JP4724995B2 - 苗取出方法及び苗トレイ押付具 - Google Patents

苗取出方法及び苗トレイ押付具 Download PDF

Info

Publication number
JP4724995B2
JP4724995B2 JP2001301427A JP2001301427A JP4724995B2 JP 4724995 B2 JP4724995 B2 JP 4724995B2 JP 2001301427 A JP2001301427 A JP 2001301427A JP 2001301427 A JP2001301427 A JP 2001301427A JP 4724995 B2 JP4724995 B2 JP 4724995B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seedling
tray
seedling tray
seedlings
pressing tool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001301427A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003102283A (ja
Inventor
賢治 吉成
内田  哲也
川嶋  桂
石田  伊佐男
竹本  雅浩
木下  栄一郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iseki and Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Iseki and Co Ltd filed Critical Iseki and Co Ltd
Priority to JP2001301427A priority Critical patent/JP4724995B2/ja
Publication of JP2003102283A publication Critical patent/JP2003102283A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4724995B2 publication Critical patent/JP4724995B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、苗を一株毎に収容する育苗ポットを縦横に複数設ける苗トレイから苗を取り出す苗取出方法並びに苗押出具側に苗トレイを押し付ける苗トレイ押付具の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、苗を一株毎に収容する育苗ポットを縦横に複数設ける苗トレイから苗を取り出すにあたり、苗押出具に備える複数の苗押出ピンを苗トレイの下方で苗トレイの複数の育苗ポットの底孔にそれぞれ対応する位置に配置し、苗トレイ押付具を苗トレイの上方から該苗トレイに接触させて苗トレイ押付具により苗トレイを苗押出具側に押し付け、苗押出具により育苗ポット内の苗を押し出して取り出す苗取出方法が知られている。この苗取出方法は、苗トレイ押付具による一回の苗トレイの押付操作により苗トレイの全域にわたって押付作用を受け、苗トレイの苗を一度に取り出すものであった。
【0003】
従って、前記苗トレイ押付具は、苗トレイの全域にわたって押付作用を与えるべく、苗トレイとの接触部を平面視で苗トレイの外周の複数箇所に接触するように複数設け、平面視で苗トレイと略同じ大きさのものであった。
また、前記苗押出具は、該苗押出具に備える複数の苗押出ピンの上端が互いに同じ高さとなるように、同じ長さの複数の苗押出ピンを基板に固着したものであった。
【0004】
また、前記苗トレイは、底面が単純な平面状もしくは一般的なセルトレイ等のように複数の育苗ポット部分が下方に突出した形状になっており、その底面に備える育苗ポットの底孔を通過する溝のようなものはなかった。
【0005】
【この発明が解決しようとする課題】
上記従来の苗取出方法によると、苗トレイ押付具による一回の苗トレイの押付操作により苗トレイの全域にわたって押付作用を与えなければならないので、その押付力を要すると共に苗トレイの全域にむらなく押付作用を与えるのが困難であり、苗取出作業を困難なものとするおそれがある。また、苗トレイの全域にわたって所望の押付作用が得られないと、苗トレイ押付具の押付により苗トレイに育苗ポットから取り出された苗と取り出されなかった苗とが混在し、その後の苗処理も面倒なものとなるおそれがある。
【0006】
また、苗押出具に備える複数の苗押出ピンを苗トレイの下方で苗トレイの複数の育苗ポットの底孔にそれぞれ対応する位置に配置するべく、苗押出具と苗トレイとの位置合わせをする必要があるが、このとき、苗押出具の複数の苗押出ピンの上端と苗トレイの複数の育苗ポットの底孔との位置関係を基準として位置合わせをしなければならないので、この位置合わせが難しく、苗取出作業を困難なものとするおそれがある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決し、苗取出作業の容易化を図るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決すべく、次の技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に係る発明は、苗を一株毎に収容する育苗ポット(4)を縦横に複数設ける苗トレイ(1,21)から苗を取り出すにあたり、苗押出具(2)に備える複数の苗押出ピン(9)を苗トレイ(1,21)の下方で苗トレイ(1,21)の複数の育苗ポット(4)の底孔(7)にそれぞれ対応する位置に配置し、苗トレイ押付具(3)を所定の横方向において育苗ポット(4)とは異なる位置で苗トレイ(1,21)の上方から該苗トレイ(1,21)に接触させて苗トレイ押付具(3)により苗トレイ(1,21)を苗押出具(2)側に押し付け、苗押出具(2)により育苗ポット(4)内の苗を押し出して取り出す苗取出方法において、適宜苗トレイ押付具(3)縦方向に移動させて苗トレイ(1,21)との接触位置を変更して苗トレイ押付具(3)により苗トレイ(1,21)を複数回に分けて押し付け、苗トレイ(1,21)から苗を取り出すことを特徴とする苗取出方法とした。
【0009】
