均分子量2000以
上のカチオン性高分子化合物を気相中で混合し、この混
合物を気相中で抄造する吸水体の製造方法を提供する。
【0008】この発明は、また、上記課題を解決するた
めに、表面に酸性基を有する吸水性樹脂粒子を重量平均
分子量2000以上のカチオン性高分子化合物で処理し
てなる吸水剤、および、セルロース繊維を気相中で混合
し、この混合物を気相中で抄造する吸水体の製造方法を
提供する。この発明は、吸水性架橋重合体とポリアミド
ポリアミンエピハロヒドリン樹脂とからなることを特徴
とする吸水剤;吸水性架橋重合体にポリアミドポリアミ
ンエピハロヒドリン樹脂を混合することを特徴とする吸
水剤の製造方法;この発明の吸水剤とセルロース繊維か
らなる吸収体;および、この発明の吸水剤とセルロース
繊維とを乾式混合した後、得られた混合物を圧縮するこ
とを特徴とする吸収体の製造方法を提供するものであ
る。
【0009】この発明において使用することのできる吸
水性樹脂は、酸性基を有していることが必要である。こ
のような酸性基としては、たとえばカルボキシル基が挙
げられる。表面にカルボキシル基を有する吸水性樹脂と
しては、たとえば、アクリル酸塩架橋重合体、ビニルア
ルコール−アクリル酸塩架橋共重合体、澱粉−アクリル
酸塩グラフト重合体の架橋体、無水マレイン酸グラフト
ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメチルセルロ
ースのアルカリ塩架橋体等を挙げることができ、これら
はこの発明に好ましく使用できる。吸水性樹脂の有する
酸性基の量については特に制限はないが、吸水性樹脂1
00g当たり酸性基が0.01当量以上存在することが
好ましい。好適な吸水性樹脂粒子は、たとえば、特開昭
57−34101号公報、特公昭58−35605号公
報、特公昭62−16135号公報、特公平2−143
61号公報、特開昭62−144748号公報、特開昭
62−54751号公報、特開昭63−21902号公
報などにより開示されている。特に好ましいものは、吸
水性能の観点より中和度50〜95モル%のアクリル酸
塩架橋重合体粒子であり、重合方法については特に限定
するものではない。
【0010】この発明で用いる吸水性樹脂粒子の形状
は、球状、リン片状、粉砕された無定形状、顆粒状等い
ずれでも良い。粒子の大きさは、10〜1000μmの
範囲が好ましく、20〜840μmの範囲がより好まし
い。10μm未満の粒子があると吸水体中の吸水性樹脂
粒子が膨潤した際にいわゆるゲルブロックを引き起こす
おそれがあり、1000μm超の粒子があると吸水体が
使用時にゴツゴツする感触を与えるおそれがある。
【0011】この発明では、吸水性樹脂粒子表面をカチ
オン性高分子化合物で予め処理してなる吸水剤とセルロ
ース繊維を混合する方法でも良いが、予め吸水性樹脂粒
子表面を処理する工程を設けることなく、吸水性樹脂粒
子、カチオン性高分子化合物およびセルロース繊維を混
合する方法や予めカチオン性高分子化合物で処理したセ
ルロース繊維を吸水性樹脂粒子と混合する方法などでも
良く、いずれの方法も同様の効果を得ることができる。
【0012】この発明に使用されるカチオン性高分子化
合物としては、吸水性樹脂のカルボキシル基などの酸性
基と反応してイオン結合を形成しうる化合物であって、
かつ、少なくとも2000の重量平均分子量を有するカ
チオン性高分子化合物であり、重量平均分子量5000
以上のものが好ましく、重量平均分子量1万以上のもの
がより好ましい。この発明で用いる重量平均分子量20
00以上のカチオン性高分子化合物は、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーによる分子量分析で単一の極
大値(ピーク)を示すものに限定されず、複数個の極大
値(ピーク)を示していても重量平均分子量が2000
以上のものであればよい。重量平均分子量2000未満
のカチオン性高分子化合物を用いたり、カチオン性高分
子化合物を用いずに、アニオン性高分子化合物やノニオ
ン性高分子化合物を用いるとセルロース繊維への固着が
不充分であり吸水時に吸水性樹脂の移動や脱落が起こる
という問題がある。
【0013】この発明では、カチオン性高分子化合物と
して、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ
基およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1種を含む
ものが好ましく使用される。この場合、アミノ基の塩と
は、アミノ基窒素が無機酸あるいは有機酸で中和された
ものである。中和に使用可能な無機酸としては、たとえ
ば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等を挙げることができ、
有機酸としては、たとえば、蟻酸、酢酸、プロピオン
酸、パラトルエンスルホン酸等を例示することができ
る。
【0014】カチオン性高分子化合物の具体例として
は、たとえば、ポリエチレンイミン、エピハロヒドリン
により水溶性である範囲に架橋された変性ポリエチレン
イミン、ポリアミン、エチレンイミンのグラフトにより
変性されたポリアミドアミン、プロトン化ポリアミドア
ミン、ポリエーテルアミン、ポリビニルアミン、変性ポ
リビニルアミン、ポリアルキルアミン、ポリアミドポリ
アミンエピハロヒドリン、ポリビニルイミダゾール、ポ
リビニルピリジン、ポリビニルイミダゾリン、ポリビニ
