JPH0819216B2 - サリチル酸樹脂、その多価金属化物、その製造方法ならびに感圧複写紙用顕色剤としてのその使用 - Google Patents

サリチル酸樹脂、その多価金属化物、その製造方法ならびに感圧複写紙用顕色剤としてのその使用

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JPH0819216B2
JPH0819216B2 JP63015803A JP1580388A JPH0819216B2 JP H0819216 B2 JPH0819216 B2 JP H0819216B2 JP 63015803 A JP63015803 A JP 63015803A JP 1580388 A JP1580388 A JP 1580388A JP H0819216 B2 JPH0819216 B2 JP H0819216B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なサリチル酸樹脂およびその多価金属化
物、その製法、該金属化物を含有してなる顕色剤および
該顕色剤として使用する感圧複写紙用の顕色シートに関
する。
〔従来の技術〕
感圧複写紙はノーカーボン紙とも称せられ、筆記、タ
イプライター等、機械的または衝撃的圧力によって発色
し、同時に複数枚の複写を取ることのできる複写紙であ
って、転移タイプと称するもの、あるいは単体発色紙と
称されるもの等があるが、その発色機構は電子供与性の
無色色素と電子受容性の顕色剤とによる発色反応に基づ
くものである。転移タイプの感圧複写紙を例にとりこれ
を図1に示して説明すればつぎのとおりである。
上葉紙1および中葉紙2の裏面には無色の発色性感圧
色素を不揮発性オイルに溶解し、それをゼラチン等の高
分子皮膜で包んだ直径数ミクロンないし十数ミクロンの
マイクロカプセル4が塗布されている。中葉紙2および
下葉紙3の表面には上記の感圧色素と接触すると反応を
おこして発色させる性質を有する顕色剤5を含んだ塗料
が塗布されている。複写をとるためには上−(中)−
(中)−下の順に重ねて(色素含有塗布面と顕色剤含有
塗布面とを対向させる)、筆圧6やタイプ打圧などの局
部的圧力を加えるとその部分のカプセル4が破れて感圧
色素溶液が顕色剤5に転移して複写記録が得られるもの
である。
電子受容性顕色剤として、(1)USP2,712,507に開示
されている酸性白土、アタパルガイド等の無機固体酸
類、(2)特公昭40−9309に開示されている置換フェノ
ールおよびジフェノール類、(3)特公昭42−20144に
開示されているp−置換フェノール−ホルムアルデヒド
重合体、(4)特公昭49−10856および特公昭52−1327
等に開示されている芳香族カルボン酸金属塩等が提案さ
れ、一部実用化されている。
顕色シートが備えるべき性能条件として、シート製造
直後および長期保存後にも変わらない優れた発色性を有
することは勿論保存時および日光等の輻射線暴露時に黄
変が少ないことおよび発色画像が堅牢で輻射線、水また
は可塑剤により容易に消失または退色しないこと等が挙
げられる。
従来提案されている顕色剤およびそれを塗工したシー
トは性能的に一長一短がある。例えば、無機固体酸類は
安価であるが、保存時に空気中のガス、水分を吸着して
紙面の黄変や発色性能の低下を生じ、置換フェノール類
は発色性が不十分で発色画像の濃度が低い。p−置換フ
ェノールホルムアルデヒド重合体としてもっぱら用いら
れているp−フェニルフェノール−ノボラック樹脂は発
色性は優れているが、塗工紙が日光照射または保存中
(殊に、空気中の窒素酸化物)に黄変し、発色画像は著
しく退色する。また、芳香族カルボン酸金属塩は、黄変
性は良好であるが、低温における発色性、水または可塑
剤に対する耐性および光による安定性はまだ十分とは云
い難い。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は上記の欠点を除いた顕色剤として有用
な新規のサリチル樹脂およびその多価金属化物、その製
法、その多価金属化物を用いた顕色剤、およびそれを用
いた感圧複写紙用顕色シートを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは前記目的を達成するために鋭意検討した
結果、本発明を完成するに至ったものである。すなわち
本発明は、 (1)式(I)、(II)、(III) (式中、R1,R2は水素原子または炭素数1〜12までのア
ルキル基、アラルキル基、アリール基もしくはシクロア
ルキル基を示し、R3,R6は水素原子または炭素数1〜4
のアルキル基、R4,R5は水素原子またはメチル基を示
す。) で表わされる構造単位からなり、構造単位(I)が5〜
35モル%、構造単位(II)の1以上が10〜85モル%、構
造単位(III)の1以上が4〜85モル%で、構造単位
(I)は構造単位(II)のα炭素を介して結合し、構造
単位(II)は構造単位(II)のベンゼン環にα炭素を介
して結合することもでき、構造単位(III)は構造単位
(II)および構造単位(III)のベンゼン環にα炭素を
介して結合しており、かつ重量平均分子量が500〜10,00
0であるサリチル酸樹脂およびその多価金属化物、 (2)サリチル酸と一般式(IV) (式中、R1,R2およびR3は前記(II)式と同じ意味を有
し、R7は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示
す。) で表わされるベンジルアルコール、ベンジルエーテル、
および/または次の一般式(V) (式中、R1、R2およびR3は式(IV)と同じ意味を有す
る。) で表わされるジベンジルエーテルを酸触媒の存在下で反
応させて得られる共縮合樹脂に、更に一般式(VI) (式中、R4,R5は水素原子またはメチル基を示し、R6
水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。) で表わされるスチレン誘導体を反応させることを特徴と
する前記(1)のサリチル酸樹脂の製造方法、(3)該
サリチル酸樹脂の多価金属化物を含有してなる感圧複写
紙用顕色剤および(4)該顕色剤を使用してなる感圧複
写紙用顕色シートである。
本発明のサリチル酸樹脂の多価金属化物とは、上記サ
リチル酸樹脂の分子内またはサリチル酸樹脂分子間のカ
ルボキシル基との間で形成している多価金属塩または該
多価金属塩を含有する溶融混合物のいずれかを言う。
本発明のサリチル酸樹脂およびその多価金属塩は、従
来製造されたことのない新規な高分子化合物および塩で
ある。したがって本発明の顕色剤もまた新規な顕色剤で
ある。
本発明の新規な顕色剤を用いた顕色シートは無機固体
酸またはp−フェニルフェノールノボラック樹脂を用い
た顕色シートに比較して、同等またはそれ以上の発色性
を有し、さらに日光照射による黄変も改良され、特に空
気中の窒素酸化物による耐黄変性は大幅に向上し、取り
扱いおよび保存に極めて有利である。
一方、芳香族カルボン酸金属塩として典型的なサリチ
ル酸系化合物の金属塩と比較した場合、従来から知られ
ている芳香族カルボン酸金属塩の顕色剤としての欠点で
ある。
(イ)無色の発色性色素を溶解させた不揮発性オイルと
の相溶性不足 (ロ)幾分、水に溶解する (ハ)光により発色像が消失する (ニ)高価である 等を改善させることができる。この結果、低温における
発色性、光および水に対する発色像の安定性等が向上
し、有用な顕色剤を安価に供給することが可能となっ
た。
この、本発明のサリチル酸樹脂多価金属化物は、サリ
チル酸とベンジル化合物の縮合反応(以下、第一段の反
応という)で得られる共縮合樹脂に強酸触媒の存在下で