従って、苗押出具に備える複数の苗押出ピンを苗トレイの下方で苗トレイの複数の育苗ポットの底孔にそれぞれ対応する位置に位置合わせをし、苗トレイ押付具により上方から苗トレイを押し付けると、押付力が不足していたり押付作用にむらが生じたりしても苗トレイの少なくとも一部に所望の押付作用を与えることにより、少なくとも一部の育苗ポット内の苗が苗押出具により苗トレイの上側から押し出されて取り出される。そして、苗トレイ押付具の押付をしても苗トレイ上の全ての苗が取り出されないときは、取り出されていない苗の近くに苗トレイ押付具を横移動させて苗トレイとの接触位置を変更し、苗トレイ押付具により上方から少なくとも取り出されていない苗の近くの苗トレイ部分を押し付けることにより、苗トレイから前記取り出されていない苗を苗押出具により押し出して取り出す。未だ苗トレイ上の全ての苗が取り出されないときは、適宜、苗トレイ押付具を横移動させて苗トレイ押付具による押付を繰り返し、苗トレイ上の全ての苗を取り出す。尚、苗トレイ押付具を所定の横方向において育苗ポットとは異なる位置で苗トレイに接触させることにより、苗トレイ押付具を縦方向に移動させて苗トレイとの接触位置をどの位置に変更しても、育苗ポットと苗トレイ押付具の苗トレイとの接触部とが平面視で重複しないので、育苗ポット内の苗に前記接触部が干渉して育苗ポット内の苗を該接触部で損傷させるようなことがなく、苗トレイ押付具の移動位置を気にせずに苗トレイ押付具による押付を行うことができる。また、苗トレイ押付具を所定の横方向において育苗ポットとは異なる位置で苗トレイに接触させることにより、苗トレイ押付具を苗トレイに接触させて押付を行った後に苗トレイに接触させたままで苗トレイ押付具を移動させても、育苗ポット内の苗と苗トレイ押付具とが干渉しないようにでき、苗トレイ押付具により押付を行った後一旦苗トレイ押付具を持ち上げて苗トレイから離して移動させる必要がない。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、苗を一株毎に収容する育苗ポット(4)を縦横に複数設ける苗トレイ(1,21)から苗を取り出すにあたり、苗トレイ(1,21)の下方で苗トレイ(1,21)の複数の育苗ポット(4)の底孔(7)にそれぞれ対応する位置に配置する複数の苗押出ピン(9)を備える苗押出具(2)側に苗トレイ(1,21)を押し付けるべく苗トレイ(1,21)へ上方から接触させる苗トレイ押付具において、苗トレイ(1,21)との接触部を所定の横方向において育苗ポット(4)とは異なる位置に配置すると共に、前記接触部を苗トレイ(1,21)に接触させた状態で縦方向に移動可能に設けたことを特徴とする苗トレイ押付具とした。
【0011】
従って、苗トレイ押付具により上方から苗トレイを押し付けると、押付力が不足していたり押付作用にむらが生じたりしても苗トレイの少なくとも一部に所望の押付作用を与えることにより、少なくとも一部の育苗ポット内の苗が苗押出具により苗トレイの上側から押し出されて取り出される。そして、苗トレイ押付具の押付をしても苗トレイ上の全ての苗が取り出されないときは、取り出されていない苗の近くに苗トレイ押付具を横移動させて苗トレイとの接触位置を変更し、苗トレイ押付具により上方から少なくとも取り出されていない苗の近くの苗トレイ部分を押し付けることにより、苗トレイから前記取り出されていない苗を苗押出具により押し出して取り出す。未だ苗トレイ上の全ての苗が取り出されないときは、適宜、苗トレイ押付具を横移動させて苗トレイ押付具による押付を繰り返し、苗トレイ上の全ての苗を取り出す。尚、苗トレイ押付具の苗トレイとの接触部を所定の横方向において育苗ポットとは異なる位置に配置した構成とすることにより、苗トレイ押付具を縦方向に移動させて苗トレイとの接触位置をどの位置に変更しても、育苗ポットと苗トレイ押付具の苗トレイとの接触部とが平面視で重複しないので、育苗ポット内の苗に前記接触部が干渉して育苗ポット内の苗を該接触部で損傷させるようなことがなく、苗トレイ押付具の移動位置を気にせずに苗トレイ押付具による押付を行うことができる。また、苗トレイ押付具の前記接触部を苗トレイに接触させた状態で縦方向に移動可能に設けたことにより、苗トレイ押付具を苗トレイに接触させて押付を行った後に苗トレイに接触させたままで苗トレイ押付具を移動させても、育苗ポット内の苗と苗トレイ押付具とが干渉しないようにでき、苗トレイ押付具により押付を行った後一旦苗トレイ押付具を持ち上げて苗トレイから離して移動させる必要がない。
【0012】
また、請求項3に係る発明は、苗を一株毎に収容する育苗ポット(4)を縦横に複数設ける苗トレイ(1,21)から苗を取り出すにあたり、育苗ポット(4)の底孔(7)から苗を押し出すべく苗トレイ(1,21)の下方で苗トレイ(1,21)の複数の育苗ポット(4)の底孔(7)にそれぞれ対応する位置に配置する複数の苗押出ピン(9)を備え苗トレイ(1,21)の端部の少なくとも1個の育苗ポット(4)の底孔に対応する苗押出ピン(9a)の上端を他の苗押出ピンの上端よりも高位に設け苗押出具(2)を使用して苗トレイ(1,21)から苗を取り出すことを特徴とする請求項1に記載の苗取出方法とした。
【0013】
従って、苗押出具に備える複数の苗押出ピンを苗トレイの下方で苗トレイの複数の育苗ポットの底孔にそれぞれ対応する位置に位置合わせをし、それぞれの苗押出ピンを底孔を介して育苗ポット内に突入させると、苗トレイの上側から育苗ポット内の苗が苗押出具の苗押出ピンにより押し出されて取り出される。尚、苗押出具の苗押出ピンと苗トレイの育苗ポットの底孔との位置合わせをするとき、苗トレイの端部の育苗ポットの底孔とそれに対応する苗押出ピンとの位置合わせをすることにより、それを基準にして他の育苗ポットの底孔とそれに対応する苗押出ピンとの位置を合わせることができる。尚、苗トレイの端部の育苗ポットの底孔に対応する苗押出ピンの上端を他の苗押出ピンの上端よりも高位に設けているので、苗トレイの端部の育苗ポットの底孔とそれに対応する苗押出ピンとが接近して両者の位置合わせが行い易い。
【0014】
また、請求項4に係る発明は、苗を一株毎に収容する育苗ポット(4)を縦横に複数設け横一列の育苗ポット(4)の底孔(7)をつなぐ溝(8)を底面に設け苗トレイ(1)から苗を取り出すことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の苗取出方法とした。