ルテトラヒドロピリジン、ポリジアルキルアミノアルキ
ルビニルエーテル、ポリジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリレート、ポリアリルアミン、および、これら
の塩などのカチオン性高分子電解質である。
【0015】カチオン性高分子化合物の使用量は、好ま
しくは吸水性樹脂粒子100重量部に対し、0.1〜3
0重量部の範囲であり、より好ましくは0.3〜20重
量部の範囲であり、最も好ましくは0.5〜10重量部
の範囲である。カチオン性高分子化合物の量が0.1重
量部未満だと吸水性樹脂の改質が不十分である場合があ
り、30重量部を越える量では添加量に見合っただけの
効果が得られない場合があり、また、経済的にも不利で
ある。カチオン性高分子化合物は水溶性であり、粉末、
水溶液、もしくは、水とエタノールのような親水性有機
溶媒との混合溶媒に溶解された形、あるいは、吸水性樹
脂粒子と反応した形で使用される。
【0016】カチオン性高分子化合物を吸水体中に含有
させるには、カチオン性高分子化合物を吸水性樹脂粒子
とセルロース繊維のバインダーとなりうるように配置で
きるのであれば、その手段は特に制限されない。カチオ
ン性高分子化合物は粉末のままで添加されてもよく、水
または有機溶剤等のビヒクルに溶かしたりあるいは分散
させたりして液状物としその液状物を噴霧したり、その
液状物に浸漬した後、必要により乾燥してビヒクルを除
去したりする方法でもよい。好ましい方法は、あらかじ
め吸水性樹脂粒子とカチオン性高分子化合物を混合して
該吸水性樹脂粒子の表面を処理した吸水剤を得て、これ
をさらにセルロース繊維と乾式混合して吸水体を得る方
法である。吸水性樹脂粒子とカチオン性高分子化合物の
混合には、たとえば、高速攪拌混合機、気流混合機、転
動式混合機、混練機等の装置を利用できる。混合に際
し、セルロース粉末等の有機粉末や微粒子シリカ等の無
機粉末を共存させておくことも可能である。更に、処理
後の吸水性樹脂粒子は必要により乾燥しても良い。
【0017】カチオン性高分子化合物による吸水性樹脂
粒子の処理は、たとえば、水の存在下に吸水性樹脂粒子
とカチオン性高分子化合物を混合して10秒〜60分間
両者を接触させることにより行う。あるいは、吸水性樹
脂粒子とカチオン性高分子化合物粒子を予め混合してお
いてから水または水性液を加えたり、吸水性樹脂粒子、
カチオン性高分子化合物粒子およびセルロース繊維を予
め混合しておいてから水または水性液を加えたりするこ
とにより、吸水性樹脂粒子とカチオン性高分子化合物の
反応を起こすことができる。後者の場合には、水等の添
加は必ずしも吸水体の使用に先立って行われる必要はな
く、吸水体使用時の吸水によっても可能であり、この場
合には、吸水性樹脂粒子のカチオン性高分子化合物によ
る処理とセルロース繊維との固着が吸水体の使用時に同
時に起こる。
【0018】この発明において、カチオン性高分子化合
物を含有する水性液、水、または、カチオン性高分子化
合物を含まない水性液は、それぞれ、種々の形態で吸水
性樹脂粒子と混合される。たとえば、吸水性樹脂粒子を
液に浸漬したり、液滴と混合したり、液を噴霧してミス
ト状にして混合したりするのである。この発明に使用さ
れるポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂とは、
たとえば、ポリアルキレンポリアミンとポリカルボン酸
の縮合ポリマーにエピハロヒドリンを反応させた樹脂で
あって、より具体的にはジエチレントリアミンとアジピ
ン酸の縮合物にエピクロルヒドリンを反応させたポリア
ミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂を例示できる。
【0019】この発明において、ポリアミドポリアミン
エピハロヒドリン樹脂の量は好ましくは乾燥した吸水性
架橋重合体100重量部に対し0.01〜30重量部の
範囲である。より好ましくは0.1〜20重量部の範囲
であり、最も好ましくは0.5〜10重量部の範囲であ
る。0.01重量部未満では吸水性架橋重合体の改質が
不十分である場合があり、30重量部を越える量では添
加量に見合っただけの効果が得られない場合がある。ま
た、経済的にも不利である。
【0020】この発明の吸水剤は、ポリアミドポリアミ
ンエピハロヒドリン樹脂を吸水性架橋重合体に対し添加
混合することによって得られる。吸水性架橋重合体への
添加時期は吸水剤の製造工程に支障をきたさない限り特
に制限されるものではなく、たとえば、含水ゲルの状態
にある吸水性架橋重合体に対し、あるいはこのものを乾
燥した後、乾燥粉砕を行った後、あるいは造粒工程で添
加混合することも可能である。この際、水の存在下に混
合が行われることが好ましい。従ってポリアミドポリア
ミンエピクロルヒドリン樹脂は水溶液の状態で吸水性架
橋重合体に対し添加混合されることがより好ましい。こ
の発明においてポリアミドポリアミンエピクロルヒドリ
ン樹脂を含有する水溶液は、たとえば水溶液状・液滴状
・ミスト(微小液滴)等種々の形状で混合条件下に添加
可能である。また、水溶液中にエタノール等の親水性有
機溶媒を含ませておいてもよい。吸水性架橋重合体とポ
リアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂の混合には、
高速攪拌混合機、気流混合機、転動式混合機、混練機等
の装置を利用できる。混合に際し、セルロース粉末等の
