JPH08193152A - 難燃性スチレン系樹脂組成物および難燃剤 - Google Patents

難燃性スチレン系樹脂組成物および難燃剤

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JPH08193152A
JPH08193152A JP23505594A JP23505594A JPH08193152A JP H08193152 A JPH08193152 A JP H08193152A JP 23505594 A JP23505594 A JP 23505594A JP 23505594 A JP23505594 A JP 23505594A JP H08193152 A JPH08193152 A JP H08193152A
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JP
Japan
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halogenated
group
halogen
flame retardant
flame
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JP23505594A
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English (en)
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Yuji Sato
雄二 佐藤
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 テトラブロモビスフェノール型エポキシ樹脂
の末端エポキシ基にモノブロモフェノールを反応させた
ハロゲン系化合物をスチレン系樹脂に配合した難燃性ス
チレン系樹脂組成物。 【効果】 難燃性および耐光性。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた難燃性と耐光性
とを有するスチレン系樹脂組成物、及び、優れた耐光性
を発現させる難燃剤に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでスチレン系樹脂等の難燃化につ
いて、低揮発性、ノンブリード性、耐熱性、耐光性等の
点からハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂から
なる難燃剤が広く使用されているが、熱安定性が悪く、
例えばスチレン系樹脂と溶融混練する際にゲル化が生
じ、これが焼け異物等による成形品の外観劣化を招来す
る等の問題を有していた。
【0003】そこで従来より、熱安定性に優れたスチレ
ン系樹脂用難燃剤として、例えば、特開昭61−241
322号公報、特開昭62−4737号公報にはハロゲ
ン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ基をト
リブロモフェノール等のハロゲン化フェノール系化合物
で封鎖変性した化合物が夫々開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開昭6
1−241322号公報、特開昭62−4737号公報
に記載の難燃剤は、成型加工時の熱安定性が或程度改善
されるものの、エポキシ基を有する難燃剤に比べて耐光
性が劣るため、耐光性要求の厳しいOA機器ハウジング
材用途に対する耐光性が不十分で使用できないという課
題を有していた。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、優れた
耐光性と難燃性とを兼備した難燃性スチレン系樹脂組成
物、および、スチレン系樹脂に対して優れた耐光性と難
燃性とを付与する難燃剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、分子末端にビニル基
含有ハロゲン化フェニル基を有しており、且つ、該化合
物の構造中にハロゲン化芳香族炭化水素基を有するハロ
ゲン系化合物をスチレン系樹脂に配合することにより、
難燃性と耐光性に優れた難燃性スチレン系樹脂組成物が
得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、スチレン系樹脂(A)
と、分子末端にビニル基含有ハロゲン化フェニル基を有
しており、かつ、分子骨格中にハロゲン化芳香族炭化水
素基を有するハロゲン系化合物(B)とを必須成分とす
ることを特徴とする難燃性スチレン系樹脂組成物に関す
る。
【0008】本発明の組成物で使用するスチレン系樹脂
(A)としては、スチレン系単量体を主成分とする重合
体であり、スチレン系単量体の単独重合体、スチレン系
単量体と他の単量体との共重合体、ゴム状重合体の存在
下にスチレン系単量体、更に必要に応じ他の単量体をグ
ラフト重合して得られるグラフト共重合体、および、こ
れらの重合体、共重合体、グラフト重合体の二種以上の
混合物、および、これを含む他の熱可塑性樹脂とのポリ
マーアロイが挙げられる。
【0009】スチレン系単量体としては、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニル
トルエン等が挙げられ、これらは一種または二種以上で
使用することができる。好ましくは、スチレン、α−メ