従って、前記苗トレイの苗を取り出すときには、苗押出具に備える複数の苗押出ピンを苗トレイの下方で苗トレイの複数の育苗ポットの底孔にそれぞれ対応する位置に位置合わせをし、それぞれの苗押出ピンを底孔を介して育苗ポット内に突入させると、苗トレイの上側から育苗ポット内の苗が苗押出具の苗押出ピンにより押し出されて取り出される。尚、苗押出具の苗押出ピンと苗トレイの育苗ポットの底孔との位置合わせをするとき、先ず苗トレイの横一列の育苗ポットの底孔をつなぐ溝に苗押出具の横一列の苗押出ピンの先端を挿入し、前記溝に沿って苗トレイと苗押出具とを相対的に移動させることにより前記位置合わせをすることができるので、この位置合わせを容易に行うことができる。
【0015】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によると、適宜苗トレイ押付具を横移動させて苗トレイ押付具により複数回に分けて苗トレイから苗を取り出すことができるので、苗トレイ押付具により苗トレイの全域に押付作用を確実に与える必要がないため、苗トレイ押付具を小さい押付力で押し付けることにより苗の取出を行え、更に苗トレイから部分的に確実に苗を取り出すことができ、苗取出作業を容易に行える。また、苗トレイ押付具を移動させて苗トレイとの接触位置をどの位置に変更しても、育苗ポット内の苗に苗トレイ押付具の苗トレイとの接触部が干渉して育苗ポット内の苗を該接触部で損傷させるようなことがなく、苗トレイ押付具の移動位置を気にせずに苗トレイ押付具による押付を行うことができるので、苗取出作業を容易に行える。また、苗トレイ押付具を移動させるとき、苗トレイ押付具により押付を行った後一旦苗トレイ押付具を持ち上げて苗トレイから離して移動させる必要がないので、苗トレイ押付具を移動させる作業が簡単になり、苗取出作業を容易に行える。
【0016】
請求項2に係る発明によると、前記した請求項1に係る発明と同様の効果を得ることができる。
請求項3に係る発明によると、請求項1に係る発明の効果に加えて、苗トレイの端部の育苗ポットの底孔とそれに対応する苗押出ピンとの位置合わせを基準にして他の育苗ポットの底孔とそれに対応する苗押出ピンとの位置を合わせることができるので、苗押出具の苗押出ピンと苗トレイの育苗ポットの底孔との位置合わせを容易に行うことができ、苗取出作業を容易に行える。また、苗トレイの端部の育苗ポットの底孔に対応する苗押出ピンの上端を他の苗押出ピンの上端よりも高位に設けているので、苗トレイの端部の育苗ポットの底孔とそれに対応する苗押出ピンとが接近して両者の位置合わせが行い易く、苗押出具の苗押出ピンと苗トレイの育苗ポットの底孔との位置合わせを容易に行うことができ、苗取出作業を容易に行える。
【0017】
請求項4に係る発明によると、請求項1又は請求項3に係る発明の効果に加えて、苗押出具の苗押出ピンと苗トレイの育苗ポットの底孔との位置合わせをするとき、先ず苗トレイの横一列の育苗ポットの底孔をつなぐ溝に苗押出具の横一列の苗押出ピンの先端を挿入し、前記溝に沿って苗トレイと苗押出具とを相対的に移動させることにより前記位置合わせをすることができるので、この位置合わせを容易に行うことができ、苗取出作業を容易に行える。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図5は、苗トレイ1、苗押出具2及び苗トレイ押付具3を示すものである。苗トレイ1は、苗を一株毎に収容する育苗ポット4を縦方向に8列、横方向に16列、すなわち計128個設けた構成となっている。苗トレイ1は、上下の厚みが薄い直方体の発泡スチロ−ル等の発泡樹脂で構成されている。育苗ポット4は、苗の床部が収容される主要部5と該主要部5の側面に設けた上下方向の計4本の溝部6と下端に設けた底孔部7とを備えて構成されている。前記主要部5は、平面視で円形状であり、上下方向で苗トレイ1の上端から苗トレイ1の下端より若干上側の位置まで設けられ、下方へいくにつれて内径が小さくなるように側面が若干の傾斜面で構成されている。前記計4本の溝部6は、平面視で等間隔(主要部の中心に対して90度毎)に設けられ、主要部5の下端で育苗ポット4の内側方に向けて屈曲して前記底孔部7に連通した構成となっている。底孔部7は、平面視及び底面視で主要部5より内径が小さい円形状となっている。苗トレイ1の底面には、育苗ポット4の底孔部7を縦方向につなぐように計8列の案内溝8を設けている。尚、この案内溝8は、育苗ポット4の底孔部7の内径より若干小さい幅で構成されている。この苗トレイ1により苗を育苗するとき、先ず育苗ポット4の主要部5に床土を供給し、播種し、更にその上方に覆土して、適宜灌水して育苗する。このとき、育苗ポット4の計4本の溝部6は、平面視における育苗ポット4の外周方向(円周方向)の幅が狭いため、床土や覆土が供給されず、空洞となる。これにより、苗の床土部の側面及び下面に大気に開放した部分ができるため、エア−プル−ニング効果が生じて平面視における育苗ポット4の外周に沿って巻くように苗の根が伸長するのを防止でき(根巻きを防止でき)、その結果、苗の根が床土部全体に伸長するようになって根が絡み合い、崩れにくい強固な床土部を得ることができる。苗の床土部が強固であると、後述する苗押出具2により苗を押し出すときに、床土部が崩れてしまい、苗の押出を正確に且つ良好に行えないばかりでなく、以後の苗の成育が不良となるおそれがある。
【0019】
苗押出具2は、上下方向の苗押出ピン9を苗トレイ1の育苗ポット4の位置に対応するように縦方向に8列、横方向に16列、すなわち計128個設けた構成となっており、該苗押出ピン9の下端を固着する基板10により一体で構成されている。この苗押出ピン9を苗トレイ1の育苗ポット4の底孔部7から該育苗ポット4内へ一斉に突入させることにより、育苗ポット4内の苗を育苗ポット4の上端の開口部11から抜き取るようになっている。尚、苗押出ピン9の径は、苗トレイ1の育苗ポット4の底孔部7の内径より若干小さくて苗トレイ1の底面の案内溝8の幅と同じ程度に設定されている。計128個の苗押出ピン9のうち、縦方向の端部の横方向の一列(計8個)の苗押出ピン9aは、残りの120個の苗押出ピンよりも10mm程度長く、その上端が残りの苗押出ピンよりも10mm程度高くなっている。前記残りの苗押出ピンは、図7に示すように、苗トレイ1の育苗ポット4内に完全に突入させた状態で上端が育苗ポット4の上端付近に位置する程度すなわち育苗ポット4の深さと同じ程度の長さに設定されている。苗押出ピン9の上端面は、緩やかな曲面形状に構成されている。
【0020】