有機粉末や微粒子シリカ等の無機粉末を共存させておく
ことも可能である。更に得られた吸水剤は必要により乾
燥しても良い。
【0021】上記吸水性樹脂粒子(または吸水剤)とセ
ルロース繊維から吸水体を得るには、たとえば、セルロ
ース繊維からなる紙やマットに吸水性樹脂粒子を散布
し、必要によりこれらで挟持する方法、セルロース繊維
と吸水性樹脂粒子を均一にブレンドする方法、など吸水
体を得るための公知の手段を適宜選択できる。好ましく
は、吸水性樹脂粒子とセルロース繊維を気相中で混合
(いわゆる乾式混合)した後、気相中で抄造し、圧縮す
る方法である。この方法により、セルロース繊維からの
該吸水性樹脂粒子の脱落を著しく抑えることが可能であ
る。圧縮は加熱下に行っても良く、その温度範囲は、た
とえば50〜200℃である。
【0022】この発明において使用できるセルロース繊
維としては、たとえば、木材からのメカニカルパルプ、
ケミカルパルプ、セミケミカルパルプ、溶解パルプ等の
木材パルプ繊維、レーヨン、アセテート等の人工セルロ
ース繊維等を例示できる。好ましいセルロース繊維は木
材パルプ繊維である。これらセルロース繊維はポリエチ
レン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等の合
成繊維を一部含有していてもよい。
【0023】この発明の吸水体は、吸水性樹脂粒子10
〜95重量%およびセルロース繊維5〜90重量%(吸
水性樹脂粒子とセルロース繊維の合計100重量%)と
することができる。特に、セルロース繊維の比率の低い
範囲(たとえば5〜60重量%)では、吸水体の重量が
従来のもの(セルロース繊維比率80〜90重量%)よ
りも1/2〜1/3程度にまで軽くなっていて、しか
も、同等以上の吸水性能を発揮する。この発明の吸水体
は、たとえば、密度0.01〜0.50g/cm3 とする
ことができる。
【0024】この発明の吸水体は、その形状や吸水体中
の各成分の分布状態により制限を受けるものではない。
したがって、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等に使用
するのに都合のよい形状、たとえば、シート状、ウエブ
状の吸水体を得るのに採用される従来公知の方法を採る
ことができる。なお、この発明では、吸水性樹脂粒子
は、たとえば、カチオン性高分子化合物で処理される前
に、その表面を共有結合により架橋させる架橋剤で処理
しておいてもよい。発明者らは、この発明の吸水体を研
究する過程で、吸水特性が優れるとともに、セルロース
繊維との親和性にも優れた吸水剤を製造するための新規
な方法も見いだした。このような吸水剤は、酸性基を有
する吸水性樹脂粒子表面を前記酸性基と反応して共有結
合を形成しうる2個以上の官能基を有する架橋剤で処理
して前記酸性基の一部で架橋させ、その後、粒子を酸性
基と反応してイオン結合を形成しうる重量平均分子量2
000以上のカチオン性高分子化合物と混合する吸水剤
の製造方法により得ることができる。この処理の際、共
有結合による架橋層は、粒子表面の酸性基のすべてと結
合していてはならず、一部の酸性基はイオン架橋のため
に残されている必要がある。架橋剤の使用量は、吸水性
樹脂100重量部に対し、0.01〜10重量部の範囲
が適切である。架橋剤が0.01重量部未満だと架橋が
不充分となるおそれがあり、10重量部を越えるとイオ
ン結合可能な酸性基の残量が不足するおそれがある。こ
の共有結合による架橋層形成工程においては、架橋剤を
含有する水性液は、吸水性樹脂粒子表面をすべて被覆し
ない量(たとえば、架橋剤の吸水性樹脂に対する重量比
が上述の範囲内となるような量)で使用され、混合され
ることが重要である。吸水性樹脂粒子と架橋剤の混合物
は40〜250℃の範囲内の温度で1〜120分間加熱
処理され、吸水性樹脂粒子表面に共有結合による架橋層
が形成される。架橋剤を含有する水性液と吸水性樹脂粒
子との混合は、種々の形態(たとえば、架橋剤の水溶液
に粒子を浸漬したり、水溶液の液滴を粒子と混合した
り、水溶液を噴霧してミスト状にして粒子と混合したり
することなど)で行われる。この混合には、たとえば、
高速攪拌混合機、気流混合機、転動式混合機、混練機等
の装置を利用できる。混合に際し、セルロース粉末等の
有機粉末や微粒子シリカ等の無機粉末を共存させておく
ことも可能である。処理後の吸水性樹脂粒子は必要によ
り乾燥しても良い。
【0025】上記架橋剤としては、吸水性樹脂の酸性基
と反応して共有結合を形成しうる2個以上の官能基を有
する化合物であれば特に限定はなく、また、該2個以上
の官能基は互いに同じである必要はない。このような官
能基としては、たとえば、エポキシ基、アルデヒド基、
水酸基などが挙げられる。架橋剤としては、たとえば、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグ
リシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル;エピク
ロルヒドリン、α−メチルクロルヒドリン等のハロエポ
キシ化合物;グルタールアルデヒド、グリオキザール等
のポリアルデヒド;グリセリン、ペンタエリスリトー
ル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の
ポリオールを挙げることができ、それぞれ単独で使用さ
れたり、2種以上併用されたりする。架橋剤は好ましく
