JPH08193763A - 多室形空気調和機 - Google Patents

多室形空気調和機

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JPH08193763A
JPH08193763A JP648095A JP648095A JPH08193763A JP H08193763 A JPH08193763 A JP H08193763A JP 648095 A JP648095 A JP 648095A JP 648095 A JP648095 A JP 648095A JP H08193763 A JPH08193763 A JP H08193763A
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Toshiaki Yoshikawa
利彰 吉川
Hiroaki Makino
浩招 牧野
Hideyuki Ogata
英行 尾形
Motoo Sano
基夫 佐野
Takeshi Kuramochi
威 倉持
Hiromasa Odagi
広征 小田木
Natsuko Imashiro
奈津子 今城
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、アキ
ュムレータ6、蒸発温度生成回路を順次接続して冷媒回
路を構成する冷暖房切り換え可能な室外機と、主回路か
ら並列分岐された分岐配管間夫々に電子膨張弁4a〜4
c、室内熱交換器5a〜5cを接続した室内機とを有す
る多室形空気調和機において、圧縮機1と四方弁2の間
と圧縮機1とアキュムレータ6の間に設けられ、圧縮機
1の運転中は閉じた電磁弁9を有するバイパス回路と、
圧縮機1の停止時に電子膨張弁4a〜4cを最小開度ま
で閉じると共に、バイパス回路の電磁弁9を開く制御手
段とを備える。 【効果】 圧縮機の停止時にアキュムレータの液冷媒が
押し出されて圧縮機に溜ることがなく、起動時の潤滑油
不足を防止して圧縮機の長寿命化が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一台の室外機で複数
台の室内機を運転して、冷房運転及び暖房運転ができる
マルチタイプの空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(従来例1)図14は従来のマルチタイプの空気調和機
の冷媒回路図で、1は冷媒を圧縮する圧縮機、2は該圧
縮機1の接続されて、冷媒の流れを冷房または暖房のサ
イクルに切り換える四方弁、3は一方が該四方弁2に接
続された室外熱交換器、4a〜4cは主回路から並列分
岐された複数の電子膨張弁、5a〜5cは一方が該電子
膨張弁4a〜4cに接続され、他方が主回路の四方弁2
に接続された室内熱交換器、6は四方弁2と圧縮機1の
間に設けられたアキュムレータ、7は蒸発温度を測定す
るために設けられた蒸発温度生成回路の毛細管である。
そして、圧縮機1の吐出管とアキュムレータ6の入口管
の間に毛細管8、10とそれらに挟まれた電磁弁9から
なるバイパス回路が形成されている。
【0003】次に動作を説明する。図14に示す従来の
マルチタイプの空気調和機では、圧縮機1の運転停止時
には、バイパス回路の電磁弁9を開くと共に、電子膨張
弁4a〜4cを最大開度まで開けることによって、冷媒
を急速に移動させ、高低圧をより早くバランスさせて冷
媒回路内の圧力を均一にして、次回の起動を容易にして
いる。しかし、バイパス回路をアキュムレータ6の入口
側に接続しているので、圧縮機1の停止時に電磁弁9を
開くと、高圧の冷媒がバイパス回路を流れ、アキュムレ
ータ6に溜まっている冷媒液が圧縮機1に押し出されて
圧縮機1に冷媒液が溜る。さらに、圧縮機1の停止時に
電子膨張弁4a〜4cを最大開度まで開くと、冷房運転
時蒸発器として動作する室内熱交換器5a〜5c内の冷
媒が急速にアキュムレータ6に移動して、アキュムレー
タ6が溢れて圧縮機1に冷媒が溜まる。
【0004】(従来例2)図15は他の従来のマルチタ
イプの空気調和機を示す冷媒回路図であり、符号1〜
3、4a〜4c、5a〜5cは従来例1と同様であるの
でその説明は省略する。13a〜13cは室内熱交換器
5a〜5cの反電子膨張弁側に設けられた二方弁、14
は圧縮機1の吸入管に設けられ、吸入冷媒温度を検出す
る吸入冷媒温度センサ、15a〜15cは冷房運転用の
蒸発温度センサ、18は暖房運転用の蒸発温度センサ、
20はマルチコントローラで、電子膨張弁4a〜4c、
二方弁13a〜13cはこのマルチコントローラ20の
部分に配設されている。
【0005】次に動作について説明する。吸入冷媒温度
センサ14と蒸発温度センサ15a〜15c、18の各
検知信号はマルチコントローラ10の演算部に送られ、
マルチコントローラ10で圧縮機1の吸入冷媒温度と蒸
発器の蒸発温度の差から、冷房時及び暖房時における吸
入ガスの過熱度が検出され、その結果に基づいて電子膨
張弁4a〜4cの開度を決定して過熱度制御を行なう。
特に冷房運転の場合、室内熱交換器5a〜5cが蒸発器
として動作するが、室内熱交換器5a〜5cの出口付近
では冷媒の温度がそれぞれの回路で異なるが上記過熱度
制御ではこの部分の制御が行なわれていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のマルチタイプの
空気調和機は以上のように構成されているので、次のよ
うな問題点があった。 1.従来例1の課題 (1)圧縮機1停止時に、バイパス回路が開放されてア
キュムレータ6の冷媒液が圧縮機1に溜まり、この状態
で再起動すると圧縮機1内の潤滑油が外部に持ち出され
潤滑油が不足するために圧縮機1の寿命が低下する。 (2)また、圧縮機1停止時に、電子膨張弁4が最大に
