JP3795927B2 - 育苗器の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、育苗中、稲や野菜などの苗を一株単位で収容する一般にプラグと呼ばれる苗収容部を有する育苗器の製造方法に関する。なお、その育苗器で育生された苗は、一般に、プラグ苗と呼ばれる。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開昭55−100号公報、特開昭56−92714号公報に開示されているように、左右前後に配列した複数のプラグの開口部側が連結し底部側が独立した合成樹脂製の育苗器があった。また、実開平2−46540号公報に開示されているように、合成樹脂の単板を素材として一体成形した育苗器もあった。更に、実開昭55−178357号公報に開示されているように、合成樹脂の繊維材と天然パルプを含有し、合成樹脂の繊維材を互いに融着させて成形した育苗器について、成形後にラテックス等の粘結被覆剤を内壁面に塗布して、苗を取り出し易くしたものもあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、合成樹脂の板体から成形した育苗器は、合成樹脂等の繊維材から成形したものと比べて、プラグの内壁面が滑らかで苗を抜き取りやすい。しかし、合成樹脂の板体から成形した育苗器は、そのように元来プラグの内壁面が滑らかなものであるので、それ以上に滑らかなものとすることはなかった。しかしながら、根の損傷が苗に大きなダメージを与えその後の苗の生育を遅れさせてしまうような脆弱な苗もあり、このような苗では、合成樹脂の板体から成形した育苗器を用いていても、プラグから苗を抜き取るときの摩擦によりプラグの内壁面まで伸びた根が痛んでしまうことがある。そこで、本発明は、合成樹脂の板体から成形した育苗器にあって、苗を抜き取りやすく且つ安価に製造できるようにすることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための方法】
上記の課題を解決するために、この発明は、苗を一株単位で収容するプラグ2…を有する育苗器を、可とう性合成樹脂の薄板Sをプレス加工して成形し、且つ、成形されたプラグ2…の内壁面は摩擦係数を小さくする塗布剤Cでコーティングされているように製造する育苗器の製造方法であって、成形前の前記可とう性合成樹脂の薄板Sの片面のみを前記塗布剤Cでコーティングし、その後、該薄板Sをコーティングされた片側面が雄型3a側になるようにして雄型3aと雌型3bの間に挾んで成形後のプラグ2…の内壁面側がコーティング面となるようにプレス成形することを特徴とする育苗器の製造方法とした。
【0005】
【実施例】
以下に、本発明の一実施例を図面に基づき詳細に説明する。この発明の一実施例を図面に基いて詳細に説明する。1は育苗器で、左右前後に複数のプラグ2…が配列し、その各プラグ2…の開口部2a…側が連結し、底部2b…側が独立した形態に成形されている。この育苗器1の外周縁は平面視で長方形で、その大きさは縦横300mm×600mmとなっている(図1)。
【0006】
育苗器1の各プラグ2…は、開口部2a…及び底部2b…の平面視形状が角を丸くした四角形、側面視形状が上辺より下辺が短い台形になっている。大きさは、開口部2a…が縦横31.5mm×31.5mm(平面視)で、底部2b…が縦横18mm×18mm(平面視)、上下の高さが40mm(側面視)となっている。また、各プラグ2…の育苗器長手方向のピッチが36.7mmで、短手方向のピッチが35.9mmとなっていて、縦方向16個×横方向8個で合計128個のプラグ2…が左右前後に配列している。底部2b…は、口径12mmの丸孔2c…が設けられている。尚、プラグ2…は丸筒状でもよく、上記実施例の形状や大きさに限定されない。また、底部2b…の孔2c…も角孔形状や亀裂の形態になっていてもよい(図1、図2)。
【0007】
この育苗器1の成型は、ポリスチレンなどの可とう性合成樹脂の薄板S(この実施例では板厚が0.6mm)を、雄型3aと雌型3bの間に挾んでプレスして一体的に成型する。プレス時には雌型3bの各プラグ型の底部に設けられた吸引孔3b’…から吸気される。前記可とう性合成樹脂の薄板Sは片面は、シリンコン等の塗布剤Cでコーティングされ、そのコーティグされた面は摩擦係数が小さくなって滑りやすくなっている。プレス成型時に雄型3aと雌型3bの間に前記可とう性合成樹脂の薄板Sを挾むときは、薄板Sのコーティング面が雄型3a側になるようにし、成形された育苗器1の各プラグ2…の内面側が前記塗布剤Cのコーティング面となるようにする(図3)。
【0008】