チルスチレンである。
【0010】また、共重合体に用いられる他の単量体と
しては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシ
アン化ビニル化合物、アクリル酸エステル、メタアクリ
ル酸エステル等の(メタ)アクリル酸エステル、マレイ
ミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド
等のマレイミド等が挙げられる。
【0011】また、グラフト共重合体で使用されるゴム
状重合体としては、ポリブタジエン、ブタジエン−アク
リロニトリル共重合体、エチレン−プロピレン−(ジエ
ンメチレン)共重合体、イソブチレン−イソプレン共重
合体、アクリルゴム等が挙げられる。これらの中でポリ
ブタジエン、エチレン−プロピレン共重合体が好まし
い。
【0012】この様なスチレン系樹脂(A)として具体
的には、例えばポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン
(HIPS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−ア
クリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリ
ロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合
体(AES樹脂)、ABS樹脂とポリカーボネイト系樹
脂のアロイ、ABS樹脂とポリエステル系樹脂のアロ
イ、ABS樹脂とポリアミド系樹脂のアロイ、ポリフェ
ニレンオキサイド(PPO樹脂)とポリスチレンのアロ
イなどが挙げられる。
【0013】これらのスチレン系樹脂(A)のなかでも
特に、耐光性の点からゴム変性ポリスチレン(HIPS
樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体(ABS樹脂)、ABS樹脂とポリカーボネイト系
樹脂のアロイ、ABS樹脂とポリエステル系樹脂のアロ
イが好ましい。
【0014】本発明の組成物における(B)成分として
使用するハロゲン系化合物、即ち、本発明の難燃剤にお
いて必須の成分であるハロゲン系化合物(以下、これを
単に「ハロゲン系化合物(B)」と略記する)として
は、上述の通り、分子末端にビニル基含有ハロゲン化フ
ェニル基を有しており、かつ、分子骨格中にハロゲン化
芳香族炭化水素基を有するものであればよく、特にその
構造が特定されるものではない。即ち、この様な構造を
有することにより、従来のエポキシ樹脂系難燃剤に比
べ、難燃性を低下させることなく、成形品の耐光性を著
しく向上させることができる。
【0015】前記ハロゲン系化合物(B)は、ハロゲン
化芳香族炭化水素基を分子骨格中に有するものである
が、このハロゲン化芳香族炭化水素基としては、特に限
定されず、例えば、ハロゲン化フェニレン基、ハロゲン
化ビスフェニルアルカン構造を有する2価のアリーレン
基、ハロゲン化芳香族化合物がアルキリデン結合を介し
て連結した構造を有するポリアリール基等が挙げられる
が、特にスチレン系樹脂との相溶性が良好である点から
ハロゲン化ビスフェニルアルカン構造を有する2価のア
リーレン基が好ましい。
【0016】このハロゲン化ビスフェニルアルカン構造
を有する2価のアリーレン基としては、ハロゲン化ジフ
ェニルアルカン構造を化合物中1個のみ有していてもよ
いし、また、結接基を介して複数連結してもよい。
【0017】ここで、ハロゲン化ビスフェニルアルカン
構造としては、特に限定されないが、例えば、3,
3’,5,5’−テトラブロモビスフェニルメタン、
3,3’,5,5’−テトラブロモビスフェニル−2,
2−プロパン、3,3’,5,5’−テトラブロモビス
フェニル−1,1−エタン、3,3’−ジブロモビスフ
ェニルメタン、3,3’−ジブロモビスフェニル−2,
2−プロパン、3,3’−ジブロモビスフェニル−1,
1−エタン等が挙げられるが、これらの中でも特に難燃
効果並びにスチレン系樹脂(A)との相溶性が良好であ
る点から3,3’,5,5’−テトラブロモビスフェニ
ルメタン、3,3’,5,5’−テトラブロモビスフェ
ニル−2,2−プロパンが好ましい。また、上記した構
造は何れも、4,4’位が他の構造部位との結合位置と
なる。
【0018】また、上記結接基としては特に特定される
ものではないが、アルキレンジエーテル基、アルキレン
ジエステル基、アルキレンジアミド基等が挙げられる
が、製造上の容易性、並びにスチレン系樹脂との相溶性
の点からグリシジルエーテル基とフェノール性水酸基と
の反応によって生成する2−ヒドロキシ−1,3−アル
キレンジエーテル基であることが好ましい。
【0019】また、分子末端に存在するビニル基含有ハ
ロゲン化フェニル基としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、4−ビニル−2,6−ジブロモフェニ
ル基、2−ビニル−4,6−ジブロモフェニル基、4−
ブロモ−2,6−ジビニルフェニル基、2−ブロモ−
4,6−ジビニルフェニル基、2−ビニル−4−ブロモ
フェニル基、2−ビニル−6−ブロモフェニル基、2−
ブロモ−4−ビニルフェニル基等のビニル基含有ブロモ
フェニル基、4−ビニル−2,6−ジクロロフェニル
基、2−ビニル−4,6−ジクロロフェニル基、4−ク
