JPH081936Y2 - 車両用ドアのウエストバー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、最降下位置で上方部分がウィンドフレーム
内に引き残されて位置するドアウィンドガラスを有する
車両用ドアに関し、特に、ドアウィンドガラスへの乗員
の接触等を防止する目的で設けられるウエストバー装置
の改良に関する。

〈従来の技術〉 従来、トラック、ダンプ車、ミキサー車等の大型自動
車においては、運転席、即ち、運転者の側方視界を拡大
させるべく、ドアウィンドの下縁を下げるようにしてい
る。

しかし、このようにドアウィンドの下縁を下げること
によって、ドアウィンドガラスが収納するドア本体の上
下高さが低くなるため、ドアウィンドガラスが完全に収
納できなくなり、最降下位置でもドアウィンドガラスの
上方部分がウィンドフレーム内に引き残されて位置して
しまう。

この結果、ドアウィンドガラスへの乗員の接触が生じ
易くなり、これによるドアウィンドガラスの上縁が破壊
される虞がある。

このため、従来では、実公昭58-35537号公報に示され
るようなウエストバー付きのドアが提案されている。

このドアは、ドアウィンドガラスから内側に適宜の間
隔をもって位置し、かつ最降下位置にあるドアウィンド
ガラスの上縁と略同じ高さに位置するウエストバーを、
ウィンドフレームに支持して設けたものである。

又、上記ウエストバーの両端部のドアウィンドガラス
内面と相対向する部位には、緩衝部材が装着されてい
て、ドアウィンドガラスの振動や風等によるばたつきを
防止して、不快感をなくすようにしている。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、このような従来のウエストバー付きド
アにあっては、ドアウィンドガラスの振動や風等による
ばたつきを防止するための緩衝部材を、ウエストバーと
は別物として用意し、これをウエストバーに装着する構
成であるため、部品数の増加や組立工数の増加を来し、
製作コストが高価にあるという問題点があった。

そこで、本考案は以上のような従来の問題点に鑑み、
ウエストバーの構造の改良を図り、ドアのばたつきを防
止するための手段の構成の簡略化を図って、部品数の低
減や組立工数の低減を図り、製品として廉価に提供し得
る車両用ドアのウエストバー装置を提供することを目的
とする。

〈課題を解決するための手段〉 このため、本考案の車両用ドアのウエストバー装置
は、最降下位置で上方部分がウィンドフレーム内に引き
残されて位置するドアウィンドガラスを有する車両用ド
アにおいて、前記ドアウィンドガラスから内側に適宜の
間隔をもって位置し、かつ最降下位置にあるドアウィン
ドガラスの上縁と略同じ高さに位置するウエストバー
を、ウィンドフレームに支持して設け、前記ウエストバ
ーは、金属製の芯材と該芯材を取り巻く樹脂製の被覆材
とから構成され、ウエストバーの少なくとも両端部のド
アウィンドガラス内面と相対向する部位の被覆材に夫々
突起部を一体成形し設けた構成とする。。

〈作用〉 かかる構成において、ドアウィンドガラスを最降下位
置まで下げた場合、ドアウィンドガラスの上縁は、ウエ
ストバーによって保護される。

この結果、ドアウィンドガラスへの乗員の接触を防止
することができ、この接触によるドアウィンドガラスの
破損等を防止することができる。

更に、上記ウエストバーの少なくとも両端部のドアウ
ィンドガラス内面と相対向する部位には、被覆材に一体
成形した突起部が設けられているため、この突起部がド
アウィンドガラス内面に当接して、該ドアウィンドガラ
スの振動や風等によるばたつきを防止することができ
る。

そして、かかる構成によると、前記突起部を被覆材に
一体成形するようにしたから、従来のように緩衝部材を
ウエストバーとは別物として用意し、これをウエストバ
ーに装着する必要がなく、部品数の低減や組立工数の低
減を図れ、製作コストを安価なものとできる。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図及び第２図において、車両用ドア１は、リアサ
ッシュ部２やセンタサッシュ部３等から構成されるウィ
ンドフレーム部分４と、アウタ、インナパネル部分５
と、ドアウィンドガラス６と、図示しないウィンドレギ
ュレータ等から構成される。

ドアウィンドガラス６は、ウィンドフレーム部分４並
びにアウタ、インナパネル５内に昇降可能に組み込ま
れ、ウィンドレギュレータは、アウタ、インナパネル部
分５内に組み込まれている。

ここで、ドアウィンドガラス６は、最降下位置で上方
部分がウィンドフレーム部分４内に引き残されて位置す
るようになっている。

そして、前記ドアウィンドガラス６から内側に適宜の
間隔をもって位置し、かつ最降下位置にあるドアウィン
ドガラス６の上縁と略同じ高さに位置するウエストバー
７が、ウィンドフレーム部分４に支持して設けられてい
る。

このウエストバー７は、鉄等の金属製の芯材８と該芯
材８を取り巻く樹脂製の被覆材９とから構成される。

前記芯材８は、断面略Ｌ字形部8aと該部8aの一辺の端
部から他辺に平行に延びる短片部8bとからなる。

前記被覆材９は、芯材８の下面と反ドアウィンドガラ
ス６側の面と上面において平面状をなし、かつドアウィ
ンドガラス６側の面において湾曲しつつ傾斜する面状を
なすように構成される。