以上のように構成された育苗器1を使用して育苗するには、まず、床土4を各プラグ2…内に詰める。次に、種子を各プラグ2…内に蒔く。そして、各プラグ2…の開口部2a…の上端部位置まで床土4で覆土する。このようにして苗床が形成されたら、適当な温度管理のもと、適時必要に応じて灌水を行って育苗する。育苗されたプラグ苗Nは、育苗器1の各プラグ2…からプラグ苗Nを抜き取って移植する(図4)。
【0009】
育生されたプラグ苗Nを移植するために、この育苗器1の各プラグ2…からプラグ苗Nを抜き取るときは、各プラグ2…の内面側が前記塗布剤Cでコーティングされて摩擦係数が小さくなって滑りやすくなっているから、苗の茎部を持って上方に引いてプラグから苗を容易に抜き取ることができる。よって、プラグから苗を抜き取るために従来のような苗を押出す用具を別に必要としないから経済的であり、また移植時における作業能率の向上をも図るものとなる。
【0010】
尚、プラグから苗を容易に抜き取れるように、各プラグの内面側を滑りやすくするため、育苗器の材質そのものを、例えばフッ素樹脂等の摩擦係数の小さいものを用いて成型することが考えられる。しかし、そのような材質の合成樹脂板は一般に高価であり、コストアップにつながる問題が生じる。この点において、前記育苗器1は、安価な材質の合成樹脂板に片面のみその面の摩擦係数の小さくする塗布剤Cをコーティングするので、育苗器1のコストアップもほとんど問題にならない。
【0011】
ところで、図5、図6は、一般の合成樹脂製の育苗器5で育成されたプラグ苗を抜き取るための苗抜取り具である。この苗抜取り具10は、底板部11の上面に、育苗器5の各プラグ6…の底部6bの孔6c…のピッチに合わせて苗押出しピン12…が直立に固着されている。そして、その上側に、孔13a…に苗押出しピン12…を挿通させた状態で受け板13が上下動可能に装着されている。また、受け板13と底板部11の間にはスプリング14…を介装させている。16は、育苗器押下げ板で、上面に把持部16a・16aが固着されていて、その押下げ板16を押し下げるときに、そこを両手でつかむようになっている。また、下面に育苗器5の各プラグ開口部6a…の連結部を上から押し当てる押当て棒16b…が複数本設けられている。更に、底板部11の隣合う2つのコーナー部にはガイド板15・15が固着されている。このガイド板15・15は、そのガイド板15・15に沿わせて育苗器5を受け板13上に載せると各プラグ6…の孔6c…の位置が各苗押出しピン12…の位置に合うよう位置決めするとともに、育苗器押下げ板16を押し下げるとき押当て棒16b…が各プラグ開口部6a…の連結部に当たるように位置決めするようになっている。
【0012】
前記苗抜取り具10を用いて育苗器5からプラグ苗を抜き取るには、まず、育苗器5をガイド板15・15に沿わせて位置決めして受け板13上に載せる。次に、育苗器押下げ板16をガイド板15・15に沿わせて位置決めして育苗器5上に載せる。そして、把持部16a・16aをそれぞれ手でつかんで育苗器押下げ板16をスプリング14の押し上げに抗して押し下げる。すると、育苗器5が受け板13とともに押し下げられるとともに、押出しピン12…が各プラグ6…の孔6c…に嵌入してプラグ6内の苗を押し上げる(図6(b))。このようにして、苗が押し出されたら、育苗器押下げ板16の押し下げを止めると、スプリング14により、育苗器5が受け板13とともに押し上げられる。そして、育苗器押下げ板16を取り外せば、それで苗抜取り操作が終了する。尚、この苗抜取り具10は、受け板13とスプリング14が設けられていることにより、苗抜取り操作が終わった状態において、押出しピン12…の各プラグ6…の孔6c…への嵌入状態がほぼ外れかけた状態になっているから、受け板13上の育苗器5を取り出すのが容易である。尚、従来は、苗抜取り操作が終わった状態において、押出しピン12…が各プラグ6…の孔6c…へ深く嵌入した状態となっていたので、その状態から育苗器5を取り出すのは容易ではなく、また、その際に苗を痛めたり、育苗器を痛めたりすることもあった。
【0013】
【発明の作用効果】
この発明は、合成樹脂板をプレス加工して育苗器を成形するので、繊維材から成形したものと比べて、プラグの内壁面が滑らかで苗を抜き取りやすい。しかも、成形されたプラグ2…の内壁面は摩擦係数を小さくする塗布剤Cでコーティングされているので、プラグの内壁面が高度に滑らかな育苗器を形成できて、根の損傷が苗に大きなダメージを与えるような脆弱な苗であっても迅速且つ良好に苗を抜き取ることができ、また、摩擦係数の小さい高価な板材を採用してプレス成形するよりも育苗器を安価に製造でき、なお且つ、安価な合成樹脂板を用いながらもプラグの内壁面が格段に滑らかなものとなるよう成形できる。そして、成形前の前記可とう性合成樹脂の薄板Sの片面のみを前記塗布剤Cでコーティングし、その後、該薄板Sをコーティングされた片側面が雄型3a側になるようにして 雄型3aと雌型3bの間に挾んで成形後のプラグ2…の内壁面側がコーティング面となるようにプレス成形するので、成形後に塗布剤をプラグ内壁面にスプレーしたりハケ塗りして塗布するよりも、容易且つ均質にプラグ内壁面を塗布剤Cでコーティングできる。更に、プラグの内壁面側となる薄板Sの片面のみを塗布剤Cでコーティングするので、育苗器を一層安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の育苗器で、(a)は平面図、(b)は正面図。