スチレン誘導体をフリーデルフラッツ反応させ(以下第
二段の反応という)、更にこの樹脂組成物を前途の多価
金属化物化させて(以下第三段の反応という)製造す
る。
第一段および第二段で製造されるサリチル酸樹脂は、
従来、全く開示されたことがなく、本発明者らが新規に
見出したものである。
この第一段の反応を具体的に説明すると、サリチル酸
に一般式(IV)または(V)で表わされる各種ベンジル
化合物を酸触媒の存在下で反応させて共縮合樹脂を得
る。一般式(IV)で表わされるベンジル化合物としては
各種ベンジルアルコール類または各種ベンジルアルキル
エーテル類がある。
従来、サリチル酸のアルキル化で各種アルコール類を
反応させてアルキル置換サリチル酸を得る方法は一般的
であり、幾つか知られている。
例えば、サリチル酸にイソブタノールを反応させ、te
rt−ブチルサリチル酸を得る方法、(「実験化学講座」
18巻,30頁(1956)、丸善)、サリチル酸1モルにフェ
ニルエタノールを2モル反応させて5−〔α−メチル−
4′−(α−メチルベンジル)−ベンジル〕−サリチル
酸等を得る方法(チバガイギー社、特開昭61−100493)
等がある。
これらは、いずれも置換サリチル酸化合物の製造例で
あって、本発明のようなアルコール類を用いてサリチル
酸の共縮合樹脂を製造する例は知られていない。本発明
の方法では過剰のベンジルアルコール類を存在させてサ
リチル酸との新規な共縮合樹脂を得る。すなわち、本発
明者らはサリチル酸1モルに1.5モル以上のベンジルア
ルコール類を存在させ、酸触媒により80℃以上の反応温
度で溶融反応させると、サリチル酸の水酸基に対してオ
ルト位および/またはパラ位へ各種ベンジル基が導入で
き、更に、余剰のベンジルアルコール類が自己縮合反応
を伴ないながら、サリチル酸へ導入された各種ベンジル
基へと逐次縮合して樹脂状となることを見出した。
また、ベンジルエーテル類は、ある種の芳香族化合物
に対してベンジル基を導入させることが可能である。例
えば、ベンジルプロピルエーテルを用いた場合、ベンゼ
ン、ナフタレン、フェノールなどにベンジル基を導入し
ている例は知られている。(「実験化学講座」18巻、84
頁(1956)、丸善)。これらはフッ化ホウ素のごとき極
めて強力な酸触媒を用い、しかも比較的求核置換反応を
受けやすい化合物が選ばれている。
しかしながら、本発明のサリチル酸とベンジルアルキ
ルエーテル類との反応は知られていない。このことは、
サリチル酸のようにカルボン酸を有するため、比較的求
核置換されにくい化合物に対してベンジルアルキルエー
テル類と反応させてベンジル基または置換ベンジル基を
導入させることは困難であると予想されたために、未だ
検討されていなかったものと考えられる。
また、本発明の樹脂を製造する際、脱アルコー反応に
よりアルコールが生成するが、反応成分であるサリチル
酸は、酸性触媒下に生成するアルコールとの反応により
サリチル酸エステル類およびそれら樹脂の混合物を与え
てしまい意図する目的物を得ることが困難であることが
容易に予想される。
このような困難な状況を克服し、本発明者らはサリチ
ル酸とベンジルアルキルエーテル類を酸触媒の存在下、
80℃以上の反応温度で反応させると、驚くべきことに対
応するエステル化反応等の副反応はほとんど生起せず各
種ベンジル基がサリチル酸の水酸基に対してオルト位お
よび/またはパラ位へ導入できることを見出した。更
に、過剰量のベンジルアルキルエーテル類を用いた場
合、余剰のベンジルアルキルエーテル類は反応条件を選
択することにより自己縮合反応を伴いながらサリチル酸
へ導入された各種ベンジル基へと縮合して樹脂状となる
ことがわかった。
この際、各種のベンジルアルキルエーテルにおいてア
ルキルエーテルのアルキル基は炭素原子数が4以下であ
ると反応が速く、かつ、エステル化反応も起こらず、良
好な樹脂が得られ易い。また、炭素原子数が4、すなわ
ちブチル基において、tert−ブチル基が反応が遅い傾向
にある。
また各種ベンジルアルコール類、各種ベンジルアルキ
ルエーテル類ではベンジル基のα位はそれぞれ水素又は
炭素数1〜4の低級アルキル基であるが、工業的に好ま
しくは水素またはメチル基である。ベンジル基の核に
は、無置換または、炭素数1〜12のアルキル基、アラル
キル基、アリール基もしくはシクロアルキル基がo位、
m位およびp位に少なくとも1個有し、好ましくは無置
換またはp位のメチル基である。
したがって、本発明で用いる共縮合樹脂を与えるベン
ジルアルコール類はベンジルアルコール、o−メチルベ
ンジルアルコール、m−メチルベンジルアルコール、p
−メチルベンジルアルコール、o−エチルベンジルアル
コール、m−エチルベンジルアルコール、p−エチルベ
ンジルアルコール、o−イソプロピルベンジルアルコー
ル、p−n−プロピルベンジルアルコール、p−tert−
ブチルベンジルアルコール、p−ノニルベンジルアルコ
ール、o−フェニルベンジルアルコール、p−シクロヘ
キシルベンジルアルコール、p−(ベンジル)ベンジル
アルコール、p−(α−メチルベンジル)ベンジルアル
コール、p−(α,α−ジメチル)ベンジルアルコー
ル、2,3−ジメチルベンジルアルコール、2,4−ジメチル
ベンジルアルコール、2,5−ジメチルベンジルアルコー
ル、2,6−ジメチルベンジルアルコール、3,4−ジメチル
ベンジルアルコール、3,5−ジメチルベンジルアルコー
ル、2,4−ジエチルベンジルアルコール、3−メチル−
4−エチルベンジルアルコール、3−(α−メチルベン
ジル)−4−メチルベンジルアルコール、2,5−(ジメ
チルベンジル)ベンジルアルコール、α−メチルベンジ
ルアルコール、α−エチルベンジルアルコール、α−n
−プロピルベンジルアルコール、α−イソプロピルベン
ジルアルコール、α−n−ブチルベンジルアルコール、
o−メチル−α−メチルベンジルアルコール、p−メチ
ル−α−メチルベンジルアルコール、m−メチル−α−
メチルベンジルアルコール、p−メチル−α−エチルベ
ンジルアルコール、p−メチル−α−イソプロピルベン
ジルアルコール、p−メチル−α−n−プロピルベンジ
ルアルコール、p−メチル−α−n−ブチルベンジルア
ルコール、p−エチル−α−メチルベンジルアルコー
ル、m−エチル−α−エチルベンジルアルコール、o−
エチル−α−メチルベンジルアルコール、p−イソプロ
ピル−α−メチルベンジルアルコール、p−フェニル−
α−メチルベンジルアルコール、p−(α−メチルベン
ジル)−α−メチルベンジルアルコール、p−(α,α
−ジメチルベンジル)−α−メチルベンジルアルコー
ル、2,3−ジメチル−α−メチルベンジルアルコール、
2,4−ジメチル−α−メチルベンジルアルコール、2,5−
ジメチル−α−メチルベンジルアルコール、3,4−ジメ
チル−α−メチルベンジルアルコール、2−メチル−5
−tert−ブチル−α−メチルベンジルアルコール等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
ベンジルアルキルエーテル類はベンジルメチルエーテ
ル、ベンジルエチルエーテル、ベンジルイソプロピルエ
ーテル、ベンジル−n−ブチルエーテル、o−メチルベ
ンジルメチルエーテル、o−メチルベンジルエチルエー
テル、o−メチルベンゾルイソブチルーテル、m−メチ
ルベンジルメチルエーテル、m−メチルベンジルエチル
エーテル、m−メチルベンジルイソプロピルエーテル、
o−エチルベンジルメチルエーテル、o−エチルベンジ
ルエチルエーテル、o−エチルベンジルイソプロピルエ
ーテル、p−エチルベンジルメチルエーテル、p−エチ
ルベンジルエチルエーテル、p−エチルベンジルイソプ
ロピルエーテル、p−エチルベンジル−n−ブチルエー
テル、o−イソプロピルベンジルエチルエーテル、p−