開かれるので、蒸発器内の冷媒が急速にアキュムレータ
6に移動し、アキュムレータ6から冷媒が溢れて圧縮機
1に冷媒が溜まると同時に、急速な冷媒の移動による冷
媒音が騒音となる。 (3)圧縮機1の吐出側と吸入側の圧力差が十分小さく
なってから再起動するので、再起動後安定状態になるま
での所要時間が長かった。 2.従来例2の課題 (1)過熱度制御は、冷房運転時室内熱交換器5a〜5
cの入口側と圧縮機1の吸入管の温度で行なっているた
め、室内熱交換器5a〜5c(蒸発器)の冷媒温度は各
分岐回路で異なり、延長配管を用いる場合とか、室内負
荷が変動した場合は、合流後の圧縮機1の吸入管の過熱
度は適正であっても個々の分岐回路の合流前の冷媒の過
熱度が付き過ぎるものも出てきて、その場合には室内熱
交換器の温度分布が一様でなく温度勾配が発生し、吹出
空気の温度もバラツクため、露飛び或は能力低下等の問
題が発生しやすい。
【0007】この発明は以上のような問題点を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは次の通
りである。 (1)圧縮機の停止時に圧縮機に冷媒液が溜らないよう
にし、起動時の潤滑油不足を防止して、圧縮機の長寿命
化を目指す。 (2)圧縮機停止時の冷媒の移動により発生する冷媒音
を防止する。 (3)圧縮機停止時に室外熱交換器から液冷媒が蒸発温
度生成回路を通ってアキュムレータに流入し、溢れるの
を防止する。 (4)室内熱交換器の温度分布ムラによる露飛び、能力
低下を防止する。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の多室形空気調
和機は、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、アキュムレー
タ、蒸発温度生成回路を順次接続して冷媒回路を構成す
る冷暖房切り換え可能な室外機と、主回路から並列分岐
された分岐配管間夫々に電子膨張弁、室内熱交換器を接
続した室内機とを有する多室形空気調和機において、圧
縮機と四方弁の間と圧縮機とアキュムレータの間に設け
られ、圧縮機の運転中は閉じた電磁弁を有するバイパス
回路と、圧縮機の停止時に電子膨張弁を最小開度まで閉
じると共に、バイパス回路の電磁弁を開く制御手段とを
備えたものである。
【0009】請求項2の多室形空気調和機は、圧縮機、
四方弁、室外熱交換器、アキュムレータ、蒸発温度生成
回路を順次接続して冷媒回路を構成する冷暖房切り換え
可能な室外機と、主回路から並列分岐された分岐配管間
夫々に電子膨張弁、室内熱交換器を接続した室内機とを
有する多室形空気調和機において、圧縮機と四方弁の間
と圧縮機とアキュムレータの間に設けられ、圧縮機の運
転中は閉じた電磁弁を有するバイパス回路と、圧縮機の
停止時に電子膨張弁を閉じると共に、バイパス回路の電
磁弁を開く制御手段とを備えたものである。
【0010】請求項3の多室形空気調和機は、請求項2
記載のもので、制御手段はバイパス回路の電磁弁が開き
高低圧が平衡した後に電子膨張弁を所定開度に開くこと
を特徴とする。
【0011】請求項4の多室形空気調和機は、圧縮機、
四方弁、室外熱交換器、アキュムレータ、蒸発温度生成
回路を順次接続して冷媒回路を構成する冷暖房切り換え
可能な室外機と、主回路から並列分岐された分岐配管間
夫々に電子膨張弁、室内熱交換器を接続した室内機とを
有する多室形空気調和機において、蒸発温度生成回路は
蒸発温度生成用電子膨張弁を有し、圧縮機と四方弁の間
と圧縮機とアキュムレータの間に設けられ、圧縮機の運
転中は閉じた電磁弁を有するバイパス回路と、圧縮機の
停止時に電子膨張弁を最小開度まで閉じる、又は閉じる
と共に、蒸発温度生成用電子膨張弁を最小開度まで閉
じ、更にバイパス回路の電磁弁を開く制御手段とを備え
たものである。
【0012】請求項5の多室形空気調和機は、圧縮機、
四方弁、室外熱交換器、アキュムレータ、蒸発温度生成
回路を順次接続して冷媒回路を構成する冷暖房切り換え
可能な室外機と、主回路から並列分岐された分岐配管間
夫々に電子膨張弁、室内熱交換器を接続した室内機とを
有する多室形空気調和機において、蒸発温度生成回路は
蒸発温度生成用電子膨張弁を有し、圧縮機と四方弁の間
と圧縮機とアキュムレータの間に設けられ、圧縮機の運
転中は閉じた電磁弁を有するバイパス回路と、圧縮機の
停止時に電子膨張弁を最小開度まで閉じる、又は閉じる
と共に、蒸発温度生成用電子膨張弁を閉じ、更にバイパ
ス回路の電磁弁を開く制御手段とを備えたものである。
【0013】請求項6の多室形空気調和機は、請求項5
記載のもので、制御手段はバイパス回路の電磁弁を開き
高低圧が平衡した後に蒸発温度生成用電子膨張弁を所定
開度に開くことを特徴とする。
【0014】請求項7の多室形空気調和機は、圧縮機、
四方弁、室外熱交換器、アキュムレータ、蒸発温度生成
回路を順次接続して二重管熱交換器を含む冷媒回路を構
成する冷暖房切り換え可能な室外機と、主回路から並列
分岐された分岐配管間夫々に電子膨張弁、室内熱交換器
を接続した室内機とを有する多室形空気調和機におい
て、圧縮機の吸入温度を検出する吸入温度検出手段と、
蒸発温度生成回路の蒸発温度を検出する蒸発温度検出手
段と、各室内熱交換器出口ガス管温度を検出するガス管
温度検出手段と、吸入温度検出手段と蒸発温度検出手段
の出力値より圧縮機の吸入SH(過熱度)を算出する吸
入SH算出手段と、ガス管温度検出手段が検出したガス
管温度の中の最小のものを判定しその最小値と各ガス管
温度との差を算出するガス管温度公差算出手段と、吸入
SH算出手段とガス管温度公差算出手段にて算出された
値が目標値の範囲内に入るように電子膨張弁の補正開度
を算出し制御する電子膨張弁開度制御手段とを備えたも
のである。