苗トレイ押付具3は、左右のL字型の押付プレ−ト12と該押付プレ−ト12に固着する左右それぞれ2本の上下方向のフレ−ム部13と該左右のフレ−ム部13をその上端でつなぐ2本の把持部14とを備えて一体で構成されている。押付プレ−ト12の縦方向の両端には、該プレ−ト12を外側に屈曲して構成した誘導部12aを設けている。左右の押付プレ−ト12の間隔は苗トレイ1の横方向の幅と同一になっており、この左右の押付プレ−ト12が苗トレイ1の横方向の両端の上面及び側面に接触して苗トレイ1を押し付けるようになっている。尚、左右の押付プレ−ト12を苗トレイ1の横方向の両端に接触させたとき、接触する苗トレイ1の上面の接触域の横方向の幅が苗トレイ1の縦方向の育苗ポット列の育苗ポットの上端の開口部11に達しないように押付プレ−ト12を幅を狭く構成し、押付プレ−ト12の苗トレイ1との接触部を横方向において育苗ポット4とは異なる位置に配置した構成となっている。また、苗トレイ押付具3の押付プレ−ト12の縦方向の長さは、苗トレイ1の縦方向の長さより短く、苗トレイ1の縦方向の長さの3分の1より若干長い構成となっている。
【0021】
苗トレイ1から育苗された苗を取り出すときには、作業テ−ブル上等に苗押出具2を置き、苗押出具2の縦方向の端部の横方向の一列(計8個)の苗押出ピン9aと苗トレイ1の縦方向の端部の横方向の一列(計8個)の育苗ポット4との位置が合うように、苗押出具2の上方に苗トレイ1を載せる。これにより、苗押出具2及び苗トレイ1における縦方向の端部の横方向の一列(計8個)の苗押出ピン9aと育苗ポット4との位置を基準にして、他の育苗ポット4の底孔7とそれに対応する苗押出ピン9との位置を合わせることができる。このとき、苗トレイ1の底面の案内溝8に苗押出具2の苗押出ピン9の上端を挿入させ、案内溝8に沿って苗トレイ1を縦方向に移動することにより、苗トレイ1と苗押出具2との位置合わせを容易に行うことができる。そして、苗トレイ押付具3を苗トレイ1の側方から挿入するように縦方向に移動させて苗トレイ1の上方に載せ、作業者が左右それぞれの手で苗トレイ押付具3の2本の把持部14を把持して上方から体重をかけて該苗トレイ押付具3を下方に押し付ける。すると、縦方向において苗トレイ1の苗トレイ押付具3に接触する部分が下方の苗押出具2側に確実に押し付けられ、前記苗トレイ1の苗トレイ押付具3に接触する部分の育苗ポット4に対応する苗押出ピン9が確実に該育苗ポット4内に底孔部7から突入し、苗押出ピン9により苗を育苗ポット4の開口部11から押し出して取り出す。そして、苗トレイ押付具3の押付をしても苗トレイ1上の全ての苗が取り出されないときは、前回押し付けた部分とは別の苗トレイ1の部分に、すなわち取り出されていない苗の近くに苗トレイ押付具3を苗トレイ1に接触させたままで縦方向に移動して苗トレイ1との接触位置を変更し、苗トレイ押付具3を上方から押し付けて少なくとも取り出されていない苗の近くの苗トレイ部分を押し付けることにより、苗トレイ1から前記取り出されていない苗を苗押出具2により押し出して取り出し、前述と同様に苗の取出作業を行う。未だ苗トレイ1上の全ての苗が取り出されないときは、適宜、苗トレイ押付具3を苗トレイ1に接触させたままで縦方向に移動して苗トレイ押付具3による押付を繰り返し、苗トレイ1上の全ての苗を取り出す。尚、先ずは苗トレイ押付具3を苗トレイ1の縦方向の端部に位置させて苗の取出作業を行い、以下苗の取出作業を行った部分に隣接する苗トレイ1の部分へ苗トレイ押付具3を移動させて苗の取出作業を行うようにして、苗トレイ1の端部から順に苗の取出作業を行っていくのが好ましい。そのように苗の取出作業をすると、苗トレイ押付具3の押付プレ−ト12の縦方向の長さが苗トレイの縦方向の長さの約3分の1であるので、苗トレイ押付具3の押し付けを3回行うことで苗トレイ1からの苗の取出作業を確実に行うことができる。尚、取り出された苗は、作業者により、別の大きな育苗ポットに移植されて更に大きい苗に成育されたり、苗収容箱に回収し該苗収容箱を圃場へ苗を移植するための移植機に装填して移植機により圃場へ移植されたりする。
【0022】
従って、苗トレイ押付具3の押付力が不足していたり押付作用にむらが生じたりしても苗トレイ1の少なくとも一部に所望の押付作用を与えることにより、苗トレイ1の少なくとも前記一部にある育苗ポット4内の苗が苗押出具2により苗トレイ1の上側から押し出されて取り出される。尚、苗トレイ押付具3の押付プレ−ト12を横方向において育苗ポット4とは異なる位置(苗トレイ1の横方向の両端の上面及び側面)で苗トレイ1に接触させることにより、苗トレイ押付具3を前記横方向と直交する縦方向に移動させて苗トレイ1との接触位置をどの位置に変更しても、育苗ポット4と押付プレ−ト12の苗トレイ1との接触部とが平面視で重複しないので、育苗ポット4内の苗に前記接触部が干渉して育苗ポット4内の苗を該接触部で損傷させるようなことがなく、苗トレイ押付具3の移動位置を気にせずに苗トレイ押付具3による押付を行うことができる。また、押付プレ−ト12を横方向において育苗ポット4とは異なる位置で苗トレイ1に接触させることにより、苗トレイ押付具3を苗トレイ1に接触させて押付を行った後に苗トレイ1に接触させたままで苗トレイ押付具3を縦方向に移動させても、育苗ポット4内の苗と苗トレイ押付具3とが干渉せず、苗トレイ押付具3により押付を行った後一旦苗トレイ押付具3を持ち上げて苗トレイ1から離して移動させる必要がない。尚、苗トレイ1に接触させたままで苗トレイ押付具3を縦方向に移動させるとき、苗トレイ1の苗の上端より高位に苗トレイ押付具3の把持部14を設けているので、該把持部14が苗に干渉することがない。
【0023】
よって、適宜苗トレイ押付具3を移動させて苗トレイ押付具3により複数回に分けて苗トレイ1から苗を取り出すことができるので、1回の押付で苗トレイ押付具3により苗トレイ1の全域に押付作用を確実に与える必要がないため、苗トレイ押付具3を小さい押付力で押し付けることにより苗の取出を行え、更に苗トレイ1から部分的に確実に苗を取り出すことができ、苗取出作業を容易に行える。また、苗トレイ押付具3を移動させて苗トレイ1との接触位置をどの位置に変更しても、育苗ポット4内の苗に苗トレイ押付具3が干渉して育苗ポット4内の苗を損傷させるようなことがなく、苗トレイ押付具3の移動位置を気にせずに苗トレイ押付具3による押付を行うことができるので、苗取出作業を容易に行える。また、苗トレイ押付具3を移動させるとき、苗トレイ押付具3により押付を行った後一旦苗トレイ押付具3を持ち上げて苗トレイ1から離して移動させる必要がないので、苗トレイ押付具3を移動させる作業(動作)が簡単になり、苗取出作業を容易に行える。
【0024】