【図2】図1の育苗器のプラグ部で、(a)は平面図、(b)は側方断面図。
【図3】図1の育苗器の一成型法を示す部分側方断面図。
【図4】図1の育苗器での育苗状態を示す部分側方断面図。
【図5】苗抜取り具で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図。
【図6】図5の苗抜取り具の使用状態を示し、(a)は斜視図、(b)は部分側方断面図。
【符号の説明】
1:育苗器
2:プラグ
2a:プラグの開口部
2b:プラグの底部
C:塗布剤
【産業上の利用分野】
この発明は、育苗中、稲や野菜などの苗を一株単位で収容する一般にプラグと呼ばれる苗収容部を有する育苗器の製造方法に関する。なお、その育苗器で育生された苗は、一般に、プラグ苗と呼ばれる。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開昭55−100号公報、特開昭56−92714号公報に開示されているように、左右前後に配列した複数のプラグの開口部側が連結し底部側が独立した合成樹脂製の育苗器があった。また、実開平2−46540号公報に開示されているように、合成樹脂の単板を素材として一体成形した育苗器もあった。更に、実開昭55−178357号公報に開示されているように、合成樹脂の繊維材と天然パルプを含有し、合成樹脂の繊維材を互いに融着させて成形した育苗器について、成形後にラテックス等の粘結被覆剤を内壁面に塗布して、苗を取り出し易くしたものもあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、合成樹脂の板体から成形した育苗器は、合成樹脂等の繊維材から成形したものと比べて、プラグの内壁面が滑らかで苗を抜き取りやすい。しかし、合成樹脂の板体から成形した育苗器は、そのように元来プラグの内壁面が滑らかなものであるので、それ以上に滑らかなものとすることはなかった。しかしながら、根の損傷が苗に大きなダメージを与えその後の苗の生育を遅れさせてしまうような脆弱な苗もあり、このような苗では、合成樹脂の板体から成形した育苗器を用いていても、プラグから苗を抜き取るときの摩擦によりプラグの内壁面まで伸びた根が痛んでしまうことがある。そこで、本発明は、合成樹脂の板体から成形した育苗器にあって、苗を抜き取りやすく且つ安価に製造できるようにすることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための方法】
上記の課題を解決するために、この発明は、苗を一株単位で収容するプラグ2…を有する育苗器を、可とう性合成樹脂の薄板Sをプレス加工して成形し、且つ、成形されたプラグ2…の内壁面は摩擦係数を小さくする塗布剤Cでコーティングされているように製造する育苗器の製造方法であって、成形前の前記可とう性合成樹脂の薄板Sの片面のみを前記塗布剤Cでコーティングし、その後、該薄板Sをコーティングされた片側面が雄型3a側になるようにして雄型3aと雌型3bの間に挾んで成形後のプラグ2…の内壁面側がコーティング面となるようにプレス成形することを特徴とする育苗器の製造方法とした。
【0005】
【実施例】
以下に、本発明の一実施例を図面に基づき詳細に説明する。この発明の一実施例を図面に基いて詳細に説明する。1は育苗器で、左右前後に複数のプラグ2…が配列し、その各プラグ2…の開口部2a…側が連結し、底部2b…側が独立した形態に成形されている。この育苗器1の外周縁は平面視で長方形で、その大きさは縦横300mm×600mmとなっている(図1)。
【0006】
育苗器1の各プラグ2…は、開口部2a…及び底部2b…の平面視形状が角を丸くした四角形、側面視形状が上辺より下辺が短い台形になっている。大きさは、開口部2a…が縦横31.5mm×31.5mm(平面視)で、底部2b…が縦横18mm×18mm(平面視)、上下の高さが40mm(側面視)となっている。また、各プラグ2…の育苗器長手方向のピッチが36.7mmで、短手方向のピッチが35.9mmとなっていて、縦方向16個×横方向8個で合計128個のプラグ2…が左右前後に配列している。底部2b…は、口径12mmの丸孔2c…が設けられている。尚、プラグ2…は丸筒状でもよく、上記実施例の形状や大きさに限定されない。また、底部2b…の孔2c…も角孔形状や亀裂の形態になっていてもよい(図1、図2)。