【0015】請求項8の多室形空気調和機は、請求項7
記載のもので、圧縮機の吐出温度を検出する吐出温度検
出手段を備え、電子膨張弁開度制御手段は吐出温度検出
手段にて算出された値も目標値の範囲内に入るように電
子膨張弁の補正開度を算出し制御することを特徴とす
る。
【0016】請求項9の多室形空気調和機は、圧縮機、
四方弁、室外熱交換器、アキュムレータ、蒸発温度生成
回路を順次接続して二重管熱交換器を含む冷媒回路を構
成する冷暖房切り換え可能な室外機と、主回路から並列
分岐された分岐配管間夫々に電子膨張弁、室内熱交換器
を接続した室内機とを有する多室形空気調和機におい
て、圧縮機の吸入温度を検出する吸入温度検出手段と、
蒸発温度生成回路の蒸発温度を検出する蒸発温度検出手
段と、各室内熱交換器出口ガス管温度を検出するガス管
温度検出手段と、吸入温度検出手段と蒸発温度検出手段
の出力値より圧縮機の吸入SHを算出する吸入SH算出
手段と、ガス管温度検出手段と蒸発温度検出手段の出力
値より各室内出口SHを算出する室内出口SH算出手段
と、この室内出口SH算出手段が算出した各室内出口S
Hの中の最小のものを判定しその最小値と各室内出口S
Hとの差を算出する室内出口SH公差算出手段と、吸入
SH算出手段と室内出口SH公差算出手段にて算出され
た値が目標値の範囲内に入るように電子膨張弁の補正開
度を算出し制御する電子膨張弁開度制御手段とを備えた
ものである。
【0017】請求項10の多室形空気調和機は、請求項
9記載のもので、圧縮機の吐出温度を検出する吐出温度
検出手段を備え、電子膨張弁開度制御手段は吐出温度検
出手段にて算出された値も目標値の範囲内に入るように
電子膨張弁の補正開度を算出し制御することを特徴とす
る。
【0018】
【作用】請求項1の多室形空気調和機は、圧縮機の停止
時に電子膨張弁を最小開度まで閉じることにより各熱交
換器の冷媒は移動は略なくなり、またバイパス回路の電
磁弁を開くことで高低圧がバランスし、かつアキュムレ
ータの液冷媒が圧縮機へ押し出されない。
【0019】請求項2の多室形空気調和機は、圧縮機の
停止時に電子膨張弁を閉じることにより各熱交換器の冷
媒は移動はなく、またバイパス回路の電磁弁を開くこと
で高低圧がバランスし、かつアキュムレータの液冷媒が
圧縮機へ押し出されない。
【0020】請求項3の多室形空気調和機は、高低圧平
衡後に電子膨張弁を所定開度に開くので、長期間使用さ
れない場合電子膨張弁が閉じたままの状態にならない。
【0021】請求項4の多室形空気調和機は、蒸発温度
生成用電子膨張弁を最小開度まで閉じることにより室外
熱交換器から蒸発温度生成回路を通ってアキュムレータ
へ移動する液冷媒が略なくなる。
【0022】請求項5の多室形空気調和機は、蒸発温度
生成用電子膨張弁を閉じることにより室外熱交換器から
蒸発温度生成回路を通ってアキュムレータへ移動する液
冷媒がなくなる。
【0023】請求項6の多室形空気調和機は、高低圧平
衡後に蒸発温度生成用電子膨張弁を所定開度に開くの
で、長期間使用されない場合蒸発温度生成用電子膨張弁
が閉じたままの状態にならない。
【0024】請求項7の多室形空気調和機は、電子膨張
弁開度制御手段が吸入SH算出手段とガス管温度公差算
出手段にて算出された値が目標値の範囲内に入るように
電子膨張弁の補正開度を算出し制御する。
【0025】請求項8の多室形空気調和機は、電子膨張
弁開度制御手段が吐出温度検出手段にて算出された値も
目標値の範囲内に入るように電子膨張弁の補正開度を算
出し制御する。
【0026】請求項9の多室形空気調和機は、電子膨張
弁開度制御手段が吸入SH算出手段と室内出口SH公差
算出手段にて算出された値が目標値の範囲内に入るよう
に電子膨張弁の補正開度を算出し制御する。
【0027】請求項10の多室形空気調和機は、電子膨
張弁開度制御手段が吐出温度検出手段にて算出された値
も目標値の範囲内に入るように電子膨張弁の補正開度を
算出し制御する。
【0028】
【実施例】
実施例1. (実施例1の概要)空気調和機は運転を止めた停止中、
一般に次の起動に備えて電子膨張弁を開いて高低圧を平
衡させる。しかし、再起動後の冷房(暖房)運転の立上
がりを早くするには停止時に電子膨張弁をむしろ閉じる
か最小開度にして、凝縮器や蒸発器の冷媒を移動させな
い方が良い。その場合高低圧はバランスしないので、再
起動時圧縮機は起動しにくいが、例えばスクロール式圧
縮機のように差圧起動可能なものにすれば、高低圧がバ
ランスしていない場合でも起動可能になる。但し、真夏
の厳しい状態では、高低圧差が大きく、差圧起動の可能
な圧縮機といえども起動できない場合がある。その為高
低圧をバランスさせるためのバスパイ回路を設けるが、
従来のようにアキュムレータの上流側にバイパス回路を
接続すると、アキュムレータ内の液冷媒が圧縮機に押し
出されて圧縮機に溜り様々な悪影響を与える。そこでこ
の実施例ではバイパス回路をアキュムレータの後流側に
接続して、バイパス回路が動作して高低圧がバランスす
る際にアキュムレータ内の液冷媒が圧縮機へ押し出され
るのを防止するものである。
【0029】以下、この発明の実施例1について説明す
る。図1はこの発明の実施例1による空気調和機の冷媒
回路図であり、図において、符号1〜7は従来の装置と
全く同一のものでありその説明は省略する。12は液化
した高圧冷媒がガス管側冷媒と熱交換してサブクールを
大きくとるための二重管熱交換器である。従来の装置と
異なる重要なポイントは、毛細管8、10と電磁弁9で
構成されたバイパス回路がアキュムレータ6の出口側に
接続されていることである。そして、圧縮機1、四方弁
2、電子膨張弁4a〜4c、電磁弁9は図2に示すよう
に、制御基板20(マイコン)からの信号によって制御
されている。