イソプロピルベンジルエチルエーテル、p−n−プロピ
ルベンジルエチルエーテル、p−tert−ブチルベンジル
エチルエーテル、p−tert−ブチルベンジルイソプロピ
ルエーテル、p−tert−オクリルベンジルエチルエーテ
ル、p−ノニルベンジルメチルエーテル、p−ドデシル
ベンジルメチルエーテル、p−フェニルベンジルメチル
エーテル、o−フェニルベンジルイソプロピルエーテ
ル、p−シクロヘキシルベンジルエチルエーテル、p−
(α−メチルベンジル)ベンジルメチルエーテル、p−
(α−メチルベンジル)ベンジルエーテル、p−(α,
α−ジメチルベンジル)ベンジルメチルエーテル、2,3
−ジメチルベンジルメチルエーテル、2,4−ジメチルベ
ンジルメチルエーテル、2,5−ジメチルベンジルメチル
エーテル、2,6−ジメチルベンジルメチルエーテル、3,4
−ジメチルベンジルメチルエーテル、3,5−ジメチルベ
ンジルメチルエーテル、2,4−ジエチルベンジルメチル
エーテル、3,4−ジメチルベンジルエチルエーテル、3,5
−ジメチルベンジルエチルエーテル、2,3−ジメチルベ
ンジルイソプロピルエーテル、2,4−ジメチルベンジル
−n−プロピルエーテル、3,4−ジメチルベンジル−n
−ブチルエーテル、2,4−ジメチルベンジル−sec−ブチ
ルエーテル、3,5−ジメチルベンジル−n−アミルエー
テル、2,4−ジエチルベンジルメチルエーテル、3,5−ジ
エチルベンジルイソプロピルエーテル、2,3−ジエチル
ベンジル−n−ブチルエーテル、2,4−ジイソプロピル
ベンジルメチルエーテル、3,5−ジイソプロピルベンジ
ルエチルエーテル、3−メチル−4−エチルベンジルメ
チルエーテル、3−メチル−5−tert−ブチルベンジル
メチルエーテル、2−メチル−4−(α−メチルベンジ
ル)ベンジルメチルエーテル、p−メチルベンジルメチ
ルエーテル、p−メチルベンジルエチルエーテル、p−
メチルベンジル−n−プロピルエーテル、p−メチルベ
ンジルイソプロピルエーテル、p−メチルベンジル−n
−ブチルエーテル、p−メチルベンジル−sec−ブチル
エーテル、p−メチルベンジルイソブチルエーテル、α
−メチルベンジルメチルエーテル、α−メチルベンジル
エチルエーテル、α−メチルベンジルイソプロピルエー
テル、α−メチルベンジル−n−プロピルエーテル、α
−メチルベンジル−n−ブチルエーテル、α−エチルベ
ンジルメチルエーテル、α−エチルベンジルエチルエー
テル、α−エチルベンジルイソプロピルエーテル、α−
エチルベンジル−n−ブチルエーテル、α−n−プロピ
ルベンジルメチルエーテル、α−イソプロピルベンジル
エチルエーテル、α−n−ブチルベンジルイソプロピル
エーテル、o−メチル−α−メチルベンジルメチルエー
テル、p−メチル−α−メチルベンジルメチルエーテ
ル、m−メチル−α−メチルベンジルメチルエーテル、
p−メチル−α−メチルベンジルエチルエーテル、p−
メチル−α−メチルベンジルイソプロピルエチルエーテ
ル、p−メチル−α−メチルベンジル−n−プロピルエ
チルエーテル、p−メチル−α−メチルベンジル−n−
ブチルエチルエーテル、p−メチル−α−エチルベンジ
ルメチルエーテル、p−メチル−α−エチルベンジルエ
チルエーテル、p−メチル−α−エチルベンジルイソプ
ロピルエーテル、p−メチル−α−エチルベンジル−n
−ブチルエーテル、o−メチル−α−エチルベンジルメ
チルエーテル、o−メチル−α−エチルベンジルイソプ
ロピルエーテル、m−メチル−α−エチルベンジルメチ
ルエーテル、p−エチル−α−メチルベンジルメチルエ
ーテル、o−エチル−α−エチルベンジルエチルエーテ
ル、m−エチル−α−n−プロピルベンジルメチルエー
テル、p−イソプロピル−α−メチルベンジルメチルエ
ーテル、o−イソプロピル−α−メチルベンジルメチル
エーテル、p−sec−ブチル−α−メチルベンジルメチ
ルエーテル、p−tert−ブチル−α−メチルベンジルメ
チルエーテル、p−ノニル−α−メチルベンジルメチル
エーテル、p−ドデシル−α−メチルベンジルメチルエ
ーテル、p−フェニル−α−メチルベンジルメチルエー
テル、p−フェニルベンジル−α−エチルベンジルメチ
ルエーテル、p−シクロヘキサン−α−メチルベンジル
メチルエーテル、p−(α−メチルベンジル)−α−メ
チルベンジルメチルエーテル、p−(α−メチルベンジ
ル)ベンジルエーテル、p−(α,α−ジメチルベンジ
ル)−α−メチルベンジルメチルエーテル、2,3−ジメ
チル−α−メチルベンジルメチルエーテル、2,4−ジメ
チル−α−メチルベンジルメチルエーテル、2,5−ジメ
チル−α−メチルベンジルメチルエーテル、2,6−ジメ
チル−α−メチルベンジルメチルエーテル、3,4−ジメ
チル−α−メチルベンジルメチルエーテル、3,5−ジメ
チル−α−メチルベンジルメチルエーテル、2,3−ジメ
チル−α−メチルベンジルエチルエーテル、2,4−ジメ
チル−α−メチルベンジルイソプロピルエーテル、2,5
−ジメチル−α−メチルベンジル−n−プロピルエーテ
ル、2,6−ジメチル−α−メチルベンジル−n−ブチル
エーテル、3,4−ジメチル−α−メチルベンジル−sec−
ブチルエーテル、2,3−ジメチル−α−エチルベンジル
メチルエーテル、2,4−ジメチル−α−エチルベンジル
メチルエーテル、2,5−ジメチル−α−エチルベンジル
エチルエーテル、2,6−ジメチル−α−エチルベンジル
−n−プロピルエーテル、3,4−ジメチル−α−エチル
ベンジルイソプロピルエーテル、3,5−ジメチル−α−
エチルベンジル−n−ブチルエーテル、2,4−ジメチル
−α−プロピルベンジルメチルエーテル、2,4−ジエチ
ル−α−メチルベンジルメチルエーテル、2,6−ジエチ
ル−α−メチルベンジルメチルエーテル、3,4−ジエチ
ルベンジル−α−エチルベンジルメチルエーテル、3,5
−ジエチルベンジル−α−プロピルベンジルイソプロピ
ルエーテル、2,4−ジイソプロピル−α−メチルベンジ
ルメチルエーテル、2,4−ジイソプロピル−α−エチル
ベンジルメチルエーテル、2,6−ジイソプロピル−α−
プロピルベンジルメチルエーテル、3,5−ジイソプロピ
ル−α−ブチルベンジルメチルエーテル、2−メチル−
4−エチル−α−メチルベンジルメチルエーテル、2−
メチル−4−tert−ブチル−α−メチルベンジルメチル
エーテル、2−メチル−4−(α−メチルベンジル)−
α−メチルベンジルメチルエーテル、2−メチル−4−
(α,α−ジメチルベンジル)−α−メチルベンジルメ
チルエーテル等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
これらのうち、工業的に好ましくはベンジルアルコー
ル類としてベンジルアルコール、p−メチルベンジルア
ルコール、α−メチルベンジルアルコール、p−メチル
−α−メチルベンジルアルコール等が挙げられ、ベンジ
ルアルキルエーテル類としてベンジルメチルエーテル、
α−メチルベンジルメチルエーテル、p−メチルベンジ
ルメチルエーテル等が挙げられる。
この第一段の反応で用いる各種ベンジルアルコールお
よび各種ベンジルアルキルエーテルの使用量はサリチル
酸1モルに対して1.0〜10モルである。
この第一段の反応においては、反応に不活性な溶剤を
使用してもよいが、通常は無溶剤で行なわれる。
反応温度は80℃以上が必要であり、80℃より低いと反
応は極端に遅くなり、かつエステル化反応等の副反応の
生成が大きくなる。また反応時間をできるだけ短縮する
ためには約100〜240℃の温度範囲が望ましい。反応時間
は1〜20時間である。酸触媒としては無機または有機の
酸、特に鉱酸、例えば塩酸、リン酸、硫酸、またはギ
酸、あるいは塩化亜鉛、塩化第二錫、塩化第二鉄のよう
