JPH08191026A - フライバックトランス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フォ−カスパックをコイルの近くに装着して
形状が小型のフライバックトランスを提供すること。 【構成】 フォ−カスパックをケ−スの開口側からケ−
ス側面に沿ってスライドさせてケ−スに装着し、同時に
接続用端子を導電性ゴムに突き刺してコイル側出力端と
パック側入力端を電気的に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、陰極線管を用いるテレ
ビジョン受像機やディスプレイ装置等に使用されるフラ
イバックトランスに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般的にフライバックトランスは、図３
に示すように、端子１を持った低圧ボビン２に導線を巻
装して低圧コイル３を形成し、低圧コイル３の上に同軸
状に高圧ボビン４を結合して高圧コイル５を巻装する。
更に高圧コイル５の外側には、高圧整流回路を構成する
高圧ダイオ−ド６を装着して低圧コイル３及び高圧コイ
ル５と共にケ−ス８内に収納し、又、ケ−ス８に高圧抵
抗７等で構成するフォ−カスパック１１を装着して内部
に絶縁樹脂を充填し、硬化させて構成している。

【０００３】図２は、フライバックトランスの高圧出力
及び高圧抵抗部分の回路図である。高圧コイル５ａ、５
ｂ、５ｃと高圧ダイオ−ド６ａ、６ｂ、６ｃは、交互に
直列接続され、ダイオ−ド６ｃのカソ−ド電圧を陰極線
管のアノ−ドに供給している。フォ−カス出力端子９
は、高圧コイル５ｂの巻始め端、即ちダイオ−ド６ａの
カソ−ドに接続して設けられ、フォ−カスパック１１の
入力端子１０に接続される。フォ−カスパック１１に収
容された高圧抵抗７は、入力端子１０とア−スの間に接
続される。高圧抵抗７からは、フォ−カス電圧とスクリ
−ン電圧を取り出している。

【０００４】図４に示すのは、フォ−カスパック１１を
ケ−ス８に装着する際に、フォ−カスパック１１とコイ
ル側の端子９とを接続する部分の拡大図である。ケ−ス
８側面の切開き部内周に凹状の溝Ｂを外向きに設け、フ
ォ−カスパック１１の外殻外周に凸状の突縁Ａをフォ−
カスパックの底面向きに設ける。又、フォ−カスパック
１１に設けた針状のフォ−カスパック入力端子１０に導
電性ゴム１２を突刺しておく。

【０００５】ケ−ス８側面の溝Ｂ上に、フォ−カスパッ
ク１１外周の突縁Ａの先端部が丁度来るように、フォ−
カスパック１１とケ−ス８の位置を合わせる。この時は
まだフォ−カス出力端子９と導電性ゴム１２は、接触し
ないように離されている。位置合せが出来たら、突縁Ａ
は、溝Ｂ内に挿入され、コイル側のホルダ−１３に設け
た針状のフォ−カス出力端子９が導電性ゴム１２に突刺
さる。斯くして、フォ−カス出力端子９とフォ−カスパ
ック入力端子１０とは、導電性ゴム１２を介して電気的
に接続される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の如く、
フォ−カスパック１１とケ−ス８とを嵌合する前には、
その位置決めを妨げないように、フォ−カス出力端子９
と導電性ゴム１２とが接触しないように離しておく必要
が有る。この為にフォ−カスパックをコイルに近ずけて
配置する事が出来なくなっている。

【０００７】図４で示す如く、フォ−カスパック１１の
突縁Ａは、ケ−ス８の中心方向に向けて突出し、又、ケ
−ス８の溝Ｂは、ケ−ス８の中心から離れる方向に突出
しているので、フォ−カスパック１１とケ−ス８の嵌合
する部分の寸法ａ及び寸法ｂが長くなり、フォ−カスパ
ック１１の位置がコイル側から離れてフライバックトラ
ンス全体が大きくなってしまうと言う欠点が有った。
又、端子９、１０と導電性ゴム１２の形状も大きくする
必要が有った。

【０００８】本発明の目的は、上述の欠点を解決するも
ので、フォ−カスパックをコイル側に近く装着して、形
状が小型のフライバックトランスを提供する事である。

【０００９】

【課題を解決する為の手段】本発明は、上述の目的を達
成するために為されたもので、その特徴は、磁路を構成
する一対のコの字型コアと、このコアの一方の脚部に巻
装される低圧コイルと、この低圧コイルの上に同軸状に
巻装される高圧コイルと、これら両コイルを収納すると
共にフォ−カスパックを装着し、且つ絶縁樹脂を内部に
充填するケ−スとを具備するフライバックトランスに於
いて、フォ−カスパックの外周に、嵌合用突縁をケ−ス
側面部と平行にフォ−カスパックの外殻を広げる如く設
け、ケ−ス側面の切開き部内周に、嵌合用溝をケ−ス側
面部と平行に設けると共に、フォ−カスパックとコイル
側のホルダ−とに夫々設けた接続用端子を、導電性ゴム
を介して電気的に接続する事である。

【００１０】

【作用】フォ−カスパックをケ−スに装着する前に、フ
ォ−カスパックに設けた針状のフォ−カスパック入力端
子に導電性ゴムを突刺しておく。

【００１１】この状態で、ケ−ス側面の切開き部内周に
設けた溝上に、フォ−カスパックの外殻の外周に設けた
突縁部を合わせ、ケ−スの側面に沿ってフォ−カスパッ
クをスライドさせてケ−スの溝に挿入し、夫々の突縁部
と溝部とを嵌合させる。フォ−カスパックに接続した導
電性ゴムは、ケ−スの側面に沿って平行移動し、コイル
側のホルダ−に取付けた針状のフォ−カス出力端子に突
き刺さる。斯くして、フォ−カス出力端子とフォ−カス
パック入力端子が導電性ゴムを介して電気的に接続され
る。