【0030】次に動作について説明する。圧縮機1の運
転中は、バイパス回路の電磁弁9は閉じており、バイパ
ス回路は動作しない。図3のフローチャートにおいて、
ステップ30でスイッチがオフされると、圧縮機1が停
止し(ステップ31)、続いて、ステップ32で電子膨
張弁4a〜4cを最小開度まで閉じて各熱交換器の冷媒
が移動しないようにする。そして、再起動を容易にする
目的でバイパス回路の電磁弁9を開いて高圧冷媒ガスを
圧縮機1の吸入側に流して圧縮機1の吐出側と吸入側を
バランスさせる(ステップ33)。この時バイパス回路
を通過した冷媒はアキュムレータ6を通らないので、ア
キュムレータ6内の冷媒液が圧縮機1に流れこむことが
ない。このように、この実施例では起動後の運転の立上
りを早くするために、圧縮機1の停止時に電子膨張弁4
a〜4cを最小開度まで閉じるので、本来は差圧起動可
能な例えばスクロール式圧縮機が適するが、起動を確実
にするために、バイパス回路によって高低圧のバランス
を強制的に行うので、差圧起動に向かない例えばロータ
リー圧縮機も使用可能になる。また、圧縮機1停止時
に、電子膨張弁4a〜4cを全閉にしないで、最小開度
にするのは、空気調和機が使用されないで、長時間全閉
の状態が続くと機械的に動作不良になることがあるため
である。
【0031】この実施例によれば、圧縮機1停止時に、
電子膨張弁4a〜4cを最小開度まで閉じるもので、起
動を容易にするために設けられた、高低圧をバランスさ
せるバイパス回路を圧縮機1の吐出側からアキュムレー
タ6の出口側に接続したので、バイパス回路動作時にア
キュムレータ6内の液冷媒を圧縮機1に押し出すことが
なく、圧縮機1の再起動時の潤滑油不足を防止すること
ができる。
【0032】実施例2. (実施例2の概要)実施例1では、圧縮機の停止時に主
回路の電子膨張弁を最小開度まで閉じるようにしたが、
蒸発器(室内熱交換器)での冷媒の移動が多少あるため
冷媒音の問題が残る。そこで、この実施例では、圧縮機
の停止時に主回路の電子膨張弁を閉じることにより、蒸
発器の冷媒音を無くしたものである。
【0033】以下、この発明の実施例2を図について説
明する。冷媒回路の構成は、実施例1と全く同一である
ので、その説明は省略する。
【0034】次に動作を図4のフローチャートに従って
説明する。ステップ40でスイッチがオフされると、ス
テップ41で圧縮機1が停止し、続いてステップ42で
各熱交換器内の冷媒の移動を防止するために、電子膨張
弁4a〜4cを完全に閉じる。電子膨張弁4a〜4cを
閉じることによって蒸発器(室内熱交換器)で冷媒が移
動しないため冷媒音が発生しない。そして、ステップ4
3で高低圧をバランスさせて再起動を容易にするために
バイパス回路の電磁弁9を開く。これらは、実施例1と
同様である。
【0035】この実施例によれば、圧縮機1の停止時に
電子膨張弁4a〜4cを完全に閉じ、さらに圧縮機1の
吐出側からアキュムレータ6の出口側に接続されたバイ
パス回路の電磁弁9を開くようにしたので、実施例1と
同様の効果を奏すると共に、圧縮機1の停止時における
蒸発器(室内熱交換器5a〜5c)での冷媒音を防止で
きる。
【0036】実施例3.なお、実施例2では圧縮機1の
停止時に電子膨張弁4a〜4cを完全に閉じるものを示
したが、長期間空気調和機を使用しない場合に、電子膨
張弁4a〜4cが閉じたままとなり機械的な原因による
動作不良を起こすことがあるので、圧縮機1の停止時に
電子膨張弁4a〜4cを閉じ、次に、電磁弁9を開いて
高低圧がバランスしたら電子膨張弁4a〜4cを所定開
度に開くようにしても良い。この場合のフローチャート
を図5に示す。図4のフローチャートに電子膨張弁4a
〜4cを所定開度に開くステップ44を追加したもので
ある。
【0037】実施例4. (実施例4の概要)実施例1、2では、蒸発温度生成回
路に毛細管を用いたものを示したが、マルチタイプの空
気調和機の場合、例えば使用されない室内ユニットがあ
ると余った冷媒がアキュムレータに溜り液面レベルが上
り、蒸発温度生成回路を通して圧縮機停止時に室外熱交
換器からアキュムレータに流れ込む液冷媒の影響が無視
できなくなる。この実施例はそれを防止するため蒸発温
度生成回路の毛細管の代わりに電子膨張弁を使用し、圧
縮機停止時の蒸発温度生成回路を通して室外熱交換器か
らアキュムレータに液冷媒が流れ込むのを防止する。
【0038】以下、この発明の実施例4を図について説
明する。図6はこの発明の実施例4による空気調和機の
冷媒回路図である。図において、符号11以外は実施例
1の図1と全く同一のものであり、その説明は省略す
る。11は室外熱交換器3と電子膨張弁4a〜4cの間
に一端が接続され他端がアキュムレータの入口側に接続
された蒸発温度生成回路に設けられた電子膨張弁であ
る。
【0039】次に動作を図7のフローチャートに従って
説明する。ステップ50でスイッチがオフされると、ス
テップ51で圧縮機1が停止し、続いて実施例1または
実施例2と同様の目的でステップ52で電子膨張弁4a
〜4cを最小開度まで閉じるか、または閉じる。さら
に、ステップ53で電子膨張弁11を最小開度まで閉じ
ることにより、室内熱交換器3から蒸発温度生成回路を
通ってアキュムレータ6に液冷媒が流れ込むのを極力抑
えアキュムレータ6から液冷媒が溢れ出るのを防止す
る。そしてステップ54でバイパス回路の電磁弁9を開
いて高低圧をバランスさせる。電子膨張弁11を全閉に
しないのは、実施例1の電子膨張弁4a〜4cのケース
と同じ理由による。
【0040】この実施例によれば、圧縮機1の停止時
に、電子膨張弁4a〜4cを最小開度まで閉じるか、ま
たは閉じて各熱交換器の冷媒の移動を抑制し、かつ蒸発
温度生成回路の電子膨張弁11を最小開度まで閉じるよ
うにしたので、使用されない室内ユニットがあってアキ