なフリーデルクラフツ形触媒、メタンスルホン酸または
p−トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸などを単
独で使用するかまたは併用してもよい。触媒の使用量
は、サリチル酸とベンジル化合物の全重量の約0.01〜20
重量%である。この第一段の反応で樹脂を製造する一般
的な方法としては、所定量のサリチル酸、ベンジル化合
物および触媒を同時に加え、そのまま昇温して所定の温
度で反応させるかベンジル化合物を反応中に滴下しなが
ら反応させてもよい。反応が進行するにつれて生成する
水またはアルコールを系外にトラップする。必要によっ
ては系内に残存する微量の水またはアルコールを窒素に
より系外に除去する。
また比較的低分子量の組成の樹脂を得るために、ベン
ジル化合物の使用モル比を少なくした場合は、未反応の
サリチル酸が残存するので、これを除去する方法とし
て、樹脂の湯洗またはベンゼン、トルエン、モノクロロ
ベンゼン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等の有機溶剤に溶解させて湯洗する方法等がとられる。
次に一般式(V)で表わされるジベンジルエーテルの
場合について述べる。
前述のように、ベンジルエーテル類を用いて、ある種
の芳香族化合物に、ベンジル基を導入している例はある
が、本発明のようなジベンジルエーテル類を用いてサリ
チル酸の共縮合樹脂を製造する例は知られていない。本
発明の方法では過剰のジベンジルエーテル類を存在させ
てサリチル酸との新規な共縮合樹脂を得る。すなわち、
本発明者らはサリチル酸1モルに対し0.5モル以上のジ
ベンジルエーテル類を酸触媒の存在下に80℃以上の反応
温度で溶融反応させると、サリチル酸の水酸基に対して
オルト位および/またはパラ位へ各種ベンジル基が導入
でき、更に、余剰のジベンジルエーテル類が自己縮合反
応を伴ないながら、サリチル酸へ導入された各種ベンジ
ル基へと逐次縮合して樹脂状となることを見出した。
本発明で使用するジベンジルエーテル類ではベンジル
基のα位は水素又は炭素数1〜4の低級アルキル基であ
るが、工業的に好ましくは水素原子またはメチル基であ
る。ベンジル基の核には、無置換または、炭素数1〜12
のアルキル基、アラルキル基、アリール基もしくはシク
ロアルキル基がo位、m位およびp位に少なくとも1個
有し、好ましくは無置換またはp位のメチル基である。
したがって、本発明で用いる共縮合樹脂を与えるジベ
ンジルエーテル類としては、ジベンジルエーテル、ジ
(o−メチルベンジル)エーテル、ジ(m−メチルベン
ジル)エーテル、ジ(p−メチルベンジル)エーテル、
ジ(o−エチルベンジル)エーテール、ジ(m−エチル
ベンジル)エーテル、ジ(p−エチルベンジル)エーテ
ル、ジ(o−イソプロピルベンジル)エーテル、ジ(p
−n−プロピルベンジル)エーテル、ジ(p−tert−ブ
チルベンジル)エーテル、ジ(p−ノニルベンジル)エ
ーテル、ジ(o−フェニルベンジル)エーテル、ジ(p
−シクロヘキシルベンジル)エーテル、ジ[p−(ベン
ジル)ベンジル]エーテル、ジ[p−(α−メチルベン
ジル)ベンジル]エーテル、ジ[p−(α,α−ジメチ
ル)ベンジル]エーテル、ジ(2,3−ジメチルベンジ
ル)エーテル、ジ(2,4−ジメチルベンジル)エーテ
ル、ジ(2,5−ジメチルベンジル)エーテル、ジ(2,6−
ジメチルベンジル)エーテル、ジ(3,4−ジメチルベン
ジル)エーテル、ジ(3,5−ジメチルベンジル)エーテ
ル、ジ(2,4−ジエチルベンジル)エーテル、ジ(3−
メチル−4−エチルベンジル)エーテル、ジ[3−(α
−メチルベンジル)−4−メチルベンジル]エーテル、
ジ[2,5−(ジメチルベンジル)ベンジル]エーテル、
ジ(α−メチルベンジル)エーテル、ジ(α−エチルベ
ンジル)エーテル、ジ(α−n−プロピルベンジル)エ
ーテル、ジ(α−イソプロピルベンジル)エーテル、ジ
(α−n−ブチルベンジル)エーテル、ジ(o−メチル
−α−メチルベンジル)エーテル、ジ(p−メチル−α
−メチルベンジル)エーテル、ジ(m−メチル−α−メ
チルベンジル)エーテル、ジ(p−メチル−α−エチル
ベンジル)エーテル、ジ(p−メチル−α−イソプロピ
ルベンジル)エーテル、ジ(p−メチル−α−n−プロ
ピルベンジル)エーテル、ジ(p−メチル−α−n−ブ
チルベンジル)エーテル、ジ(p−エチル−α−メチル
ベンジル)エーテル、ジ(m−エチル−α−エチルベン
ジル)エーテル、ジ(o−エチル−α−メチルベンジ
ル)エーテル、ジ(p−イソプロピル−α−メチルベン
ジル)エーテル、ジ(p−フェニル−α−メチルベンジ
ル)エーテル、ジ[p−(α−メチルベンジル)−α−
メチルベンジル]エーテル、ジ[p−(α,α−ジメチ
ルベンジル)−α−メチルベンジル]エーテル、ジ(2,
6−ジメチル−α−メチルベンジル)エーテル、ジ(2,4
−ジメチル−α−メチルベンジル)エーテル、ジ(2,5
−ジメチル−α−メチルベンジル)エーテル、ジ(3,4
−ジメチル−α−メチルベンジル)エーテル、ジ(2−
メチル−5−tert−ブチル−α−メチルベンジル)エー
テル等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
これらのうち、工業的に好ましくはジベンジルエーテ
ル、ジ(p−メチルベンジル)エーテル、ジ(α−メチ
ルベンジル)エーテル、ジ(p−メチル−α−メチルベ
ンジル)エーテル等が挙げられる。
この第一段の反応で用いる各種ジベンジルエーテルの
使用量はサリチル酸1モルに対して0.5〜5モル、すな
わちベンジル基換算では、前記(IV)式の場合と同様で
ある。さらに、この反応系のモル比以外の反応諸条件、
反応操作等も前記(IV)式のベンジル化合物の場合と同
様である。
上述のように、本発明のサリチル酸樹脂の原料とし
て、各種ベンジルアルコール、各種ベンジルエーテルお
よび各種ジベンジルエーテルが用いられるが、これらの
ベンジル誘導体の混合物を使用することもできる。
とくに、ベンジルアルコール類と、ジベンジルエーテ
ル類の混合物はベンジルハライド類の加水分解によって
得られるので以下これについて述べる。
(式中、R1,R2およびR3は式(II)と同じ意味を有し、
Yはハロゲン原子を示す。) で表わされるベンジルハライド類を、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩の水
溶液で加水分解することによって、上記一般式(VII)
においてYがOHであり、一般式(IV)ではR7が水素原子
であるベンジルアルコール類と、Yが であり、一般式(V)で表わされるジベンジルエーテル
類の混合物が得られる。すなわち、水酸化カリウム、水
酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、
水酸化マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、重炭酸カリウム、
重炭酸ナトリウム等をベンジルハライド類1モルに対し
て1モル以上、好ましくは1〜10モル程度使用する。
水溶液中の上記アルカリ化合物の濃度は1〜40重量
%、好ましくは3〜20重量%である。このアルカリ化合
物の濃度が高いほど得られる前記混合物中のジベンジル
エーテル類の割合が高くなり、逆にアルカリ化合物の濃
度が低いほどベンジルアルコール類の割合が高くなる傾
向にある。
さらに、水溶液濃度とは別に、アルカリ化合物の種類
によっても前記混合物の構成割合が変わる。例えば、強
アルカリ性の水酸化物である水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウムを使用すると、比較的弱アルカリ性の炭酸ナト