また、苗トレイ1の縦方向の端部の育苗ポット4の底孔7とそれに対応する苗押出ピン9aとの位置合わせを基準にして他の育苗ポット4の底孔7とそれに対応する苗押出ピン9との位置を合わせることができるので、苗押出具2の苗押出ピン9と苗トレイ1の育苗ポット4の底孔7との位置合わせにおいて作業者が上端を高位に設けた苗押出しピン9aが配置される側(苗トレイ1の縦方向の端部側)の側方から両者の位置確認を容易に行えるのであまり苗トレイ1の底側を覗き込む必要がなく、この位置合わせを容易に行うことができ、苗取出作業を容易に行える。また、苗トレイ1の縦方向の端部の育苗ポット4の底孔に対応する苗押出ピン9aの上端を他の苗押出ピンの上端よりも高位に設けているので、前記端部の育苗ポット4の底孔7とそれに対応する苗押出ピン9aとが接近して両者の位置合わせが行い易く、苗押出具2の苗押出ピン9と苗トレイ1の育苗ポット4の底孔7との位置合わせを容易に行うことができ、苗取出作業を容易に行える。
【0025】
また、苗押出具2の苗押出ピン9と苗トレイ1の育苗ポット4の底孔7との位置合わせをするとき、苗トレイ1の底面の案内溝8に苗押出具2の縦方向の端部の横一列の苗押出ピン9aの上端を挿入させ、案内溝8に沿って苗トレイ1を縦方向に移動することにより、苗トレイ1と苗押出具2との位置合わせを行うことができ、案内溝8に苗押出ピン9の上端を挿入させる苗トレイ1の横方向における苗トレイ1と苗押出具2との位置決めをし、その後、案内溝8に沿って苗トレイ1と苗押出具2とを縦方向に相対的に移動させることで前記位置合わせが行えるので、作業者があまり苗トレイ1の底側を覗き込む必要がなく、苗取出作業を容易に行える。
【0026】
尚、苗トレイ1の育苗ポット4に床土を供給した後、苗押出具2の苗押出ピン9を逆さにして苗トレイ1の上方から前記育苗ポット4内に突入させて苗押出ピン9の先端で播種穴を形成するようにし、苗押出具2を播種穴開け具と兼用してもよい。苗押出ピン9の上端面が緩やかな曲面形状に構成されているので、形成される播種穴内の土面が丸くなり、播種時に播種穴に供給された種子は播種穴の中央に案内され、平面視で育苗ポット4の中央に播種することができる。従来の苗押出具の苗押出ピンの先端は平面状であったので、苗押出具を播種穴開け具として兼用すると、播種穴の土面が平面状(水平面状)となり、播種穴に供給される種子の位置が安定せず、平面視で育苗ポットの中央に安定して播種することができずに良好に苗を成育することができないおそれがある。
【0027】
図8は、別例の苗トレイ21を示すものであり、この苗トレイ21は、ポリスチレン(PS)の樹脂製で可撓性があり、苗を一株毎に収容する育苗ポット4を縦横に複数個設けた構成となっている。育苗ポット4は、平面視で円形状であり、下方へいくにつれて内径が小さくなるように側面が若干の傾斜面で構成されており、底面に内径が小さい円形状の底孔部を設けている。複数の育苗ポット4が上端の開口部11で互いに連結され、1枚の苗トレイ21を構成している。この苗トレイ21は、可撓性があるので、苗トレイ21の屈曲した経路における搬送等の取り扱いが容易であり、苗トレイ21を苗取出装置の苗取出位置へ搬送して該苗取出装置で苗を取り出し苗植付装置により圃場に移植するまでの行程を自動的に行う全自動移植機での使用が可能となり、育苗後の移植作業の省力化を図ることができる。この苗トレイ21により、先ず育苗ポット4に床土を供給し播種し更にその上方に覆土し適宜灌水して育苗するようになっているが、覆土した後の育苗行程において、該苗トレイ21の上面に断熱カバー22を載せて育苗するようになっている。前記断熱カバー22は、発泡材の1枚のプレートで構成され、苗トレイ21の複数の育苗ポット4に対応する位置に該育苗ポット4の開口部11と同径の円形状の孔23を複数個設けている。従って、育苗ポット4から伸長する芽は、前記孔23を通って上方に伸びる。夏場の高温期の育苗においては苗が徒長しやすく安定した良苗生産が難しいが、この断熱カバー22により、断熱性のないポリスチレン(PS)の材質の苗トレイ21であっても太陽光等により苗の床土が過度に高温になるのを防止でき、苗の成育を良好に行える。また、従来、特開平8−256612号公報に示されるような苗の周辺の温度を維持するためのカバーがあるが、前述の断熱カバー22は苗トレイ21の上面に載せて育苗するようになっているので、断熱カバー22と苗トレイ21との間に空間が生じないので多大な断熱効果を得ることができる。
【0028】
尚、図9に示すように、断熱カバー22を苗トレイ21の側方も覆うように平面視における外周に垂下部22aを設けた構成とすることにより、より断熱効果を得ることができる。
尚、苗トレイ21ヘの床土の供給、播種及び覆土にあたり、図10に示すような播種機24を使用する。この播種機24は、苗トレイ21を搬送する搬送コンベア25を備えると共に、該搬送コンベア25の上側に搬送上手側から順に苗トレイ供給装置26、床土供給装置27、鎮圧ローラ28、播種装置29、種子割りローラ30、覆土装置31を備えている。尚、搬送コンベア25上においては、上方に開口する箱型のアンダ−トレイ32に苗トレイ21を載せてアンダ−トレイ32を搬送することにより苗トレイ21を搬送するようになっている。また、搬送コンベア25の終端には着脱可能な補助レール33を設けており、床土の供給、播種及び覆土作業が完了して搬送コンベア25により搬送される苗トレイ21及びアンダ−トレイ32を作業者が該補助レール33上で取り上げて回収するようになっている。尚、補助レール33には、該レール33を地面から支えるための脚部33aを設けている。播種機24にも搬送コンベア25の搬送方向における前後2か所にそれぞれ脚部24a,24bを設けており、搬送コンベア25の搬送下手側の脚部24bの下端には左右一対の移動用車輪34を設けている。播種機24を移動するときには、補助レール33を取り外し、作業者が搬送コンベア25の搬送下手側の脚部24bが地面から浮き上がるように播種機24の端部を少し持ち上げ、移動用車輪34により移動させるようになっている。搬送コンベア25は、前後に複数個配列される短冊状の載置プレ−ト25aを搬送チェ−ン(図示せず)により連結した構成となっており、該搬送チェ−ンを駆動することにより前記載置プレ−ト25aを移送し、載置プレ−ト25a上に載置された苗トレイ21及びアンダ−トレイ32を搬送する。苗トレイ供給装置26は、空の苗トレイ21を複数枚積み重ねた苗トレイ群の下側から一枚づつ搬送コンベア25上へ空の苗トレイ21を繰り出すようになっている。従って、作業者が苗トレイ供給装置26の下方の搬送コンベア25上にアンダ−トレイ32を載置することにより、該アンダ−トレイ32上に空の苗トレイ21が供給される。そして、搬送コンベア25によりアンダ−トレイ32ごと空の苗トレイ21を搬送し、床土供給装置27で苗トレイ21の育苗ポット4へ床土が供給され、鎮圧ローラ28で育苗ポット4内の床土を上方から鎮圧して播種穴を形成し、播種装置29で前記播種穴へ所定粒数づつコ−ティングされた種子を供給し、種子割りローラ30で上方から当接して播種された種子のコ−ティングを割り、覆土装置31でコ−ティングが分解された種子の上に培土を供給して覆土するようになっている。