【0007】
この育苗器1の成型は、ポリスチレンなどの可とう性合成樹脂の薄板S(この実施例では板厚が0.6mm)を、雄型3aと雌型3bの間に挾んでプレスして一体的に成型する。プレス時には雌型3bの各プラグ型の底部に設けられた吸引孔3b’…から吸気される。前記可とう性合成樹脂の薄板Sは片面は、シリンコン等の塗布剤Cでコーティングされ、そのコーティグされた面は摩擦係数が小さくなって滑りやすくなっている。プレス成型時に雄型3aと雌型3bの間に前記可とう性合成樹脂の薄板Sを挾むときは、薄板Sのコーティング面が雄型3a側になるようにし、成形された育苗器1の各プラグ2…の内面側が前記塗布剤Cのコーティング面となるようにする(図3)。
【0008】
以上のように構成された育苗器1を使用して育苗するには、まず、床土4を各プラグ2…内に詰める。次に、種子を各プラグ2…内に蒔く。そして、各プラグ2…の開口部2a…の上端部位置まで床土4で覆土する。このようにして苗床が形成されたら、適当な温度管理のもと、適時必要に応じて灌水を行って育苗する。育苗されたプラグ苗Nは、育苗器1の各プラグ2…からプラグ苗Nを抜き取って移植する(図4)。
【0009】
育生されたプラグ苗Nを移植するために、この育苗器1の各プラグ2…からプラグ苗Nを抜き取るときは、各プラグ2…の内面側が前記塗布剤Cでコーティングされて摩擦係数が小さくなって滑りやすくなっているから、苗の茎部を持って上方に引いてプラグから苗を容易に抜き取ることができる。よって、プラグから苗を抜き取るために従来のような苗を押出す用具を別に必要としないから経済的であり、また移植時における作業能率の向上をも図るものとなる。
【0010】
尚、プラグから苗を容易に抜き取れるように、各プラグの内面側を滑りやすくするため、育苗器の材質そのものを、例えばフッ素樹脂等の摩擦係数の小さいものを用いて成型することが考えられる。しかし、そのような材質の合成樹脂板は一般に高価であり、コストアップにつながる問題が生じる。この点において、前記育苗器1は、安価な材質の合成樹脂板に片面のみその面の摩擦係数の小さくする塗布剤Cをコーティングするので、育苗器1のコストアップもほとんど問題にならない。
【0011】
ところで、図5、図6は、一般の合成樹脂製の育苗器5で育成されたプラグ苗を抜き取るための苗抜取り具である。この苗抜取り具10は、底板部11の上面に、育苗器5の各プラグ6…の底部6bの孔6c…のピッチに合わせて苗押出しピン12…が直立に固着されている。そして、その上側に、孔13a…に苗押出しピン12…を挿通させた状態で受け板13が上下動可能に装着されている。また、受け板13と底板部11の間にはスプリング14…を介装させている。16は、育苗器押下げ板で、上面に把持部16a・16aが固着されていて、その押下げ板16を押し下げるときに、そこを両手でつかむようになっている。また、下面に育苗器5の各プラグ開口部6a…の連結部を上から押し当てる押当て棒16b…が複数本設けられている。更に、底板部11の隣合う2つのコーナー部にはガイド板15・15が固着されている。このガイド板15・15は、そのガイド板15・15に沿わせて育苗器5を受け板13上に載せると各プラグ6…の孔6c…の位置が各苗押出しピン12…の位置に合うよう位置決めするとともに、育苗器押下げ板16を押し下げるとき押当て棒16b…が各プラグ開口部6a…の連結部に当たるように位置決めするようになっている。
【0012】
前記苗抜取り具10を用いて育苗器5からプラグ苗を抜き取るには、まず、育苗器5をガイド板15・15に沿わせて位置決めして受け板13上に載せる。次に、育苗器押下げ板16をガイド板15・15に沿わせて位置決めして育苗器5上に載せる。そして、把持部16a・16aをそれぞれ手でつかんで育苗器押下げ板16をスプリング14の押し上げに抗して押し下げる。すると、育苗器5が受け板13とともに押し下げられるとともに、押出しピン12…が各プラグ6…の孔6c…に嵌入してプラグ6内の苗を押し上げる(図6(b))。このようにして、苗が押し出されたら、育苗器押下げ板16の押し下げを止めると、スプリング14により、育苗器5が受け板13とともに押し上げられる。そして、育苗器押下げ板16を取り外せば、それで苗抜取り操作が終了する。尚、この苗抜取り具10は、受け板13とスプリング14が設けられていることにより、苗抜取り操作が終わった状態において、押出しピン12…の各プラグ6…の孔6c…への嵌入状態がほぼ外れかけた状態になっているから、受け板13上の育苗器5を取り出すのが容易である。尚、従来は、苗抜取り操作が終わった状態において、押出しピン12…が各プラグ6…の孔6c…へ深く嵌入した状態となっていたので、その状態から育苗器5を取り出すのは容易ではなく、また、その際に苗を痛めたり、育苗器を痛めたりすることもあった。