リウム、重炭酸ナトリウムを使用する場合にくらべて、
ジベンジルエーテル類の混合割合は増加する。
この加水分解反応における反応温度は室温〜100℃程
度で行なわれるが、反応を速めるために、更に温度を上
げて加圧下で行なう場合もある。反応時間は1〜40時
間、通常は5〜20時間で行なわれる。なお、この反応で
は、通常有機溶媒を使用することなく行なわれるが、反
応に不活性な有機溶剤を使用してもよい。
また、反応を速めるために、クラウンエーテル、クリ
プテート、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等
の相間移動触媒を使用してもよい。
反応終了後、反応液を静置することにより分液した油
状物を分離してベンジルアルコール類とジベンジルエー
テル類の混合物を得る。これを更に蒸留して精製しても
よいが、そのまま使用することができる。上記方法で得
られるベンジルアルコール類とジベンジルエーテル類の
組成比は1:99〜99:1(重量比)の範囲である。
このようにして得られたベンジルアルコール類とジベ
ンジルエーテル類の混合物とサリチル酸との縮合の場合
の原料の使用量、反応条件等は前記単独の場合と同様で
ある。
つぎに、第二段の反応は第一段の反応で得られた共縮
合樹脂に前記一般式(VI)で表わされるスチレン誘導体
を強酸触媒の存在下で反応させる。
この反応ではスチレン誘導体のα位が前記第一段の反
応で得られたサリチル酸樹脂の芳香族置換基をベンジル
化する。すなわち、サリチル酸骨格以外のベンゼン環に
反応する。
更には、余剰のスチレン類がサリチル酸樹脂の芳香族
置換基およびそれらに結合したスチレン誘導体のベンゼ
ン環に反応し分子量が増加することがわかった。
この第二段の反応において使用するスチレン誘導体と
しては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p
−エチルスチレン、o−イソプロピルスチレン、m−イ
ソプロピルスチレン、p−イソプロピルスチレン、p−
tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチ
ルスチレン等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。工業的に好ましくは安価なスチレンである。
このスチレン誘導体の使用量は第一段の反応で得られ
た樹脂中のサリチル酸分1モルに対して0.2〜20モル、
好ましくは0.5〜10モルである。スチレン誘導体の使用
量が上記の範囲より少ない場合は上葉紙のマイクロカプ
セル中にある不揮発性オイルとの相溶性や水に対する不
溶化も幾分不足し、多い場合は、サリチル酸分の相対的
な割合が減少し、発色濃度が所望の水準に達しない。
この第二段の反応では、強酸触媒を使用する。
例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸類、塩化第2
鉄、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化第二錫、四塩化
チタン、三弗化ホウ素等のフリーデルクラフツ形触媒ま
たはメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸
等の強酸触媒が使用できる。このうち、特に好ましいの
は安価な硫酸である。触媒の使用量は第一段の反応で得
られたサリチル酸樹脂とスチレン誘導体の全重量に対
し、0.05〜200重量%、好ましくは経済性を考慮して1
〜100重量%の範囲である。
また、この第二段の反応では溶剤を使用してもよい。
この溶剤としては、反応に不活性なもの、例えば、n−
ヘキサン、n−ヘプタン、n−ペンタン、シクロヘキサ
ン等の脂肪族炭化水素類、エチルエーテル、エチレング
リコールジメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類、塩化メチレン、1,2−
ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、四塩化炭
素、クロロホルム、モノクロロベンゼン等のハロゲン化
炭化水素溶剤、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類、アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類、その他二硫化
炭素、ニトロメタン、アセトニトリル、テトラヒドロフ
ラン等が挙げられる。
これらの溶剤の使用量は原料の全重量に対して経済性
を考慮すれば30容量/重量倍以下が望ましい。
第二段の方法を実施する際の反応温度は、−20℃〜18
0℃、好ましくは0〜120℃の範囲である。反応時間は1
〜30時間である。
第二段の反応で樹脂を製造する方法としては第一段で
得られたサリチル酸樹脂の有機溶剤溶液に触媒を装入
し、所定の温度でもう一方の原料のスチレン誘導体を滴
下させながら反応させる方法が一般的である。この際、
滴下時間は全反応時間の50%以上が好ましく、通常は1
〜20時間である。反応後、使用した溶剤が水に不溶であ
る場合は水を加え二層で水洗分液したのち、溶剤を留去
させて樹脂を得てもよく、希アルカリ水溶液で抽出分離
して次の工程に使用してもよい。溶剤が水に溶解する場
合は、水に投入して析出した樹脂を得ることができる。
このようにして得られる新規なサリチル酸樹脂は、前
記の構造単位(I)が5〜35モル%、構造単位(II)が
10〜85モル%、構造単位(III)が4〜85モル%からな
り、重量平均分子量は500〜10,000、顕色剤として好ま
しくは、500〜5,000である。
次に第三段の反応である上記サリチル酸樹脂の多価金
属化物化について述べる。前述のように本発明におい
て、サリチル酸樹脂の多価金属化物とは、上記サリチル
酸樹脂の多価金属塩または、該多価金属塩を含有する溶
融混合物のいずれかを意味する。
前記サリチル酸樹脂から多価金属塩を製造するにはい
くつかの公知の方法を適用できる。例えば、本樹脂のア
ルカリ金属塩と水溶性多価金属塩とを、水または双方可
溶な溶媒中で反応させて製造できる。すなわち、サリチ
ル酸樹脂に対してアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩また
はアルコキシド等を反応させて、サリチル酸樹脂のアル
キル金属塩またはそれらの水溶液、アルコール溶液、あ
るいは水−アルコール混合溶液を得たのち、水溶性多価
金属塩を反応せしめて生成する方法である。
すなわち、サリチル酸樹脂中のカルボキシル基に対し
て当量以上のアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩またはア
ルコキシドを含有するその水溶液、アルコール溶液ある
いは水−アルコール溶液中に該サリチル酸樹脂を分散さ
せて、0〜100℃の温度条件下に溶解させ、この溶解液
に水溶性多価金属塩をそのまま、または水溶液、アルコ
ール溶液もしくは水−アルコール溶液として0〜100℃
において添加反応せしめることにより沈殿としてサリチ
ル酸樹脂の多価金属塩を得る。サリチル酸樹脂中のカル
ボキシル基に対して約0.5〜1当量の水溶性多価金属塩
を反応させることが望ましい。
サリチル酸樹脂の多価金属塩を含有する溶融混合物を
得るには、サリチル酸樹脂をギ酸、酢酸、プロピオン
酸、吉草酸、カプロン酸、ステアリン酸または安息香酸
等の有機カルボン酸の多価金属塩と混合し、加熱溶融反
応させたのち冷却することにより製造できる。場合によ
っては、更に塩基性物質、例えば炭酸アンモニウム、重
炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、安息香酸アンモ
ニウムを添加して、加熱溶融反応させてもよい。
さらに、サリチル酸樹脂と多価金属の炭酸塩、酸化
物、水酸化物を使用し、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモ
ニウム、カプロン酸アンモニウム、ステアリン酸アンモ
ニウム、安息香酸アンモニウム等の有機カルボン酸アン
モニウム等の塩基性物質と加熱溶融反応させたのち冷却
して製造できる。
加熱溶融してサリチル酸樹脂の金属化物を製造する場
合、溶融温度は通常100〜180℃で行い、反応時間は樹脂
組成、溶融温度、多価金属塩の種類、使用量によるが、
1〜数時間程度である。また多価金属塩は、サリチル酸
樹脂全重量に対して金属が1重量%〜約20重量%存在す
るように多価金属の有機カルボン酸塩、炭酸塩、酸化
物、水酸化物を使用することが望ましい。
塩基性物質の使用量については特に制限はないが、通
常サリチル酸樹脂全重量に対して1〜15重量%使用す
る。塩基性物質を使用する際は、あらかじめ多価金属塩
と混合して使用するのが更に好ましい。
この加熱溶融法で製造される金属化樹脂の軟化点(JI
S−K−2548による環球軟化点測定法)(以下測定法は
同じ)範囲は50〜120℃である。
本発明のサリチル酸共縮合樹脂の金属化合物の金属と
しては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ
金属類を除く金属を包含するが、好ましい多価金属とし
ては、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、
亜鉛、スズ、バリウム、コバルトおよびニッケル等が挙
げられる。これらのうち、亜鉛が特に有効である。これ
ら多価の金属は、サリチル酸樹脂の分子内または分子間
のカルボキシル基との間で、多価金属塩を形成してい
る。
上述のサリチル酸樹脂金属化物は顕色剤として使用さ
れ、既知の顕色剤、すなわち活性白土等の無機固体酸、
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の有機重合体また
は芳香族カルボン酸金属塩等と併用することは何ら差支
えない。
本発明の顕色剤はさらに亜鉛、マグネシウム、アルミ
ニウム、鉛、チタン、カルシウム、コバルト、ニッケ
ル、マンガンおよびバリウムから成る群から選ばれる多
価金属の酸化物、水酸化物または炭酸塩の少なくとも1
種以上と併用してもよい。
本発明のサリチル酸樹脂多価金属化物を用いて感圧複
写紙用顕色シートを調製する方法としては、(1)該金
属化物の水性懸濁液を用いた水性塗料を紙等の支持体に
塗布する方法、(2)抄紙時に該金属化物を漉き込む方
法、(3)該金属化物を有機溶剤に溶解または懸濁した
ものを支持体に塗布する方法等の方法がいずれも使用で
きる。
塗料を作成するに際しては、カオリン粘土類、炭酸カ
ルシウム、でん粉、合成および天然ラテックッス等を配
合して適当な粘度、塗工適性を有する塗料とする。塗料
において顕色剤成分が占める割合は全固形分中の10〜70
%が望ましく、顕色剤の成分の割合が10%未満では十分
な発色性を発揮しえず、また70%を超えると顕色シート
の紙面特性が低下する。塗料の塗布量は乾燥重量で0.5g
/m2以上、好ましくは1〜10g/m2である。
本発明の新規なサリチル酸樹脂多価金属化物を用いた
顕色シートは無機固体酸またはp−フェニルフェノール
ノボラック樹脂を用いた顕色シートに比較して、同等ま
たはそれ以上の発色性を有し、さらに日光照射による黄
変を改良され、特に空気中の窒素酸化物による耐黄変性
は大幅に向上し、取扱いおよび保存に極めて有利であ
る。
一方、芳香族カルボン酸金属塩として典型的なサリチ
ル酸系化合物の金属塩と比較した場合、低温における発
色性、光による安定性および水に対する耐性は著しく向
上する。また、安価な原料を用い、簡単な工程で製造で
きるため極めて有利である。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
各実施例および比較例で得られた感圧複写紙顕色シー
トの性能測定は以下の方法によって行い、その結果は表
3に一括して示した。
1.発色速度および濃度(5℃,60%RHおよび20℃,65%RH
の恒温恒湿室内で実施) クリスタルバイオレットラクトン(CVL)を主たる感
圧色素とする市販の青発色用上紙(十條製紙製NW−40
T)を用い、水性塗料を塗布した顕色シート(下用紙)
との両塗布面を対向させて重ね合わせ、電子タイプライ
ターで打圧発色させる。
打刻1分30秒後、および24時間後の2点について測色
しY値で表示する。
2.発色像の耐光堅牢度 1の方法で発色させた顕色シートをカーボンアークフ
ェードメーター(スガ試験機製)に、2時間(および4
時間)暴露し照射後の反射率をΣ−80色差計を用いて測
定しY値で表示した。
Y値が低く、かつ試験前値との差が小さいほど光によ
る褪色が少なく好ましい。
3.耐可塑剤性 ジオクチフタレート(DOP)を芯物質とする平均粒子
径5.0μのメラミン.ホルムアルデヒド樹脂膜マイクロ
カプセルを調製し、少量の澱粉系バインダーを加えた塗
液をエアナイフコーターで上質紙上に乾燥塗布量が5g/m
2となるよう塗布乾燥しDOPマイクロカプセル塗布紙を用
意する。該DOPマイクロカプセル塗布紙と1で発色させ
た顕色シートの発色面を対向させたのち100kg/cmの線圧
を有するスーパーカレンダーロールを通過させ、発色面
にDOPを均一に浸透させる。
1時間後の反射率をΣ−80色差計を用いて測定しY値
で表示する。Y値が低くかつ試験前値との差が小さいほ
ど発色像の可塑剤耐性が良好であることを意味する。
4.発色像の耐水性 1の方法で発色させた顕色シートを水中に2時間浸漬
し、発色像の濃度変化を肉眼で観察した。
5.顕色シートの黄変性 (5−1)NOxによる黄変 JIS L−0855〔染色物および染料の酸化窒素ガス堅牢
度試験方法〕に基づき、顕色シートをNaNO2(亜硝酸ナ
トリウム)とH3PO4(リン酸)との反応により発生するN
Oxガス雰囲気の密閉容器中に1時間保存して、黄変の程
度を調べる。
保存終了後、1時間目にΣ−80色差計を用いWB値で表
示する。WB値が大きく、かつ未試験シートのWB値との差
が小さいほどNOx雰囲気下での黄変性が少ないことを意
味する。
(5−2)光による黄変 顕色シートをカーボンアークフェードメーター(スガ
試験機製)に4時間照射し、照射後Σ−80色差計を用い
WB値で表示する。WB値が大きく、かつ未試験シートのWB
値との差が小さいほど光照射による黄変性が小さいこと
を意味する。
実施例1 (a)サリチル酸樹脂およびその多価金属化物の合成 サリチル酸27.6g(0.2モル)、ベンジルメチルエーテ
ル44.8g(0.4モル)、および触媒としてp−トルエンス
ルホン酸0.76gと無水塩化亜鉛0.76gをガラス製反応器に
仕込み、窒素ガスを通気して反応温度125〜135℃で3時
間縮合させた。その後、反応温度を145℃まで昇温し、
2時間反応をつづけた。つぎに、内温を70℃まで冷却
し、これに1,2−ジクロロエタン150mlを装入して室温ま
で冷却した。ついで、96%硫酸7.5gを装入し、激しく撹
拌しながらスチレン83.2g(0.8モル)を20〜30℃で5時
間かけて滴下した。その後、同温度で5時間熟成を行な
って反応を終了した。つぎに、反応液に水60gを撹拌下
に注加したのち、静置分液した。ここで得られた樹脂の
重量平均分子量は1380であった。下層の溶剤層を別のガ
ラス製反応器に装入し、これに28%アンモニア水20gと
酸化亜鉛8.1g(0.1モル)を加え、室温で1時間撹拌し