【0029】
前記床土供給装置27の上部には床土を収容する床土ホッパ35を設けており、この床土ホッパ35への床土投入口には網状のふるい36を設けている。このふるい36により、ホッパ35に投入される床土の土塊が該ホッパ35内へ供給されないようにして、その土塊が床土供給装置27内で詰まるようなことを抑制している。これにより、床土供給装置27が苗トレイ21へ適正に床土を供給しなくなるようなことを抑えている。この播種機でたまねぎのコーティング種子を播種する場合、冬期に播種作業を行うため、特に北海道等の寒冷地であると、床土用の培土が凍結して土塊が生じやすく、その土塊が床土供給装置内で詰まるおそれがあるが、前記ふるい36により土塊が床土ホッパ35へ供給されるのを抑制できる。また、床土ホッパ35内の下部には外周面が螺旋状の土塊粉砕用ロ−ラ37を一対設け、床土を前記一対の土塊粉砕用ロ−ラ37を回転駆動しながら該ロ−ラ37間へ通過させることにより、床土内の土塊を解すようになっている。この土塊粉砕用ロ−ラ37により、仮に床土ホッパ35へ土塊が供給されてもその土塊を解して床土供給装置27内で詰まりが発生するのを抑制している。
【0030】
また、鎮圧ローラ28は、外周の突起38が育苗ポット4内に突入して播種穴を形成するようになっている。前記突起38は、前後の傾斜平面38aが交差する先端部が尖った形状になっている。これにより、育苗ポット4内の床土に形成される播種穴の土面は中央が低位の側面視で逆三角形状となり、後行程の播種装置29により播種穴へ供給されるコーティング種子が転がって播種穴の中央へ供給されやすくなり、育苗ポット4の中央へ播種することができる。従来の鎮圧ローラの突起の先端部は曲面状であったので、育苗ポット内の床土に形成される播種穴の土面は側面視で丸い曲面形状となり、後行程の播種装置により播種穴へ供給されるコーティング種子が播種穴の中央へ転がる途中でひっかかるおそれがあり、育苗ポットの中央へ播種できずに良好に苗を成育できないおそれがある。尚、突起38を先端部が尖った形状にすると土が付着しやすく播種穴の形状が適正に維持されにくいが、鎮圧ローラ28の突起38に付着する土を除去するブラシ状のスクレーパ39を設けることにより、播種穴の形状を側面視で逆三角形状に維持することができ、育苗ポット4の中央へ播種することができる。
【0031】
鎮圧ローラ28は、機枠側の上下に長い長孔40に上下位置調節可能に取り付けられており、播種穴を確認しながら該ローラ28を上下位置調節することにより適正な深さの播種穴を得ることができ、播種深さを適正に調節することができる。これにより、発芽率が安定し、良好に育苗することができる。従来の鎮圧ローラは、所定の位置に上下位置調節できないように設けられていたので、搬送コンベア等の周辺の部材の寸法誤差により播種穴の深さが不適正となって播種深さが不適正となり、発芽率が安定せず苗を良好に育苗できなくなるおそれがある。
【0032】
ところで、播種機24による播種作業から移植機により圃場へ苗を移植するまでの育苗においては、可撓性のある苗トレイ21の運搬性及び取扱性を向上させるべく、可撓性のない硬質のアンダ−トレイ32に苗トレイ21を載置した状態で育苗する。このアンダ−トレイ32は、底面部41と四方の側面部42とを有する箱型であり、前記底面部41が網目状に構成されて空隙43が広い構成となっている。この空隙43により、苗トレイ21の外周や底孔部7からこぼれる土を下方へ排出するようになっている。そして、アンダ−トレイ32の長手方向(縦方向)の端部の空隙が他の部分の空隙に対して広くなっている。詳述すると、端部の空隙を構成する孔43aが、他の部分の孔43bよりアンダ−トレイ32の長手方向(縦方向)に長くて広くなっている。これにより、苗トレイ21の外周からこぼれる土がアンダ−トレイ32と苗トレイ21との間に溜まらずに良好に排出されるのを促す。特に、播種機24の搬送コンベア25でアンダ−トレイ32と苗トレイ21との隙間sが前後方向に(アンダ−トレイの長手方向、縦方向)に生じやすく、また搬送コンベア25でアンダ−トレイ32の長手方向(縦方向)へ搬送することも要因となって、床土供給装置27や覆土装置31からの土がアンダ−トレイ32の長手方向(縦方向)の端部の苗トレイ21との隙間sに供給されやすいが、この土をスムーズに排出することができる。従来のアンダートレイは、底面部に苗トレイの底孔部と対応する位置に該底孔部と同等の大きさの孔のみであったので、アンダ−トレイと苗トレイとの隙間に土が入ると排出されにくく、その土に苗トレイの根が伸長して苗トレイあるいはアンダ−トレイと絡み、育苗ポットから苗を取り出すときに容易に苗の取出がおこなえないことがある。特に、アンダ−トレイと苗トレイとの寸法差が小さく両者が合致するような場合、一旦アンダ−トレイと苗トレイとの隙間に土が入るとその土が排出されることは極めて稀である。
【0033】
アンダ−トレイ32を用いず苗トレイ21を直接搬送コンベア25で搬送して播種作業を行うこともできる。これにより、アンダ−トレイ32と苗トレイ21とのずれを考慮する必要がないので、播種作業を簡単にすることができる。尚、播種装置29の搬送上手側には苗トレイ21が搬送されてきたことを検出して播種装置29を駆動するためのセンサ44があるが、アンダ−トレイ32を用いる場合は該センサ44によりアンダートレイ32を検出するためアンダ−トレイ32と苗トレイ21とのずれがある分、苗トレイ21に対する播種装置29の駆動タイミングがずれるおそれがある。ところが、アンダ−トレイ32を用いない場合はセンサ44により苗トレイ21を直接検出するので、播種装置29の駆動タイミングを精度良く適正にすることができる。また、苗トレイ21を直接搬送コンベア25で搬送する場合、図20に示すように搬送コンベア25の短冊状の載置プレ−ト25aの一部に上方に立ち上がる位置決め部25bを設け、この位置決め部25bに苗トレイ21の育苗ポット4を係合して苗トレイ21を搬送するようにすると、搬送コンベア25と苗トレイ21との位置ずれがなく、播種装置29の駆動タイミングをより精度良く適正にすることができる。
【0034】