ロロ−2,6−ジビニルフェニル基、2−クロロ−4,
6−ジビニルフェニル基、2−ビニル−4−クロロフェ
ニル基、2−ビニル−6−クロロフェニル基、2−クロ
ロ−4−ビニルフェニル基等のビニル基含有クロロフェ
ニル基、4−ビニル−2,6−ジフルオロフェニル基、
2−ビニル−4,6−ジフルオロフェニル基、4−フル
オロ−2,6−ジビニルフェニル基、2−フルオロ−
4,6−ジビニルフェニル基、2−ビニル−4−フルオ
ロフェニル基、2−ビニル−6−フルオロフェニル基、
2−フルオロ−4−ビニルフェニル基等のビニル基含有
フルオロフェニル基等が挙げられるが、特に難燃効果が
顕著である点から、ビニル基含有ブロモフェニル基、及
び、ビニル基含有クロロフェニル基が好ましい。
【0020】このビニル基含有ハロゲン化フェニル基
は、ハロゲン化芳香族炭化水素基に直結していてもよい
が、前述した結接基を介して結合していることが好まし
く、特に2−ヒドロキシ−1,3−アルキレンジエーテ
ル基を介して結合していることが好ましい。
【0021】この様な構造を有するハロゲン系化合物
(B)は、その分子量は特に限定されるものではない
が、スチレン系樹脂(A)との相溶性の点から、数平均
分子量800〜40,000であることが好ましい。
【0022】ハロゲン系化合物(B)の具体的な構造と
しては、特に限定されるものではないが、例えばハロゲ
ン化芳香族炭化水素基が、ハロゲン化ビスフェニルアル
カン構造を有する2価のアリーレン基である場合には下
記一般式(1)で表わされる構造式のものが好ましい例
として挙げられる。
【0023】一般式(1)
【0024】
【化2】
【0025】(一般式(1)中、Xはハロゲン原子、i
とjは1〜4の整数、nは平均重合度で0〜50の整数
である。)
【0026】上述したハロゲン系化合物(B)の製造方
法としては、特に限定されるものではないが、例えば、
ハロゲン化エポキシ樹脂に、エポキシ基と反応性を有す
る官能基とビニル基とを有するハロゲン化ベンゼンを反
応させる方法が挙げられる。
【0027】ここで、ハロゲン化エポキシ樹脂として
は、例えば、ハロゲン化エポキシ樹脂としては、例えば
ハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂、ハロゲン化
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化レゾルシ
ン型エポキシ樹脂、ハロゲン化ハイドロキノン型エポキ
シ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールAノボラック型エポ
キシ樹脂、ハロゲン化メチルレゾルシン型エポキシ樹
脂、ハロゲン化レゾルシンノボラック型エポキシ樹脂等
が挙げられ、通常ハロゲン含有率が高く耐熱性に優れる
点でハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂が挙げら
れる。
【0028】また、エポキシ基と反応性を有する官能基
とビニル基とを有するハロゲン化芳香族化合物におい
て、エポキシ基と反応性を有する官能基としては、特に
限定はなく、活性水素を有する官能基、又は酸無水物基
の様なエポキシ基を開環付加反応させる官能基で有れば
よく、例えばカルボキシル基、酸無水物基、アルコール
性水酸基、フェノール性水酸基、アミノ基、イミノ基、
酸アミド基、酸イミド基、チオール基、イソシアネート
基等が挙げられる。これらのなかでもエポキシ基との反
応性に優れる点からフェノール性水酸基が好ましい。
【0029】この様な官能基と、ビニル基とを有するハ
ロゲン化芳香族化合物(以下、単に「ビニル基含有芳香
族化合物」と略記する。)としては、例えば、ビニル
(ブロモ)フェノール、ビニル(ブロモ)クレゾール、
ビニル(ブロモ)アミノベンゼン、ビニル(ブロモ)安
息香酸、ビニル(ブロモ)無水フタル酸、ビニル(ブロ
モ)ベンジルアルコール、ビニル(ブロモ)フェニルモ
ノイソシアネート、ビニル(ブロモ)チオフェノール、
ビニル(ブロモ)チオベンズアミド、イミノベンゾフェ
ノン、ビニル(ブロモ)イミノピリン、ビニル(クロ
ロ)フェノール、ビニル(クロロ)クレゾール、ビニル
(クロロ)アミノベンゼン、ビニル(クロロ)安息香
酸、ビニル(クロロ)無水フタル酸、ビニル(クロロ)
ベンジルアルコール、ビニル(クロロ)フェニルモノイ
ソシアネート、ビニル(クロロ)チオフェノール、ビニ
ル(クロロ)チオベンズアミド、イミノベンゾフェノ
ン、ビニル(クロロ)イミノピリン、等が挙げら得れる
が、なかでもビニル(ブロモ)フェノールおよびビニル
(クロロ)フェノール等のビニル基含有ハロゲン化フェ
ノールが、エポキシ基との反応性の点から好ましい。
【0030】この様な、ビニル基含有ハロゲン化フェノ
ールとしては例えば下記一般式(2)で表わされるもの
が挙げられる。
【0031】一般式(2)
【0032】
【化3】
【0033】(一般式(2)中、Xは臭素原子と塩素原
子、lは0〜4の整数を表す)
【0034】ハロゲン化エポキシ樹脂と、ビニル基含有
芳香族化合物との反応条件は、用いる原料によってこと
なり、特に限定されものではないが、例えば、ハロゲン
化エポキシ樹脂とビニル基含有ハロゲン化フェノールと
の反応においては、ハロゲン化エポキシ樹脂のエポキシ
基1当量に対してビニル基含有ハロゲン化フェノール化
合物の水酸基1〜0.1当量、耐光性の点から1〜0.