ュムレータ6の液面レベルが高くなる場合でも、アキュ
ムレータ6から冷媒液が溢れ出るのを抑制する。
【0041】実施例5.なお、実施例4では、電子膨張
弁11を最小開度まで閉じるものを示したが、これを完
全に閉じても良い。図8にその場合のフローチャートを
示す。このようにすれば、圧縮機1の停止時室外熱交換
器3から蒸発温度生成回路を通ってアキュムレータ6へ
流れ込む液冷媒を無くすことができる。
【0042】実施例6.また、実施例5でバイパス回路
の電磁弁9を開いた後、図9のフローチャートに示すよ
うに、ステップ65で高低圧バランス後電子膨張弁11
を所定開度に開けておくことにより長期間空気調和機を
使用しない場合の、電子膨張弁11の機械的な動作不良
を防止することができる。
【0043】実施例7. (実施例7の概要)この実施例は、各室内ユニットのガ
ス配管側に温度センサを設けて各ガス管温度を検出し、
蒸発温度センサによる蒸発温度と比較することにより各
室内出口SH(過熱度)を求め、この中の最小値を基準
値にしてその他の室内出口SHの前記基準値との公差を
求める。そしてその各室内出口SH公差が、吸入SH及
び吐出温度も含めて目標範囲に入るまで各室内ユニット
の電子膨張弁の補正を繰返す。このようにして、室内負
荷変動・延長配管の差異がある場合でも、各室内ユニッ
ト出口SHを一定範囲に納め、室内ユニットで発生する
露飛び、能力低下等の発生を防止するものである。
【0044】以下、この発明の実施例7を図について説
明する。図10はこの発明の実施例7による空気調和機
の冷媒回路図である。図において、符号1〜7、14は
従来の装置と全く同一のものでありその説明は省略す
る。15は室外熱交換器3と電子膨張弁4a〜4cの間
から分岐して圧縮機1の吸入側へ接続され、毛細管7が
設けられた蒸発温度生成回路の蒸発温度を検出する蒸発
温度センサ、16a〜16cは各室内熱交換器5a〜5
cの出口温度を検出するガス管温度センサ、21は圧縮
機1の吐出温度を検出する吐出温度センサ、30は電子
膨張弁制御用のコントローラである。
【0045】次に動作について説明する。吸入冷媒温度
センサ14、蒸発温度センサ15、ガス管温度センサ1
6a〜16c及び吐出温度センサ21の出力値を電子膨
張弁制御用のコントローラ30に入力し、以下に述べる
手順により各電子膨張弁4a〜4cの弁開度制御を行
う。弁開度制御の内容について説明するが、その説明に
用いる吸入SH、各室内出口SH(a,b,c)、各室
内出口SH公差(a,b,c)の算出式を(1)〜
(3)式で定義しておく。
【0046】
【数1】
【0047】図11のフローチャートにより弁開度制御
の内容を説明する。ステップ100で室内ユニットの運
転がスタートし、次にステップ101でコントローラ3
0が電子膨張弁4a〜4cの開度と圧縮機1の運転周波
数の初期値を設定する。この場合電子膨張弁4a〜4c
の開度は室内ユニットの能力にて開度比率が変更され
る。ステップ102で(1)式で定義される吸入SHが
目標値の範囲に入っているかチェックし、ステップ10
3にて電子膨張弁4a〜4cの開度補正を図13(a)
に従ってそれぞれ均一に行う。次にステップ104で吐
出温度が目標値に範囲に入っているかチェックし、ステ
ップ105で電子膨張弁4a〜4cの開度を図13
(b)に従ってそれぞれ均一に補正する。ステップ10
5の過程終了后に(2)式で定義される各室内出口SH
(a,b,c)及び(3)式で定義される各室内出口S
H公差(a,b,c)を算出しステップ106aで各室
内出口SH公差(a,b,c)が目標範囲に入っている
か判断する。もし目標範囲に入っていない場合は、ステ
ップ107aで電子膨張弁4a〜4cの最小値以外のも
のの開度を図13(c)に従って補正する。目標範囲に
入っている場合は、ステップ108で吸入SH及び吐出
温度が目標値に入っているか判断し、目標値に入ってい
ればステップ109で電子膨張弁4a〜4cの開度を固
定する。そして目標値に入っていなければステップ10
2に戻り、吸入SH、吐出温度、室内出口SH公差の全
てが目標値に入るまで上記過程を繰り返す。
【0048】室内出口SHの最小値を基準値として、そ
の他の室内ユニットの出口SHをこれに近づける制御を
行なう故であるが、室内出口SHの最小値は圧縮機1の
吸入温度の過熱度(吸入SH)と圧縮機1の吐出温度を
制御することにより所望の範囲に入るので、その最小値
との公差が目標範囲に入れば各室内出口SHは適正な値
になり、各室内熱交換器の温度分布にムラが無く、露飛
び、能力ダウンを防止することができる。
【0049】実施例8.実施例7では、室内出口SH公
差を利用して、電子膨張弁4a〜4cの補正を行った
が、室内出口SH公差の代わりにガス管温度公差を用い
ても良い。冷媒回路図は図10と同じである。制御の内
容の説明に用いるガス管温度公差を(4)式で定義して
おく。
【0050】
【数2】
【0051】図12のフローチャートに基づいて弁開度
制御の内容を説明する。ステップ106b、107b以
外は図11のフローチャートと全く同じであり、ステッ
プ106bで(4)式で定義される各ガス管温度(a,
b,c)が目標範囲に入っているか判断し、もし目標範
囲に入っていない場合はステップ107bで最小値とな
るものを除く電子膨張弁(4a,4b,4c)の開度を
図13(d)に従って補正する。各ガス管温度(a,
b,c)が目標範囲に入っていない場合は、ステップ8
に行く。その他の過程は図11と同じであるのでその説
明は省略する。
【0052】室内出口SH公差の代りにガス管温公差を
利用するこの実施例の基本的な作用効果、即ち室内熱交
換器の温度分布を均一にして露飛び、能力ダウンを防止
するという点は実施例7と同じであるが、実施例8では