たまねぎ苗の育苗においては、育苗後の苗取出作業で床土が崩れにくいように床土に用いる培土に固結剤を混合しているが、冬期に播種作業を行う場合、特に北海道等の寒冷地で行う場合、培土の凍結防止のため培土の水分が低く設定されているので、播種機での播種作業後の灌水において床土に水が浸透しにくく、固結剤による十分な培土の固結力が得られないおそれがある。そこで、灌水する水に界面活性剤(アグラー等)を添加して床土に供給するようにするとよい。これにより、床土にスムーズに水を浸透させることができ、床土の固結力を得ることができる。
【0035】
また、たまねぎ苗の床土用の培土として、ピートモスとベントナイトとの混合物に界面活性剤を添加し乾燥させた後、固結剤を混合した培土を使用してもよい。この培土は、界面活性剤を添加しているので、スムーズに水を浸透させることができる。また、ピートモスの繊維質により、床土に弾力性をもたせることができる。尚、固結剤としては、アクリル重合体等の固結力を有する化学物質を用いる。また、培土の製造過程で培土を乾燥させるので、培土が軽くなり取り扱いが容易となる。また、界面活性剤を添加し乾燥させた後、固結剤を混合するので、界面活性剤と固結剤とを混合した後に乾燥させる場合と比較して、効率良く乾燥することができ、培土の軽量化を図ることができる。従来、培土の使用直前に培土と固結剤とを加水しながら混合して得られたものを床土として供給する方法があるが、混合作業が面倒である。
【0036】
尚、図21に示すように、培土の代わりにウレタンマット45を使用することができる。このウレタンマット45は、苗の一株分毎に区分けする溝46,47を備え、縦横に複数株の苗を育苗するようになっている。ウレタンマット45の強度により、育苗後に圃場に苗を移植するにあたって苗を一株分づつ分割するとき、苗の床部45aが崩れることは極めて少なくなる。この苗の移植にあたっては、図22に示すように、苗載台48上から苗を一株分づつ分割する植付装置49により左右の分離刃50で分割して保持し、地面まで下降させて地面上で押出具51により苗を押し出して移植するようになっている。この植付装置49によると、左右の分離刃50で苗の左右の分割は確実に行えるが、苗の前後の分割は左右の分離刃50が苗を把持して下降することにより行われるのでスムーズに行えずにウレタンマットの区分けする溝とは異なる部分がちぎれたりして苗の床部を傷めるおそれがある。そこで、ウレタンマット45の横方向(左右方向)の溝46を縦方向(前後方向)の溝47より深くして、ウレタンマット45全体の強度を維持しながら苗の前後の分割が円滑に行われるようにするとよい。従来、この種の樹脂製の育苗マットにおいて苗の一株分毎に区分けする溝を備えたものが知られているが、マットの横方向及び縦方向の溝は互いに同じ深さであり、苗の前後の分割において溝とは異なる部分がちぎれたりして円滑に行えないおそれがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】苗トレイを示す平面図
【図2】育苗ポットを示す平面図
【図3】図2のA−A線断面図
【図4】苗トレイを示す底面図
【図5】苗取出方法を示す図
【図6】苗押出具を示す図
【図7】苗トレイと苗押出具との位置合わせをする状態を示す図
【図8】断熱カバーを示す図
【図9】異なる断熱カバーを示す図
【図10】播種機を示す側面図
【図11】床土ホッパのふるいを示す図
【図12】床土ホッパの土塊粉砕用ロ−ラを示す図
【図13】鎮圧ローラ及びその一部を示す図
【図14】アンダートレイを示す平面図
【図15】アンダートレイを示す断面側面図
【図16】アンダートレイと苗トレイとの一部を示す一部断面側面図
【図17】播種機の一部を示す斜視図
【図18】アンダートレイとセンサとの関係を示す平面図
【図19】苗トレイと搬送コンベアとの一部を示す斜視図
【図20】異なる搬送コンベアを示す図
【図21】ウレタンマットの一部を示す斜視図
【図22】移植機の一部を示す側面図
【符号の説明】
1,21…苗トレイ、2…苗押出具、3…苗トレイ押付具、4…育苗ポット、7…底孔部、8…案内溝、9…苗押出ピン、9a…縦方向の端部の横方向の一列の苗押出ピン

Claims (4)

  1. 苗を一株毎に収容する育苗ポット(4)を縦横に複数設ける苗トレイ(1,21)から苗を取り出すにあたり、苗押出具(2)に備える複数の苗押出ピン(9)を苗トレイ(1,21)の下方で苗トレイ(1,21)の複数の育苗ポット(4)の底孔(7)にそれぞれ対応する位置に配置し、苗トレイ押付具(3)を所定の横方向において育苗ポット(4)とは異なる位置で苗トレイ(1,21)の上方から該苗トレイ(1,21)に接触させて苗トレイ押付具(3)により苗トレイ(1,21)を苗押出具(2)側に押し付け、苗押出具(2)により育苗ポット(4)内の苗を押し出して取り出す苗取出方法において、適宜苗トレイ押付具(3)縦方向に移動させて苗トレイ(1,21)との接触位置を変更して苗トレイ押付具(3)により苗トレイ(1,21)を複数回に分けて押し付け、苗トレイ(1,21)から苗を取り出すことを特徴とする苗取出方法。
  2. 苗を一株毎に収容する育苗ポット(4)を縦横に複数設ける苗トレイ(1,21)から苗を取り出すにあたり、苗トレイ(1,21)の下方で苗トレイ(1,21)の複数の育苗ポット(4)の底孔(7)にそれぞれ対応する位置に配置する複数の苗押出ピン(9)を備える苗押出具(2)側に苗トレイ(1,21)を押し付けるべく苗トレイ(1,21)へ上方から接触させる苗トレイ押付具において、苗トレイ(1,21)との接触部を所定の横方向において育苗ポット(4)とは異なる位置に配置すると共に、前記接触部を苗トレイ(1,21)に接触させた状態で縦方向に移動可能に設けたことを特徴とする苗トレイ押付具。
  3. 苗を一株毎に収容する育苗ポット(4)を縦横に複数設ける苗トレイ(1,21)から苗を取り出すにあたり、育苗ポット(4)の底孔(7)から苗を押し出すべく苗トレイ(1,21)の下方で苗トレイ(1,21)の複数の育苗ポット(4)の底孔(7)にそれぞれ対応する位置に配置する複数の苗押出ピン(9)を備え苗トレイ(1,21)の端部の少なくとも1個の育苗ポット(4)の底孔に対応する苗押出ピン(9a)の上端を他の苗押出ピンの上端よりも高位に設け苗押出具(2)を使用して苗トレイ(1,21)から苗を取り出すことを特徴とする請求項1に記載の苗取出方法
  4. 苗を一株毎に収容する育苗ポット(4)を縦横に複数設け横一列の育苗ポット(4)の底孔(7)をつなぐ溝(8)を底面に設け苗トレイ(1)から苗を取り出すことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の苗取出方法