は水溶性であり、水溶液、もしくは、水とエタノールの
ような親水性有機溶媒との混合溶媒に溶解された形で使
用される。
【0026】この発明の吸水体は、該吸水性樹脂粒子が
水を吸収して膨潤した後もセルロース繊維からの脱落や
セルロース繊維中での移動あるいは吸水性樹脂粒子の分
解が少なく、しかも吸水特性に優れているため種々の用
途に使用できる。利用分野としては、たとえば下記のも
のを挙げることができる。 (1)吸収物品用吸水体 紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、医療用パッド
等。
【0027】(2)農園芸用吸収・保水体 水苔代替、土壌改質改良材、保水材、農薬効力持続材
等。 (3)建築用吸水体 内装壁材用結露防止材、セメント養生材等。 (4)その他 リリースコントロール材、保冷材、使い捨てカイロ、汚
泥凝固材、食品用鮮度保持材、ドリップ吸収材等。
【0028】
【作用】水の存在下で、カチオン性高分子化合物、吸水
性樹脂粒子およびセルロース繊維が含まれていると、カ
チオン性高分子化合物が吸水性樹脂粒子とセルロース繊
維との結合剤(バインダー)のような働きをするので、
吸水性樹脂粒子がセルロース繊維とカチオン性高分子化
合物を介して固着する。このように固着することによ
り、吸水した時でも吸水性樹脂粒子がセルロース繊維中
を移動したり、セルロース繊維から脱落したりしにくく
なる。しかも、吸水性樹脂の分解も防がれる。
【0029】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例および比
較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。
以下では、単なる「%」は「重量%」を、「部」は「重
量部」をそれぞれ意味する。 −吸水性樹脂の合成例− アクリル酸ナトリウム74.95モル%、アクリル酸2
5モル%およびトリメチロールプロパントリアクリレー
ト0.05モル%からなるアクリル酸塩系単量体の37
%水溶液4000部を過硫酸アンモニウム2.0部およ
びL−アスコルビン酸0.08部を用いて窒素雰囲気中
30〜80℃で重合を行い、ゲル状含水架橋重合体を得
た。得られた含水ゲル状架橋重合体を150℃の熱風乾
燥機で乾燥後、ハンマーミルで粉砕し、20メッシュ
(タイラーの標準ふるい。以下同様)金網でふるい分け
して、20メッシュ通過物を得た。これを吸水性樹脂粒
子(a)と言う。
【0030】−製造例1− 吸水性樹脂粒子(a)100部に対し、グリセリン0.
5部、水2部およびエチルアルコール2部を添加混合し
た後、210℃で10分間加熱処理して表面近傍が2次
架橋された吸水性重合体Aを得た。さらに、得られた吸
水性重合体A100部に対して、ポリミンSK(変性ポ
リエチレンイミン、重量平均分子量約10万、BASF
社製、20%水溶液)を20部添加混合し、120℃で
10分間加熱乾燥し、20メッシュのふるいでふるい分
けして20メッシュ通過物を得た。これを吸水剤(1−
1)と言う。
【0031】−製造例2− 製造例1で得られた吸水性重合体A100部に対して、
ポリミンSN(変性ポリエチレンイミン、重量平均分子
量約10万、BASF社製、20%水溶液)を15部噴
霧混合し、120℃で10分間加熱乾燥した後、20メ
ッシュのふるいでふるい分けして20メッシュ通過物を
得た。これを吸水剤(1−2)と言う。
【0032】−製造例3− 製造例1で得られた吸水性重合体A100部に対して、
エポミンP−1000(ポリエチレンイミン、重量平均
分子量約7万、株式会社日本触媒製)の30%水溶液を
5部添加混合して吸水剤(1−3)を得た。 −製造例4− 吸水性樹脂粒子(a)100部に対し、エポミンP−1
000(ポリエチレンイミン、重量平均分子量約7万、
株式会社日本触媒製)の30%水溶液を33.4部添加
混合し、120℃で20分間加熱乾燥した後、20メッ
シュのふるいでふるい分けして20メッシュ通過物を得
た。これを吸水剤(1−4)と言う。
【0033】−製造例5− 製造例1で得られた吸水性重合体A100部に対して、
エポミンP−1000(ポリエチレンイミン、重量平均
分子量約7万、株式会社日本触媒製)の30%水溶液を
1.7部添加混合して吸水剤(1−5)を得た。 −製造例6− 製造例1で得られた吸水性重合体A100部に対して、
エポミンSP−200(ポリエチレンイミン、重量平均
分子量約1万、株式会社日本触媒製)の30%水溶液を
10部添加混合し、120℃で20分間加熱乾燥した
後、20メッシュのふるいでふるい分けして20メッシ
ュ通過粒子を得た。これを吸水剤(1−6)と言う。
【0034】−製造例7− 吸水性樹脂粒子(a)100部に対し、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル(長瀬化成株式会社製:デナ
コールEX−810)の10%水溶液8部を添加混合し
た後、120℃で30分間加熱処理して表面近傍が2次
架橋された吸水性重合体Bを得た。吸水性重合体Bの性
状は粉末であった。さらに、得られた吸水性重合体B1
00部に対して、ジメチルアミノエチルアクリレート−
アクリルアミド−アクリル酸の共重合体粉末(ジメチル
アミノエチルアクリレート/アクリルアミド/アクリル
酸=30/60/10のモル比、重量平均分子量約10
0万、100メッシュ通過物)3部を添加混合して吸水
剤(1−7)を得た。
【0035】−製造例8− 製造例1で得られた吸水性重合体Aを60〜100メッ
