JPH0819170B2 - スチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

スチレン系重合体の製造方法

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JPH0819170B2
JPH0819170B2 JP62237295A JP23729587A JPH0819170B2 JP H0819170 B2 JPH0819170 B2 JP H0819170B2 JP 62237295 A JP62237295 A JP 62237295A JP 23729587 A JP23729587 A JP 23729587A JP H0819170 B2 JPH0819170 B2 JP H0819170B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、スチレン系重合体の製造方法に関し、詳し
くは高分子量化し耐衝撃性にすぐれたスチレン系重合体
の製造方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
スチレン系重合体の耐衝撃性は、分子量を上げること
によって向上させることができるが、この高分子量化の
方法としては重合温度を下げるのが一般的である。しか
し、重合温度を下げると重合時間が長くなり、また残留
する単量体の量も増加して、効率的な生産が困難になる
という問題が生ずる。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、スチレン系重合体の耐衝撃性の改善を
高分子量化することによって達成することを目的とし、
かかる方針のもとに鋭意研究を重ねた。その結果、従来
スチレン系重合体の重合に使用されたことのない2官能
性メルカプタン化合物を特定量添加するとともに、該単
量体の転化率が60重量%以上になるまで重合を行うと、
非常に高分子量のスチレン系重合体が効率よく製造でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明はスチレン系重合体を、単量体全重
量に対して200〜2000ppmの2官能性メルカプタン化合物
の存在下に、転化率が少なくとも60重量%となるまで重
合させることを特徴とするスチレン系重合体の製造方法
を提供するものである。
本発明の方法で使用するスチレン系単量体としては、
スチレンのみならず、α−メチルスチレン,α−エチル
スチレン,α−イソプロピルスチレンなどのα−置換ア
ルキルスチレン、p−メチルスチレン,m−メチルスチレ
ン,2,5−ジメチルスチレンなどの核置換アルキルスチレ
ン、p−クロロスチレン,p−ブロモスチレンなどの核置
換ハロゲン化スチレンを挙げることができる。
本発明の方法においては、上記のようなスチレン系単
量体からなる原料モノマー全重量に対して、200〜2000p
pmの2官能性メルカプタン化合物を添加して重合を行
う。
本発明で使用する2官能性メルカプタン化合物とは、
分子中に2個のメルカプト基を有する化合物であり、例
えば下記一般式(I)あるいは一般式(II)で表わされ
るメルカプタン化合物を例示することができる。
一般式 HS-R-SH ・・・(I) (式中、Rは炭素数1〜10のアルキレン基などの脂肪
族炭化水素基またはアリーレン基などの芳香族炭化水素
基であり、mは0〜12の整数,nは1〜12の整数であ
る。) 本発明で使用する2官能性メルカプタン化合物の具体
例としては、エチレンビスオキシエタンチオール;エチ
レングリコールジ(3−メルカプトプロピオネート);
1,4−ジメチルメルカプトベンゼン;1,4−ジメルカプト
ベンゼン;1,2−ジメルカプトベンゼン;1,10−ジメルカ
プトデカンなどをあげることができる。この2官能性メ
ルカプタン化合物は、単独でも、あるいは二種以上混合
して又はその他の1官能性メルカプタン,多官能性メル
カプタンと混合して使用することができる。
上記2官能性メルカプタン化合物の使用量は、使用す
る単量体全重量に対して200〜2000ppm、好ましくは400
〜1500ppmである。ここで、200ppm未満では高分子量化
の程度が低く、耐衝撃強度が向上しない。一方、2000pp
mを超えると分子量が極端に高くなり、流動性,成形性
が低下する。
本発明の方法における上記2官能性メルカプタン化合
物の作用機構については、特に明確ではないが、スチレ
ン系単量体の重合過程でこの2官能性メルカプタン化合
物が連鎖移動剤として作用し、重合を効率よく進化させ
るとともに、高分子量化を推進するものと考えられる。
本発明の方法において、上記スチレン系単量体の重合
(共重合)は、特定量の上記2官能性メルカプタン化合
物を添加することを除けば、従来公知の方法によって実
施することができる。重合条件については特に制限はな
く、例えばベンゾイルパーオキサイド,ジクルミパーオ
キサイド,t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト,2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド,クメンヒ
ドロパーオキサイドなどの重合開始剤を使用し、常圧〜
加圧下、通常は常圧下で70〜150℃程度の温度で重合す
ればよい。重合方法としては、例えば懸濁重合法,塊状
−懸濁二段重合法,塊状重合法などをあげることができ
るが、高分子量化の程度で順位をつければ、懸濁重合法
が最も効果が高く、次いで塊状−懸濁二段重合法,塊状
重合法の順となる。
なお、上記重合に際しては、この種の重合反応に一般
に用いられる懸濁安定剤など各種の添加剤を使用するこ
とができる。また、得られるスチレン系重合体の耐衝撃
性を一層向上させるために、ポリブタジエンゴム,アク
リロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR),スチレ
ン−ブタジエン共重体(SBR)等のジエン系ゴム、ポリ
ブチルアクリレート,ポリプロピルアクリレート等のア
