JPH0819336A - セルトレイ用人工培地 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】固形人工培地体２を用いてセルトレイＴの縦横
に複数の苗床を形成する際の作業性を向上する。 【構成】固形人工培地体２を、台紙１に保持させたま
ま、そのセル挿入端部２２をセルトレイＴのセルＳに臨
ませ、次に、押出し具３の押出しにより、台紙１からセ
ル側に各培地体２を移し替える。これにより、複数のセ
ルＳに一度に固形人工培地体２を挿入させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、縦横に苗床を区画する
育苗用のセルトレイに挿入して使用するセルトレイ用人
工培地に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、セルトレイの各セルには盛り土に
より苗床を形成するようにしており、各セルで野菜等の
幼苗を育てて、その育った幼苗をセルトレイごと移植機
に搭載し、該移植機に備える取爪により盛り土部分を引
っ掛けてセルトレイから幼苗を抜き取り、これを畑に移
し替える農栽培が広く行われている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、苗床部分が盛
り土により形成されているため、その盛り土の内部に良
く根のはる苗ならともかく、豆類等のあまり根のはらな
い苗の場合には、移植機の取爪で盛り土部分を引っ掛け
る際に、盛り土部分がくずれたりして幼苗を落としてし
まう恐れがあり、盛り土による苗床では移植栽培上不都
合が生じる恐れがある。

【０００４】ここで、盛り土に代え、最近注目されてい
るフェノール樹脂製等の固形ブロックから成る人工培地
を用いることが考えられるが、この場合には、苗床形成
が煩雑となる。すなわち、盛り土による場合は、一度に
複数のセルに土を入れることは容易だが、人工培地を用
いる場合、各セルに対応する形をもつ人工培地体を一つ
一つをセルに挿入する必要が生じ、苗床形成のための作
業が極めて煩雑となるのである。

【０００５】本発明の目的は、人工培地を用いて苗床を
形成する際の作業性を向上することができるセルトレイ
用人工培地を提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そこで、上記目的を達成
するため、台紙１に、セルトレイのセルに挿入する複数
個の固形人工培地体２を、該各培地体２のセル挿入端部
を台紙１の一側に突出させて保持している構成とした。

【０００７】

【作用】固形人工培地体２を、台紙１に保持させたま
ま、そのセル挿入端部をセルトレイのセルに臨ませる。
次に、台紙１からセル側に各固形人工培地体２を移し替
えて、台紙１を取り除く。これにより、複数のセルに一
度に固形人工培地体２を挿入することができる。

【０００８】

【実施例】図１において、１は、ボール紙や薄い板等か
ら成る剛性のある台紙であり、この台紙１の平面には、
縦横に複数の矩形状の保持穴１１を開口している。

【０００９】２は、フェノール樹脂製等のブロックから
成り、台紙１の保持穴１１に圧入により保持させる固形
人工培地体である。各固形人工培地体２は、縦横に複数
の苗床を区画するセルトレイＴの各セルＳに対応した形
状としており、台紙１への保持側基部２１に対してセル
Ｓへの挿入端部２２を先細り状とした四角錐台としてい
る。セル挿入端部２２は、台紙１の一側裏面に大きく突
出させており、又、保持側基部２１は、台紙１からの抜
け落ちが生じない程度に若干上面に突出させている。

【００１０】３は、台紙１から各固形人工培地体２を押
出す押出し具であり、枠形のフレーム３１の内方に、各
固形人工培地体２の保持側端面２１ａに当接する四角錐
台の押出し片３２をもつ押出しプレート３３を、上下に
移動自由に設けている。押出しプレート３３の両端に
は、ガイドロッド３４，３４を固定しており、各ロッド
３４，３４をフレーム３１の高さ方向に設ける長穴状の
ガイド穴３５，３５に突入させている。３６，３６は、
押出しプレート３３を操作する持手である。

【００１１】以上の構成により、各固形人工培地体２を
各セルＳに挿入するには、先ず、固形人工培地体２を保
持したままの台紙１を、セルトレイＴの上面に被せて、
セル挿入端部２２をセルＳの内方に臨ませる。

【００１２】次に、押出し具３を台紙１の上に被せて、
図２に示すように、各押出し片３２を固形人工培地体２
の保持側端面２１ａに当接させ、この状態で持手３６を
把持して押出しプレート３３を押し下げ、図３に示すよ
うに、各固形人工培地体２を台紙１の各保持穴１１から
離脱させてセルＳに移し替える。そして、押出し具３並
びに台紙１をセルトレイＴから取り除くことにより、各
固形人工培地体２の挿入が完了する。

【００１３】このように、固形のブロックから成る固形
人工培地体２を用いるにもかかわらず、一度にたくさん
の挿入が行え、セルトレイＴに苗床を形成する際の作業
性を著しく向上することができるのである。しかも、そ
の苗床は、固形のブロックである固形人工培地体２から
成るため、移植機の取爪にその苗床を確実に引っ掛ける
ことができ、移植作業が確実かつ良好に行えるのであ
る。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、固形人工培地体２を、
台紙１に保持させたまま、そのセル挿入端部をセルトレ
イのセルに臨ませ、次に、台紙１からセル側に各固形人
工培地体２を移し替えて、台紙１を取り除くことによ
り、複数のセルに一度に固形人工培地体２を挿入するこ
とができ、苗床を形成する際の作業性を向上することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るセルトレイ用人工培地及びその挿
入方法を示す斜視図。

【図２】人工培地の挿入手順第１過程を示す断面図。

【図３】人工培地の挿入手順第２過程を示す断面図。

【符号の説明】

１；台紙、２；固形人工培地体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 台紙（１）に、セルトレイのセルに挿入
   する複数個の固形人工培地体（２）を、該各培地体
   （２）のセル挿入端部を台紙（１）の一側に突出させて
   保持していることを特徴とするセルトレイ用人工培地。