シュで分級して吸水性重合体C(粒径250〜149μ
m)を得た。さらに、得られた吸水性重合体C100部
に対して、エポミンP−1000(ポリエチレンイミ
ン、重量平均分子量約7万、株式会社日本触媒製)の3
0%水溶液を10部添加混合し、120℃で10分間加
熱乾燥し、20メッシュのふるいでふるい分けして20
メッシュ通過物を得た。これを吸水剤(1−8)と言
う。
【0036】−製造例9− 製造例1で得られた吸水性重合体Aを100メッシュで
分級して吸水性重合体D(粒径149μm以下)を得
た。さらに、得られた吸水性重合体D100部に対し
て、エポミンP−1000(ポリエチレンイミン、重量
平均分子量約7万、株式会社日本触媒製)の30%水溶
液を10部添加混合し、120℃で10分間加熱乾燥し
た後、20メッシュのふるいでふるい分けして20メッ
シュ通過物を得た。これを吸水剤(1−9)と言う。
【0037】−製造例10− 製造例1で得られた吸水性重合体A100部に対して、
ポリアリルアミン塩酸塩(PAA−HCL−10L、重
量平均分子量約6万、日東紡績株式会社製)の40%水
溶液を7.5部添加混合し、120℃で10分間加熱乾
燥した後、20メッシュのふるいでふるい分けして20
メッシュ通過物を得た。これを吸水剤(1−10)と言
う。
【0038】−製造例11− 吸水性樹脂粒子(a)100部に対し、エポミンP−1
000(ポリエチレンイミン、重量平均分子量約7万、
株式会社日本触媒製)の30%水溶液を10部添加混合
し、120℃で10分間加熱乾燥した後、20メッシュ
のふるいでふるい分けして20メッシュ通過物を得た。
これを吸水剤(1−11)と言う。
【0039】−製造例12− 製造例1で得られた吸水性重合体A100部に対して、
ポリエチレンイミンポリエチレングリコールブロック共
重合体(エチレンイミン/エチレングリコール=50/
50のモル比、重量平均分子量約8万)の40%水溶液
を12.5部添加混合して、120℃で10分間加熱乾
燥した後、20メッシュのふるいでふるい分けして20
メッシュ通過粒子を得た。これを吸水剤(1−12)と
言う。
【0040】−製造例13− 製造例1で得られた吸水性重合体A100部に対して、
エポミンP−1000(ポリエチレンイミン、重量平均
分子量約7万、株式会社日本触媒製)の30%水溶液を
20部添加混合し、120℃で10分間加熱乾燥した
後、20メッシュのふるいでふるい分けして20メッシ
ュ通過物を得た。このものに、さらに、アエロジル20
0(日本アエロジル社製、超微粒子の酸化ケイ素)を
1.0部添加混合した。これを吸水剤(1−13)と言
う。
【0041】−比較製造例1− 吸水性樹脂粒子(a)を比較吸水剤(1−1)とした。 −比較製造例2− 製造例1で得られた吸水性重合体Aを20メッシュのふ
るいでふるい分けして20メッシュ通過物を得た。これ
を比較吸水剤(1−2)と言う。
【0042】−比較製造例3− 製造例1で得られた吸水重合体A100部に対してエチ
レンジアミンの30%水溶液を10部添加混合し、12
0℃で10分間加熱処理し、20メッシュのふるいでふ
るい分けして20メッシュ通過物を得た。これを比較吸
水剤(1−3)と言う。
【0043】−比較製造例4− 製造例1で得られた吸水重合体A100部に対してエポ
ミンSP−012(ポリエチレンイミン、重量平均分子
量約1200、株式会社日本触媒製)の30%水溶液を
10部添加混合し、120℃で10分間加熱乾燥した
後、20メッシュのふるいでふるい分けして20メッシ
ュ通過物を得た。これを比較吸水剤(1−4)と言う。
【0044】−比較製造例5− 製造例1で得られた吸水重合体A100部に対して、N
−100粉末(重量平均分子量約1700万のノニオン
性アクリルアミド系ポリマー、三井サイアナミッド株式
会社製、100メッシュ通過物)を3部添加混合した。
これを比較吸水剤(1−5)と言う。
【0045】−比較製造例6− 吸水性架橋重合体(a)100部に対し、水10部とエ
ピクロルヒドリン−エチレンジアミン反応液(エピクロ
ルヒドリン3部、エチレンジアミン0.49部、メタノ
ール30部を攪拌混合して50℃の温度で15時間静置
反応させたもの、重量平均分子量980)2部からなる
混合液を添加混合して比較吸水剤(1−6)を得た。
【0046】(実施例1−1)製造例1で得た吸水剤
(1−1)100部および粉砕パルプ100部をミキサ
ー中で乾式混合し、ついでバッチ型空気抄造装置を用い
てワイヤースクリーン上に空気抄造して、寸法10cm×
20cmのウエブとした。得られたウエブの上下面を坪量
0.0013g/cm2 のティッシュぺーパーで挟持し、
その後、温度150℃、圧力2kg/cm2 で1分間熱プレ
スして、坪量約0.05g/cm2 、密度約0.17g/
cm3 のこの発明の吸水体(1−1)を得た。
【0047】(実施例1−2〜1−13および比較例1
−1〜1−6)製造例2〜13で得られた吸水剤(1−
2)〜(1−13)および比較製造例1〜6で得られた
比較吸水性架橋重合体粒子(1−1)〜(1−6)を用
い、実施例1−1と同様にして吸水体(1−2)〜(1
−13)および比較吸水体(1−1)〜(1−6)を得
た。なお、吸水体と吸水剤とは同じ番号となるように用
いた。
【0048】(実施例1−14)製造例11で得た吸水
剤(1−11)100部および粉砕パルプ100部をミ
キサー中で乾式混合し、ついでバッチ型空気抄造装置を