室内出口SHの代りにガス管温度公差を利用するので、
ガス管温度センサ(16a〜16c)の検出温度と蒸発
温度センサ15の検出温度の比較をする必要がなく、計
算処理が簡単になるという効果を奏する。
【0053】
【発明の効果】請求項1の多室形空気調和機は、圧縮
機、四方弁、室外熱交換器、アキュムレータ、蒸発温度
生成回路を順次接続して冷媒回路を構成する冷暖房切り
換え可能な室外機と、主回路から並列分岐された分岐配
管間夫々に電子膨張弁、室内熱交換器を接続した室内機
とを有する多室形空気調和機において、圧縮機と四方弁
の間と圧縮機とアキュムレータの間に設けられ、圧縮機
の運転中は閉じた電磁弁を有するバイパス回路と、圧縮
機の停止時に電子膨張弁を最小開度まで閉じると共に、
バイパス回路の電磁弁を開く制御手段とを備えた構成に
したので、圧縮機の停止時にアキュムレータの液冷媒が
押し出されて圧縮機に溜ることがなく、起動時の潤滑油
不足を防止して圧縮機の長寿命化が図れる。
【0054】請求項2の多室形空気調和機は、圧縮機、
四方弁、室外熱交換器、アキュムレータ、蒸発温度生成
回路を順次接続して冷媒回路を構成する冷暖房切り換え
可能な室外機と、主回路から並列分岐された分岐配管間
夫々に電子膨張弁、室内熱交換器を接続した室内機とを
有する多室形空気調和機において、圧縮機と四方弁の間
と圧縮機とアキュムレータの間に設けられ、圧縮機の運
転中は閉じた電磁弁を有するバイパス回路と、圧縮機の
停止時に電子膨張弁を閉じると共に、バイパス回路の電
磁弁を開く制御手段とを備えた構成にしたので、圧縮機
の停止時にアキュムレータの液冷媒が押し出されて圧縮
機に溜ることがなく、起動時の潤滑油不足を防止して圧
縮機の長寿命化が図れると共に、室内熱交換器での冷媒
音を防止できる。
【0055】請求項3の多室形空気調和機は、請求項2
記載のもので、制御手段はバイパス回路の電磁弁が開き
高低圧が平衡した後に電子膨張弁を所定開度に開く構成
にしたので、長期間空気調和機を使用しない場合の電子
膨張弁の機械的な動作不良を無くすことができる。
【0056】請求項4の多室形空気調和機は、圧縮機、
四方弁、室外熱交換器、アキュムレータ、蒸発温度生成
回路を順次接続して冷媒回路を構成する冷暖房切り換え
可能な室外機と、主回路から並列分岐された分岐配管間
夫々に電子膨張弁、室内熱交換器を接続した室内機とを
有する多室形空気調和機において、蒸発温度生成回路は
蒸発温度生成用電子膨張弁を有し、圧縮機と四方弁の間
と圧縮機とアキュムレータの間に設けられ、圧縮機の運
転中は閉じた電磁弁を有するバイパス回路と、圧縮機の
停止時に電子膨張弁を最小開度まで閉じる、又は閉じる
と共に、蒸発温度生成用電子膨張弁を最小開度まで閉
じ、更にバイパス回路の電磁弁を開く制御手段とを備え
た構成にしたので、余剰冷媒がアキュムレータに溜って
いる場合でもアキュムレータから冷媒液が溢れ出る恐れ
がなく、圧縮機の潤滑性能低下を防止できる。
【0057】請求項5の多室形空気調和機は、圧縮機、
四方弁、室外熱交換器、アキュムレータ、蒸発温度生成
回路を順次接続して冷媒回路を構成する冷暖房切り換え
可能な室外機と、主回路から並列分岐された分岐配管間
夫々に電子膨張弁、室内熱交換器を接続した室内機とを
有する多室形空気調和機において、蒸発温度生成回路は
蒸発温度生成用電子膨張弁を有し、圧縮機と四方弁の間
と圧縮機とアキュムレータの間に設けられ、圧縮機の運
転中は閉じた電磁弁を有するバイパス回路と、圧縮機の
停止時に電子膨張弁を最小開度まで閉じる、又は閉じる
と共に、蒸発温度生成用電子膨張弁を閉じ、更にバイパ
ス回路の電磁弁を開く制御手段とを備えた構成にしたの
で、余剰冷媒がアキュムレータに溜っている場合でもア
キュムレータから冷媒液が溢れ出ることがなく、圧縮機
の潤滑性能低下を防止できる。
【0058】請求項6の多室形空気調和機は、請求項5
記載のもので、制御手段はバイパス回路の電磁弁を開き
高低圧が平衡した後に蒸発温度生成用電子膨張弁を所定
開度に開く構成にしたので、長期間空気調和機を使用し
ない場合の蒸発温度生成用電子膨張弁の機械的な動作不
良を無くすことができる。
【0059】請求項7の多室形空気調和機は、圧縮機、
四方弁、室外熱交換器、アキュムレータ、蒸発温度生成
回路を順次接続して二重管熱交換器を含む冷媒回路を構
成する冷暖房切り換え可能な室外機と、主回路から並列
分岐された分岐配管間夫々に電子膨張弁、室内熱交換器
を接続した室内機とを有する多室形空気調和機におい
て、圧縮機の吸入温度を検出する吸入温度検出手段と、
蒸発温度生成回路の蒸発温度を検出する蒸発温度検出手
段と、各室内熱交換器出口ガス管温度を検出するガス管
温度検出手段と、吸入温度検出手段と蒸発温度検出手段
の出力値より圧縮機の吸入SH(過熱度)を算出する吸
入SH算出手段と、ガス管温度検出手段が検出したガス
管温度の中の最小のものを判定しその最小値と各ガス管
温度との差を算出するガス管温度公差算出手段と、吸入
SH算出手段とガス管温度公差算出手段にて算出された
値が目標値の範囲内に入るように電子膨張弁の補正開度
を算出し制御する電子膨張弁開度制御手段とを備えた構
成にしたので、室内熱交換器の露飛び、能力低下を防止
できる。
【0060】請求項8の多室形空気調和機は、請求項7
記載のもので、圧縮機の吐出温度を検出する吐出温度検
出手段を備え、電子膨張弁開度制御手段は吐出温度検出
手段にて算出された値も目標値の範囲内に入るように電
子膨張弁の補正開度を算出し制御する構成にしたので、
電子膨張弁の補正開度制御をより正確に行うことができ
る。
【0061】請求項9の多室形空気調和機は、圧縮機、
四方弁、室外熱交換器、アキュムレータ、蒸発温度生成
回路を順次接続して二重管熱交換器を含む冷媒回路を構