クリル系ゴム及びエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム
(EPDM),メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン
3元共重合体(MBS)等のゴム状物質を添加してもよ
い。
上記ゴム状物質の使用量は、特に制限はないが、原料
単量体全量に対して3〜15重量%程度の範囲で選定すれ
ばよい。
また、本発明においては、上記原料単量体の重合を転
化率が少なくとも60重量%になるまで実施する。転化率
が60重量%未満では所定の高分子量化が達成されず、耐
衝撃強度が向上しない。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
なお、実施例中の%およびppmは重量基準である。
また、得られたスチレン系重合体の転化率,分子量,
メルトインデックス(MI)および耐衝撃強度は次の方法
によって測定した。
転化率 ガスクロマトグラフィーによって測定した。
重量平均分子量 分子量標準サンプルとして単分散ポリスチレン(Pres
sure Chemlcal社製)を使用し、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。
メルトインデックス(MI) JIS K 7210によって測定した。
耐衝撃強度 フラットワイズ衝撃強度(ノッチなし)として、JIS-
K7110によって測定した(1/8インチ成形品、成形温度23
0℃)。
実施例1 撹拌機付き10lの重合槽に、ベンゾイルパーオキサイ
ド0.2%,t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト0.25%,エチレングリコールジ(3−メルカプトプロ
ピオネート)を500ppm添加したスチレン単量体溶液と懸
濁安定剤である第三リン酸カルシウム1%(対水),ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05%(対水)を
添加したイオン交換水とを体積比で1:2で仕込んだ。窒
素雰囲気下500rpmにて90℃にて8時間,110℃で4時間,1
20℃で4時間重合を行った。結果を第1表に示す。
実施例2 エチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネー
ト)を1000ppm添加したこと以外は、実施例1と同様の
条件で重合を行った。結果を第1表に示す。
実施例3 エチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネー
ト)を1800ppm添加したこと以外は、実施例1と同様の
条件で重合を行った。結果を第1表に示す。
実施例4 90℃にて28時間重合した段階で反応と止め、転化率を
63%としたこと以外は、実施例1と同様の条件で重合を
行った。結果を第1表に示す。
比較例1 メルカプタン化合物を添加しなかったこと以外は、実
施例1と同様の条件で重合を行った。結果を第1表に示
す。
比較例2 エチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネー
ト)を2500ppm添加したこと以外は、実施例1と同様の
条件で重合を行った。結果を第1表に示す。
比較例3 90℃にて25時間重合した段階で反応と止め、転化率を
42%としたこと以外は、実施例1と同様の条件で重合を
行った。結果を第1表に示す。
実施例5 エチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネー
ト)の代りに、1,10−ジメルカプトデカンを1000ppm使
用したこと以外は、実施例2と同様の条件で重合重合を
行った。結果を第1表に示す。
実施例6 実施例1のスチレン単量体溶液に、ポリブタジエンゴ
ムを3重量%完全に溶解させた。このスチレン単量体溶
液をダブルヘリカル翼の付いた5lの塊状重合槽に入れ、
窒素雰囲気下、500rpmにて90℃で4時間反応させ、プレ
ポリマーを製造した。
次に、このプレポリマーと懸濁安定剤であるポリビニ
ルアルコール0.2%(対水)を溶解させたイオン交換水
とを、体積比1:2で10lの懸濁重合槽に仕込み、窒素雰囲
気下、500rpmにて、90℃で4時間,110℃で4時間,120℃
で4時間反応させた。結果を第1表に示す。
実施例7 実施例6において、ポリブタジエンゴム量を8重量%
にしたこと以外は、実施例6と同じ条件で実施した。結
果を第1表に示す。
比較例4 実施例7において、エチレングリコールジ(3−メル
カプトプロピオネート)を加えなかったこと以外は、実
施例7と同じ条件で実施した。結果を第1表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の方法によれば、スチレン系重合体の重合に際
し、50万〜120万程度まで容易に高分子量化が達成さ
れ、耐衝撃性にすぐれたスチレン系重合体を効率よく製
造することができる。また、ポリブタジエンなどのゴム
状物質を加えて重合を行えば、耐衝撃性の一層すぐれた
スチレン系重合体が得られる。
したがって本発明の方法によって製造されるスチレン
系重合体は、一般の射出あるいは押出成形、さらにはシ
ート成形の分野の素材として幅広くかつ有効に利用され
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系単量体を、単量体全重量に対し
    て200〜2000ppmの2官能性メルカプタン化合物の存在下
    に、転化率が少なくとも60重量%となるまで重合させる
    ことを特徴とするスチレン系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】重合に際してゴム状物質を存在させる特許
    請求の範囲第1項記載の製造方法。
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