用いてワイヤースクリーン上に空気抄造して、寸法10
cm×20cmのウエブとした。得られたウエブの上下面を
坪量0.0013g/cm2 のティッシュぺーパーで挟持
し、その後、室温で圧力2kg/cm2 で1分間プレスし
て、坪量約0.05g/cm2 、密度約0.07g/cm3
のこの発明の吸水体(1−14)を得た。
【0049】(実施例1−15)製造例3で得た吸水剤
(1−3)20部および粉砕パルプ180部をミキサー
中で乾式混合し、ついでバッチ型空気抄造装置を用いて
ワイヤースクリーン上に空気抄造して、寸法10cm×2
0cmのウエブとした。得られたウエブの上下面を坪量
0.0013g/cm2 のティッシュぺーパーで挟持し、
その後、温度150℃、圧力2kg/cm2 で1分間熱プレ
スして、坪量約0.05g/cm2 、密度約0.12g/
cm3 のこの発明の吸水体(1−15)を得た。
【0050】(比較例1−7)実施例1−15におい
て、吸水剤(1−3)の代わりに比較製造例2で得た比
較吸水剤(1−2)を用いたこと以外は実施例1−15
と同様にして坪量約0.05g/cm2 、密度約0.12
g/cm3 の比較吸水体(1−7)を得た。 (実施例1−16)製造例3で得た吸水剤(1−3)4
0部および粉砕パルプ160部をミキサー中で乾式混合
し、ついでバッチ型空気抄造装置を用いてワイヤースク
リーン上に空気抄造して、寸法10cm×20cmのウエブ
とした。得られたウエブの上下面を坪量0.0013g
/cm2 のティッシュぺーパーで挟持し、その後、温度1
50℃、圧力2kg/cm2 で1分間熱プレスして、坪量約
0.05g/cm2、密度約0.14g/cm3 のこの発明
の吸水体(1−16)を得た。
【0051】(実施例1−17)粉砕パルプ100部に
対してエポミンP−1000(重量平均分子量約7万の
ポリエチレンイミン、株式会社日本触媒製)の0.4%
水溶液を750部含浸させ、120℃で加熱乾燥後、得
られたものおよび製造例1で得られた吸水性重合体A1
00部をミキサー中で乾式混合し、ついでバッチ型空気
抄造装置を用いてワイヤースクリーン上に空気抄造し
て、寸法10cm×20cmのウエブとした。得られたフエ
ブの上下面を坪量0.0013g/cm2 のティッシュペ
ーパーで挟持し、その後、室温で圧力2kg/cm2 で1分
間プレスして、坪量約0.05g/cm 2 、密度約0.0
7g/cm3 のこの発明の吸水体(1−17)を得た。
【0052】(実施例1−18〜1−34および比較例
1−8〜1−14)実施例1−1〜1−17および比較
例1−1〜1−7で得られた吸水体(1−1)〜(1−
17)および比較吸水体(1−1)〜(1−7)を以下
の方法で評価して、吸水体の吸収特性を評価した。結果
を表1、2に示した。 (加圧下吸収量)図1に示すように、天秤1上に載置さ
れた外気吸入パイプ2を備え、かつ、0.9%濃度の生
理食塩水3を収容した容器4およびこの容器4の生理食
塩水収容部に導管5により連通する逆ロート6よりな
り、この逆ロート6の頂部の中央に直径10mmの液供給
孔を備えた板(開孔板)7を固定してなる装置を用い
て、この開孔板7上に吸水体8を載置し、その上におも
り9を載置し、30分後の30g/cm2 荷重下における
吸水体の吸収量(加圧下吸収量)を測定した。なお、吸
水体はあらかじめ直径9cmの円形に切り取ったものを使
用した。
【0053】(吸水剤の脱落率)100ccのビーカー
中で100ccの生理食塩水を攪拌しながら(45mmの
攪拌子を用い、100rpm で攪拌)、2cm×4cmに裁断
した吸水体を投入した。攪拌10分後、吸水体を取り出
し、生理食塩水中に脱落した吸水剤の重量を測定して下
式数1により吸水剤の脱落率を求めた。なお、数1中、
吸水剤量とは、吸水性樹脂とカチオン性高分子化合物の
合計量に相当する。
【0054】
【数1】
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】表1、2より明らかなように、この発明の
製造方法により得られた吸水剤を用いた吸水体は、加圧
下吸収量に優れ、かつ、吸水剤の脱落率が著しく改善さ
れている。 (製造例2−1)吸水性架橋重合体(2−a)の合成例 アクリル酸ナトリウム74.98モル%、アクリル酸2
5モル%およびトリメチロールプロパントリアクリレー
ト0.02モル%からなるアクリル酸塩系単量体の39
%水溶液4000部を過硫酸アンモニウム1.0部およ
びL−アスコルビン酸0.05部を用いて窒素雰囲気中
30〜80℃で重合を行い、ゲル状含水架橋重合体を得
た。得られた含水ゲル状重合体を150℃の熱風乾燥機
で乾燥した後、ハンマーミルで粉砕し、20メッシュ金
網でふるい分けして、20メッシュ通過物(以下、吸水
性架橋重合体(2−a)と言う)を得た。
【0058】(実施例2−1)吸水性架橋重合体(2−
a)100部に対し、ポリアミドポリアミンエピクロル
ヒドリン樹脂の12%水溶液(ディックハーキュレス社
製「カイメン557H」)を9部添加混合してこの発明
の吸水剤(2−1)を得た。 (実施例2−2)吸水性架橋重合体(2−a)100部
に対し、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂
の15%水溶液(ディックハーキュレス社製「エピノッ
クP130」)を6部添加混合してこの発明の吸水剤
(2−2)を得た。
【0059】(実施例2−3)吸水性架橋重合体(2−