JP2001301427A 2001-09-28 2001-09-28 苗取出方法及び苗トレイ押付具 Expired - Lifetime JP4724995B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001301427A JP4724995B2 (ja) 2001-09-28 2001-09-28 苗取出方法及び苗トレイ押付具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001301427A JP4724995B2 (ja) 2001-09-28 2001-09-28 苗取出方法及び苗トレイ押付具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003102283A JP2003102283A (ja) 2003-04-08
JP4724995B2 true JP4724995B2 (ja) 2011-07-13

Family

ID=19121844

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001301427A Expired - Lifetime JP4724995B2 (ja) 2001-09-28 2001-09-28 苗取出方法及び苗トレイ押付具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4724995B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4760775B2 (ja) * 2007-05-31 2011-08-31 井関農機株式会社 播種方法及び播種機
CN106961895A (zh) * 2017-04-07 2017-07-21 湖南生物机电职业技术学院 一种移栽作物的卸料机构及其使用方法
CN117678450A (zh) * 2023-12-08 2024-03-12 宜昌市种子监督站(宜昌市农作物种子质量检验站) 一种培育带土大苗的移植装置及方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54172843U (ja) * 1978-05-26 1979-12-06
JPS5916362U (ja) * 1982-07-26 1984-01-31 ユ−エス産業株式会社 育苗箱用抜苗器
JPH0615443U (ja) * 1992-08-05 1994-03-01 ヤンマー農機株式会社 セル成型苗の取り出し具
JPH06245652A (ja) * 1993-02-25 1994-09-06 Iseki & Co Ltd 育苗器
JP2001178275A (ja) * 1999-12-27 2001-07-03 Iseki & Co Ltd 鎮圧装置とトレイ底孔塞ぎ具と苗抜き補助具

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5916362A (ja) * 1982-07-19 1984-01-27 Matsushita Electronics Corp 半導体装置の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54172843U (ja) * 1978-05-26 1979-12-06
JPS5916362U (ja) * 1982-07-26 1984-01-31 ユ−エス産業株式会社 育苗箱用抜苗器
JPH0615443U (ja) * 1992-08-05 1994-03-01 ヤンマー農機株式会社 セル成型苗の取り出し具
JPH06245652A (ja) * 1993-02-25 1994-09-06 Iseki & Co Ltd 育苗器
JP2001178275A (ja) * 1999-12-27 2001-07-03 Iseki & Co Ltd 鎮圧装置とトレイ底孔塞ぎ具と苗抜き補助具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003102283A (ja) 2003-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5068999A (en) Apparatus and method for planting out plants
CN102870537A (zh) 油菜移栽法及专用移栽机
JP6035653B2 (ja) 野菜栽培器具
CN106888640B (zh) 杂交稻分蘖大苗插秧机单本插植分苗方法
JP4724995B2 (ja) 苗取出方法及び苗トレイ押付具
CN107182654B (zh) 一种水稻小区机械化移栽的方法及其压穴播种器
CN210987536U (zh) 萝卜苗水培装置
CN113016547A (zh) 一种烟草基因编辑素材品系精细比较中的漂浮育苗方法
JPH10155378A (ja) 水耕栽培方法および水耕栽培装置
JP2002171840A (ja) 水耕苗の定植装置
CN221011026U (zh) 一种烟草种植育苗装置
JP5272366B2 (ja) 育苗方法
JP3086149B2 (ja) 苗栽培用のトレー
JP2018174868A (ja) 人工培地マット
JP4600213B2 (ja) 苗移植機
JP7226231B2 (ja) 育苗培土
CN215683271U (zh) 一种水稻育苗播种装置
JP2009082043A5 (ja)
JPH0719206Y2 (ja) ねぎ播種育苗用粘着シート
JP6516252B2 (ja) 根深ネギの大苗育成方法
JP2001016932A (ja) 長尺苗の育成方法と長尺苗反転田植機
JP2000262154A (ja) 育苗装置
JP2001178276A (ja) 苗用プラグ
JPS6013294Y2 (ja) 播種機
JP2019080591A (ja) 長尺育苗容器、連続集合鉢体苗を入れる装置、および、巻き取り器具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110113

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110328

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140422

Year of fee payment: 3