成する冷暖房切り換え可能な室外機と、主回路から並列
分岐された分岐配管間夫々に電子膨張弁、室内熱交換器
を接続した室内機とを有する多室形空気調和機におい
て、圧縮機の吸入温度を検出する吸入温度検出手段と、
蒸発温度生成回路の蒸発温度を検出する蒸発温度検出手
段と、各室内熱交換器出口ガス管温度を検出するガス管
温度検出手段と、吸入温度検出手段と蒸発温度検出手段
の出力値より圧縮機の吸入SHを算出する吸入SH算出
手段と、ガス管温度検出手段と蒸発温度検出手段の出力
値より各室内出口SHを算出する室内出口SH算出手段
と、この室内出口SH算出手段が算出した各室内出口S
Hの中の最小のものを判定しその最小値と各室内出口S
Hとの差を算出する室内出口SH公差算出手段と、吸入
SH算出手段と室内出口SH公差算出手段にて算出され
た値が目標値の範囲内に入るように電子膨張弁の補正開
度を算出し制御する電子膨張弁開度制御手段とを備えた
構成にしたので、室内熱交換器の露飛び、能力低下を防
止できると共に、各室内出口SH値を必要に応じて見る
ことができる。
【0062】請求項10の多室形空気調和機は、請求項
9記載のもので、圧縮機の吐出温度を検出する吐出温度
検出手段を備え、電子膨張弁開度制御手段は吐出温度検
出手段にて算出された値も目標値の範囲内に入るように
電子膨張弁の補正開度を算出し制御する構成にしたの
で、電子膨張弁の補正開度制御をより正確に行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1による多室形空気調和機
の冷媒回路図である。
【図2】 この発明の実施例1による多室形空気調和機
の制御ブロック図である。
【図3】 この発明の実施例1による多室形空気調和機
の制御内容を示すフローチャート図である。
【図4】 この発明の実施例2による多室形空気調和機
の制御内容を示すフローチャート図である。
【図5】 この発明の実施例3による多室形空気調和機
の制御内容を示すフローチャート図である。
【図6】 この発明の実施例4による多室形空気調和機
の冷媒回路図である。
【図7】 この発明の実施例4による多室形空気調和機
の制御内容を示すフローチャート図である。
【図8】 この発明の実施例5による多室形空気調和機
の制御内容を示すフローチャート図である。
【図9】 この発明の実施例6による多室形空気調和機
の制御内容を示すフローチャート図である。
【図10】 この発明の実施例7による多室形空気調和
機の冷媒回路図である。
【図11】 この発明の実施例7による多室形空気調和
機の制御内容を示すフローチャート図である。
【図12】 この発明の実施例8による多室形空気調和
機の制御内容を示すフローチャート図である。
【図13】 この発明の実施例7、8による多室形空気
調和機の制御の具体的動作を示す図である。
【図14】 従来の多室形空気調和機(従来例1)の冷
媒回路図である。
【図15】 従来の多室形空気調和機(従来例2)の冷
媒回路図である。
【符号の説明】
1 圧縮機、2 四方弁、3 室外熱交換器、4a〜4
c 電子膨張弁、5a〜5c 室内熱交換器、6 アキ
ュムレータ、9 電磁弁、11 蒸発温度生成用電子膨
張弁、14 吸入温度センサ、15 蒸発温度センサ、
16a〜16cガス管温度センサ、21 吐出温度セン
サ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 基夫 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株式 会社静岡製作所内 (72)発明者 倉持 威 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株式 会社静岡製作所内 (72)発明者 小田木 広征 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株式 会社静岡製作所内 (72)発明者 今城 奈津子 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株式 会社静岡製作所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、アキュ
    ムレータ、蒸発温度生成回路を順次接続して冷媒回路を
    構成する冷暖房切り換え可能な室外機と、主回路から並
    列分岐された分岐配管間夫々に電子膨張弁、室内熱交換
    器を接続した室内機とを有する多室形空気調和機におい
    て、前記圧縮機と四方弁の間と前記圧縮機とアキュムレ
    ータの間に設けられ、該圧縮機の運転中は閉じた電磁弁
    を有するバイパス回路と、前記圧縮機の停止時に、前記
    電子膨張弁を最小開度まで閉じると共に、前記バイパス
    回路の電磁弁を開く制御手段と、を備えたことを特徴と
    する多室形空気調和機。
  2. 【請求項2】 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、アキュ
    ムレータ、蒸発温度生成回路を順次接続して冷媒回路を
    構成する冷暖房切り換え可能な室外機と、主回路から並
    列分岐された分岐配管間夫々に電子膨張弁、室内熱交換
    器を接続した室内機とを有する多室形空気調和機におい
    て、前記圧縮機と四方弁の間と前記圧縮機とアキュムレ
    ータの間に設けられ、該圧縮機の運転中は閉じた電磁弁
    を有するバイパス回路と、前記圧縮機の停止時に、前記
    電子膨張弁を閉じると共に、前記バイパス回路の電磁弁
    を開く制御手段と、を備えたことを特徴とする多室形空
    気調和機。
  3. 【請求項3】 制御手段は、バイパス回路の電磁弁が開
    き高低圧が平衡した後に電子膨張弁を所定開度に開くこ