a)に対し、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン
樹脂の15%水溶液(住友化学社製「スミレッズレジン
650」)を7部添加混合してこの発明の吸水剤(2−
3)を得た。 (実施例2−4)吸水性架橋重合体(2−a)100部
に対し、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂
の30%水溶液(ディックハーキュレス社製「エピノッ
クスP130」)を22部添加混合し、120℃で5分
間加熱処理してこの発明の吸水剤(2−4)を得た。
【0060】(実施例2−5)吸水性架橋重合体(2−
b)(日本触媒化学工業株式会社製「アクアリックC
A」の50メッシュ通過物)100部およびセルロース
粉末(ワットマン社製「CF−11」)10部の混合物
に対し、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂
の30%水溶液を20部添加混合してこの発明の吸水剤
(2−5)を得た。
【0061】(実施例2−6)吸水性架橋重合体(2−
c)(三洋化成社製「サンウエットIM−1000」)
100部に対し、ポリアミドポリアミンエピクロルヒド
リン樹脂の30%水溶液(住友化学社製「スミレッズレ
ジン650」)を16部添加混合してこの発明の吸水剤
(2−6)を得た。
【0062】(比較例2−1)吸水性架橋重合体(2−
a)100部に対し、エチレングリコールジグリシジル
エーテル(長瀬化成社製「デナコールEX810」)の
10%水溶液を8部添加混合し、120℃で10分間加
熱処理して比較吸水剤(2−1)を得た。 (比較例2−2)吸水性架橋重合体(2−a)100部
に対し、水10部とエピクロルヒドリン−エチレンジア
ミン反応液(エピクロルヒドリン3部、エチレンジアミ
ン0.49部、メタノール30部を攪拌混合して50℃
の温度で15時間静置反応させたもの)2部からなる混
合液を添加混合して比較吸水剤(2−2)を得た。 (実施例2−7)吸水剤の比較 この発明の吸水剤(2−1)〜(2−6)および比較吸
水剤(2−1)、(2−2)および比較吸水剤(2−
3)〔吸水性架橋重合体(2−a)〕単独の吸水特性を
以下の方法で比較した。結果を表3に示した。 (吸水倍率)吸水剤約0.2gを不織布製のティーバッ
グ式袋(40mm×150mm)に均一に入れ、大過剰の生
理食塩水(0.9%食塩水)に浸漬して30分間放置の
後、膨潤ゲルの入ったティーバッグ式袋を水切りの後、
重量を測定した。ティーバッグ式袋のみの吸収重量をブ
ランクとして、吸水後の重量からブランク重量を差し引
いた値を吸水剤の重量で除した値をもって吸水倍率(g
/g)とした。 (吸引量)吸水剤1gを人工尿(組成:尿素1.9%、
食塩0.8%、塩化カルシウム0.1%、硫酸マグネシ
ウム0.1%を含有する水溶液)20mlに浸した16枚
のトイレットペーパー(55mm×75mm)上に加え、1
0分間吸液させた後膨潤ゲルを採取し、その重量をもっ
て吸引量(g/g)とした。
【0063】
【表3】
【0064】(実施例2−8)吸収体の作成 この発明の吸水剤(2−1)100部および粉砕パルプ
100部をミキサー中で乾式混合し、ついでバッチ型空
気抄造装置を用いてワイヤースクリーン上に空気抄造し
て、寸法10cm×20cmのウエブとした。得られたウエ
ブの上下面を坪量0.0013g/cm2 のティッシュぺ
ーパーで挟持し、その後、温度150℃、圧力2kg/cm
2 で1分間熱プレスして、坪量約0.05g/cm2 のこ
の発明の吸収体(2−1)を得た。同様にして、この発
明の吸水剤(2−2)〜(2−6)および比較吸水剤
(2−1)〜(2−3)を用い、この発明の吸収体(2
−2)〜(2−6)および比較吸収体(2−1)〜(2
−3)を得た。 (実施例2−9)吸収体の評価 得られたこの発明の吸収体(2−1)〜(2−6)、比
較吸収体(2−1)〜(2−3)を上記の方法で評価し
て、吸収体の吸収特性を評価した。結果を表4に示し
た。
【0065】
【表4】
【0066】表4より明らかなように、この発明の吸収
体は加圧下吸収量に優れ、また吸水剤の脱落率が著しく
改善されている。
【0067】
【発明の効果】この発明の吸水体は、膨潤した吸水性樹
脂粒子の脱落、移動がないといった優れた効果を有す
る。従来の吸水体では液吸収後にありがちであったヨレ
等が、この発明の吸水体では著しく改善される。したが
って、この発明の吸水体は、紙おむつ、生理用ナプキ
ン、失禁パッドなどのような吸収物品に特に有用であ
る。
【0068】この発明の製造方法によれば、そのような
優れた吸水体が容易に作られる。この発明の吸水剤はそ
れ単独で優れた吸水特性を発現するといった効果のみな
らず、たとえばセルロース繊維と複合化した場合に、膨
潤した吸水剤の脱落・移動がないといった優れた効果を
合わせ持つものである。そして、この発明の吸収体は、
液吸収後も吸水剤の移動や脱落が少ないために、従来あ
りがちであった吸収体のヨレ等を著しく改善できるもの
である。従って、この発明で得られた吸水剤および吸収
体は、紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッドのような
吸収物品に特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸水体の加圧下吸収量の測定装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