【0013】
【発明の作用効果】
この発明は、合成樹脂板をプレス加工して育苗器を成形するので、繊維材から成形したものと比べて、プラグの内壁面が滑らかで苗を抜き取りやすい。しかも、成形されたプラグ2…の内壁面は摩擦係数を小さくする塗布剤Cでコーティングされているので、プラグの内壁面が高度に滑らかな育苗器を形成できて、根の損傷が苗に大きなダメージを与えるような脆弱な苗であっても迅速且つ良好に苗を抜き取ることができ、また、摩擦係数の小さい高価な板材を採用してプレス成形するよりも育苗器を安価に製造でき、なお且つ、安価な合成樹脂板を用いながらもプラグの内壁面が格段に滑らかなものとなるよう成形できる。そして、成形前の前記可とう性合成樹脂の薄板Sの片面のみを前記塗布剤Cでコーティングし、その後、該薄板Sをコーティングされた片側面が雄型3a側になるようにして 雄型3aと雌型3bの間に挾んで成形後のプラグ2…の内壁面側がコーティング面となるようにプレス成形するので、成形後に塗布剤をプラグ内壁面にスプレーしたりハケ塗りして塗布するよりも、容易且つ均質にプラグ内壁面を塗布剤Cでコーティングできる。更に、プラグの内壁面側となる薄板Sの片面のみを塗布剤Cでコーティングするので、育苗器を一層安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の育苗器で、(a)は平面図、(b)は正面図。
【図2】図1の育苗器のプラグ部で、(a)は平面図、(b)は側方断面図。
【図3】図1の育苗器の一成型法を示す部分側方断面図。
【図4】図1の育苗器での育苗状態を示す部分側方断面図。
【図5】苗抜取り具で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図。
【図6】図5の苗抜取り具の使用状態を示し、(a)は斜視図、(b)は部分側方断面図。
【符号の説明】
1:育苗器
2:プラグ
2a:プラグの開口部
2b:プラグの底部
C:塗布剤
Claims (1)
- 苗を一株単位で収容するプラグ2…を有する育苗器を、可とう性合成樹脂の薄板Sをプレス加工して成形し、且つ、成形されたプラグ2…の内壁面は摩擦係数を小さくする塗布剤Cでコーティングされているように製造する育苗器の製造方法であって、成形前の前記可とう性合成樹脂の薄板Sの片面のみを前記塗布剤Cでコーティングし、その後、該薄板Sをコーティングされた片側面が雄型3a側になるようにして雄型3aと雌型3bの間に挾んで成形後のプラグ2…の内壁面側がコーティング面となるようにプレス成形することを特徴とする育苗器の製造方法。
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JP03684893A JP3795927B2 (ja) | 1993-02-25 | 1993-02-25 | 育苗器の製造方法 |
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JP03684893A JP3795927B2 (ja) | 1993-02-25 | 1993-02-25 | 育苗器の製造方法 |
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JPH06245652A JPH06245652A (ja) | 1994-09-06 |
JP3795927B2 true JP3795927B2 (ja) | 2006-07-12 |
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ID=12481188
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JP03684893A Expired - Fee Related JP3795927B2 (ja) | 1993-02-25 | 1993-02-25 | 育苗器の製造方法 |
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1993
- 1993-02-25 JP JP03684893A patent/JP3795927B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06245652A (ja) | 1994-09-06 |
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