5当量となる割合で両者を触媒の存在下に反応させる方
法が挙げられる。
【0035】触媒としては、例えば水酸化ナトリウム等
のアルカリ金属水酸化物、ジメチルベンジルアミン等の
第三級アミン、2−エチル−4メチルイミダゾール等の
イミダゾール類、テトラメチルアンモニウムクロライド
等の第四級アンモニウム塩、エチルトリフェニルホスホ
ニウムイオダイド等のホスホニウム塩、トリフェニルホ
スフィン等のホスフィン類などを使用することができ
る。
【0036】また、反応温度は80〜220℃、好まし
くは120〜180℃で行い、反応溶媒は特に必要では
なく使用しなくても良い。また、反応に際しては、必要
に応じて重合禁止剤を使用してもよく、重合禁止剤の具
体例としては、ハイドロキノン、メトキシハイドロキノ
ン、ターシャリブチルカテコール、N,N´−ジナフチ
ル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
【0037】また、反応後未反応物として残存したハロ
ゲン化エポキシ樹脂は、後述するその他のハロゲン系難
燃剤(C)としてそのまま使用できる。
【0038】また、ハロゲン系化合物(B)として最も
好ましいもの、即ち、ハロゲン化エポキシ樹脂としてハ
ロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂を用い、ビニル
基含有芳香族化合物として、ビニル基含有ハロゲン化フ
ェノールを使用する場合において、更に具体的には例え
ば次の通りにして製造することができる。
【0039】即ち、先ず、ハロゲン化ビスフェノールと
エピクロルヒドリンとの縮合反応によりハロゲン化ビス
フェノールのジグリシジルエーテルを得、該グリシジル
エーテルにハロゲン化ビスフェノール及びビニル基含有
(ハロゲン化)フェノールを前述した触媒の存在下で付
加反応させる方法が挙げられる。
【0040】ここで、ジグリシジルエーテル、ハロゲン
化ビスフェノール及びビニル基含有ハロゲン化フェノー
ルの反応割合は、目的とする化合物の分子量によって異
なり、特に限定されるものではないが、ジグリシジルエ
ーテル/ハロゲン化ビスフェノールのモル比で1/0〜
1/0.97であり、また、ジグリシジルエーテルのエ
ポキシ基に対するビニル基含有ハロゲン化フェノールの
水酸基の当量比でエポキシ基1当量に対して水酸基0.
1〜1当量となる割合で用いることが好ましい。
【0041】この反応に使用される触媒としては、前記
した触媒が使用でき、反応温度は80〜220℃、好ま
しくは120〜180℃で行い、反応溶媒は特に必要で
はなく使用しなくても良い。また、反応に際しては、必
要に応じて重合禁止剤を使用してもよく、重合禁止剤の
具体例としては、ハイドロキノン、メトキシハイドロキ
ノン、ターシャリブチルカテコール、N,N´−ジナフ
チル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
【0042】ここで用いるハロゲン化ビスフェノールと
しては、例えば、ジブロモビスフェノールA、テトラブ
ロモビスフェノールA、ジクロロビスフェノールA、テ
トラクロロビスフェノールA、ジブロモビスフェノール
F、テトラブロモビスフェノールF、ジクロロビスフェ
ノールF、テトラクロロビスフェノールF、ジブロモビ
スフェノールS、テトラブロモビスフェノールS、ジク
ロロビスフェノールS、テトラクロロビスフェノールS
等が挙げられる。
【0043】また、予めハロゲン化ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂を製造した後にビニル基含有ハロゲン化フェ
ノールを反応させてもよい。
【0044】この様にして得られる反応生成物は、ハロ
ゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂中のエポキシ基が
ビニル基含有ハロゲン化フェノールで封鎖された構造を
有しているものであり、その封鎖率は通常50〜100
%となる。ここで、未封鎖のエポキシ樹脂、即ち、残存
する未反応物のハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹
脂は、既述の通り、ハロゲン系難燃剤(C)としてその
まま使用できる。
【0045】本発明の組成物においては、更にその他の
ハロゲン系難燃剤を併用することにより溶融混練等の組
成物調整時におけるゲル化を防止できると共に、その他
のハロゲン系難燃剤(C)としては、特に限定されるも
のではないが、ハロゲン化エポキシ樹脂および該エポキ
シ樹脂の末端エポキシ基を封鎖した構造の化合物が挙げ
られる。
【0046】ここで用いるハロゲン化エポキシ樹脂とし
ては、例えば、ハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹
脂、ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、
ハロゲン化クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ハロ