1 天秤 2 外気吸入パイプ 3 生理食塩水 4 容器 5 導管 6 逆ロート 7 開孔板 8 吸水体 9 おもり
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 101/16 (72)発明者 下村 忠生 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会 社日本触媒 中央研究所内 (72)発明者 佐野 禎則 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会 社日本触媒 中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−103838(JP,A) 特開 昭55−111842(JP,A) 特開 平1−141938(JP,A) 特開 昭63−35803(JP,A) 特開 昭62−1453(JP,A) 特開 昭58−42602(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/26

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に酸性基を有する吸水性樹脂粒子、
    セルロース繊維および重量平均分子量2000以上のカ
    チオン性高分子化合物を含んでなる吸水体。
  2. 【請求項2】 吸水性樹脂粒子、セルロース繊維および
    カチオン性高分子化合物の混合物である請求項1記載の
    吸水体。
  3. 【請求項3】 表面に酸性基を有する吸水性樹脂粒子を
    重量平均分子量2000以上のカチオン性高分子化合物
    で処理してなる吸水剤、および、セルロース繊維を含ん
    でなる吸水体。
  4. 【請求項4】 吸水剤およびセルロース繊維の混合物で
    ある請求項3記載の吸水体。
  5. 【請求項5】 吸水性樹脂粒子が、その表面の酸性基の
    一部で、同酸性基と反応して共有結合を形成しうる2個
    以上の官能基を有する架橋剤により架橋されているもの
    である請求項1から4までのいずれかに記載の吸水体。
  6. 【請求項6】 カチオン性高分子化合物の量が吸水性樹
    脂粒子100重量部に対し、0.1〜30重量部の範囲
    である請求項1からまでのいずれかに記載の吸水体。
  7. 【請求項7】 カチオン性高分子化合物が、第1級アミ
    ノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基およびそれらの
    塩から選ばれる少なくとも1種を含むものである請求項
    1からまでのいずれかに記載の吸水体。
  8. 【請求項8】 カチオン性高分子化合物が、ポリエチレ
    ンイミン、ポリアミドアミン、ポリエーテルアミン、ポ
    リビニルアミン、ポリアミドポリアミンエピハロヒドリ
    ンおよびポリアリルアミンより選ばれる少なくとも1種
    である請求項記載の吸水体。
  9. 【請求項9】 表面に酸性基を有する吸水性樹脂粒子、
    セルロース繊維および重量平均分子量2000以上のカ
    チオン性高分子化合物を気相中で混合し、この混合物を
    気相中で抄造する吸水体の製造方法。
  10. 【請求項10】 表面に酸性基を有する吸水性樹脂粒子
    を重量平均分子量2000以上のカチオン性高分子化合
    物で処理してなる吸水剤、および、セルロース繊維を気
    相中で混合し、この混合物を気相中で抄造する吸水体の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 吸水性樹脂粒子として、その表面の酸
    性基の一部で、同酸性基と反応して共有結合を形成しう
    る2個以上の官能基を有する架橋剤により架橋されてい
    るものを用いる請求項または1記載の吸水体の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 抄造したのち、抄造物をティッシュペ
    ーパーで挟み、加圧して一体化する請求項または1
    記載の吸水体の製造方法。
  13. 【請求項13】 加圧時に加熱する請求項1記載の吸
    水体の製造方法。
  14. 【請求項14】 吸水性架橋重合体とポリアミドポリア
    ミンエピハロヒドリン樹脂とからなることを特徴とする
    吸水剤。
  15. 【請求項15】 吸水性架橋重合体がアクリル酸塩架橋
    重合体である請求項1記載の吸水剤。
  16. 【請求項16】 吸水性架橋重合体にポリアミドポリア
    ミンエピハロヒドリン樹脂を混合することを特徴とする
    吸水剤の製造方法。
  17. 【請求項17】 混合が水の存在下に行われる請求項1
    記載の吸水剤の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項1記載の吸水剤とセルロース
    繊維とからなる吸収体。
  19. 【請求項19】 請求項1記載の吸水剤とセルロース
    繊維を乾式混合し、得られた混合物を圧縮することを特
    徴とする吸収体の製造方法。
  20. 【請求項20】 圧縮が加熱下に行われる請求項19
    載の吸収体の製造方法。
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