た。その後、昇温して60〜70℃で1時間反応を行なった
のち、加熱して溶剤を留去した。内温を150℃まで上げ
たのち、20mmHgの真空下で30分間脱揮して取り出したと
ころ赤褐色透明のサリチル酸樹脂亜鉛化物156gを得た
(収率定量的)。
この樹脂亜鉛化物の軟化点は85℃であった。
(b)顕色剤としての使用 上記サリチル酸樹脂亜鉛化物を顕色剤として用い、下
記組成にてサンドグラインディングミルで分散させて懸
濁液を調製した。
顕色剤 6 重量部 10%ポリビニルアルコール水溶液 3 重量部 (クラレ#117) 水 22.5重量部 次に該懸濁液を用いて下記組成の塗料を調整した。
懸濁液 10 重量部 軽質炭酸カルシウム 10 重量部 澱 粉 0.8重量部 合成ゴムラテックス 0.8重量部 水 32.5重量部 これらの塗料を上質紙に乾燥時塗布量が5.0〜5.5g/m2
となるように塗布乾燥し、顕色シートを得た。
実施例2 サリチル酸27.6g(0.2モル)、p−メチル−α−メチ
ルベンジルアルコール40.8g(0.3モル)、モノクロロベ
ンゼン100mlおよび触媒として無水塩化亜鉛0.7gを反応
器に装入し、溶剤の還流下で5時間反応させ、途中留出
する水を水分離器で除いた。反応後、温水300mlを加え9
0℃以上で20分間撹拌し上層の水層を除去する。この湯
洗、分液操作を更に2回繰り返して未反応のサリチル酸
を除いた。つぎに、5℃まで冷却した該モノクロロベン
ゼン溶液に濃硫酸10gを注加し、これにスチレン31.2g
(0.3モル)を温度5〜10℃で7時間かけて滴下し、反
応後同温度で3時間熟成した。生成した樹脂の重量平均
分子量は1150であった。これに水1500mlを加え、更に45
%苛性ソーダ水溶液36g(0.4モル)を滴下した。ついで
昇温して溶剤を共沸留出させたところ、やや白濁した状
態の水溶液が得られた。これを40℃まで冷却し、あらか
じめ硫酸亜鉛7水和物29g(0.1モル)を水200mlに溶解
させた水溶液を滴下させた。白色の沈殿が析出し、これ
を濾過水洗後、真空乾燥して92gのサリチル酸樹脂亜鉛
塩を得た。元素分析による亜鉛含量は6.78%であった。
このサリチル酸樹脂亜鉛加物を用い、実施例1と同様に
して顕色シートを得た。
実施例3〜16 ベンジルアルコール類またはベンジルアルキルエーテ
ル類の種類、サリチル酸とのモル比、スチレン類の種類
と量、使用した触媒の種類と量および反応条件を表1の
ようにした以外は実施例1と同様にして各種サリチル酸
樹脂多価金属化物を製造した。得られた金属化物の軟化
点は表1に示した。
このサリチル酸樹脂多価金属化物を用い、実施例1と
同様にして顕色シートを得た。
実施例17,18 実施例1、および実施例7で得られた顕色剤の懸濁液
を用い、下記組成の塗料を調製した。
懸濁液 10 重量部 酸化亜鉛 2 重量部 炭酸カルシウム 8 重量部 澱 粉 0.8重量部 合成ゴムラテックス 0.8重量部 水 32.5重量部 これらの塗料を上質紙に乾燥時塗布量が5.0〜5.5g/m2
となるように塗布乾燥し、顕色シートを得た。
実施例19 (a)サリチル酸樹脂およびその多価金属化物の合成 サリチル酸27.6g(0.2モル)、ジベンジルエーテル3
9.7g(0.2モル)、および触媒としてp−トルエンスル
ホン酸0.7gと無水塩化亜鉛0.7gをガラス製反応器に仕込
み、窒素ガスを通気して反応温度125〜135℃で3時間縮
合させた。その後、反応温度を145℃まで昇温し、2時
間反応をつづけた。つぎに、内温を70℃まで冷却し、こ
れに1,2−ジクロロエタン150mlを装入して室温まで冷却
した。ついで、96%硫酸7.5gを装入し、激しく撹拌しな
がらスチレン83.2g(0.8モル)を20〜30℃で5時間かけ
て滴下した。その後、同温度で5時間熟成を行なって反
応を終了した。つぎに、反応液に水60gを撹拌下に注加
したのち、静置分液した。ここで得られた樹脂の重量平
均分子量は1100であった。下層の溶剤層を別のガラス製
反応器に挿入し、これに28%アンモニア水10gと酸化亜
鉛8.1g(0.1モル)を加え、室温で1時間撹拌した。そ
の後、昇温して60〜70℃で1時間反応を行なったのち、
加熱して溶剤を留去した。内温を150℃まで上げたの
ち、20mmHgの真空下で30分間脱揮して取り出したところ
赤褐色透明のサリチル酸樹脂亜鉛化物155gを得た(収率
定量的)。
この樹脂亜鉛化物の軟化点は78℃であった。
(b)顕色剤としての使用 上記サリチル酸樹脂亜鉛化物を顕色剤として用い、実
施例1と同様にして顕色シートを得た。
実施例20 サリチル酸27.6g(0.2モル)、ジ(p−メチル−α−
メチルベンジル)エーテル38.1g(0.15モル)、モノク
ロロベンゼン100mlおよび触媒として無水塩化亜鉛0.7g
を反応器に装入し、溶剤の還流下で5時間反応させ、途
中留出する水を水分離器で除いた。反応後、温水300ml
を加え90℃以上で20分間撹拌し上層の水層を除去する。
この湯洗、分液操作を更に2回繰り返して未反応のサリ
チル酸を除いた。つぎに、5℃まで冷却した該モノクロ
ロベンゼン溶液に濃硫酸10gを注加し、これにスチレン3
1.2g(0.3モル)を温度5〜10℃で7時間かけて滴下
し、反応後同温度で3時間熟成した。生成した樹脂の重
量平均分子量は850であった。これに水1500mlを加え、
更に45%苛性ソーダ水溶液36g(0.4モル)を滴下した。
ついで昇温して溶剤を共沸留出させたところ、やや白濁
した状態の水溶液が得られた。これを40℃まで冷却し、
あらかじめ硫酸亜鉛7水和物29g(0.1モル)を水200ml
に溶解させた水溶液を滴下させた。白色の沈殿が析出
し、これを濾過水洗後、真空乾燥して90gのサリチル酸
樹脂亜鉛塩を得た。元素分析による亜鉛含量は6.50%で
あった。このサリチル酸樹脂亜鉛加物を用い、実施例1
と同様にして顕色シートを得た。
実施例21〜24 ジベンジルエーテル類の種類、サリチル酸とのモル
比、スチレン類の種類と量、使用した触媒の種類と量お
よび反応条件を表2のようにした以外は実施例19と同様
にして各種サリチル酸樹脂多価金属化物を製造した。得
られた金属化物の軟化点は表2に示した。
このサリチル酸樹脂多価金属化物を用い、実施例1と
同様にして顕色シートを得た。
実施例25,26 実施例19、および実施例24で得られた顕色剤の懸濁液
を用い、実施例17、18と同じ組成の塗料を調製した。
これらの塗料を上質紙に乾燥時塗布量が5.0〜5.5g/m2
となるように塗布乾燥し、顕色シートを得た。
実施例27 反応器に10重量%苛性ソーダ水溶液を440g(1.1モ
ル)を装入し、温度50℃で撹拌下にベンジルクロリド12
6.0g(1モル)を4時間かけて滴下した。その後昇温し
て温度100℃で7時間反応を行った。反応終了後、冷却
静置したところ2層に分液した。下層の水層を除去し、
上層の有機層を得た。収量105g。ガスクロマトグラフィ
ーによる組成は次のとおりであった。
ベンジルアルコール 61.2重量% ジベンジルエーテル 36.3重量% その他 2.5重量% 次に、このベンジル化合物を用いて以下の方法でサリ
チル酸共縮合樹脂および金属化物を製造した。反応器に
サリチル酸27.6g(0.2モル)、上記ベンジル化合物42.8
gおよび触媒として塩化亜鉛0.5gを装入し、窒素ガスを
通気させながら昇温した。120℃より水の留出が始ま
り、留出する水を系外に留去させながら更に昇温して15
0℃に保った。同温度で7時間反応を行って共縮合反応
を終了した。
つぎに、内温を70℃まで冷却し、これに1,2−ジクロ
ロエタン100mlを装入して室温まで冷却した。ついで、9
6%硫酸7.5gを装入し、激しく撹拌しながらスチレン83.