かかるウエストバー７の一端部は、センタサッシュ部
３への取付部となり、他端部は、リアサッシュ部２への
取付部となる。

即ち、ウエストバー７の一方の取付部のセンタサッシ
ュ部３側の面は、該センタサッシュ部３の外面に合致す
る湾曲した面に成形される。又、この取付部には、固定
ネジ10の取付孔11が貫通形成されている。

又、センタサッシュ部３のウエストバー取付部位に
は、上記固定ネジ10のネジ孔12が形成されている。

ウエストバー７の他方の取付部は、被覆材９から芯材
８を突出することにより形成される。この芯材突出部
は、上下に平行に並ぶ一対の棒状の差し込み片13として
構成される。

又、リアサッシュ部２のウエストバー取付部位、即
ち、内側部位には前記差し込み片13が差し込み可能な溝
14が上下に一対形成されている。

以上のようなウエストバー17において、その両端部の
ドアウィンドガラス６の内面と相対向する部位の被覆材
９には、夫々ドアウィンドガラス６の内面に向かって突
出する突起部15が一体成形される。

かかる構成のウエストバー７の取付に際しては、先
ず、ウエストバー７の一端部の一対の差し込み片13を、
夫々リアサッシュ部２の内側部位の一対の溝14に差し込
む。次に、ウエストバー７の他端部を、センタサッシュ
部３外面に当接し、固定ネジ10を該ウエストバー７の取
付孔11に通して後、センタサッシュ部３のネジ孔12に嵌
合する。

以上のようなウエストバー装置によると、ドアウィン
ドガラス６を最降下位置まで下げた場合、ドアウィンド
ガラス６の上縁は、ウエストバー７によって保護され
る。

この結果、ドアウィンドガラス６への乗員の接触を防
止することができ、この接触によるドアウィンドガラス
６の破損等を防止することができる。

更に、上記ウエストバー７の両端部のドアウィンドガ
ラス６の内面と相対向する部位には、被覆材９に一体成
形した突起部15が設けられているため、この突起部15が
ドアウィンドガラス６の内面に当接して、該ドアウィン
ドガラス６の振動や風等によるばらつきを防止すること
ができ、不快感の発生を防止することができる。

そして、かかる構成によると、特に、ドアウィンドガ
ラス６の振動や風等によるばたつきを防止する突起部15
を被覆材９に一体成形するようにしたから、従来のよう
に緩衝部材をウエストバー７とは別物として用意し、こ
れをウエストバー７に装着する必要がなく、部品数の低
減や組立工数の低減を図れ、製作コストを安価なものと
できる利点がある。

更に、本実施例によると、ウエストバー７の取付構造
は、ウエストバー７の一端部の差し込み片13を、リアサ
ッシュ部２の溝14に差し込むと共に、ウエストバー７の
他端部を、センタサッシュ部３に固定ネジ10で固定する
構成としたから、ウエストバー７の両端部をネジ止めす
るものよりも、取付部品数の低減を図れると共に、取付
作業性に優れるという利点がある。

尚、上記実施例のウエストバー取付構造は、本考案の
構造的制約を示すものではなく、その他の方法であって
も良い。

又、突起部15はウエストバー７の両端部だけではな
く、その他の部分にも追加して設けるようにしても良
い。

〈考案の効果〉 以上説明したように、本考案の車両用ドアのウエスト
バー装置によれば、ウエストバーを金属製の芯材と該芯
材を取り巻く樹脂製の被覆材とから構成し、ウエストバ
ー両端部のドアウィンドガラス内面と相対向する部位の
被覆材に夫々突起部を一体成形して設けるようにしたか
ら、ウエストバー本来の機能であるドアウィンドガラス
への乗員の接触を防止機能等を奏し、しかも、突起部に
よるドアウィンドガラスのばたつきを防止する機能を奏
する。そして、上記突起部を被覆材に一体成形するよう
にした結果、部品数の低減や組立工数の低減を図れ、製
作コストを安価なものとできる利点を奏する実用的効果
大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車両用ドアのウエストバー装置の
一実施例を示すドアの内側の正面図、第２図（ａ）は第
１図中Ａ−Ａ矢視断面図、同図（ｂ）は第１図中Ｂ−Ｂ
矢視断面図、同図（ｃ）は第１図中Ｃ−Ｃ矢視断面図で
ある。 １……車両用ドア、４……ウィンドフレーム部分 ６……ドアウィンドガラス、７……ウエストバー ８……芯材、９……被覆材、10……固定ネジ 13……差し込み片、14……溝、15……突起部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】最降下位置で上方部分がウィンドフレーム
   内に引き残されて位置するドアウィンドガラスを有する
   車両用ドアにおいて、前記ドアウィンドガラスから内側
   に適宜の間隔をもって位置し、かつ最降下位置にあるド
   アウィンドガラスの上縁と略同じ高さに位置するウエス
   トバーを、ウィンドフレームに支持して設け、前記ウエ
   ストバーは、金属製の芯材と該芯材を取り巻く樹脂製の
   被覆材とから構成され、ウエストバーの少なくとも両端
   部のドアウィンドガラス内面と相対向する部位の被覆材
   に夫々突起部を一体成形して設けたことを特徴とする車
   両用ドアのウエストバー装置。