ゲン化レゾルシン型エポキシ樹脂、ハロゲン化ハイドロ
キノン型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールAノ
ボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化メチルレゾルシン
型エポキシ樹脂、ハロゲン化レゾルシンノボラック型エ
ポキシ樹脂等が挙げられ、通常、ハロゲン含有率が高く
耐熱性に優れる点でハロゲン化ビスフェノール型エポキ
シ樹脂が好ましい。
【0047】ハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂
を構成するハロゲン化ビスフェノールの具体例として
は、ジブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェ
ノールA、ジクロロビスフェノールA、テトラクロロビ
スフェノールA、ジブロモビスフェノールF、テトラブ
ロモビスフェノールF、ジクロロビスフェノールF、テ
トラクロロビスフェノールF、ジブロモビスフェノール
S、テトラブロモビスフェノールS、ジクロロビスフェ
ノールS、テトラクロロビスフェノールS等が挙げられ
る。
【0048】また、エポキシ基と反応し、エポキシ基を
封鎖した構造を形成する化合物としては、例えばジブロ
モフェノール、ジブロモクレゾール、トリブロモフェノ
ール、ペンタブロモフェノール、ジクロロフェノール、
ジクロロクレゾール、トリクロロフェノール、ペンタク
ロロフェノールなどが挙げられ、なかでも難燃性に優れ
る点でトリブロモフェノール、ペンタブロモフェノール
が好ましい。
【0049】上述したハロゲン系難燃剤(C)のなかで
も特にゲル化防止の効果が顕著である点からハロゲン化
エポキシ樹脂の末端エポキシ基を封鎖した構造の化合物
が好ましく、特に難燃効果が良好である点から、ハロゲ
ン化ビスフェノール型エポキシ樹脂の末端エポキシ基を
ハロゲン化フェノールで封鎖した構造の化合物が特に好
ましい。
【0050】この様な、ハロゲン化エポキシ樹脂または
該エポキシ樹脂の末端エポキシ基を封鎖した構造の化合
物の製造方法は、特に限定されるものではないが、ハロ
ゲン化ビスフェノールとエピクロルヒドリンとの縮合反
応によりハロゲン化ビスフェノールのジグリシジルエー
テルを得、該グリシジルエーテルにハロゲン化ビスフェ
ノールを反応させるか、或いは、該グリシジルエーテル
にハロゲン化ビスフェノールと共にハロゲン化フェノー
ルを触媒の存在下で付加反応させる方法が挙げられる。
【0051】触媒としては、例えば水酸化ナトリウム等
のアルカリ金属水酸化物、ジメチルベンジルアミン等の
第三級アミン、2−エチル−4メチルイミダゾール等の
イミダゾール類、テトラメチルアンモニウムクロライド
等の第四級アンモニウム塩、エチルトリフェニルホスホ
ニウムイオダイド等のホスホニウム塩、トリフェニルホ
スフィン等のホスフィン類などを使用することができ
る。反応溶媒は、特に必要ではなく使用しなくても良
い。
【0052】反応温度は80〜230℃、好ましくは1
20〜220℃で行い、反応溶媒は特に必要ではなく使
用しなくても良い。
【0053】本発明の難燃剤は、上記の通り、ハロゲン
系化合物(B)を必須成分とするものであるが、その他
のハロゲン系難燃剤(C)を併用することが更に好まし
い。特にその他のハロゲン系難燃剤(C)として、ハロ
ゲン化エポキシ樹脂の末端エポキシ基が封鎖された構造
の化合物を用いることが特にゲル化防止の点から好まし
く、また、末端エポキシ基が未封鎖のハロゲン化エポキ
シ樹脂を使用する場合には、更に耐光性が良好となり好
ましい。
【0054】この場合、難燃剤を調製する方法として
は、特に限定されるものではないが、ハロゲン系化合物
(B)と、その他のハロゲン系難燃剤(C)とを、両者
が溶融する温度、例えば120〜220℃にて溶融混合
する方法、或いは、両者をヘンシェルミキサー、タンブ
ラーミキサー等の混合機でドライブレンドし、難燃剤を
得る方法が挙げられる。前者の溶融混合する場合には、
更に具体的には、攪拌羽根を有する容器内で30分〜3
時間程度加熱攪拌する方法で製造するが、必要に応じて
バンバリーミキサー、熱ロール及び押し出し機等を用い
ることもできる。この方法では更にスチレン系樹脂
(A)を一部併用して、溶融混合して難燃剤のマスター
バッチとしてもよい。一方、ドライブレンドする方法に
おいては、(B)成分、(C)成分の他に必要に応じて
スチレン系樹脂その他の成分、例えば他の難燃剤、ポリ
マー添加剤等を併用してもよい。
【0055】これらの方法のなかでも、特にスチレン系
樹脂への分散性並びに本発明の効果が顕著である点から
前者の溶融混合する方法が好ましい。
【0056】本発明の組成物におけるハロゲン系化合物
(B)の使用量としては特に制限されるものではない
が、通常、組成物中0.5〜50重量%となる範囲、な
かでも1〜33重量%となる範囲で用いることが難燃性
と耐光性の点から好ましい。