2g(0.8モル)を0〜2℃で16時間かけて滴下した。そ
の後、同温度で2時間熟成を行なって反応を終了した。
つぎに、反応液に水60gを撹拌下に注加したのち、希ア
ンモニア水で中和し、静置分液した。ここで得られた樹
脂の重量平均分子量は1300であった。下層の溶剤層を別
のガラス製反応器に装入し、これに酸化亜鉛8.1g(0.1
モル)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、昇温し
て60〜70℃で1時間反応を行なったのち、加熱して溶剤
を留去した。内温を150℃まで上げたのち、20mmHgの真
空下で30分間脱揮して取り出し、赤褐色透明のサリチル
酸樹脂亜鉛化物152gを得た(収率定量的)。
この樹脂亜鉛化物の軟化点は92℃であった。
上記サリチル酸樹脂亜鉛化物を顕色剤として用い、実
施例1と同様にして顕色シートを得た。
実施例28 反応器に20重量%炭酸ナトリウム水溶液を48g(0.09
モル)と2,4−ジメチル−α−メチルベンジルブロマイ
ド21.3g(0.1モル)を装入し、温度100℃で20時間反応
を行った。反応終了後、冷却静置したところ2層に分液
した。下層の水層を除去し、上層の有機層を得た。収量
14.5g。ガスクロマトグラフィーによる組成は次のとお
りであった。
2,4−ジメチル−α−メチルベンジルアルコール 87.5重
量% ジ−(2,4−ジメチル−α−メチルベンジル)エーテル1
1.9重量% その他 0.6重量% 次に、このベンジル化合物を用いて以下の方法でサリ
チル酸共縮合樹脂および金属化物を製造した。反応器に
サリチル酸5.52g(0.04モル)、上記ベンジル化合物14.
5gおよび触媒として塩化アルミニウム0.1gを装入し、実
施例27と同様に共縮合反応を行った。
つぎに、実施例27で用いたスチレンの代りにα−メチ
ルスチレン30.8g(0.24モル)を使用し、共縮合樹脂と
の反応を行なって、重量平均分子量950のサリチル酸共
縮合樹脂を得た。
この樹脂を溶剤留去したのち、内温140〜150℃であら
かじめ安息香酸亜鉛6.5gを重炭酸アンモニウム4gを混合
させたものを30分かけて加えた。ひきつづき同温度で1
時間反応を行なったのち排出して、赤色透明なサリチル
酸樹脂の亜鉛化物を得た。収量51gで軟化点は81℃であ
った。
この亜鉛化物から実施例1と同様にして顕色シートを
作成した。
比較例1 p−フェニルフェノール170g、80%パラホルムアルデ
ヒド22.5g、p−トルエンスルホン酸2.0gおよびベンゼ
ン200gをガラス製反応器に装入し、撹拌させながら加熱
して反応による生成水をベンゼンとの共沸で系外に留去
させながら70〜80℃で2時間反応させる。反応後10%水
酸化ナトリウム水溶液320gを加え、水蒸気蒸留によりベ
ンゼンを留去した。次に冷却して希硫酸を滴下し析出し
たp−フェニルフェノールホルムアルデヒド重合体を濾
取、水洗、乾燥して白色粉末176gを得た。
このp−フェニルフェノールホルムアルデヒド重合体
を用いて実施例1と同様に顕色シートを得た。
比較例2 温度計、還流冷却器、滴下ロートおよび撹拌装置を備
えた反応器にフェノール9.4gと硫酸0.2gを入れる。次
に、撹拌しながら温度50℃で滴下ロートよりα−メチル
スチレン23.6gを5時間かけて滴下した。滴下終了後、
5時間熟成して希炭酸ソーダ水溶液中に投入した。分液
して油層を得、これを真空蒸留した。真空度を3〜4mmH
gで220℃以上の留分22gを得た。次に、この留分に40%
苛性ソーダ水溶液7.5gを加え、キシレンの還流下で脱水
を行なった。脱水後、キシレン混合物をオートクレーブ
に移液し、ついで、温度160℃で炭酸ガスを30kg/cm2
なるまで導入した。その後、同温度で5時間反応した。
反応後、冷却した残ガスをパージし、反応液を熱水で抽
出して希硫酸で中和したところ結晶が析出した。これを
濾取し、酢酸水溶液で再結晶して3,5−ジ(α,α−ジ
メチルベンジル)サリチル酸8gを得た。このサリチル酸
化合物から実施例2と同様の方法で亜鉛塩を製造した。
この3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸
亜鉛塩を用いて実施例1と同様に顕色シートを得た。
〔発明の効果〕 本発明の方法によるサリチル酸樹脂多価金属化物から
調製される感圧複写紙用顕色シートにおいては、顕色剤
成分および塗料の塗布量が少なくてすみ、また塗料の濃
度、粘度等を比較的広範囲に変えられることから、オン
マシン塗工、オフマシン塗工いずれも可能となり、感圧
紙製造工程上に大きなメリットが生ずる。
上記の顕色シートは光および空気中の窒素酸化物等の
ガスによる黄変性もなく、又、光および可塑剤等に対し
て発色像が安定で、発色濃度の低下を起こさず、耐水性
も良好であるため、長期保存安定性を必要とされるが故
に従来品では不適であった用途への利用拡大が可能とな
り、その実用上の意義は極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は感圧複写紙の構造を示す図である。 1……上用紙、2……中用紙、3……下用紙、4……マ
イクロカプセル、5……顕色剤、6……筆圧

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I)、(II)、(III) (式中、R1、R2は水素原子または炭素数1〜12までのア
    ルキル基、アラルキル基、アリール基もしくはシクロア
    ルキル基を示し、R3、R6は水素原子または炭素数1〜4
    のアルキル基、R4、R5は水素原子またはメチル基を示
    す。) で表わされる構造単位からなり、構造単位(I)が5〜
    35モル%、構造単位(II)の1以上が10〜85モル%、構
    造単位(III)の1以上が4〜85モル%で、構造単位
    (I)は構造単位(II)のα炭素を介して結合し、構造
    単位(II)は構造単位(II)のベンゼン環にα炭素を介
    して結合することもでき、構造単位(III)は構造単位
    (II)および構造単位(III)のベンゼン環にα炭素を
    介して結合しており、かつ重量平均分子量が500〜10,00
    0であるサリチル酸樹脂。
  2. 【請求項2】式(I)、(II)、(III) (式中、R1、R2は水素原子または炭素数1〜12までのア
    ルキル基、アラルキル基、アリール基もしくはシクロア
    ルキル基を示し、R3、R6は水素原子または炭素数1〜4
    のアルキル基、R4、R5は水素原子またはメチル基を示
    す。) で表わされる構造単位からなり、構造単位(I)が5〜
    35モル%、構造単位(II)の1以上が10〜85モル%、構
    造単位(III)の1以上が4〜85モル%で、構造単位
    (I)は構造単位(II)のα炭素を介して結合し、構造
    単位(II)は構造単位(II)のベンゼン環にα炭素を介
    して結合することもでき、構造単位(III)は構造単位
    (II)および構造単位(III)のベンゼン環にα炭素を
    介して結合しており、かつ重量平均分子量が500〜10,00
    0であるサリチル酸樹脂の多価金属化物。
  3. 【請求項3】サリチル酸と一般式(IV) (式中、R1、R2は水素原子または炭素数1〜12までのア
    ルキル基、アラルキル基、アリール基もしくはシクロア
    ルキル基であり、これらは同じであっても異なってもよ
    い。R3、R7は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基
    を示す。) で表わされるベンジルアルコール、ベンジルエーテル、
    および/または次の一般式(V) (式中、R1、R2およびR3は式(IV)と同じ意味を有す
    る。) で表わされるジベンジルエーテルを酸触媒の存在下で反
    応させて得られる共縮合樹脂に、更に一般式(VI) (式中、R4、R5は水素原子またはメチル基を示し、R6
    水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。) で表わされるスチレン誘導体を反応させることを特徴と
    する請求項1に記載のサリチル酸樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項2に記載のサリチル酸樹脂の多価金
    属化物を含有してなる感圧複写紙用顕色剤。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の顕色剤を使用してなる感
    圧複写紙用顕色シート。
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