【００１２】

【実施例】本発明の一実施例につき以下に説明をする。
尚、従来例と同じ部分には同じ符号を用いて、その説明
を省略する。

【００１３】図１に於いて示すのは、フライバックトラ
ンスのケ−ス８にフォ−カスパック１１を装着する際
に、フォ−カス出力端子９とフォ−カスパック入力端子
１０を接続する部分の拡大図である。フォ−カスパック
１１内の抵抗基板に固定した針状の入力端子１０は、フ
ォ−カスパック１１の底部側に突出して設けられてお
り、この入力端子１０には、角柱又は、円柱状の導電性
ゴム１２を予め突き刺しておく。

【００１４】フォ−カスパック１１の外殻の底部外周に
は、フォ−カスパックの底面を広げる如く凸状の突縁Ｘ
を設ける。即ち、フォ−カスパック１１は厚みが薄くな
る様に構成される。一方、ケ−ス８の側面の切開き部内
周には、凹状の溝Ｙをケ−ス側面部と平行に設ける。ケ
−ス８には、ホルダ−１３が収納されており、このホル
ダ−１３には、針状でＬ字型のフォ−カス出力端子９を
カシメてその先端が導電性ゴム１２の方を向くように設
置しておく。

【００１５】フォ−カスパックの突縁Ｘの先端部を、ケ
−ス側面に設けた溝Ｙ上に合わせ、フォ−カスパック１
１をケ−ス８の開口部側よりケ−ス側面に沿ってスライ
ドし、突縁Ｘを溝Ｙに挿入して嵌合する。

【００１６】フォ−カスパック入力端子１０に突刺した
導電性ゴム１２は、ケ−ス側面と平行に移動して、フォ
−カス出力端子９に突刺さる。斯くして、フォ−カス出
力端子９とフォ−カスパック入力端子１０とは、導電性
ゴム１２を介して電気的に接続される。

【００１７】導電性ゴム１２を予めフォ−カス出力端子
９に突き刺しておき、フォ−カスパック１１をケ−ス８
に嵌合するときにフォ−カスパック入力端子１０を導電
性ゴム１２に突き刺して電気的接続を行っても、その効
果は同じである。又、嵌合用の溝をフォ−カスパックに
設け、嵌合用の突縁をケ−スに設けても何等支障は無
い。

【００１８】

【発明の効果】フォ−カスパックとケ−スの嵌合部を、
ケ−ス側面と平行に設け、フォ−カスパックを、ケ−ス
の側面に沿ってスライドさせて、ケ−スに嵌合するの
で、フォ−カスパックとコイルを離す必要が無くなり、
フォ−カスパックをコイル側に接近して配置する事が出
来る。

【００１９】又、フォ−カスパックとコイルを接近させ
ると、フォ−カスパックとコイルを接続する端子や導電
性ゴムの形状も小型に出来て、充填樹脂等の材料費を低
減出来、しかもフライバックトランス全体形状も小型化
出来る。

【００２０】更に又、フォ−カスパックとケ−スとの嵌
合がスライド方式の為、圧入治具が不要になり、嵌合作
業の工程が容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るフライバックトランスの実施例に
於ける、フォ−カスパックとケ−スの接続部分を示すも
ので、（Ａ）は接続前の側面図を示し、（Ｂ）は接続前
の正面図を示し、（Ｃ）は接続後の側面図を示し、
（Ｄ）は接続後の正面図を示す。

【図２】一般的なフライバックトランスの高圧コイル及
びフォ−カスパック部分の回路図である。

【図３】従来のフライバックトランスを示す概略断面図
である。

【図４】従来のフライバックトランスに於けるフォ−カ
スパックとケ−スの接続部分を示すもので、（Ａ）は接
続前を示し、（Ｂ）は接続後を示す。

【符号の説明】

１ 端子 ２ 低圧ボビン ３ 低圧コイル ４ 高圧ボビン ５ 高圧コイル ６ 高圧ダイオ−ド ７ 高圧抵抗 ８ ケ−ス ９ フォ−カス出力端子 １０ フォ−カスパック入力端子 １１ フォ−カスパック １２ 導電性ゴム １３ ホルダ− Ａ、Ｘ 突縁 Ｂ、Ｙ 溝

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁路を構成する一対のコの字型コアと、こ
   のコアの一方の脚部に巻装される低圧コイルと、この低
   圧コイルの上に同軸状に巻装される高圧コイルと、これ
   ら両コイルを収納すると共にフォ−カスパックを装着
   し、且つ絶縁樹脂を内部に充填するケ−スとを具備する
   フライバックトランスに於いて、 フォ−カスパックの外周に、嵌合用突縁をケ−ス側面部
   と平行にフォ−カスパックの外殻を広げる如く設け、ケ
   −ス側面の切開き部内周に、嵌合用溝をケ−ス側面部と
   平行に設けると共に、フォ−カスパックとコイル側のホ
   ルダ−とに夫々設けた接続用端子を、導電性ゴムを介し
   て電気的に接続する事を特徴とするフライバックトラン
   ス。