【0057】また、難燃剤成分として、その他のハロゲ
ン系難燃剤(C)を併用する場合(ハロゲン系化合物
(B)の製造時において、副生するハロゲン系化合物も
含む)、ハロゲン系化合物(B)とハロゲン系難燃剤
(C)との合計が、組成物中0.5〜50重量%となる
様に用いることが好ましい。
【0058】ハロゲン系化合物(B)とハロゲン系難燃
剤(C)との配合比率としては、特に限定されるもので
はなく、通常、重量基準でハロゲン系化合物(B)/ハ
ロゲン系難燃剤(C)=99.5/0.5〜30/70
の存在比となる様に配合することが好ましい。
【0059】また、ハロゲン系難燃剤(C)として、ハ
ロゲン化エポキシ樹脂の末端エポキシ基がハロゲン化フ
ェノールで封鎖された構造の化合物を主たる成分として
用いる場合は、ハロゲン系化合物(B)/ハロゲン系難
燃剤(C)=90/10〜30/70であることが好ま
しく、ハロゲン系難燃剤(C)として、ハロゲン化エポ
キシ樹脂の末端エポキシ基が未封鎖の化合物を主たる成
分として用いる場合は、ハロゲン系化合物(B)/ハロ
ゲン系難燃剤(C)=99.5/0.5〜50/50で
あることが好ましい。
【0060】また、ハロゲン化エポキシ樹脂の末端エポ
キシ基がハロゲン化フェノールで封鎖された構造の化合
物を用いる場合、ハロゲン系難燃剤(C)は、当該化合
物を主たる成分としており、その他の成分としては、ハ
ロゲン系化合物(B)の製造時において、副生するハロ
ゲン系化合物が挙げられるが、ハロゲン系難燃剤(C)
中に占める、ハロゲン化エポキシ樹脂の末端エポキシ基
がハロゲン化フェノールで封鎖された構造の化合物の使
用量が50重量%以上であることがゲル化防止効果が顕
著になり好ましい。
【0061】また、前述した通り、ハロゲン系化合物
(B)およびハロゲン系難燃剤(C)は、本発明の難燃
剤として使用されるものであり、難燃剤中の両者の配合
割合は、その混合方法に係わらず上記使用割合で調製す
ることができる。
【0062】本発明の樹脂組成物には、さらに難燃化効
果を高める為に耐光性の改善効果を著しく損なわない範
囲で難燃助剤を加えてもよい。難燃助剤としては、例え
ば三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチ
モン等の酸化アンチモン、酸化スズ、水酸化スズ等のス
ズ系化合物、酸化モリブテン、モリブテン酸アンモニウ
ム等のモリブテン系化合物、酸化ジルコニウム、水酸化
ジルコニウム等のジルコニウム系化合物、ホウ酸亜鉛、
メタホウ酸バリウム等のホウ素系化合物、シリコンオイ
ル、シランカップリング剤、高分子量シリコン等のケイ
素系化合物、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。これ
らの難燃剤助剤は本発明の樹脂組成物中の含有率が、
0.5〜10重量%が好ましく、2〜6重量%がさらに
好ましい。含有率が0.5重量%以上では難燃性の向上
が顕著なものとなり、10重量%以下では更に耐衝撃強
度、引張強度等の機械的特性が向上する。
【0063】本発明の難燃性スチレン系樹脂組成物は、
例えば上記各成分を所定量配合し、ヘンシェルミキサ
ー、タンブラーミキサー等の混合機で予備混合した後、
押出機、ニーダー、熱ロール、バンバリーミキサー等で
溶融混練をすることによって製造することができる。
【0064】溶融混練の条件は特に制限されず、通常、
100〜230℃であり、好ましくは120〜200℃
の温度条件で行われる。また、滞留時間は、用いる混合
機によって好ましい範囲は異なり、例えば、内部に攪拌
翼を有する攪拌式混合機を用いた場合、ゲル化防止効果
の点から30〜60分であることが好ましく、また、そ
の他の押出機、ニーダー、熱ロール、バンバリーミキサ
ー等を用いる場合には、同様に1〜60分であることが
好ましい。
【0065】尚、本発明の樹脂組成物には、耐光性の改
善効果を著しく損なわない範囲で他の難燃剤を配合して
も良く、更に必要に応じて紫外線吸収剤、光安定剤、離
型剤、滑剤、潤滑剤、染料や顔料等の着色剤、可塑剤、
結晶化促進剤、結晶核剤、帯電防止剤、充填剤、発泡
剤、熱安定剤、酸化防止剤、ガラス繊維、カーボン繊
維、アラミド繊維等の補強材などを配合することができ
る。
【0066】本発明で使用する合成樹脂用難燃剤の配合
量としては、スチレン系樹脂(A)100重量部に対し
て、1〜50重量部、なかでも難燃性と耐光性に優れ、
耐衝撃強度、引張強度等の機械的強度の低下も少ない点
で2〜30重量部が好ましい。
【0067】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれらの例に範囲が限
定されるものではない。 尚、例中の部および%はいず
れも重量基準であり、また各種の試験の評価は、次の測
定方法による。
【0068】(1)軟化点試験(環球式) JIS K−7234に準拠して測定した。 (2)エポキシ基含有量試験 JIS K−7236に準拠して測定したエポキシ当量
(g/eq)の逆数で、eq/g単位で表わした数値と