    とを特徴とする請求項2記載の多室形空気調和機。
  4. 【請求項4】 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、アキュ
    ムレータ、蒸発温度生成回路を順次接続して冷媒回路を
    構成する冷暖房切り換え可能な室外機と、主回路から並
    列分岐された分岐配管間夫々に電子膨張弁、室内熱交換
    器を接続した室内機とを有する多室形空気調和機におい
    て、前記蒸発温度生成回路は蒸発温度生成用電子膨張弁
    を有し、前記圧縮機と四方弁の間と前記圧縮機とアキュ
    ムレータの間に設けられ、該圧縮機の運転中は閉じた電
    磁弁を有するバイパス回路と、前記圧縮機の停止時に、
    前記電子膨張弁を最小開度まで閉じる、又は閉じると共
    に、前記蒸発温度生成用電子膨張弁を最小開度まで閉
    じ、更に前記バイパス回路の電磁弁を開く制御手段と、
    を備えたことを特徴とする多室形空気調和機。
  5. 【請求項5】 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、アキュ
    ムレータ、蒸発温度生成回路を順次接続して冷媒回路を
    構成する冷暖房切り換え可能な室外機と、主回路から並
    列分岐された分岐配管間夫々に電子膨張弁、室内熱交換
    器を接続した室内機とを有する多室形空気調和機におい
    て、前記蒸発温度生成回路は蒸発温度生成用電子膨張弁
    を有し、前記圧縮機と四方弁の間と前記圧縮機とアキュ
    ムレータの間に設けられ、該圧縮機の運転中は閉じた電
    磁弁を有するバイパス回路と、前記圧縮機の停止時に、
    前記電子膨張弁を最小開度まで閉じる、又は閉じると共
    に、前記蒸発温度生成用電子膨張弁を閉じ、更に前記バ
    イパス回路の電磁弁を開く制御手段と、を備えたことを
    特徴とする多室形空気調和機。
  6. 【請求項6】 制御手段は、バイパス回路の電磁弁を開
    き高低圧が平衡した後に蒸発温度生成用電子膨張弁を所
    定開度に開くことを特徴とする請求項5記載の多室形空
    気調和機。
  7. 【請求項7】 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、アキュ
    ムレータ、蒸発温度生成回路を順次接続して二重管熱交
    換器を含む冷媒回路を構成する冷暖房切り換え可能な室
    外機と、主回路から並列分岐された分岐配管間夫々に電
    子膨張弁、室内熱交換器を接続した室内機とを有する多
    室形空気調和機において、前記圧縮機の吸入温度を検出
    する吸入温度検出手段と、前記蒸発温度生成回路の蒸発
    温度を検出する蒸発温度検出手段と、前記各室内熱交換
    器出口ガス管温度を検出するガス管温度検出手段と、前
    記吸入温度検出手段と蒸発温度検出手段の出力値より前
    記圧縮機の吸入SH(過熱度)を算出する吸入SH算出
    手段と、前記ガス管温度検出手段が検出したガス管温度
    の中の最小のものを判定しその最小値と各ガス管温度と
    の差を算出するガス管温度公差算出手段と、前記吸入S
    H算出手段と、ガス管温度公差算出手段にて算出された
    値が目標値の範囲内に入るように前記電子膨張弁の補正
    開度を算出し制御する電子膨張弁開度制御手段と、を備
    えたことを特徴とする多室形空気調和機。
  8. 【請求項8】 圧縮機の吐出温度を検出する吐出温度検
    出手段を備え、電子膨張弁開度制御手段は前記吐出温度
    検出手段にて算出された値も目標値の範囲内に入るよう
    に電子膨張弁の補正開度を算出し制御することを特徴と
    する請求項7記載の多室形空気調和機。
  9. 【請求項9】 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、アキュ
    ムレータ、蒸発温度生成回路を順次接続して二重管熱交
    換器を含む冷媒回路を構成する冷暖房切り換え可能な室
    外機と、主回路から並列分岐された分岐配管間夫々に電
    子膨張弁、室内熱交換器を接続した室内機とを有する多
    室形空気調和機において、前記圧縮機の吸入温度を検出
    する吸入温度検出手段と、前記蒸発温度生成回路の蒸発
    温度を検出する蒸発温度検出手段と、前記各室内熱交換
    器出口ガス管温度を検出するガス管温度検出手段と、前
    記吸入温度検出手段と蒸発温度検出手段の出力値より前
    記圧縮機の吸入SHを算出する吸入SH算出手段と、前
    記ガス管温度検出手段と蒸発温度検出手段の出力値より
    各室内出口SHを算出する室内出口SH算出手段と、こ
    の室内出口SH算出手段が算出した各室内出口SHの中
    の最小のものを判定しその最小値と各室内出口SHとの
    差を算出する室内出口SH公差算出手段と、前記吸入S
    H算出手段と室内出口SH公差算出手段にて算出された
    値が目標値の範囲内に入るように前記電子膨張弁の補正
    開度を算出し制御する電子膨張弁開度制御手段と、を備
    えたことを特徴とする多室形空気調和機。
  10. 【請求項10】 圧縮機の吐出温度を検出する吐出温度
    検出手段を備え、電子膨張弁開度制御手段は前記吐出温
    度検出手段にて算出された値も目標値の範囲内に入るよ
    うに電子膨張弁の補正開度を算出し制御することを特徴
    とする請求項9記載の多室形空気調和機。
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