する。 (3)燃焼性試験(UL−94) アンダーライターズ・ラボラトリーズのサブジェクト9
4号の垂直燃焼試験方法に基づき、長さ5インチ×巾1
/2インチ×厚さ1/8インチの試験片各5本を用いて
測定した。 (4)耐光性試験 キセノンフェードメーターを用いて光照射を行い、30
0時間後の試験片の変色を色差計を用いて測定し、未照
射試験片との差を△Eとして表した。
【0069】 試験条件 試験装置 : アトラス製Ci35A 光源・出力 : キセノンアークランプ 0.3W/m2 フィルター種類 : 内側 ボロシリケイト/外側 ソーダライム ブラックパネル温度: 55℃ 相対湿度 : 55%
【0070】(5)ゲル化試験(安定性) ゲル化の評価は、難燃性樹脂組成物がゲル状になって混
練りトルクが急激に上昇するまでに要した時間を測定し
た。具体的には、押出機でペレット化した難燃性樹脂組
成物を、小型混練り機(ラボプラストミル、(株)東洋
精機製、モデル20C200型)に仕込んで、混練りト
ルクの測定を行い、トルクの大きさの経時変化からゲル
化時間を測定し、以下のランクに従い判定した。
【0071】 (判定) (流動性の程度) ◎ : 所定時間後のトルクの増加が、0.2kg・cm以下で、ゲル化 が無く流動性有り。
【0072】 ○ : 所定時間後のトルクの増加が、0.2kg・cm超、 0.5kg・cm以下で、やや流動性が低下。 △ : 所定時間後のトルクの増加が、0.5kg・cm超、 1.0kg・cm以下で、一部ゲル状で流動性が低下。
【0073】 × : 所定時間後のトルクの増加が、1.0kg・cm超で、ゲル状で 流動性無し。
【0074】混練り条件は、次の通りである。 混練り温度(設定温度):250℃ 混練り時間 :1時間 ミキサー回転数 :100rpm サンプル量 :60g
【0075】合成例1〔ハロゲン化エポキシ樹脂の合
成〕 テトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル
〔大日本インキ化学工業(株)製EPICLON15
2、エポキシ当量360g/eq、臭素含有率48%〕
720.0gとテトラブロモビスフェノールA(以下T
BAと略す)150.0gと2,4,6−トリブロモフ
ェノール(以下TBPと略す)450.0gとを温度
計、撹拌機の付いた1リットルセパラブルフラスコに入
れ、内部を窒素ガスで置換した後、内容物を加熱溶融
し、100℃で水酸化ナトリウムの10%水溶液1.3
gを加えた後、150〜180℃で10時間反応させ
た。反応後、反応生成物をステンレスパンに流出し、冷
却後、粉砕し、淡黄色の難燃剤粉末を得た。この難燃剤
は、エポキシ基含有量0.05×10-3eq/g、軟化
点116℃、臭素含有率57%、平均重合度1、エポキ
シ基封鎖率93.8%(ここで、エポキシ基封鎖率と
は、末端エポキシ基と、エポキシ基を封鎖した官能基と
の合計当量数に対する、エポキシ基を封鎖した官能基の
当量数の比である)のものであった。これを難燃剤a1
とする。
【0076】合成例2(同上) TBAの使用量を478.0g、TBPの使用量を6
7.0g、水酸化ナトリウムの10%水溶液の使用量を
0.6gに変更し、反応条件を160〜220℃で12
時間に変更した以外は合成例1と同様にして難燃剤粉末
を得た。
【0077】この難燃剤は、エポキシ基含有量0.02
×10-3eq/g、軟化点187℃、臭素含有率53
%、平均重合度16、エポキシ基封鎖率83.4%のも
のであった。これを難燃剤a2とする。
【0078】合成例3(同上) TBAの使用量を272.0g、水酸化ナトリウムの1
0%水溶液の使用量を0.3gに変更し、TBPを使用
しない他は、合成例1と同様にして難燃剤粉末を得た。
この難燃剤は、エポキシ基含有量1.00×10-3eq
/g、軟化点125℃、臭素含有率51%、平均重合度
2.2、エポキシ基封鎖率0%のものであった。これを
難燃剤a3とする。
【0079】合成例4(ハロゲン系化合物(B)の合
成) EPICLON152の使用量を720.0g、TBA
の使用量を150.0g、モノブロモビニルフェノール
(水酸基当量279、臭素含有率29%)の使用量を3
79.3g、ハイドロキノンの使用量を0.2g、水酸
化ナトリウムの10%水溶液の使用量を1.3gで行
い、TBPの使用を省略すると共に、反応条件を140
〜170℃で10時間に変更した以外は合成例1と同様
にして難燃剤粉末を得た。
【0080】この難燃剤は、エポキシ基含有量0.15
×10-3eq/g、軟化点112℃、臭素含有率44
%、平均重合度1、エポキシ基封鎖率93.9%のもの
であった。これを難燃剤a4とする。
【0081】合成例5(同上) モノブロモビニルフェノールの代わりにジクロロビニル
フェノール(水酸基当量270、塩素含有率26%)3
67.1gを使用する以外は、合成例4と同様にして難
燃剤粉末を得た。
【0082】この難燃剤は、エポキシ基含有量0.15
×10-3eq/g、軟化点115℃、臭素含有率35
%、塩素含有率8%、平均重合度1、エポキシ基封鎖率
93.9%のものであった。これを難燃剤a5とする。
【0083】合成例6(同上) TBAの使用量を478.0g、モノブロモビニルフェ
ノールの使用量を56.5g、水酸化ナトリウムの10
%水溶液の使用量を0.6g、反応条件を160〜22
0℃で12時間に変更し、TBPを使用しない以外は合
成例1と同様にして難燃剤粉末を得た。
【0084】この難燃剤は、エポキシ基含有量0.02
×10-3eq/g、軟化点182℃、臭素含有率51
%、平均重合度16、エポキシ基封鎖率83.4%のも
のであった。これを難燃剤a6とする。
【0085】上記の各合成例で得られたハロゲン化エポ
キシ樹脂とハロゲン化エポキシ樹脂のエポキシ基をハロ
ゲン化ビニルフェノール化合物で封鎖した構造を有する
化合物とを、第1表(その1)〜(その2)に示す組成
で温度計、撹拌機の付いたフラスコに入れ、内部を窒素
ガスで置換した後、内容物を160〜230℃で1時間
加熱溶融混合させて、内容物をステンレスパンに流出
し、冷却後、粉砕し、本発明の合成樹脂用難燃剤の粉末
()〜()を得た。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】実施例1〜12、比較例1〜6 各成分を第2表(その1)〜(その3)に示す組成で配
合し、タンブラーミキサーで予備混合した後、30mm
φ二軸押出機によりペレット化した難燃性樹脂組成物を
得た。そのペレットを用いてゲル化試験を行い、次い
で、1オンス射出成型機により試験片を作成して燃焼性
試験、耐光性試験を行った。各試験結果を第2表(その
1)〜(その3)に示す。尚、押出機のシリンダー設定
温度は、HIPS、ABS樹脂とも210〜230℃で
行った。
【0089】表中、「HIPS」は大日本インキ化学工
業(株)製ゴム変性スチレン樹脂“GH−9650”
を、「ABS樹脂」は日本合成ゴム(株)製ABS樹脂
“JSRABS15”を、「三酸化アンチモン」は日本
精鉱社製“PATOX−C”を示す。
【0090】
【表3】
【0091】
【表4】
【0092】
【表5】
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、優れた耐光性を有し、
かつ、難燃効果も良好な難燃性スチレン系樹脂組成物、
および、優れた耐光性をスチレン系樹脂に対して付与す
るのに有用な難燃剤を提供できる。
【0094】従って、耐光性の良い変色の少ない良好な
外観を有する成型品を製造することができることから、
本発明の組成物は、特にOA機器ハウジング材、自動車
内装材等の材料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 21/14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系樹脂(A)と、分子末端にビ
    ニル基含有ハロゲン化フェニル基を有しており、かつ、
    分子骨格中にハロゲン化芳香族炭化水素基を有するハロ
    ゲン系化合物(B)とを必須成分とすることを特徴とす
    る難燃性スチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ハロゲン系化合物(B)が、重量平均分
    子量800〜40000のものである請求項1記載の組
    成物。
  3. 【請求項3】 ハロゲン系化合物(B)が、分子骨格中
    にハロゲン化ビスフェニルアルカン構造を有するもので
    ある請求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 ハロゲン系化合物(B)を組成物中1〜
    33重量%となる割合で含有する請求項1、2または3
    記載の組成物。
  5. 【請求項5】 更に、ハロゲン系化合物(B)の他のハ
    ロゲン系有機難燃剤(C)を含有する請求項4記載の組
    成物。
  6. 【請求項6】 ハロゲン系有機難燃剤(C)として、ハ
    ロゲン化エポキシ樹脂の末端エポキシ基を封鎖した構造
    の化合物を用いる請求項5記載の組成物。
  7. 【請求項7】 更に、無機系難燃助剤(D)を併用する
    請求項1〜6の何れか1つに記載の組成物。
  8. 【請求項8】 分子末端にビニル基含有ハロゲン化フェ
    ニル基を有しており、かつ、主鎖にハロゲン化ビスフェ
    ニルアルカン構造を有するハロゲン系化合物を必須成分
    とすることを特徴とする難燃剤。
  9. 【請求項9】 ハロゲン系化合物が、下記一般式(1)
    で表わされるものである請求項8記載の難燃剤。一般式
    (1) 【化1】 (一般式(1)中、Xはハロゲン原子、iとjは1〜4
    の整数、nは平均重合度で0〜50の整数である。)
  10. 【請求項10】 更に、ハロゲン化エポキシ樹脂の末端
    エポキシ基を封鎖した構造の化合物を併用する請求項8
    または9記載の難燃剤。
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